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アカデミー国際長編映画賞ロシア代表作品の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソ連崩壊後のロシアで初の受賞作『太陽に灼かれて』を監督したニキータ・ミハルコフ[1]

ロシアは、1992年よりアカデミー国際長編映画賞[nb 1]への参加を開始している。それ以前は旧ソ連からロシア映画が多く出品されていた。アカデミー外国語映画賞はアメリカ合衆国の映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催し、アメリカ合衆国以外の国で製作され、主要な会話が英語以外で占められた長編映画を対象としている[4]

ソ連の映画は1968年から1984年のあいだに9本がノミネートに至りそのうち『戦争と平和』、『デルス・ウザーラ』、『モスクワは涙を信じない』の3本が受賞を果たした。ノミネート作品のうち8本はロシアのスタジオで製作された。ソ連崩壊後、ロシア代表作品は6本がノミネートに至り、『太陽に灼かれて』のみが受賞を果たした[5]

ニキータ・ミハルコフの作品は5回代表に選ばれたが、『シベリアの理髪師』はプリントがロサンゼルスに到着するのが遅れたために失格となった。ノミネートに至ったのは3本であり、そのうち『太陽に灼かれて』のみが受賞した。

代表作

[編集]

1956年よりAMPASは外国語映画賞を設置し、各国のその年最高の映画を招待している。外国語映画賞委員会はプロセスを監視し、すべての応募作品を評価する。その後、委員会は5つのノミネート作品を決定するために秘密投票を行う[4]。以下はロシア及びソ連の代表作品の一覧である。1987年の『懺悔』(グルジア語)以外は全てロシア語で製作されている。

ロシアの旗 ロシア


(授賞式)
日本語題 出品時の英題 原題 監督 結果
2021
(第94回)
Unclenching the Fists[6] Разжимая кулаки キラ・コヴァレンコロシア語版 落選
2020
(第93回)
親愛なる同志たちへ Dear Comrades![7] Дорогие товарищи! アンドレイ・コンチャロフスキー 最終選考[8]
2019
(第92回)
戦争と女の顔 Beanpole[9] Дылда カンテミール・バラーゴフ英語版 最終選考[10]
2018
(第91回)
ヒトラーと戦った22日間 Sobibor[11] Собибор コンスタンチン・ハベンスキー 落選
2017
(第90回)
ラブレス Loveless[12] Нелюбовь アンドレイ・ズビャギンツェフ ノミネート[13]
2016
(第89回)
パラダイス Paradise[14] Рай アンドレイ・コンチャロフスキー 落選
2015
(第88回)
サンストローク 十月革命の記憶 Sunstroke[15] Солнечный удар ニキータ・ミハルコフ 落選
2014
(第87回)
裁かれるは善人のみ Leviathan[16] Левиафан アンドレイ・ズビャギンツェフ ノミネート[17]
2013
(第86回)
スターリングラード 史上最大の市街戦 Stalingrad[18] Сталинград フョードル・ボンダルチュク 落選
2012
(第85回)
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火 White Tiger[19] Белый тигр カレン・シャフナザーロフ 落選
2011
(第84回)
戦火のナージャ Burnt by the Sun 2: The Citadel[20] Утомлённые солнцем 2: Цитадель ニキータ・ミハルコフ 落選
2010
(第83回)
爆走機関車 シベリア・デッドヒート The Edge Край アレクセイ・ウチーチェリ 落選[21]
2009
(第82回)
Ward No. 6 Палата №6 Aleksandr Gornovsky
カレン・シャフナザーロフ
落選
2008
(第81回)
Mermaid Русалка Anna Melikian 落選
2007
(第80回)
12人の怒れる男 12 12 ニキータ・ミハルコフ ノミネート
2006
(第79回)
アフガン 9th Company 9 рота フョードル・ボンダルチュク 落選
2005
(第78回)
この道は母へとつづく The Italian Итальянец アンドレイ・クラフチューク 落選
2004
(第77回)
ナイト・ウォッチ Night Watch Ночной дозор ティムール・ベクマンベトフ 落選
2003
(第76回)
父、帰る The Return Возвращение アンドレイ・ズビャギンツェフ 落選
2002
(第75回)
House of Fools Дом дураков アンドレイ・コンチャロフスキー 落選
2001
(第74回)
The Romanovs: An Imperial Family Романовы - Венценосная семья グレブ・パンフィロフ 落選
2000
(第73回)
His Wife's Diary His Wife's Diary Дневник его жены アレクセイ・ウチーチェリ 落選
1999
(第72回)
モレク神 Moloch Молох アレクサンドル・ソクーロフ 落選
1998
(第71回)
シベリアの理髪師 The Barber of Siberia [注釈 1] Сибирский цирюльник ニキータ・ミハルコフ 失格
1997
(第70回)
パパってなに? The Thief Вор パーヴェル・チュフライ ノミネート
1996
(第69回)
Prisoner of the Mountains Кавказский пленник セルゲイ・ボドロフ ノミネート
1995
(第68回)
The Moslem Мусульманин ウラジミール・コティネンコ 落選
1994
(第67回)
太陽に灼かれて Burnt by the Sun Утомлённые солнцем ニキータ・ミハルコフ 外国語映画賞受賞[1]
1993
(第66回)
出品無し
1992
(第65回)
ウルガ Close to Eden Урга ニキータ・ミハルコフ ノミネート

ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦


(授賞式)
日本語題 出品時の英題 原題 監督 製作国 結果
1991
(第64回)
Get Thee Hence Изыди! デミトリ・アストラハン ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1990
(第63回)
タクシー・ブルース Taxi Blues Такси-блюз パーヴェル・ルンギン ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1989
(第62回)
ゼロシティ Zero City Город Зеро カレン・シャフナザーロフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1988
(第61回)
Commissar Комиссар アレクサンドル・アスコリドフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1987
(第60回)
懺悔 Repentance Покаяние
მონანიება [注釈 2]
テンギズ・アブラゼ グルジア・ソビエト社会主義共和国 落選
1986
(第59回)
The Wild Pigeon Чужая белая и рябой セルゲイ・ソロヴィヨフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1985
(第58回)
炎628 Come and See Иди и смотри エレム・クリモフ 白ロシア・ソビエト社会主義共和国の旗 白ロシア・ソビエト社会主義共和国 ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1984
(第57回)
Wartime Romance Военно-полевой роман ピョートル・トドロフスキー ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の旗 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国 ノミネート
1983
(第56回)
Vassa Васса グレブ・パンフィロフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1982
(第55回)
解任 Private Life Частная жизнь ユーリー・ライズマン ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 ノミネート
1981
(第54回)
Oh Sport, You Are Peace О спорт, ты - мир! ユーリー・オーゼロフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1980
(第53回)
モスクワは涙を信じない Moscow Does Not Believe in Tears Москва слезам не верит ウラジーミル・メニショフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 外国語映画賞受賞
1979
(第52回)
Autumn Marathon Осенний марафон ゲオルギー・ダネリア ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1978
(第51回)
黒い耳の白い犬 White Bim Black Ear Белый Бим Черное ухо スタニスラフ・ロストツキー ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 ノミネート
1977
(第50回)
処刑の丘 The Ascent Восхождение ラリーサ・シェピチコ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1976
(第49回)
バトル・フォー・スターリングラード They Fought for Their Country Они сражались за родину セルゲイ・ボンダルチュク ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1975
(第48回)
デルス・ウザーラ Dersu Uzala Дерсу Узала 黒澤明 ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 外国語映画賞受賞
1974
(第47回)
灰色の狼 The Ferocious One Лютый トロムーシュ・オケーエフ キルギス・ソビエト社会主義共和国 カザフ・ソビエト社会主義共和国 落選
1973
(第46回)
ヨーロッパの解放 Liberation Освобождение ユーリー・オーゼロフ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選
1972
(第45回)
The Dawns Here Are Quiet А зори здесь тихие スタニスラフ・ロストツキー ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 ノミネート
1971
(第44回)
チャイコフスキー Tchaikovsky Чайкoвский イーゴリ・タランキン ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 ノミネート
1970
(第43回)
出品無し
1969
(第42回)
カラマーゾフの兄弟 The Brothers Karamazov Братья Карамазовы キリール・ラヴロフ
イワン・プイリエフ
ミハイル・ウリヤーノフ
ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 ノミネート
1968
(第41回)
戦争と平和 War and Peace Война и мир セルゲイ・ボンダルチュク ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 外国語映画賞受賞
1964-1967 出品無し
1963
(第36回)
僕の村は戦場だった My Name is Ivan Иваново детство アンドレイ・タルコフスキー ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 落選

脚注

[編集]
  1. ^ 期日までにロサンゼルスにプリントが到着しなかったために失格となった。
  2. ^ グルジア語題
  1. ^ この部門は以前は「外国語映画賞」と呼ばれていたが、アカデミーが「外国」という言葉が時代にそぐわないと判断したために2019年4月に国際長編映画賞に変更された[2][3]

参考文献

[編集]
  1. ^ a b Russia at the Oscars: a journey down the red carpet, from War and Peace to Zvyagintsev”. The Calvert Journal (March 2018). 21 April 2018閲覧。
  2. ^ Academy announces rules for 92nd Oscars”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 12 July 2019閲覧。
  3. ^ Academy Announces Rule Changes For 92nd Oscars”. Forbes. 12 July 2019閲覧。
  4. ^ a b Special Rules for the Best Foreign Language Film Award”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2008年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月29日閲覧。
  5. ^ Foreign Language Film Facts”. Academy Award Statistics. Academy of Motion Picture Arts and Sciences (last updated in March 2007). 2007年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月15日閲覧。
  6. ^ Roxborough, Scott (25 October 2021). “Oscars: Russia Picks 'Unclenching the Fists' for International Feature Category”. The Hollywood Reporter. 25 October 2021閲覧。
  7. ^ The Union of Cinematographers appreciated the nomination for the "Oscar" of the film "Dear Comrades!"”. Teller Report (13 November 2020). 13 November 2020閲覧。
  8. ^ Davis, Clayton (9 February 2021). “Oscars Shortlists Announced in Nine Categories”. Variety. 10 February 2021閲覧。
  9. ^ Kantemir Balagov’s film Dylda nominated for an Oscar from Russia”. Teller Report (24 September 2019). 24 September 2019閲覧。
  10. ^ Academy Unveils 2020 Oscar Shortlists”. The Hollywood Reporter (16 December 2019). 17 December 2019閲覧。
  11. ^ Kozlov, Vladimir (10 September 2018). “Oscars: Russia Selects 'Sobibor' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 10 September 2018閲覧。
  12. ^ Oscars: Russia submits Zvyagintsev’s film Loveless for Oscars”. TASS (21 September 2017). 21 September 2017閲覧。
  13. ^ Oscars 2018: The list of nominees in full”. BBC News (23 January 2018). 23 January 2018閲覧。
  14. ^ Kozlov, Vladimir (20 September 2016). “Oscars: Russia Selects 'Paradise' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 20 September 2016閲覧。
  15. ^ Holdsworth, Nick (22 September 2015). “Oscars: Russia Nominates 'Sunstroke' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 22 September 2015閲覧。
  16. ^ Oscars: Russia Shockingly Submits Russia-Bashing Hit 'Leviathan' for Foreign-Language Category”. Hollywood Reporter. 28 September 2014閲覧。
  17. ^ Oscar Nominations 2015: See The Full List”. Huffington Post. 15 January 2015閲覧。
  18. ^ Russia Nominates WWII Movie ‘Stalingrad’ for Oscars”. RIA. 2013年11月18日閲覧。
  19. ^ “Karen Shakhnazarov’s “White Tiger”nominated for Oscar”. PanArmenian (PanArmenian). (20 September 2012). http://www.panarmenian.net/eng/news/123918/ 20 September 2012閲覧。 
  20. ^ 63 Countries Vie for 2011 Foreign Language Film Oscar”. oscars.org. 2011年10月14日閲覧。
  21. ^ 9 Foreign Language Films Continue to Oscar Race”. oscars.org. 2011年1月19日閲覧。

関連項目

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