国鉄タキ8100形貨車
国鉄タキ8100形貨車 | |
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タキ8100形、コタキ8102、 1994年6月24日、東港駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 三菱化成工業→三菱化成→三菱化学、旭化成工業、日産化学工業、日本石油輸送、新日本窒素肥料、宇部興産、日本水素工業→日本化成 |
製造所 |
新三菱重工業、日立製作所、 富士重工業 |
製造年 | 1960年(昭和35年) - 1970年(昭和45年) |
製造数 | 54両 |
消滅 | 2005年(平成17年) |
常備駅 | 黒崎駅、速星駅、宇部港駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 銀色(ステンレス地色) |
専用種別 | 希硝酸 |
化成品分類番号 | 侵81 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 9,500 mm - 9,600 mm |
全幅 | 2,535 mm |
全高 | 3,748 mm |
タンク材質 | ステンレス鋼 |
荷重 | 30 t |
実容積 | 21.6 m3 - 23.0 m3 |
自重 | 15.0 t |
換算両数 積車 | 4.5 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C、TR41D-4 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 5,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ8100形貨車(こくてつタキ8100がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]本形式は、希硝酸専用の30t 積タンク車として1960年(昭和35年)3月31日から1970年(昭和45年)9月29日にかけて54両(コタキ8100 - コタキ8149 ,コタキ28100 - コタキ28103)が、新三菱重工業(社名はその後三菱重工業に変更)、日立製作所、富士重工業の3社で製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
本形式の他に希硝酸を専用種別とする形式には、タ2100形、タム2100形、タム5500形、タサ3300形、タキ10700形、タキ10950形、タキ12050形の7形式があった。
落成時の所有者は、三菱化成工業(その後三菱化学へ社名変更)、旭化成工業、日産化学工業、日本石油輸送、新日本窒素肥料(現在のチッソ)、宇部興産、日本水素工業(その後日本化成へ社名変更)の7社であった。
1974年(昭和38年)5月10日に日本石油輸送所有車3両(コタキ8114 - コタキ8116)が住友化学工業へ、1974年(昭和49年)4月26日に三菱化成工業所有車1両(コタキ8106)が日本化成へ、1975年(昭和50年)7月28日にチッソ所有車1両(コタキ8117)が藤本産業へ、更に同車は1979年(昭和54年)12月1日に旭化成工業へ、1978年(昭和53年)9月19日から1984年(昭和59年)8月30日にかけて旭化成工業所有車4両(コタキ8148 - コタキ8149 ,コタキ28100 - コタキ28102)が日本陸運産業へ、それぞれ名義変更された。
1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、侵81(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。
ステンレス鋼(SUS304)製のタンク体を持ち荷役方式は、タンク上部のマンホールからの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。液出管と空気管はS字管を装備している。
車体色は銀色(ステンレス地色)、寸法関係はロットによる差異があり以下一例を示す。全長は9,500 - 9,600mm、全幅は2,535mm、全高は3,748mm、台車中心間距離は5,500mm、実容積は21.6 - 23.0m3、自重は14.0t、換算両数は積車4.5、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41D-4である。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には50両の車籍がJR貨物に承継されたが、1998年(平成10年)度から淘汰が始まり、2005年(平成17年)度に最後まで在籍した14両(コタキ8108 ,コタキ8109 ,コタキ8119 ,コタキ8120 ,コタキ8123 ,コタキ8127 ,コタキ8135 - コタキ8141 ,コタキ8143)が廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和34年度 - 1両
- 新三菱重工業 1両 三菱化成工業(コタキ8100)
- 昭和35年度 - 7両
- 新三菱重工業 1両 三菱化成工業(コタキ8101)
- 新三菱重工業 2両 三菱化成工業(コタキ8102 - コタキ8103)
- 新三菱重工業 1両 旭化成工業(コタキ8104)
- 新三菱重工業 1両 三菱化成工業(コタキ8105)
- 新三菱重工業 2両 三菱化成工業(コタキ8106 - コタキ8107)
- 昭和36年度 - 9両
- 新三菱重工業 2両 三菱化成工業(コタキ8108 - コタキ8109)
- 日立製作所 2両 日産化学工業(コタキ8110 - コタキ8111)
- 新三菱重工業 1両 旭化成工業(コタキ8112)
- 日立製作所 1両 日産化学工業(コタキ8113)
- 日立製作所 3両 日本石油輸送(コタキ8114 - コタキ8116)
- 昭和37年度 - 1両
- 新三菱重工業 1両 新日本窒素肥料(コタキ8117)
- 昭和38年度 - 3両
- 新三菱重工業 2両 三菱化成工業(コタキ8118 - コタキ8119)
- 新三菱重工業 1両 新日本窒素肥料(コタキ8120)
- 昭和39年度 - 3両
- 三菱重工業 1両 三菱化成工業(コタキ8121)
- 富士重工業 2両 日産化学工業(コタキ8122 - コタキ8123)
- 昭和40年度 - 2両
- 日立製作所 2両 日産化学工業(コタキ8124 - コタキ8125)
- 昭和41年度 - 2両
- 富士重工業 2両 日産化学工業(コタキ8126 - コタキ8127)
- 昭和42年度 - 20両
- 日立製作所 2両 日産化学工業(コタキ8128 - コタキ8129)
- 富士重工業 2両 日産化学工業(コタキ8130 - コタキ8131)
- 日立製作所 1両 日産化学工業(コタキ8132)
- 日立製作所 1両 日産化学工業(コタキ8133)
- 日立製作所 1両 日産化学工業(コタキ8134)
- 富士重工業 5両 日産化学工業(コタキ8135 - コタキ8139)
- 富士重工業 5両 日産化学工業(コタキ8140 - コタキ8144)
- 富士重工業 1両 宇部興産(コタキ8145)
- 三菱重工業 2両 三菱化成工業(コタキ8146 - コタキ8147)
- 昭和45年度 - 6両
- 三菱重工業 1両 旭化成工業(コタキ8148)
- 三菱重工業 1両 旭化成工業(コタキ8149)
- 三菱重工業 2両 旭化成工業(コタキ28100 - コタキ28101)
- 三菱重工業 1両 旭化成工業(コタキ28102)
- 三菱重工業 1両 日本水素工業(コタキ28103)
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)