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国鉄タキ2800形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タサ4900形貨車から転送)
国鉄タキ2800形貨車
東亞合成 コタキ2816
東亞合成 コタキ2816
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 鉄興社東亞合成化学工業宇部曹達工業旭硝子呉羽化学工業大阪曹達、新日化産業、徳山曹達東洋曹達工業関東電化工業大日本紡績日本カーバイド工業北海道曹達、錦商事、旭興業、日本レイヨン信越化学工業大和紡績旭化成工業、三井化学→三井東圧化学旭電化工業、日新興業、三井物産、山陽パルプ→山陽国策パルプ、田中藍、電気化学工業
製造所 日立製作所汽車製造三菱重工業日本車輌製造飯野重工業造機車輌富士重工業新潟鐵工所川崎車輛
製造年 1953年昭和28年) - 1966年(昭和41年)
種車 タキ400形タキ1400形
消滅 2007年平成19年)
常備駅 酒田港駅勿来駅周防富田駅
主要諸元
車体色
専用種別 カセイソーダ
化成品分類番号 81
軌間 1,067 mm
全長 9,700 mm
全幅 2,531 mm
全高 3,637 mm
タンク材質 普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重 30 t
実容積 20.0 m3 - 23.0 m3
自重 16.3 t - 18.7 t
換算両数 積車 4.5
換算両数 空車 1.6
台車 TR41、TR41A、TR41C、TR41D-2、TR41D-4
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 5,600 mm - 6,550 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ2800形貨車(こくてつタキ2800がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式から改造され別形式となったタサ4900形についても本項目で解説する。

タキ2800形

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タキ2800形は、カセイソーダ液専用の30t 積タンク車として1953年(昭和28年)6月24日から1966年(昭和41年)1月25日にかけて332両(タキ2800 - タキ2912、タキ2915 - タキ2999、タキ12800 - タキ12884、タキ12887、タキ12889 - タキ12936)が日立製作所汽車製造三菱重工業日本車輌製造飯野重工業造機車輌富士重工業新潟鐵工所川崎車輛の9社にて製作された。この332両の内には多数の他形式(タキ400形タキ1400形)からの改造編入車が含まれている。また逆に本形式から多数の車が種車となり他形式(タサ4900形(後述)、タキ200形タキ2600形タキ6700形タキ8050形タキ9150形)に改造された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式の他にカセイソーダ液を専用種別とする貨車はタム900形(130両)、タキ1400形(104両)、タキ2600形(523両)、タキ7750形(289両)等実に29形式が存在した。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号81」(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。

落成時の所有者は、鉄興社東亞合成化学工業宇部曹達工業旭硝子呉羽化学工業大阪曹達、新日化産業、徳山曹達東洋曹達工業関東電化工業大日本紡績日本カーバイド工業北海道曹達、錦商事、旭興業、日本レイヨン信越化学工業大和紡績旭化成工業、三井化学(その後三井東圧化学へ社名変更)、旭電化工業、日新興業、三井物産、山陽パルプ(その後山陽国策パルプへ社名変更)、田中藍、電気化学工業の26社であった。

ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で内部に純度保持のためのエポキシ樹脂塗装が施され、断熱材を巻きキセ(外板)を装備した。荷役方式はタンク上部のマンホールからの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式であり、両管はS字管を装備している。

車体色は黒色、寸法関係は全長は9,700mm、全幅は2,531mm、全高は3,637mm、台車中心間距離は5,600mm - 6,550mm、実容積は20.0m3 - 23.0m3、自重は16.3t - 18.7t、換算両数は積車4.5、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41、TR41A、TR41Cと、平軸受・コイルばね式のTR41D-2、TR41D-4である。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には93両の車籍がJR貨物に継承され、1995年平成7年)度末時点で10両(タキ2816、タキ2824、タキ2866 - タキ2868、タキ2953、タキ2991、タキ12801、タキ12884、タキ12904)が現存していたが、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した1両(タキ2824)が廃車となり同時に形式消滅となった。

タサ4900形

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国鉄タサ4900形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 呉羽化学工業
種車 タキ2800形
改造年 1966年(昭和41年)
改造数 1両
消滅 1973年(昭和48年)
常備駅 勿来駅
主要諸元
車体色
専用種別 サラシ液
化成品分類番号 制定前に形式消滅
軌間 1,067 mm
全長 9,200 mm
全幅 2,400 mm
全高 3,722 mm
タンク材質 普通鋼(一般構造用圧延鋼材)
荷重 23 t
実容積 20.1 m3
自重 16.5 t
換算両数 積車 4.0
換算両数 空車 1.6
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 5,300 mm
最高速度 75 km/h
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1966年(昭和41年)2月28日にタキ2800形より1両(タキ2825)の専用種別が「サラシ液」に変更され、記号番号は新形式名であるタサ4900形タサ4900)とされた。その後本形式は増備されることなく1形式1両の存在であった。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タサ」と標記する。

本形式の他にサラシ液を専用種別とする形式には、タ4100形(3両)、タラ600形(2両)、タラ700形(2両)、タキ4900形(1両)、タキ4950形(4両)、タキ8050形(1両)、タキ16100形(4両)、タキ18500形(6両)の8形式があった。

所有者は、呉羽化学工業であり、常備駅は常磐線勿来駅であった。

車体色は黒色、寸法関係は全長は9,200mm、全幅は2,400mm、全高は3,722mm、台車中心間距離は5,300mm、実容積は20.1m3、自重は16.5t、換算両数は積車4.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。

改造より約8年後の1973年(昭和48年)10月2日に廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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