国鉄タサ4500形貨車
国鉄タサ4500形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 電気化学工業、日本合成化学工業、昭和電工、徳山石油化学 |
製造所 | 日立製作所、三菱重工業、富士重工業 |
製造年 | 1960年(昭和35年) - 1964年(昭和39年) |
製造数 | 10両 |
消滅 | 1990年(平成2年) |
常備駅 | 周防富田駅→新南陽駅、扇町駅、東水島駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 酢酸ビニール |
化成品分類番号 | 燃31 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 11,200 mm |
全幅 | 2,330 mm |
全高 | 3,863 mm |
タンク材質 | ステンレス鋼 |
荷重 | 20 t |
実容積 | 21.5 m3 - 21.0 m3 |
自重 | 16.1 t - 17.2 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.8 |
台車 | TR41 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 7,100 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タサ4500形貨車(こくてつタサ4500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]本形式は、酢酸ビニール専用の 20t 積タンク車として1957年(昭和32年)9月5日から1964年(昭和39年)10月30日にかけて5ロット10両(コタサ4500 - コタサ4509)が日立製作所、三菱重工業、富士重工業の3社で製作された。記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタサ」と標記する。
本形式の他に酢酸ビニール専用種別とする形式は、タキ3700形(76両)、タキ8700形(27両)、タキ16200形(10両)の3形式が存在した。
落成時の所有者は、電気化学工業、日本合成化学工業、昭和電工の3社であった。
その後、昭和電工所有車2両(コタサ4504・コタサ4505)は、1969年(昭和44年)1月14日に徳山石油化学へ名義変更された。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。
タンク体は積荷の純度保持のためステンレス鋼(SUS27、現在のSUS304)製であり、保冷のため断熱材を巻き薄板製のキセ(外板)が設置されている。
荷役方式は、積込はドーム上部にある積込口から行い、荷卸しは液出入管と空気加圧による上出し方式である。車両によっては、両管にS字管を装備していた。
全長は11,200 mm、全幅は2,330 mm、全高は3,863 mm、台車中心間距離は7,100 mm、実容積は21.5 m3 - 21.0 m3、自重は16.1 t - 17.2 t、換算両数は積車4.0、空車1.8、台車は、ベッテンドルフ式のTR41であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には4両(コタサ4504 - コタサ4507)がJR貨物に継承されたが、最後まで在籍した2両(コタサ4504・コタサ4505)が1990年(平成2年)8月に廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和32年度 - 3両
- 日立製作所 3両 電気化学工業(コタサ4500 - コタサ4502)
- 昭和34年度 - 3両
- 三菱重工業 1両 日本合成化学工業(コタサ4503)
- 日立製作所 2両 昭和電工(コタサ4504・コタサ4505)
- 昭和35年度 - 3両
- 日立製作所 3両 昭和電工(コタサ4506 - コタサ4508)
- 昭和39年度 - 1両
- 富士重工業 1両 電気化学工業(コタサ4509)
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)