国鉄タキ3500形貨車
国鉄タキ3500形貨車 | |
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タキ3500形タキ3591 1992年10月11日、川崎貨物駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 内外輸送、協和醗酵工業 |
製造所 | 新潟鐵工所、造機車輌、富士重工業、汽車製造、川崎車輛、舞鶴重工業 |
製造年 | 1954年(昭和29年) - 1964年(昭和39年) |
製造数 | 179両 |
消滅 | 1999年(平成11年) |
常備駅 | 浮島町駅、防府駅、中条駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | アルコール |
化成品分類番号 | 燃31 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,600 mm |
全幅 | 2,450 mm |
全高 | 3,877 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 30 t |
実容積 | 37.5 m3 - 38.5 m3 |
自重 | 18.0 t - 19.8 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 2.0 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 9,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ3500形貨車(こくてつタキ3500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式と同一の専用種別であるタサ5000形についても本項目で解説する。
タキ3500形
[編集]タキ3500形は1954年(昭和29年)11月27日から1964年(昭和39年)9月4日にかけて179両(タキ3500 - タキ3599、タキ13500 - タキ13576)が新潟鐵工所、造機車輌、富士重工業、汽車製造、川崎車輛、舞鶴重工業にて製造又は改造編入されたアルコール専用の 30 t 積 貨車(タンク車)である。 うち2両(タキ3536、タキ3537)は1959年(昭和34年)11月18日に東急車輛製造にてタキ1500形(タキ15003 - タキ15004)から改造されタキ3500形に改造編入された車である。改造内容は加熱管と点検蓋を撤去した程度の最小限であった。
落成当時の所有者は、内外輸送、協和醗酵工業の2社であり、協和醗酵工業は1両(タキ3535)のみの所有であった。後年内外輸送所有車のうち12両(タキ3525 - タキ3534、タキ3536、タキ3537)が日本陸運産業へ名義変更された。
本形式の他にアルコールを専用種別とする形式にはタ2000形(3両)、タム8100形(11両)、タサ3000形(82両)、タサ3200形(3両)、タサ3500形(3両)、タサ5000形(1両、後述)、タキ500形(6両)、タキ600形(20両)、タキ7200形(8両)、タキ7250形(115両)、タキ13700形(30両)、タキ13800形(25両)の12形式があった。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。
所有者は大半が内外輸送(179両中178両)であったため、形態の変化の少ない形式である。キセ(外板)なしドーム付きタンク車であり、荷役方式はマンホールによる上入れ、吐出管による下出し式である。
塗色は、黒であり、全長は13,600mm、全幅は2,450mm、全高は3,877mm、台車中心間距離は9,500mm、実容積は37.5m3 - 38.5m3、自重は18.0t - 19.8t、換算両数は積車5.0、空車2.0、最高運転速度は75km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には111両がJR貨物に継承されたが、1988年(昭和63年)度から淘汰が始まり、1995年(平成7年)度末時点では18両が現存していたが、1999年(平成11年)4月に最後まで在籍した2両(タキ3540、タキ3597)が廃車になり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和29年度 - 4両
- 新潟鉄工所 2両 内外輸送(タキ3500 - タキ3501)
- 造機車輌 2両 内外輸送(タキ3502 - タキ3503)
- 昭和30年度 - 8両
- 造機車輌 8両 内外輸送(タキ3504 - タキ3511)
- 昭和31年度 - 2両
- 造機車輌 2両 内外輸送(タキ3512 - タキ3513)
- 昭和32年度 - 4両
- 造機車輌 4両 内外輸送(タキ3514 - タキ3517)
- 昭和33年度 - 2両
- 造機車輌 2両 内外輸送(タキ3518 - タキ3519)
- 昭和34年度 - 26両
- 富士重工業 11両 内外輸送(タキ3520 - タキ3522、タキ3538 - タキ3545)
- 造機車輌 2両 内外輸送(タキ3523 - タキ3524)
- 汽車製造 5両 内外輸送(タキ3525 - タキ3529)
- 川崎車輛 5両 内外輸送(タキ3530 - タキ3534)
- 富士重工業 1両 協和醗酵工業(タキ3535)
- 東急車輌(改造所) 2両 内外輸送(タキ3536、タキ3537 : タキ15003、タキ15004よりの改造年度、種車は昭和32年度 川崎車輌製)
- 昭和35年度 - 15両
- 富士重工業 13両 内外輸送(タキ3546 - タキ3558)
- 造機車輌 2両 内外輸送(タキ3559 - タキ3560)
- 昭和36年度 - 32両
- 富士重工業 30両 内外輸送(タキ3561 - タキ3575、タキ3578 - タキ3592)
- 造機車輌 2両 内外輸送(タキ3576 - タキ3577)
- 昭和37年度 - 28両
- 富士重工業 28両 内外輸送(タキ3593 - タキ3599、タキ13500 - タキ13520)
- 昭和38年度 - 30両
- 富士重工業 10両 内外輸送(タキ13521 - タキ13530、タキ13541 - タキ13558)
- 造機車輌 10両 内外輸送(タキ13531 - タキ13540)
- 舞鶴重工業 10両 内外輸送(タキ13559 - タキ13568)
- 昭和39年度 - 10両
- 舞鶴重工業 5両 内外輸送(タキ13569 - タキ13573)
- 富士重工業 5両 内外輸送(タキ13574 - タキ13578)
タサ5000形
[編集]国鉄タサ5000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 協和発酵工業 |
製造年 | 1960年(昭和35年) |
製造数 | 1両 |
消滅 | 1977年(昭和52年) |
常備駅 | 三田尻駅(現在の防府駅) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | アルコール |
化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 10,000 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 20 t |
実容積 | 25.5 m3 |
自重 | 15.5 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.8 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
最高速度 | 75 km/h |
タサ5000形は、アルコール専用の20t 積タンク車として1960年(昭和35年)1月30日に1両(コタサ5000)のみが製作された。記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタサ」と標記する。
所有者は、協和発酵工業であり山陽本線の三田尻駅(現在の防府駅)を常備駅として運用された。
塗色は、黒色、全長は10,000mm、実容積は25.5m3、自重は15.5t、換算両数は積車4.0、空車1.8、最高運転速度は75km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1977年(昭和52年)10月3日に廃車となり同時に形式消滅となった。
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- ネコ・パブリッシング「プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑」レイルマガジン 1997年6月号増刊
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)