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多岐川裕美

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
たきがわ ゆみ
多岐川 裕美
本名 大内 薫 (おおうち かおる)
生年月日 (1951-02-16) 1951年2月16日(73歳)
出生地 日本の旗 日本東京都杉並区
身長 160センチメートル[1]
血液型 O型
職業 俳優歌手
ジャンル 映画・テレビ作品・演劇
活動期間 1973年 -
配偶者 阿知波信介1984年 - 1997年
著名な家族 多岐川華子(長女)
事務所 ハーキュリーズ2014年まで)
トライストーン・エンタテイメント
公式サイト 公式プロフィール
主な作品
映画

テレビ作品
受賞
エランドール賞
1976年 新人賞
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多岐川 裕美(たきがわ ゆみ、1951年昭和26年〉2月16日[2] - )は、日本俳優歌手。本名:大内 薫(おおうち かおる)[3]トライストーン・エンタテイメント所属。

来歴

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1974年(昭和49年)、東京駅近くでアルバイトをしている時に、『聖獣学園』のヒロインを探していた鈴木則文スカウトされる[4]岡田茂 (東映) の面談を受け[5]東映と契約し[4]山脇学園短期大学を中退[6]。鈴木は偶然開けた女性週刊誌に載る懸賞一等者の名前「裕美」の運を貰い、同作役名「多岐川魔矢」の名字を合わせ、多岐川 裕美と名付けた[4]。主演デビューし、ヌードも披露している[2][7][8]

1975年(昭和50年)は千葉真一主演の『けんか空手シリーズ』では藤巻智八子役、渡哲也主演の『仁義の墓場』では破滅に向かうヒロイン役、『続・愛と誠』での影の大番長・高原由紀役などで、好演した[6]

1976年(昭和51年)の『新・女囚さそり 701号』では『女囚さそりシリーズ』の梶芽衣子に代わって松島ナミを演じたが、梶ほどの強烈な個性は発揮できなかった[6]。同年の『風と雲と虹と』では平将門の恋人・小督役など、徐々にテレビ作品へシフトをしていく中[6][9]、東映から三船プロダクションへの移籍を図るが[9]、岡田茂が難色を示したので、移るのに2年を費やした[10]

1978年(昭和53年)の『飢餓海峡』では、ヒロイン役ながら浦山桐郎から求められたヌードを拒み、降板した[6][7][8]。移籍が暗礁に乗り上げている中、脚本をきちんと理解せずに撮影へ臨んだと、一半の責任があることを認めている[10]。この渦中でも人気は高まっていき[8]、同年は東映専属最後で阿国に扮した『柳生一族の陰謀』、特にヒロイン・火田七瀬は当たり役となり[8]、『芝生は緑』、『七瀬ふたたび』は青少年の心をガッチリ掴んだ[11][12]2010年平成22年)には『七瀬ふたたび プロローグ』で火田七瀬の母も演じている。

1979年(昭和54年)の『俺たちは天使だ!』ではクールながらコミカルな一面を持つ秘書を演じている[2]。同年、移ったばかりの三船プロが分裂し、田中寿一に引き連れられ、田中プロモーションへ再び移籍した[6][7][9][13][14][15]

早大生の人気投票第一位になるなど[13]、清純派スターとして売れている1980年(昭和55年)、『聖獣学園』でヌードになっていることを芸能マスコミに報じられ、「監督に騙されてヌードになった」という発言が週刊誌に掲載されると[7][8][13]、鈴木則文から「騙したとは何ごとか!映画人の名誉に関わる問題、告訴も辞さず」と厳重抗議をされた[7][8][13]。同作が封切り時より注目されると、東映は同年5月24日からニュープリントで、『狂い咲きサンダーロード』と併映のリバイバル公開をし、ヒットさせている[16]

歌手としてもレコードを何枚か発売しているが、同年の「酸っぱい経験」はカゴメCM曲として、さらに1983年(昭和58年)の「めぐり逢いしのび逢い」は渡哲也とのデュエット曲として、共にヒット・ソングとなった。

2022年令和4年)、『カムカムエヴリバディ』に雉真雪衣(老年期)役で、連続テレビ小説初出演をした。

人物

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東京都杉並区荻窪出身[2][6]練馬区立開進第二小学校山脇学園中学校・高等学校卒業、山脇学園短期大学英文科中退[6]。父は会社員、母は保険外交員[6]

1984年(昭和59年)8月に担当マネージャーだった阿知波信介と結婚し、一人娘の多岐川華子を儲けるが、1997年平成9年)に離婚[6][9]。しかし仕事ではアクターズプロモーションに、2007年(平成19年)5月に阿知波が亡くなるまで所属し続けた[7][9]

ヌードはデビュー作のみで、以降はオファーが来ても拒否している[9][17]。東映から三船プロダクションへの移籍が進まない間に対談した浅利慶太から「あなたを“第二の佐久間良子”にする」と岡田茂が張り切っていたと水を向けられるが、「知りません、そんなこと」と返したので、「あなた、相当に気性が強いな(笑)」と言われている[10]

クイズ番組やトーク番組では天然ボケを見せる一方、極度な酒豪で親友の萬田久子は飲み仲間であり、喫煙者(ヘビースモーカー)でもある。[要出典]

出演

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映画

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テレビ作品

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舞台

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バラエティ

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紀行番組

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  • 多岐川裕美・華子のみちのく満喫!二人旅(2014年7月20日、BS朝日)

ラジオ

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CM

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音楽

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シングル

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# 発売日 A/B面 タイトル 作詞 作曲 編曲 規格品番
テイチク
1 1976年
11月1日
A面 あいつの残影 山口洋子 平尾昌晃 竜崎孝路 RS-45
B面 そしていまでは冬が好き
Invitation
2 1980年
4月21日
A面 愛しのララバイ 竜真知子 大野雄二 小笠原寛 VIH-1083
B面 ジ・グ・ザ・グ・ハイウェイ 八坂裕子 佐藤三樹夫
3 1980年
9月21日
A面 酸っぱい経験 三浦徳子 小笠原寛 VIHX-1519
B面 魔性の女
4 1980年
12月20日
A面 濡れてさよなら 三浦徳子 小笠原寛 VIHX-1527
B面 おやすみマイ・ハート
5 1981年
5月21日
A面 彼女と彼 三浦徳子 鈴木淳 小笠原寛 VIHX-1540
B面 星空ナイト
6 1981年
9月21日
A面 セクシー・キャット 三浦徳子 小笠原寛 VIHX-1552
B面 酸っぱい季節
トーラス
7 1982年
5月21日
A面 黒のオートバイ 三浦徳子 沢田研二 小笠原寛 07TR-1011
B面 太陽のミストレス 来生えつこ 来生たかお 鈴木茂
8 1982年
9月21日
A面 マイタイとため息と 安井かずみ 加藤和彦 清水信之 07TR-1022
B面 Body Coquetry 阿木燿子 沢田研二 小笠原寛
9 1983年
4月21日
A面 神戸メランコリー 三浦徳子 小笠原寛 馬飼野俊一 07TR-1034
B面 TOKYO BLUE 瓜生秀人 森田公一
10 1983年
11月21日
A面 あいたいよ 中村泰士 若草恵 07TR-1051
B面 きわどく黄昏 多岐川裕美 森田公一 小笠原寛
11 1984年
9月21日
A面 ADULT 三浦徳子 小笠原寛 07TR-1076
B面 帰らない恋人 小林和子
12 1987年
8月26日
A面 恋、爛漫 荒木とよひさ 三木たかし 川口真 07TR-1164
B面 泣いてみなさい子供のように

デュエット・シングル

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発売日 デュエット 曲順 タイトル 作詞 作曲 編曲 規格品番
1982年
12月1日
渡哲也 A面
[注釈 2]
めぐり逢い しのび逢い 水木かおる 遠藤実 斉藤恒夫 07TR-1026
1986年
10月22日
中村泰士 A面 あぶない2人 中村泰士 竜崎孝路 07TR-1138
B面 あと五分だけ あみ啓三
1992年
9月30日
高田純次 01 19番のタンゴ[注釈 3] 長戸大幸 吉江一男 寺尾広 TASL-7339
02 雨のバラードに抱かれて 森山進治 多々納好夫

オリジナル・アルバム

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ライブ・アルバム

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  1. LIVE / 多岐川裕美(1980年、インビテーション、VIH-28009)

ベスト・アルバム

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  • アクトレス・セレクト14「多岐川裕美」(1986年11月29日、トーラス、34TX-1052)
  • 多岐川裕美BEST(1988年1月21日、ビクター、VDR-28032)

タイアップ曲

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楽曲 タイアップ
1976年 あいつの残影 東映映画「新・女囚さそり 701号」主題歌
そしていまでは冬が好き 東映映画「新・女囚さそり 701号」挿入歌
1980年 愛しのララバイ 日本テレビ系テレビドラマ「愛しい女」主題歌
酸っぱい経験 カゴメ「トマト&レモン」CMソング
1981年 濡れてさよなら TBS系テレビドラマ「微笑天使」主題歌
セクシー・キャット カゴメ「トマト&レモン」CMソング
1983年 あいたいよ 東海「ベスタ」CMソング
1987年 恋、爛漫 秋田銘醸「美酒爛漫」CMソング

作詞(提供)

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  • す・て・き・にかん違い
作詞:多岐川裕美/作曲:沢田研二/編曲:西平彰

 * 1983年3月5日「JULIE SONG CALENDAR」(沢田研二)に収録。

出版物

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  • 夜間飛行-見知らぬあなたへそっと 写真とエッセイ集(1980年、ワニブックス)
  • ディーヴァー多岐川裕美写真集(1992年、大陸書房)
  • 多岐川裕美さんのニットブック(1993年、雄鶏社
ビデオ

受賞

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参考文献

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  • 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5 
  • 別冊映画秘宝編集部 編 編『<保存版>別冊映画秘宝 東宝特撮女優大全集』洋泉社、2014年9月24日。ISBN 978-4-8003-0495-7 

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 多岐川裕美は『七瀬シリーズ』の『芝生は緑』と『七瀬ふたたび』で火田七瀬に扮している[19]
  2. ^ B面は、渡哲也の「さすらいの挽歌」。
  3. ^ J.A.M Creamの同名曲のカバー。

出典

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  1. ^ 多岐川 裕美”. 日本タレント名鑑. VIPタイムズ. 2016年5月27日閲覧。
  2. ^ a b c d 東宝特撮女優大全集 2014, p. 148, 文・樋口尚文「多岐川裕美」
  3. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.548
  4. ^ a b c 鈴木則文『東映ゲリラ戦記』筑摩書房、2012年、136-137頁。ISBN 978-4-480-81838-6 
  5. ^ 志穂美悦子さん、海外映画祭で空手の相手に…岡田茂氏死去 - スポーツ報知(archive)
  6. ^ a b c d e f g h i j 『日本映画俳優全集・女優編』キネマ旬報社、1980年、414-415頁。 
  7. ^ a b c d e f 日刊ゲンダイ|「裸はイヤ」と連ドラを降板した多岐川裕美p1p2p3
  8. ^ a b c d e f 「週刊文春」編集部 (2023年7月18日). “裸で拷問シーン、略奪愛、元夫の自殺…女優・多岐川裕美が封印する「黒歴史」とは”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2023年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ2024年12月9日閲覧。
  9. ^ a b c d e f 「週刊文春」編集部 (2023年7月18日). “略奪愛で長女誕生。しかしその後、悲劇が…”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2023年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ2024年12月9日閲覧。
  10. ^ a b c 〈シリーズ浅利慶太の幕間対談〉 ゲスト・多岐川裕美 「私にも木之内みどりさんみたいに失踪したい衝動はあるわ」『週刊現代』1978年11月16日号、56-60頁。
  11. ^ 樋口尚文『テレビ・トラベラーー昭和・平成テレビドラマ批評大全』国書刊行会、2012年、42-43、339-340頁。ISBN 978-4336054777 
  12. ^ 特集 なつかしの番組 少年ドラマシリーズ「七瀬ふたたび」-NHKアーカイブス
  13. ^ a b c d サンデー毎日』1980年3月16日号、30-31頁
  14. ^ 週刊サンケイ』1982年2月11日号、36頁
  15. ^ デイリー新潮編集部 (2021年12月30日). “34年ぶり主演映画の「烏丸せつこ」元夫の逮捕、自己破産を乗り越えた波乱万丈人生”. デイリー新潮. 新潮社. 2021年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ2024年12月4日閲覧。
  16. ^ 鈴木則文『東映ゲリラ戦記』筑摩書房、2012年、132-141頁。ISBN 978-4-480-81838-6 
  17. ^ 杉作J太郎・植地毅(編著)『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』徳間書店、1999年、144頁。ISBN 4-19-861016-9 
  18. ^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 538, 「主要特撮作品配役リスト」
  19. ^ 芝生は緑 - allcinema
  20. ^ “相武紗季主演ドラマ『硝子の葦』から裸のポスター公開、追加キャスト9人も判明”. (2015年1月17日). https://www.cinra.net/news/20150117-garasunoashi 2015年1月17日閲覧。 
  21. ^ 【カムカムエヴリバディ】晩年の“雪衣”役は多岐川裕美「悩んだまま生きてきた」”. ORICON NEWS. oricon ME (2022年3月16日). 2022年3月16日閲覧。
  22. ^ 松本若菜のドラマ「わたしの宝物」さとうほなみ、恒松祐里、多岐川裕美、北村一輝が出演”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年9月26日). 2024年9月26日閲覧。
  23. ^ 粛々と運針”. PARCO STAGE -パルコステージ-. 2022年1月22日閲覧。

外部リンク

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