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2020年8月5日 (水) 21:34時点における版
河井 克行 かわい かつゆき | |
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生年月日 | 1963年3月11日(61歳) |
出生地 | 広島県三原市[1] |
出身校 | 慶應義塾大学法学部政治学科 |
現職 | 衆議院議員 |
所属政党 |
(自由民主党→) 無所属 |
称号 | 法学士(慶應義塾大学) |
配偶者 | 河井案里(参議院議員) |
公式サイト | 衆議院議員 河井克行 公式サイト |
第101代 法務大臣 | |
内閣 | 第4次安倍第2次改造内閣 |
在任期間 | 2019年9月11日 - 2019年10月31日 |
選挙区 |
(広島3区→) (比例中国ブロック→) (広島3区→) (比例中国ブロック→) 広島3区 |
当選回数 | 7回 |
在任期間 |
1996年10月21日 - 2000年6月2日 2003年11月10日 - 現職 |
選挙区 | 広島市安佐南区選挙区 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 1991年4月30日 - 1993年 |
河井 克行(かわい かつゆき、1963年(昭和38年)3月11日 - )とは、日本の政治家。衆議院議員(7期)、きさらぎ会幹事長。
自由民主党総裁外交特別補佐[2]、内閣総理大臣補佐官(第3次安倍第1次改造内閣)、法務副大臣(第1次安倍改造内閣、福田康夫内閣)、外務大臣政務官(第2次小泉改造内閣、第3次小泉内閣)、衆議院外務委員長、法務大臣(第101代)、広島県議会議員(1期)等を歴任した。
経歴
生い立ち
広島県三原市生まれ[1][3]。三原市は、河井の父と母が出会い結ばれ、河井が生まれて幼稚園年中組まで過ごした古里である[1]。三原市本町、香積寺の下にある六畳二間の生家は平屋の賃貸で風呂がなく[3]、幼少期の河井は母に手を引かれ銭湯に通っていた[1]。
広島市立安小学校、広島学院中学校・高等学校を経て、1985年に慶應義塾大学法学部政治学科(専攻、東南アジアの国際政治)卒業。松下政経塾に入塾(第6期生)[4]した。同級生に、福井県越前市長の奈良俊幸がいる。1988年、アメリカオハイオ州デイトン市行政管理予算局国際行政研修生となる。1990年、松下政経塾を卒塾し、出身地である広島県に帰郷。
広島県議会議員
1991年、広島県議会議員選挙に広島市安佐南区選挙区から立候補し、初当選した。
衆議院議員
衆議院の旧広島1区は定数3のうち自民党が2議席占めていたが、1993年の第40回衆議院議員総選挙に際し、岸田文武は前年に死去、粟屋敏信は新生党に移った。党は岸田文武の息子の岸田文雄と河井の2人に公認を出すも、岸田はトップ当選、河井は候補者8人中6位で落選した。
1996年、第41回衆議院議員総選挙に広島3区から自民党公認で立候補し、新進党新人の増原義剛らを破り、初当選した。
2000年6月の第42回衆議院議員総選挙では、前回の選挙で破った無所属の増原義剛に敗れ、比例復活もならず落選。支援者から「最大の敗因は独身であること」と指摘され、気落ちしているときに知人から、科学技術振興事業団(現、科学技術振興機構)に勤務していた河井案里(当時の姓は前田)を紹介される。東京で紹介者をまじえて夕食をともにし、2次会で赤坂のスナックに行った。「天城越え」を歌う案里を見初め、その日のうちに交際が決まった[5]。2001年に結婚[6][7]。
増原がその後自民党に入党したため、以後2009年の第45回衆議院議員総選挙まではコスタリカ方式が採られ、河井、増原が交互に比例中国ブロック、広島3区から立候補する構図が続く。2003年の第43回衆議院議員総選挙では比例中国ブロック単独2位で立候補し、3年ぶりに国政に復帰した。2004年、第2次小泉改造内閣で外務大臣政務官に任命され、第3次小泉内閣まで務める。
2007年、第1次安倍改造内閣で法務副大臣に任命され、福田康夫内閣まで務める。2009年の第45回衆議院議員総選挙に比例中国ブロック単独3位で立候補し、4選。2011年6月、鳩山邦夫を中心に結成された「きさらぎ会」に参加し、同会幹事長を務める[8]。
2012年9月の自由民主党総裁選挙では安倍晋三を支持し、安倍の推薦人に名を連ねた[9]。
2012年の第46回衆議院議員総選挙では、広島3区で民主党前職の橋本博明を比例復活すら許さない大差で破り、5選。選挙後の第182回国会において、衆議院外務委員長に起用された。2014年の第47回衆議院議員総選挙では、民主党元職の橋本に前回よりも票差を縮められたものの、橋本に比例復活を許さず、6選。2015年、第3次安倍第1次改造内閣で内閣総理大臣補佐官(ふるさとづくり推進及び文化外交担当)に任命された。2017年の第48回衆議院議員総選挙では、7選。
2019年7月の第25回参議院議員通常選挙に妻の河井案里が立候補。案里と河井は、自民党から支給された多額の資金(のちに1億5千万円と判明[10])を元手に、「選対本部長を置かず、候補者が有権者と直接結び付く『草の根』選挙」(河井の弁)戦を展開。案里は5期現職の溝手顕正を追い落とし、初出馬初当選を果たした[11]。
同年9月11日、第4次安倍第2次改造内閣で法務大臣として初入閣。
同年10月31日、参院選の案里の選挙運動に関して、選挙スタッフに法定の上限額を超える報酬を渡していたとされる公職選挙法違反疑惑を「週刊文春」で報じられたことを受け、安倍晋三首相に法務大臣の辞表を提出し、受理された(後任は森雅子)[12]。
事件発覚後、河井と妻は公の場からそろって姿を消し、第200回国会(2019年12月9日まで)および各委員会を欠席し続けた[13]。
同年3月3日、広島地検は河井の政策担当秘書、案里の公設秘書、陣営幹部の3人を公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕した[14]。24日、夫妻の秘書2人を同法違反の罪で起訴した[15]。
6月16日、広島地裁が案里の公設秘書に公職選挙法違反(買収)の罪で懲役1年6ヶ月執行猶予5年の有罪判決を言い渡した[16]。翌17日、案里と共に自民党に離党届を提出し受理された[17][18]。
6月18日、広島県内の地方議員や首長ら94人に投票や票の取りまとめを依頼し、計約2,570万円の報酬を渡したとして、妻の案里と共に東京地検特捜部によって逮捕された[19][20]。
7月8日、公職選挙法違反(買収)の罪で妻の案里と共に起訴された[21]。同月9日、保釈を請求するも却下[22][23]。
選挙、役職
- 1991年(平成3年) 広島県議会議員選挙に広島市安佐南区選挙区から立候補し、初当選。
- 1993年(平成5年) 第40回衆議院議員総選挙に旧広島1区より立候補し、落選。
- 1996年(平成8年) 第41回衆議院議員総選挙に広島3区より立候補し、初当選。
- 2000年(平成12年) 第42回衆議院議員総選挙に広島3区より立候補し、無所属の増原義剛に敗れ、重複立候補していた比例中国ブロックでの比例復活もならず落選。
- 2003年(平成15年) 第43回衆議院議員総選挙に比例中国ブロックから単独3位で立候補し当選。(2期)
- 2004年(平成16年) 第2次小泉内閣において外務大臣政務官に就任する[4]。
- 2005年(平成17年) 第44回衆議院議員総選挙に広島3区から立候補し、当選。(3期)
- 2005年(平成17年) 総選挙後発足した第3次小泉内閣で外務大臣政務官に再任される。
- 2005年(平成17年) 自由民主党国会対策副委員長に就任する。
- 2006年(平成18年) 自由民主党国防部会長に就任する。
- 2007年(平成19年) 第1次安倍改造内閣で法務副大臣に就任する[4]。
- 2007年(平成19年) 福田内閣で法務副大臣に再任する[4]。
- 2008年(平成20年) 自由民主党副幹事長に就任する。
- 2009年(平成21年) 第45回衆議院議員総選挙に比例中国ブロックより単独2位で立候補し当選。(4期)
- 2009年(平成21年) 自由民主党国会対策副委員長に就任する。
- 2011年(平成23年) 自由民主党組織運動本部地方組織、議員総局長に就任する。
- 2011年(平成23年) 衆議院外務委員会筆頭理事に選任される。
- 2012年(平成24年) 自由民主党副幹事長に就任する。
- 2012年(平成24年) 第46回衆議院議員総選挙で広島3区より立候補し、当選。(5期)
- 2012年(平成24年) 衆議院外務委員長に選任される。
- 2013年(平成25年) 自由民主党総務会副会長に就任する。
- 2014年(平成26年) 第47回衆議院議員総選挙に広島3区から立候補し、当選。(6期)
- 2015年(平成27年) 第3次安倍改造内閣で内閣総理大臣補佐官に就任する。
- 2016年(平成28年) 第3次安倍第2次改造内閣で内閣総理大臣補佐官に再任される。
- 2017年(平成29年) 自由民主党総裁外交特別補佐に就任する[24]。
- 2017年(平成29年) 第48回衆議院議員総選挙に広島3区から立候補し、当選。(7期)
- 2019年(令和元年) 第4次安倍第2次改造内閣で法務大臣に就任する[25]。
- 2019年(令和元年) 10月31日付で法務大臣を辞任[26]。
活動、主張
防衛政策
北朝鮮や中国の弾道ミサイルの脅威への抑止力のためのミサイル防衛(MD)に関する日米協力強化を目的とする超党派議連「日米同盟コーカス」に所属している[27]。2015年10月には長島昭久、松野頼久とともに訪米し、米下院軍事委員会戦略軍小委員会のメンバーと共同で作業部会を立ち上げた[28]。
2017年3月の「ハドソン研究所」における講演では、北朝鮮について「経済的に北朝鮮を支えているのは中国だ」とし、北朝鮮に自制を求めるため中国が影響力を行使する必要があると述べた。また韓国大統領選挙について「韓国の次の政権が日米韓3か国の連携の重要性を十分理解することを期待している」と述べ、情勢を注視していくとしている[29]。
さらに、河井は核やミサイルの開発を加速させる北朝鮮に対し「圧力を強める時だ」と指摘した上で自衛隊による中距離弾道ミサイルなどの保有を検討すべきだという考えを示した。河井は、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や6回目の核実験について「全く容認できない」と非難し、「今は対話でなく、圧力を強める時だ」「われわれは日本を取り巻く安全保障環境がこれまでとは決定的に異なる次元に移った現実を直視しなければならない」と述べた[30]。
中国による南シナ海進出に関しては、2016年12月11日にワシントンにおけるコーカー上院議員との会談で”中国による南シナ海の人工島の軍事拠点化を止めるためには米軍の航行の自由作戦だけでは不十分”で「それだけでは今の軍事化を止めることができない」と述べた。さらにコーカー議員に対して「南シナ海情勢の悪化は、米国の国家安全保障そのものにも甚大な危機をもたらす」と伝えている[31]。
科学技術政策
2008年5月に成立した宇宙基本法に宇宙平和利用決議等検討小委員会の委員長代理として関わり、草案を作成。草案は公明党や民主党との協議を経て、多少の修正はありつつも大筋で合意された[32][33]。
法務政策
「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」の事務局長を務めており、法曹人口増員計画の見直しを主張している[34]。
地方創生
2014年の広島県豪雨被害を受け、土砂災害防止法の改正を検討する作業部会の座長として土砂災害防止法の改正を中心的に取り組んだと述べている[35]。
内閣総理大臣補佐官として
日経新聞は2016年に河井を「安倍晋三総理を支える5人衆」の一人として、長谷川栄一内閣広報官、衛藤晟一補佐官、柴山昌彦補佐官、和泉洋人補佐官と共に挙げている。同紙は河井を「文化外交担当。米議会などに人脈がある」とした上で「今年に入り米国、イラン、ケニアなど10か国を訪問」し、「安倍総理が本当に考えていることを要人に伝え、率直な感想を聞いて持ち帰ることが仕事だ」としている[36]。
日米同盟
2016年10月にアメリカ大統領選挙中に渡米し、候補のクリントンとトランプにそれぞれ近いとされる元議員や元政府高官などの民主・共和党の関係者と会談を行い「安倍首相は再交渉しない」「安倍首相は今の臨時国会でTPPが承認されるよう全力を挙げている」と述べた[37]。
ドナルド・トランプが2016年アメリカ合衆国大統領選挙で勝利し、次期大統領に決まると、安倍晋三総理の特命で米国に派遣され[38]、日米安保やTPP(環太平洋パートナーシップ)などの交渉を行った[39]。さらに、ワシントンでは、政権移行チームのニューネス下院議員と会談した[40]。
2017年1月4日トランプ次期アメリカ大統領の政権移行チーム幹部であるコリンズ下院議員とワシントンで会談。その後、記者会見で就任後早期に日米首脳会談を実施することで合意したと伝えた[41]。
2017年1月には、慰安婦問題に関する日韓合意に関して、米国に説明するために安倍首相の特使としてワシントンに派遣された[42]。
山口敬之によれば、河井は総理補佐官就任前、「議員外交」を入り口にして15回に上る訪米を行った[43]。
アジア(インド太平洋地域)
2015年11月2日~6日豪州に派遣され、中国の南シナ海進出を念頭にシノディス官房長官、ビショップ外相と会談、「インド太平洋地域の平和と安定に向け、戦略的で特別なパートナーシップが重要」という認識で一致した[44]。
フィリピンでロドリゴ・ドゥテルテが大統領に就任した際には、総理親書をもってフィリピンへ派遣された[45]。2016年12月にフィリピンを訪問しドゥテルテ大統領と会談している[46]。
河井は、12月21日付『夕刊フジ』において、米国の中国への対応について、中国を『戦略的競争相手』として「中国の脅威をはっきり盛り込んでいる」として、中国への風当たりが今後強くなることを予測している[47]。
欧州
河井は、英国で親中派として知られるオズボーン財務相が就任すると、特使として派遣され、対中傾斜への懸念を示した。会談後の記者との会見で「日英関係の戦略的な重要性で一致した」と述べた[48]。さらに東アジアの安全保障状況について、南シナ海への中国の進出を念頭に「法の支配の徹底」にむけた連携強化をしたいとした[49]。
2016年7月24日~30日まで英国、ドイツ・フランス・イタリアを訪問。イタリアではイタリア政府のほかに、バチカン市国のカミレリ財務次官と会談。河井は法王フランシスコの早期来日を要請し、カミレリは「来年の訪日を真剣に検討したい」と応じた[50]。
アフリカ
2016年1月28日~2月3日まで「アフリカ連合総会」に出席し出席した16か国のの首脳を会談を行った[51]。
2016年5月8日~13日でアフリカのガーナ・ケニアを訪問。ガーナではマハマ大統領に総理大臣の親書を手渡し、ケニアでは内閣府の「アフリカ経済戦略会議議長代行」としてルト副大統領とモンバサ港地域の経済協力について会談した[52]。
中近東
2016年2月14日~20日、イランへ派遣された。これはイランの核開発計画に対して、米国などの6か国が合意した「包括的行動行動計画」の履行日に際し、経済協力が再開されるための訪問で、ヴェラヤティ最高指導者外交顧問[53]や、ザリーフ外務大臣[54]と会談した。
2017年4月のシリア情勢の変化に対して、河井は特使としてトルコ、アラブ首長国連邦、エジプトに派遣された。トルコではエルドアン大統領に安倍首相の親書を手渡した上で、政府関係者と意見交換を行う[55]。
法務大臣として
- 児童虐待防止に向け関連部局のメンバーを入れた検討会を立ち上げるよう指示し、数カ月以内に防止策の方向性を定めるとしている[56]。
- 国外退去を命じられた外国人が出国を拒み、施設に長期間収容されている問題で、健康上の問題などで一時的に釈放されたあと行方がわからなくなるケースが増えていることについて、「出入国管理体制の根幹を脅かし、社会秩序や治安にも影響を与えかねない」と述べ、必要な対策の検討を急ぐ考えを示した[57]。
- 2019年10月10日夜、在留外国人に対し、大型で非常に強い令和元年東日本台風(台風19号)への注意を英語で呼びかける動画を公開した。台風は12~13日に近畿から東日本に接近するとみられ、河井は「最大限の警戒をしてほしい」と話し、観光庁が監修した災害時情報提供アプリ「Safety tips」が英語や韓国語、中国語、ベトナム語など11カ国に対応していることも紹介し、スマートフォンにダウンロードして情報を収集するよう呼びかけた[58]。12日朝までに視聴が1万回を超えた、河井は「より多くの外国人に見てほしい」と動画の拡散を訴えている[59]。
人物
人柄
- 2016年、秘書へのパワハラ疑惑を報じられた際、広島市の小学校時代の後輩が取材に対し「河井先輩のアダ名はスネ夫。実家は薬局経営の裕福な家庭で事あるごとに、僕と君らでは育ちが違うみたいなことを言う嫌みなヤツだった。当然、皆から嫌われていた」とコメントしている[3][60]。
- 2018年2月、出身地の三原市を訪れ、50年ぶりに三原神明市に参加した[1]。河井が生家の隣の大家に声を掛けたところ、大家は「昨日のことのようによく覚えていた」という[1]。
- 大のアライグマ好きで、アライグマのグッズを収集している。ブログのタイトルは「あらいぐまのつぶやき」、LINEのアカウント名は「あらいぐま」である[61][62][63]。
- ゲームマニアでもあり、LINEバブルはプロの腕前を誇る[64]。
親交
- 安倍晋三の信奉者として知られている。自身のウェブサイトに掲載する活動報告「月刊 河井克行」で、首相との関係の深さを繰り返し強調している[65]。2016年盛夏号では、安倍が山形県の農家を訪れた際に進行役を務めたことをPR[66]。 同年錦秋号には、安倍とともにケニア共和国に向かう写真を表紙に掲載[67]。2017年新春号には、安倍らとともにこぶしを突き出して気勢を上げる写真を掲載[68]。2018年早春号では、安倍から「今後は私の特命に基づいた議員外交を党において行うように」と命じられ、新設ポストの自民党総裁外交特別補佐に登用されたとつづった[69]。
- 「月刊Hanada」2018年7月号が「総力大特集 安倍政権はなぜ強い」という特集を組んだ際、「安倍総理こそノーベル平和賞だ」と題する文章を寄稿した。その中で「北朝鮮のしたたかさ、嘘と欺きの歴史、騙しの手口を、官僚が作った紙ではなく、衆議院議員に初当選した二十五年前からの実体験に基づいて詳しく解説できるのは、世界中で安倍総理しかいません」と述べ、安倍晋三の平和実現への寄与を詳しく解説した[70]。
- 鳩山邦夫の側近の一人であり、鳩山が設立した派閥横断型の政策グループ「きさらぎ会」の会合に定期的に参加している。「きさらぎ会」では、幹事長を務めている[71]。
家族
- 妻は、元広島県議会議員(広島市安佐南区選出)、参議院議員(広島県選挙区)の河井案里[72][73][74](2009年広島県知事選挙で落選[75]、2019年の参院選に自民党公認で出馬し、初当選[76])。
不祥事
参院選における公選法違反疑惑問題
2019年10月31日、参院選の案里の選挙運動に関して、選挙スタッフに法定の上限額を超える報酬を渡していたとされる公職選挙法違反疑惑を「週刊文春」で報じられたことを受け、安倍晋三首相に法務大臣の辞表を提出し、受理された(後任は森雅子)[12]。11月27日、神戸学院大学の上脇博之教授ら11人は公選法違反の罪で河井夫妻らに対する告発状を広島地検に提出した[77]。
事件発覚後、河井と妻は公の場からそろって姿を消し、第200回国会(2019年12月9日まで)および各委員会を欠席し続けた[13]。
2020年1月15日、広島地検は河井夫妻の事務所を家宅捜索した[78]。河井夫妻は同日深夜に記者団の取材に応じた[79]。いずれも謝罪したが、議員辞職、離党については否定した[79]。同年1月23日、前年7月の参院選の公示前、自民党本部から案里が支部長を務める「広島県参議院選挙区第七支部」に対し7,500万円、克行が支部長を務める「広島県第三選挙区支部」に対し7,500万円、あわせて1億5千万円の入金があったことが明らかとなった。落選した溝手顕正が支部長を務める「広島県参議院選挙区第二支部」に対しては、党本部からの入金は1,500万円にとどまり、10倍の開きがあった。党本部が案里陣営に肩入れした実態が浮き彫りになった[10]。選挙資金の入金先と入金時期は以下のとおり[80]。
広島県参議院選挙区第七支部 (支部長:河井案里) |
広島県第三選挙区支部 (支部長:河井克行) | |
4月15日 | 1,500万円★ | |
5月20日 | 3,000万円★ | |
6月10日 | 3,000万円★ | 4,500万円★ |
6月27日 | 3,000万円 | |
計 | 7,500万円 | 7,500万円 |
同年3月3日、広島地検は河井の政策担当秘書、案里の公設秘書、陣営幹部の3人を公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕した[14][81]。24日、夫妻の秘書2人を同法違反の罪で起訴した[15]。案里の公設秘書は河井の選挙への関与について「あらゆる場面で指示をして仕切っていた」と供述した[82]。案里は複数の党幹部に電話し「ご迷惑をお掛けしている」と陳謝した[81]。東京・永田町の議員会館でも河井夫妻の事務所の家宅捜索が6時間半にわたって行われた。その後、夫妻は「桜を見る会」前夜祭の舞台となったホテルニューオータニ東京のガーデンタワー棟に移動したが、その深夜に検察官10数人が令状を持って室内に入り、携帯電話を押収した。その際に、検察官から「着ているものを調べさせてもらう」といわれたため、案里は自ら全裸になり、多層構造になっている生理用品までめくって中を見せた。克行は「弁護士に相談したい」と言ったが、「裁判所からの差し押さえ令状があるから、その必要はない」「逮捕するわけではないから、弁護士を呼ぶ権利はない。法務大臣だったくせにそんなことも知らないのか」と一喝された[83]。
同年3月29日、河井が広島市議会議員に現金数十万円が入った封筒を手渡していたことが明らかとなった(時期は2019年5~6月頃)[84]。3月31日、河井が三原市長の天満祥典と大竹市長の入山欣郎にも現金が入った封筒を配り歩いていたことが発覚した[85][86]。4月1日、安芸太田町長の小坂眞治が河井から現金20万円入りの封筒を受け取ったと取材に証言した[87]。4月3日、元廿日市市長の眞野勝弘が市長在任中に現金を受け取った可能性があるとして広島地検から任意聴取を受けていたことが明らかとなった。眞野は携帯電話などを押収された[88]。4月7日、小坂は町議会の議長宛てに辞職願を提出し、受理された[89]。4月9日、広島地検は檜山俊宏県議と渡辺典子県議の事務所や自宅を公職選挙法違反の疑いで家宅捜索した[90]。4月14日、参院選前に案里の後援会幹部に電話作戦を依頼し、10万円入りの封筒を手渡していたことが明らかとなった[91]。4月23日、広島地検は元広島市議会議長の平野博昭と息子を任意聴取し、家宅捜索した[92]。4月24日、廿日市市議会の元議長の市議に「案里をよろしくお願いします」と伝えた後、現金20万円を渡していたことが明らかとなった[93]。4月28日、広島地検は広島県議3人の議員控室を家宅捜索した[94]。
同年5月13日、広島地検が克行を公選法違反容疑で立件する方針を固めたことが明らかとなった[95]。
6月16日、妻の案里と共に離党届を提出し受理された[96]。
6月18日、広島県内の地方議員や首長ら94人に投票や票の取りまとめを依頼し、計約2,570万円の報酬を渡したとして、妻の案里と共に東京地検特捜部によって逮捕された[19][20]。
報道されている「お金を受け取ったとされる地元政治家リスト」は以下の通り。[97]
名前 | 金額(円) | 時期(頃) | 受け取り塌所 |
---|---|---|---|
岡崎哲夫 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 選挙事務所 |
平本徹 | 300,000 | 平成31年4月上旬 | 平本徹方 |
下原康充 | 500,000 | 平成31年4月上旬 | 選挙事務所 |
奧原信也 | 500,000 | 令和元年5月下句 | 後援会事務所 |
胡子雅信 | 100,000 | 令和元年6月中旬 | 大柿市民センター |
海徳裕志 | 300,000 | 平成31年3月下句 | 選挙事務所 |
八軒幹夫 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 議員事務所 |
藤田博之 | 500,000 | 平成31年3月下旬 | 議員事務所 |
宮本裕之 | 200,000 | 平成31年3月下句 | 宮本裕之方 |
矢立孝彦 | 200,000 | 平成31年3月下旬 | 矢立孝彦方 |
今田良治 | 300,000 | 平成31年3月下句 | 後援会事務所 |
先川和幸 | 200,000 | 平成31年3月下旬 | 安芸高田市議会議長室 |
天満祥典 | 500,000 | 平成31年3月下旬 | 三原湾港ビル |
水戸眞悟 | 100,000 | 平成31年3月下旬 | 安芸高田市議会副議長室 |
宮本新八 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 後援会事務所 |
児玉浩 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 選挙事務所 |
木山徳和 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 選挙事務所 |
児玉光禎 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 児玉光禎方 |
豊島岩白 | 300,000 | 平成31年3月下旬 | 議員事務所 |
奥原信也 | 500,000 | 平成31年4月上旬 | 後援会事務所 |
三宅正明 | 300,000 | 平成31年4月上句 | 後援会瀬野連絡所 |
山下智之 | 300,000 | 平成31年4月上旬 | 山下招之方 |
木戸経康 | 300,000 | 平成31年4月上旬 | 選挙事務所 |
窪田泰久 | 300,000 | 平成31年4月上旬 | 後援会事務所 |
谷口修 | 500,000 | 平成31年4月上旬 | 谷口修方 |
伊藤昭善 | 300,000 | 平成31年4月上句 | 議員事務所前駐車場 |
沖井純 | 500,000 | 平成31年4月中旬 | 議員事務所 |
沖宗正明 | 300,000 | 平成31年4月中旬 | 後援会事務所 |
仁井田和之 | 200,000 | 平成31年4月中旬 | 自宅兼事務所 |
高山博州 | 300,000 | 平成31年4月中旬 | 議員事務所 |
平本英司 | 300,000 | 平成31年4月中句 | 後援会事務所 |
小坂眞治 | 200,000 | 平成31竿4月中旬 | 小坂眞治方 |
砂原克規 | 200,000 | 令和元年5月上句 | 議員事務所 |
繁政秀子 | 300,000 | 令和元年5月中旬 | 河井案里選挙事務所 |
宮本新八 | 200,000 | 令和元年5月下旬 | 北広居町商工会 |
石橋竜史 | 300,000 | 令和元年5月下旬 | 河井克行事務所 |
児玉浩 | 300,000 | 令和元年5月下旬 | 駐車場に駐車中の自動車内 |
渡辺典子 | 200,000 | 令和元年5月下句 | 駐車場に駐里中の自動室内 |
伊藤照善 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 駐車場に駐車中の自動車内 |
今田良治 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 後援会事務所 |
沖宗正明 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 沖宗正明方 |
海徳裕志 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 議員事務所 |
砂原克規 | 300,000 | 令和元年6月上旬 | 議員事務所 |
藤田博之 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 讓員事務所 |
三宅正明 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 議員事務所 |
天満祥典 | 1,000,000 | 令和元年6月上句 | 飲食店内 |
岡崎哲夫 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 後援会事務所 |
豊島岩白 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 議員事務所 |
青原敏治 | 100,000 | 令和元年6月上旬 | 青原敏治方 |
八軒幹夫 | 200,000 | 令和元年6月上旬 | 議員事務所 |
佐藤一直 | 300,000 | 令和元年6月中旬 | 河井案里選挙事務所 |
奥原信也 | 1,000,000 | 令和元年6月下旬 | 後援会事務所 |
藤田俊雄 | 100,000 | 令和元年6月下旬 | 藤田俊雄方前路上 |
杉原孝一郎 | 300,000 | 令和元年7月上旬 | 杉原孝一郎方 |
土并正純 | 300,000 | 令和元年7月中旬 | 河井案里選挙事務所 |
7月8日、公職選挙法違反(買収)の罪で妻の案里と共に起訴された[21]。同月9日、保釈を請求[22]。
対立女性候補を尾行
2018年、河井は警察出身の男性に探偵業さながら、選挙区で対立する塩村文夏の金銭問題や男性関係の調査を依頼し、三ヶ月で約70万円の報酬を男性に支払っていたと報道されている。その男性は塩村を実際に尾行するなどしてという。その男性に対しての支払いは河井の政治団体「日本の夢創造機構」から横浜のコンサルタント会社を通して支払われていたとその男性は証言しているという。[98]
秘書給与ピンハネ疑惑
日刊ゲンダイが「自民代議士の秘書給与ピンハネ疑惑」という見出しで、河井事務所が支援者を公設秘書として登録していながらも給与を渡さずにピンハネしていたと報じた。河井側は「登録している3人の秘書は実働しており、給与はそのまま本人らに支払われている」として名誉棄損で日刊ゲンダイを刑事告訴した[99]。
秘書への暴行
2016年、河井が元秘書兼運転手に暴行を働いたとして刑事告訴されていたことが明らかになった[100][101]。元秘書はハンドルを握る左腕を革靴で蹴りつけられ、全治14日間の大ケガをしたされる。
スピード違反の揉み消し疑惑
週刊文春によると、2019年の参院選をめぐるトラブル以前から、河井が秘書にスピード違反や、高速道路で極度に車間距離を詰める「あおり運転」を命じているといった情報が度々寄せられてきた。また、秘書や事務所スタッフへのパワハラなどもしばしばあったといわれており、かつての秘書は「克行氏のパワハラは特に車中でひどかった。私は運転手を兼ねた秘書をしていましたが、とにかく、車に乗ると些細なことで一日中怒られます。」と証言している。この秘書は運転中の秘書と河井のやり取りを録音していたが、雪が舞う真冬のある日、広島の県北へ向かう中国自動車道では以下のようなやり取りがおさめられている[102]。
河井「もうちょっと速く行って。だいたい100キロくらいでいってよ。(中略)今、何キロ?」秘書「108キロです」
河井「100か110の間くらいで。それが一番いいよ」
秘書「規制は今日、50になってますけど」
河井「ふーん」
その後ももっと速度を出すように指示を出したり、「(前の車との距離を)詰めなさいって、だから車線を。怖くないから」、「ほんと頑固だね、君は。頭柔らかくしろ、頭柔らかく。自分のやり方ばっかりじゃないか、運転一つとっても。よくわかりますよ、人の言うこと聞かない」と叱ったりした[103]。この他にも、法務大臣就任後も地元選挙区で行われた北広島町のイベントに出席するため、運転手に80キロ制限の高速道路を60キロオーバーの140キロで走行させたという。警護した広島県警の後続車両は、140キロで走行した河井の車を追いかけたが、事務所に注意を促す電話を入れただけで、道路交通法違反で検挙しなかったという[104]。
2005年衆院選における現金持参疑い
2005年のいわゆる郵政解散に伴う衆議院議員選挙投開票前に、克行が出馬した地元市議に現金を持参した疑いのあることが2020年6月24日、分かった。元市議が証言したと伝えられた[105]。
新聞社によるアンケートへの回答
- 永住外国人への地方参政権付与に反対[106]。
- 日本国憲法の改正、集団的自衛権の行使を禁じた内閣法制局の憲法解釈の見直しに賛成[107]。
- 日本の核武装について「将来にわたって検討すべきでない」としている[107]。
- 女性宮家の創設に賛成[107]。
- 日本のTPP参加に反対[107]。
- 選択的夫婦別姓制度導入について、2014年の調査では「どちらとも言えない」としていたが[108]、2017年の調査では、どちらかと言えば反対、としている[109]。
所属団体、議員連盟
著書
- 『国家としての宇宙戦略論』(河井克行、五代富文、田中俊二、志方俊之、稗田浩雄、中須賀真一、青木節子(共著)、誠文堂新光社、2006年7月25日、ISBN 978-4-416-80636-4)
- 『司法の崩壊』(PHP研究所、2008年9月27日、ISBN 978-4-569-70313-8)
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f 五十年ぶりに三原の神明市へ(2018年2月13日)河井克行オフィシャルブログ「あらいぐまのつぶやき」。2019年12月30日閲覧。
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関連項目
外部リンク
- 衆議院議員 河井克行 公式サイト
- 河井克行 (@katsukawai) - X(旧Twitter)
- 河井克行 (kawaikatsuyuki) - Facebook
- 河井克行 - YouTubeチャンネル
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