国鉄ホキ3500形貨車
国鉄ホキ3500形貨車 | |
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ホキ3500形ホキ3586(廃車後) 1996年(平成8年)5月4日 猿岩駅 | |
基本情報 | |
車種 | ホッパ車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道 |
所有者 | 東京都水道局、日立セメント、日本セメント、電源開発、小野田セメント、大阪窯業セメント、敦賀セメント |
製造所 | 日本車輌製造、汽車製造、日立製作所、新潟鐵工所、川崎車輛、東洋工機、協三工業 |
製造年 | 1963年(昭和38年)* |
製造数 | 279両 |
消滅 | 1996年(平成8年) |
常備駅 | 高麗川駅、日立駅、香春駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | セメント |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 9,600 mm - 10,400 mm |
全幅 | 2,596 mm - 2,650 mm |
全高 | 3,705 mm |
ホッパ材質 |
普通鋼 (一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 30 t |
実容積 | 23.1 m3 - 31.5 m3 |
自重 | 15.3 t - 17.0 t |
換算両数 積車 | 4.5 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C→TR41D-4 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 5,700 mm - 6,800 mm |
最高速度 | 75 km/h |
備考 | *称号規程変更年 |
国鉄ホキ3500形貨車(こくてつホキ3500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍したホッパ車である。
概要
[編集]本形式はセメント輸送用として1952年(昭和27年)から1960年(昭和35年)にかけて日本車輌製造、汽車製造、日立製作所、新潟鐵工所、川崎車輛、東洋工機、協三工業にて製作された30 t積の私有貨車である。
1952年(昭和27年)11月から12月にかけてタンク車扱いでタキ2200形6両(タキ2200 - タキ2205)が製作された。約1年後の1953年(昭和28年)9月12日のホッパ車の制定に伴いわが国初の有蓋ホッパ車としてホキ1形 (初代)(ホキ1 - ホキ6)に改番された。全車が改番されたため、タキ2200形は形式消滅となった。その後はホキ1形 (初代)として新たに248両が製作された(ホキ7 - ホキ94、ホキ1000 - ホキ1123、ホキ1128 - ホキ1160、ホキ2000 - ホキ2002)
1959年(昭和34年)10月31日にホキ4100形(初代)全車4両(ホキ4100 - ホキ4103)が車籍編入されホキ1124 - ホキ1127となった。同時にホキ4100形(初代)は、形式消滅となった。種車であるホキ4100 - ホキ4103は、日立製作所にて同年3月31日に落成し、ホキ4100形(初代)の形式存在期間は、わずか7ヶ月間であった。
1963年(昭和38年)7月26日に再び改番が行われ、ホキ1形 (初代)はホキ3500形(ホキ3501 - ホキ3758)と改められた。この際の附番方式はホキ1 - ホキ94が現番号+3500、ホキ1000 - ホキ1160が現番号+2595、ホキ2000 - ホキ2002が現番号+1756であった。このため「ホキ3500」は欠番となる。
その後も製作は継続され(ホキ3759 - ホキ3770)が完成し次に三岐鉄道からの車両10両(ホキ5001 - ホキ5003、ホキ6001 - ホキ6007)が車籍編入の際誤って同じ番号(ホキ3759 - ホキ3761、ホキ3762 - ホキ3768)を附番してしまい二車現存となってしまった。このため同時期に同じ番号の車がそれぞれ2両存在した。これらの車は約6年後の1977年(昭和52年)3月19日に、新番号(ホキ3771 - ホキ3773、ホキ3774 - ホキ3780)が与えられた。
以上合計279両(ホキ3501 - ホキ3726、ホキ3728 - ホキ3780)が製作(一部編入)された。(ホキ3500、ホキ3727は欠番)
荷役方式は上入れ・下出し式であり、荷下しは自重落下式であるが一部車両にはエアスライド式もある。
寸法関係は製造ロットによる多少の違いはあるが全長は9,600 mm - 10,400 mm、全高は3,705 mm、実容積は23.1 m3 - 31.5 m3、自重は15.3 t - 17.0 tで、換算両数は積車4.5、空車1.6である。台車はベッテンドルフ式のTR41である。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には15両(ホキ3507 - ホキ3509、ホキ3565 - ホキ3571、ホキ3573、ホキ3574、ホキ3651、ホキ3653、ホキ3654)の車籍がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点で現存していたが、1996年(平成8年)5月に15両一斉に廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数は次のとおりである。(所有者は落成時の社名。車番は製造当時の番号。)
- 昭和27年度 - 6両
- 日本車輛製造 2両 東京都水道局(タキ2200 - タキ2201→ホキ1 - ホキ2→ホキ3501 - ホキ3502)
- 汽車製造製 2両 東京都水道局(タキ2202 - タキ2203→ホキ3 - ホキ4→ホキ3503 - ホキ3504)
- 日立製作所 2両 東京都水道局(タキ2204 - タキ2205→ホキ5 - ホキ6→ホキ3505 - ホキ3506)
- 昭和28年度 - 20両
- 日立製作所 3両 日立セメント(ホキ7 - ホキ9→ホキ3507 - ホキ3509)
- 日立製作所 3両 東京都水道局(ホキ10 - ホキ12→ホキ3510 - ホキ3512)
- 汽車製造製 3両 東京都水道局(ホキ13 - ホキ15→ホキ3513 - ホキ3515)
- 日本車輛製造 3両 東京都水道局(ホキ16 - ホキ18→ホキ3516 - ホキ3518)
- 日本車輛製造 8両 日本セメント(ホキ19 - ホキ26→ホキ3519 - ホキ3526)
- 昭和29年度 - 30両
- 日立製作所 10両 電源開発(ホキ27 - ホキ36→ホキ3527 - ホキ3536)
- 新潟鐵工所 10両 電源開発(ホキ37 - ホキ46→ホキ3537 - ホキ3546)
- 川崎車輛 10両 電源開発(ホキ47 - ホキ56→ホキ3547 - ホキ3556)
- 昭和30年度 - 12両
- 日本車輛製造 5両 日本セメント(ホキ57 - ホキ61→ホキ3557 - ホキ3561)
- 汽車製造製 3両 日本セメント(ホキ62 - ホキ64→ホキ3562 - ホキ3564)
- 日立製作所 4両 日立セメント(ホキ65 - ホキ68→ホキ3565 - ホキ3568)
- 昭和31年度 - 6両
- 日立製作所 6両 日立セメント(ホキ69 - ホキ74→ホキ3569 - ホキ3574)
- 昭和32年度 - 98両
- 東洋工機 20両 小野田セメント(ホキ75 - ホキ94→ホキ3575 - ホキ3594)
- 日本車輛製造 20両 電源開発(ホキ1000 - ホキ1019→ホキ3595 - ホキ3614)
- 新潟鐵工所 20両 電源開発(ホキ1020 - ホキ1039→ホキ3615 - ホキ3634)
- 日立製作所 23両電源開発(ホキ1040 - ホキ1054→ホキ3635 - ホキ3649)
- 川崎車輛 15両 電源開発(ホキ1061 - ホキ1075→ホキ3656 - ホキ3670)
- 日立製作所 23両 大阪窯業セメント(ホキ1076 - ホキ1083→ホキ3671 - ホキ3678)
- 昭和33年度 - 26両
- 協三工業 6両 日立セメント(ホキ1055 - ホキ1060→ホキ3650 - ホキ3655)
- 日立製作所 20両 電源開発(ホキ1084 - ホキ1103→ホキ3679 - ホキ3698)
- 昭和34年度 - 28両
- 日立製作所 20両 電源開発(ホキ1104 - ホキ1123→ホキ3699 - ホキ3718)
- 4両 大阪窯業セメント(ホキ1124 - ホキ1127、ホキ4100形貨車 (初代)(ホキ4100 - ホキ4103)より改番→ホキ3719 - ホキ3722)
- 日立製作所 4両 大阪窯業セメント(ホキ1128 - ホキ1131→ホキ3723 - ホキ3726)
- 昭和35年度 - 3両
- 東洋工機 3両 小野田セメント(ホキ2000 - ホキ2002→ホキ3756 - ホキ3758)
- 昭和36年度 - 20両
- 日立製作所 20両 大阪窯業セメント(ホキ1133 - ホキ1152→ホキ3728 - ホキ3747)
- 昭和37年度 - 8両
- 汽車製造 8両 敦賀セメント(ホキ1153 - ホキ1160→ホキ3748 - ホキ3755)
- 昭和38年度 - 10両
- 日本車輛製造 10両 敦賀セメント(ホキ3759a - ホキ3768a)
- 昭和39年度 - 2両
- 日本車輛製造 2両 敦賀セメント(ホキ3769 - ホキ3770)
- 昭和46年度 - 10両
- 10両 小野田セメント(ホキ3759b - ホキ3768b、三岐鉄道からの編入車)
- 昭和51年度 - 10両
- 10両 小野田セメント(ホキ3771 - ホキ3780、ホキ3759b - ホキ3768bの改番)
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』(ネコ・パブリッシング、1997年)ISBN 978-4-7770-0583-3
- 南野哲志・加納俊彦『RM LIBRARY62 三岐鉄道の車輛たち-開業からの50年-』(ネコ・パブリッシング、2004年)ISBN 4-7770-5068-8
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
- 吉岡心平『RM LIBRARY 140 有蓋ホッパ車のすべて(上)』(ネコ・パブリッシング、2011年)ISBN 978-4-7770-5306-3
- 吉岡心平『RM LIBRARY 141 有蓋ホッパ車のすべて(下)』(ネコ・パブリッシング、2011年)ISBN 978-4-7770-5307-0