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国鉄タキ8850形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ8850形貨車
国鉄タキ8850形タキ8853 1992年11月22日、川崎貨物駅
国鉄タキ8850形タキ8853
1992年11月22日、川崎貨物駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道
所有者 住友ノーガタックダイセル化学工業日本石油輸送、旭ダウ→旭化成工業
製造所 日本車輌製造三菱重工業
製造年 1967年(昭和42年) - 1974年(昭和49年)
製造数 5両
種車 タキ1500形
改造所 富士重工業、日本車輌製造
改造年 1981年(昭和56年) - 1983年(昭和58年)
改造数 16両
消滅 2003年(平成15年)
常備駅 新居浜駅千鳥町駅南四日市駅
主要諸元
車体色 、銀
専用種別 ラテックス
化成品分類番号 なし
軌間 1,067 mm
全長 14,200 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,803 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 35 t
実容積 37.2 m3
自重 17.2 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C、TR41E-13
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 10,100 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ8850形貨車(こくてつタキ8850がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要

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本形式は、ラテックス専用の35t 積タンク車として1967年(昭和42年)9月1日から1974年(昭和49年)6月5日にかけて5両(タキ8850 - タキ8854)が、日本車輌製造三菱重工業の2社で製作された。その後1981年(昭和56年)3月31日から1983年(昭和58年)6月17日にかけてタキ1500形貨車16両(タキ31584、タキ31586、タキ31592、タキ15344、タキ15347、タキ15596、タキ15590、タキ15597、タキ15599、タキ21504 - タキ21506、タキ21508、タキ21551、タキ21554、タキ21562)の専用種別が石油類(除ガソリン)からラテックスに変更され本形式に編入された。専用種別変更に伴う改造工事は、富士重工業日本車輌製造の2社で施工されタンク体をステンレス鋼(SUS304L)にて新製し乗せ換えた。

落成時の所有者は、住友ノーガタックダイセル化学工業日本石油輸送の3社であり、その各々の主な常備駅は、予讃線新居浜駅信越本線(現・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)の新井駅関西本線南四日市駅である。

1973年(昭和48年)11月6日に住友ノーガタック所有車3両(タキ8850 - タキ8852)が日本石油輸送へ名義変更された。

1980年(昭和55年)4月15日にダイセル化学工業所有車2両(タキ8853 - タキ8854)が旭ダウ(社名はその後旭化成工業へ変更)へ名義変更された。

1983年(昭和58年)1月12日(落成日と同日)に日本石油輸送所有車1両(タキ8860)が旭化成工業へ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号が制定されたが、本形式の専用種別であるラテックスは無害・不燃性の物質であるため、化成品分類番号は標記されなかった。

形態は5タイプに大別でき、タンク体材質はステンレス鋼 (SUS304) 製であり、グラスウール断熱材を巻き鋼板製又はステンレス鋼製の外板(キセ)を装備している。

荷役方式は、タンク上部のマンホールからの上入れ、吐出管を用いた下出し方式である。

車体色は黒色又は銀色(ステンレス地色)、寸法関係は全長は14,200mm、全幅は2,500mm、全高は3,803mm、台車中心間距離は10,100mm、実容積は37.2m3、自重は17.2t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41E-13であった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車がJR貨物に継承されたが、2003年(平成15年)12月に最後まで在籍した4両(タキ8861、タキ8862、タキ8866、タキ8869)が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数

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各年度による製造会社(改造会社)と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和42年度 - 3両
    • 日本車輌製造 3両 住友ノーガタック(タキ8850 - タキ8852)
  • 昭和49年度 - 2両
    • 三菱重工業 2両 ダイセル化学工業(タキ8853 - タキ8854)
  • 昭和55年度 - 3両
    • (富士重工業) 3両 日本石油輸送(タキ31584、タキ31586、タキ31592→タキ8855 - タキ8857)
  • 昭和56年度 - 2両
    • (富士重工業) 2両 日本石油輸送(タキ15344、タキ15347→タキ8858 - タキ8859)
  • 昭和57年度 - 8両
    • (富士重工業) 1両 日本石油輸送(タキ15596→タキ8860)
    • (日本車輌製造) 4両 日本石油輸送(タキ15590、タキ15597、タキ15599、タキ21504→タキ8861 - タキ8864)
    • (日本車輌製造) 3両 日本石油輸送(タキ21505、タキ21506、タキ21508→タキ8865 - タキ8867)
  • 昭和58年度 - 3両
    • (日本車輌製造) 3両 日本石油輸送(タキ21551、タキ21554、タキ21562→タキ8868 - タキ8870)

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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