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宮下一郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宮下 一郎
みやした いちろう
農林水産省より公表された肖像
2020年 撮影)
生年月日 (1958-08-01) 1958年8月1日(66歳)
出生地 日本の旗 日本 愛知県名古屋市[1]
出身校 東京大学経済学部経済学科
前職 住友銀行従業員[2]
防衛庁長官秘書官[2]
環境庁長官秘書官[2]
厚生大臣秘書官[2]
国会議員政策担当秘書[2]
所属政党 自由民主党安倍派→無派閥)
親族 父・宮下創平(厚生大臣)
公式サイト 衆議院議員宮下一郎公式Webサイト | 危機を乗り越え日本を元気に

内閣 第2次岸田第2次改造内閣
在任期間 2023年9月13日 - 2023年12月14日

選挙区 長野県第5区
当選回数 7回
在任期間 2003年 - 2009年
2012年12月18日[3] - 現職
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宮下 一郎(みやした いちろう、1958年昭和33年〉8月1日 - )は、日本政治家自由民主党所属の衆議院議員(7期)、自由民主党長野県支部連合会長[4]

農林水産大臣(第68代)、内閣府副大臣第4次安倍第2次改造内閣)、財務副大臣第2次安倍改造内閣第3次安倍内閣)、財務大臣政務官第1次安倍改造内閣福田康夫内閣)、衆議院財務金融委員長自由民主党政務調査会会長代理、同政務調査会農林部会長、同経済成長戦略本部事務局長、同組織運動本部副本部長、同政務調査会副会長、同政務調査会経済産業部会長などを歴任[1][2][5][6]

父は厚生大臣環境庁長官防衛庁長官を務めた宮下創平[7]

来歴

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愛知県名古屋市出身(現住所は長野県伊那市[8][1]東京都立戸山高等学校を経て、1983年東京大学経済学部経済学科卒業。住友銀行に入行。

1991年に住友銀行を退職し、父・宮下創平の秘書官となる[9]

衆議院議員

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2003年第43回衆議院議員総選挙に父の後を継いで長野5区から自由民主党公認で立候補し初当選。

2005年第44回衆議院議員総選挙で再選。

2007年8月29日第1次安倍改造内閣財務大臣政務官を務めた。

2009年第45回衆議院議員総選挙民主党加藤学に敗れ、小選挙区で初めて落選し、比例区でも次点に終わり、落選した。

2012年第46回衆議院議員総選挙で加藤を破り、3年ぶりに国政に復帰した[3][10]

2014年9月4日第2次安倍改造内閣では財務副大臣に任命。同年の第47回衆議院議員総選挙で4選。

2016年1月、衆議院財務金融委員長に就任[11]

2017年第48回衆議院議員総選挙で5選。

2019年9月、第4次安倍第2次改造内閣内閣府副大臣に就任[12]

2020年10月、自由民主党農林部会長に就任[13][14][15]

2021年第49回衆議院議員総選挙で6選[16]

2022年10月23日、自民党長野県連は総務会などを開催。会長の後藤茂之は、同年夏の参院選での松山三四六の擁立ならびに敗北の責任をとり、会長職を辞任。宮下はその後任に就任した[17][18]

農林水産大臣

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2023年9月9日に岸田文雄首相が13日に内閣改造と党役員人事を行う考えを与党幹部に伝えると[19]森喜朗は、安倍派5人衆と言われる松野博一西村康稔萩生田光一高木毅世耕弘成の5人の派閥中枢幹部に対し、派内から2人の初入閣を希望している旨を岸田に伝えるよう、指示した[20]。9月13日、第2次岸田第2次改造内閣が発足し、安倍派からは順調に宮下(農林水産大臣)と鈴木淳司総務大臣)が初入閣した[21]

同年12月1日、朝日新聞が、自民党5派閥が開いた政治資金パーティーをめぐる問題で、清和政策研究会(安倍派)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用を組織的に続けてきた疑いがあるとスクープした[22]。安倍派は2018~2022年に毎年1回パーティーを開き、計6億5884万円の収入を政治資金収支報告書に記載している[23]。一方、収入・支出のいずれにも記載していない裏金の総額は直近5年間で1億円を超えるとされ(のちに5億円に修正[24])、共同通信は「実際のパーティー収入は少なくとも8億円前後に膨らむ可能性がある」と報じた[25]。同日、宮下は閣議後会見で事実関係を問われ、「私自身の事務所ではキックバックの事実はなく、そうしたことは認識していない」と述べた。また、ノルマがあったのかとの質問に対し「基本的に、『超えて戻す』ということはなかった」と答えた[26]

同年12月10日、岸田首相は、安倍派所属の閣僚4人、副大臣5人、大臣政務官6人の政務三役15人について、全員交代させる意向を固めた(政務官6人については2日後に訂正)[27][注 1]。同月12日、岸田は、宮下、松野博一官房長官、鈴木淳司総務相、西村康稔経済産業相の4閣僚交代の人事を14日に先行して実施する方向で調整に入った[32]。12月14日、宮下は農林水産大臣の辞表を提出し受理された[31]

2024年9月9日、高市早苗自民党総裁選挙の出馬会見を行い、裏金事件をめぐる安倍派議員の処遇について「党の処分を覆すことはない」と明言した[33]。9月12日に総裁選が告示され、9人が立候補した。裏金議員について次期衆院選で「非公認」とする可能性に一時言及した石破茂と高市の決選投票が濃厚になると、旧安倍派は一気に高市に動いた[34][35]。高市は1回目の議員投票で、報道各社の事前調査での30~40票を大きく上回る72票を獲得した[34]。党員数と合わせた得票数は1位だったが、決選投票で石破に敗れた。裏金議員85人(同年2月13日に公表)[36]の一人である宮下は1回目の投票、決選投票、いずれも高市に投じた[37]

2024年10月27日の第50回衆議院議員総選挙は、政治資金問題の影響で比例名簿非登載となるなど逆風の中で、立憲民主党の新人である福田淳太に比例復活を許したものの7選[38]

政策

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選挙歴

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当落 選挙 執行日 年齢 選挙区 政党 得票数 得票率 定数 得票順位
/候補者数
政党内比例順位
/政党当選者数
第43回衆議院議員総選挙 2003年11月09日 45 長野県第5区 自由民主党 10万8567票 52.66% 1 1/4 /
第44回衆議院議員総選挙 2005年09月11日 47 長野県第5区 自由民主党 12万25票 54.83% 1 1/3 /
第45回衆議院議員総選挙 2009年08月30日 51 長野県第5区 自由民主党 9万1836票 40.15% 1 2/5 5/4
第46回衆議院議員総選挙 2012年12月16日 54 長野県第5区 自由民主党 9万9225票 52.25% 1 1/5 /
第47回衆議院議員総選挙 2014年12月14日 56 長野県第5区 自由民主党 9万1089票 54.67% 1 1/3 /
第48回衆議院議員総選挙 2017年10月22日 59 長野県第5区 自由民主党 9万1542票 49.87% 1 1/3 /
第49回衆議院議員総選挙 2021年10月31日 63 長野県第5区 自由民主党 9万7730票 54.86% 1 1/2 /
第50回衆議院議員総選挙 2024年10月27日 66 長野県第5区 自由民主党 7万8139票 48.39% 1 1/3 /

所属団体・議員連盟

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脚注

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注釈

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  1. ^ その後、政務官6人の処遇について安倍派内から「当選1回など議員歴が短い政務官が対象となるのはおかしい」などと反発が出たため、当選1回の松本尚塩崎彰久小森卓郎石井拓加藤竜祥の5人については留任とし、当選2回の佐藤啓のみの交代に変更された[28][29][30][31]

出典

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  1. ^ a b c 衆議院 議員一覧 宮下一郎君”. 衆議院ホームページ. 衆議院事務局庶務部広報課ウェブ広報係. 2022年5月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f プロフィール 宮下 一郎”. 宮下一郎 公式Webサイト. 2023年9月30日閲覧。
  3. ^ a b 平成24年(2012年)12月18日選告示第57号(衆議院小選挙区選出議員選挙における当選人の決定)
  4. ^ 自民党について”. 自由民主党長野県支部連合会. 2023年12月6日閲覧。
  5. ^ “国会議員情報 宮下 一郎(みやした いちろう)”. 時事ドットコム (時事通信社). https://www.jiji.com/sp/giin?d=5604da4e8bc9860d3ff386cb748a5a1e&c=syu 2023年9月30日閲覧。 
  6. ^ 宮下 一郎”. 首相官邸ホームページ. 内閣官房内閣広報室. 2023年9月30日閲覧。
  7. ^ “行政・政治 : 宮下創平氏が死去 権兵衛トンネル開通に尽力”. 長野日報 (長野日報社). (2013年10月10日). オリジナルの2016年3月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160307040459/http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=29644 2015年1月19日閲覧。 
  8. ^ 【政治資金収支報告書】 自由民主党長野県支部連合会(令和4年分 定期公表).
  9. ^ 宮下一郎公式webサイト プロフィール”. 2019年7月31日閲覧。
  10. ^ 朝日新聞デジタル:長野 - 開票速報 - 第46回総選挙
  11. ^ 衆参両院の新委員長決まる
  12. ^ “副大臣決まる、第4次安倍第2次改造内閣”. Qnewニュース. https://qnew-news.net/news/2019-9/2019091601.html 2019年9月17日閲覧。 
  13. ^ “自民党農林部会長に宮下一郎氏を内定”. 日本農民新聞. https://agripress.co.jp/archives/8603 2020年10月14日閲覧。 
  14. ^ “自民総務会、役員人事を決定”. 日本経済新聞. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64682430W0A001C2PP8000/ 2020年10月11日閲覧。 
  15. ^ “自民農業基本委で米対策議論、会合では宮下新農林部会長が挨拶”. 日本農民新聞. https://agripress.co.jp/archives/8822 2020年10月14日閲覧。 
  16. ^ 衆議院選挙2021 長野(松本・上田など)開票速報・選挙結果”. 衆議院選挙2021特設サイト. NHK. 2021年11月1日閲覧。
  17. ^ 松山三四六氏落選で…後藤茂之自民党県連会長『引責辞任』 松山氏「政治の世界以外で一歩ずつ」”. FNNプライムオンライン (2022年10月23日). 2022年10月25日閲覧。
  18. ^ 参院選で落選の松山三四六さん「もう一度、政治の世界というより、そうじゃない世界で…」政治活動から距離… 長野”. TBS NEWS DIG. TBSテレビ (2022年10月24日). 2022年10月25日閲覧。
  19. ^ 西村圭史 (2023年9月9日). “9月中旬か下旬か 揺れた改造日程 首相、茂木幹事長の処遇で逡巡”. 朝日新聞. 2023年12月23日閲覧。
  20. ^ 第85、86代・森喜朗氏 「5人衆」はあくまで暫定 派閥会長は総選挙までに 【総理が語る(20)】”. 北國新聞 (2023年10月3日). 2023年12月23日閲覧。
  21. ^ “第2次岸田再改造内閣の閣僚名簿発表”. 産経新聞. (2023年9月13日). https://www.sankei.com/article/20230913-OWNZ2Z2IEVOJ7EZYLE2WXDWBV4/ 2023年9月13日閲覧。 
  22. ^ 安倍派、1億円超の裏金か パー券ノルマ超えを還流 地検が立件視野”. 朝日新聞 (2023年12月1日). 2023年12月8日閲覧。
  23. ^ 松野博一官房長官を更迭へ パー券還流、裏金1000万円未記載疑惑”. 毎日新聞 (2023年12月9日). 2023年12月9日閲覧。
  24. ^ 安倍派の裏金、5億円か 所属議員の大半に還流 派閥側の立件不可避”. 朝日新聞 (2023年12月12日). 2023年12月12日閲覧。
  25. ^ 安倍派、8億円前後収入か 裏金含め、記載は6億円超”. 共同通信(東京新聞) (2023年12月1日). 2023年12月9日閲覧。
  26. ^ 安倍派 パーティー収入不記載 5年で数億円か キックバック疑い”. NHK (2023年12月1日). 2023年12月12日閲覧。
  27. ^ 安倍派の政務三役、計15人を全員交代へ 鈴木総務相、宮下農水相も”. 朝日新聞 (2023年12月10日). 2023年12月10日閲覧。
  28. ^ 安倍派の閣僚と副大臣の9人全員が交代へ 安倍派の政務官は1人を除いて留任固まる”. 日テレNEWS (2023年12月14日). 2023年12月15日閲覧。
  29. ^ 萩生田氏、辞任の見通し 安倍派一掃は見送り―岸田首相、14日にも人事・裏金疑惑”. 時事ドットコム (2023年12月12日). 2023年12月13日閲覧。
  30. ^ 「安倍派15人除外」を修正、6人は自主判断に 首相、求心力低下も”. 朝日新聞 (2023年12月13日). 2023年12月13日閲覧。
  31. ^ a b 【速報中】政治資金問題で閣僚交代へ 安倍派「5人衆」辞任へ”. NHK NEWS WEB (2023年12月14日). 2023年12月14日閲覧。
  32. ^ 松野官房長官ら安倍派4閣僚、14日に交代 首相が記者会見で表明へ”. 朝日新聞 (2023年12月12日). 2023年12月12日閲覧。
  33. ^ 佐藤裕介 (2024年9月9日). “<詳報>高市早苗氏は出馬会見で何を語った? 改憲、靖国参拝、消費税、選択的夫婦別姓… 自民党総裁選”. 東京新聞. 2024年10月11日閲覧。
  34. ^ a b 遠藤修平、園部仁史、高橋祐貴 (2024年9月27日). “麻生、安倍派は「消極的支持」で広がり欠く 決選投票で敗れた高市氏”. 毎日新聞. 2024年10月1日閲覧。
  35. ^ 今西憲之 (2024年10月3日). “裏金で離党した世耕元参院幹事長が総裁選の裏で暗躍 総選挙も「勝算あり」と二階氏三男と泥沼争いか”. AERA dot.. 2024年10月9日閲覧。
  36. ^ 【一覧】自民党「裏金」調査 最多は二階俊博氏 85人が記載漏れ、誤記載を申告、5年で計5.7億円超”. 東京新聞 (2024年2月13日). 2024年10月1日閲覧。
  37. ^ 自民総裁選、中部議員の投票先は… 「明かせない動きはある」垣間見えた派閥の影”. 中日新聞 (2024年9月28日). 2024年9月30日閲覧。
  38. ^ 日本放送協会 (2024年10月27日). “衆議院選挙 長野5区 自民 宮下一郎氏 7回目の当選 | NHK”. NHKニュース. 2024年11月21日閲覧。
  39. ^ a b c d e f g 2014衆院選 毎日新聞候補者アンケート
  40. ^ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
  41. ^ 朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2017衆院選:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年11月21日閲覧。
  42. ^ “受動喫煙対策、国会議員アンケートでわかった5つの「傾向」”. BuzzFeed News (BuzzFeed Japan). (2018年3月23日). https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/judokitsuen-kokkai-giin-comment 2021年2月14日閲覧。 
  43. ^ a b 宮下一郎 ブログサイト”. 2018年4月11日閲覧。
  44. ^ a b c 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
  45. ^ 子どもの貧困対策推進議連総会に出席、北極フロンティア議連決議を官房長官に申し入れ”. 宮下一郎 ブログサイト (2017年12月18日). 2024年11月21日閲覧。
  46. ^ 宮下一郎 (2021年5月12日). “衆議院農林水産委員会、経済成長戦略本部、鳥獣被害対策特別委員会、日本産酒類振興PT、感染症対策を資材と方法から考える超党派議連に出席”. 宮下一郎ブログ. 2021年5月23日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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公職
先代
野村哲郎
日本の旗 農林水産大臣
第68代 : 2023年
次代
坂本哲志
先代
左藤章
田中良生
中根一幸
佐藤ゆかり
浮島智子
磯﨑仁彦
牧野京夫
秋元司
原田憲治
日本の旗 内閣府副大臣
大塚拓
平将明
寺田稔
亀岡偉民
松本洋平
御法川信英
石原宏高
山本朋広と共同

2019年 - 2020年
次代
赤沢亮正
藤井比早之
三ッ林裕巳
田野瀬太道
長坂康正
江島潔
堀内詔子
中山泰秀
岩井茂樹
先代
古川禎久
愛知治郎
日本の旗 財務副大臣
御法川信英菅原一秀と共同

2014年 - 2015年
次代
岡田直樹
坂井学
先代
江﨑洋一郎
椎名一保
日本の旗 財務大臣政務官
小泉昭男と共同

2007年 - 2008年
次代
三ツ矢憲生
末松信介
議会
先代
古川禎久
日本の旗 衆議院財務金融委員長
2016年
次代
御法川信英