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ハル・ベリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハル・ベリー
Halle Berry
Halle Berry
2017年7月
本名 Halle Maria Berry
生年月日 (1966-08-14) 1966年8月14日(58歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 オハイオ州クリーブランド
身長 165cm
職業 女優
活動期間 1989年 -
配偶者 デヴィッド・ジャスティス(1992年 - 1996年)
エリック・ベネイ2001年 - 2005年)
オリヴィエ・マルティネス(2013年 - 2015年)
主な作品
映画
ジャングル・フィーバー
ブーメラン
エグゼクティブ・デシジョン
ブルワース
アカデミー 栄光と悲劇
X-MEN』シリーズ
ソードフィッシュ
チョコレート
007 ダイ・アナザー・デイ
ゴシカ
キャットウーマン
パーフェクト・ストレンジャー
クラウド アトラス
ザ・コール 緊急通報指令室
キングスマン:ゴールデン・サークル
ジョン・ウィック:パラベラム
テレビドラマ
エクスタント
受賞
アカデミー賞
主演女優賞
2001年チョコレート
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(女優賞)
2001年『チョコレート』
エミー賞
女優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)
2000年『アカデミー 栄光と悲劇
ゴールデングローブ賞
女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)
1999年『アカデミー 栄光と悲劇』
ゴールデンラズベリー賞
最低主演女優賞
2004年キャットウーマン
全米映画俳優組合賞
主演女優賞
2001年『チョコレート』
女優賞 (テレビ映画・ミニシリーズ)
1999年『アカデミー 栄光と悲劇』
その他の賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
主演女優賞
2001年『チョコレート』
備考
ハリウッド名声の歩道
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ハル・ベリー(本名ハル・マリア・ベリー、またはハリー・マリア・ベリー[注釈 1][1](Halle Maria Berry, 1966年8月14日 - )は、アメリカ合衆国女優

生い立ち

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オハイオ州クリーブランドにて、アフリカ系アメリカ人の父とイングランド系の白人の母との間に生まれた。命名は地元クリーブランドのデパート「ハリーズ・デパートメント・ストア」にちなむ。父親は暴力を振るうアルコール依存症(アルコール使用障害)者で4歳の時に両親が離婚、看護師だった母の元で育てられた。ベッドフォード市内の高校、カヤホーガ短期大学卒業。

キャリア

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女優になる以前には数々のミスコンテストに出場しており、1986年のミスUSA2位、同年のミス・ワールド6位となった[2][3]。1991年の『ジャングル・フィーバー』でデビューし、翌年公開の『ブーメラン』で注目を集めた。

1999年放送のテレビ映画『アカデミー 栄光と悲劇』でドロシー・ダンドリッジを演じ、エミー賞ゴールデングローブ賞を受賞。2001年、『チョコレート』でアフリカ系アメリカ人として初めてアカデミー主演女優賞受賞の快挙を成し遂げ、更にはベルリン国際映画祭銀熊賞も受賞した。

2002年公開の『007 ダイ・アナザー・デイ』ではボンドガールを務め、大きな話題となった。また、この年のアカデミー賞授賞式のプレゼンターを務めたが、アカデミー主演男優賞に最年少で選ばれたエイドリアン・ブロディに突然抱き寄せられ、舞台上で熱烈なキスをされてしまうハプニングが起きた。唇を奪われた瞬間、ハルは一瞬驚いたように硬直するも、すぐに右腕を絡めて(左腕はトロフィーを持っていた)これに応えた。だが、口が離れた途端に首をかしげる仕草を見せた。ちなみにこれ以降、両者ともオスカーとは一度も縁がない。

2006年 ニューヨークにて

2004年公開の『キャットウーマン』でゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞を受賞。受賞しても直接受け取りに来る俳優や監督がほとんどいない授賞式に自ら駆けつけ、さらにオスカー像持参の上、自らのアカデミー賞受賞時のスピーチを完璧にコピーしたセルフパロディの受賞スピーチを演じきるなど、懐の深さを示し観衆から喝采を受けた(第25回ゴールデンラズベリー賞参照)。出演した理由について本人は、「アカデミー賞を受賞したからといって良い作品とは限らないし、逆にラジー賞を受賞したからといって必ずしも悪い作品とは限らない。私はあの役を精一杯演じたし、作品に出演した事も後悔していない。そのことを伝えたかった。」と語っている[4]

アクション映画にも多数出演しているアクション女優としての一面も持つ[5]

2007年に著名人の功績を称えるハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに加わった。主演映画「Bruised(原題)」で監督デビューを果たす。

ベリーショートのヘアスタイルがブレイク以前から特徴の一つだったが2002年を境にロングヘアーとなった。

私生活

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コミコン・インターナショナル(2017年)

1988年、22歳の時にそれまでのワイン習慣や砂糖の多いシリアル食品などを好んだ食生活の偏りから糖尿病と診断されている[6]

1996年にMLB選手デビッド・ジャスティスと離婚後、R&B歌手エリック・ベネイと結婚。しかし、夫の浮気が原因で2003年に別居、2005年には正式に離婚した[7]

2005年11月にカナダ人モデルのガブリエル・オーブリーと出会い、交際を始めたが、今後結婚する意志はないことを明らかにしている[8]。2008年3月16日にロサンゼルスにて第一子となる長女ナーラ・アリエラ・オーブリーを出産[9]。2010年にはガブリエル・オーブリーとの破局が伝えられている[10]。破局後は娘の親権争いで話題となった[11][12]。2012年にはフランス人俳優オリヴィエ・マルティネスと婚約した[13]。2013年4月、ベリーの広報が、ベリーがマルティネスとの間の子を妊娠し、妊娠3ヶ月目であることを認めた[14][15]。2013年7月13日、ベリーとマルティネスは正式に結婚し[16]10月5日に男の子を出産した[17]。しかし、2015年に離婚[18]

2番目の夫のエリック・ベネイと結婚した時にベネイの娘インディアを養女としており、離婚後もインディアとは度々会っている。あるテレビ番組で他にも養子をとるつもりであると述べた[19]

交際相手からの暴力が原因で片耳の聴覚がほとんど無いが、人前で補聴器などを付けることは無い。これについて本人は、自分のプライドであると語っている。

最初の夫のデビッド・ジャスティスと離婚した時、彼女はショックでうつ病にかかり自殺を考えたと後に告白している。

2023年、ラッパーのドレイクに無断で自身の写真をジャケットに使われたことに『論理と誠実さの問題』だとして抗議[20]

主な出演作品

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映画

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題名 役名 備考 吹替
1991 ジャングル・フィーバー
Jungle Fever
ヴィヴィアン
Strictly Business ナタリー
ラスト・ボーイスカウト
The Last Boy Scout
コリー 亀井芳子(ソフト版)
水谷優子フジテレビ版)
沢海陽子日本テレビ版)
田中敦子テレビ朝日版)
1992 ブーメラン
Boomerang
アンジェラ・ルイス 深見梨加(ソフト版)
水谷優子(フジテレビ版)
1993 パパと呼ばれて大迷惑!?
Father Hood
キャスリーン・マーサー 日本劇場未公開 叶木翔子
CB4
CB4
カメオ出演
日本未公開
クイーン
Queen: The Story of an American Family
クイーン テレビ映画
1994 フリントストーン/モダン石器時代
The Flintstones
シャロン・ストーン 井上喜久子
1995 クイーン・オブ・エジプト
Solomon & Sheba
ニカウレ(シバの女王 テレビ映画
代理人
Losing Isaiah
カイラ
クォーターバック
The Program
オータム・ヘイリー 湯屋敦子
1996 レース・ザ・サン
Race The Sun
ミス・サンドラ・ビーチャー 日本未公開
潜在殺意
The Rich Man's Wife
ジョージー・ポテンザ
エグゼクティブ・デシジョン
Executive Decision
ジェーン 山像かおり(ソフト版)
深見梨加(テレビ朝日版)
ガール6
Girl 6
本人
1997 バップス
B.A.P.S.
ニーシー 日本未公開
1998 ビューティフル・ウェディング
The Wedding
シェルビー・コールズ テレビ映画
ホワイ・ドゥ・フールズ・フォール・イン・ラブ
Why Do Fools Fall in Love
ゾラ 日本未公開
ブルワース
Bulworth
ニーナ 湯屋敦子
1999 アカデミー 栄光と悲劇
Introducing Dorothy Dandridge
ドロシー・ダンドリッジ テレビ映画
兼製作総指揮
ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)受賞
エミー賞主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)受賞
石塚理恵
2000 X-メン
X-MEN
オロロ・マンロー / ストーム 相沢恵子(ソフト版)
深見梨加(テレビ朝日版)
2001 ソードフィッシュ
Swordfish
ジンジャー・ノウルズ 児玉孝子(ソフト版)
日野由利加(日本テレビ版)
チョコレート
Monster's Ball
レティシア・マスグローヴ アカデミー主演女優賞受賞
ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)ノミネート
英国アカデミー賞 主演女優賞ノミネート
安藤麻吹
2002 007 ダイ・アナザー・デイ
007 Die Another Day
ジンクス 本田貴子(ソフト版)
安藤麻吹(テレビ朝日版)
2003 X-MEN2
X2
オロロ・マンロー / ストーム 本田貴子(劇場公開版)
深見梨加(テレビ朝日版)
ゴシカ
Gothika
ミランダ・グレイ 本田貴子
2004 キャットウーマン
Catwoman
ペイシェンス・フィリップス / キャットウーマン ゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞受賞
ゴールデンラズベリー賞最低スクリーンカップル賞ノミネート
本田貴子(ソフト版)
深見梨加(テレビ朝日版)
2005 彼らの目は神を見ていた
Their Eyes Were Watching God
ジェニー テレビ映画
ロボッツ
Robots
キャピィー 声の出演 矢田亜希子
2006 X-MEN:ファイナル ディシジョン
X-MEN: The Last Stand
オロロ・マンロー / ストーム 本田貴子(劇場公開版)
深見梨加(テレビ朝日版)
2007 パーフェクト・ストレンジャー
Perfect Stranger
ロウィーナ・プライス 本田貴子
悲しみが乾くまで
Things We Lost in the Fire
オードリー 坪井木の実
2010 フランキー&アリス
Frankie & Alice
フランキー 兼製作
別題『多重人格ストリッパー フランキー&アリス』
東條加那子
2011 ニューイヤーズ・イブ
New Year's Eve
エイミー 甲斐田裕子
2012 ダーク・タイド
Dark Tide
ケイト・マイソン 浅井晴美(日本語吹替1)
かとう有花(日本語吹替2)
クラウド アトラス
Cloud Atlas
マオリ族 / ルイサ・レイ / ジョカスタ・エアース / 闇医者オビッド / メロニム 本田貴子
2013 ムービー43
Movie 43
エミリー 斎藤恵理
ザ・コール 緊急通報指令室
The Call
ジョーダン・ターナー 本田貴子
2014 X-MEN:フューチャー&パスト
X-MEN: Days of Future Past
オロロ・マンロー / ストーム
2016 ケヴィン・ハートの次は何する?
Kevin Hart: What Now?
本人役 (吹き替え版なし)
2017 チェイサー
Kidnap
カーラ・ダイソン 兼製作総指揮 本田貴子
キングスマン:ゴールデン・サークル
Kingsman: The Golden Circle
ジンジャー・エール
マイ・サンシャイン
Kings
ミリー・ダンバー (吹き替え版なし)
2019 ジョン・ウィック:パラベラム
John Wick: Chapter 3 - Parabellum
ソフィア 本田貴子
2021 ブルーズド 〜打ちのめされても〜
Bruised
ジャッキー・ジャスティス 兼監督・製作
2022 ムーンフォール
Moonfall
ジョー・ファウラー
2023 The Mothership サラ・モース 公開中止
2024 ザ・ユニオン
The Union
ロクサーヌ・ホール Netflixオリジナル映画 本田貴子
Never Let Go 兼製作総指揮
ポストプロダクション

テレビシリーズ

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題名 役名 備考 吹替
1999 そりゃないぜ!? フレイジャー
Frasier
ベツィ 声の出演
第5シーズン第15話「Room Service」
2011 ザ・シンプソンズ
The Simpsons
本人役 声の出演
第22シーズン第14話「バートが映画監督!?」
(吹き替え版なし)
2014-2015 エクスタント
Extant
モリー・ウッズ英語版 主演、計26話出演
兼共同製作総指揮
板谷由夏

日本語吹き替え

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主に担当しているのは、以下の二人である。

本田貴子
007 ダイ・アナザー・デイ』(ソフト版)で初担当。最も多く吹き替えている。『X-MEN2』(劇場公開版)のオロロ・マンロー/ストームの吹き替えを務めてからは専属(フィックス)に近い形で大半の作品を担当している[21]
深見梨加
ブーメラン』(ソフト版)で初担当。主に初期の作品を担当しており、本田の次に多く吹き替えている[22][23]

このほかにも、水谷優子湯屋敦子安藤麻吹なども複数回、声を当てている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 日本では当初「ハリー・ベリー」や「ヘイリー・ベリー」の表記も見られたが、その後「ハル・ベリー」が定着した。2015年に日本での放送を開始したテレビシリーズ『エクスタント』の公式ウェブサイトでは「ハリー・ベリー」としている。スピルバーグ製作総指揮「エクスタント」”. WOWOW. 2015年4月22日閲覧。なお、実際の発音は「ハリー」が近い。Say How: A, B, C, D”. National Library Service for the Blind and Physically Handicapped. アメリカ議会図書館 (2012年8月). 2014年4月27日閲覧。

出典

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  1. ^ Halle Berry RIGHT PRONUNCIATION 2018年5月4日閲覧。
  2. ^ "Pageant Almanac – Miss USA 1986 Scores". Accessed 2007-12-21.
  3. ^ Frank Sanello (2003). Halle Berry: A Stormy Life. ISBN 1-85227-092-6
  4. ^ 『日経エンタテインメント!』
  5. ^ アンジェリーナ・ジョリー&ハル・ベリー、各社争奪戦の新作アクションに主演 2023年4月24日 21:00
  6. ^ 22歳で糖尿病と診断されたハル・ベリーが絶対に食べない3つの食品 BAZAAR 2020年7月19日
  7. ^ “ハル・ベリー、離婚を申請”. シネマトゥデイ. (2004年4月28日). https://www.cinematoday.jp/news/N0004758 2013年1月3日閲覧。 
  8. ^ Halle Berry: "I'll Never Marry Again"”. 2007年2月7日閲覧。
  9. ^ “ハル・ベリー、女の子を出産”. シネマトゥデイ. (2008年3月17日). https://www.cinematoday.jp/news/N0013223 2013年1月3日閲覧。 
  10. ^ “破局の原因は年収格差? ハル・ベリーが9歳年下モデルと破局”. Movie Collection. (2010年 5月 10日). https://www.moviecollection.jp/news/9201/ 2013年1月3日閲覧。 
  11. ^ “ハル・ベリーが元恋人と再び親権争いを開始!娘にピザを食べさせたのは父親失格?”. シネマトゥデイ. (2011年6月30日). https://www.cinematoday.jp/news/N0033411 2013年1月3日閲覧。 
  12. ^ “ハル・ベリー、元パートナー相手に本格的な親権争いを展開”. シネマトゥデイ. (2011年2月1日). https://www.cinematoday.jp/news/N0030018 2013年1月3日閲覧。 
  13. ^ “ハル・ベリー、婚約は本当だった!お相手のオリヴィエ・マルティネスが正式に認める”. シネマトゥデイ. (2012年3月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0040224 2013年1月3日閲覧。 
  14. ^ Halle Berry Pregnant With Olivier Martinez's Child: A Boy!
  15. ^ Sarah Michaud (April 5, 2013). Baby on the Way for Olivier Martinez and Halle Berry. People. Accessed 2013-04-05.
  16. ^ Halle Berry Is Married: Photos”. People (July 13, 2013). July 17, 2013閲覧。
  17. ^ AFPBB: 女優ハル・ベリーさん、47歳で第2子出産 父親は仏俳優(2013年10月7日) 2013年10月9日閲覧
  18. ^ ハル・ベリー、結婚して2年のオリビエ・マルティネスと離婚”. 映画.com (2015年10月29日). 2015年10月29日閲覧。
  19. ^ Second Chance at Love”. US Online (July 14, 2006). 2007年2月7日閲覧。
  20. ^ Halle Berry slams Drake for using 'Slime You Out' photo without her permission: 'I thought better of him'”. Entertainment Weekly (2023年9月17日). 2024年12月16日閲覧。
  21. ^ ローランド・エメリッヒ監督最新作『ムーンフォール』、本田貴子、咲野俊介、石川界人ら日本語吹き替えキャスト発表”. クランクイン!- エンタメの「今」がわかる 映画&エンタメニュースサイト (2022年6月29日). 2024年8月30日閲覧。
  22. ^ アフレコ現場から(2010/1/17放送 「Mr.&Mrs. スミス」)”. 日曜洋画劇場. テレビ朝日. 2015年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
  23. ^ ホラーマニア必見!『マーティン/呪われた吸血少年』ロメロ監督追悼《吹替版》企画 Makuake

外部リンク

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