コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「杉村春子」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
m 外部リンク: Bot:作業依頼 - 女優カテゴリーの訂正と重複除去
 
(100人を超える利用者による、間の280版が非表示)
2行目: 2行目:
| 芸名 = 杉村 春子
| 芸名 = 杉村 春子
| ふりがな = すぎむら はるこ
| ふりがな = すぎむら はるこ
| 画像ファイル =
| 画像ファイル = Haruko Sugimura 01.jpg
| 画像サイズ =
| 画像サイズ = 180px
| 画像コメント =
| 画像コメント = [[1953年]]([[昭和]]28年)
| 本名 = 石山 春子(いしやま はるこ)
| 本名 = 石山 春子
| 別名 =
| 別名 =
| 出生地 = [[広島県]][[広島市]]
| 出生地 = {{JPN}}・[[広島県]][[広島市]]
| 死没地 = [[東京都]][[文京区]]
| 死没地 = {{JPN}}・[[東京都]][[文京区]]
| 国籍 = {{JPN}}
| 国籍 = [[日本]]
| 身長 =
| 血液型 = [[O型]]
| 血液型 = [[O型]]
| 生年 = 1906
| 生年 = 1906
19行目: 20行目:
| 職業 = [[俳優|女優]]
| 職業 = [[俳優|女優]]
| ジャンル = [[舞台]]、[[映画]]、[[テレビ]]
| ジャンル = [[舞台]]、[[映画]]、[[テレビ]]
| 活動期間 =[[1927年]]-[[1997年]]
| 活動期間 =[[1927年]] - [[1997年]]
| 活動内容 =
| 活動内容 =
| 配偶者 =最初の夫・長広岸郎、二番目の夫・石山季彦
| 配偶者 =1. 長広岸郎([[1933年]] - [[1942年]]死別){{R|prf}}<br />2. 石山季彦{{R|prf}}([[1950年]] - [[1966年]]、死別)
| 家族 =
| 著名な家族 =
| 事務所 =
| 公式サイト =
| 公式サイト =
| 主な作品 = '''映画'''<br />『[[東京物語]]』(1953年)<br />『[[秋刀魚の味]]』(1962年)<br /><hr>'''舞台'''<br />『[[女の一生 (森本薫)|女の一生]]』<br />『[[欲望という名の電車]]』<br />『[[鹿鳴館 (戯曲)|鹿鳴館]]』<br />『[[華岡青洲の妻]]』
| 主な作品 = <!--皆が認める代表作品を入力-->
| アカデミー賞 =
| アカデミー賞 =
| AFI賞 =
| AFI賞 =
35行目: 37行目:
| ゴヤ賞 =
| ゴヤ賞 =
| グラミー賞 =
| グラミー賞 =
| ブルーリボン賞 = '''助演女優賞'''<br />[[1951年]]『[[麦秋 (1951年の映画)|麦秋]]』、『[[めし]]』、『[[命美わし]]
| ブルーリボン賞 = {{Plainlist|
* '''助演女優賞'''
* [[ブルーリボン賞 (映画)#第2回(1951年度)|1951年]]『[[麦秋 (1951年の映画)|麦秋]]』、『[[めし]]』、『命美わし』
}}
| ローレンス・オリヴィエ賞 =
| ローレンス・オリヴィエ賞 =
| 全米映画俳優組合賞 =
| 全米映画俳優組合賞 =
| トニー賞 =
| トニー賞 =
| 日本アカデミー賞 = '''会長特別賞'''<br />[[1997年]]
| 日本アカデミー賞 = {{Plainlist|
* '''会長特別賞'''
* [[第21回日本アカデミー賞#会長特別賞|1998年]]
| その他の賞 = '''[[キネマ旬報賞]]'''<br />'''主演女優賞'''<br />[[1995年]]『[[午後の遺言状]]』<br />'''[[毎日映画コンクール]]'''<br />'''女優助演賞'''<br />[[1953年]]『[[にごりえ (映画)|にごりえ]]』、『[[東京物語]]』<br />'''女優主演賞'''<br />[[1995年]]『[[午後の遺言状]]』<br />'''[[日刊スポーツ映画大賞]]'''<br />'''主演女優賞'''<br />[[1995年]]『[[午後の遺言状]]』<br />'''[[紀伊國屋演劇賞]]'''<br />'''個人賞'''<br />[[1991年]]
}}
| その他の賞 = '''[[キネマ旬報ベスト・テン]]'''<br/>'''主演女優賞'''<br/>[[キネマ旬報#第69回(1995年度)|1995年]]『[[午後の遺言状]]』<hr/>'''[[毎日映画コンクール]]'''<br/>'''女優主演賞'''<br/>[[毎日映画コンクール#第50回(1995年)|1995年]]『[[午後の遺言状]]』<br/>'''女優助演賞'''<br/>[[毎日映画コンクール#第8回(1953年)|1953年]]『[[にごりえ (映画)|にごりえ]]』『[[東京物語]]』<hr />'''[[日刊スポーツ映画大賞]]'''<br />'''主演女優賞'''<br />1995年『[[午後の遺言状]]』<hr />'''[[紀伊國屋演劇賞]]'''<br />'''個人賞'''<br />1991年<hr />'''[[読売演劇大賞]]'''<br />'''大賞・最優秀女優賞'''<br />1994年<br />'''[[芸術祭 (文化庁)|文化庁芸術祭賞]]'''<br />1991年
| 備考 =
| 備考 =
}}
}}
'''杉村 春子'''(すぎむら はるこ、[[1906年]][[1月6日]] - [[1997年]][[4月4日]])は、[[広島県]][[広島市]]出身の[[新劇]][[俳優|女優]]。本名は'''石山 春子'''(いしやま はるこ)。旧姓は'''中野'''(なかの)であり、杉村は芸名である。[[築地小劇場]]より始まり[[文学座]]に至る日本の演劇界の屋台骨を支え続け、演劇史・文化史に大きな足跡を残した文字通り、日本を代表する[[カリスマ]]女優<ref name="日本経済新聞200967">[[日本経済新聞]]2009年6月7日24面。</ref><ref name="bunshun.photo_column">[http://www.bunshun.co.jp/photo_column/pic/sugimura.html 文春写真館 あのとき、この一枚|文藝春秋]</ref>。[[称号]]は[[東京都]][[名誉都民]]
'''杉村 春子'''(すぎむら はるこ、[[1906年]]〈[[明治]]39年〉[[1月6日]] - [[1997年]]〈[[平成]]9年〉[[4月4日]]{{R|prf2}})は、[[広島県]][[広島市]]出身の[[新劇]][[俳優|女優]]{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|hiroshima241030|taidan|演劇研究8_37}}}}。本名石山 春子。旧姓中野{{R|演劇研究8_37}}

[[築地小劇場]]より始まり[[文学座]]に至る日本の演劇界の屋台骨を支え続け{{Refnest|group="出典"|{{R|日経2009614|tbsradio}}}}、演劇史・文化史に大きな足跡を残した、日本を代表する女優{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|taidan|日経2009614|俳優全集|昭和ヒーロー|bunshun|fujingaho}}}}。[[称号]]は[[東京都]][[名誉都民]]。


== 来歴・人物 ==
== 来歴・人物 ==
=== 舞台女優へ ===
遊女の私生児として[[広島市]]の色街に出生。幼時に母親が死んだため、材木商の養女にもらわれ何不自由なく育つ。[[広島女子高等師範学校|山中高等女学校]](現・[[広島大学附属福山中学校・高等学校|広島大学付属福山高]])卒業後、声楽家になるべく上京して[[東京音楽学校 (旧制)|東京音楽学校]](現・[[東京芸術大学]])を受験するが、2年続けて失敗。広島に戻り[[広島女学院中学校・高等学校|広島女学院]]で音楽の代用教員をしていたが、[[築地小劇場]]([[劇団俳優座|俳優座]]の前身)の旅芝居を見て感動。再び上京してテストを受けるが、[[広島弁|広島訛り]]がひどくまたも不合格。しかし、次回公演の背中を向けてオルガンを弾く役(台詞無し)で採用され築地小劇場最後の研究生となる。こうして以後70年に及ぶ演劇人生の第一歩を踏み出す。
[[1906年]]、当時の[[軍郷|軍都]]{{R|折井}}、[[広島県]][[広島市]]西地方町(現在の広島市[[中区 (広島市)|中区]][[十日市町・土橋|土橋町]]、河原町付近<ref>[http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1110871016786/index.html 広島市 - 廃止町名と現在の町の区域(FAQID-2246~2249・2289)]</ref>)生まれ{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|library.city.hiroshima}}}}。[[芸妓|芸者]]の母、[[軍人]]だったとされる父が春子の幼時に死んだため、[[花街|花柳界]]の中にある[[建築材料|建築資材商]]と[[置屋]]経営者の[[養子縁組|養女]]となる{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|hiroshima241030|taidan|折井|nikkei130609|yurindo426|fukuda|kitakyu-dousoukai}}}}。養父は近所の寿座という西日本一の[[芝居小屋]]の[[株主]]だった関係で{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|折井}}}}、幼少期から[[歌舞伎]]や[[新派]]、[[歌劇]]、[[文楽]]などに親しむ{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|taidan|折井|yurindo426|bs-jarirekisyo}}}}。両親が[[赤の他人]]と知ったのは小学6年生のとき{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|nikkei130609}}}}。ショックを受けたが、同時に養母の人生も知り、「世の中で信じられるのは自分だけ。自分が見たもの、感じたもの、自分が発した言葉だけを頼りに生きていく」と決めた{{R|prf2}}。[[広島市立神崎小学校|広島市立神崎尋常小学校]]を経て{{R|演劇研究8_37}}、[[1922年]]、[[広島女子高等師範学校|山中高等女学校]](現・[[広島大学附属福山中学校・高等学校|広島大学付属福山高]])卒業後{{Refnest|group="出典"|{{R|prf|演劇研究8_37}}}}、[[声楽|声楽家]]を目指し上京して[[東京音楽学校 (旧制)|東京音楽学校]](現・[[東京芸術大学]])を受験するが、2年続けて失敗{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|taidan|演劇研究8_37|折井|nikkei130609|meigen140929}}}}。[[1924年]]広島に戻り、[[1925年]]から[[1927年]]3月まで[[広島女学院中学校・高等学校|広島女学院]]で音楽の[[代用教員]]をしていた{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|演劇研究8_37|折井|nikkei130609}}}}。広島女学院の教員室で[[築地小劇場]]([[劇団俳優座|俳優座]]の前身)の広島公演の話を聞き{{R|prf2}}、同劇団の旅芝居を見て感動{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|taidan|近代日本女優史}}}}。但し観客はポカーン状態だったという{{R|taidan}}。当時は[[芸能]]は[[子飼い]]からやらないとものにならないと思われていた時代で、女学校も出て20歳になろうかとする人が、芸能を始めるなんて夢にも考えられなかったという{{R|taidan}}。1927年4月、母に音楽の勉強をしたいからと偽り再び上京{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|俳優全集|折井}}}}。劇団の合否を待たずに代用教員は退職し、同劇場のテストを受ける。[[広島弁|広島訛り]]が強く、[[土方与志]]から「三年くらいセリフなしで辛抱するなら」という条件付きで採用され{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|nikkei130609|yurindo426|竹中}}}}、1927年、築地小劇場の研究生となった{{Refnest|group="出典"|{{R|演劇研究8_37|折井|michi}}}}。芸名は[[姓]]だけ、[[青山杉作]]の一字を貰い、"杉村春子"とした{{R|近代日本女優史}}。同月『[[何が彼女をさうさせたか]]』にたまたま欠員が出たため、音楽教師の前歴を買われてオルガン弾きの役(台詞無し)で初舞台{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|prf2|演劇研究8_37|俳優全集|折井}}}}。しばらくはなかなか役がつかなかったが、その卓抜した演技力で徐々に頭角を現していく{{R|nikkei130609}}。[[1929年]]、築地小劇場が分裂・解散した後は[[友田恭助]]らの築地座に誘われて参加{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|俳優全集|折井}}}}、[[1935年]]の舞台『瀬戸内海の子供ら』([[小山祐士]]作)に出演した{{R|人間昭和史}}。


=== 文学座での活躍 ===
築地小劇場の分裂・解散、次に加わった築地座の解散を経て[[1937年]]、[[岸田国士]]、[[久保田万太郎]]、[[岩田豊雄]]らが創立した劇団[[文学座]]の結成に参加。以来、同座のみならず、日本演劇界の中心的存在として活躍。特に戦時[[1945年]]4月、[[東京大空襲]]下の[[渋谷]][[東横映画|東横映画劇場]]で初演された[[森本薫]]作『'''[[女の一生]]'''』の'''布引けい'''は当たり役となり、[[1990年]]までに上演回数は900回を超え、日本の演劇史上に金字塔を打ち立てた。作中の台詞 "だれが選んでくれたんでもない、自分で歩き出した道ですもの―" は、生涯"女優の一生"を貫いた杉村の代名詞として有名。[[1948年]]には演劇部門で戦後初の[[日本芸術院賞|芸術院賞]]受賞。
築地座の解散後の[[1937年]]、[[岸田國士]]、[[久保田万太郎]]、[[獅子文六|岩田豊雄]]らが創立した劇団[[文学座]]の結成に参加{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|taidan|prf2|演劇研究8_37|nikkei130609}}}}。直後に[[友田恭助]]が戦死したことで妻の[[田村秋子]]が文学座に参加せず{{R|近代日本女優史}}、同劇団の中心女優として力を付けていく{{Refnest|group="出典"|{{R|折井|nikkei130609}}}}。[[1938年]]に[[花柳章太郎]]の[[新派|新生新派]]に客演し、大きな影響を受ける{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|折井}}}}。時の[[ファッシ|ファッショ]]的政府の[[弾圧|弾壓]]により、[[新協劇団|新協]]、[[新築地劇団|新築地]]の両有力劇団が解散{{R|演劇研究8_30}}、優秀な新劇役者の多くが舞台から退いたり、映画界に身を投じたり四散し{{R|演劇研究8_30}}、文学座以外に充実した新劇運動が見られなくなったことも杉村にとっては幸運だった{{R|演劇研究8_30}}。文学座は戦争協力劇団だった関係で、戦中に唯一弾壓を逃れた{{R|W新潮870122}}。[[1940年]]に『ファニー』で主役を演じて以降{{R|prf2}}、文学座の中心女優となった{{Refnest|group="出典"|{{R|meigen140929|michi|sm800511}}}}。文学座に観に行くということは杉村春子を観に行くことと、殆ど[[同義語]]に化した{{R|演劇研究8_30}}。また、文学座以外の舞台にも出演し、日本演劇界の中心的存在として活躍した{{Refnest|group="出典"|{{R|昭和ヒーロー|人間昭和史|毎日170912|日刊201031|演劇研究8_27}}}}。


特に[[1945年]]4月11–16日、[[東京大空襲]]下の[[渋谷]][[東横映画|東横映画劇場]]で初演された[[森本薫]]作『'''[[森本薫#『女の一生』|女の一生]]'''』の'''布引けい'''は当たり役となり{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|nikkei130609|bs-jarirekisyo|bungakuza1|bungakuza2|nikkei150313|wa690214|archives1627|日本演劇史|bookbang}}}}、[[1990年]]までに上演回数は900回を超え、日本の演劇史上に金字塔を打ち立てた{{Refnest|group="出典"|{{R|nikkei130609|fukuda|bungakuza1|bungakuza2|nikkei150313|wa690214}}}}。作中の台詞 "だれが選んでくれたんでもない、自分で歩き出した道ですもの。間違いと知ったら、自分で間違いでないようにしなくちゃ" は、生涯"女優の一生"を貫いた杉村の代名詞として有名{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|nikkei130609|meigen140929|nikkei150313|ootake}}}}{{efn|杉村は「布引けいはあたしと一緒になってるみたいで…」と述べている{{R|wa690214}}。}}。初演はわずか5日間だったが、6000人を動員{{Refnest|group="出典"|{{R|折井|ootake}}}}。
しかし、[[1963年]]1月、杉村の感情の起伏が激しい性格と、専横ともいえる劇団への統率ぶりに不満を持った[[芥川比呂志]]、[[岸田今日子]]、[[仲谷昇]]、[[神山繁]]、[[加藤治子]]、[[小池朝雄]]ら、中堅劇団員の大半が文学座を集団脱退し、現代演劇協会・[[劇団雲]]を結成。さらに同年12月には、それまで杉村主演の戯曲を何本も書いていた[[三島由紀夫]]の新作戯曲上演拒否問題([[喜びの琴事件]])が起こって、三島を筆頭に[[丹阿弥谷津子]]、[[中村伸郎]]、[[賀原夏子]]、[[南美江]]ら、文学座の古参劇団員が次々に脱退していった。杉村は、これらの脱退メンバーの大半とはその後の関係を断絶し、特に反杉村を鮮明にしていた[[福田恆存]]が代表となった劇団雲に参加したメンバーに対しては、共演を頑なに拒否するなど終生許すことはなかった<ref>[[週刊朝日]]1978年1月6日号、130-135頁</ref><ref>[[サンデー毎日]]1978年10月1日号、56、57頁</ref>。文学座は、主要メンバーの2度にわたる大量離脱で創立以来最大の危機を迎え、当時の新聞は"崩壊に瀕する文学座"などと書きたてたが、[[太地喜和子]]、[[江守徹]]、[[樹木希林]]、[[小川眞由美|小川真由美]]、[[高橋悦史]]ら若手を育てることで何とか乗り切った<ref name="日本経済新聞200967"/><ref>[http://blog.oricon.co.jp/fujitayumiko/archive/98/0 文学座:藤田弓子オフィシャルブログ 2010年3月21日]</ref><ref name="bunshun.photo_column"/><ref>『回想の文学座』北見治一著、[[中央公論社]]、1987年、238、239頁</ref>。しかし、杉村の専横に批判的だった人物が抜けてしまったことにより、杉村の劇団に対する独裁に近い影響力にさらに拍車がかかったとの見方もある。


[[戦後#第二次世界大戦後|戦後]]第一回の文学座の公演は大失敗に終わり{{R|wa690214}}、座員たちは意気消沈したが、1947年夏に初めて[[日本橋室町|日本橋]][[三越劇場]]で行われた森本薫追悼公演「女の一生」が大成功を収め、座員たちにもう一度芝居をやろうという士気を奮い立たせるきっかけになった{{R|wa690214}}。
戦後、『女の一生』の再演は文学座が立ち直るきっかけとなった。経営の苦労が身に染みて知る杉村はお客を大切にした。このことは新劇の商業演劇進出の走りといわれる<ref name="新宿 歴史に生きた女性一〇〇人">『新宿 歴史に生きた女性一〇〇人』、折井美那子・新宿女性史研究会編者、ドメス出版、2005年、97頁。</ref>。


そのほか、日本のそれまでの芝居になかった"女"のすべてをリアルにさらけ出した『[[欲望という名の電車]]』のブランチ役(上演回数593回){{Refnest|group="出典"|{{R|折井|人間昭和史|日本演劇史}}}}、『[[華岡青洲の妻]]』の於継役(上演回数634回){{Refnest|group="出典"|{{R|折井|natalie161130}}}}、『[[ふるあめりかに袖はぬらさじ]]』のお園役(上演回数365回){{Refnest|group="出典"|{{R|fukuda|asahi230810|nikkei230922}}}}、『[[華々しき一族]]』の諏訪役(上演回数309回)などの作品で主役を務め、『女の一生』と並ぶ代表作とした{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|折井|nikkei130609|yurindo426|michi|wakao|kabuki-bito}}}}。いくつもの当たり役を持つ舞台女優は稀である{{R|折井}}。
『女の一生』のほか、『華岡青洲の妻』、『[[欲望という名の電車]]』、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』など創作劇、翻訳劇のいずれの分野でも、リアルな女性像を描き出した。舞台のみならず、映画・テレビでも幅広く活躍。映画初出演は[[築地小劇場]]時代の1927年に[[小山内薫]]が監督をした『黎明』か<ref name="日本経済新聞2009614">[[日本経済新聞]]2009年6月14日24面。</ref>[[1932年]]、[[水谷八重子 (初代)|初代水谷八重子]]と共演した『浪子』<ref>『日本映画俳優全集・女優編』[[キネマ旬報]]社、371頁。</ref>か、[[1937年]]、『浅草の灯』<ref>『演劇研究 第8集』、演技研究所、371頁。</ref>か、文献によって記述が異なる。その後も[[小津安二郎]]、[[黒澤明]]、[[成瀬巳喜男]]、[[豊田四郎]]、[[木下惠介]]といった名監督たちから、既存の映画俳優には無い自然でリアルな演技力を高く評価され、『[[東京物語]]』を初め日本映画史を彩る名作群約100本に出演、映画史にもその名を刻んだ。[[森雅之 (俳優)|森雅之]]と共に最も映画に貢献した新劇俳優でもある<ref name="日本経済新聞2009614"/>。小津組でたった一人、[[稽古#読み合わせ|読み合わせ]]への不参と"縫い"(かけ持ち)を許された俳優<ref>[[高橋治]]『絢爛たる影絵 小津安二郎』、[[文藝春秋]]、1982年、57頁。</ref>。[[高峰秀子]]が『小島の春』を観た際に杉村の演技に感動、「仕方なしにやっていた(本人談)」役者稼業に以後本気で取り組むようになったという逸話も残す<ref>[[週刊朝日]]1980年1月4日号、142頁。</ref>。また[[森光子]]がやはりこの映画の杉村の演技に大きな衝撃を受け、これ以上の衝撃を以降感じたことはないと話している。森は「演技の師匠を持たない私が、心から尊敬しお手本としたのは10代から憧れた杉村先生ただ一人です。時代劇の娘役の頃からいつか近づきたいとひそかに思い続けてきました」と話している<ref>森光子 『人生はロングラン』 [[日本経済新聞出版社]]、2009年、218頁。</ref>。[[成瀬巳喜男]]監督『[[流れる#映画|流れる]]』で共演した[[山田五十鈴]]は、あの映画の杉村さんの芝居は、ぜんぶ杉村さんがお考えになったもの、「そういうことが許されるようになった時代です。それこそ役者の力量が問われる時代になってきたんです」と述べている<ref>[[川本三郎]]『君美わしく―戦後日本映画女優讃』 [[文藝春秋]]、1996年、302頁。</ref>。[[若尾文子]]は「杉村春子さんは特別な存在」と話し、杉村の代表作『華々しき一族』を熱望し2008年に演じた<ref>[http://etheatrix01.eplus2.jp/article/107888163.html e+ Theatrix! Pick Up: 『華々しき一族』]</ref><ref>[http://www.hi-carat.co.jp/c000023/archives/2008/10/26/entry3348.html 芸能人インタビュー|連載コラム|はいからOnline]</ref><ref>[[産経新聞]]2008年11月26日27面。</ref>。[[吉永小百合]]は美しい所作の先生は杉村と話している<ref>[http://www.joqr.co.jp/blog/dankai_sat/archives/2010/01/116_3.html ドコモ 団塊倶楽部]</ref><ref>[http://masters.goo.ne.jp/special/docomo/30/ 吉永 小百合 - ドコモ団塊倶楽部スペシャルコラム - gooマスターズ]</ref>。


[[1948年]]には「女の一生」により演劇部門で[[戦後#第二次世界大戦後|戦後]]初の[[日本芸術院賞]]を受賞した{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|俳優全集|朝日19480429}}}}。「女の一生」は1961年夏の公演で500回を越え{{R|wa690214}}、日本の新劇では最初のケースだった{{R|wa690214}}。
[[1940年]]に初演された[[山田耕筰]]の[[歌劇]]『[[黒船 (山田耕筰)|黒船]]』では姐さん役を担当している。これは、彼女の声こそ日本語でオペラを歌うのにふさわしいと山田が判断したことによる。


1958年、日本新劇俳優協会設立に常任理事として参画(1995~1997年、三代目会長){{R|jtaa}}。同年、第10回[[NHK放送文化賞]]を受賞した{{R|折井}}。
日本の伝統演劇、女形芸などを熱心に吸収し、色艶の有る独持の演技を完成させる。酒もたばこもたしなまず、ひたすら仕事と恋に生きた。生涯愛した三人の男(最初の夫、森本薫、二度目の夫)には全て、それも[[結核]]で先立たれた。しかしその都度女優として成長し、<!-- 恋は芸の肥やし、と言うがまさに男の精気を吸い取りながら ←大仰な表現であり、検証も不可能?なのでコメントアウト。-->芸を追求した。


[[安保闘争#60年安保|60年安保]]前後から[[左翼]]に接近、安保反対の[[デモ活動|デモ行進]]に積極的に参加した{{R|竹中}}。[[1960年]][[6月15日]]([[水曜日]])に[[参議院]]国会参議院面会所前であった新劇人会議のデモに[[暴力団]]が殴り込み、80人の負傷者を出したが、杉村は劇団の若い女優たちのスクラムに守られて難を逃れた{{R|竹中}}。[[衆議院]]南通用門で[[樺美智子]]が惨死したのはその数時間後だった{{R|竹中}}。文学座分裂の動きは[[安保闘争]]のさなかに芽生えた{{R|竹中}}。脱退した劇団員はこのとき無関心を装った人たちだった{{R|竹中}}。[[1961年]]、平和7人委員会の創立に参加{{R|折井}}。
[[1974年]]、女優としては[[東山千栄子]]、[[水谷八重子 (初代)|初代水谷八重子]]に次いで3人目の[[文化功労者]]に選ばれた。[[1995年]]には[[文化勲章]]の候補に名があがったが、「勲章は最後にもらう賞、自分には大きすぎる。勲章を背負って舞台に上がりたくない、私はまだまだ現役で芝居がしていたいだけ」「戦争中に亡くなった俳優を差し置いてもらうことはできない」と周りの説得も聞かず辞退した。[[1996年]]日本新劇俳優協会会長。[[1997年]]70年の芸能生活で仕事を一度も降りたことがなかった杉村だが、1月19日NHKドラマ『棘・おんなの遺言状』の収録中に貧血と腰痛を訴えて入院し降板、代役は[[南美江]]が演じた。2月に入り文学座の会見では「[[十二指腸潰瘍]]」と発表されたが、そのときすでに[[膵癌|膵臓癌]]でもあると、医師から文学座の社長・[[戌井市郎]]・[[北村和夫]]・[[江守徹]]など近しい人にだけ知らされていたという。3月に[[新橋演舞場]]で予定されていた『華岡青洲の妻』も、チケットが発売されている状態での緊急降板、代役は[[藤間紫]]が演じた。しかし病室では簡単なストレッチをしたり、男性の見舞い客が来ると聞くと長い時間をかけてお化粧をしたりと常に弱っている姿を見せまいと気丈に振る舞っていたという。3月16日に意識が混濁、4月4日午前0時30分[[頭部]]膵臓癌のため[[東京都]][[文京区]]にある日本医科大学病院で、長女のヒロ、当時70歳の長年のファン女性二人に最期を看取られ逝去。本人は癌であることは知らされず亡くなる直前まで台本を読んでおり、最期まで女優であり続けた。[[享年]]91。<!--終生、[[外反母趾]]であった。--><!--脱線トリビア-->死後、[[政府]]から[[銀杯]]一組が贈られた。


劇団の中心的存在になっても、いつ役を降ろされるかと怯え、常に自らを律し精進を続ける{{R|nikkei130609}}。半面、好き嫌いで配役を決め、ライバルへの敵意をむき出しにし、思い通りにならないとヒステリックに仲間を怒鳴りつける一面もあったといわれる{{R|nikkei130609}}。
杉村の死後[[1998年]]、若手演劇人の育成に力を注いだ杉村の遺志を尊重し、新人賞的意味合いを持つ'''[[読売演劇大賞|杉村春子賞]]'''が新たに創設された。

[[1963年]]1月、杉村の感情の起伏が激しい性格と、専横ともいえる劇団への統率ぶりに不満を持った[[芥川比呂志]]、[[岸田今日子]]、[[仲谷昇]]、[[神山繁]]、[[加藤治子]]、[[小池朝雄]]ら、中堅劇団員の大半が文学座を集団脱退し{{Refnest|group="出典"|{{R|折井|日本演劇史|wy640726|masayukilife}}}}、[[現代演劇協会]]・[[劇団雲]]を結成{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|nikkei130609|yurindo426|masayukilife}}}}。さらに同年12月には、それまで杉村主演の戯曲を書いていた[[三島由紀夫]]の新作戯曲『[[喜びの琴]]』の[[右傾]]化に激怒して上演を中止させた{{Refnest|group="出典"|{{R|W新潮870122|chunichi220323|nikkan-gendai221213|masayukilife|bookbang}}}}([[喜びの琴事件]])。この上演拒否問題により、翌[[1964年]]1月、三島を筆頭に[[丹阿弥谷津子]]、[[中村伸郎]]、[[賀原夏子]]、[[南美江]]ら、文学座の古参劇団員が次々に脱退していった{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|bunshun|W新潮870122|nikkei150313|日本演劇史|wy640726|sm78101|ゴシップ10年史|chunichi220323}}}}。これら脱退者により[[岩田豊雄]]([[獅子文六]])と三島を顧問とする[[劇団NLT|グループNLT]]が設立された{{Refnest|group="出典"|{{R|日本演劇史|chunichi220323|masayukilife}}}}。杉村は、これらの脱退メンバーの大半とはその後の関係を断絶し、特に反杉村を鮮明にしていた[[福田恆存]]が代表となった劇団雲に参加したメンバーに対しては、「NLTに行った人たちとは充分に話し合ったので何とも思っていません。でも雲に行った人たちのことは一生忘れませんね。あんな卑怯な…まるで騙し討ちですもの」とはっきり話し{{R|wy640726}}、共演を頑なに拒否するなど終生許すことはなかった<ref>[[週刊朝日]]1978年1月6日号、130-135頁、[[サンデー毎日]]1978年10月1日号、56、57頁、『軟派昭和史』、[[スポーツニッポン|スポーツニッポン新聞社文化部]]、1975年、220頁</ref>。演劇評論家・[[大笹吉雄]]は「最初の分裂騒ぎで三島の存在感を増していた。文学座は戌井市郎はじめ闘争的ではないし、あのまま三島に従ったなら巻き込まれて『楯の会』のように必ず滅亡したと思う。文学座が続いたのは、あのとき杉村さんが直感的に決断したから」などと論じている{{R|bookbang}}。

文学座は、主要メンバーの2度にわたる大量離脱で創立以来最大の危機を迎え、当時の新聞は"崩壊に瀕する文学座"などと書きたてたが{{R|sm84617}}、[[太地喜和子]]、[[江守徹]]、[[樹木希林]]、[[小川眞由美|小川真由美]]、[[高橋悦史]]ら若手を育てることにより乗り切った{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|俳優全集|bunshun|近代日本女優史|人間昭和史|nikkei150313|日経200967|育成}}}}。とくにテレビ時代を迎えていた時流に乗って、次々にテレビに新人を送り込んだ功績は大きい{{Refnest|group="出典"|{{R|人間昭和史|kadono}}}}。自身もニューメディアのテレビに積極的に出演した{{Refnest|group="出典"|{{R|昭和ヒーロー|kadono}}}}。

但し杉村の専横に批判的だった人物が抜けてしまったことにより、杉村の劇団に対する独裁に近い影響力にさらに拍車がかかったとの見方もある{{R|yurindo426}}。「喜びの琴事件」で三島由紀夫は、杉村に対し「俳優は、良い人間である必要はありません。芸さへよければよいのです。と同時に、俳優は、俳優に徹することによつて思想をつかみ、人間をつかむべきではないでせうか。組織のなかで、中途はんぱなつかみ方をするのはいけないと思ひます」と皮肉をまじえて批判している<ref>三島由紀夫『俳優に徹すること - 杉帝村春子さんへ』([[週刊読売]] 1963年12月15日に掲載)</ref>。この頃から"文学座の女王""文学座の女帝"と異名を持った{{Refnest|group="出典"|{{R|W新潮870122|W新潮650308|噂の眞相8012}}}}。"文学座の女帝"杉村の強烈な個性なくしては、文学座の存続は難しかったともいわれる{{R|W新潮870122}}。

杉村や[[戌井市郎]]らは、幅の広い観客層を対象にした大衆劇をやっていこうとしたため、演目選択争いが起こり、先のような軋轢が生まれた<ref>{{Cite journal |和書 |author = |date = 1980年8月17日号 |title = 木村光一の退団でゆれる文学座 |journal = サンデー毎日 |publisher = 毎日新聞社 |pages = 146-147 }}</ref>。[[1967年]]の『女の一生』の再演は文学座が立ち直るきっかけとなった。『女の一生』[[1968年]]の全国縦断公演は行く先々で超満員{{R|W現代680613}}。『女の一生』は新劇の枠を超えたような演目で[[知名度]]が高く{{R|W現代680613}}、一日に一本しか[[路線バス|バス便]]のない山奥から老婆が息子に背負われてやってきたなど{{R|W現代680613}}、新劇ファンでないお客も大勢詰めかけた{{R|W現代680613}}。杉村はもう60歳を越えており、お客が揃って口にしたのが「杉村の『女の一生』をぜひ一度観てみたかった」だった{{R|W現代680613}}。当時の文学座では[[マスメディア]]的には、小川真由美、[[太地喜和子]]、[[藤田弓子]]がよく取り上げられていたが{{R|W現代680613}}、観客吸引力を持っているのは、やっぱり杉村だけだった、と話題を呼んだ{{R|W現代680613}}。当時はハダカになりさえすればスターになれると勘違いしている若手女優も多かっただけに{{R|W現代680613}}、芸を魅せる杉村を見習えとの論調も上がった{{R|W現代680613}}。経営の苦労を身に染みて知る杉村はお客を大切にした{{R|折井}}。このことは新劇の商業演劇進出の走りといわれる{{Sfn|折井|pp=96-97}}。「女の一生」は、16歳の役から始まるという事情から、いずれやめるつもりでいて1969年4月公演のとき「『女の一生』はこれが最後です」と宣言したが{{R|sm84617}}、「女の一生」をやるとお客さんが入るので、1970年代初めに文学座の経済危機もあり、「経済的事情で、もう1回やります」と記者会見を開いて1973年に再演している{{R|sm84617}}。 

[[1950年代]]に[[中華人民共和国|中国]]、[[ヨーロッパ]]を見て回るツアー・アジア文化交流団に参加し、中国の演劇人と交流{{Refnest|group="出典"|{{R|kitakyu-dousoukai|nikkei150313|asahi211125}}}}。[[1956年]]に中国で有名な劇作家・[[夏衍]]に「日本と中国は一番関係が悪いので、何か出来ませんか」「私たちが演劇人としてできることがあれば参ります」と直訴し{{R|kitakyu-dousoukai}}、[[国交]]がなく渡航が困難な時代に新劇の中国公演に意欲を燃やした{{Refnest|group="出典"|{{R|kitakyu-dousoukai|噂の眞相8012|cri180620}}}}。これが[[1960年]]10月に中国の革命的劇作家・[[関漢卿]]を記念する初めての新劇訪中団(文学座、[[劇団民藝]]、[[東京芸術座]]、ぶどうの会、[[俳優座]]71人による合同公演)として実現し{{Refnest|group="出典"|{{R|折井|kitakyu-dousoukai|wa690214|日本演劇史|jtaa|cri180620|haiyuza|zenshinza}}}}、『女の一生』を日本語で公演した{{Refnest|group="出典"|{{R|wa690214|日本演劇史}}}}。『女の一生』は一部改訂問題で揉めた{{Refnest|group="出典"|{{R|W新潮870122|W新潮650308}}}}。[[1965年]]にも第二次訪中新劇団の一員として[[北京市|北京]]・[[上海市|上海]]・[[南京市|南京]]・[[広州市|広州]]にて公演を行い{{Refnest|group="出典"|{{R|jtaa|噂の眞相8012|奈良岡}}}}、『女の一生』は話を随分変えて中国でも上演され{{R|kitakyu-dousoukai}}、中国の[[マスメディア]]にも、杉村はよく知られていたといわれる{{R|peoplechina230117}}。[[1972年]]9月、[[日中国交正常化]]が実現した秋に北京の[[人民大会堂]]で開かれた宴会の席上、[[周恩来]][[国務院総理|中華人民共和国初代首相]]が[[和服]]姿の杉村に歩み寄り、周から白い[[菊]]の花を贈られた{{R|cri180620}}。杉村はこの花を[[押し花]]にして、ずっと大切にしていた{{R|cri180620}}。[[1977年]]には周恩来首相の[[未亡人]]・[[鄧穎超]]を見舞い、鄧から自宅に咲いた一束の白い菊の花を贈られている{{R|cri180620}}。[[文化大革命|後文革]]の後の[[1981年]]4月の16年ぶり3回目の訪中は{{Refnest|group="出典"|{{R|日本演劇史|噂の眞相8012}}}}、杉村が個人的に交わした口約束を強引に実現{{R|噂の眞相8012}}。中国側からの招待の形を取ってはいたが、宿泊費のみを中国側が負担し、渡航費用は自己負担した{{R|噂の眞相8012}}。文学座の単独公演を目指していたが、この難条件を克服するため、杉村が[[千田是也]]を担ぎ出し{{R|噂の眞相8012}}、[[劇団青年座|青年座]]と劇団仲間を加えた四劇団で日本新劇団訪中公演実行委員会(杉村団長)を急造した{{R|噂の眞相8012}}。『[[華岡青洲の妻]]』一本のみの上演を予定していたが{{R|噂の眞相8012}}、業界のヤリ手と知られる青年座が演目に『ブンナよ、木からおりてこい』を無理やり割り込ませたため{{R|噂の眞相8012}}、珍妙な組み合わせの二本立て公演となった{{Refnest|group="出典"|{{R|kitakyu-dousoukai|日本演劇史|噂の眞相8012}}}}。[[1983年]]には[[民主音楽協会|民音]]に協力を仰ぎ、[[北京人民芸術劇院]]を初来日させた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.min-on.or.jp/history/history04-08.html|author=嶋田親一|accessdate=2023-04-15|title=History of MIN-ON vol.4 民音の誕生~日本の音楽界に、新しい風が吹いた~|publisher=[[民主音楽協会]]|date=2013-12-04|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220928022509/https://www.min-on.or.jp/history/history04-08.html|archivedate=2022-09-28}}</ref>。杉村の中国寄りは、戦争中に[[岸田國士]]が[[大政翼賛会]]でリーダーシップを握るなど、文学座が戦争協力劇団だったことに対する罪滅ぼしという説もある{{R|W新潮870122}}。中国が好きでプライベートでもよく中国を旅行し{{Refnest|group="出典"|{{R|kitakyu-dousoukai|tv-asahi190719}}}}、僻地などにも足を運んだ{{R|kitakyu-dousoukai}}。1960年代から杉村と中国を何度か旅行した[[森光子]]は「先生は2000段も石段を登らないと行けないような山の上にホテルを取ったり、中国式のホテルが好きでお手洗いが壺でも平気。風呂は栓をしてもお湯がたまらずに漏れてタオルか何かを巻いてやっとお湯をためた。何年かしていったらそのままで、先生はまた布を巻いて栓をした。私はちょっと苦手で、[[ブータン]]に一緒に行ったときは、現地でのお芝居を見に行ったら宿泊しているところから徒歩で砂漠のようなところを一時間歩いた。先生にはとてもかなわないと思いました」などと話していた{{R|kitakyu-dousoukai}}。88歳で最後の映画出演となった『[[午後の遺言状]]』も、中国各地を歴訪し帰国したその足で[[ロケーション撮影|ロケ地]]の[[蓼科高原|蓼科]]入りした{{R|日経2009614}}。

[[1969年]]5月には早くも杉村の[[自伝]][[テレビドラマ]]『[[女優 わが道]]』が[[日本放送協会|NHK]]「[[銀河テレビ小説|銀河ドラマ]]」枠で放送され、杉村(三杉安芸子)を[[林美智子 (女優)|林美智子]]が演じた{{Refnest|group="出典"|{{R|報知690428|日刊19690219}}}}。1話30分で全15話{{R|報知690428}}。杉村本人は出演しない{{Refnest|group="出典"|{{R|報知690428|日刊19690219}}}}。当時の文献に「現役の女優の半生をテレビ化するのは珍しい」と書かれている{{R|報知690428}}。この年1月に出版された杉村の著書『私の選んだ道』を[[小野田勇]]が脚色{{R|報知690428}}。杉村の半生となれば当然日本新劇史となるため{{R|報知690428}}、新劇史を飾った人物が次々登場することになり、名前は変えるものの関係者や新劇ファンには一目瞭然のため、合川明プロデューサーが現存の人は本人に、故人の場合は夫人や遺族を訪ねて一人一人了解を取り付けた{{R|報知690428}}。うち、杉村が最も影響を受けたといわれる[[田村秋子]]は{{R|taidan}}、当初、劇中に自身のモデルが出ることを拒否した{{R|報知690428}}。またモデルとなる人物は何れ劣らぬ大物揃いで出演を尻込みする役者が続出した{{R|報知690428}}。[[土方与志]](宗方)を演じる[[児玉清]]は「[[日本野球機構|プロ野球]]でいえば、[[ルーキー]]が[[川上哲治|川上監督]]や[[鶴岡一人|鶴岡監督]]になるようなもの。恐れ多すぎで、やりにくいです」と話した{{R|報知690428}}。[[岸輝子]](木部)を演じた[[俳優座]]の[[檜よしえ]]は、大先輩に恐る恐る「どうやればいいでしょうか」と尋ねたところ岸から「私はね、若いとき、きれいだったのよ」と言われた{{R|報知690428}}。杉村の愛人・[[森本薫]](折戸充)を演じる[[北村和夫]]は、杉村から「森本は[[二枚目]]だったのよ。あなたがやると[[三枚目]]になるから、気をつけてちょうだい」と釘を刺された{{R|報知690428}}。[[丸山定夫]](鳴山良介)を演じた[[西村晃]]は本人と面識があり、本人に似せて[[化粧|メーキャップ]]が施された{{R|報知690428}}。合川プロデューサーは「オールド・ファンには、懐かしさを、若い人には新劇史の勉強になればと思います。ただ杉村さんを含め実在の人物たちも多いので、差支えのあるものは控えました。このようなドラマはこれまでにも無かったし、これからも出来ないでしょう」と話した{{R|報知690428}}。現役女優の半生の映像化として初のケースと見られ、この後もあったのか分からないレアケースと考えられる。

新劇の[[リアリズム演劇|リアリズム]]に立脚しつつ、[[新派]]や[[歌舞伎]]の技法を研究{{R|prf2}}{{Sfn|人間昭和史|pp=85-96}}。[[広島弁|広島訛り]]は終生抜けなかったが{{Refnest|group="出典"|{{R|折井|kitakyu-dousoukai}}}}、歳月をかけ練りこんだリズムあるセリフ術と卓越したリアリズム演技は比類がなく{{R|nikkei130609}}、細やかな情感を巧みに表現する独特のアクのある芸風を作り上げ見る人の心を捉えた{{Refnest|group="出典"|{{R|折井|人間昭和史}}}}。

=== 映画・テレビでの活躍 ===
舞台以外にも映画・テレビでも幅広く活躍{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|hiroshima241030|日経2009614|俳優全集|nikkei130609|fukuda|演劇研究8_30}}}}。映画初出演は[[築地小劇場]]時代の1927年に[[小山内薫]]が監督をした『黎明』か{{R|日経2009614}}、[[1932年]]、[[水谷八重子 (初代)|初代水谷八重子]]と共演した『浪子』{{R|俳優全集}}か、[[1937年]]、松竹の『浅草の灯』か{{Refnest|group="出典"|{{R|演劇研究8_37|人間昭和史|演劇研究8}}}}、文献によって記述が異なる{{efn|「『浪子』はほとんどセリフがない役だったので、自分としては『浅草の灯』が最初の作品」と杉村は話していたという{{R|川本}}。}}。[[1940年]]、[[プロパガンダ映画|国策映画]]『奥村五百子』([[豊田四郎]]監督、[[東宝]])で初主演{{R|折井}}{{efn|半年がかりの撮影で当時の新劇ではほとんどなかった高額の千円のギャラ。夫に自分のものにしないで劇団員で分けたらといわれた([[週刊朝日]]1978年1月6日号、130-135頁)。}}。

戦後、[[黒澤明]]、[[木下惠介]]、[[小津安二郎]]、[[成瀬巳喜男]]、[[豊田四郎]]、[[溝口健二]]、[[今井正]]などの巨匠たちから、既存の映画俳優には無い自然でリアルな演技力を高く評価されて{{R|俳優全集}}、日本映画史を彩る140本以上の作品に出演{{Refnest|group="出典"|{{R|日経2009614|折井|nikkei130609|tbsradio}}}}、映画史にもその名を刻んだ{{Refnest|group="出典"|{{R|hiroshima241030|nikkei130609|人間昭和史|michi}}}}。[[森雅之 (俳優)|森雅之]]と共に最も映画に貢献した新劇俳優でもある{{Refnest|group="出典"|{{R|prf|日経2009614|演劇研究8_30}}}}。[[北見治一]]は1947年の『演劇研究』で「ツキヂ的演出とは全く相反したタイプの映画演出家の演技中心とも謂うべき適切な指導に拠り、杉村は優れた素質とよきインディビジュアリティを、思ふさまに伸ばしきることが出来た」と論じている{{R|演劇研究8_30}}。[[津村秀夫]]は「杉村春子は日本の新劇役者がはたして映画演技の勘と神経を體得できるかどうか、といふ懸案を最初に解決した女優である。新劇役者のセリフの力をよく[[トーキー|トオキイ]]的に調和し、處理し、間の呼吸をのみこみ、そして表情の微妙な味を[[クローズアップ|クロオズ・アップ]]によく消化し得るかどうかといふ課題に先づ成功した人物といへよう。その點で、早く映画界に入つた[[丸山定夫]]、[[汐見洋]]、[[細川ちか子]]、[[東山千栄子|東山千榮子]]、[[薄田研二|薄田硏二]]等の踏み越えがたかつた線を漸く、この一、二年で突き抜けたといへよう」などと論じている{{R|演劇研究8_24}}。杉村ほど他のジャンルの俳優と共演した新劇俳優はいない{{R|人間昭和史}}。

特に、『[[東京物語]]』『[[麦秋 (1951年の映画)|麦秋]]』をはじめとする小津安二郎作品の常連(9本)でもあり、小津組でたった一人、[[稽古#読み合わせ|読み合わせ]]への不参と"縫い"(かけ持ち)を許された俳優であった{{Refnest|group="出典"|{{R|fujingaho|絢爛たる影絵}}}}。小津は文学座の座員脱退問題が起きたとき、杉村に激励の[[電報]]を送ったといわれる{{R|日経2009614}}。

[[1995年]]、当時89歳で[[新藤兼人]]の『[[午後の遺言状]]』で主演し、[[毎日映画コンクール]]、[[日刊スポーツ映画大賞]]、[[キネマ旬報]]で主演女優賞を受賞している。

=== 演劇人・映画人の目標 ===
杉村は多くの演劇人の目標であった<ref>[https://archive.md/VvsJG よみがえる杉村春子〜没後10年特集 第1部・杉村春子が生きた“女の一生”](Internet Archive)、[http://www.tbs.co.jp/program/jyoyuudensetsu_20111011.html ニッポン大女優伝説 2011年10月11日 | TBSテレビ]</ref>。

[[森光子]]は『小島の春』を観た際に、この映画の杉村の演技に大きな衝撃を受け、これ以上の衝撃を以降感じたことはないと話している。森は「演技の師匠を持たない私が、心から尊敬しお手本としたのは10代から憧れた杉村先生ただ一人です。時代劇の娘役の頃からいつか近づきたいとひそかに思い続けてきました」と話している<ref>森光子 『人生はロングラン』 [[日本経済新聞出版社]]、2009年、218頁。</ref>。

[[高峰秀子]]もやはりこの映画の[[ハンセン病]]に罹った娘役を演じた杉村の演技に感動、「仕方なしにやっていた(本人談)」役者稼業に以後本気で取り組むようになったという逸話も残す<ref>[[週刊朝日]]1980年1月4日号、142頁。{{Cite news |author= |date=2024-03-29 |title=日本美女目録 高峰秀子という女優 杉村春子の天才的演技に感化 「聴覚障害の役」やり遂げる 「名もなく貧しく美しく」(1961年)|website=[[夕刊フジ#ネット事業|ZAKZAK]]|publisher=[[産業経済新聞社]] |url=https://www.zakzak.co.jp/article/20240329-6VMTBQP4ZFJL7FPTBJSN2BEIGY/ |accessdate=2024年12月6日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20240412084939/https://www.zakzak.co.jp/article/20240329-6VMTBQP4ZFJL7FPTBJSN2BEIGY/ |archivedate=2024年4月12日 }}</ref>。

[[成瀬巳喜男]]監督『[[流れる#映画|流れる]]』で共演した[[山田五十鈴]]は、「あの映画の杉村さんの芝居は、ぜんぶ杉村さんがお考えになったもの。そういうことが許されるようになった時代です。それこそ役者の力量が問われる時代になってきたんです」と述べている<ref>[[川本三郎]]『君美わしく―戦後日本映画女優讃』 [[文藝春秋]]、1996年、302頁。</ref>。

父親の[[岡田時彦]]が[[小津安二郎]]の盟友だったことから、[[岡田茉莉子]]は小津映画にも出演し、小津から「お嬢さん」と呼ばれ、撮影が終わる度に小津によく遊びに連れて行ってもらった。ある日、好奇心が抑えられず、「監督の作品で、誰が[[打順#各打順の役割|四番バッター]]ですか」と聞いたら、小津は迷わず「杉村春子」と答えた。岡田が「私は?」と聞くと、小津は笑いながら「お嬢さんは[[打順#各打順の役割|一番バッター]]だよ」と言った<ref>
{{Cite news|author=相原斎|date=2020-09-17|title=名作残した名監督、新世代監督の気概/連載 <松竹100年初物づくしの軌跡と奇跡:全盛期編>|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202009160000359.html|work=[[日刊スポーツ]]|publisher=[[日刊スポーツ新聞社]]|accessdate=2021-07-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200925012751/https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202009160000359.html|archivedate=2020-09-25}}{{Cite news|author=服部宏|date=2018-04-16|title=小津映画の岡田茉莉子|url=https://godotsushin.net/column/1232/|work=合同通信オンライン|publisher=合同通信|accessdate=2021-07-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20191107195856/https://godotsushin.net/column/1232/|archivedate=2019-11-07}}{{Cite news|author=服部宏|date=2016-06-09|title=服部宏のシネマパラダイス 杉村春子から石倉三郎まで 「脇役が映画を面白くする」|url=https://www.kanaloco.jp/news/culture/entry-76979.html|work=[[神奈川新聞#ニュース配信|カナコロ]]|publisher=[[神奈川新聞社]]|accessdate=2021-07-07|archiveurl=https://archive.ph/68xsq|archivedate=2021-07-07}}{{Cite news|author=|date=2016-04-12|title=連載コラム「銀幕を舞うコトバたち(3)」お寺で茶柱が立つようじゃ、死んだ細君、迎いにくるんじゃないかい。|url=https://www.cinemaclassics.jp/news/547/|work=CINEMA CLASSICS|publisher=[[松竹]]|accessdate=2021-07-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160412025728/https://www.cinemaclassics.jp/news/547/|archivedate=2016-04-12}}</ref>。

気が強いことで有名だった岡田茉莉子{{R|文春19821125}}の名前を冠した「岡田茉莉子シリーズ」が1965年2月~4月まで[[TBSテレビ|TBS]]・[[近鉄金曜劇場|金曜劇場]]枠で全13回放送され{{R|文春19821125}}<ref>[http://www.eiganokuni.com/kimata/51-2.html 岡田茉莉子シリーズ - 映画の國 || コラム ||]</ref>、この第3回『猫のいる家』(1965年2月19日放送)で、岡田自らが[[成瀬巳喜男]]監督『[[流れる#映画|流れる]]』で共演した杉村との共演を希望した{{R|文春19821125}}。しかしさすがの岡田も杉村の前であがり、最初の稽古のときメロメロになり、セリフ合わせでトチり、キッカケは間違うしで、「この大スターにして杉村春子にガタガタするのか」と、岡田にビビッていた演出の[[大山勝美]]も気が楽になったと話している{{R|文春19821125}}。

[[岸恵子]]は「私はあまりうまい女優じゃないから(笑)。俳優学校出て、うまい方もいっぱいいらっしゃるし…私が中でも本当に感動するのは、杉村春子さんね。例えば『化石』(1975年)の杉村春子さんって本当に(強く)一番いいわよ。ほのぼのと心の中まで暖まっていくように、本当に女として、いろんなことを生きてきて、人生のことはもうあらかた分かった、そう感じとれる時に出てくるやさしさがあるのね」などと述べている<ref>{{Cite journal|和書 |author = |title = フランス映画訪問4 『パリからふりかえったインタビュー 岸恵子が語る11人の監督 2』 聞き手・[[西村雄一郎]] |journal = [[キネマ旬報]] |issue = 1978年4月上旬号 |publisher = [[キネマ旬報社]] |pages = 133–139頁 }}</ref>。

[[坂東玉三郎 (5代目)|坂東玉三郎]]は「何ともいえないような女の人は、杉村先生を見て勉強するのよ(笑)」などと述べている{{R|taidan}}。

[[若尾文子]]は「杉村春子さんは特別な存在」と話し、杉村の代表作『華々しき一族』を熱望し2008年に演じた{{R|wakao}}。

[[勝新太郎]]は杉村を大崇拝し、「杉村と共演した勝は『はい、はい』と杉村の言うことは何でも聞いていた」と[[石井ふく子]]は話している<ref>[[週刊新潮]]2012年7月19日号「テレビ黄金期『大女優たち』の素顔 プロデューサー『[[石井ふく子]]』〈特別対談〉第2回『[[泉ピン子]]』編」43頁</ref>。石井は「杉村先生の凄さは、喜怒哀楽を後ろ姿で表現でき、しかもそこに若々しさと品があるところでしたね。こればっかりは、他の女優さんがどんなにまねをしたくてもできないことだと思います」と述べている<ref>{{Cite news|author=田中聡|title=【時代の証言者】渡る世間は...石井ふく子(20) 森さん、杉村先生は双璧|newspaper= [[読売新聞]]|date=2015-01-31}}</ref>。

[[北村和夫]]によると、文学座の分裂で袂を分かった後も[[小池朝雄]]は毎年、死去するまで杉村の誕生日に薔薇の花束を贈っていたという<ref>『文学座五十年史』(1987年、文学座)</ref>。

北村は「杉村春子は91歳になって病院に入院しても、台本を最後まで枕元に置いて放さなかった。台本は聖書みたいなもんだったんでしょうね。公演を長く重ねてきた[[十八番]]の舞台でも、もっといい芝居をするにはどうしたらいいか[[千秋楽]]近くになってもまだ悩んでいました。地方公演に行っても新しい劇場でやるたびに、"この舞台ではどんな表現をしたら一番生きるだろう"と幕が開くまで考えているんです。そういう熱意と努力を常に忘れない人でした。僕ら怠け者は、食事を共にすると"あなたね、今日はあそこのところダメよ"と言われるんで、なるべく杉村さんと一緒にならないようにズルしたものですよ(笑)」などと述べている<ref>{{Cite journal|和書|author=加藤千代 |title=話題の人・訪問 『のど自慢』に出演した北村和夫・有起哉さん |journal=シネ・フロント Vol.267 |issue = 1999年1月 |publisher=シネ・フロント社 |pages=12-14 }}</ref>。

[[吉永小百合]]は美しい所作の先生は杉村と話している<ref>[https://www.joqr.co.jp/blog/dankai_sat/archives/2010/01/116_3.html ドコモ 団塊倶楽部]、[https://web.archive.org/web/20150505003345/http://www.octv.jp/channel/2008/11/1111oa200811cs4.php 11/11OA。2008年11月は、「吉永小百合特集」と銘打ち~](2015年5月5日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。吉永は二十代の頃、『[[下町の女]]』シリーズ(1970年-1974年、TBS)で5年間、杉村と共演し、杉村から所作や芝居から多くを学んだという<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2012|title=ラジオ深夜便 女優が語る私の人生|chapter=『私の大切にしていること』 吉永小百合 聞き手・加賀美幸子|series=[[NHKウイークリーステラ|ステラMOOK]]|publisher=[[NHKサービスセンター]]|isbn=978-4-87108-113-9|pages=117-118}}</ref>。また[[演劇|舞台]]を一度もやっていなかった理由について、20代半ばで[[市川團十郎 (12代目)|市川團十郎]]との舞台の共演を病気で断ったことと、杉村や[[坂東玉三郎 (5代目)|坂東玉三郎]]らの舞台を見過ぎてしまい、これから勉強して舞台に立つのは無理かなという思いがしたことを挙げていた<ref>『[[SWITCHインタビュー 達人達]]』、[[日本放送協会|NHK]][[NHK教育テレビジョン|Eテレ]]、2015年4月4日放送{{出典無効|date=2022年3月}}</ref>。杉村のうつくしい着物姿は女優たちの手本とされた{{R|折井}}。杉村は『美しくなるためには自分の欠点をすべて知ることよ」などと女優たちに細かくアドバイスした{{R|折井}}。

テレビで共演作品の多い[[劇団民藝]]の[[奈良岡朋子]]は、「文学座の方には申し訳ないけれど、私が一番芝居を教えていただいた」と述べている{{R|奈良岡}}。

[[鴨下信一]]は「テレビに出演している女優の中で、誰がいちばんセリフがうまいかいうと、これは誰に聞いても異論のないところ、杉村春子さんをおいてない。本当に素晴らしい芸がそこにあります」と評している<ref>{{Cite book|和書|author=鴨下信一|authorlink=鴨下信一|year=1985|title=テレビで気になる女たち|publisher=[[講談社]]|isbn=4-06-201106-9|pages=91-92}}</ref>。

[[竹本住太夫 (7代目)|7代目竹本住大夫]]は「杉村春子さんの演技には感嘆しました。杉村さんの演技は『芝居せんと、芝居やってはる』という感じでした」と述べている<ref>{{Cite news|author=坂成美保|title=【時代の証言者】文楽太夫 竹本住大夫(13) 様々な舞台 芸の肥やしに|newspaper= [[読売新聞]]|date=2008-06-26}}</ref><ref>[http://labunraku.jp/2013/04/23/竹本住大夫 脳梗塞を克服し舞台へ復帰-2/ 竹本住大夫 脳梗塞を克服し舞台へ復帰 - らぶんらく]</ref>。この「芝居しないで芝居する」という話を聞いた[[加藤武]]は、これを永遠のテーマにしていると話していた<ref>[https://www.news-postseven.com/archives/20160113_374445.html?DETAIL 故加藤武さん 「芝居しないで芝居する」が永遠のテーマです]</ref>。

杉村の[[付き人]]として[[小津安二郎]]監督の『[[秋刀魚の味]]』の撮影を観たという[[樹木希林]]は、2011年、第34回[[日本アカデミー賞]]で最優秀助演女優賞を受賞して「50年ほど前に役者を始めた時に杉村春子さんに『役者は定年がない』と言われました。今、しみじみそう思います」と語った<ref>[http://www.shinetsu-navi.jp/2012/10/29_027639.php 小津作品との関わり語る 蓼科の映画祭で樹木希林さんら - 信越観光ナビ]、[https://cinema.ne.jp/recommend/wagahaha2015110507/2/ 原田監督と樹木希林の不思議な関係が見えた、映画『わが母の記』トークイベント]、[https://www.moviecollection.jp/news/11724/ 宮崎あおい「色気を感じる」と役所広司を絶賛するも、樹木希林は「全然」とバッサリ]、[https://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/news/p-et-tp1-20110219-738652.html 「悪人」妻夫木が主演男優賞「自分の集大成」 - 日刊スポーツ]、{{Twitter status2|switch_pub|603153834681180161|2015年5月26日|accessdate=2017-02-14}}[http://www.keiomcc.net/sekigaku-blog/2012/12/post_523.html 人生を引き受けるということ 樹木希林さん | 慶應MCC 夕学リフレクション]</ref>。

[[山田洋次]]は、「葬式は人間にとって一大ショーでね、よく演出された葬式は後からみんなが喜びますよ。"よかった"ってね」と話し、その例として小津安二郎の葬儀を挙げ、「長いこと小津さんと一緒に仕事をやっていた助手が、一人大袈裟に悲しんで、納棺という一番大事な時にも、その人一人で泣き騒いで、他の出席者がみんなシラけてしまったんです。するとクギを打ってふたを閉めるという時に杉村さんが「ちょっと待って」とツツツーと出てきてみんながじっと見ている中、「もう一回だけ」と言って顔を見て、ハンカチをツツッと顔にあててハーッと泣いた。その時初めてみんな悲しみが迫ったというんです。やっぱり役者だなあとみんなで感心したんですね。自分の出番をよく知ってたんじゃないか、このままでは葬式が完成しないと。一人だけあんなブザマに泣いていてどうするんだろうと。最後にしめて自分の役割をきちんと演じたのではないか。それでみんなも初めて納得できて、涙が快く流れて"よかった"ということになるわけです」と解説している<ref>島田豊『文化の時代に―今日の考察』、椋の木社、1987年、34頁。</ref>。

1985年の舞台『浮巣』で共演して杉村に徹底的にしごかれたという[[泉ピン子]]は「今日私が女優やれてんのは、杉村先生のおかげ。先生と出会ってなかったら、泉ピン子なんてへたくそで終わってますね」と述べている{{R|asahi2206}}。

[[大竹しのぶ]]は20歳の頃、杉村と[[尾上松緑 (2代目)|尾上松緑]]が共演した舞台を観に行った。すると杉村に「ぷい」と無視された。松緑から「[[嫉妬|ジェラシー]]だよ、かわいいね」と言われ、その芝居の後、大竹が松緑との共演が決まっていて、そのせいと教わった。杉村は当時70代。「まだ20歳そこそこな私にまでジェラシーなんて、女優って面白いな。ずっと現役を続けられたのはそういう感覚だったのか、凄い」と思ったという。「だから私も、後輩の若い女優に対して『ぷい』とかできるように本気でなりたいと思う」と話してる<ref>{{Cite journal|和書 |author = [[高崎俊夫]] | title = 素晴らしき映画女優(13) 大竹しのぶ 『損なわれない可憐さと圧倒的存在感で巨匠・気鋭たちから愛され続ける才能』 | journal = [[キネマ旬報]] |issue = 2009年11月下旬号 |publisher = [[キネマ旬報社]] |pages = 148 }}</ref>。杉村の畢生の当たり役として知られる布引けいを継承した大竹は「勝つか負けるかでいうと、私が負けるに決まっていますし、杉村さんのけいはこの先もずっと輝き続けるんだろうなあと思います。私は私なりに一生懸命やっていくしかありません」と話した{{R|ootake}}。

[[篠田三郎]]は、杉村の昔の恋人に似てるという理由で、1986年[[芸術座]]の舞台『木瓜の花』に杉村から相手役に指名された。ある時、杉村から「あなたね、舞台はずっと後ろのほうにもお客様がいるわけだから、もっと声を出しなさいよ」と言われたが、観に来たくれた友達から「目の前の相手としゃべるのに、あんな大声は不自然だよ」と言われ、それを杉村の話したら、「いいのよ、私の言うことさえ聞いてれば」と言われた<ref>{{Cite news|author1=篠田三郎|authorlink1=篠田三郎|author2=関容子|authorlink2=関容子|date=2024-01-23|title=篠田三郎「杉村春子先生には〈昔の恋人に似てる〉と役をいただき、奈良岡朋子さんには〈ただの二枚目じゃない〉と言われ」 【連載】名優たちの転機・先達の薫陶を間近に受けて<後編> |url=https://fujinkoron.jp/articles/-/10794?page=2|work=[[婦人公論|婦人公論.jp]]|publisher=[[中央公論新社]]|accessdate=2024年3月6日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20240123223146/https://fujinkoron.jp/articles/-/10794?page=2|archivedate=2024年1月23日}}</ref>。

[[中村雅俊]]は、文学座に入所してすぐにテレビドラマ『[[われら青春!]]』の主役に抜擢され、一躍人気スターになった。そのため杉村と共演したとき、杉村から「あなたなの!? あなた文学座!?」と言われたという<ref>{{Cite web|author=|date=2024-02-03|title=デビュー50周年!中村雅俊登場 |url=https://web.archive.org/web/20240815124233/https://www.1242.com/toku/toku_blog/blog20240203-311261/|website=[[徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー]]|publisher=[[ニッポン放送]]|accessdate=2024年12月6日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20240123223146/https://fujinkoron.jp/articles/-/10794?page=2|archivedate=2024年8月15日}}</ref>。仲村は[[橋田壽賀子]]の別荘で酔っぱらって絨毯を焦がし、杉村に頭を殴られたことがあるという。杉村のエネルギッシュな姿に大きな影響を受け、「女の一生」の台詞 "だれが選んでくれたんでもない–"は、自身の[[座右の銘]]にしているなどと話している<ref>[https://archive.md/V0Ddm PTA石巻大会-スケジュール-記念講演 - 宮城県PTA連合会](Internet Archive)</ref>。

[[渡辺徹 (俳優)|渡辺徹]]は「昔、杉村さんから『演技をする時、目の前の相手役を(芝居で)説得できないような人はお客様にも届きませんよ』と教わり、その教えをテレビでも実践し、その後の司会術等の指針とした」と話している<ref>[https://web.archive.org/web/20140724053235/http://www.nhk.or.jp/you-doki/archive/20111201.html 12月1日(木)の放送 | ゆうどきネットワーク | NHK](2014年7月24日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20160715112447/http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2074990.html 渡辺徹、息子に向ける厳しい父の目](2016年7月15日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])。</ref>。

[[寺島しのぶ]]から「外でやってみたいんですが」と、文学座退団の相談を受けたが、「あなたはその方が向いていると思っていた」と、あっさり送り出したという<ref>[<!--http://www.yomiuri.co.jp/adv/agu2009/special_interview/page2.htm -->https://archive.is/20100509173641/http://www.yomiuri.co.jp/adv/agu2009/special_interview/page2.htm 「特別企画 狩野良規×寺島しのぶ」](2013年8月28日時点の[[archive.is|アーカイブ]])</ref>。

=== 結婚・恋愛 ===
[[1935年]]6月に5歳年下で[[慶應義塾大学]]出身の医学生である長広岸郎と結婚したが{{R|演劇研究8_37}}、[[1942年]]5月に[[結核]]で亡くなっている{{R|演劇研究8_37}}。『女の一生』などを書いた劇作家の[[森本薫]]の愛人でもあったが{{R|折井}}、森本も[[1946年]]に結核で亡くなった{{R|折井}}。[[1950年]]に10歳年下の医者である石山季彦と結婚するも{{R|折井}}、[[1966年]]にこれまた結核で亡くなっている{{R|折井}}。

=== 晩年・没後 ===
1974年、杉村は女優としては[[東山千栄子]]、[[水谷八重子 (初代)|初代水谷八重子]]に次いで3人目の[[文化功労者]]に選ばれた{{R|hiroshima241030}}。

1995年には[[文化勲章]]授章決定の内示を受けたが、「勲章は最後にもらう賞、自分には大きすぎる。勲章を背負って舞台に上がりたくない、私はまだまだ現役で芝居がしていたいだけ」<ref>「杉村春子さんが文化勲章を辞退 「現役続けたい」」『読売新聞』1995年10月27日朝刊</ref>「戦争中に亡くなった俳優を差し置いてもらうことはできない」とこれを辞退{{Refnest|group="出典"|{{R|prf2|hiroshima241030|nikkei130609}}}}。周りの者がいくら説得しても聞く耳持たずだった。

1996年日本新劇俳優協会会長に就任。

杉村は70年の芸能生活で仕事を一度も降りたことがなかったが、1997年1月19日にNHKドラマ『棘・おんなの遺言状』の収録中に貧血と腰痛を訴えて入院し降板、代役は[[南美江]]が勤めた。2月に入り文学座の会見では[[十二指腸潰瘍]]と発表されたが、そのときすでに医師から[[膵癌|膵臓癌]]でもあることが文学座の社長の梅田濠二郎、[[戌井市郎]]や[[北村和夫]]・[[江守徹]]など親しい者にだけ知らされていたという。3月に[[新橋演舞場]]で予定されていた『華岡青洲の妻』も、チケットが発売されている中での緊急降板となり、代役は[[藤間紫]]が勤めた。しかし病室では簡単なストレッチをしたり、男性の見舞い客が来ると聞くと長い時間をかけてお化粧をしたりと、常に弱っている姿を見せまいと気丈に振る舞っていたという。

3月16日から意識が混濁し、4月4日午前0時30分、[[膵臓癌|頭部膵臓癌]]のため[[東京都]][[文京区]]の[[日本医科大学付属病院]]で死去、満91歳。最期を看取ったのは養女のヒロと、当時70歳の長年親しくしていたファンの女性だけだった。本人には癌であることを知らせなかったため、死去の直前まで台本を読んでおり、最期まで女優であり続けた。死後、[[政府]]から[[銀杯]]一組が贈られた。墓所は[[冨士霊園|富士霊園]]。

杉村の死後1998年、若手演劇人の育成に力を注いだ杉村の遺志を尊重し、新人賞的意味合いを持つ'''[[読売演劇大賞|杉村春子賞]]'''が新たに創設された{{R|prf}}。


== エピソード ==
== エピソード ==
* [[築地小劇場]]時代の杉村のいちばん強烈な想い出は、[[小山内薫]]が死の二日前に劇団員の給料を払うため、[[印税]]を出版社から前借りしたことだったという{{R|竹中}}。「私の女優としての形成期は、新劇運動のいわば受難の季節の間にありました。今でも私には、演劇することとお金もうけとが、どうにも結びつかない気持ちがあります」「朝から晩まで劇場暮らしで、[[岩絵具#泥絵具|泥絵具]]の臭気は、たまらなくなつかしい、ふるさとのにおいになりました。私は演劇と自分が、まぎれもなく一心同体になることを感じました」「私は仲間たちの革命論から離れたところにいました。でも、どんなあらしがこようと、雷が鳴ろうと、女優という職にしがみついて離れない心は、新劇を愛する心は、誰にも負けないつもりでした」などと話していた{{R|竹中}}。杉村は文学座のアトリエが落成した二年後の[[1952年]]にアトリエの奥に自宅を建てた{{R|折井}}。
* [[黒澤明]]監督の『[[赤ひげ]]』においては、憎まれ役である娼屋の女主人・きんを演じた。その際、養生所の賄婦たちに[[大根]]で殴られるコミカルなシーンがある。賄婦を演じていた女優達も既にベテランであったが、杉村はその上を行く彼女達の大先輩に当たる存在で、大根で殴るとき遠慮してしまい<!--、悉く-->NGが連発され、撮影のために用意していた大根がすべてなくなってしまった事がある。
* 杉村は築地小劇場時代の稽古指導について「厳しいし、意地が悪いっていうのかしらん、愛情からじゃないような『何だい、お前は』っていう調子でした。『黄色い声をはりあげたって、若く見えやしねえよ』とかね。あたし、本当に悲しかったのは『何だい、こんな大きな口しやがって、どうにもなんないじゃねえか』と言われたときです。二十歳のときだから悲しいじゃないですか。今だって情けないけど(笑)。小さい口だと思ってるわけじゃないけど、自分はそんなにと思ってない欠点を、いやっていうほど思い知らされるわけですよ。だから、それをどうやって舞台で美女になって見せようかっていう気になるんです。あたし負けず嫌いなんでしょうね」「若い女優を怒鳴ることは(笑って)時々あります。どうでもいいと思ってる人には言いません。こっちが憎まれてまで言うことはありませんから」などと述べている{{R|wa690214}}。
* [[ボランティア活動]]に関心を持ち、昭和20年代後半「戦争未亡人が働きたくても子供を預ける施設がなくて働けない」というニュースが毎日のように新聞などで報じられた時期に、自分でも何かできないかと考え、杉村の発案で[[1954年]]に文学座で第1回慈善公演『女の一生』が、朝日新聞厚生文化事業団主催で行われた{{R|人間昭和史}}。その後、慈善公演のたびに100万円単位の寄付を行い、それらを貯めてクリニックカーを製作することを提案。「文学座」号と名付けられたクリニックカーが[[X線撮影|レントゲン]]などの機材を装備し、全国の医療過疎地を走った{{R|人間昭和史}}。
* 代表的演目の一つ・『[[華岡青洲の妻]]』での劇中、杉村が[[台詞]]を発しながら巧みに[[着付け]]をする場面で、その所作の美しさに思わず客席から拍手が沸き起こったというエピソードがある<ref>
{{Cite news|author=|date=2017-12-06|title=イベントレポート 和物を継承する文学座の歴史と未来|url=https://www.waseda.jp/enpaku/ex/5667/|work=|publisher=[[早稲田大学坪内博士記念演劇博物館]]|accessdate=2023年4月15日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180526050635/https://www.waseda.jp/enpaku/ex/5667/|archivedate=2018年5月26日}}</ref>。
* 5歳のとき『小島の春』で杉村と共演して以来親交があり<ref>{{Cite web|author=|title=中村メイコ「理想の死に方は女優・杉村春子さんの最期。人生のラストシーンは自宅より病院で迎えたい」 両親の死に目に会えなかったのは神様の配慮かも|date=2021-08–20|website=[[婦人公論|婦人公論.jp]]|url=https://fujinkoron.jp/articles/-/4322?page=3|publisher=[[中央公論新社]]|accessdate=2024年1月24日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220129112931/https://fujinkoron.jp/articles/-/4322?page=3|archivedate=2022年1月29日}}</ref>、杉村の公演には必ず観に行ったという[[中村メイコ]]は、希代の名優には「杉村春子説」、つまり女優は結婚しないほうがいい、まして子どもなど産まないほうがいいというものがある、と話している。中村は3人の子供が大きくなった頃、楽屋に杉村を訪ね、「先生、私は2歳半からですから、もうずいぶん役者をやっています。そのわりにはいまだに代表作といわれるものがありません。やっぱり早々と結婚して、子どもを3人産んで、おかあさんをやってしまったからでしょうかねえ」と言ったことがあり、他の女優さんなら「メイコちゃんにはね、[[神津カンナ|カンナ]]ちゃんという作品があるじゃないの」とか、「3人のお子さんという作品を残したのだから」などと慰めてくれるところだが、杉村だけは「あたり前ですよ、片手間で女優はできません。その証拠に、私の夫は3人とも先に死んだわ」と、この程度の仕事しかできないのは当然なんだ、ときっぱり言われたという。慰めの言葉よりも、杉村の厳しい言葉にかえって救われたと述べている<ref>[[中村メイコ]]『人生の終い支度』、[[青春出版社]]、2010年。</ref>。
* [[児童演劇]]の普及活動に尽力した伊藤巴子が{{Refnest|group="出典"|{{R|kitakyu-dousoukai|sankei161218}}}}、1958年以来[[サムイル・マルシャーク]]作の『[[森は生きている]]』の中でみなしごの少女役を通算2000回演じるという金字塔を打ち立て、高い評価を得た{{R|peoplechina230117}}。しかし伊藤には"迷い"があり、杉村に「大人の芝居がやりたい」と、文学座への入座を頼んだ。しかし、杉村はきっぱりと断り、「あなた傲慢ね、自分の一生で『森は生きている』の伊藤巴子、『女の一生』の杉村春子といわれる俳優は、そうやたらにいないのよ。あなたのことを覚えている皆さんに、どう責任とるの」と強い口調で伊藤を諭した{{R|peoplechina230117}}。伊藤は翻然と悟り、「芝居に、子どもも大人もない。いやむしろ、未来に生きる子どもたちにこそ、舞台を通して美しい精神の花束を届けねばならない」と、以来主として児童劇に打ち込んだ{{R|peoplechina230117}}。伊藤は1960年の第一回新劇訪中団に杉村の[[付き人|お付]]として中国に最初に入った70人のうちの一人{{R|kitakyu-dousoukai}}。杉村のお付は3人で「場所はどこでもいい、杉村さんとそんなに近い場所で一緒に旅ができるなら」と、伊藤と当時20代の[[吉行和子]]、[[市原悦子]]の3人がお付として就き{{R|kitakyu-dousoukai}}、[[劇場#舞台各部の名称|舞台袖]]で[[懐中電灯]]で照らしたり、衣装を持ったりしたが、北京の大劇場で吉行が馴れない懐中電灯の光を杉村に向けてしまい、舞台袖で杉村からものすごく怒られて、吉行は泣いて泣いて「もう中国に来たくない」と叫んだといわれる{{R|kitakyu-dousoukai}}。結局3人の中で一番最後まで中国と交流を続けたのは伊藤だけだったという{{R|kitakyu-dousoukai}}。
* [[1940年]]に初演された[[山田耕筰]]の[[歌劇]]『[[黒船 (山田耕筰)|黒船]]』では姐さん役を担当している。これは、彼女の声こそ日本語でオペラを歌うのにふさわしいと山田が判断したものであるという。
* 『明治一代女』に出演した杉村春子は退役した将軍を演じた役者の存在感に感嘆した。監督の伊藤大輔に俳優名を聴き武田正憲と聞き、「武田先生」と声をあげて驚いた。正座して「杉村春子でございます」と武田正憲に挨拶した。武田正憲も「武田正憲でございます」と頭を下げて挨拶した。撮影現場は二人の名優の出会いの挨拶で静まり返ったと伊藤は確かめている。[『時代劇映画の詩と真実』292頁]
* [[黒澤明]]監督の『[[赤ひげ]]』においては、憎まれ役である娼屋の女主人・きんを演じた。その際、養生所の賄婦たちに[[大根]]で殴られるコミカルなシーンがある。賄婦を演じていた女優達も既にベテランであったが、杉村はその上を行く彼女達の大先輩に当たる存在で、大根で殴るとき遠慮してしまい<!--、悉く-->NGが連発され、撮影のために用意していた大根がすべてなくなってしまった事がある。[[成城]]中の[[八百屋]]から大根を買い占めたがそれでも足らず、近辺の畑から泥のついた大根を抜いて使いその数300本。撮影は1日かかり、スタンバイしていた[[三船敏郎]]の出番は延期された<ref>{{Cite journal |和書 |author = 進藤七生 |date = 1971年4月下旬号 |title = 随想 電波にのった黒澤明 |journal = [[キネマ旬報]] |page = 44-45 }}</ref>。
* 「[[小津安二郎]]は、杉村さんに関しては自由に演技をしてもらったと聞きましたが」の質問に対して「そんなことないですよ。『[[浮草 (映画)|浮草]]』で、あたしが[[中村鴈治郎 (2代目)|中村鴈治郎]]さんに、『あゝそう』っていうところなんか、70回ぐらい[[NG (放送用語)|NG]]が出ましたよ」と答えている<ref>『君美わしく―戦後日本映画女優讃』、158頁。</ref>。
* [[堤清二]]は[[ピーター・ブルック]]の芝居に様式化された近代演劇という意識を一度無化したところに新しく創られたリアリズムと驚き、1987年3月の[[ル テアトル銀座 by PARCO|銀座セゾン劇場]]の[[こけら落とし|杮落し]]でピーター・ブルックの『カルメンの悲劇』を上演した{{R|読売20081004}}。ファンの杉村に観てもらいたいと杉村を誘い、一緒に観た。ところが杉村は観ているうちに段々不愉快そうな様子に変わり、長年、杉村に対してほとんど尊厳に近い気持ちで接していた堤にとっては初めて見る杉村の指導者の表情に、ただ楽しむという様子ではなかったことから、誘って良かったという気持ちと「よけいなことをしてくれる」という印象もあったのではないかと恐れたという{{R|読売20081004}}。
* [[黒柳徹子]]が司会を務める『[[徹子の部屋]]』([[テレビ朝日]][[オールニッポン・ニュースネットワーク|系列]])は「インタビューを編集しないこと([[撮って出し]])」が約束の一つといわれるが、杉村がゲストで出演した回で、黒柳が80歳になった杉村に何気なく「先生って、[[丙午]]ですってね」と尋ねると、杉村が「私は芸者の子どもで[[嫡出#日本の私法(民法)における嫡出|私生児]]ですよ。親がいつ役所に出生届を出したかなんてはっきりしないの。だから、私が幾つかなんて分かったものじゃないのよ」と言ってしまい、杉村は気にしていなかったが、収録に来ていた文学座の関係者にその部分だけ[[カット#放送|カット]]を要請され、これを受け容れカットした。放送回数11000回以上とされる同番組でそれが唯一のカットという{{R|dailyshincho150808}}。
* 杉村のように亡くなる直前まで舞台に立ったり、老年で若い役を演じるというのは外国ではあり得ないという<ref>[[福田陽一郎]]『渥美清の肘突き』、[[岩波書店]]、2008年、326頁。</ref>。
* [[バラエティ番組]]『[[進め!電波少年]]』([[1996年]][[6月23日]]放送分)(第192回)の企画「大女優を抱きたい」シリーズにおいて、タレントの[[松村邦洋]]がアポなしで杉村の楽屋に訪問し、杉村に抱擁して欲しいと頼んだところ、杉村は快く応じて企画は成功した。


== 主な出演 ==
== 受賞 ==
* [[日本芸術院賞]](1948年)
* [[ブルーリボン賞 (映画)#第2回(1951年度)|第2回ブルーリボン賞]]助演女優賞(1951年)『[[麦秋 (1951年の映画)|麦秋]]』『[[めし]]』『命美わし』
* [[毎日映画コンクール#第8回(1953年)|第8回毎日映画コンクール]]女優助演賞(1953年)『[[にごりえ (映画)|にごりえ]]』『[[東京物語]]』
* [[NHK放送文化賞]](1959年)
* [[朝日賞|朝日文化賞]](1969年)
* [[毎日芸術賞]](1969年)
* [[文化功労者]](1974年)
* [[山路ふみ子映画賞]]文化賞(1988年)
* [[紀伊国屋演劇賞]](1991年)
* [[芸術祭]]賞(1991年)
* [[名誉都民]](1992年)
* [[読売演劇大賞]](1994年)
* 第8回[[日刊スポーツ映画大賞]]女優主演賞(1995年)『[[午後の遺言状]]』
* [[キネマ旬報#第69回(1995年度)|第69回キネマ旬報ベスト・テン]]主演女優賞(1995年)『午後の遺言状』
* [[毎日映画コンクール#第50回(1995年)|第50回毎日映画コンクール]]女優主演賞(1995年)『午後の遺言状』
* [[日本映画批評家大賞#第5回(1995年度)|第5回日本映画批評家大賞]]特別女優賞(1995年)『午後の遺言状』

== 出演作品 ==
<!-- 単発のゲスト出演は不要。レギュラー番組のみ記述をお願いします。「Wikipedia:ウィキプロジェクト 芸能人」参照 -->
<!-- 単発のゲスト出演は不要。レギュラー番組のみ記述をお願いします。「Wikipedia:ウィキプロジェクト 芸能人」参照 -->
=== 映画 ===
=== 映画 ===
[[File:The-Screenplay-Collections-by-Japanese-Writers-Volume-5-1.png|thumb|240px|『[[大曾根家の朝]]』(1946年)]]
*浅草の灯(1937年、監督:[[島津保次郎]])
[[File:The-Screenplay-Collections-by-Japanese-Writers-Volume-5-3.png|thumb|180px|『[[わが青春に悔なし]]』(1946年)]]
*奥村五百子(1940年、監督:[[豊田四郎]]) ※杉村としては珍しい主演作。<!-- プリントは現存しないと思われる。確かではない情報なのでコメントアウト。 -->
[[File:Te o tsunagu kora (1948).jpg|thumb|240px|『[[手をつなぐ子等]]』(1948年)]]
*小島の春(1940年、監督:豊田四郎)
[[File:Haruko Sugimura and Setsuko Hara in Late Spring, 1949.jpg|thumb|240px|『[[晩春 (映画)|晩春]]』(1949年)]]
*[[次郎物語]](1941年、監督:[[島耕二]])
[[File:So Yamamura 3.jpg|thumb|240px|『[[東京物語]]』(1953年)]]
*[[大曾根家の朝]](1946年、監督:[[木下惠介]]) ※7人が並ぶトップ・クレジットの右端に位置。主演格。
[[File:Nagareru poster.jpg|thumb|180px|『[[流れる]]』(1956年)]]
*[[わが青春に悔なし]](1946年、監督:[[黒澤明]])

*[[三本指の男]](1947年、監督:[[松田定次]])
*手をつなぐ子等(1947年、監督:[[稲垣浩]])
*[[浅草の灯 (1937年の映画)|浅草の灯]](1937年、監督:[[島津保次郎]])
*[[晩春 (映画)|晩春]](1949年、監督:[[小津安二]]
*[[ (映画)|]](1938年、監督:豊田四郎) - 産婆八重
*[[奥村五百子 (映画)|奥村五百子]](1940年、監督:[[豊田四郎]]) ※初主演(国策的大作){{R|折井}}<!-- プリントは現存しないと思われる。確かではない情報なのでコメントアウト。 -->
*[[また逢う日まで (1950年の映画)|また逢う日まで]](1950年、監督:[[今井正]])
*[[麦秋 (1951年映画)|麦秋]](1951年、監督:小津安二郎)
*小島春(1940年、監督:豊田四郎) - その妻
*[[めし]](1951年、監督:[[成瀬巳喜男]])
*[[次郎物語]](1941年、監督:[[島耕二]]) - お浜
*[[東京物語]](1953年、監督:小津安二郎
*[[南海の花束]](1942年、監督:阿部豊 - 堀田信子
*[[にごりえ (映画)|にごりえ]](1953年、監督:今井正
*[[香港攻略 英國崩るゝの日]](1942年、監督:田中重雄 - 北沢の母
*[[大曾根家の朝]](1946年、監督:[[木下惠介]]) - 大曾根房子 ※主演
*[[晩菊]](1954年、監督:成瀬巳喜男) ※4人の女優が並ぶトップ・クレジットの右端に位置。主演格。
*野菊の如き君りき(1955年、監督:木下惠介
*[[わが青春に悔し]](1946年、監督:[[黒澤明]] - 野毛の母
*[[四つの恋の物語 (1947年の映画)|四つの恋の物語]] 第1話 初恋(1947年、監督:豊田四郎) - 母
*[[流れる]](1956年)監督:成瀬巳喜男)
*[[三本指の男]](1947年、監督:[[松田定次]]) - 一柳糸子
*[[手をつなぐ子等]](1948年、監督:[[稲垣浩]]) - その母
*[[にっぽんGメン]](1948年、監督:松田定次) - 白石とよ
*[[晩春 (映画)|晩春]]{{R|prf}}(1949年、監督:[[小津安二郎]]) - 田口マサ
*[[また逢う日まで (1950年の映画)|また逢う日まで]](1950年、監督:[[今井正]]) - 小野すが
*七色の花(1950年、監督:春原政久) - 中村小萩
*[[麦秋 (1951年の映画)|麦秋]](1951年、監督:小津安二郎) - 矢部たみ
*[[めし]](1951年、監督:[[成瀬巳喜男]]) - 村田まつ
*命美わし(1951年、監督:大庭秀雄) - みね
*風ふたゝび(1952年、監督:豊田四郎)- お律
*[[東京物語]](1953年、監督:小津安二郎) - 金子志げ
*[[にごりえ (映画)|にごりえ]](1953年、監督:今井正) - お初
*[[千羽鶴 (小説)|千羽鶴]](1953年、監督:[[吉村公三郎]]) - 栗本ちか子
*[[晩菊]](1954年、監督:成瀬巳喜男) - 倉橋きん
*勲章(1954年、監督:渋谷実) - 島村よね
*[[楊貴妃 (1955年の映画)|楊貴妃]](1955年、監督:溝口健二) - 延春群主
*[[心に花の咲く日まで]](1955年、監督:[[佐分利信]]) - 森下
*[[野菊の如き君なりき]](1955年、監督:木下惠介) - 政夫の母
*[[警察日記]](1955年、監督:久松静児) - 杉田モヨ
*[[早春 (1956年の映画)|早春]](1956年、監督:小津安二郎) - 田村たま子
*[[流れる]](1956年、監督:成瀬巳喜男) - 染香
*[[東京暮色]](1957年、監督:小津安二郎) - 竹内重子
*満員電車(1957年、監督:[[市川崑]])
*満員電車(1957年、監督:[[市川崑]])
*[[日本誕生]](1959年、監督:稲垣浩) - 語り部の媼{{Refnest|group="出典"|{{R|全史536|東宝特撮映画大全集39}}}}
*[[お早よう]](1959年、監督:小津安二郎)
*[[お早よう]](1959年、監督:小津安二郎)
*[[浮草 (映画)|浮草]](1959年、監督:小津安二郎)
*[[浮草 (映画)|浮草]](1959年、監督:小津安二郎)
*[[足にさわった女]](1960年、監督:[[増村保造]])
*[[足にさわった女]](1960年、監督:[[増村保造]])
*[[釈迦 (映画)|釈迦]](1961年、監督:三隅研次) - イダイケ
*[[反逆児 (1961年の映画)|反逆児]](1961年、監督:伊藤大輔) - 築山御前
*[[沓掛時次郎]](1961年、監督:[[池広一夫]])
*[[沓掛時次郎]](1961年、監督:[[池広一夫]])
*[[小早川家の秋]](1961年、監督:小津安二郎)
*[[小早川家の秋]](1961年、監督:小津安二郎) - 加藤しげ
*女の座(1962年、監督:成瀬巳喜男)
*[[女の座]](1962年、監督:成瀬巳喜男)
*[[破戒 (小説)#1962年版|破戒]]  大映京都  ... 奥様 1962.04.06 
* [[破戒 (小説)#1962年版|破戒]](1962年、大映京都) - 奥様
*[[秋刀魚の味]](1962年、監督:小津安二郎)
* [[秋刀魚の味]](1962年、監督:小津安二郎) - 伴子
*母(1963年、監督:[[新藤兼人]])
* 母(1963年、監督:[[新藤兼人]]) - 芳枝
*[[海軍 (映画)|海軍]](1963年、脚本:新藤兼人)
* [[海軍 (映画)#東映製作(1963年) |海軍]](1963年、脚本:新藤兼人)
*香華(1964年、監督:木下惠介)
* [[香華]](1964年、監督:木下惠介) - 太郎丸
*怪談(1964年、監督:[[小林正樹]]) ※第4エピソード「茶碗の中」に出演
* [[怪談 (1965年の映画)|怪談]](1965年、監督:[[小林正樹]]) - おかみさん{{R|東宝特撮映画大全集91}}
*[[赤ひげ]](1965年、監督:黒澤明
* [[侍 (映画)|侍]](1965年、監督:岡本喜八 - つる
* [[赤ひげ]](1965年、監督:黒澤明) - 娼家の女主人
*[[化石の森 (石原慎太郎)#映画|化石の森]](1973年、監督:[[篠田正浩]])
* [[美しさと哀しみと#国内版|美しさと哀しみと]](1965年、松竹) - 音子の母
*悪名 縄張荒らし(1974年、監督:増村保造)
* [[沈丁花 (1966年の映画)|沈丁花]](1966年、東宝)
*濹東綺譚(1992年、監督:新藤兼人)
*[[午後遺言状]](1995年、監督:新藤兼人※主演
* [[華岡青洲]](1967年、監督:増村保造- 語り手
* [[化石の森 (石原慎太郎)#映画|化石の森]](1973年、監督:[[篠田正浩]])
* [[悪名|悪名 縄張荒らし]](1974年、監督:増村保造) - [[麻生イト]]
* [[化石 (四騎の会ドラマシリーズ)|化石]](1975年、監督:小林正樹) - 一鬼の義母
* [[さくら隊散る]](1988年、監督:新藤兼人) - 証言者
* [[濹東綺譚]](1992年、監督:新藤兼人) - 荷風の母
* [[午後の遺言状]](1995年、監督:新藤兼人) - 森本蓉子 ※主演


=== テレビドラマ ===
=== テレビドラマ ===
*[[五重塔 (小説)#1958年|五重塔]](1958年、[[TBSテレビ|KR(現・TBS)]])
*文学座アワー 本阿弥辻の盗賊(1960年8月26日、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]])<ref>『渥美清の肘突き』、83頁。</ref>
*[[三婆#テレビドラマ|三婆]](1961年、[[TBSテレビ|TBS]])
*[[三婆#テレビドラマ|三婆]](1961年、[[TBSテレビ|TBS]])
*[[虹の設計]](1964年、[[日本放送協会|NHK]])
*[[青春放課後]](1963年、[[NHK総合テレビジョン|NHK総合]])
*[[虹の設計]](1964年、NHK総合)
*[[徳川の夫人たち]](1967年1月8日 - 4月2日、NET)
*徳川の夫人たち(1967年、[[テレビ朝日|NET(現・テレビ朝日)]])

*[[いしぶみ|碑]](1969年、[[広島テレビ放送|広島テレビ]]) ※[[芸術祭 (文化庁)|芸術祭]]優秀賞受賞作品
*[[いしぶみ|碑]](1969年、[[広島テレビ放送|広島テレビ]])<ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/127969 テレビは「視聴者の想像力」を信用していない | メディア ... - 東洋経済オンライン]</ref>第24回[[芸術祭 (文化庁)|芸術祭]]優秀賞受賞、第7回[[ギャラクシー賞]]、第2回テレビ大賞優秀番組賞<ref>{{放送ライブラリー|164696|000726}}</ref>
*[[つくし誰の子]](1971年、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]
*[[つくし誰の子]](1971年、日本テレビ)
*[[ありがとう (テレビドラマ)|ありがとう]] 第2シリーズ(1972年、TBS)大山京役
*[[ありがとう (テレビドラマ)|ありがとう]] 第2シリーズ(1972年、TBS) - 大山京役
*後妻の泣きどころ(1973年6月30日、日本テレビ) - 神崎妙役
*[[おんなの家]](1974年-1993年、TBS)
*[[おんなの家]](1974年-1993年、TBS)
*[[求婚旅行]](1974年、日本テレビ)
*[[求婚旅行]](1974年、日本テレビ)
120行目: 287行目:
*[[明日がござる]](1975年、TBS)
*[[明日がござる]](1975年、TBS)
*[[ひまわりの詩]](1975年、日本テレビ)
*[[ひまわりの詩]](1975年、日本テレビ)
*母上様・赤澤良雄(1976年6月20日、TBS) - 赤澤しま役
*[[ほんとうに]](1976年、TBS)
*[[ほんとうに]](1976年、TBS)
*[[三男三女婿一匹]](1976年、TBS)
*[[三男三女婿一匹]](1976年、TBS)
*[[七丁目の街角で、家出娘と下駄バキ野郎の奇妙な恋が芽生えた]](1976年、日本テレビ)
*[[七丁目の街角で、家出娘と下駄バキ野郎の奇妙な恋が芽生えた]](1976年、日本テレビ)
*[[かたぐるま (月曜スター劇場)|かたぐるま]](1979年、日本テレビ)
*[[かたぐるま (月曜スター劇場)#かたぐるま(第1シリーズ) |かたぐるま]](1979年5月7日~10月29日、日本テレビ)
*[[女たちの忠臣蔵]](1979年、TBS)
*[[おだいじに]](1979年11月5日~1980年5月5日日本テレビ)
*[[女たちの忠臣蔵]](1979年12月9日、TBS)<ref>[https://kaigo-postseven.com/94711 日曜劇場の伝説『女たちの忠臣蔵』舞台裏を大胆検証 演出家・鴨下信一の涙は天才の証]</ref>
*[[かたぐるま (月曜スター劇場)#かたぐるまII|かたぐるまII]](1980年、日本テレビ)
*[[竹とんぼ (テレビドラマ)|竹とんぼ]](1980年、日本テレビ)
*[[竹とんぼ (テレビドラマ)|竹とんぼ]](1980年、日本テレビ)
*[[一人来い二人来いみんな来い]](1980年 - 1981年、TBS)
*[[関ヶ原 (テレビドラマ)|関ヶ原]](1981年、TBS)
*[[関ヶ原 (テレビドラマ)|関ヶ原]](1981年、TBS)
*[[かたぐるま (月曜スター劇場)#かたぐるまIII|かたぐるまIII]](1981年、日本テレビ){{efn|裏番組が高視聴率番組「[[欽ドン!#第2次シリーズ(月曜21時枠・欽ドン!良い子悪い子普通の子時代)|欽ドン!良い子悪い子普通の子]]」だったため、日テレの平林邦介プロデューサーが「若い人を使っても『欽ドン!』には勝てない。今までお年寄りが三人もからんだドラマはなかったので」と、杉村75歳、沢村貞子73歳、山岡久乃55歳、合わせて203歳を、"[[イモ欽トリオ]]"の向こうをはり、"年金トリオ"と名付けて売り出した(週刊サンケイ、1981年11月19日、32頁)。}}
*[[春よ来い (テレビドラマ)|春よ来い]](1982年、日本テレビ)
*[[春よ来い (テレビドラマ)|春よ来い]](1982年、日本テレビ)立花ワカ役([[特別出演]])
*[[今朝の秋]](1987年、NHK)
*[[お師匠さんは名探偵]](1)三味線殺人事件(1983年、TBS)
*お師匠さんは名探偵(2)遺産相続殺人事件(1984年、TBS)
*[[他人家族II]](1986年、[[讀賣テレビ放送|よみうりテレビ]])
*春の姉妹(1987年、よみうりテレビ)
*[[塀の中の懲りない面々]](1987年、TBS)
*[[今朝の秋]](1987年11月28日、NHK総合)中川タキ役<ref>{{Cite web|和書|title= 第44回 ドラマスペシャル「今朝の秋」 | NHK名作座 |url=https://web.archive.org/web/20170214053557/https://www.nhk.or.jp/archives/meisakuza/detail/?vol=44 |date= |work=[[NHKアーカイブス]] |publisher=[[NHK総合テレビジョン|NHK]] |accessdate=2017-02-14 }}</ref> ※第14回[[放送文化基金賞]]ドラマ番組部門本賞、第27回日本テレビ技術賞(録音)・奨励賞(撮影)、第25回[[ギャラクシー賞]]奨励賞<ref>{{放送ライブラリー|159993|003113}}</ref>、[[プラハ国際テレビ祭]]大賞受賞、[[毎日芸術賞]]受賞、NHK会長賞受賞作品<ref>{{Tvdrama-db|24072|今朝の秋}}</ref>。
*[[忠臣蔵・女たち・愛]](1987年、TBS)
*[[忠臣蔵・女たち・愛]](1987年、TBS)
*[[おんなは一生懸命]](1988年、TBS)
*[[橋田壽賀子ドラマ おんなは一生懸命|おんなは一生懸命]](1987-1988年、TBS)
*四十年目の恋(1988年、よみうりテレビ)
*塀の中の懲りない面々3(1988年、TBS)
*[[いまどき銀座物語ぼんぼん]](1989年、フジテレビ)
*[[いまどき銀座物語ぼんぼん]](1989年、フジテレビ)
*待てば海路の秋日和(1989年、よみうりテレビ)
*[[渡る世間は鬼ばかり]](1991年、TBS)立花ワカ役([[特別出演]])
*塀の中の懲りない面々5(1990年、TBS)
*[[春よ、来い (朝ドラ)|春よ、来い]](1995年、NHK[[連続テレビ小説]])
*[[渡る世間は鬼ばかり]](1991年3月7日、3月14日、TBS)立花ワカ役([[特別出演]])
*貴族の階段(1991年、TBS)
*[[春よ、来い (テレビドラマ)|春よ、来い]](1995年、NHK総合 [[連続テレビ小説]])


=== 舞台 ===
=== 舞台 ===
年月日は、杉村が最初に演じたときのものである。
年月日は、杉村が最初に演じたときのものである{{R|michi}}


★=上演回数の多い演目トップ5 ●=その他の注目すべき演目
==== 「女の一生」以前 ====
==== 「女の一生」以前 ====
最初は端役やスタアが演じないような老け役、そして、だんだんと重要な役を演じるようになっていく。
最初は端役やスタアが演じないような老け役、そして、だんだんと重要な役を演じるようになっていく。


*'''彼女'''(1927年4月)[[築地小劇場]]。[[藤森成吉]]の「[[何が彼女をさうさせたか]]」を、当局の要請により改題して上演したもの。杉村の初舞台。ただし、台詞は無く、舞台上でオルガンを弾くだけの役であった。
*'''彼女'''(1927年4月)[[築地小劇場]]。[[藤森成吉]]の「[[何が彼女をさうさせたか]]」を、当局の要請により改題して上演したもの。杉村の初舞台。ただし、台詞は無く、舞台上でオルガンを弾くだけの役であった。初めてセリフを発したのは同年の「リリウム」{{R|近代日本女優史}}
*'''富島松五郎伝'''(1942年5月、主役松五郎の相手役・吉岡良子役)[[文学座]]。翌年映画化([[無法松の一生]])されることになる[[岩下俊作]]の小説を舞台化。[[森本薫]]による脚色。
*'''富島松五郎伝'''(1942年5月、主役松五郎の相手役・吉岡良子役)[[文学座]]。翌年映画化([[無法松の一生]])されることになる[[岩下俊作]]の小説を舞台化。[[森本薫]]による脚色。
*'''北京の幽霊'''(1943年2月、會伸英(女官)役)文学座。[[飯沢匡]]のオリジナル戯曲。戦時下に書かれた風刺劇。
*'''北京の幽霊'''(1943年2月、會伸英(女官)役)文学座。[[飯沢匡]]のオリジナル戯曲。戦時下に書かれた風刺劇。
150行目: 331行目:
後に再演が繰り返され代表作となる作品に、次々出会う。
後に再演が繰り返され代表作となる作品に、次々出会う。


*'''[[女の一生 (森本薫)|女の一生]]'''(1945年4月、主役・布引けい役)文学座。森本薫のオリジナル戯曲。初演時の台本は、戦後版とはいくつかの点で大きな違いがある。渋谷の映画館を借りて行なわれた初演(当初上演劇場に予定された国民新劇場〈戦時体制で築地小劇場から改称〉は、1945年3月10日の空襲で焼失していた)は、上演中に空襲警報で中断されることも度々であったという(※TV放送のため収録された、1961年当時の記録映像が現存する。2度にわたる分裂/大量脱退以前の公演であるため、資料的にも価値があると考えられる。杉村の死後、NHKで再放送され、DVDとしても発売された)。上演回数947回。文学座が歩んできた歴史そのものといえる文学座にとって最も大切な「財産演目」{{Refnest|group="出典"|{{R|bungakuza1|nikkei150313|bungakuza2}}}}。「女の一生」は空襲が酷くなった1944年暮れに既婚者である森本が愛人の杉村のために書いたもので{{R|wa690214}}、空襲が激しいため、速筆の森本が2–3枚書いたら、杉村か劇団の若い座員がカバンに入れて劇団に持ち帰りコピーを取った{{R|wa690214}}。脱稿にあたり、杉村は感謝を伝えたくて、森本は酒を飲まないため、ちょうど[[もち米]]と[[小豆]]の[[配給 (物資)|配給]]があり、[[おはぎ]]を生まれて初めて作った{{R|wa690214}}。[[隣組]]の奥さんに作り方を習って、[[押し入れ]]の中で[[電気コンロ]]を使って煮た。当時電気コンロは使用が禁止されていた。森本はおはぎを喜んで食べた。上演は最初で最後、みんな死ぬかも知れないと文学座にいる人は全員出演するようにしようと、演出の[[戌井市郎]]や研究生だった[[椎野英之]]らも出た{{R|wa690214}}。最初は築地小劇場(国民新劇場)でやることになり、1945年3月10日に稽古を始めた晩に同所は大空襲で焼けた。東宝映画劇場は東京で唯一焼けていなかった劇場で、文学座で貯めていた1万円を持って杉村らが[[東宝]]に「芝居をやらせて下さい」と直談判に行った{{R|wa690214}}。[[久保田万太郎]]、[[渋沢秀雄]]、[[佐藤一郎 (映画プロデューサー)|佐藤一郎]]らが骨を折り、「おカネはいらない。使わせてやる」と東宝から回答を得た{{R|wa690214}}。東宝の関係で[[美術 (職業)#大道具|大道具]]は[[帝国劇場|帝劇]]の大道具部が作ったが、夜中に[[牛車]]で運んだため、夜中の雨で大道具が濡れ、[[障子]]などがダメになった。このため[[美術 (職業)#小道具|小道具]]は近所に住んでいた戌井の家から持って来た。杉村は大空襲の最中でお客は一人も来ないんじゃないかな、と思っていたら凄い数のお客が来て、[[舞台美術]]の修復に手間取り、まだ準備は出来てないのにお客が入って来て、テンヤワンヤで初日の幕が上がった{{R|wa690214}}。いきなり[[空襲警報]]が鳴り、お客を避難させ、座員は[[楽屋]]で待機した。舞台で死ぬなら全員それでいいという気持ちから、[[防空壕]]には入らなかった{{R|wa690214}}。警報解除になると続きを始めるが、空襲警報が何度も続くため、昼夜2回公演で6日間だったが、特に夜公演は空襲のため、半分出来たらいい方で、1日1回半のような公演だった{{R|wa690214}}。[[日暮里町|日暮里]]方面が焼けたとき、そこへ住んでいた[[宮口精二]]が来ない日もあった{{R|wa690214}}。やる方も観る方も命懸けで、来る人は本当に芝居が好きな人で、後で戸坂康二も[[三島由紀夫]]も観に来たと聞き、杉村は「あんな状況で芝居を演ることは[[売国奴#国賊|国賊]]みたいに言われた時代で、あんな思いをしてやったけど、ああやってよかった、あの不備な芝居を観に来て下さった」と感激した{{R|wa690214}}。同公演は[[太平洋戦争|戦中]]最後の新劇公演だった{{R|wa690214}}。[[戦後#第二次世界大戦後|戦後]]、杉村は森本が亡くなる直前に京都の森本を訪ね、「戦争が終わったから芝居がやれる。『女の一生』どうかしらん」と言うと森本は「あれは[[情報局]]の委嘱作品で『[[大東亜共栄圏|大東亜八大原則]]を入れろ』という条件で書いたんだ。自分としては十分に書けてると思わない。それに戦争中だから女を書くことにも制約があった。自分の書きたかった女が書けてない。今度もう一つ、もっといろんなものが入ってる『女の一生』を書いてあげるよ」と言ったという{{R|wa690214}}。「女の一生」は基本11人でやる芝居で舞台も定式舞台があればどこでも出来ることから、500回のうち200回は[[汽車]]にぶら下がったりして地方公演を行った{{R|wa690214}}。小学校の[[裁縫]]室に畳を持ち込んでやったこともある{{R|wa690214}}。遠隔地では途中で座員みんなで[[野宿]]した{{R|wa690214}}。こういう場所でやるとお客がワイワイ言ってうるさいため、杉村が舞台から大声で「静かに!」と怒鳴ったこともある{{R|wa690214}}。[[北九州市|北九州]]の[[日本製鉄九州製鉄所八幡地区|八幡製鉄所]]でやった公演では、杉村は知らされていなかったが、それは家族慰安会で、呑んで酔っぱらう者はいるし、子どもは走り回るし、16歳の少女の格好をするため、お客が爆笑し、一度だけお客と大喧嘩になったという{{R|wa690214}}。
*★'''女の一生'''(1945年4月、主役・布引けい役)文学座。森本薫のオリジナル戯曲。初演時の台本は、戦後版とはいくつかの点で大きな違いがある。渋谷の映画館を借りて行なわれた初演(当初上演劇場に予定された国民新劇場〈戦時体制で築地小劇場から改称〉は、1945年3月10日の空襲で焼失していた)は、上演中に空襲警報で中断されることも度々であったという(※TV放送のため収録された、1961年当時の記録映像が現存する。2度にわたる分裂/大量脱退以前の公演であるため、資料的にも価値があると考えられる。杉村の死後、NHKで再放送され、DVDとしても発売された)。上演回数947回。
*'''華々しき一族'''(1950年5月、主役・諏訪役)文学座。森本薫のオリジナル戯曲。1935年に発表されたが未上演であったもの。
*'''華々しき一族'''(1950年5月、主役・諏訪役)文学座。森本薫のオリジナル戯曲。1935年に発表されたが未上演であったもの。上演回数309回
*'''月は銅鑼なり'''(昼の部)、'''七色の虹'''(夜の部)(1950年12月、役不明)[[新橋演舞場]]。新生新派と文学座の合同公演{{R|近代日本女優史}}。「月は銅鑼なり」は[[菅原卓]]作。演出は二作とも菅原卓。[[水谷八重子 (初代)|初代水谷八重子]]との初共演{{R|近代日本女優史}}。
*★'''[[欲望という名の電車]]'''(1953年3月、主役のブランチ・デュボア役)文学座。[[テネシー・ウィリアムズ]]のオリジナル戯曲、日本初演。上演回数594回。
*'''二号'''(195411月、主役・御園とく役)文学座。飯沢匡のオリジナル戯曲。コメディ
*'''[[欲望という名の電車]]'''(19533月、主役のブランチデュボア役)文学座{{R|日本演劇史}}[[テネシー・ウィリアムズ]]のオリジナル戯曲、日本初演上演回数594回{{R|dailyshincho240101}}
*'''二号'''(1954年11月、主役・御園とく役)文学座。飯沢匡のオリジナル戯曲。コメディ。


==== 三島由紀夫との時代 ====
==== 三島由紀夫との時代 ====
後に起こった文学座と三島とのトラブルにより、杉村はこの時期以外にはこれらの作品を演じていない。
後に起こった文学座と三島とのトラブルにより、杉村はこの時期以外にはこれらの作品を演じていない。


*'''鹿鳴館'''(1956年11月、主役・影山朝子役)文学座創立20周年記念公演。[[三島由紀夫]]のオリジナル戯曲。後に[[新派]]・さまざまな商業演劇・[[劇団四季]]などによって上演される当戯曲の、これが初演になる。
*'''[[鹿鳴館 (戯曲)|鹿鳴館]]'''(1956年11月、主役・影山朝子役)文学座創立20周年記念公演。[[三島由紀夫]]が杉村ために書いたオリジナル戯曲{{Refnest|group="出典"|{{R|taidan|折井}}}}。後に[[新派]]・さまざまな商業演劇・[[劇団四季]]などによって上演される当戯曲の、これが初演になる。
*'''大障碍(だい・しょうがい)'''(1957年4月、主役・岑子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''大障碍(だい・しょうがい)'''(1957年4月、主役・岑子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''薔薇と海賊'''(1958年7月、主役・楓阿里子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''[[薔薇と海賊]]'''(1958年7月、主役・楓阿里子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''熱帯樹'''(1960年1月、主役・律子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''[[熱帯樹 (戯曲)|熱帯樹]]'''(1960年1月、主役・律子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''十日の菊'''(1961年11月、主役・奥山菊役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''[[十日の菊]]'''(1961年11月、主役・奥山菊役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
*'''トスカ'''(1963年6月、主役・トスカ役)文学座。ヴィクトリアン・サルドゥの原作を、三島由紀夫が潤色したもの。11月に三島が退座した(⇒[[喜びの琴事件]])ために、これが三島との最後の作品になった。
*'''トスカ'''(1963年6月、主役・トスカ役)文学座。ヴィクトリアン・サルドゥの原作を、三島由紀夫が潤色したもの。11月に三島が退座した(⇒[[喜びの琴事件]])ために、これが三島との最後の作品になった。


168行目: 350行目:
文学座公演として、レパートリーとなった代表作や新作に主演しながら、商業演劇にも数多く出演。商業演劇のスタアたちと同格の主演として舞台に立つ。
文学座公演として、レパートリーとなった代表作や新作に主演しながら、商業演劇にも数多く出演。商業演劇のスタアたちと同格の主演として舞台に立つ。


*'''糺河原'''(1967年5月、[[日野富子]]役)[[サンケイホール#大手町|大手町サンケイホール]]。西川永子の[[日本舞踊|舞踊]]リサイタルの客演{{R|wa670414}}。一部から「何も舞踊にも手を出さなくても。"杉村女王"には劇団の内政に熱を入れて欲しい」などと批判された{{R|wa670414}}。
*★'''華岡青洲の妻'''(1970年6月、主役・於継役)文学座。[[有吉佐和子]]の同名原作を、有吉が自身で戯曲化したもの。初演は1967年の東宝公演、主演は[[山田五十鈴]]であった。杉村がその演目のオリジナル・キャストではないという意味で、杉村の当たり役の中では珍しい演目(翻訳劇を除く)。上演回数634回。
*'''[[華岡青洲の妻]]'''(1970年6月、主役・於継役)文学座。[[有吉佐和子]]の同名原作を、有吉が自身で戯曲化したもの。初演は1967年の東宝公演、主演は[[山田五十鈴]]であった。杉村がその演目のオリジナル・キャストではないという意味で、杉村の当たり役の中では珍しい演目(翻訳劇を除く)。上演回数634回。姑の嫁いびりの演技に客席から「引っ込めー」「死んでしまえー」の怒声が飛び交ったが、[[中日劇場]]の6月28日千秋楽は昼の部だけの公演を夜の部が追加され、6月18日から28日で2万人動員し、その後全国巡演で22万人動員した{{R|ReferenceA}}。
*★'''ふるあめりかに袖はぬらさじ'''(1972年12月、主役・お園役)文学座。有吉佐和子の短篇「亀遊の死」を、有吉が自身で戯曲化したもの。初演。
*'''[[ふるあめりかに袖はぬらさじ]]'''(1972年12月、主役・お園役)文学座。有吉佐和子の短篇「亀遊の死」を、有吉が自身で戯曲化したもの{{Refnest|group="出典"|{{R|asahi230810|nikkei230922}}}}。初演。上演回数365回。芸者お園を演じるために[[三味線]]を1年練習「三味線をマスターするまで舞台に立たない。」{{R|ReferenceA}}
*[既出]華岡青洲の妻(1973年5月、於継役)新派公演への客演。[[中村勘三郎 (17代目)|中村勘三郎]]の青洲、[[水谷八重子 (初代)|水谷八重子]]の加恵というキャスティング。
*[既出]華岡青洲の妻(1973年5月、於継役)新派公演への客演。[[中村勘三郎 (17代目)|中村勘三郎]]の青洲、[[水谷八重子 (初代)|水谷八重子]]の加恵というキャスティング。
*'''怪談 牡丹燈籠'''(1974年8月、お峰・お米の二役)文学座。[[三遊亭圓朝]]の怪談噺を、[[大西信行]]が杉村に請われて脚色したもの<ref>[http://doraku.asahi.com/hito/interview/html/090706_02.html 伊藤蘭さん(2/3) - タビュー - と - どらく]</ref>。コメディ。
*'''怪談 牡丹燈籠'''(1974年8月、お峰・お米の二役)文学座。[[三遊亭圓朝]]の怪談噺を、[[大西信行]]が杉村に請われて脚色したもの<ref>[https://www.siscompany.com/produce/lineup/24botan/index.htm SIS company inc. Web / produce / シス・カパニ公演 怪談 牡丹燈籠]、[http://club-willbe.jp/zamma/2009/08/825.html 8/25(火)牡丹灯籠甲斐よしひろ - 残間里江子ブログ ]</ref>。コメディ。
*'''夢・桃中軒牛右衛門の'''(1976年2月)東横劇場。作・[[宮本研]]。浪曲師桃中軒牛右衛門こと、[[宮崎滔天]]を主人公とした創作劇で、[[辛亥革命]]の大立者が続々登場する。杉村は数次の訪中歴を持つ親中家で、日中友好団体の優等生と見られていたが、公演の5日前に[[駐日中華人民共和国大使館|中国大使館]]から公演中止の抗議があった{{R|wa76227}}。抗議は現存の指導者だった[[毛沢東]]の扱いを巡るもので、辛亥革命を茶番化しているという内容であった。文学座は3度中国大使館と交渉を持ったが意見の一致を見ず、一部の抗議を受け入れ上演した{{R|wa76227}}。
*[既出]怪談 [[牡丹灯籠|牡丹燈籠]](1976年4月、お峰・お米の二役)松竹公演。[[尾上松緑 (2代目)|尾上松緑]]との初顔合わせ。
*[既出]怪談 [[牡丹灯籠|牡丹燈籠]](1976年4月、お峰・お米の二役)松竹公演。[[尾上松緑 (2代目)|尾上松緑]]との初顔合わせ<ref>[http://www.asahi.com/culture/stage/kabuki/TKY200709280244.html 歌舞伎座で「怪談 牡丹灯篭」仁左衛門と玉三郎が共演 欲望まみれの怖い夫婦に]</ref>。
*'''やどかり'''(1978年1月、向井さつ子役)東宝公演。作・[[榎本滋民]]。山田五十鈴と、舞台での初共演<ref>詳細-[[週刊朝日]]1978年1月6日号、130-135頁。</ref>。映画
*'''やどかり'''(1978年1月、向井さつ子役)東宝公演。作・[[榎本滋民]]。山田五十鈴と、舞台での初共演<ref>詳細-[[週刊朝日]]1978年1月6日号、130-135頁。</ref>。映画では『[[流れる]]』がある。山田の新劇出演は1959年の「[[関漢卿]]」以来。<!-- ここで山田五十鈴さんの新劇出演歴を書き加えるのはなぜでしょうか。当公演自体は、東宝の大劇場での、まぎれもない商業演劇なのですが…。 -->
では『[[流れる]]』がある。山田の新劇出演は1959年の「[[関漢卿]]」以来。
*'''[[日の浦姫物語]]'''(1978年7月、日の浦姫役)作・[[井上ひさし]]<ref>[https://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20120517-952189.html 大竹しのぶ×藤原竜也→禁断の愛 - 日刊スポーツ]</ref>。15歳の少女から50歳過ぎまでを演じた{{R|sm78101}}。
*'''風流浮世ぶし'''(1979年1月、おみね役)新派公演。作・[[川口松太郎]]。水谷八重子との最後の共演。
*'''風流浮世ぶし'''(1979年1月、おみね役)新派公演。作・[[川口松太郎]]。水谷八重子との最後の共演。
*'''ターリン行きの船'''(1979年3月、主役のリージャ・ワシリーナ役)松竹公演。作・アレクセイ・アルブーゾフ。尾上松緑との2人芝居。
*'''ターリン行きの船'''(1979年3月、主役のリージャ・ワシリーナ役)[[サンシャイン劇場]]{{R|sm80224}}。作・[[アレクセイ・アルブーゾフ]]「古風なコメディ」を改題[[尾上松緑 (2代目)]]との2人芝居で、[[サナトリウム]]の65歳の院長と、そこへ保養にきた60歳近い独身女性との、ほのかな恋物語。1980年3月にも同じサンシャイン劇場で再演された{{R|sm80224}}。1980年6月には[[越路吹雪]]と[[米倉斉加年]]のコンビで同じ作品を原題の「古風なコメディ」で、[[PARCO劇場|西武劇場]]で上演され「真っ向からの競演」と話題を呼んだ{{R|sm80224}} 
*'''月夜の海'''(1979年11月、由良琴女役)東宝公演。作・小幡欣治。山田五十鈴との共演。
*'''月夜の海'''(1979年11月、由良琴女役)東宝公演。作・小幡欣治。山田五十鈴との共演。
*[既出]欲望という名の電車(1980年5月)[[日生劇場]]。この時点で430余回の上演を重ねていたが、『女の一生』が杉村以外の配役が随時変わってきたのに対して、『欲望という名の電車』はこれまで杉村のブランチ、北村和夫のスタンレーは不変であった。しかしこの公演で杉村の希望により初めてスタンレーを[[江守徹]]にした{{Refnest|group="出典"|{{R|fukuda|sm80427}}}}。北村はミッチという脇役にまわった{{efn|杉村はその理由について「新しいスタンレー役者が出来たということです。今の江守さんはスタンレー役にぴったりだと思います。もうひとつは、非常に重要な役のはずのミッチに、これまで人を得なかったことです。これまでなさった方には悪いですが、そのことがいつも気になっていました。北村さんにミッチ役をやってもらいたい。この二つの理由で配役を新しくしてもらいました」と話した。北村も江守も困惑し、江守は「北村さんが不在ならともかく、いらっしゃる前での稽古するわけですから。そりゃ嫌なものですよ」と話した。[[水落潔]]は、「そこに杉村春子の『修羅の如き』女優魂を感じた。おそらく最後かもしれない『欲望...』を、十分承知しながら、新しい配役で新しい舞台をつくろうとしている。その裏には文学座の将来を思っての体制つくりという含みがある。杉村の役にかける執念と情熱。その凄まじさは、敬服すべきものがある」と評した{{R|sm80427}}。}}。
*'''新釈 金色夜叉'''(1981年9月、赤樫満枝役)三越劇場。作・[[宮本研]]。宮本が文学座に最初に書き下ろしたもので、二年後に新派で初上演された<ref>[http://okepi.net/kangeki/292 2013/05/08 六月新派公演『新釈 金色夜叉』記者懇親会]</ref>。[[尾崎紅葉]]の『[[金色夜叉]]』では脇役にすぎない高利貸しの赤樫満枝を杉村がお宮に代わり主人公格で演じる[[派生作品|スピンオフ的作品]]<ref>{{Cite journal |和書 |author = |date = 1982年7月2日号 |title = 『新釈 金色夜叉』のおもしろさ|journal = [[週刊新潮]] |publisher = [[新潮社]] |page = 17 }}</ref>。
*'''路地に咲く花'''(1982年6月、おかね役)松竹公演。歌舞伎の演目を大西信行が脚色したもの。尾上松緑との共演。
*'''路地に咲く花'''(1982年6月、おかね役)松竹公演。歌舞伎の演目を大西信行が脚色したもの。尾上松緑との共演。
*'''横浜物語'''(1983年8月)三越劇場。作・[[八木柊一郎]]。八木が杉村のために書きおろした創作劇。明治の末、東西の架け橋になろうと自らアメリカの法律家と結婚するが、混血児を持って苦労する母親の役。
*●'''[[:en: The West Side Waltz|ウェストサイドワルツ]]'''(1985年2月、主役・マーガレット役)文学座。[[:en: Ernest Thompson|アーネスト・トンプソン]]のオリジナル戯曲。
*'''[[:en: The West Side Waltz|ウェストサイドワルツ]]'''(1985年2月、主役・マーガレット役)文学座。[[:en: Ernest Thompson|アーネスト・トンプソン]]のオリジナル戯曲。
*'''浮巣'''(1985年6月、おけい役)東宝公演。作・八木柊一郎。[[森光子]]と、舞台での初共演。
*'''浮巣'''(1985年6月、おけい役)東宝公演{{R|asahi2206}}。作・八木柊一郎。[[森光子]]と、舞台での初共演。
*'''木瓜(ぼけ)の花'''(1986年11月、木村正子役)東宝公演。有吉佐和子の同名小説を、大藪郁子が脚色したもの。森光子との共演。
*'''木瓜(ぼけ)の花'''(1986年11月、木村正子役)東宝公演。有吉佐和子の同名小説を、大藪郁子が脚色したもの。森光子との共演。


187行目: 374行目:


*[既出][[欲望という名の電車]](1987年2月、主役のブランチ・デュボア役)文学座創立50周年記念公演。杉村による最後の上演。
*[既出][[欲望という名の電車]](1987年2月、主役のブランチ・デュボア役)文学座創立50周年記念公演。杉村による最後の上演。
*'''[[流れる]]'''(1988年4月、染香役)東宝公演。[[幸田文]]の同名小説を、[[平岩弓枝]]が脚色したもの。山田五十鈴との共演。
*'''[[流れる]]'''(1988年4月、染香役)東宝公演。[[幸田文]]の同名小説を、[[平岩弓枝]]が脚色したもの。山田五十鈴との共演。
*'''花霞'''(1990年4月、秀千代役)東宝公演。作・[[川口松太郎]]、脚色・戌井市郎。森光子との共演。
*'''花霞'''(1990年4月、秀千代役)東宝公演。作・[[川口松太郎]]、脚色・戌井市郎。森光子との共演。
*[既出]女の一生(1990年6月、主役・布引けい役)文学座。杉村による最後の上演。
*[既出]女の一生(1990年6月、主役・布引けい役)文学座。杉村による最後の上演。初演:1945年(昭和20年)4月~終演:1990年(平成2年)6月 45年間ロングラン上演記録
*'''恋ぶみ屋一葉'''(1992年6月、主役・前田奈津役)松竹公演。斎藤雅文のオリジナル戯曲<ref>{{Cite news |date=2022-01-20 |author=山岸利行 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/155248 |title=2年前、コロナ禍で中止に 喜劇「有頂天作家」 2月に上演 |newspaper = [[東京新聞|東京新聞 TOKYO Web]] |accessdate=2024年1月23日 |publisher=[[中日新聞東京本社]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220120043527/https://www.tokyo-np.co.jp/article/155248 |archivedate=2022年1月20日 }}</ref>。
*初演以来947回。  初演:1945年(昭和20年4月~平成2年6月)終演:1990年 45年間ロングラン上演記録
*'''恋ぶみ屋一葉'''(1992年6月、主役・前田奈津役)松竹公演。斎藤雅文のオリジナル戯曲。
*'''晩菊'''(1993年3月、主役・相沢しの役)東宝公演。[[林芙美子]]の同名小説を、山崎圓が脚色したもの。
*'''晩菊'''(1993年3月、主役・相沢しの役)東宝公演。[[林芙美子]]の同名小説を、山崎圓が脚色したもの。
*[既出]ふるあめりかに袖はぬらさじ(1994年9月、主役・お園役)文学座。杉村による最後の上演。初演以来365回
*[既出]ふるあめりかに袖はぬらさじ(1994年9月、主役・お園役)文学座。杉村による最後の上演。
*'''絹布の法被(けんぷのはっぴ)'''(1995年2月)文学座。[[江守徹]]のオリジナル戯曲。杉村にとって、最後の新作公演。
*'''絹布の法被(けんぷのはっぴ)'''(1995年2月)文学座。[[江守徹]]のオリジナル戯曲。杉村にとって、最後の新作公演。
*[既出]華岡青洲の妻(1996年1月、主役・於継役)文学座。杉村による最後の上演。初演以来634回
*[既出]華岡青洲の妻(1996年1月、主役・於継役)文学座。杉村による最後の上演。
*[既出]華々しき一族(1996年9月、主役・諏訪役)文学座。杉村による最後の上演。初演以来309回。また、この演目での旅公演(最終日は1996年12月12日)が、杉村自身にとっても最後の舞台となった。
*[既出]華々しき一族(1996年9月、主役・諏訪役)文学座。杉村による最後の上演。また、この演目での旅公演(最終日は1996年12月12日)が、杉村自身にとっても最後の舞台となった。


1997年には、3月に新橋演舞場で「華岡青洲の妻」(松竹公演。杉村主演としてチケットはすでに発売されていた。[[藤間紫]]が代役で於継を演じた)、5月に紀伊國屋サザンシアターで文学座60周年記念舞台「柘榴のある家」(新作、文学座公演)、9-10月には芸術座で「もず」(東宝公演、[[山岡久乃]]と舞台での初共演)などが予定されていた。
1997年には、3月に新橋演舞場で「華岡青洲の妻」(松竹公演。杉村主演としてチケットはすでに発売されていた。[[藤間紫]]が代役で於継を演じた)、5月に紀伊國屋サザンシアターで文学座60周年記念舞台「柘榴のある家」(新作、文学座公演)、9-10月には芸術座で「もず」(東宝公演、[[山岡久乃]]と舞台での初共演)などが予定されていた。
また、主演連続ドラマ「棘 おんなの遺言状」(NHK 竹山洋脚本 大竹しのぶ、島田正吾共演)は第1回収録途中に病気降板。没後10年のBS特集番組でその一部が放送された。
また、主演連続ドラマ「棘 おんなの遺言状」(NHK 竹山洋脚本 大竹しのぶ、島田正吾共演)は第1回収録途中に病気降板。没後10年のBS特集番組でその一部が放送された。


== 文献 ==
=== ラジオドラマ ===
* 春来りなば(1937年、[[NHKラジオ第1放送|NHKラジオ第1]])- 芳子 役
=== 著書 ===
* パンドラタイム 『[[流れる]]』第4回「浮き沈み」(1956年、[[朝日放送ラジオ|朝日放送]])- 第4回[[日本民間放送連盟賞]]文芸番組部門最優秀賞<ref>{{放送ライブラリー|132899|R00088}}</ref>
*振りかえるのはまだ早い 女の自叙伝([[アシェット婦人画報社]]・1986年11月)ISBN 4573200053


=== 参考文献 ===
=== テレビ番組 ===
* [[NHK紅白歌合戦]](NHK総合・ラジオ第1)
*杉村春子―女優として、女として([[中丸美絵]]著・[[文藝春秋]]・2003年3月)ISBN 4163595309
** [[第9回NHK紅白歌合戦|第9回]](1958年12月31日) - 審査員
*女の一生―杉村春子の生涯([[新藤兼人]]著・[[岩波書店]]・2002年1月) ISBN 4000223704
** [[第25回NHK紅白歌合戦|第25回]](1974年12月31日) - 審査員
*女優杉村春子([[大笹吉雄]]著・[[集英社]]・1995年8月)ISBN 4087811115
* [[すばらしき仲間]]「女優として女として」(1986年、[[CBCテレビ]]) - [[山田五十鈴]]と出演<ref>{{放送ライブラリー|162117|003017}}</ref>
*日本映画俳優全集・女優編([[キネマ旬報]]社・1980年12月)
* [[テレビ・私の履歴書]]「杉村春子」(1987年、[[テレビ東京]])<ref>{{放送ライブラリー|125502|006004}}</ref>
*日本映画史2(佐藤忠男著・[[岩波書店]]・2006年11月)
* 芸を語る「杉村春子 「女の一生」と私」(1988年、NHK総合)<ref>{{放送ライブラリー|123475|003275}}</ref>
*新宿 歴史に生きた女性一〇〇人(折井美那子・新宿女性史研究会編者・ドメス出版・2005年9月)
* 舞台ひとすじ・女優杉村春子の世界(1994年、NHK総合) - インタビューと舞台中継
*回想の文学座(北見治一著・[[中央公論社]]・1987年8月)
** 「夜のキャンヴァス」「ふりだした雪」<ref>{{放送ライブラリー|127250|008165}}</ref>
*演劇研究 第8集(演技研究所・1947年11月)
** 「女の一生」<ref>{{放送ライブラリー|127252|008167}}</ref>
*[http://goldoni.org/cat12/ ゴルドーニ: 劇団文学座の七十年 アーカイブ ]
** 「宵庚申思いの短夜」<ref>{{放送ライブラリー|127253|008168}}</ref>
** 「桜の園」<ref>{{放送ライブラリー|127254|008169}}</ref>
** 「怪談牡丹灯籠」<ref>{{放送ライブラリー|127255|008170}}</ref>
** 「華々しき一族」<ref>{{放送ライブラリー|127256|008171}}</ref>

== 著書 ==
*『自分で選んだ道 文学座と共に30年』六芸書房、1969年
*[[小山祐士]]共著『女優の一生』[[白水社]]、1970年
*『歩みのあと』講談社文庫、1977年。小冊子
**新版『女優の運命 [[私の履歴書]]』日経ビジネス人文庫、2006年
*『舞台女優』PHP研究所、1980年
**新版『杉村春子 舞台女優』「人間の記録144」[[日本図書センター]]、2002年。ISBN 4820595679
*{{Cite book ja|title=振りかえるのはまだ早い|url={{国立国会図書館デジタルコレクション|12436352}}|url-access=registration|publisher=[[ハースト婦人画報社|婦人画報社]]|series=女の自叙伝|date=1986-12-25}}

== 写真集 ==
* {{Cite book ja|author=高橋克郎|title=杉村春子 : 高橋克郎写真集|url={{国立国会図書館デジタルコレクション|12436311}}|url-access=registration|publisher=大和書房|date=1984-10-06}}


== 杉村春子を演じた女優 ==
== 杉村春子を演じた女優 ==
* [[林美智子 (女優)|林美智子]]([[銀河テレビ小説|銀河ドラマ]] [[女優 わが道]] 1969年、[[日本放送協会|NHK]]){{Refnest|group="出典"|{{R|報知690428|日刊19690219}}}}
*[[米倉涼子]]・[[江澤璃菜]](16歳当時)([[女の一代記]]シリーズ 2005年、[[フジテレビジョン|フジテレビ]])
* [[二宮さよ子]]
* [[米倉涼子]]・[[江澤璃菜]](16歳当時)([[女の一代記]]シリーズ 2005年、[[フジテレビジョン|フジテレビ]])


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
223行目: 427行目:
**[[北村和夫]]
**[[北村和夫]]
**[[加藤武]]
**[[加藤武]]
**[[水谷八重子 (2代目)]]<!---讀賣新聞、1997年4月5日31頁---->
**[[水谷八重子 (2代目)|水谷八重子]]<!---讀賣新聞、1997年4月5日31頁---->
**[[二宮さよ子]]
**[[二宮さよ子]]
**[[泉ピン子]]
**[[泉ピン子]]
**[[谷本進]]

*杉村を尊敬すると話す人
**[[美輪明宏]]<ref>『[[国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉|オーラの泉]]』、[[テレビ朝日]]、2007年4月21日放送</ref>
**[[IKKO]]<ref>[https://news.livedoor.com/article/detail/3714157/ 【エンタがビタミン♪】IKKO、織姫ドレスで登場。七夕メールで「魂のキレイな女性になりたい」と願う]</ref>
**[[井上真央]]<ref>[http://www.nikkansports.com/entertainment/award/ns-cinema/report/2011/report06-2.html 新人賞-井上真央「八日目の蝉」「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」]、[https://archive.is/20111023194245/http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/yumiyori/20110701-OYT8T00763.htm?from=popin 【yumiyoriな話】第35回 井上真央さん] [[YOMIURI ONLINE]](2010年7月8日)、日刊スポーツインタビュー 井上真央「日曜日のヒーロー694」、2009年10月25日。</ref>
*友人
*友人
**[[黒柳徹子]]<ref>『アルバム・徹子の部屋』[[テレビ朝日]]、1983年、132-135頁。</ref>
**[[黒柳徹子]]{{Refnest|group="出典"|{{R|archives1627|dailyshincho150808}}}}<ref>『アルバム・徹子の部屋』[[テレビ朝日]]、1983年、132-135頁。</ref>
**[[中原淳一]]<ref><small>広島女学院の代用教員時代の教え子。広島女学院付属小学校に通っていた中原とは生涯にわたり交遊を持った『別冊太陽 美しく生きる 中原淳一 その美学と仕事』 [[平凡社]]、1999年、p176、178-183)。</small></ref><ref>中原洲一『父・中原淳一』 [[中央公論社]]、1987年、p174、175</ref>。
**[[中原淳一]]{{efn|広島女学院の代用教員時代の教え子。広島女学院付属小学校に通っていた中原とは生涯にわたり交遊を持った<ref>『別冊太陽 美しく生きる 中原淳一 その美学と仕事』 [[平凡社]]、1999年、p176、178-183、中原洲一『父・中原淳一』 [[中央公論社]]、1987年、p174、175</ref>。}}
**[[辻村寿三郎]]<ref>[http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=1618&comment_sub_id=0&category_id=420 中国新聞 | 生きて | 人形作家 辻村寿三郎さん <12> 一葉と鏡花 文学座アトリエで上演]</ref>。

**[[関根恵子]]<ref>[https://gendai.media/articles/-/28515?page=5 週刊現代 賢者の知恵大研究シリーズ 人生、最期が肝心 死に損なわないために]</ref>
*その他、関連人物
** [[田中路子]]{{efn|広島女学院の代用教員時代の教え子{{R|近代日本女優史}}。}}
** [[秋山皐二郎]]
** [[高英男]]
*事項
*事項
** [[日本における検閲]]
** [[日本における検閲]]
** [[善隣学生会館事件]]


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}{{reflist}}
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2
|refs=
<ref name="bungakuza1">[https://www.bungakuza.com/about_us/index.html 文学座とは] - [https://www.bungakuza.com/ 文学座公式サイト]</ref>
<ref name="bungakuza2">[https://www.bungakuza.com/onnanoisyou2014/index.html 女の一生|文学座]</ref>
<ref name="haiyuza">[https://haiyuza.net/haiyuza-history/1959-64/ 俳優座史1959〜64年]</ref>
<ref name="zenshinza">[http://www.zenshinza.com/infomration/rekishi/history.html 前進座の歴史]</ref>
<ref name="jtaa">[http://jtaa.web.fc2.com/kyoukai.html 日本新劇俳優協会とは]</ref>
<ref name="bunshun">{{Cite web|和書|url=http://www.bunshun.co.jp/photo_column/pic/sugimura.html|accessdate=2010-02-13|title=文春写真館 あのとき、この一枚|publisher=文藝春秋社|date=2010-02-14|archiveurl=https://web.archive.org/web/20100213142402/http://www.bunshun.co.jp/photo_column/pic/sugimura.html|archivedate=2010-02-13|url-status=dead|url-status-date=2017-10}}[http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/509 『激動の90年、歴史を動かした90人』「杉村春子 お芝居の下手な人、大っ嫌いッ 樹木希林」 文藝春秋2013年新年特別号 | バックナンバー - 文藝春秋WEB]、215-217頁。</ref>
<ref name="prf2" >{{Cite news|author=|title=杉村春子(読み)スギムラ ハルコ|date=|url=https://kotobank.jp/word/%E6%9D%89%E6%9D%91%E6%98%A5%E5%AD%90-83552#:~:text=%E6%9D%89%E6%9D%91%E6%98%A5%E5%AD%90%E3%80%90%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%80%E3%82%89%E3%81%AF%E3%82%8B%E3%81%93,%E5%B0%8F%E5%8A%87%E5%A0%B4%E7%A0%94%E7%A9%B6%E7%94%9F%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E5%88%9D%E8%88%9E%E5%8F%B0%E3%80%82|work=[[コトバンク]]|publisher=[[朝日新聞社]]/[[CARTA HOLDINGS|VOYAGE MARKETING]]|accessdate=2021年7月7日}}{{Cite book |和書 |author= |year=2001 |title=情報・知識[[イミダス|imidas]] 2001 |chapter = 〈演劇〉 imidas Who's Who 杉村春子 |publisher=[[集英社]] |page=1067 |isbn=4081000158 }}{{Cite news|author=鈴木国男|title=時事用語事典 杉村春子|date=2018-03|work=[[イミダス|imidas]]|url=https://imidas.jp/genre/detail/L-108-0128.html|publisher=[[集英社]]|accessdate=2021年7月7日|archiveurl=https://archive.ph/oOhrQ|archivedate=2021年7月7日}}[https://web.archive.org/web/20160305155650/http://www.nhk.or.jp/archives/anohito/past/2005/039.html 杉村春子 - NHKアーカイブス NHK映像ファイル あの人に会いたい](2016年3月5日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]){{Cite web|和書|title=1981年度のそのほかの特集番組 杉村春子ショー |url=https://www.nhk.or.jp/archives/bangumi/special/program/1981_list.html |date=2016-02-07 |work=[[NHKアーカイブス]] NHK放送史 テレビ70年特設サイト |publisher=[[NHKアーカイブスポータル]] |accessdate=2023-04-15 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20230116062446/https://www.nhk.or.jp/archives/bangumi/special/program/1981_list.html |archivedate=2023-01-16 }}{{Cite news|title=第百五話 己を信じる -【広島篇】女優 杉村春子-|date=2017-09-02|work=[[yes!〜明日への便り〜|yes!〜明日への便り〜 presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ]]|url=https://www.tfm.co.jp/yes/?id=108|publisher=[[エフエム東京|TOKYO FM]]|accessdate=2021年7月7日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200613102820/https://www.tfm.co.jp/yes/?id=108|archivedate=2020年6月12日}}[https://www.shinchosha.co.jp/book/351031/ 川良浩和著『忘れられないひと、杉村春子』 ]</ref>
<ref name="library.city.hiroshima">{{Cite web|和書|url=https://www.library.city.hiroshima.jp/hiroshima/local/person.html|title=広島ゆかりの人物情報|広島を知る|文化、芸術分野|3=杉村春子|publisher=広島市立図書館|accessdate=2017-02-14|archiveurl=https://archive.fo/20170212115931/https://www.library.city.hiroshima.jp/hiroshima/local/person.html|archivedate=2017-02-12|url-status=dead|url-status-date=2017-10}}</ref>
<ref name="hiroshima241030">{{Cite news |author=道面雅量 |title=この人の〝反核〟 <9> 杉村春子(俳優、1906-97年) 「今を生きる」決然の舞台 |newspaper=[[中国新聞|ヒロシマ平和メディアセンター]] |date=2024-10-30 |url=https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=146490 |accessdate=2024年12月6日 |publisher=[[中国新聞社]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20241205104847/https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=146490 |archivedate=2024年12月25日}}</ref>
<ref name="tbsradio">{{Cite web ja|title=「昭和の演劇史に名を残す巨星 杉村春子さんのはなし」 演劇評論家の大笹吉雄さんを迎えて |url=https://www.tbsradio.jp/articles/66273/ |date=2023-02-13 |website=[[サンスター 文化の泉 ラジオで語る昭和の文化]] |publisher=[[TBSラジオ]] |accessdate=2024-12-06 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20240723143654/https://www.tbsradio.jp/articles/66273/ |archivedate=2024-07-23 }}</ref>
<ref name="bookbang">{{Cite web ja|url=https://www.bookbang.jp/review/article/534284 |title=大笹吉雄×川良浩和「女優・杉村春子について話そう」――『忘れられないひと、杉村春子』著者対談 |website=Book Bang |publisher=[[新潮社]] |date=2017 |accessdate=2024-12-06 }}</ref>。
<ref name="kitakyu-dousoukai">{{Cite web|和書|author=松峰莉璃|authorlink=松峰莉璃|date=2010|url=http://kitakyu-dousoukai.com/koukaikouza/8.html|title=基本テーマ 「北九州市立大学をバネに活躍する人々」「中国での女優としての活躍談議」|website=平成22年度北九州市立大学公開講座 (同窓会員による講演)|publisher=北九州市立大学|accessdate=2023-04-15|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150422170349/http://kitakyu-dousoukai.com/koukaikouza/8.html|archivedate=2023-04-14}}</ref>
<ref name="fujingaho">{{Cite news|author=櫻井正朗|title=田中絹代、原節子、杉村春子……。若き日の大女優が残した貴重な足跡  「女優と映画」 第二回|date=2021-06–27|work=[[婦人画報]]|url=https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/g36835246/fujingaho115-culture-jyoyuu2-210627/|publisher=[[ハースト婦人画報社]]|accessdate=2021年7月7日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210628115303/https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/g36835246/fujingaho115-culture-jyoyuu2-210627/|archivedate=2021年6月28日}}</ref>
<ref name="taidan">{{Cite news |1 = 和書 |author = |title = 玉三郎対談 女流その世界「杉村春子」 |newspaper = [[婦人画報|別冊・婦人画報]] |issue = 1977年11月号 |publisher = [[ハースト婦人画報社|婦人画報社]] <!---|url = http://www.tamasaburo.co.jp/kangae/taidan/taidan01.html |accessdate = 2017-02-15 |archiveurl = https://archive.li/20140729001839/http://www.tamasaburo.co.jp/kangae/taidan/taidan01.html |archivedate = 2014年7月29日 |deadlinkdate = 2017年10月--->}}{{Cite web |和書 |date = 2023-12-31 |title = 俳優・杉村春子×坂東玉三郎対談「どんな芝居も艶がなければ」 20代の玉三郎さんが各界で活躍する女性を訪ねる連載「女流その世界」を復刻! |website = [[婦人画報]] |publisher = [[ハースト婦人画報社|婦人画報社]] |url = https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/a45993999/jyoryu-sonosekai-sugimura-20231220/ |accessdate = 2024-01-23 |archiveurl = https://web.archive.org/web/20231231210613/https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/a45993999/jyoryu-sonosekai-sugimura-20231220/ |archivedate = 2023-12-31 }}</ref>
<ref name="kabuki-bito">[https://www.kabuki-bito.jp/news/2008/05/__photo_93.html 玉三郎 シネマ歌舞伎『ふるあめりかに袖はぬらさじ』を語る | 歌舞伎美人(かぶきびと)]</ref>
<ref name="nikkei130609">{{Cite news|author=木内昇|authorlink=木内昇|date=2013-06-09|title=杉村春子 自分で選んだ道ですもの ヒロインは強し|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASFE29013_Z20C13A5945M00/|newspaper=[[日本経済新聞]]|publisher=[[日本経済新聞社]]|accessdate=2024年1月23日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230818184909/https://www.nikkei.com/article/DGXNASFE29013_Z20C13A5945M00/|archivedate=2023年8月18日}}</ref>
<ref name="nikkei150313">{{Cite news|author=内田洋一|authorlink=内田洋一|date=2015-03-13|title=文学座「女の一生」|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO84236080R10C15A3000001/|newspaper=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2024年1月23日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230818184910/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO84236080R10C15A3000001/|archivedate=2023年8月18日}}</ref>
<ref name="日経200967">[[]]2009年6月7日24面。</ref>
<ref name="日経2009614">{{Cite news |author=栩木誠 |title = SUNDAY NIKKEI 彼らの第4コーナー 杉村春子(2) 『新藤監督で最後の映画ロケ』 |date = 2009年6月14日 |newspaper = [[日本経済新聞]] |publisher = [[日本経済新聞社]] |page = 24 }}</ref>
<ref name="asahi211125">{{Cite news|author=|title=(語る 人生の贈りもの)池辺晋一郎:177 誰かと過ごす時間、人生の滋養に|url=https://www.asahi.com/articles/DA3S15122142.html|date=2021-11-25|newspaper=[[朝日新聞デジタル]]|publisher=[[朝日新聞社]]|accessdate=2022年12月5日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211124201724/https://www.asahi.com/articles/DA3S15122142.html|archivedate=2021年11月24日}}</ref>
<ref name="asahi2206">{{Cite news|author=|title=(一語一会)俳優・泉ピン子さん 俳優の杉村春子さんからの言葉|url=https://www.asahi.com/articles/DA3S15313371.html|date=2022-06-02|newspaper=朝日新聞デジタル|publisher=朝日新聞社|accessdate=2022年12月5日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220602094949/https://www.asahi.com/articles/DA3S15313371.html|archivedate=2022年6月2日}}</ref>
<ref name="asahi230810">{{Cite news|author=森下香枝|title=大竹しのぶさんが語る美談の「不都合な真実」 50年不変の本質とは|url=https://www.asahi.com/articles/ASR895GR4R87OXIE02S.html|date=2023-08-10|newspaper=朝日新聞デジタル|publisher=朝日新聞社|accessdate=2024年1月23日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230810034046/https://www.asahi.com/articles/ASR895GR4R87OXIE02S.html|archivedate=2023年8月10日}}</ref>
<ref name="朝日19480429">『朝日新聞』1948年4月29日([[朝日新聞東京本社|東京本社]]発行)朝刊、2頁。</ref>
<ref name="読売20081004">{{Cite news |author=辻井喬 |authorlink=堤清二 |title = 連載『叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録』 37 セゾン現代美術館 |date = 2008年10月4日 |newspaper = [[読売新聞]] |publisher = [[読売新聞社]] |page = 15 }}</ref>
<ref name="日刊19690219">{{Cite news |title = NHK新番組の製作急ピッチ フル回転20スタジオ "杉村春子"役で奮闘 林美智子『女優 わが道』|date = 1969年2月19日 |newspaper = [[日刊スポーツ]] |publisher = [[日刊スポーツ新聞社]] |page = 11 }}</ref>
<ref name="sankei161218">{{Cite news|author=|date=2016-12-18|title=児童演劇の普及活動に尽力 俳優の伊藤巴子さんが死去 85歳|url=https://www.sankei.com/article/20161218-FXNFIMN6EZIDVECSKW44RQ5DQA/|newspaper=[[産経デジタル|産経ニュース]]|publisher=[[産業経済新聞社]]|accessdate=2023年4月15日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230414233518/https://www.sankei.com/article/20161218-FXNFIMN6EZIDVECSKW44RQ5DQA/|archivedate=2023年4月14日}}</ref>
<ref name="chunichi220323">{{Cite news |date=2022-03-23 |author= |url=https://www.chunichi.co.jp/article/439317 |title=60年前の”文学座騒動”を現在の若手が新作劇に 三島作品巡る「喜びの琴」事件題材、”現場”で上演 |newspaper=[[東京中日スポーツ]] |accessdate=2024年1月23日 |publisher=[[中日新聞東京本社]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220322211952/https://www.chunichi.co.jp/article/439317 |archivedate=2022年3月22日 }}</ref>
<ref name="ReferenceA">2018年5月1日中日劇場(中日新聞文化芸能局)発行「中日劇場全記録」</ref>
<ref name="nikkan-gendai221213">{{Cite news|date=2022-12-13|author=山田勝仁|url=https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/315821|title=演劇えんま帳 「文、分、異聞」63年の文学座の“黒歴史”を直視した意欲作に物足りなかったこと|newspaper=[[日刊ゲンダイ#日刊ゲンダイDIGITAL(旧称ゲンダイネット)|日刊ゲンダイDIGITAL]]|publisher=日刊現代|accessdate=2024-12-06|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221221131416/http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/315821|archivedate=2022年12月21日}}</ref>
<ref name="masayukilife">{{Cite web ja|title=文学座さんへ 12月7日|author=池田政之|authorlink=池田政之 (脚本家)|work=池田政之の〈ま〉な生活|url=http://www.masayukilife.com/blog/20357.html|date=2022-12-07|accessdate=2024-12-06}}</ref>
<ref name="natalie161130">[https://natalie.mu/stage/news/211189 新派「華岡青洲の妻」会見、市川春猿&波乃久里子に誕生日サプライズ]</ref>
<ref name="ootake">{{Cite news|author=亀岡典子|title=大竹しのぶ、かみしめる「女の一生」 京都南座で傑作に挑む|url=https://www.sankei.com/article/20221021-XXVNDG3LPVP5RCCZH2KSIK2HCA/|date=2022-10-21|newspaper=[[産経新聞|産経ニュースwest]]|publisher=[[産経新聞大阪本社]]|accessdate=2022年12月5日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221021104300/https://www.sankei.com/article/20221021-XXVNDG3LPVP5RCCZH2KSIK2HCA/|archivedate=2022年10月21日}}{{Cite web|和書|author=Miki D'Angelo Yamashita|title=大竹しのぶ、コロナ禍やウクライナ戦争と『女の一生』への思い「自分の心に嘘をつかないで生きていく」|url=https://fumufumunews.jp/articles/-/23088?page=3|date=2022-09-30|website=fumufumu news|publisher=[[主婦と生活社]]|accessdate=2022-12-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221204145515/https://fumufumunews.jp/articles/-/23088?page=3|archivedate=2022-12-04}}</ref>
<ref name="毎日170912">{{Cite news|author=川良浩和|authorlink=川良浩和|title=読書日記 著者のことば 川良浩和さん 忘れられないひと、杉村春子|url=https://mainichi.jp/articles/20170912/dde/012/070/006000c|date=2017-09-12|work=[[毎日新聞]]|publisher=[[毎日新聞社]]|accessdate=2021-07-07|archiveurl=https://archive.ph/4ea1L|archivedate=2017年9月16日}}</ref>
<ref name="nikkei230922">{{Cite news|author=内田洋一|title=松竹「ふるあめりかに袖はぬらさじ」大竹しのぶの挑戦|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD142OH0U3A910C2000000/|date=2023-09-22|work=[[日本経済新聞]]|publisher=[[日本経済新聞社]]|accessdate=2024年1月23日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230922081614/https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD142OH0U3A910C2000000/|archivedate=2023年9月23日}}</ref>
<ref name="報知690428">{{Cite news |title = 《トピックルポ》 NHK 『女優 わが道』の舞台裏 杉村春子の半生描く "現役"も登場 新劇史を地でいく |date = 1969年4月28日 |newspaper = [[報知新聞]] |publisher = [[報知新聞社]] |page = 14 }}</ref>
<ref name="日刊201031">{{Cite news|author=林尚之|date=2020-10-31|title=杉村春子さんら「舞台の3大女優」次代の顔ぶれは?|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/column/hayashi/news/202010310000314.html|work=[[日刊スポーツ]]|publisher=[[日刊スポーツ新聞社]]|accessdate=2021-07-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201101024230/https://www.nikkansports.com/entertainment/column/hayashi/news/202010310000314.html|archivedate=2020-11-01}}</ref>
<ref name="peoplechina230117">{{cite news|author=劉徳有|date=2023-01-17|title=伊藤巴子の「凛として」|url=http://www.peoplechina.com.cn/zlk/zfwhr/202301/t20230117_800318750.html|newspaper=[[人民中国]]|publisher=人民中国雑誌社|accessdate=2023年4月15日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230414234055/http://www.peoplechina.com.cn/zlk/zfwhr/202301/t20230117_800318750.html|archivedate=2023年4月14日}}</ref>
<ref name="cri180620">{{cite news|author=|date=2018-06-20|title=杉村春子さんと北京の秋|url=https://japanese.cri.cn/20180620/a1603609-1e9f-7581-7f1f-f0414df2218b.html|work=CRIonline|publisher=[[中国国際放送]]|accessdate=2023年4月15日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230414211821/https://japanese.cri.cn/20180620/a1603609-1e9f-7581-7f1f-f0414df2218b.html|archivedate=2023年4月14日}}</ref>
<ref name="育成">[https://web.archive.org/web/20101125161730/http://blog.oricon.co.jp/fujitayumiko/archive/98/0 文学座:藤田弓子オフィシャルブログ 2010年3月21日](2010年11月25日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])、[[北見治一]]『回想の文学座』、238、239頁、中公新書、1987年。「母・小川真由美を狂わせた3人の教祖」[[週刊文春]]2012年4月5日号、42-45頁、「[[徹子の部屋]]」2011年12月1日放送、[[テレビ朝日]]([http://datazoo.jp/w/文学座/8888576 文学座 | 恩師・杉村春子 | 徹子の部屋 | TVでた蔵])</ref>
<ref name="tv-asahi190719">{{cite news|author=津島令子|date=2019-07-19|title=芸能界の酒豪番付では…大関!藤田弓子、亡き親友・太地喜和子と「オールドのボトルを…」|url=https://post.tv-asahi.co.jp/post-93327/|work=テレ朝POST|publisher=[[テレビ朝日]]|accessdate=2023年4月15日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200928035114/https://post.tv-asahi.co.jp/post-93327/|archivedate=2020年9月28日}}</ref>
<ref name="yurindo426">[http://www.yurindo.co.jp/static/yurin/back/426_5.html Web版 有鄰 藤田昌司「人と作品 中村美繪と『杉村春子』 不世出の大女優の一生を明らかにした評伝] 第426号、平成15年5月10日、P5</ref>
<ref name="fukuda">{{Cite web|和書|title=迫真の演技で観客を緊迫へと引きずりこむ---「狂った」女優 女優の近代Vol.7|url=https://gendai.media/articles/-/32697|accessdate=2017-02-15|author=福田和也|authorlink=福田和也|date=2012-06-10|work=現代ビジネスプレミアム|publisher=[[講談社]]}}</ref>
<ref name="bs-jarirekisyo">{{Cite web|和書|title=日経スペシャル 私の履歴書 ―特別編― |url=http://www.bs-j.co.jp/official/rirekisyo/ |date= |work=[[私の履歴書#「日経スペシャル 私の履歴書」(BS)|日経スペシャル 私の履歴書]] |publisher=[[BSジャパン]] |accessdate=2017-02-14 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20140330055250/http://www.bs-j.co.jp/official/rirekisyo |archivedate=2014-03-30 |url-status=dead|url-status-date=2017-10 }}</ref>
<ref name="meigen140929">{{Cite news|title=よみほっと日曜版 〈名言巡礼〉 誰が選んでくれたのでもない…戯曲「女の一生」|url=http://www.yomiuri.co.jp/life/travel/meigen/20150609-OYT8T50297.html|date=2014-09-28|newspaper=[[読売新聞]]|publisher=[[読売新聞社]]|accessdate=2017-02-15|archiveurl=https://archive.fo/20160227221528/http://www.yomiuri.co.jp/life/travel/meigen/20150609-OYT8T50297.html|archivedate=2016年2月27日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>
<ref name="michi">[https://www.bungakuza.com/about_us/michi/sugimura.html 文学座 座員連名 .物故者. 杉村春子] - [https://www.bungakuza.com/ 文学座公式サイト]</ref>
<ref name="archives1627">{{Cite web|和書|title=“女の一生”いまも〜杉村春子と文学座ロングラン公演〜 |url=http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2015/160207.html |date=2016-02-07 |work=[[NHKアーカイブス]] |publisher=[[NHK総合テレビジョン|NHK]] |accessdate=2017-02-15 |archiveurl=https://archive.fo/20170211114513/http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2015/160207.html |archivedate=2017-02-11 |url-status=dead|url-status-date=2017-10 }}</ref>
<ref name="wakao">[https://www.oricon.co.jp/news/59742/full/ 杉村春子さんの代表作に若尾文子「大変なプレッシャー」 舞台『華々しき一族』]、[http://etheatrix01.eplus2.jp/article/107888163.html e+ Theatrix! Pick Up: 『華々しき一族』]、[https://web.archive.org/web/20120511173040/http://www.hi-carat.co.jp/c000023/archives/2008/10/26/entry3348.html 芸能人インタビュー|連載コラム|はいからOnline](2012年5月11日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])、[[産経新聞]]2008年11月26日27面。</ref>
<ref name="奈良岡">{{Cite web|和書|author=奈良岡朋子|authorlink=奈良岡朋子|date=2021-12-27|url=https://bungeishunju.com/n/nb11e11d2ef6f|title=杉村春子 「女優は岡惚れしてなきゃ」 奈良岡朋子 100周年記念企画「100年の100人」|website=[[文春オンライン|文藝春秋digital]]|accessdate=2024-01-23|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230330043753/https://bungeishunju.com/n/nb11e11d2ef6f|publisher=[[文藝春秋]]|archivedate=2023-03-30}}『[[日刊スポーツ]]』2012年11月25日22面</ref>
<ref name="dailyshincho150808">{{Cite web|和書|date=2015-08-08|url=https://www.dailyshincho.jp/article/2015/08080830/?all=1|title=『徹子の部屋』の歴史上「唯一のカット」とは 黒柳徹子が語る放送一万回の秘話|website=[[デイリー新潮]]|accessdate=2024-01-23|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151205021018/https://www.dailyshincho.jp/article/2015/08080830/?all=1|publisher=[[新潮社]]|archivedate=2015-12-05}}</ref>
<ref name="dailyshincho240101">{{Cite web|和書|date=2024-01-01|url=https://www.dailyshincho.jp/article/2024/01011047/?all=1&page=2|title=沢尻エリカは舞台「欲望という名の電車」で2月に復帰 演劇記者は「大変な作品を選んでしまった」「杉村春子や大竹しのぶに挑むわけですが」|website=デイリー新潮|accessdate=2024-01-23|archiveurl=https://web.archive.org/web/20240101141254/https://www.dailyshincho.jp/article/2024/01011047/?all=1&page=2|publisher=新潮社|archivedate=2024-01-01}}</ref>
<ref name="kadono">[http://www.meg-net.com/meg/web_interview/kadono-14.html 「角野卓造」インタビュー | Web 限定インタビュー | MEG-net 【Mixture Entertainment Guide】]</ref>
<ref name="ゴシップ10年史">[[内外タイムス|内外タイムス文化部]]編『ゴシップ10年史』、[[三一書房]]、1964年、202-204頁</ref>
<ref name="演劇研究8">『演劇研究 第8集』、演技研究所、371頁。</ref>
<ref name="絢爛たる影絵">[[高橋治]]『絢爛たる影絵 小津安二郎』、[[文藝春秋]]、1982年、57頁。</ref>
<ref name="prf">別冊宝島2551『日本の女優 100人』p.30.</ref>
<ref name="W現代680613">{{Cite journal | 和書 |author = |title = 〈げいのう〉 大女優の実力をしめした杉村春子 |journal = [[週刊現代]] |issue = 1968年6月13日号 |publisher = [[講談社]] |page = 32頁 }}</ref>
<ref name="wa670414">{{Cite journal |和書 |author = |title = ステージ 『本家をおろそかにする? 杉村春子』 |journal = [[週刊朝日]] |issue = 1967年4月14日号 |publisher = [[朝日新聞社]] |page = 111 }}</ref>
<ref name="wa690214">{{Cite journal |和書 |author = 秋山節義 |title = 連載(15) 【周作怠談】 『一筋に生きる女の一生』 ゲスト 女優 杉村春子 聞き手・[[遠藤周作]] |journal = [[週刊朝日]] |issue = 1969年2月4日号 |publisher = [[朝日新聞社]] |pages = 40-44 }}</ref>
<ref name="wy640726">{{Cite journal |和書 |author = |title = 【芸能】 この人 杉村春子 文学座公演に連続出演して気をはく 三連投するエース |journal = [[週刊読売]] |issue = 1964年7月26日号 |publisher = [[読売新聞社]] |pages = 32-33 }}</ref>
<ref name="wa76227">{{Cite journal |和書 |author = |date = 1976年2月27日号 |title = 中国から抗議を受けた文学座 "革命的自覚"足りぬかと当惑顔 |journal = [[週刊朝日]] |publisher = [[朝日新聞社]] |pages = 28-29 }}</ref>
<ref name="sm78101">{{Cite journal |和書 |author = |date = 1978年10月1日号 |title = 長谷川一夫 美女才人対談(3) ゲスト 杉村春子 『仕事捨ててまで"一緒に"...なんてなかったヮ』 |journal = [[サンデー毎日]] |publisher = [[毎日新聞社]] |pages =54-58 }}</ref>
<ref name="sm80224">{{Cite journal |和書 |author = |date = 1980年2月24日号 |title = 二大女優がソ連のドラマ競演 |journal = サンデー毎日 |publisher = 毎日新聞社 |page = 178 }}</ref>
<ref name="sm80427">{{Cite journal |和書 |author = [[水落潔]] |date = 1980年4月27日号 |title = 『欲望...』の舞台にかける杉村春子の女優魂 |journal = サンデー毎日 |publisher = 毎日新聞社 |page = 136 }}</ref>
<ref name="sm800511">{{Cite journal |和書 |author = 水落潔 |title = こんどは山本圭が退団 またまた揺れる俳優座 仲代と同じく劇団にイヤ気が? |journal = サンデー毎日 |issue = 1980年5月11日号 |publisher = 毎日新聞社 |pages = 152–153 }}</ref>
<ref name="sm84617">{{Cite journal |和書 |author = |date = 1984年6月17日号 |title = 堤清二のこの女(ひと)に会いたい 第一回ゲスト 杉村春子さん 華岡青洲の妻 『私、お嫁さんを8人もかえたの』 |journal = [[サンデー毎日]] |publisher = [[毎日新聞社]] |pages = 36-40 }}</ref>
<ref name="W新潮650308">{{Cite journal |和書 |title = タウン 訪中公演に原爆問題はタブー |journal = [[週刊新潮]] |issue = 1965年3月8日号 |publisher = [[新潮社]] |page = 19 }}</ref>
<ref name="W新潮870122">{{Cite journal |和書 |title = タウン 『杉村春子一座』の花も嵐も半世紀 |journal = 週刊新潮 |issue = 1987年1月22日号 |publisher = 新潮社 |page = 13 }}</ref>
<ref name="文春19821125">{{Cite journal |和書 |author = |date = 1982年11月25日号 |title = 大山勝美のテレビドラマ内緒ばなし(2) こわかった岡田茉莉子 杉村の前であがった岡田|journal = [[週刊文春]] |publisher = [[文藝春秋]] |pages = 86-87 }}</ref>
<ref name="噂の眞相8012">{{Cite journal |和書 |title = 噂の眞相メモ 【演劇】 ナマイキだった"百恵"の引退でホッとしたコマ劇場関係者たち |journal = [[噂の眞相]] |issue = 1980年12月号 |publisher = 噂の眞相 |page = 120頁 }}</ref>。

<ref name="俳優全集">{{Harvnb|俳優全集|1980|pp=370-373|loc=}}</ref>
<ref name="昭和ヒーロー">{{Harvnb|昭和ヒーロー|1989|pp=126-128|loc=}}</ref>
<ref name="近代日本女優史">{{Harvnb|近代日本女優史|1980|pp=206-223|loc=}}</ref>
<ref name="折井">{{Harvnb|折井|2005|pp=96-97|loc=小田倉正子「文学座の顔となった女優 杉村春子」}}</ref>
<ref name="人間昭和史">{{Harvnb|人間昭和史|1986|pp=85-96|loc=}}</ref>
<ref name="竹中">{{Harvnb|竹中|1970|p=126-133|loc=}}</ref>
<ref name="川本">{{Harvnb|川本|1996|p=147|loc=}}</ref>
<ref name="日本演劇史">{{Harvnb|日本演劇史|2012|p=|loc=}}</ref>
<ref name="演劇研究8_24">{{Harvnb|演劇研究8|1947|pp=24–27|loc=特集・杉村春子研究 [[津村秀夫]]『杉村春子論』}}</ref>
<ref name="演劇研究8_27">{{Harvnb|演劇研究8|1947|pp=27–30|loc=特集・杉村春子研究 [[大山功]]『杉村春子の場合』}}</ref>
<ref name="演劇研究8_30">{{Harvnb|演劇研究8|1947|pp=30–34|loc=特集・杉村春子研究 [[北見治一]]『杉村春子の危機』}}</ref>
<ref name="演劇研究8_37">{{Harvnb|演劇研究8|1947|p=37|loc=特集・杉村春子研究 =杉村春子略歴=}}</ref>
<ref name="全史536">{{Harvnb|東宝特撮映画全史|1983|p=536|loc=「主要特撮作品配役リスト」}}</ref>
<ref name="東宝特撮映画大全集39">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=39|loc=「『日本誕生』作品解説/俳優名鑑」}}</ref>
<ref name="東宝特撮映画大全集91">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=91|loc=「『怪談』作品解説/俳優名鑑」}}</ref>
}}
=== 出典(リンク) ===
{{Reflist|group="出典"|2}}

== 評伝 ==
*[[大笹吉雄]]『女優 杉村春子』[[集英社]]、1995年8月、ISBN 4087811115
*[[新藤兼人]]『女の一生 杉村春子の生涯』[[岩波書店]]、2002年1月、ISBN 4000223704
*[[中丸美繪|中丸美絵]]『杉村春子 女優として、女として』[[文藝春秋]]、2003年3月、ISBN 4163595309
*[[川良浩和]]『忘れられないひと、杉村春子』[[新潮社]]、2017年6月、ISBN 4103510315

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書|author=|year=1947|title=演劇研究 第8集|publisher=演技研究所|isbn=|ref={{SfnRef|演劇研究8|1947}}}}
*{{Cite book|和書|author=竹中労|authorlink=竹中労|year=1970|title=スター36人斬り|publisher=[[実業之日本社]]|isbn=|ref={{SfnRef|竹中|1970}}}}
*{{Cite book|和書|author=戸板康二|authorlink=戸板康二|year=1980|title=物語近代日本女優史|publisher=[[中央公論社]]|isbn=|ref={{SfnRef|近代日本女優史|1980}}}}
*{{Cite book|和書|author=|year=1980|title=日本映画俳優全集 女優編|publisher=[[キネマ旬報社]]|isbn=|ref={{SfnRef|俳優全集|1980}}}}
* {{Cite book|和書|title=東宝特撮映画全史|others=監修 [[田中友幸]]|date=1983-12-10|publisher=[[東宝]]出版事業室|isbn=4-924609-00-5|ref={{SfnRef|東宝特撮映画全史|1983}}}}
*{{Cite book|和書|author=扇谷正造他監修|authorlink=扇谷正造|year=1986|title=ビジュアル版・人間昭和史(7) 大衆のアイドル|publisher=[[講談社]]|isbn=4-06-192557-1|ref={{SfnRef|人間昭和史|1986}}}}
*北見治一『回想の文学座』[[中公新書]]、1987年8月
*{{Cite book|和書|author=言語セミナー編|year=1989|title=昭和ヒーロー事典 <small>芸能編</small>|publisher=[[講談社]]|isbn=4-06-184476-8|ref={{SfnRef|昭和ヒーロー|1989}}}}
*{{Cite book|和書|author=川本三郎|authorlink=川本三郎|year=1996|title=君美わしく―戦後日本映画女優讃|publisher=[[文藝春秋]]|isbn=978-4-16-764101-6|ref={{SfnRef|川本|1996}}}}
*{{Cite book|和書|author=折井美那子・新宿女性史研究会編著|year=2005|title=新宿 歴史に生きた女性一〇〇人|publisher=ドメス出版|isbn=4-8107-0652-4|ref={{SfnRef|折井|2005}}}}
*[[佐藤忠男]]『日本映画史2 1941-1959 増補版』岩波書店、2006年11月、ISBN 4000265784
* {{Cite book|和書|others=執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし|title=東宝特撮映画大全集|date=2012-09-28|publisher=[[ヴィレッジブックス]]|isbn=978-4-86491-013-2|ref={{SfnRef|東宝特撮映画大全集|2012}}}}

== 参考ウェブサイト ==
*{{Cite web|和書|url=https://www.nntt.jac.go.jp/centre/library/list/upload_files/nntt_engekishi_nenpyo.pdf|format=PDF|title=〈要点〉日本演劇史~年表~|author1=村井健|authorlink1=村井健|author2=佐藤優|date=2020-03-31|publisher=新国立劇場情報センター|pages=1-59|accessdate=2023-04-15|ref={{SfnRef|日本演劇史|2012}}}}
*[http://goldoni.org/cat12/ ゴルドーニ: 劇団文学座の七十年 アーカイブ]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat}}
* [http://www.tamasaburo.co.jp/kangae/taidan/taidan01.html 玉三郎対談 女流その世界「杉村春子」]
* {{kotobank}}
* [http://www.jmdb.ne.jp/person/p0210210.htm 日本映画データベース「杉村春子」]
* {{jmdb name |0210210}}
{{-}}
* {{allcinema name |75802}}
* {{kinejun name |95922}}
* {{Japanese-cinema-db name|cast}}
* {{Tvdrama-db name}}
* {{imdb name |id=0837503 |name=杉村春子 }}
* [https://www.jiji.com/jc/d4?p=act001-jlp01036736&d=d4_ent 杉村春子:日本の大女優 写真特集] - [[時事ドットコム]]
* {{NHK人物録|D0009070365_00000}}

{{Navboxes
|list=
{{日本芸術院賞}}
{{日本芸術院賞}}
{{毎日芸術賞}}
{{ブルーリボン賞助演女優賞}}
{{キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞}}
{{キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞}}
{{毎日映画コンクール女優主演賞}}
{{毎日映画コンクール女優主演賞}}
{{毎日映画コンクール女優助演賞}}
{{日刊スポーツ映画大賞主演女優賞}}
{{NHK紅白歌合戦審査員}}
}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:すきむら はるこ}}
{{DEFAULTSORT:すきむら はるこ}}
[[Category:日本の優]]
[[Category:20世紀日本の優]]
[[Category:日本の舞台女優]]
[[Category:剣劇俳優]]
[[Category:アクション俳優]]
[[Category:日本藝術院賞受賞者]]
[[Category:朝日賞受賞者]]
[[Category:文化功労者]]
[[Category:文化功労者]]
[[Category:名誉都民]]
[[Category:日本共産党の人物]]
[[Category:日本共産党の人物]]
[[Category:過去の文学座所属者]]
[[Category:NHK紅白歌合戦審査員]]
[[Category:私の履歴書の登場人物]]
[[Category:広島大学附属福山中学校・高等学校出身の人物]]
[[Category:広島市出身の人物]]
[[Category:広島市出身の人物]]
[[Category:1906年生]]
[[Category:1906年生]]
[[Category:1997年没]]
[[Category:1997年没]]
[[Category:膵癌で亡くなった人物]]

[[Category:冨士霊園に埋葬されている人物]]
[[en:Haruko Sugimura]]
[[fr:Haruko Sugimura]]
[[tl:Haruko Sugimura]]
[[zh:杉村春子]]

2024年12月14日 (土) 16:00時点における最新版

すぎむら はるこ
杉村 春子
杉村 春子
1953年昭和28年)
本名 石山 春子
生年月日 (1906-01-06) 1906年1月6日
没年月日 (1997-04-04) 1997年4月4日(91歳没)
出生地 日本の旗 日本広島県広島市
死没地 日本の旗 日本東京都文京区
国籍 日本
血液型 O型
職業 女優
ジャンル 舞台映画テレビ
活動期間 1927年 - 1997年
配偶者 1. 長広岸郎(1933年 - 1942年、死別)[1]
2. 石山季彦[1]1950年 - 1966年、死別)
主な作品
映画
東京物語』(1953年)
秋刀魚の味』(1962年)

舞台
女の一生
欲望という名の電車
鹿鳴館
華岡青洲の妻
受賞
日本アカデミー賞
ブルーリボン賞
その他の賞
キネマ旬報ベスト・テン
主演女優賞
1995年午後の遺言状
毎日映画コンクール
女優主演賞
1995年午後の遺言状
女優助演賞
1953年にごりえ』『東京物語
日刊スポーツ映画大賞
主演女優賞
1995年『午後の遺言状
紀伊國屋演劇賞
個人賞
1991年
読売演劇大賞
大賞・最優秀女優賞
1994年
文化庁芸術祭賞
1991年
テンプレートを表示

杉村 春子(すぎむら はるこ、1906年明治39年〉1月6日 - 1997年平成9年〉4月4日[2])は、広島県広島市出身の新劇女優[出典 1]。本名:石山 春子。旧姓:中野[5]

築地小劇場より始まり文学座に至る日本の演劇界の屋台骨を支え続け[出典 2]、演劇史・文化史に大きな足跡を残した、日本を代表する女優[出典 3]称号東京都名誉都民

来歴・人物

[編集]

舞台女優へ

[編集]

1906年、当時の軍都[12]広島県広島市西地方町(現在の広島市中区土橋町、河原町付近[13])生まれ[出典 4]芸者の母、軍人だったとされる父が春子の幼時に死んだため、花柳界の中にある建築資材商置屋経営者の養女となる[出典 5]。養父は近所の寿座という西日本一の芝居小屋株主だった関係で[出典 6]、幼少期から歌舞伎新派歌劇文楽などに親しむ[出典 7]。両親が赤の他人と知ったのは小学6年生のとき[出典 8]。ショックを受けたが、同時に養母の人生も知り、「世の中で信じられるのは自分だけ。自分が見たもの、感じたもの、自分が発した言葉だけを頼りに生きていく」と決めた[2]広島市立神崎尋常小学校を経て[5]1922年山中高等女学校(現・広島大学付属福山高)卒業後[出典 9]声楽家を目指し上京して東京音楽学校(現・東京芸術大学)を受験するが、2年続けて失敗[出典 10]1924年広島に戻り、1925年から1927年3月まで広島女学院で音楽の代用教員をしていた[出典 11]。広島女学院の教員室で築地小劇場俳優座の前身)の広島公演の話を聞き[2]、同劇団の旅芝居を見て感動[出典 12]。但し観客はポカーン状態だったという[4]。当時は芸能子飼いからやらないとものにならないと思われていた時代で、女学校も出て20歳になろうかとする人が、芸能を始めるなんて夢にも考えられなかったという[4]。1927年4月、母に音楽の勉強をしたいからと偽り再び上京[出典 13]。劇団の合否を待たずに代用教員は退職し、同劇場のテストを受ける。広島訛りが強く、土方与志から「三年くらいセリフなしで辛抱するなら」という条件付きで採用され[出典 14]、1927年、築地小劇場の研究生となった[出典 15]。芸名はだけ、青山杉作の一字を貰い、"杉村春子"とした[21]。同月『何が彼女をさうさせたか』にたまたま欠員が出たため、音楽教師の前歴を買われてオルガン弾きの役(台詞無し)で初舞台[出典 16]。しばらくはなかなか役がつかなかったが、その卓抜した演技力で徐々に頭角を現していく[15]1929年、築地小劇場が分裂・解散した後は友田恭助らの築地座に誘われて参加[出典 17]1935年の舞台『瀬戸内海の子供ら』(小山祐士作)に出演した[24]

文学座での活躍

[編集]

築地座の解散後の1937年岸田國士久保田万太郎岩田豊雄らが創立した劇団文学座の結成に参加[出典 18]。直後に友田恭助が戦死したことで妻の田村秋子が文学座に参加せず[21]、同劇団の中心女優として力を付けていく[出典 19]1938年花柳章太郎新生新派に客演し、大きな影響を受ける[出典 20]。時のファッショ的政府の弾壓により、新協新築地の両有力劇団が解散[25]、優秀な新劇役者の多くが舞台から退いたり、映画界に身を投じたり四散し[25]、文学座以外に充実した新劇運動が見られなくなったことも杉村にとっては幸運だった[25]。文学座は戦争協力劇団だった関係で、戦中に唯一弾壓を逃れた[26]1940年に『ファニー』で主役を演じて以降[2]、文学座の中心女優となった[出典 21]。文学座に観に行くということは杉村春子を観に行くことと、殆ど同義語に化した[25]。また、文学座以外の舞台にも出演し、日本演劇界の中心的存在として活躍した[出典 22]

特に1945年4月11–16日、東京大空襲下の渋谷東横映画劇場で初演された森本薫作『女の一生』の布引けいは当たり役となり[出典 23]1990年までに上演回数は900回を超え、日本の演劇史上に金字塔を打ち立てた[出典 24]。作中の台詞 "だれが選んでくれたんでもない、自分で歩き出した道ですもの。間違いと知ったら、自分で間違いでないようにしなくちゃ" は、生涯"女優の一生"を貫いた杉村の代名詞として有名[出典 25][注釈 1]。初演はわずか5日間だったが、6000人を動員[出典 26]

戦後第一回の文学座の公演は大失敗に終わり[34]、座員たちは意気消沈したが、1947年夏に初めて日本橋三越劇場で行われた森本薫追悼公演「女の一生」が大成功を収め、座員たちにもう一度芝居をやろうという士気を奮い立たせるきっかけになった[34]

そのほか、日本のそれまでの芝居になかった"女"のすべてをリアルにさらけ出した『欲望という名の電車』のブランチ役(上演回数593回)[出典 27]、『華岡青洲の妻』の於継役(上演回数634回)[出典 28]、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』のお園役(上演回数365回)[出典 29]、『華々しき一族』の諏訪役(上演回数309回)などの作品で主役を務め、『女の一生』と並ぶ代表作とした[出典 30]。いくつもの当たり役を持つ舞台女優は稀である[12]

1948年には「女の一生」により演劇部門で戦後初の日本芸術院賞を受賞した[出典 31]。「女の一生」は1961年夏の公演で500回を越え[34]、日本の新劇では最初のケースだった[34]

1958年、日本新劇俳優協会設立に常任理事として参画(1995~1997年、三代目会長)[45]。同年、第10回NHK放送文化賞を受賞した[12]

60年安保前後から左翼に接近、安保反対のデモ行進に積極的に参加した[22]1960年6月15日水曜日)に参議院国会参議院面会所前であった新劇人会議のデモに暴力団が殴り込み、80人の負傷者を出したが、杉村は劇団の若い女優たちのスクラムに守られて難を逃れた[22]衆議院南通用門で樺美智子が惨死したのはその数時間後だった[22]。文学座分裂の動きは安保闘争のさなかに芽生えた[22]。脱退した劇団員はこのとき無関心を装った人たちだった[22]1961年、平和7人委員会の創立に参加[12]

劇団の中心的存在になっても、いつ役を降ろされるかと怯え、常に自らを律し精進を続ける[15]。半面、好き嫌いで配役を決め、ライバルへの敵意をむき出しにし、思い通りにならないとヒステリックに仲間を怒鳴りつける一面もあったといわれる[15]

1963年1月、杉村の感情の起伏が激しい性格と、専横ともいえる劇団への統率ぶりに不満を持った芥川比呂志岸田今日子仲谷昇神山繁加藤治子小池朝雄ら、中堅劇団員の大半が文学座を集団脱退し[出典 32]現代演劇協会劇団雲を結成[出典 33]。さらに同年12月には、それまで杉村主演の戯曲を書いていた三島由紀夫の新作戯曲『喜びの琴』の右傾化に激怒して上演を中止させた[出典 34]喜びの琴事件)。この上演拒否問題により、翌1964年1月、三島を筆頭に丹阿弥谷津子中村伸郎賀原夏子南美江ら、文学座の古参劇団員が次々に脱退していった[出典 35]。これら脱退者により岩田豊雄獅子文六)と三島を顧問とするグループNLTが設立された[出典 36]。杉村は、これらの脱退メンバーの大半とはその後の関係を断絶し、特に反杉村を鮮明にしていた福田恆存が代表となった劇団雲に参加したメンバーに対しては、「NLTに行った人たちとは充分に話し合ったので何とも思っていません。でも雲に行った人たちのことは一生忘れませんね。あんな卑怯な…まるで騙し討ちですもの」とはっきり話し[46]、共演を頑なに拒否するなど終生許すことはなかった[52]。演劇評論家・大笹吉雄は「最初の分裂騒ぎで三島の存在感を増していた。文学座は戌井市郎はじめ闘争的ではないし、あのまま三島に従ったなら巻き込まれて『楯の会』のように必ず滅亡したと思う。文学座が続いたのは、あのとき杉村さんが直感的に決断したから」などと論じている[37]

文学座は、主要メンバーの2度にわたる大量離脱で創立以来最大の危機を迎え、当時の新聞は"崩壊に瀕する文学座"などと書きたてたが[53]太地喜和子江守徹樹木希林小川真由美高橋悦史ら若手を育てることにより乗り切った[出典 37]。とくにテレビ時代を迎えていた時流に乗って、次々にテレビに新人を送り込んだ功績は大きい[出典 38]。自身もニューメディアのテレビに積極的に出演した[出典 39]

但し杉村の専横に批判的だった人物が抜けてしまったことにより、杉村の劇団に対する独裁に近い影響力にさらに拍車がかかったとの見方もある[16]。「喜びの琴事件」で三島由紀夫は、杉村に対し「俳優は、良い人間である必要はありません。芸さへよければよいのです。と同時に、俳優は、俳優に徹することによつて思想をつかみ、人間をつかむべきではないでせうか。組織のなかで、中途はんぱなつかみ方をするのはいけないと思ひます」と皮肉をまじえて批判している[57]。この頃から"文学座の女王""文学座の女帝"と異名を持った[出典 40]。"文学座の女帝"杉村の強烈な個性なくしては、文学座の存続は難しかったともいわれる[26]

杉村や戌井市郎らは、幅の広い観客層を対象にした大衆劇をやっていこうとしたため、演目選択争いが起こり、先のような軋轢が生まれた[60]1967年の『女の一生』の再演は文学座が立ち直るきっかけとなった。『女の一生』1968年の全国縦断公演は行く先々で超満員[61]。『女の一生』は新劇の枠を超えたような演目で知名度が高く[61]、一日に一本しかバス便のない山奥から老婆が息子に背負われてやってきたなど[61]、新劇ファンでないお客も大勢詰めかけた[61]。杉村はもう60歳を越えており、お客が揃って口にしたのが「杉村の『女の一生』をぜひ一度観てみたかった」だった[61]。当時の文学座ではマスメディア的には、小川真由美、太地喜和子藤田弓子がよく取り上げられていたが[61]、観客吸引力を持っているのは、やっぱり杉村だけだった、と話題を呼んだ[61]。当時はハダカになりさえすればスターになれると勘違いしている若手女優も多かっただけに[61]、芸を魅せる杉村を見習えとの論調も上がった[61]。経営の苦労を身に染みて知る杉村はお客を大切にした[12]。このことは新劇の商業演劇進出の走りといわれる[62]。「女の一生」は、16歳の役から始まるという事情から、いずれやめるつもりでいて1969年4月公演のとき「『女の一生』はこれが最後です」と宣言したが[53]、「女の一生」をやるとお客さんが入るので、1970年代初めに文学座の経済危機もあり、「経済的事情で、もう1回やります」と記者会見を開いて1973年に再演している[53]。 

1950年代中国ヨーロッパを見て回るツアー・アジア文化交流団に参加し、中国の演劇人と交流[出典 41]1956年に中国で有名な劇作家・夏衍に「日本と中国は一番関係が悪いので、何か出来ませんか」「私たちが演劇人としてできることがあれば参ります」と直訴し[18]国交がなく渡航が困難な時代に新劇の中国公演に意欲を燃やした[出典 42]。これが1960年10月に中国の革命的劇作家・関漢卿を記念する初めての新劇訪中団(文学座、劇団民藝東京芸術座、ぶどうの会、俳優座71人による合同公演)として実現し[出典 43]、『女の一生』を日本語で公演した[出典 44]。『女の一生』は一部改訂問題で揉めた[出典 45]1965年にも第二次訪中新劇団の一員として北京上海南京広州にて公演を行い[出典 46]、『女の一生』は話を随分変えて中国でも上演され[18]、中国のマスメディアにも、杉村はよく知られていたといわれる[68]1972年9月、日中国交正常化が実現した秋に北京の人民大会堂で開かれた宴会の席上、周恩来中華人民共和国初代首相和服姿の杉村に歩み寄り、周から白いの花を贈られた[64]。杉村はこの花を押し花にして、ずっと大切にしていた[64]1977年には周恩来首相の未亡人鄧穎超を見舞い、鄧から自宅に咲いた一束の白い菊の花を贈られている[64]後文革の後の1981年4月の16年ぶり3回目の訪中は[出典 47]、杉村が個人的に交わした口約束を強引に実現[59]。中国側からの招待の形を取ってはいたが、宿泊費のみを中国側が負担し、渡航費用は自己負担した[59]。文学座の単独公演を目指していたが、この難条件を克服するため、杉村が千田是也を担ぎ出し[59]青年座と劇団仲間を加えた四劇団で日本新劇団訪中公演実行委員会(杉村団長)を急造した[59]。『華岡青洲の妻』一本のみの上演を予定していたが[59]、業界のヤリ手と知られる青年座が演目に『ブンナよ、木からおりてこい』を無理やり割り込ませたため[59]、珍妙な組み合わせの二本立て公演となった[出典 48]1983年には民音に協力を仰ぎ、北京人民芸術劇院を初来日させた[69]。杉村の中国寄りは、戦争中に岸田國士大政翼賛会でリーダーシップを握るなど、文学座が戦争協力劇団だったことに対する罪滅ぼしという説もある[26]。中国が好きでプライベートでもよく中国を旅行し[出典 49]、僻地などにも足を運んだ[18]。1960年代から杉村と中国を何度か旅行した森光子は「先生は2000段も石段を登らないと行けないような山の上にホテルを取ったり、中国式のホテルが好きでお手洗いが壺でも平気。風呂は栓をしてもお湯がたまらずに漏れてタオルか何かを巻いてやっとお湯をためた。何年かしていったらそのままで、先生はまた布を巻いて栓をした。私はちょっと苦手で、ブータンに一緒に行ったときは、現地でのお芝居を見に行ったら宿泊しているところから徒歩で砂漠のようなところを一時間歩いた。先生にはとてもかなわないと思いました」などと話していた[18]。88歳で最後の映画出演となった『午後の遺言状』も、中国各地を歴訪し帰国したその足でロケ地蓼科入りした[6]

1969年5月には早くも杉村の自伝テレビドラマ女優 わが道』がNHK銀河ドラマ」枠で放送され、杉村(三杉安芸子)を林美智子が演じた[出典 50]。1話30分で全15話[71]。杉村本人は出演しない[出典 51]。当時の文献に「現役の女優の半生をテレビ化するのは珍しい」と書かれている[71]。この年1月に出版された杉村の著書『私の選んだ道』を小野田勇が脚色[71]。杉村の半生となれば当然日本新劇史となるため[71]、新劇史を飾った人物が次々登場することになり、名前は変えるものの関係者や新劇ファンには一目瞭然のため、合川明プロデューサーが現存の人は本人に、故人の場合は夫人や遺族を訪ねて一人一人了解を取り付けた[71]。うち、杉村が最も影響を受けたといわれる田村秋子[4]、当初、劇中に自身のモデルが出ることを拒否した[71]。またモデルとなる人物は何れ劣らぬ大物揃いで出演を尻込みする役者が続出した[71]土方与志(宗方)を演じる児玉清は「プロ野球でいえば、ルーキー川上監督鶴岡監督になるようなもの。恐れ多すぎで、やりにくいです」と話した[71]岸輝子(木部)を演じた俳優座檜よしえは、大先輩に恐る恐る「どうやればいいでしょうか」と尋ねたところ岸から「私はね、若いとき、きれいだったのよ」と言われた[71]。杉村の愛人・森本薫(折戸充)を演じる北村和夫は、杉村から「森本は二枚目だったのよ。あなたがやると三枚目になるから、気をつけてちょうだい」と釘を刺された[71]丸山定夫(鳴山良介)を演じた西村晃は本人と面識があり、本人に似せてメーキャップが施された[71]。合川プロデューサーは「オールド・ファンには、懐かしさを、若い人には新劇史の勉強になればと思います。ただ杉村さんを含め実在の人物たちも多いので、差支えのあるものは控えました。このようなドラマはこれまでにも無かったし、これからも出来ないでしょう」と話した[71]。現役女優の半生の映像化として初のケースと見られ、この後もあったのか分からないレアケースと考えられる。

新劇のリアリズムに立脚しつつ、新派歌舞伎の技法を研究[2][73]広島訛りは終生抜けなかったが[出典 52]、歳月をかけ練りこんだリズムあるセリフ術と卓越したリアリズム演技は比類がなく[15]、細やかな情感を巧みに表現する独特のアクのある芸風を作り上げ見る人の心を捉えた[出典 53]

映画・テレビでの活躍

[編集]

舞台以外にも映画・テレビでも幅広く活躍[出典 54]。映画初出演は築地小劇場時代の1927年に小山内薫が監督をした『黎明』か[6]1932年初代水谷八重子と共演した『浪子』[8]か、1937年、松竹の『浅草の灯』か[出典 55]、文献によって記述が異なる[注釈 2]1940年国策映画『奥村五百子』(豊田四郎監督、東宝)で初主演[12][注釈 3]

戦後、黒澤明木下惠介小津安二郎成瀬巳喜男豊田四郎溝口健二今井正などの巨匠たちから、既存の映画俳優には無い自然でリアルな演技力を高く評価されて[8]、日本映画史を彩る140本以上の作品に出演[出典 56]、映画史にもその名を刻んだ[出典 57]森雅之と共に最も映画に貢献した新劇俳優でもある[出典 58]北見治一は1947年の『演劇研究』で「ツキヂ的演出とは全く相反したタイプの映画演出家の演技中心とも謂うべき適切な指導に拠り、杉村は優れた素質とよきインディビジュアリティを、思ふさまに伸ばしきることが出来た」と論じている[25]津村秀夫は「杉村春子は日本の新劇役者がはたして映画演技の勘と神経を體得できるかどうか、といふ懸案を最初に解決した女優である。新劇役者のセリフの力をよくトオキイ的に調和し、處理し、間の呼吸をのみこみ、そして表情の微妙な味をクロオズ・アップによく消化し得るかどうかといふ課題に先づ成功した人物といへよう。その點で、早く映画界に入つた丸山定夫汐見洋細川ちか子東山千榮子薄田硏二等の踏み越えがたかつた線を漸く、この一、二年で突き抜けたといへよう」などと論じている[76]。杉村ほど他のジャンルの俳優と共演した新劇俳優はいない[24]

特に、『東京物語』『麦秋』をはじめとする小津安二郎作品の常連(9本)でもあり、小津組でたった一人、読み合わせへの不参と"縫い"(かけ持ち)を許された俳優であった[出典 59]。小津は文学座の座員脱退問題が起きたとき、杉村に激励の電報を送ったといわれる[6]

1995年、当時89歳で新藤兼人の『午後の遺言状』で主演し、毎日映画コンクール日刊スポーツ映画大賞キネマ旬報で主演女優賞を受賞している。

演劇人・映画人の目標

[編集]

杉村は多くの演劇人の目標であった[78]

森光子は『小島の春』を観た際に、この映画の杉村の演技に大きな衝撃を受け、これ以上の衝撃を以降感じたことはないと話している。森は「演技の師匠を持たない私が、心から尊敬しお手本としたのは10代から憧れた杉村先生ただ一人です。時代劇の娘役の頃からいつか近づきたいとひそかに思い続けてきました」と話している[79]

高峰秀子もやはりこの映画のハンセン病に罹った娘役を演じた杉村の演技に感動、「仕方なしにやっていた(本人談)」役者稼業に以後本気で取り組むようになったという逸話も残す[80]

成瀬巳喜男監督『流れる』で共演した山田五十鈴は、「あの映画の杉村さんの芝居は、ぜんぶ杉村さんがお考えになったもの。そういうことが許されるようになった時代です。それこそ役者の力量が問われる時代になってきたんです」と述べている[81]

父親の岡田時彦小津安二郎の盟友だったことから、岡田茉莉子は小津映画にも出演し、小津から「お嬢さん」と呼ばれ、撮影が終わる度に小津によく遊びに連れて行ってもらった。ある日、好奇心が抑えられず、「監督の作品で、誰が四番バッターですか」と聞いたら、小津は迷わず「杉村春子」と答えた。岡田が「私は?」と聞くと、小津は笑いながら「お嬢さんは一番バッターだよ」と言った[82]

気が強いことで有名だった岡田茉莉子[83]の名前を冠した「岡田茉莉子シリーズ」が1965年2月~4月までTBS金曜劇場枠で全13回放送され[83][84]、この第3回『猫のいる家』(1965年2月19日放送)で、岡田自らが成瀬巳喜男監督『流れる』で共演した杉村との共演を希望した[83]。しかしさすがの岡田も杉村の前であがり、最初の稽古のときメロメロになり、セリフ合わせでトチり、キッカケは間違うしで、「この大スターにして杉村春子にガタガタするのか」と、岡田にビビッていた演出の大山勝美も気が楽になったと話している[83]

岸恵子は「私はあまりうまい女優じゃないから(笑)。俳優学校出て、うまい方もいっぱいいらっしゃるし…私が中でも本当に感動するのは、杉村春子さんね。例えば『化石』(1975年)の杉村春子さんって本当に(強く)一番いいわよ。ほのぼのと心の中まで暖まっていくように、本当に女として、いろんなことを生きてきて、人生のことはもうあらかた分かった、そう感じとれる時に出てくるやさしさがあるのね」などと述べている[85]

坂東玉三郎は「何ともいえないような女の人は、杉村先生を見て勉強するのよ(笑)」などと述べている[4]

若尾文子は「杉村春子さんは特別な存在」と話し、杉村の代表作『華々しき一族』を熱望し2008年に演じた[42]

勝新太郎は杉村を大崇拝し、「杉村と共演した勝は『はい、はい』と杉村の言うことは何でも聞いていた」と石井ふく子は話している[86]。石井は「杉村先生の凄さは、喜怒哀楽を後ろ姿で表現でき、しかもそこに若々しさと品があるところでしたね。こればっかりは、他の女優さんがどんなにまねをしたくてもできないことだと思います」と述べている[87]

北村和夫によると、文学座の分裂で袂を分かった後も小池朝雄は毎年、死去するまで杉村の誕生日に薔薇の花束を贈っていたという[88]

北村は「杉村春子は91歳になって病院に入院しても、台本を最後まで枕元に置いて放さなかった。台本は聖書みたいなもんだったんでしょうね。公演を長く重ねてきた十八番の舞台でも、もっといい芝居をするにはどうしたらいいか千秋楽近くになってもまだ悩んでいました。地方公演に行っても新しい劇場でやるたびに、"この舞台ではどんな表現をしたら一番生きるだろう"と幕が開くまで考えているんです。そういう熱意と努力を常に忘れない人でした。僕ら怠け者は、食事を共にすると"あなたね、今日はあそこのところダメよ"と言われるんで、なるべく杉村さんと一緒にならないようにズルしたものですよ(笑)」などと述べている[89]

吉永小百合は美しい所作の先生は杉村と話している[90]。吉永は二十代の頃、『下町の女』シリーズ(1970年-1974年、TBS)で5年間、杉村と共演し、杉村から所作や芝居から多くを学んだという[91]。また舞台を一度もやっていなかった理由について、20代半ばで市川團十郎との舞台の共演を病気で断ったことと、杉村や坂東玉三郎らの舞台を見過ぎてしまい、これから勉強して舞台に立つのは無理かなという思いがしたことを挙げていた[92]。杉村のうつくしい着物姿は女優たちの手本とされた[12]。杉村は『美しくなるためには自分の欠点をすべて知ることよ」などと女優たちに細かくアドバイスした[12]

テレビで共演作品の多い劇団民藝奈良岡朋子は、「文学座の方には申し訳ないけれど、私が一番芝居を教えていただいた」と述べている[67]

鴨下信一は「テレビに出演している女優の中で、誰がいちばんセリフがうまいかいうと、これは誰に聞いても異論のないところ、杉村春子さんをおいてない。本当に素晴らしい芸がそこにあります」と評している[93]

7代目竹本住大夫は「杉村春子さんの演技には感嘆しました。杉村さんの演技は『芝居せんと、芝居やってはる』という感じでした」と述べている[94][95]。この「芝居しないで芝居する」という話を聞いた加藤武は、これを永遠のテーマにしていると話していた[96]

杉村の付き人として小津安二郎監督の『秋刀魚の味』の撮影を観たという樹木希林は、2011年、第34回日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞して「50年ほど前に役者を始めた時に杉村春子さんに『役者は定年がない』と言われました。今、しみじみそう思います」と語った[97]

山田洋次は、「葬式は人間にとって一大ショーでね、よく演出された葬式は後からみんなが喜びますよ。"よかった"ってね」と話し、その例として小津安二郎の葬儀を挙げ、「長いこと小津さんと一緒に仕事をやっていた助手が、一人大袈裟に悲しんで、納棺という一番大事な時にも、その人一人で泣き騒いで、他の出席者がみんなシラけてしまったんです。するとクギを打ってふたを閉めるという時に杉村さんが「ちょっと待って」とツツツーと出てきてみんながじっと見ている中、「もう一回だけ」と言って顔を見て、ハンカチをツツッと顔にあててハーッと泣いた。その時初めてみんな悲しみが迫ったというんです。やっぱり役者だなあとみんなで感心したんですね。自分の出番をよく知ってたんじゃないか、このままでは葬式が完成しないと。一人だけあんなブザマに泣いていてどうするんだろうと。最後にしめて自分の役割をきちんと演じたのではないか。それでみんなも初めて納得できて、涙が快く流れて"よかった"ということになるわけです」と解説している[98]

1985年の舞台『浮巣』で共演して杉村に徹底的にしごかれたという泉ピン子は「今日私が女優やれてんのは、杉村先生のおかげ。先生と出会ってなかったら、泉ピン子なんてへたくそで終わってますね」と述べている[99]

大竹しのぶは20歳の頃、杉村と尾上松緑が共演した舞台を観に行った。すると杉村に「ぷい」と無視された。松緑から「ジェラシーだよ、かわいいね」と言われ、その芝居の後、大竹が松緑との共演が決まっていて、そのせいと教わった。杉村は当時70代。「まだ20歳そこそこな私にまでジェラシーなんて、女優って面白いな。ずっと現役を続けられたのはそういう感覚だったのか、凄い」と思ったという。「だから私も、後輩の若い女優に対して『ぷい』とかできるように本気でなりたいと思う」と話してる[100]。杉村の畢生の当たり役として知られる布引けいを継承した大竹は「勝つか負けるかでいうと、私が負けるに決まっていますし、杉村さんのけいはこの先もずっと輝き続けるんだろうなあと思います。私は私なりに一生懸命やっていくしかありません」と話した[38]

篠田三郎は、杉村の昔の恋人に似てるという理由で、1986年芸術座の舞台『木瓜の花』に杉村から相手役に指名された。ある時、杉村から「あなたね、舞台はずっと後ろのほうにもお客様がいるわけだから、もっと声を出しなさいよ」と言われたが、観に来たくれた友達から「目の前の相手としゃべるのに、あんな大声は不自然だよ」と言われ、それを杉村の話したら、「いいのよ、私の言うことさえ聞いてれば」と言われた[101]

中村雅俊は、文学座に入所してすぐにテレビドラマ『われら青春!』の主役に抜擢され、一躍人気スターになった。そのため杉村と共演したとき、杉村から「あなたなの!? あなた文学座!?」と言われたという[102]。仲村は橋田壽賀子の別荘で酔っぱらって絨毯を焦がし、杉村に頭を殴られたことがあるという。杉村のエネルギッシュな姿に大きな影響を受け、「女の一生」の台詞 "だれが選んでくれたんでもない–"は、自身の座右の銘にしているなどと話している[103]

渡辺徹は「昔、杉村さんから『演技をする時、目の前の相手役を(芝居で)説得できないような人はお客様にも届きませんよ』と教わり、その教えをテレビでも実践し、その後の司会術等の指針とした」と話している[104][105]

寺島しのぶから「外でやってみたいんですが」と、文学座退団の相談を受けたが、「あなたはその方が向いていると思っていた」と、あっさり送り出したという[106]

結婚・恋愛

[編集]

1935年6月に5歳年下で慶應義塾大学出身の医学生である長広岸郎と結婚したが[5]1942年5月に結核で亡くなっている[5]。『女の一生』などを書いた劇作家の森本薫の愛人でもあったが[12]、森本も1946年に結核で亡くなった[12]1950年に10歳年下の医者である石山季彦と結婚するも[12]1966年にこれまた結核で亡くなっている[12]

晩年・没後

[編集]

1974年、杉村は女優としては東山千栄子初代水谷八重子に次いで3人目の文化功労者に選ばれた[3]

1995年には文化勲章授章決定の内示を受けたが、「勲章は最後にもらう賞、自分には大きすぎる。勲章を背負って舞台に上がりたくない、私はまだまだ現役で芝居がしていたいだけ」[107]「戦争中に亡くなった俳優を差し置いてもらうことはできない」とこれを辞退[出典 60]。周りの者がいくら説得しても聞く耳持たずだった。

1996年日本新劇俳優協会会長に就任。

杉村は70年の芸能生活で仕事を一度も降りたことがなかったが、1997年1月19日にNHKドラマ『棘・おんなの遺言状』の収録中に貧血と腰痛を訴えて入院し降板、代役は南美江が勤めた。2月に入り文学座の会見では十二指腸潰瘍と発表されたが、そのときすでに医師から膵臓癌でもあることが文学座の社長の梅田濠二郎、戌井市郎北村和夫江守徹など親しい者にだけ知らされていたという。3月に新橋演舞場で予定されていた『華岡青洲の妻』も、チケットが発売されている中での緊急降板となり、代役は藤間紫が勤めた。しかし病室では簡単なストレッチをしたり、男性の見舞い客が来ると聞くと長い時間をかけてお化粧をしたりと、常に弱っている姿を見せまいと気丈に振る舞っていたという。

3月16日から意識が混濁し、4月4日午前0時30分、頭部膵臓癌のため東京都文京区日本医科大学付属病院で死去、満91歳。最期を看取ったのは養女のヒロと、当時70歳の長年親しくしていたファンの女性だけだった。本人には癌であることを知らせなかったため、死去の直前まで台本を読んでおり、最期まで女優であり続けた。死後、政府から銀杯一組が贈られた。墓所は富士霊園

杉村の死後1998年、若手演劇人の育成に力を注いだ杉村の遺志を尊重し、新人賞的意味合いを持つ杉村春子賞が新たに創設された[1]

エピソード

[編集]
  • 築地小劇場時代の杉村のいちばん強烈な想い出は、小山内薫が死の二日前に劇団員の給料を払うため、印税を出版社から前借りしたことだったという[22]。「私の女優としての形成期は、新劇運動のいわば受難の季節の間にありました。今でも私には、演劇することとお金もうけとが、どうにも結びつかない気持ちがあります」「朝から晩まで劇場暮らしで、泥絵具の臭気は、たまらなくなつかしい、ふるさとのにおいになりました。私は演劇と自分が、まぎれもなく一心同体になることを感じました」「私は仲間たちの革命論から離れたところにいました。でも、どんなあらしがこようと、雷が鳴ろうと、女優という職にしがみついて離れない心は、新劇を愛する心は、誰にも負けないつもりでした」などと話していた[22]。杉村は文学座のアトリエが落成した二年後の1952年にアトリエの奥に自宅を建てた[12]
  • 杉村は築地小劇場時代の稽古指導について「厳しいし、意地が悪いっていうのかしらん、愛情からじゃないような『何だい、お前は』っていう調子でした。『黄色い声をはりあげたって、若く見えやしねえよ』とかね。あたし、本当に悲しかったのは『何だい、こんな大きな口しやがって、どうにもなんないじゃねえか』と言われたときです。二十歳のときだから悲しいじゃないですか。今だって情けないけど(笑)。小さい口だと思ってるわけじゃないけど、自分はそんなにと思ってない欠点を、いやっていうほど思い知らされるわけですよ。だから、それをどうやって舞台で美女になって見せようかっていう気になるんです。あたし負けず嫌いなんでしょうね」「若い女優を怒鳴ることは(笑って)時々あります。どうでもいいと思ってる人には言いません。こっちが憎まれてまで言うことはありませんから」などと述べている[34]
  • ボランティア活動に関心を持ち、昭和20年代後半「戦争未亡人が働きたくても子供を預ける施設がなくて働けない」というニュースが毎日のように新聞などで報じられた時期に、自分でも何かできないかと考え、杉村の発案で1954年に文学座で第1回慈善公演『女の一生』が、朝日新聞厚生文化事業団主催で行われた[24]。その後、慈善公演のたびに100万円単位の寄付を行い、それらを貯めてクリニックカーを製作することを提案。「文学座」号と名付けられたクリニックカーがレントゲンなどの機材を装備し、全国の医療過疎地を走った[24]
  • 代表的演目の一つ・『華岡青洲の妻』での劇中、杉村が台詞を発しながら巧みに着付けをする場面で、その所作の美しさに思わず客席から拍手が沸き起こったというエピソードがある[108]
  • 5歳のとき『小島の春』で杉村と共演して以来親交があり[109]、杉村の公演には必ず観に行ったという中村メイコは、希代の名優には「杉村春子説」、つまり女優は結婚しないほうがいい、まして子どもなど産まないほうがいいというものがある、と話している。中村は3人の子供が大きくなった頃、楽屋に杉村を訪ね、「先生、私は2歳半からですから、もうずいぶん役者をやっています。そのわりにはいまだに代表作といわれるものがありません。やっぱり早々と結婚して、子どもを3人産んで、おかあさんをやってしまったからでしょうかねえ」と言ったことがあり、他の女優さんなら「メイコちゃんにはね、カンナちゃんという作品があるじゃないの」とか、「3人のお子さんという作品を残したのだから」などと慰めてくれるところだが、杉村だけは「あたり前ですよ、片手間で女優はできません。その証拠に、私の夫は3人とも先に死んだわ」と、この程度の仕事しかできないのは当然なんだ、ときっぱり言われたという。慰めの言葉よりも、杉村の厳しい言葉にかえって救われたと述べている[110]
  • 児童演劇の普及活動に尽力した伊藤巴子が[出典 61]、1958年以来サムイル・マルシャーク作の『森は生きている』の中でみなしごの少女役を通算2000回演じるという金字塔を打ち立て、高い評価を得た[68]。しかし伊藤には"迷い"があり、杉村に「大人の芝居がやりたい」と、文学座への入座を頼んだ。しかし、杉村はきっぱりと断り、「あなた傲慢ね、自分の一生で『森は生きている』の伊藤巴子、『女の一生』の杉村春子といわれる俳優は、そうやたらにいないのよ。あなたのことを覚えている皆さんに、どう責任とるの」と強い口調で伊藤を諭した[68]。伊藤は翻然と悟り、「芝居に、子どもも大人もない。いやむしろ、未来に生きる子どもたちにこそ、舞台を通して美しい精神の花束を届けねばならない」と、以来主として児童劇に打ち込んだ[68]。伊藤は1960年の第一回新劇訪中団に杉村のお付として中国に最初に入った70人のうちの一人[18]。杉村のお付は3人で「場所はどこでもいい、杉村さんとそんなに近い場所で一緒に旅ができるなら」と、伊藤と当時20代の吉行和子市原悦子の3人がお付として就き[18]舞台袖懐中電灯で照らしたり、衣装を持ったりしたが、北京の大劇場で吉行が馴れない懐中電灯の光を杉村に向けてしまい、舞台袖で杉村からものすごく怒られて、吉行は泣いて泣いて「もう中国に来たくない」と叫んだといわれる[18]。結局3人の中で一番最後まで中国と交流を続けたのは伊藤だけだったという[18]
  • 1940年に初演された山田耕筰歌劇黒船』では姐さん役を担当している。これは、彼女の声こそ日本語でオペラを歌うのにふさわしいと山田が判断したものであるという。
  • 『明治一代女』に出演した杉村春子は退役した将軍を演じた役者の存在感に感嘆した。監督の伊藤大輔に俳優名を聴き武田正憲と聞き、「武田先生」と声をあげて驚いた。正座して「杉村春子でございます」と武田正憲に挨拶した。武田正憲も「武田正憲でございます」と頭を下げて挨拶した。撮影現場は二人の名優の出会いの挨拶で静まり返ったと伊藤は確かめている。[『時代劇映画の詩と真実』292頁]
  • 黒澤明監督の『赤ひげ』においては、憎まれ役である娼屋の女主人・きんを演じた。その際、養生所の賄婦たちに大根で殴られるコミカルなシーンがある。賄婦を演じていた女優達も既にベテランであったが、杉村はその上を行く彼女達の大先輩に当たる存在で、大根で殴るとき遠慮してしまいNGが連発され、撮影のために用意していた大根がすべてなくなってしまった事がある。成城中の八百屋から大根を買い占めたがそれでも足らず、近辺の畑から泥のついた大根を抜いて使いその数300本。撮影は1日かかり、スタンバイしていた三船敏郎の出番は延期された[112]
  • 小津安二郎は、杉村さんに関しては自由に演技をしてもらったと聞きましたが」の質問に対して「そんなことないですよ。『浮草』で、あたしが中村鴈治郎さんに、『あゝそう』っていうところなんか、70回ぐらいNGが出ましたよ」と答えている[113]
  • 堤清二ピーター・ブルックの芝居に様式化された近代演劇という意識を一度無化したところに新しく創られたリアリズムと驚き、1987年3月の銀座セゾン劇場杮落しでピーター・ブルックの『カルメンの悲劇』を上演した[114]。ファンの杉村に観てもらいたいと杉村を誘い、一緒に観た。ところが杉村は観ているうちに段々不愉快そうな様子に変わり、長年、杉村に対してほとんど尊厳に近い気持ちで接していた堤にとっては初めて見る杉村の指導者の表情に、ただ楽しむという様子ではなかったことから、誘って良かったという気持ちと「よけいなことをしてくれる」という印象もあったのではないかと恐れたという[114]
  • 黒柳徹子が司会を務める『徹子の部屋』(テレビ朝日系列)は「インタビューを編集しないこと(撮って出し)」が約束の一つといわれるが、杉村がゲストで出演した回で、黒柳が80歳になった杉村に何気なく「先生って、丙午ですってね」と尋ねると、杉村が「私は芸者の子どもで私生児ですよ。親がいつ役所に出生届を出したかなんてはっきりしないの。だから、私が幾つかなんて分かったものじゃないのよ」と言ってしまい、杉村は気にしていなかったが、収録に来ていた文学座の関係者にその部分だけカットを要請され、これを受け容れカットした。放送回数11000回以上とされる同番組でそれが唯一のカットという[115]
  • 杉村のように亡くなる直前まで舞台に立ったり、老年で若い役を演じるというのは外国ではあり得ないという[116]
  • バラエティ番組進め!電波少年』(1996年6月23日放送分)(第192回)の企画「大女優を抱きたい」シリーズにおいて、タレントの松村邦洋がアポなしで杉村の楽屋に訪問し、杉村に抱擁して欲しいと頼んだところ、杉村は快く応じて企画は成功した。

受賞

[編集]

出演作品

[編集]

映画

[編集]
大曾根家の朝』(1946年)
わが青春に悔なし』(1946年)
手をつなぐ子等』(1948年)
晩春』(1949年)
東京物語』(1953年)
流れる』(1956年)

テレビドラマ

[編集]

舞台

[編集]

年月日は、杉村が最初に演じたときのものである[23]

「女の一生」以前

[編集]

最初は端役やスタアが演じないような老け役、そして、だんだんと重要な役を演じるようになっていく。

  • 彼女(1927年4月)築地小劇場藤森成吉の「何が彼女をさうさせたか」を、当局の要請により改題して上演したもの。杉村の初舞台。ただし、台詞は無く、舞台上でオルガンを弾くだけの役であった。初めてセリフを発したのは同年の「リリウム」[21]
  • 富島松五郎伝(1942年5月、主役松五郎の相手役・吉岡良子役)文学座。翌年映画化(無法松の一生)されることになる岩下俊作の小説を舞台化。森本薫による脚色。
  • 北京の幽霊(1943年2月、會伸英(女官)役)文学座。飯沢匡のオリジナル戯曲。戦時下に書かれた風刺劇。
  • 鳥獣合戦(1944年10月、梟(ふくろう)ハラグ大使役)文学座。飯沢匡のオリジナル戯曲。鳥と動物とが戦うという風刺劇。戦時体制に対するシニカルな姿勢がうかがえる作品であり、その上演をめぐって検閲機関ともめたという。

最初の充実期

[編集]

後に再演が繰り返され代表作となる作品に、次々出会う。

  • 女の一生(1945年4月、主役・布引けい役)文学座。森本薫のオリジナル戯曲。初演時の台本は、戦後版とはいくつかの点で大きな違いがある。渋谷の映画館を借りて行なわれた初演(当初上演劇場に予定された国民新劇場〈戦時体制で築地小劇場から改称〉は、1945年3月10日の空襲で焼失していた)は、上演中に空襲警報で中断されることも度々であったという(※TV放送のため収録された、1961年当時の記録映像が現存する。2度にわたる分裂/大量脱退以前の公演であるため、資料的にも価値があると考えられる。杉村の死後、NHKで再放送され、DVDとしても発売された)。上演回数947回。文学座が歩んできた歴史そのものといえる文学座にとって最も大切な「財産演目」[出典 63]。「女の一生」は空襲が酷くなった1944年暮れに既婚者である森本が愛人の杉村のために書いたもので[34]、空襲が激しいため、速筆の森本が2–3枚書いたら、杉村か劇団の若い座員がカバンに入れて劇団に持ち帰りコピーを取った[34]。脱稿にあたり、杉村は感謝を伝えたくて、森本は酒を飲まないため、ちょうどもち米小豆配給があり、おはぎを生まれて初めて作った[34]隣組の奥さんに作り方を習って、押し入れの中で電気コンロを使って煮た。当時電気コンロは使用が禁止されていた。森本はおはぎを喜んで食べた。上演は最初で最後、みんな死ぬかも知れないと文学座にいる人は全員出演するようにしようと、演出の戌井市郎や研究生だった椎野英之らも出た[34]。最初は築地小劇場(国民新劇場)でやることになり、1945年3月10日に稽古を始めた晩に同所は大空襲で焼けた。東宝映画劇場は東京で唯一焼けていなかった劇場で、文学座で貯めていた1万円を持って杉村らが東宝に「芝居をやらせて下さい」と直談判に行った[34]久保田万太郎渋沢秀雄佐藤一郎らが骨を折り、「おカネはいらない。使わせてやる」と東宝から回答を得た[34]。東宝の関係で大道具帝劇の大道具部が作ったが、夜中に牛車で運んだため、夜中の雨で大道具が濡れ、障子などがダメになった。このため小道具は近所に住んでいた戌井の家から持って来た。杉村は大空襲の最中でお客は一人も来ないんじゃないかな、と思っていたら凄い数のお客が来て、舞台美術の修復に手間取り、まだ準備は出来てないのにお客が入って来て、テンヤワンヤで初日の幕が上がった[34]。いきなり空襲警報が鳴り、お客を避難させ、座員は楽屋で待機した。舞台で死ぬなら全員それでいいという気持ちから、防空壕には入らなかった[34]。警報解除になると続きを始めるが、空襲警報が何度も続くため、昼夜2回公演で6日間だったが、特に夜公演は空襲のため、半分出来たらいい方で、1日1回半のような公演だった[34]日暮里方面が焼けたとき、そこへ住んでいた宮口精二が来ない日もあった[34]。やる方も観る方も命懸けで、来る人は本当に芝居が好きな人で、後で戸坂康二も三島由紀夫も観に来たと聞き、杉村は「あんな状況で芝居を演ることは国賊みたいに言われた時代で、あんな思いをしてやったけど、ああやってよかった、あの不備な芝居を観に来て下さった」と感激した[34]。同公演は戦中最後の新劇公演だった[34]戦後、杉村は森本が亡くなる直前に京都の森本を訪ね、「戦争が終わったから芝居がやれる。『女の一生』どうかしらん」と言うと森本は「あれは情報局の委嘱作品で『大東亜八大原則を入れろ』という条件で書いたんだ。自分としては十分に書けてると思わない。それに戦争中だから女を書くことにも制約があった。自分の書きたかった女が書けてない。今度もう一つ、もっといろんなものが入ってる『女の一生』を書いてあげるよ」と言ったという[34]。「女の一生」は基本11人でやる芝居で舞台も定式舞台があればどこでも出来ることから、500回のうち200回は汽車にぶら下がったりして地方公演を行った[34]。小学校の裁縫室に畳を持ち込んでやったこともある[34]。遠隔地では途中で座員みんなで野宿した[34]。こういう場所でやるとお客がワイワイ言ってうるさいため、杉村が舞台から大声で「静かに!」と怒鳴ったこともある[34]北九州八幡製鉄所でやった公演では、杉村は知らされていなかったが、それは家族慰安会で、呑んで酔っぱらう者はいるし、子どもは走り回るし、16歳の少女の格好をするため、お客が爆笑し、一度だけお客と大喧嘩になったという[34]
  • 華々しき一族(1950年5月、主役・諏訪役)文学座。森本薫のオリジナル戯曲。1935年に発表されたが未上演であったもの。上演回数309回。
  • 月は銅鑼なり(昼の部)、七色の虹(夜の部)(1950年12月、役不明)新橋演舞場。新生新派と文学座の合同公演[21]。「月は銅鑼なり」は菅原卓作。演出は二作とも菅原卓。初代水谷八重子との初共演[21]
  • 欲望という名の電車(1953年3月、主役のブランチ・デュボア役)文学座[36]テネシー・ウィリアムズのオリジナル戯曲、日本初演。上演回数594回[127]
  • 二号(1954年11月、主役・御園とく役)文学座。飯沢匡のオリジナル戯曲。コメディ。

三島由紀夫との時代

[編集]

後に起こった文学座と三島とのトラブルにより、杉村はこの時期以外にはこれらの作品を演じていない。

  • 鹿鳴館(1956年11月、主役・影山朝子役)文学座創立20周年記念公演。三島由紀夫が杉村のために書いたオリジナル戯曲[出典 64]。後に新派・さまざまな商業演劇・劇団四季などによって上演される当戯曲の、これが初演になる。
  • 大障碍(だい・しょうがい)(1957年4月、主役・岑子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
  • 薔薇と海賊(1958年7月、主役・楓阿里子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
  • 熱帯樹(1960年1月、主役・律子役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
  • 十日の菊(1961年11月、主役・奥山菊役)文学座。三島由紀夫のオリジナル戯曲。
  • トスカ(1963年6月、主役・トスカ役)文学座。ヴィクトリアン・サルドゥの原作を、三島由紀夫が潤色したもの。11月に三島が退座した(⇒喜びの琴事件)ために、これが三島との最後の作品になった。

円熟・絶頂期

[編集]

文学座公演として、レパートリーとなった代表作や新作に主演しながら、商業演劇にも数多く出演。商業演劇のスタアたちと同格の主演として舞台に立つ。

  • 糺河原(1967年5月、日野富子役)大手町サンケイホール。西川永子の舞踊リサイタルの客演[128]。一部から「何も舞踊にも手を出さなくても。"杉村女王"には劇団の内政に熱を入れて欲しい」などと批判された[128]
  • 華岡青洲の妻(1970年6月、主役・於継役)文学座。有吉佐和子の同名原作を、有吉が自身で戯曲化したもの。初演は1967年の東宝公演、主演は山田五十鈴であった。杉村がその演目のオリジナル・キャストではないという意味で、杉村の当たり役の中では珍しい演目(翻訳劇を除く)。上演回数634回。姑の嫁いびりの演技に客席から「引っ込めー」「死んでしまえー」の怒声が飛び交ったが、中日劇場の6月28日千秋楽は昼の部だけの公演を夜の部が追加され、6月18日から28日で2万人動員し、その後全国巡演で22万人動員した[129]
  • ふるあめりかに袖はぬらさじ(1972年12月、主役・お園役)文学座。有吉佐和子の短篇「亀遊の死」を、有吉が自身で戯曲化したもの[出典 65]。初演。上演回数365回。芸者お園を演じるために三味線を1年練習「三味線をマスターするまで舞台に立たない。」[129]
  • [既出]華岡青洲の妻(1973年5月、於継役)新派公演への客演。中村勘三郎の青洲、水谷八重子の加恵というキャスティング。
  • 怪談 牡丹燈籠(1974年8月、お峰・お米の二役)文学座。三遊亭圓朝の怪談噺を、大西信行が杉村に請われて脚色したもの[130]。コメディ。
  • 夢・桃中軒牛右衛門の(1976年2月)東横劇場。作・宮本研。浪曲師桃中軒牛右衛門こと、宮崎滔天を主人公とした創作劇で、辛亥革命の大立者が続々登場する。杉村は数次の訪中歴を持つ親中家で、日中友好団体の優等生と見られていたが、公演の5日前に中国大使館から公演中止の抗議があった[131]。抗議は現存の指導者だった毛沢東の扱いを巡るもので、辛亥革命を茶番化しているという内容であった。文学座は3度中国大使館と交渉を持ったが意見の一致を見ず、一部の抗議を受け入れ上演した[131]
  • [既出]怪談 牡丹燈籠(1976年4月、お峰・お米の二役)松竹公演。尾上松緑との初顔合わせ[132]
  • やどかり(1978年1月、向井さつ子役)東宝公演。作・榎本滋民。山田五十鈴と、舞台での初共演[133]。映画では『流れる』がある。山田の新劇出演は1959年の「関漢卿」以来。
  • 日の浦姫物語(1978年7月、日の浦姫役)作・井上ひさし[134]。15歳の少女から50歳過ぎまでを演じた[50]
  • 風流浮世ぶし(1979年1月、おみね役)新派公演。作・川口松太郎。水谷八重子との最後の共演。
  • ターリン行きの船(1979年3月、主役のリージャ・ワシリーナ役)サンシャイン劇場[135]。作・アレクセイ・アルブーゾフ「古風なコメディ」を改題。尾上松緑 (2代目)との2人芝居で、サナトリウムの65歳の院長と、そこへ保養にきた60歳近い独身女性との、ほのかな恋物語。1980年3月にも同じサンシャイン劇場で再演された[135]。1980年6月には越路吹雪米倉斉加年のコンビで同じ作品を原題の「古風なコメディ」で、西武劇場で上演され「真っ向からの競演」と話題を呼んだ[135]。 
  • 月夜の海(1979年11月、由良琴女役)東宝公演。作・小幡欣治。山田五十鈴との共演。
  • [既出]欲望という名の電車(1980年5月)日生劇場。この時点で430余回の上演を重ねていたが、『女の一生』が杉村以外の配役が随時変わってきたのに対して、『欲望という名の電車』はこれまで杉村のブランチ、北村和夫のスタンレーは不変であった。しかしこの公演で杉村の希望により初めてスタンレーを江守徹にした[出典 66]。北村はミッチという脇役にまわった[注釈 5]
  • 新釈 金色夜叉(1981年9月、赤樫満枝役)三越劇場。作・宮本研。宮本が文学座に最初に書き下ろしたもので、二年後に新派で初上演された[137]尾崎紅葉の『金色夜叉』では脇役にすぎない高利貸しの赤樫満枝を杉村がお宮に代わり主人公格で演じるスピンオフ的作品[138]
  • 路地に咲く花(1982年6月、おかね役)松竹公演。歌舞伎の演目を大西信行が脚色したもの。尾上松緑との共演。
  • 横浜物語(1983年8月)三越劇場。作・八木柊一郎。八木が杉村のために書きおろした創作劇。明治の末、東西の架け橋になろうと自らアメリカの法律家と結婚するが、混血児を持って苦労する母親の役。
  • ウェストサイドワルツ(1985年2月、主役・マーガレット役)文学座。アーネスト・トンプソンのオリジナル戯曲。
  • 浮巣(1985年6月、おけい役)東宝公演[99]。作・八木柊一郎。森光子と、舞台での初共演。
  • 木瓜(ぼけ)の花(1986年11月、木村正子役)東宝公演。有吉佐和子の同名小説を、大藪郁子が脚色したもの。森光子との共演。

最後の10年

[編集]

「女の一生」を文学座内で平淑恵に継承(杉村生前の1996年に平主演の公演があった)。商業演劇での活躍も続き、スタアとの共演ではない大劇場での単独主演も行なう。89歳まで新作公演に出演、90歳まで主演舞台に立った。

  • [既出]欲望という名の電車(1987年2月、主役のブランチ・デュボア役)文学座創立50周年記念公演。杉村による最後の上演。
  • 流れる(1988年4月、染香役)東宝公演。幸田文の同名小説を、平岩弓枝が脚色したもの。山田五十鈴との共演。
  • 花霞(1990年4月、秀千代役)東宝公演。作・川口松太郎、脚色・戌井市郎。森光子との共演。
  • [既出]女の一生(1990年6月、主役・布引けい役)文学座。杉村による最後の上演。初演:1945年(昭和20年)4月~終演:1990年(平成2年)6月 45年間ロングラン上演記録
  • 恋ぶみ屋一葉(1992年6月、主役・前田奈津役)松竹公演。斎藤雅文のオリジナル戯曲[139]
  • 晩菊(1993年3月、主役・相沢しの役)東宝公演。林芙美子の同名小説を、山崎圓が脚色したもの。
  • [既出]ふるあめりかに袖はぬらさじ(1994年9月、主役・お園役)文学座。杉村による最後の上演。
  • 絹布の法被(けんぷのはっぴ)(1995年2月)文学座。江守徹のオリジナル戯曲。杉村にとって、最後の新作公演。
  • [既出]華岡青洲の妻(1996年1月、主役・於継役)文学座。杉村による最後の上演。
  • [既出]華々しき一族(1996年9月、主役・諏訪役)文学座。杉村による最後の上演。また、この演目での旅公演(最終日は1996年12月12日)が、杉村自身にとっても最後の舞台となった。

1997年には、3月に新橋演舞場で「華岡青洲の妻」(松竹公演。杉村主演としてチケットはすでに発売されていた。藤間紫が代役で於継を演じた)、5月に紀伊國屋サザンシアターで文学座60周年記念舞台「柘榴のある家」(新作、文学座公演)、9-10月には芸術座で「もず」(東宝公演、山岡久乃と舞台での初共演)などが予定されていた。 また、主演連続ドラマ「棘 おんなの遺言状」(NHK 竹山洋脚本 大竹しのぶ、島田正吾共演)は第1回収録途中に病気降板。没後10年のBS特集番組でその一部が放送された。

ラジオドラマ

[編集]

テレビ番組

[編集]

著書

[編集]
  • 『自分で選んだ道 文学座と共に30年』六芸書房、1969年
  • 小山祐士共著『女優の一生』白水社、1970年
  • 『歩みのあと』講談社文庫、1977年。小冊子
    • 新版『女優の運命 私の履歴書』日経ビジネス人文庫、2006年
  • 『舞台女優』PHP研究所、1980年
  • 振りかえるのはまだ早い』〈女の自叙伝〉、婦人画報社、1986年12月25日。

写真集

[編集]

杉村春子を演じた女優

[編集]

関連項目

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 杉村は「布引けいはあたしと一緒になってるみたいで…」と述べている[34]
  2. ^ 「『浪子』はほとんどセリフがない役だったので、自分としては『浅草の灯』が最初の作品」と杉村は話していたという[75]
  3. ^ 半年がかりの撮影で当時の新劇ではほとんどなかった高額の千円のギャラ。夫に自分のものにしないで劇団員で分けたらといわれた(週刊朝日1978年1月6日号、130-135頁)。
  4. ^ 裏番組が高視聴率番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」だったため、日テレの平林邦介プロデューサーが「若い人を使っても『欽ドン!』には勝てない。今までお年寄りが三人もからんだドラマはなかったので」と、杉村75歳、沢村貞子73歳、山岡久乃55歳、合わせて203歳を、"イモ欽トリオ"の向こうをはり、"年金トリオ"と名付けて売り出した(週刊サンケイ、1981年11月19日、32頁)。
  5. ^ 杉村はその理由について「新しいスタンレー役者が出来たということです。今の江守さんはスタンレー役にぴったりだと思います。もうひとつは、非常に重要な役のはずのミッチに、これまで人を得なかったことです。これまでなさった方には悪いですが、そのことがいつも気になっていました。北村さんにミッチ役をやってもらいたい。この二つの理由で配役を新しくしてもらいました」と話した。北村も江守も困惑し、江守は「北村さんが不在ならともかく、いらっしゃる前での稽古するわけですから。そりゃ嫌なものですよ」と話した。水落潔は、「そこに杉村春子の『修羅の如き』女優魂を感じた。おそらく最後かもしれない『欲望...』を、十分承知しながら、新しい配役で新しい舞台をつくろうとしている。その裏には文学座の将来を思っての体制つくりという含みがある。杉村の役にかける執念と情熱。その凄まじさは、敬服すべきものがある」と評した[136]
  6. ^ 広島女学院の代用教員時代の教え子。広島女学院付属小学校に通っていた中原とは生涯にわたり交遊を持った[154]
  7. ^ 広島女学院の代用教員時代の教え子[21]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f 別冊宝島2551『日本の女優 100人』p.30.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “杉村春子(読み)スギムラ ハルコ”. コトバンク (朝日新聞社/VOYAGE MARKETING). https://kotobank.jp/word/%E6%9D%89%E6%9D%91%E6%98%A5%E5%AD%90-83552#:~:text=%E6%9D%89%E6%9D%91%E6%98%A5%E5%AD%90%E3%80%90%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%80%E3%82%89%E3%81%AF%E3%82%8B%E3%81%93,%E5%B0%8F%E5%8A%87%E5%A0%B4%E7%A0%94%E7%A9%B6%E7%94%9F%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E5%88%9D%E8%88%9E%E5%8F%B0%E3%80%82 2021年7月7日閲覧。 「〈演劇〉 imidas Who's Who 杉村春子」『情報・知識imidas 2001』集英社、2001年、1067頁。ISBN 4081000158 鈴木国男 (2018年3月). “時事用語事典 杉村春子”. imidas (集英社). オリジナルの2021年7月7日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/oOhrQ 2021年7月7日閲覧。 杉村春子 - NHKアーカイブス NHK映像ファイル あの人に会いたい(2016年3月5日時点のアーカイブ1981年度のそのほかの特集番組 杉村春子ショー”. NHKアーカイブス NHK放送史 テレビ70年特設サイト. NHKアーカイブスポータル (2016年2月7日). 2023年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月15日閲覧。“第百五話 己を信じる -【広島篇】女優 杉村春子-”. yes!〜明日への便り〜 presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ (TOKYO FM). (2017年9月2日). オリジナルの2020年6月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200613102820/https://www.tfm.co.jp/yes/?id=108 2021年7月7日閲覧。 川良浩和著『忘れられないひと、杉村春子』
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 道面雅量 (2024年10月30日). “この人の〝反核〟 <9> 杉村春子(俳優、1906-97年) 「今を生きる」決然の舞台”. ヒロシマ平和メディアセンター (中国新聞社). オリジナルの2024年12月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20241205104847/https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=146490 2024年12月6日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 「玉三郎対談 女流その世界「杉村春子」」『別冊・婦人画報』1977年11月号、婦人画報社俳優・杉村春子×坂東玉三郎対談「どんな芝居も艶がなければ」 20代の玉三郎さんが各界で活躍する女性を訪ねる連載「女流その世界」を復刻!”. 婦人画報. 婦人画報社 (2023年12月31日). 2023年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 演劇研究8 1947, p. 37, 特集・杉村春子研究 =杉村春子略歴=
  6. ^ a b c d e f g h 栩木誠 (2009年6月14日). “SUNDAY NIKKEI 彼らの第4コーナー 杉村春子(2) 『新藤監督で最後の映画ロケ』”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): p. 24 
  7. ^ a b 「昭和の演劇史に名を残す巨星 杉村春子さんのはなし」 演劇評論家の大笹吉雄さんを迎えて」『サンスター 文化の泉 ラジオで語る昭和の文化TBSラジオ、2023年2月13日。2024年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月6日閲覧
  8. ^ a b c d e f g h i 俳優全集 1980, pp. 370–373
  9. ^ a b c 昭和ヒーロー 1989, pp. 126–128
  10. ^ a b c 文春写真館 あのとき、この一枚”. 文藝春秋社 (2010年2月14日). 2010年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月13日閲覧。『激動の90年、歴史を動かした90人』「杉村春子 お芝居の下手な人、大っ嫌いッ 樹木希林」 文藝春秋2013年新年特別号 | バックナンバー - 文藝春秋WEB、215-217頁。
  11. ^ a b 櫻井正朗 (2021-06–27). “田中絹代、原節子、杉村春子……。若き日の大女優が残した貴重な足跡  「女優と映画」 第二回”. 婦人画報 (ハースト婦人画報社). オリジナルの2021年6月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210628115303/https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/g36835246/fujingaho115-culture-jyoyuu2-210627/ 2021年7月7日閲覧。 
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai 折井 2005, pp. 96–97, 小田倉正子「文学座の顔となった女優 杉村春子」
  13. ^ 広島市 - 廃止町名と現在の町の区域(FAQID-2246~2249・2289)
  14. ^ 広島ゆかりの人物情報|広島を知る|文化、芸術分野”. 広島市立図書館. 2017年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月14日閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 木内昇 (2013年6月9日). “杉村春子 自分で選んだ道ですもの ヒロインは強し”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). オリジナルの2023年8月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230818184909/https://www.nikkei.com/article/DGXNASFE29013_Z20C13A5945M00/ 2024年1月23日閲覧。 
  16. ^ a b c d e f Web版 有鄰 藤田昌司「人と作品 中村美繪と『杉村春子』 不世出の大女優の一生を明らかにした評伝 第426号、平成15年5月10日、P5
  17. ^ a b c d e 福田和也 (2012年6月10日). “迫真の演技で観客を緊迫へと引きずりこむ---「狂った」女優 女優の近代Vol.7”. 現代ビジネスプレミアム. 講談社. 2017年2月15日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 松峰莉璃 (2010年). “基本テーマ 「北九州市立大学をバネに活躍する人々」「中国での女優としての活躍談議」”. 平成22年度北九州市立大学公開講座 (同窓会員による講演). 北九州市立大学. 2023年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月15日閲覧。
  19. ^ a b 日経スペシャル 私の履歴書 ―特別編―”. 日経スペシャル 私の履歴書. BSジャパン. 2014年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月14日閲覧。
  20. ^ a b c “よみほっと日曜版 〈名言巡礼〉 誰が選んでくれたのでもない…戯曲「女の一生」”. 読売新聞 (読売新聞社). (2014年9月28日). オリジナルの2016年2月27日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/20160227221528/http://www.yomiuri.co.jp/life/travel/meigen/20150609-OYT8T50297.html 2017年2月15日閲覧。 
  21. ^ a b c d e f g h 近代日本女優史 1980, pp. 206–223
  22. ^ a b c d e f g h 竹中 1970, p. 126-133
  23. ^ a b c d e 文学座 座員連名 .物故者. 杉村春子 - 文学座公式サイト
  24. ^ a b c d e f g h i j k 人間昭和史 1986, pp. 85–96
  25. ^ a b c d e f g 演劇研究8 1947, pp. 30–34, 特集・杉村春子研究 北見治一『杉村春子の危機』
  26. ^ a b c d e f g 「タウン 『杉村春子一座』の花も嵐も半世紀」『週刊新潮』1987年1月22日号、新潮社、13頁。 
  27. ^ 水落潔「こんどは山本圭が退団 またまた揺れる俳優座 仲代と同じく劇団にイヤ気が?」『サンデー毎日』1980年5月11日号、毎日新聞社、152–153頁。 
  28. ^ 川良浩和 (2017年9月12日). “読書日記 著者のことば 川良浩和さん 忘れられないひと、杉村春子”. 毎日新聞 (毎日新聞社). オリジナルの2017年9月16日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/4ea1L 2021年7月7日閲覧。 
  29. ^ 林尚之 (2020年10月31日). “杉村春子さんら「舞台の3大女優」次代の顔ぶれは?”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). オリジナルの2020年11月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201101024230/https://www.nikkansports.com/entertainment/column/hayashi/news/202010310000314.html 2021年7月7日閲覧。 
  30. ^ 演劇研究8 1947, pp. 27–30, 特集・杉村春子研究 大山功『杉村春子の場合』
  31. ^ a b c 文学座とは - 文学座公式サイト
  32. ^ a b c 女の一生|文学座
  33. ^ a b c d e f g 内田洋一 (2015年3月13日). “文学座「女の一生」”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). オリジナルの2023年8月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230818184910/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO84236080R10C15A3000001/ 2024年1月23日閲覧。 
  34. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 秋山節義「連載(15) 【周作怠談】 『一筋に生きる女の一生』 ゲスト 女優 杉村春子 聞き手・遠藤周作」『週刊朝日』1969年2月4日号、朝日新聞社、40-44頁。 
  35. ^ a b “女の一生”いまも〜杉村春子と文学座ロングラン公演〜”. NHKアーカイブス. NHK (2016年2月7日). 2017年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月15日閲覧。
  36. ^ a b c d e f g h i j 日本演劇史 2012
  37. ^ a b c 大笹吉雄×川良浩和「女優・杉村春子について話そう」――『忘れられないひと、杉村春子』著者対談」『Book Bang』新潮社、2017年。2024年12月6日閲覧
  38. ^ a b c 亀岡典子 (2022年10月21日). “大竹しのぶ、かみしめる「女の一生」 京都南座で傑作に挑む”. 産経ニュースwest (産経新聞大阪本社). オリジナルの2022年10月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20221021104300/https://www.sankei.com/article/20221021-XXVNDG3LPVP5RCCZH2KSIK2HCA/ 2022年12月5日閲覧。 Miki D'Angelo Yamashita (2022年9月30日). “大竹しのぶ、コロナ禍やウクライナ戦争と『女の一生』への思い「自分の心に嘘をつかないで生きていく」”. fumufumu news. 主婦と生活社. 2022年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月5日閲覧。
  39. ^ 新派「華岡青洲の妻」会見、市川春猿&波乃久里子に誕生日サプライズ
  40. ^ a b 森下香枝 (2023年8月10日). “大竹しのぶさんが語る美談の「不都合な真実」 50年不変の本質とは”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2023年8月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230810034046/https://www.asahi.com/articles/ASR895GR4R87OXIE02S.html 2024年1月23日閲覧。 
  41. ^ a b 内田洋一 (2023年9月22日). “松竹「ふるあめりかに袖はぬらさじ」大竹しのぶの挑戦”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). オリジナルの2023年9月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230922081614/https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD142OH0U3A910C2000000/ 2024年1月23日閲覧。 
  42. ^ a b 杉村春子さんの代表作に若尾文子「大変なプレッシャー」 舞台『華々しき一族』e+ Theatrix! Pick Up: 『華々しき一族』芸能人インタビュー|連載コラム|はいからOnline(2012年5月11日時点のアーカイブ)、産経新聞2008年11月26日27面。
  43. ^ 玉三郎 シネマ歌舞伎『ふるあめりかに袖はぬらさじ』を語る | 歌舞伎美人(かぶきびと)
  44. ^ 『朝日新聞』1948年4月29日(東京本社発行)朝刊、2頁。
  45. ^ a b c 日本新劇俳優協会とは
  46. ^ a b c 「【芸能】 この人 杉村春子 文学座公演に連続出演して気をはく 三連投するエース」『週刊読売』1964年7月26日号、読売新聞社、32-33頁。 
  47. ^ a b c d 池田政之文学座さんへ 12月7日」『池田政之の〈ま〉な生活』2022年12月7日。2024年12月6日閲覧
  48. ^ a b c “60年前の”文学座騒動”を現在の若手が新作劇に 三島作品巡る「喜びの琴」事件題材、”現場”で上演”. 東京中日スポーツ (中日新聞東京本社). (2022年3月23日). オリジナルの2022年3月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220322211952/https://www.chunichi.co.jp/article/439317 2024年1月23日閲覧。 
  49. ^ 山田勝仁 (2022年12月13日). “演劇えんま帳 「文、分、異聞」63年の文学座の“黒歴史”を直視した意欲作に物足りなかったこと”. 日刊ゲンダイDIGITAL (日刊現代). オリジナルの2022年12月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20221221131416/http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/315821 2024年12月6日閲覧。 
  50. ^ a b 「長谷川一夫 美女才人対談(3) ゲスト 杉村春子 『仕事捨ててまで"一緒に"...なんてなかったヮ』」『サンデー毎日』、毎日新聞社、1978年10月1日号、54-58頁。 
  51. ^ 内外タイムス文化部編『ゴシップ10年史』、三一書房、1964年、202-204頁
  52. ^ 週刊朝日1978年1月6日号、130-135頁、サンデー毎日1978年10月1日号、56、57頁、『軟派昭和史』、スポーツニッポン新聞社文化部、1975年、220頁
  53. ^ a b c 「堤清二のこの女(ひと)に会いたい 第一回ゲスト 杉村春子さん 華岡青洲の妻 『私、お嫁さんを8人もかえたの』」『サンデー毎日』、毎日新聞社、1984年6月17日号、36-40頁。 
  54. ^ [[]]2009年6月7日24面。
  55. ^ 文学座:藤田弓子オフィシャルブログ 2010年3月21日(2010年11月25日時点のアーカイブ)、北見治一『回想の文学座』、238、239頁、中公新書、1987年。「母・小川真由美を狂わせた3人の教祖」週刊文春2012年4月5日号、42-45頁、「徹子の部屋」2011年12月1日放送、テレビ朝日文学座 | 恩師・杉村春子 | 徹子の部屋 | TVでた蔵
  56. ^ a b 「角野卓造」インタビュー | Web 限定インタビュー | MEG-net 【Mixture Entertainment Guide】
  57. ^ 三島由紀夫『俳優に徹すること - 杉帝村春子さんへ』(週刊読売 1963年12月15日に掲載)
  58. ^ a b 「タウン 訪中公演に原爆問題はタブー」『週刊新潮』1965年3月8日号、新潮社、19頁。 
  59. ^ a b c d e f g h i j k 「噂の眞相メモ 【演劇】 ナマイキだった"百恵"の引退でホッとしたコマ劇場関係者たち」『噂の眞相』1980年12月号、噂の眞相、120頁。 
  60. ^ 「木村光一の退団でゆれる文学座」『サンデー毎日』、毎日新聞社、1980年8月17日号、146-147頁。 
  61. ^ a b c d e f g h i 「〈げいのう〉 大女優の実力をしめした杉村春子」『週刊現代』1968年6月13日号、講談社、32頁。 
  62. ^ 折井, pp. 96–97.
  63. ^ “(語る 人生の贈りもの)池辺晋一郎:177 誰かと過ごす時間、人生の滋養に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2021年11月25日). オリジナルの2021年11月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211124201724/https://www.asahi.com/articles/DA3S15122142.html 2022年12月5日閲覧。 
  64. ^ a b c d e “杉村春子さんと北京の秋”. CRIonline (中国国際放送). (2018年6月20日). オリジナルの2023年4月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230414211821/https://japanese.cri.cn/20180620/a1603609-1e9f-7581-7f1f-f0414df2218b.html 2023年4月15日閲覧。 
  65. ^ 俳優座史1959〜64年
  66. ^ 前進座の歴史
  67. ^ a b 奈良岡朋子 (2021年12月27日). “杉村春子 「女優は岡惚れしてなきゃ」 奈良岡朋子 100周年記念企画「100年の100人」”. 文藝春秋digital. 文藝春秋. 2023年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月23日閲覧。日刊スポーツ』2012年11月25日22面
  68. ^ a b c d 劉徳有 (2023年1月17日). “伊藤巴子の「凛として」”. 人民中国 (人民中国雑誌社). オリジナルの2023年4月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230414234055/http://www.peoplechina.com.cn/zlk/zfwhr/202301/t20230117_800318750.html 2023年4月15日閲覧。 
  69. ^ 嶋田親一 (2013年12月4日). “History of MIN-ON vol.4 民音の誕生~日本の音楽界に、新しい風が吹いた~”. 民主音楽協会. 2022年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月15日閲覧。
  70. ^ 津島令子 (2019年7月19日). “芸能界の酒豪番付では…大関!藤田弓子、亡き親友・太地喜和子と「オールドのボトルを…」”. テレ朝POST (テレビ朝日). オリジナルの2020年9月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200928035114/https://post.tv-asahi.co.jp/post-93327/ 2023年4月15日閲覧。 
  71. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “《トピックルポ》 NHK 『女優 わが道』の舞台裏 杉村春子の半生描く "現役"も登場 新劇史を地でいく”. 報知新聞 (報知新聞社): p. 14. (1969年4月28日) 
  72. ^ a b c “NHK新番組の製作急ピッチ フル回転20スタジオ "杉村春子"役で奮闘 林美智子『女優 わが道』”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社): p. 11. (1969年2月19日) 
  73. ^ 人間昭和史, pp. 85–96.
  74. ^ 『演劇研究 第8集』、演技研究所、371頁。
  75. ^ 川本 1996, p. 147
  76. ^ 演劇研究8 1947, pp. 24–27, 特集・杉村春子研究 津村秀夫『杉村春子論』
  77. ^ 高橋治『絢爛たる影絵 小津安二郎』、文藝春秋、1982年、57頁。
  78. ^ よみがえる杉村春子〜没後10年特集 第1部・杉村春子が生きた“女の一生”(Internet Archive)、ニッポン大女優伝説 2011年10月11日 | TBSテレビ
  79. ^ 森光子 『人生はロングラン』 日本経済新聞出版社、2009年、218頁。
  80. ^ 週刊朝日1980年1月4日号、142頁。“日本美女目録 高峰秀子という女優 杉村春子の天才的演技に感化 「聴覚障害の役」やり遂げる 「名もなく貧しく美しく」(1961年)”. 産業経済新聞社. (2024年3月29日). オリジナルの2024年4月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240412084939/https://www.zakzak.co.jp/article/20240329-6VMTBQP4ZFJL7FPTBJSN2BEIGY/ 2024年12月6日閲覧。 
  81. ^ 川本三郎『君美わしく―戦後日本映画女優讃』 文藝春秋、1996年、302頁。
  82. ^ 相原斎 (2020年9月17日). “名作残した名監督、新世代監督の気概/連載 <松竹100年初物づくしの軌跡と奇跡:全盛期編>”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). オリジナルの2020年9月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200925012751/https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202009160000359.html 2021年7月7日閲覧。 服部宏 (2018年4月16日). “小津映画の岡田茉莉子”. 合同通信オンライン (合同通信). オリジナルの2019年11月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191107195856/https://godotsushin.net/column/1232/ 2021年7月7日閲覧。 服部宏 (2016年6月9日). “服部宏のシネマパラダイス 杉村春子から石倉三郎まで 「脇役が映画を面白くする」”. カナコロ (神奈川新聞社). オリジナルの2021年7月7日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/68xsq 2021年7月7日閲覧。 “連載コラム「銀幕を舞うコトバたち(3)」お寺で茶柱が立つようじゃ、死んだ細君、迎いにくるんじゃないかい。”. CINEMA CLASSICS (松竹). (2016年4月12日). オリジナルの2016年4月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160412025728/https://www.cinemaclassics.jp/news/547/ 2021年7月7日閲覧。 
  83. ^ a b c d 「大山勝美のテレビドラマ内緒ばなし(2) こわかった岡田茉莉子 杉村の前であがった岡田」『週刊文春』、文藝春秋、1982年11月25日号、86-87頁。 
  84. ^ 岡田茉莉子シリーズ - 映画の國 || コラム ||
  85. ^ 「フランス映画訪問4 『パリからふりかえったインタビュー 岸恵子が語る11人の監督 2』 聞き手・西村雄一郎」『キネマ旬報』1978年4月上旬号、キネマ旬報社、133–139頁。 
  86. ^ 週刊新潮2012年7月19日号「テレビ黄金期『大女優たち』の素顔 プロデューサー『石井ふく子』〈特別対談〉第2回『泉ピン子』編」43頁
  87. ^ 田中聡 (2015年1月31日). “【時代の証言者】渡る世間は...石井ふく子(20) 森さん、杉村先生は双璧”. 読売新聞 
  88. ^ 『文学座五十年史』(1987年、文学座)
  89. ^ 加藤千代「話題の人・訪問 『のど自慢』に出演した北村和夫・有起哉さん」『シネ・フロント Vol.267』1999年1月、シネ・フロント社、12-14頁。 
  90. ^ ドコモ 団塊倶楽部11/11OA。2008年11月は、「吉永小百合特集」と銘打ち~(2015年5月5日時点のアーカイブ
  91. ^ 「『私の大切にしていること』 吉永小百合 聞き手・加賀美幸子」『ラジオ深夜便 女優が語る私の人生』NHKサービスセンターステラMOOK〉、2012年、117-118頁。ISBN 978-4-87108-113-9 
  92. ^ SWITCHインタビュー 達人達』、NHKEテレ、2015年4月4日放送[出典無効]
  93. ^ 鴨下信一『テレビで気になる女たち』講談社、1985年、91-92頁。ISBN 4-06-201106-9 
  94. ^ 坂成美保 (2008年6月26日). “【時代の証言者】文楽太夫 竹本住大夫(13) 様々な舞台 芸の肥やしに”. 読売新聞 
  95. ^ 脳梗塞を克服し舞台へ復帰-2/ 竹本住大夫 脳梗塞を克服し舞台へ復帰 - らぶんらく
  96. ^ 故加藤武さん 「芝居しないで芝居する」が永遠のテーマです
  97. ^ 小津作品との関わり語る 蓼科の映画祭で樹木希林さんら - 信越観光ナビ原田監督と樹木希林の不思議な関係が見えた、映画『わが母の記』トークイベント宮崎あおい「色気を感じる」と役所広司を絶賛するも、樹木希林は「全然」とバッサリ「悪人」妻夫木が主演男優賞「自分の集大成」 - 日刊スポーツswitch_pubの2015年5月26日のツイート2017年2月14日閲覧。人生を引き受けるということ 樹木希林さん | 慶應MCC 夕学リフレクション
  98. ^ 島田豊『文化の時代に―今日の考察』、椋の木社、1987年、34頁。
  99. ^ a b “(一語一会)俳優・泉ピン子さん 俳優の杉村春子さんからの言葉”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2022年6月2日). オリジナルの2022年6月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220602094949/https://www.asahi.com/articles/DA3S15313371.html 2022年12月5日閲覧。 
  100. ^ 高崎俊夫「素晴らしき映画女優(13) 大竹しのぶ 『損なわれない可憐さと圧倒的存在感で巨匠・気鋭たちから愛され続ける才能』」『キネマ旬報』2009年11月下旬号、キネマ旬報社、148頁。 
  101. ^ 篠田三郎; 関容子 (2024年1月23日). “篠田三郎「杉村春子先生には〈昔の恋人に似てる〉と役をいただき、奈良岡朋子さんには〈ただの二枚目じゃない〉と言われ」 【連載】名優たちの転機・先達の薫陶を間近に受けて<後編>”. 婦人公論.jp (中央公論新社). オリジナルの2024年1月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240123223146/https://fujinkoron.jp/articles/-/10794?page=2 2024年3月6日閲覧。 
  102. ^ デビュー50周年!中村雅俊登場”. 徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー. ニッポン放送 (2024年2月3日). 2024年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月6日閲覧。
  103. ^ PTA石巻大会-スケジュール-記念講演 - 宮城県PTA連合会(Internet Archive)
  104. ^ 12月1日(木)の放送 | ゆうどきネットワーク | NHK(2014年7月24日時点のアーカイブ
  105. ^ 渡辺徹、息子に向ける厳しい父の目(2016年7月15日時点のアーカイブ)。
  106. ^ 「特別企画 狩野良規×寺島しのぶ」(2013年8月28日時点のアーカイブ
  107. ^ 「杉村春子さんが文化勲章を辞退 「現役続けたい」」『読売新聞』1995年10月27日朝刊
  108. ^ “イベントレポート 和物を継承する文学座の歴史と未来”. 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館. (2017年12月6日). オリジナルの2018年5月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180526050635/https://www.waseda.jp/enpaku/ex/5667/ 2023年4月15日閲覧。 
  109. ^ 中村メイコ「理想の死に方は女優・杉村春子さんの最期。人生のラストシーンは自宅より病院で迎えたい」 両親の死に目に会えなかったのは神様の配慮かも”. 婦人公論.jp. 中央公論新社 (2021-08–20). 2022年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月24日閲覧。
  110. ^ 中村メイコ『人生の終い支度』、青春出版社、2010年。
  111. ^ “児童演劇の普及活動に尽力 俳優の伊藤巴子さんが死去 85歳”. 産経ニュース (産業経済新聞社). (2016年12月18日). オリジナルの2023年4月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230414233518/https://www.sankei.com/article/20161218-FXNFIMN6EZIDVECSKW44RQ5DQA/ 2023年4月15日閲覧。 
  112. ^ 進藤七生「随想 電波にのった黒澤明」『キネマ旬報』1971年4月下旬号、44-45頁。 
  113. ^ 『君美わしく―戦後日本映画女優讃』、158頁。
  114. ^ a b 辻井喬 (2008年10月4日). “連載『叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録』 37 セゾン現代美術館”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 15 
  115. ^ a b 『徹子の部屋』の歴史上「唯一のカット」とは 黒柳徹子が語る放送一万回の秘話”. デイリー新潮. 新潮社 (2015年8月8日). 2015年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月23日閲覧。
  116. ^ 福田陽一郎『渥美清の肘突き』、岩波書店、2008年、326頁。
  117. ^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 536, 「主要特撮作品配役リスト」
  118. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 39, 「『日本誕生』作品解説/俳優名鑑」
  119. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 91, 「『怪談』作品解説/俳優名鑑」
  120. ^ 『渥美清の肘突き』、83頁。
  121. ^ テレビは「視聴者の想像力」を信用していない | メディア ... - 東洋経済オンライン
  122. ^ 放送ライブラリー 番組ID:000726
  123. ^ 日曜劇場の伝説『女たちの忠臣蔵』舞台裏を大胆検証 演出家・鴨下信一の涙は天才の証
  124. ^ 第44回 ドラマスペシャル「今朝の秋」”. NHKアーカイブス. NHK. 2017年2月14日閲覧。
  125. ^ 放送ライブラリー 番組ID:003113
  126. ^ 今朝の秋 - テレビドラマデータベース
  127. ^ 沢尻エリカは舞台「欲望という名の電車」で2月に復帰 演劇記者は「大変な作品を選んでしまった」「杉村春子や大竹しのぶに挑むわけですが」”. デイリー新潮. 新潮社 (2024年1月1日). 2024年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月23日閲覧。
  128. ^ a b 「ステージ 『本家をおろそかにする? 杉村春子』」『週刊朝日』1967年4月14日号、朝日新聞社、111頁。 
  129. ^ a b 2018年5月1日中日劇場(中日新聞文化芸能局)発行「中日劇場全記録」
  130. ^ SIS company inc. Web / produce / シス・カンパニー公演 怪談 牡丹燈籠8/25(火)牡丹灯籠と甲斐よしひろ - 残間里江子ブログ
  131. ^ a b 「中国から抗議を受けた文学座 "革命的自覚"足りぬかと当惑顔」『週刊朝日』、朝日新聞社、1976年2月27日号、28-29頁。 
  132. ^ 歌舞伎座で「怪談 牡丹灯篭」仁左衛門と玉三郎が共演 欲望まみれの怖い夫婦に
  133. ^ 詳細-週刊朝日1978年1月6日号、130-135頁。
  134. ^ 大竹しのぶ×藤原竜也→禁断の愛 - 日刊スポーツ
  135. ^ a b c 「二大女優がソ連のドラマ競演」『サンデー毎日』、毎日新聞社、1980年2月24日号、178頁。 
  136. ^ a b 水落潔「『欲望...』の舞台にかける杉村春子の女優魂」『サンデー毎日』、毎日新聞社、1980年4月27日号、136頁。 
  137. ^ 2013/05/08 六月新派公演『新釈 金色夜叉』記者懇親会
  138. ^ 「『新釈 金色夜叉』のおもしろさ」『週刊新潮』、新潮社、1982年7月2日号、17頁。 
  139. ^ 山岸利行 (2022年1月20日). “2年前、コロナ禍で中止に 喜劇「有頂天作家」 2月に上演”. 東京新聞 TOKYO Web (中日新聞東京本社). オリジナルの2022年1月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220120043527/https://www.tokyo-np.co.jp/article/155248 2024年1月23日閲覧。 
  140. ^ 放送ライブラリー 番組ID:R00088
  141. ^ 放送ライブラリー 番組ID:003017
  142. ^ 放送ライブラリー 番組ID:006004
  143. ^ 放送ライブラリー 番組ID:003275
  144. ^ 放送ライブラリー 番組ID:008165
  145. ^ 放送ライブラリー 番組ID:008167
  146. ^ 放送ライブラリー 番組ID:008168
  147. ^ 放送ライブラリー 番組ID:008169
  148. ^ 放送ライブラリー 番組ID:008170
  149. ^ 放送ライブラリー 番組ID:008171
  150. ^ オーラの泉』、テレビ朝日、2007年4月21日放送
  151. ^ 【エンタがビタミン♪】IKKO、織姫ドレスで登場。七夕メールで「魂のキレイな女性になりたい」と願う
  152. ^ 新人賞-井上真央「八日目の蝉」「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」【yumiyoriな話】第35回 井上真央さん YOMIURI ONLINE(2010年7月8日)、日刊スポーツインタビュー 井上真央「日曜日のヒーロー694」、2009年10月25日。
  153. ^ 『アルバム・徹子の部屋』テレビ朝日、1983年、132-135頁。
  154. ^ 『別冊太陽 美しく生きる 中原淳一 その美学と仕事』 平凡社、1999年、p176、178-183、中原洲一『父・中原淳一』 中央公論社、1987年、p174、175
  155. ^ 中国新聞 | 生きて | 人形作家 辻村寿三郎さん <12> 一葉と鏡花 文学座アトリエで上演
  156. ^ 週刊現代 賢者の知恵大研究シリーズ 人生、最期が肝心 死に損なわないために

出典(リンク)

[編集]

評伝

[編集]

参考文献

[編集]

参考ウェブサイト

[編集]

外部リンク

[編集]