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国鉄タキ300形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ300形貨車
タキ300形、コタキ4492 1992年6月19日、大牟田駅
タキ300形、タキ4492
1992年6月19日、大牟田駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
日本貨物鉄道
製造所 日本車輌製造新潟鐵工所日立製作所三菱重工業川崎車輛汽車製造富士重工業飯野重工業造機車輌帝國車輛工業富士車輌
製造年 1932年昭和7年) - 1976年(昭和51年)
製造数 469両
改造数 14両
消滅 2007年平成19年)
常備駅 敦賀駅神岡鉱山前駅日立駅
主要諸元
車体色
専用種別 濃硫酸、濃硫酸及び発煙硫酸
化成品分類番号 侵(禁水)84
軌間 1,067 mm
全長 9,000 mm
全幅 2,720 mm
全高 3,471 mm
タンク材質 普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重 30 t
実容積 16.2 m3 - 19.0 m3
自重 13.8 t - 17.5 t
換算両数 積車 4.5
換算両数 空車 2.0
台車 TR41C、TR41D-4
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 4,900 mm
最高速度 75 km/h
備考 *上記寸法類は一例である
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国鉄タキ300形貨車(こくてつタキ300がたかしゃ)は、かつて鉄道省日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式から改造され別形式となったタム7800形タサ4600形についても本項目で解説する。

タキ300形

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タキ300形濃硫酸及び発煙硫酸専用の30t積タンク車として1932年(昭和7年)6月4日から1976年(昭和51年)12月10日にかけて483両(タキ300 - タキ399、タキ1300 - タキ1306、タキ1311 - タキ1399、タキ4300 - タキ4586)が日本車輌製造新潟鐵工所日立製作所三菱重工業川崎車輛汽車製造富士重工業飯野重工業造機車輌帝國車輛工業富士車輌の11社で製作された。この内14両は他形式(シキ150形(シキ151→タキ1305 - タキ1306)、タキ1700形タキ1700、タキ1713 - タキ1715、タキ1723、タキ1718、タキ1710、タキ1706)→タキ4423 - タキ4427、タキ4580 - タキ4582)、タキ6000形タキ6000 - タキ6001→タキ4437 - タキ4438)、タ580形(タ1580・タ1581→タキ4473・タキ4474))からの改造編入車である。この製造期間は日本のタンク車では最長記録である。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タム400形(418両)、タキ4000形(351両)、タキ5750形(500両)、タキ46000形(71両)等実に21形式が存在した。

ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で荷役方式はタンク上部のマンホール又は積込口からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。

車体色は黒色、寸法関係は長期間に渡る製作期間のため様々であるが一例として全長は9,000mm、全幅は2,720mm、全高は3,471mm、台車中心間距離は4,900mm、実容積は16.2m3 - 19.0m3、自重は13.8t - 17.5t、換算両数は積車4.5、空車2.0であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41D-4である。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には275両の車籍がJR貨物に継承され、1995年平成7年)度末時点では35両が現存していたが、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した3両(タキ4523、タキ4581、タキ4582)が廃車となり同時に形式消滅となった。

タム7800形

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1961年(昭和36年)7月17日に1両(タキ4369)の専用種別変更(濃硫酸→フタル酸ジオクチル)が行われ、形式名は新形式であるタム7800形(タム7801)とされた。約2か月後の9月15日に2両(タキ4343、タキ4370)の追加改造工事が行われ、合計3両がタム7800形(タム7800 - タム7802)として落成した。

本形式の他にフタル酸ジオクチルを専用種別とする形式には、タ3000形(2代)(8両)、タキ5950形(3両)の2形式が存在した。

所有者新日本窒素肥料(社名は1965年(昭和40年)1月30日にチッソへ変更された)のみであり、その常備駅は鹿児島本線(現在の肥薩おれんじ鉄道線)の水俣駅であった。

1984年(昭和59年)10月31日に最後まで在籍した2両(タム7800・タム7801)が廃車となり同時に形式消滅となった。

タサ4600形

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1959年(昭和34年)9月14日に1両(タキ4375)の専用種別変更(濃硫酸→アクリルニトリル)が行われ、形式名は新形式であるタサ4600形タサ4600)とされた。翌年2月13日に、1両(タキ4376)の追加改造工事が行われ、合計2両がタサ4600形(タサ4600・タサ4601)として落成した。記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タサ」と標記する。

本形式の他にアクリルニトリルを専用種別とする形式は、タ3800形(2両)、タム6900形(7両)、タキ6900形(45両)の3形式があった。

所有者は日東化学工業のみであり、その常備駅は東海道本線貨物支線(通称、高島線)の新興駅であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号燃毒36」(燃焼性の物質、毒性の物質、引火性液体、酸化性または反対性のあるもの)が標記された。

1986年(昭和61年)10月31日に2両そろって廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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