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ヘレン・ミレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デイム・ヘレン・ミレン
Dame Helen Mirren
Dame Helen Mirren
2020年
本名 Ilyena Vasilievna Mironova
生年月日 (1945-07-26) 1945年7月26日(79歳)
出生地 イングランドの旗 イングランドロンドン
国籍 イギリスの旗 イギリス
職業 女優
ジャンル 映画テレビドラマ舞台
活動期間 1965年 -
配偶者 テイラー・ハックフォード(1997年 - )
主な作品
映画
キャル』(1984年)
英国万歳!』(1994年)
ゴスフォード・パーク』(2001年)
カレンダー・ガールズ』(2003年)
クィーン』(2006年)
終着駅 トルストイ最後の旅』(2009年)
RED/レッド』シリーズ
ヒッチコック』(2012年)
ワイルド・スピード』シリーズ
テレビドラマ
第一容疑者』シリーズ
エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜』(2005年)
受賞
アカデミー賞
主演女優賞
2006年クィーン
カンヌ国際映画祭
女優賞
1984年キャル
1995年英国万歳!
ヴェネツィア国際映画祭
女優賞
2006年『クィーン』
ベルリン国際映画祭
名誉金熊賞
2020年
ヨーロッパ映画賞
女優賞
2006年『クィーン』
世界的貢献賞
2012年
全米映画批評家協会賞
主演女優賞
2006年『クィーン』
助演女優賞
2001年ゴスフォード・パーク
ニューヨーク映画批評家協会賞
主演女優賞
2006年『クィーン』
助演女優賞
2001年『ゴスフォード・パーク』
ロサンゼルス映画批評家協会賞
主演女優賞
2006年『クィーン』
放送映画批評家協会賞
主演女優賞
2006年『クィーン』
アンサンブル演技賞
2001年『ゴスフォード・パーク』
英国アカデミー賞
主演女優賞
2006年『クィーン』
フェローシップ賞
2013年
エミー賞
女優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)
1996年『第一容疑者4』
1999年『The Passion of Ayn Rand』
2006年『エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜
2007年『第一容疑者: The Final Act』
ゴールデングローブ賞
主演女優賞(ドラマ部門)
2006年『クィーン』
女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)
1996年『Losing Chase』
2006年『エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜』
全米映画俳優組合賞
主演女優賞
2006年『クィーン』
助演女優賞
2001年『ゴスフォード・パーク』
キャスト賞
2001年『ゴスフォード・パーク』
女優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
2006年『エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜』
2013年フィル・スペクター
生涯功労賞
2021年
トニー賞
演劇主演女優賞
2015年『The Audience』
ローレンス・オリヴィエ賞
演劇主演女優賞
2013年『The Audience』
その他の賞
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ヘレン・ミレン(Dame Helen Mirren DBE, 1945年7月26日 - )は、イギリス女優。『クィーン』(2006年)でアカデミー主演女優賞を受賞。その他、エミー賞を4度、トニー賞を2015年に受賞し演劇の三冠王を達成。

2003年12月に大英帝国勲章を受勲したため、デイムの敬称を冠しデイム・ヘレンあるいはデイム・ヘレン・ミレンと書かれることもある。

生い立ち

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イングランドロンドンにて、イレーナ・ヴァシーリエヴナ・ミローノヴァЕлена Васильевна Миронова / Ilyena Vasilievna Mironova[1][2]として生まれ、エセックス州で育った。父親のヴァシーリイ・ペトローヴィチ・ミローノフはロシア帝国貴族の出であったが、ロシア革命により亡命を余儀なくされた。母親のキャサリン・アレクサンドリア・エヴァ・マチルダ(旧姓ロジャース)はイギリス人。

両親に勧められて師範学校に進学したが、後に中退。

キャリア

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ナショナル・ユース・シアター、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで舞台女優としてキャリアを始める。その後、映画・テレビなどの分野で活躍する。1991年から2007年まで放送された『第一容疑者』のジェーン・テニスンはミレンの当たり役となり、同シリーズではエミー賞を3回受賞している。

これまでカンヌ国際映画祭女優賞を『キャル』と『英国万歳!』で2度受賞している。アカデミー賞には『英国万歳!』と『ゴスフォード・パーク』で2度候補になった。後者では他に数々の批評家賞を得ている。

2006年、タイトルロールのエリザベス1世を演じたミニシリーズ『エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜』がイギリスで放送され、更に翌年にはエリザベス2世を演じた『クィーン』が公開、第63回ヴェネツィア国際映画祭に出品され高い評価を受けた。ミレンは前者で第58回プライムタイム・エミー賞で主演女優賞を、後者ではヴェネツィア国際映画祭の最優秀女優賞を受賞し[3]、アメリカでは2006年度の批評家賞を総なめ、そして第79回アカデミー賞でも主演女優賞を受賞し、ついにオスカー像を手にした[4]。また、第64回ゴールデングローブ賞ではこの両作品でダブル受賞を果たした。エリザベス2世本人からもバッキンガム宮殿での夕食会に招待されたが、撮影のためスケジュールが合わないとして辞退したため、物議を醸した[5][6]

2014年

2015年、舞台『The Audience』で、第69回トニー賞 演劇主演女優賞を受賞[7]。また、『黄金のアデーレ 名画の帰還』で実在のユダヤ系女性であるマリア・アルトマンを演じたことから、世界ユダヤ人会議より特別名誉賞を受賞する[8]

私生活

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1997年に映画監督のテイラー・ハックフォードと結婚した[9]。現在はロサンゼルス在住。

『GQ』誌の2008年10月号で、ドラッグ吸引やデートレイプ被害について告白した。ミレンは30代半ばまでは少量のコカインを吸っていたが、1983年に逮捕された元ナチス親衛隊のクラウス・バルビーが、逃亡先のボリビアでコカイン取引を行っていたことを知り、きっぱりとやめたという[10]

『Casualty』、『Without a Trace』、『Criminal Minds』などを手掛ける脚本家・テレビプロデューサーのサイモン・ミレンは甥。

主な出演作品

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公開年 邦題
原題
役名 備考 日本語吹替
1968 夏の夜の夢
A Midsummer Night's Dream
ハーミア
1969 としごろ
Age of Consent
コーラ・ライアン
1972 狂えるメサイア英語版
Savage Messiah
ゴッシュ・ポイル
1973 オー!ラッキーマン
O Lucky Man!
パトリシア
1976 ハムレット
Hamlet
オフィーリア / ガートルード
1978 お気に召すまま
As You Like It
ロザリンド テレビ映画
1979 カリギュラ
Caligula
ミロニア・カエソニア 野々山恵梨
失われた航海
S.O.S. Titanic
メイ・スローン テレビ映画 小宮和枝
1980 天才悪魔フー・マンチュー
The Fiendish Plot of Dr. Fu Manchu
アリス 鈴木弘子
長く熱い週末
The Long Good Friday
ヴィクトリア 田中敦子
1981 エクスカリバー
Excalibur
モーガナ 藤田淑子
1982 シンベリン
Cymbeline
イモジェン テレビ映画
1984 キャル
Cal
マーセラ 第37回カンヌ国際映画祭女優賞 受賞
2010年
2010: The Year We Make Contact
ターニャ・カーバック船長 弥永和子(テレビ朝日版)
駒塚由衣(TBS版)
1985 ホワイトナイツ/白夜
White Nights
ガリーナ
1986 モスキート・コースト
The Mosquito Coast
フォックス夫人
奇跡の教師ヴィック
Heavenly Pursuits
ルース・チャンセラー
1987 パスカリの島
Pascali's Island
リディア
フェアリーテール・シアター
Faerie Tale Theatre
アメリア女王 テレビシリーズ、1エピソード「人魚姫」
1989 鯨が来た時
When the Whales Came
クレミー・ジェンキンス
コックと泥棒、その妻と愛人
The Cook the Thief His Wife & Her Lover
ジョジーナ・スピカ 滝沢久美子
レッド・キング★狙われた赤い星
Red King, White Knight
アンナ テレビ映画
1990 迷宮のヴェニス
The Comfort of Strangers
キャロライン
黄土の英雄/軍医ベシューンの生涯
Bethune: The Making of a Hero
フランシス・ペニー・ベシューン
1991 天使も恐れる恋ゆえに

Where Angels Fear to Tread

リリア
第一容疑者
Prime Suspect
ジェーン・テニスン テレビ映画 丘みつ子
1992 第一容疑者2
Prime Suspect 2
1993 第一容疑者3
Prime Suspect 3
1994 英国万歳!
The Madness of King George
シャーロット王妃 カンヌ国際映画祭 女優賞 受賞
1995 第一容疑者 消えた幼児
Prime Suspect: The Lost Child
ジェーン・テニスン テレビ映画 寺田路恵
第一容疑者 死のゲーム
Prime Suspect: Inner Circles
第一容疑者 死者の香水
Prime Suspect: Scent of Darkness
1996 第一容疑者 裁かれるべき者
Prime Suspect: Errors of Judgement
1997 ペインテッド・レディ 〜肖像画の淑女〜
Painted Lady
マギー・シェリダン
1998 プリンス・オブ・エジプト
The Prince of Egypt
女王 声の出演 白川由美
1999 鬼教師ミセス・ティングル
Teaching Mrs. Tingle
ミセス・ティングル 来宮良子
2000 グリーンフィンガーズ
Greenfingers
ジョジーナ・ウッドハウス 寺内よりえ
プレッジ
The Pledge
医師 堀江真理子
2001 ゴスフォード・パーク
Gosford Park
ミセス・ウィルソン 全米映画俳優組合賞 助演女優賞 受賞 寺内よりえ
2002 ドア・トゥ・ドア/バッグに愛とまごころを…
Door to Door
ミセス・ポーター テレビ映画
2003 カレンダー・ガールズ
Calendar Girls
クリス 一柳みる
第一容疑者 姿なき犯人
Prime Suspect6: The Last Witness
ジェーン・テニスン テレビ映画 寺田路恵
2004 二重誘拐
The Clearing
エレーン・ヘインズ 鈴木弘子
プリティ・ヘレン
Raising Helen
ドミニク 沢田敏子
サバンナ スピリット 〜ライオンたちの物語〜
Pride
マチーバ 声の出演 塩田朋子
2005 銀河ヒッチハイク・ガイド
The Hitchhiker's Guide to the Galaxy
ディープ・ソート 池田昌子
サイレンサー
Shadowboxer
ローズ 一城みゆ希
エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜
Elizabeth I
エリザベス1世 テレビシリーズ
プライムタイム・エミー賞 主演女優賞 受賞
倉野章子
2006 クィーン
The Queen
エリザベス2世 アカデミー主演女優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) 受賞
ヴェネチア国際映画祭 女優賞 受賞
全米映画批評家協会賞 主演女優賞 受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞 主演女優賞 受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞 主演女優賞 受賞
英国アカデミー賞主演女優賞 受賞
ヨーロッパ映画賞 女優賞 受賞
第一容疑者 希望のかけら
Prime Suspect: The Final Act
ジェーン・テニスン テレビ映画 寺田路恵
2007 ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記
National Treasure: The Book of Secrets
エミリー・アップルトン博士 野沢雅子
2008 インクハート/魔法の声
Inkheart
エレノア・ローレダン 弥永和子
2009 消されたヘッドライン
State of Play
キャメロン・リン 寺内よりえ
終着駅 トルストイ最後の旅
The Last Station
ソフィヤ・トルストイ 倉野章子
2010 テンペスト
The Tempest
プロスペラ (吹き替え版なし)
ラブ・ランチ 欲望のナイトクラブ
Love Ranch
グレース・ボンテンポ
ペイド・バック
The Debt
レイチェル・シンガー 宮寺智子
ガフールの伝説
Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole
ナイラ 声の出演 榊原良子
RED/レッド
RED
ヴィクトリア 沢田敏子
ブライトン・ロック
Brighton Rock
イーダ (吹き替え版なし)
2011 ミスター・アーサー
Arthur
リリアン・ホブソン 一柳みる
2012 ヒッチコック
Hitchcock
アルマ・レヴィル 小宮和枝
2013 モンスターズ・ユニバーシティ
Monsters University
ディーン・ハードスクラブル学長 声の出演 一柳みる
REDリターンズ
RED 2
ヴィクトリア 沢田敏子
2014 マダム・マロリーと魔法のスパイス
The Hundred-Foot Journey
マダム・マロリー  一柳みる
2015 黄金のアデーレ 名画の帰還
Woman in Gold
マリア・アルトマン
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
Eye in the Sky
キャサリン・パウエル大佐 [11]
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
Trumbo
ヘッダ・ホッパー
2016 素晴らしきかな、人生
Collateral Beauty
ブリジット
2017 ワイルド・スピード ICE BREAK
The Fate of the Furious
マグダレーン・“クイーニー”・ショウ(ミセス・ショウ) カメオ出演 沢田敏子
ロング, ロングバケーション
The Leisure Seeker
エラ・スペンサー (吹き替え版なし)
2018 ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷
Winchester
サラ・ウィンチェスター 一柳みる
くるみ割り人形と秘密の王国
The Nutcracker and the Four Realms
マザージンジャー 倉野章子
2019 ベルリン、アイラブユー
Berlin, I Love You
マーガレット (吹き替え版なし)
ANNA/アナ
Anna
オルガ 磯辺万沙子
ワイルド・スピード/スーパーコンボ
Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw
マグダレーン・“クイーニー”・ショウ 沢田敏子
グッドライアー 偽りのゲーム
The Good Liar
ベティ・マクリーシュ 一柳みる
2020 ゴリラのアイヴァン
The One and Only Ivan
スニッカーズ 声の出演 宮沢きよこ
ゴヤの名画と優しい泥棒
The Duke
ドロシー・バントン (吹き替え版なし)
2021 ワイルド・スピード/ジェットブレイク
Fast & Furious 9
マグダレーン・“クイーニー”・ショウ 沢田敏子
2022 1923
1923
カーラ・ダットン テレビシリーズ 小宮和枝
2023 Golda Golda Meir
シャザム!〜神々の怒り〜
Shazam! Fury of the Gods
へスペラ 戸田恵子
ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
Fast X
マグダレーン・“クイーニー”・ショウ 沢田敏子
バービー
Barbie
ナレーター 榊原良子
White Bird Grandmère / Sara ポストプロダクション
TBA
The Thursday Murder Club

参考文献

[編集]
  1. ^ Daily Mail”. Found: Helen's Russian relatives. October 15, 2006閲覧。
  2. ^ According to her 2007 memoirs "the fastest birth on record at that time. I wonder if anyone has broken it yet?"
  3. ^ “<第63回ヴェネチア国際映画祭>女優ヘレン・ミレン 最優秀女優賞に輝く”. AFPBB News. (2006年9月10日). http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2110014/867310 2009年8月25日閲覧。 
  4. ^ “<第79回アカデミー賞>主演女優賞、「クィーン」ヘレン・ミレンに”. AFPBB News. (2007年2月26日). https://www.afpbb.com/articles/-/2186948?pid=1371219 2009年8月25日閲覧。 
  5. ^ “ヘレン・ミレン、女王からの晩餐会招待を辞退 - 英国”. AFPBB News. (2007年5月7日). https://www.afpbb.com/articles/-/2221507?pid=1574213 2009年8月25日閲覧。 
  6. ^ “ヘレン・ミレン、「女王へのつれない拒絶」報道に遺憾”. AFPBB News. (2007年5月11日). https://www.afpbb.com/articles/-/2223141?pid=1583695 2009年8月25日閲覧。 
  7. ^ 演劇界の祭典、第69回トニー賞授賞式全結果!渡辺謙主演「王様と私」は4部門で受賞(1/2)”. シネマトゥデイ (2015年6月8日). 2015年6月8日閲覧。
  8. ^ ヘレン・ミレン、世界ユダヤ人会議の特別名誉賞を受賞!”. シネマトゥデイ (2015年6月25日). 2015年6月25日閲覧。
  9. ^ http://www.aarp.org/politics-society/newsmakers/info-2007/helen_mirren.html
  10. ^ “英女優ヘレン・ミレン、ドラッグ吸引やデートレイプ被害を赤裸々に語る”. AFPBB News. (2008年9月2日). https://www.afpbb.com/articles/-/2512973?pid=3283999 2009年8月25日閲覧。 
  11. ^ “アラン・リックマンさん遺作の軍事サスペンス「アイ・イン・ザ・スカイ」、今冬から公開”. 映画.com. (2016年8月19日). https://eiga.com/news/20160819/4/ 2016年8月19日閲覧。 

外部リンク

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