コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジュリエット・ビノシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジュリエット・ビノシュ
Juliette Binoche
Juliette Binoche
2015年
本名 Juliette Stalens Binoche
生年月日 (1964-03-09) 1964年3月9日(60歳)
出生地 フランスの旗 フランス パリ12区
国籍 フランスの旗 フランス
職業 女優
ジャンル 映画舞台
活動期間 1983年 -
主な作品
汚れた血
存在の耐えられない軽さ
ポンヌフの恋人
ダメージ
トリコロール/青の愛
イングリッシュ・ペイシェント
コード・アンノウン
ショコラ
隠された記憶
夏時間の庭
トスカーナの贋作
コズモポリス
GODZILLA ゴジラ
アクトレス〜女たちの舞台〜
チリ33人 希望の軌跡
ゴースト・イン・ザ・シェル
私の知らないわたしの素顔
受賞
アカデミー賞
助演女優賞
1996年イングリッシュ・ペイシェント
カンヌ国際映画祭
女優賞
2010年トスカーナの贋作
ヴェネツィア国際映画祭
女優賞
1993年トリコロール/青の愛
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(女優賞)
1996年イングリッシュ・ペイシェント
功労賞
1993年
ヨーロッパ映画賞
女優賞
1992年ポンヌフの恋人
1997年イングリッシュ・ペイシェント
世界的貢献賞
2019年
英国アカデミー賞
助演女優賞
1996年イングリッシュ・ペイシェント
ゴヤ賞
国際ゴヤ賞
2022年
セザール賞
主演女優賞
1993年トリコロール/青の愛
その他の賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
助演女優賞
1996年イングリッシュ・ペイシェント
備考
世界三大映画祭すべての女優賞を受賞した女優
第69回ベルリン国際映画祭 審査委員長(2019年)
テンプレートを表示

ジュリエット・ビノシュJuliette Binoche, 1964年3月9日[1] - )は、フランス出身の女優1996年公開の『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー助演女優賞を受賞、また世界三大映画祭のすべての女優賞を受賞した女優でもある。

来歴

[編集]

生い立ち

[編集]

首都パリにてフランス人彫刻家、俳優、演出家の父(ジャン=マリ・ビノシュ)とポーランド人女優の母(モニーク・スタレンス)の間に生まれる[2]。両親はビノシュが4歳のときに離婚したため、それぞれの親とカトリックの寄宿学校の間を行き来して育つ[3]。パリの芸術高校に進んだのち、フランス国立高等演劇学校コンセルヴァトワール)にて学ぶ。

キャリア

[編集]

1983年公開の『Liberty Bell』にて映画初出演。『ゴダールのマリア』や『ランデヴー』などの作品でフランス国内で人気となり、後者の作品でロミー・シュナイダー賞を受賞、セザール賞主演女優賞にノミネートされた。1986年公開の『汚れた血』でシュザンヌ・ビアンケッティ賞を受賞。これらの整合が国際的に注目を集め、1988年公開の『存在の耐えられない軽さ』でアメリカ映画に初出演した。

1991年公開の『ポンヌフの恋人』でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞。1993年公開の『トリコロール/青の愛』でヴェネツィア国際映画祭 女優賞セザール賞主演女優賞を受賞。1996年公開の『イングリッシュ・ペイシェント』でベルリン国際映画祭銀熊賞アカデミー助演女優賞を受賞。翌年にはルイジ・ピランデッロの『裸』でウエスト・エンドの舞台に立った。

2000年公開の『ショコラ』でアカデミー主演女優賞に、同年の舞台ハロルド・ピンターの『背信』でトニー賞にノミネートされた。

2010年公開の『トスカーナの贋作』で第63回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、世界三大映画祭すべての女優賞受賞を果たした。

2010年代には日本人監督とのタッグを組む機会が多くあり、河瀨直美監督の『Vision』と是枝裕和監督の『真実』に出演した。

来日公演

[編集]

2009年3月、渋谷の大型複合文化施設Bunkamura内の劇場シアターコクーンにおいて、英国人振付師兼ダンサーのアクラム・カーンと共同演出及び出演を務めたミュージカル・バレエ舞台「in-i(イン・アイ)」を7公演行った[4]

また同月、六本木ヒルズで開催されたフランス映画祭2009の代表団団長を務め、オープニングに先立ち会見を行った[5]

私生活

[編集]

1980年代に『汚れた血』『ポンヌフの恋人』の映画監督レオス・カラックスと交際していたが、上記の作品の撮影中に衝突を繰り返して破局。他にもダニエル・デイ=ルイスオリヴィエ・マルティネスとも恋仲になった。1993年にスキューバダイバーの男性(アンドレ・ハル)との間に長男ラファエルを[6]、1999年に『年下のひと』で共演したブノワ・マジメルとの間に女児ハナを生むが、どちらも後に破局。2005年から2008年までアルゼンチン人脚本家のサンティアゴ・アミゴレーナと交際。

ポーランドチェンストホヴァ市名誉市民。母親がこの町の出身。

主な出演作品

[編集]
公開年 邦題
原題
役名 備考
1985 ゴダールのマリア
Je vous salue
ジュリエット
Les nanas
Les nanas
アントワネット
家族生活
La Vie de famille
ナターシャ
暗殺の報酬
Adieu Blaireau
ブリジット
ランデヴー
Rendez-vous
ニナ/アンヌ・ラリュー セザール賞主演女優賞ノミネート
Le meilleur de la vie
Le meilleur de la vie
ヴェロニクの友人 端役
1986 Mon beau-frère a tué ma soeur
Mon beau-frère a tué ma soeur
エステル
汚れた血
Mauvais sang
アンナ セザール賞主演女優賞ノミネート
1988 存在の耐えられない軽さ
The Unbearable Lightness of Being
テレーザ
1989 Un tour de manège
Un tour de manège
エルザ
1991 ポンヌフの恋人
Les Amants du Pont-Neuf
ミシェル ヨーロッパ映画賞 女優賞受賞
セザール賞主演女優賞ノミネート
1992 嵐が丘
Emily Brontë's Wuthering Heights
キャシー/キャサリン
ダメージ
Damage
アンナ・バートン セザール賞主演女優賞ノミネート
1993 トリコロール/青の愛
Trois couleurs: Bleu
ジュリー ヴェネツィア国際映画祭 女優賞受賞
セザール賞主演女優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)ノミネート
1995 プロヴァンスの恋
Le Hussard sur le toit
ポーリーヌ・ド・テウス セザール賞主演女優賞ノミネート
1996 カウチ・イン・ニューヨーク
Un divan à New York
ベアトリス・ソルニエ
イングリッシュ・ペイシェント
The English Patient
ハナ アカデミー助演女優賞受賞
ベルリン国際映画祭銀熊賞 (女優賞)受賞
英国アカデミー賞 助演女優賞受賞
ヨーロッパ映画賞 女優賞受賞
ゴールデングローブ賞 助演女優賞ノミネート
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 助演女優賞受賞
1998 ゴダールの映画史
Histoire(s) du cinéma
溺れゆく女
Alice et Martin
アリス
1999 年下のひと
Les Enfants du siècle
ジョルジュ・サンド
2000 サン・ピエールの生命
La Veuve de Saint-Pierre
ポリーヌ
コード・アンノウン
Code inconnu: Récit incomplet de divers voyages
アンヌ・ローラン
ショコラ
Chocolat
ヴィアンヌ アカデミー主演女優賞ノミネート
英国アカデミー賞 主演女優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
2002 シェフと素顔と、おいしい時間
Décalage horaire
ローズ
2004 イン・マイ・カントリー
In My Country
アンナ
2005 隠された記憶
Caché
アンヌ・ローラン コード・アンノウン(2000)とは監督・役名が同じ
ヨーロッパ映画賞 女優賞ノミネート
綴り字のシーズン
Bee Season
ミリアム・ナウマン
マリー 〜もうひとりのマリア〜
Mary
マリー
2006 パリ、ジュテーム
Paris, je t'aime
スザンヌ
カウントダウン 9.11
Quelques jours en septembre
イレーヌ
こわれゆく世界の中で
Breaking and Entering
アミラ
2007 ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン
Le Voyage du Ballon Rouge
スザンヌ
撤退
Disengagement
アナ
40オトコの恋愛事情
Dan in Real Life
マリー
2008 PARIS
Paris
エリーズ
夏時間の庭
L'Heure d'été
アドリエンヌ
2010 トスカーナの贋作
Copie conforme
彼女 カンヌ国際映画祭 女優賞 受賞
2011 陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル
The Son of No One
ローレン・ブリッジス
ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー
Elles
Anne
2012 マリー、もうひとつの人生
La vie d'une autre
マリー
コズモポリス
Cosmopolis
ディディ
À Cœur ouvert
À Cœur ouvert
ミラ
2013 カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇
Camille Claudel 1915
カミーユ・クローデル
おやすみなさいを言いたくて
A Thousand Times Good Night
レベッカ
Words and Picture
Words and Picture
ダイナ
2014 GODZILLA ゴジラ
Godzilla
サンドラ・ブロディ[1]
アクトレス〜女たちの舞台〜
Sils Maria
マリア セザール賞主演女優賞ノミネート
Nadie quiere la noche
Nadie quiere la noche
ジョセフィーヌ
2015 チリ33人 希望の軌跡
The 33
マリア・セゴヴィア
2017 ゴースト・イン・ザ・シェル
Ghost in the Shell
オウレイ博士
2018 Vision ビジョン
Vision
ジャンヌ
冬時間のパリ
Doubles Vies
セレナ 第31回東京国際映画祭上映時のタイトルは『ノン・フィクション
ハイ・ライフ
High Life
ディブス
2019 私の知らないわたしの素顔
Celle que vous croyez
クレール・ミヨー
真実
La vérité
リュミール
2020 5月の花嫁学校
La bonne épouse
ポーレット・ヴァン・デル・ベック
2023 ポトフ 美食家と料理人
a Passion de Dodin Bouffant
ウージェニー アストラ映画賞英語版国際女優賞ノミネート
ゴッサム賞助演俳優賞ノミネート
サテライト賞映画助演女優賞未決定

脚注

[編集]
  1. ^ a b 野村宏平、冬門稔弐「3月8日 / 3月9日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、72頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  2. ^ Juliette Binoche Biography (1964-)”. Film Reference. 2009年12月21日閲覧。
  3. ^ Stated in interview at Inside the Actors Studio
  4. ^ ジュリエット・ビノシュ&アクラム・カーン 「in-i(イン・アイ)」[1]
  5. ^ フランス映画祭2009、女優ジュリエット・ビノシュも来日[2]
  6. ^ Blum, Katerina, Juliette Binoche. die unnahbare Schöne, Wilhelm Heyne Verlag, 1995, ISBN 3-453-08129-3 p.119 to p.145

外部リンク

[編集]