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パウリウカの戦い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パウリウカの戦い
ロシアのウクライナ侵攻
2022年10月29日 - 11月14日
(2週2日間)
場所ウクライナの旗 ウクライナ
ドネツィク州パウリウカ[1]
結果 ロシアの勝利[2]
衝突した勢力
ロシアの旗 ロシア
ドネツク人民共和国の旗 ドネツク人民共和国
ウクライナの旗 ウクライナ
指揮官
ドネツク人民共和国の旗 アレクサンドル・ホダコフスキー[3] ウクライナの旗 アンドリー・ミヘイチェンコ[4]
部隊

ロシア海軍

ロシア陸軍

ドネツク民兵

ウクライナ陸軍

被害者数
101–300人以上死傷
(第155旅団)[9][10]
不明、甚大と推定

パウリウカの戦いは、2022年ロシアのウクライナ侵攻におけるロシア軍ウクライナ軍の軍事交戦である。ドネツィク州ヴォルノヴァーハ地区パウリウカ英語版ザポリージャ州でのロシアの攻勢が停滞した後の数か月間、活発な最前線となっていた。2022年10月29日朝、ロシア軍は同村に対して大規模攻勢を開始し[11][12]、伝えられるところでは11月14日にロシア軍によって制圧された[2]

背景

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パウリウカはドネツィク州中南部の重要な鉄道拠点であるヴフレダールのすぐ南に位置している。2022年ロシアのウクライナ侵攻の序盤、ロシア軍はヴォルノヴァーハを占領し(ヴォルノヴァーハの戦い)、ヴォルノヴァーハとマリウポリの間の広大な地域を強襲、北上し、パウリウカに到達することを可能にした[13]。ウクライナ軍はヴフレダールに撤退し、戦線はそれ以降停滞した。

6月21日、ウクライナ軍は局所的な反撃を開始し、最小限の犠牲でパウリウカを奪還した[14]。それ以来、ロシア軍は村の南郊外に侵入してはいたが、激しい戦闘は10月下旬まで起きなかった。反撃を指揮した上級中尉のアンドリー・ミヘイチェンコは、ロシア軍はその後数日で失われた陣地を取り戻そうと試みたが、最終的に撃退されたと主張した。

戦闘経過

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10月28日夜から29日にかけて、ロシア軍はヴフレダール南の小村パウリウカに大規模な攻勢を仕掛けた。攻勢中に街の南東部はロシア軍に占領され、村全域がウクライナ軍とロシア軍の交戦地域となった。親ロシア派の情報筋は、ロシアの村の支配地域は半分と主張する者もいれば村全域と主張する者もいるなど多岐に渡っていたが、当時これらの主張はいずれも独自に検証できなかった[15]。戦闘は11月1日に激化し、ウクライナ軍はカシュラハチ川付近のパウリウカ北部を防衛した。

11月3日、ロシア海軍第155親衛独立海軍歩兵旅団はパウリウカに向けて攻勢を開始し、多くの犠牲者を出した。旅団司令官は、同旅団の人員の10分の1超の300人が過去4日間で死傷したとして沿海地方知事に助けを求める動画を投稿した[16]。11月14日までに、ロシア軍はパウリウカを制圧したと伝えられている[2]。一部のロシア反体制派は、第115旅団のロシアの軍人120人のうちパウリウカの戦いを生き延びたのは19人と主張した[10]

分析

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11月27日、イギリス国防省は、ロシアとウクライナの双方がこの防衛区域にかなりの部隊を派遣しており、ロシアの海軍歩兵は大きな犠牲を出していると主張した。同省は、ドネツィク州に残るウクライナ支配地域を占領するための将来の大規模北上の出発点としてのポテンシャルがこの地域にあるとロシアは評価している可能性があるため、同地域は依然として激しい争奪戦となっていると主張した。しかしながら、同省はロシアが作戦上の躍進を達成するのに十分な質の高い部隊を集中させることができる可能性は低いと考えている[17]

脚注

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  1. ^ Офіційна сторінка Всеукраїнського перепису населення | Банк даних” [All-Ukrainian population census | Database] (ウクライナ語). ukrcensus.gov.ua. 20 November 2022閲覧。
  2. ^ a b c RUSSIAN OFFENSIVE CAMPAIGN ASSESSMENT, NOVEMBER 14
  3. ^ The Village of Pavlivka is A 'Furnace' Burning up Russian Marine Brigades”. Forbes. 2022年12月31日閲覧。
  4. ^ a b Gall, Carlotta; Lima, Mauricio (21 July 2022). “A Village Retaken, and a Confidence Boost for Ukraine's Troops”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2022/07/21/todayspaper/ukraine-russia-war.html 
  5. ^ Russian Offensive Campaign Assessment”. Institute for the Study of War. (n.d.). (November 3, 2022). December 5, 2022閲覧。
  6. ^ Russian Offensive Campaign Assessment”. Institute for the Study of War. (n.d.). (November 3, 2022). December 5, 2022閲覧。
  7. ^ a b c Российские войска устроили ВСУ сюрприз под Угледаром ブズグリャート
  8. ^ Galloway, Anthony (2022年11月27日). “In a foxhole with outnumbered and outgunned Ukrainian soldiers” (英語). シドニー・モーニング・ヘラルド. 2023年3月17日閲覧。
  9. ^ Russian Offensive Campaign Assessment, November 7. Institute for the Study of War. (n.d.). Retrieved December 5, 2022”. 2022年12月31日閲覧。
  10. ^ a b RUSSIAN OFFENSIVE CAMPAIGN ASSESSMENT, NOVEMBER 22
  11. ^ Бурдейна (2022年11月16日). “Окупанти закріплюються в Павлівці на Донеччині - карта” (ウクライナ語). StopCor. 2022年11月17日閲覧。
  12. ^ Илья Абишев (2022年10月15日). “Российские войска захватили Павловку ценой больших потерь. Зачем им это село?” (英語). bbc.com. BBC News Русская служба. 2022年10月20日閲覧。
  13. ^ Gall, Carlotta; Lima, Mauricio (2022年7月21日). “A Village Retaken, and a Confidence Boost for Ukraine's Troops” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2022/07/21/todayspaper/ukraine-russia-war.html 2022年12月12日閲覧。 
  14. ^ Gall, Carlotta; Lima, Mauricio (2022年7月21日). “A Village Retaken, and a Confidence Boost for Ukraine's Troops” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2022/07/21/todayspaper/ukraine-russia-war.html 2022年12月12日閲覧。 
  15. ^ Russian breakthrough unlikely at Vuhledar, south-central Donetsk Oblast - British Intelligence”. Euromaidan Press (November 27, 2022). December 12, 2022閲覧。
  16. ^ Russian marine says "deserting" Ukraine front line only way to stay alive” (英語). Newsweek (2022年11月23日). 2022年12月12日閲覧。
  17. ^ ??, M. of D. (2022, November 27). (1/4) the area around the towns of Pavlivka and Vuhledar in south-central Donetsk Oblast has been the scene of intense combat over the last two weeks, though little territory has changed hands. Twitter. Retrieved December 5, 2022”. 2022年12月31日閲覧。