国鉄タキ10450形貨車
国鉄タキ10450形貨車 | |
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国鉄タキ10450形、アコタキ10463 1987年3月28日、佐倉駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 日産化学工業、三菱化学、宇部興産、住友化学工業、日本水素工業→日本化成、旭化成工業 |
製造所 | 日立製作所、富士車輌、川崎重工業、三菱重工業、日本車輌製造 |
製造年 | 1968年(昭和43年) - 1974年(昭和49年) |
製造数 | 24両 |
消滅 | 2009年(平成21年) |
常備駅 | 速星駅、黒崎駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 銀 |
専用種別 | 濃硝酸 |
化成品分類番号 | 侵(禁水)84 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 10,200 mm |
全幅 | 2,590 mm |
全高 | 3,860 mm |
タンク材質 | アルミニウム |
荷重 | 35 t →32 t |
実容積 | 23.3 m3 |
自重 | 14.6 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR41C→TR41DS-12、TR41E-12 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 6,400 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ10450形貨車(こくてつタキ10450がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]本形式はタキ7500形の後継車として1968年(昭和43年)4月26日より1974年(昭和49年)3月20日にかけて24両(アコタキ10450 - アコタキ10473)が日立製作所、富士車輌、川崎重工業、三菱重工業、日本車輌製造の5社にて製造された35t積(後に32t積)の濃硝酸専用のタンク車である。
タンク体は腐食防止のため、純アルミ製であり、「純アルミ」「連結注意」と表記される。
記号番号表記は特殊標記符号「アコ」(純アルミ製タンク車、全長 12 m 以下)を前置し「 アコタキ」と標記する。
落成時の所有者は日産化学工業、宇部興産、住友化学工業、日本水素工業(後に日本化成に社名変更)、旭化成工業の5社であり、それぞれの常備駅は速星駅、宇部港駅、桜島駅、宮下駅、南延岡駅であった。
1974年(昭和49年)1月17日に住友化学工業所有車4両(アコタキ10458 - アコタキ10461)が日本石油輸送へ名義変更された。
1973年(昭和48年)頃に濃硝酸専用タンク車の発煙・滴下事故が多発したため、1974年(昭和49年)に保安対策による荷重見直しを行い、35t積から32t積に変更された。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。
塗色は銀色であり、全長は10,200 mm、全幅は2,590 mm、全高は3,860 mm、台車中心間距離は6,400 mm、実容積は23.3 m3、自重は14.6 t、換算両数は積車5.0、空車1.4、最高運転速度は75 km/h、台車はベッテンドルフ式で、アコタキ10450 - アコタキ10466は板ばね式のTR41Cであったが、後にコイルばね式のTR41DS-12に改造されている。アコタキ10467以降は製造時からコイルばね式のTR41E-12である。更にその後、三菱化学が所有する一部の車両は他車から転用したTR225へ換装した車両もあった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(24両)の車籍がJR貨物に継承されたが、1990年(平成2年)にタキ10462が事故廃車され、1995年(平成7年)度末時点では23両が現存していたが、1998年(平成10年)度から淘汰が始まり、その後は老朽化や輸送体系の変化により、廃車が進み、2009年(平成21年)度に形式消滅した。
改造
[編集]アコタキ10453、アコタキ10461は保冷のために遮熱用の外板(キセ)を取り付ける改造を受けている。
アコタキ10461は1974年(昭和49年)に日立製作所にて改造を受けた。当初は4両(アコタキ10458 - アコタキ10461)が改造を受ける予定となっていたが、実際に改造されたのはアコタキ10461のみである。アコタキ10453はJR化後に改造された。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和43年度 - 8両
- 日立製作所 4両 日産化学工業(アコタキ10450 - アコタキ10453)
- 富士車輌 4両 宇部興産(アコタキ10454 - アコタキ10457)
- 昭和44年度 - 3両
- 日立製作所 3両 住友化学工業(アコタキ10458 - アコタキ10460)
- 昭和45年度 - 1両
- 日立製作所 1両 住友化学工業(アコタキ10461)
- 昭和46年度 - 3両
- 川崎重工業 3両 日本水素工業(アコタキ10462 - アコタキ10464)
- 昭和47年度 - 1両
- 三菱重工業 1両 旭化成工業(アコタキ10465)
- 昭和48年度 - 8両
- 日本車輌製造 1両 宇部興産(アコタキ10466)
- 川崎重工業 3両 日本化成(アコタキ10467 - アコタキ10469)
- 川崎重工業 2両 日本化成(アコタキ10470 - アコタキ10471)
- 三菱重工業 2両 旭化成工業(アコタキ10472 - アコタキ10473)
ギャラリー
[編集]-
国鉄タキ10450形、アコタキ10469
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平「プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)」2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車―技術発達史』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)