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アカデミー国際長編映画賞香港代表作品の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
香港代表作で初めてノミネートされた『紅夢』を監督したチャン・イーモウ

アカデミー国際長編映画賞香港代表作品の一覧(アカデミーこくさいちょうへんえいがしょうほんこんだいひょうさくひんのいちらん)を示す。香港は1959年に初めてアカデミー国際長編映画賞[nb 1]に映画を出品した。アカデミー国際長編映画賞はアメリカ合衆国の映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催し、アメリカ合衆国以外の国で製作され、主要な会話が英語以外で占められた長編映画を対象としている[3]。香港代表作は香港の映画産業協会(Motion Picture Industry Association)により選出されている[4]

香港、中国、台湾はAMPASからは個別の存在として認識されており、それぞれが代表作を提出している。2020年度までに本戦ノミネートに至ったのは『紅夢』(1991年)、『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993年)、『少年の君』(2020年)の3作であり、そのうちデレク・ツァンのみが香港出身監督である。香港映画の特徴の1つとして独特の広東語の使用が挙げられるが、広東語の作品は代表作の約半数である。2006年度にアカデミー作品賞を獲得した『ディパーテッド』は香港映画の『インファナル・アフェア』のリメイクであるが、『インファナル・アフェア』の方はノミネートされなかった。

最も多く香港代表作を手がけた監督はジョニー・トーリー・ハンシャンの3回、次いでユー・フェン英語版ワイ・カーファイキン・フーアン・ホイイム・ホーウォン・カーウァイの2回である。

2002年度の2004年度の香港代表作はアカデミー側により規定違反であると判断されて失格となった。

代表作

[編集]

1956年よりAMPASは外国語映画賞を設置し、各国のその年最高の映画を招待している。外国語映画賞委員会はプロセスを監視し、すべての応募作品を評価する。その後、委員会は5つのノミネート作品を決定するために秘密投票を行う[3]

以下は香港代表作の一覧である。


(授賞式)
日本語題 出品時の英題 原題 言語 監督 結果
1959
(第32回)
For Better, for Worse 雨過天青 標準中国語 ユー・フェン英語版 落選
1960
(第33回)
真説チャイニーズ・ゴースト・ストーリー The Enchanting Shadow 倩女幽魂 標準中国語 リー・ハンシャン 落選
1963
(第36回)
The Love Eterne 梁山伯与祝英台 標準中国語 リー・ハンシャン 落選
1964
(第37回)
Between Tears and Laughter 新啼笑姻缘 標準中国語 ホウ・メンホア英語版ユー・フェン英語版トウ・シン英語版
Luo Zhen、Yen Chun、Hsieh Chun
落選
1966
(第39回)
大酔侠 Come Drink with Me 大醉俠 標準中国語 キン・フー 落選
1969
(第42回)
The Arch 董夫人 標準中国語 Tang Shu Shuen 落選
1976
(第49回)
The Last Tempest 瀛台泣血 標準中国語 リー・ハンシャン 落選
1979
(第52回)
空山霊雨英語版 Raining in the Mountain 空山灵雨 標準中国語 キン・フー 落選
1984
(第57回)
ホームカミング英語版 Homecoming 似水流年 広東語 イム・ホー 落選
1989
(第62回)
七小福 Painted Faces 七小福 広東語 アレックス・ロウ英語版 落選
1990
(第63回)
Eight Taels of Gold 八兩金 広東語 メイベル・チャン 落選
1991
(第64回)
紅夢 Raise the Red Lantern 大紅燈籠高高掛 標準中国語 チャン・イーモウ ノミネート[5]
1993
(第66回)
さらば、わが愛/覇王別姫 Farewell My Concubine 霸王別姬 標準中国語 チェン・カイコー ノミネート[6]
1994
(第67回)
息子の告発英語版 The Day the Sun Turned Cold 天国逆子 標準中国語 イム・ホー 落選
1995
(第68回)
女人、四十。英語版 Summer Snow 女人,四十 広東語 アン・ホイ 落選
1996
(第69回)
喝采の扉/虎度門英語版 Hu-Du-Men 虎度門 広東語 シュウ・ケイ英語版 落選
1998
(第71回)
メイド・イン・ホンコン Made in Hong Kong 香港製造 広東語 フルーツ・チャン 落選
1999
(第72回)
Ordinary Heroes 千言萬語 広東語 アン・ホイ 落選
2000
(第73回)
花様年華 In the Mood for Love 花樣年華 広東語上海語 ウォン・カーウァイ 落選
2001
(第74回)
フルタイム・キラー Fulltime Killer 全职杀手 広東語日本語英語 ワイ・カーファイジョニー・トー 落選
2002
(第75回)
レジェンド 三蔵法師の秘宝英語版 The Touch 天脈傳奇 英語 ピーター・パウ 失格[7]
2003
(第76回)
インファナル・アフェア Infernal Affairs 無間道 広東語 アンドリュー・ラウアラン・マック 落選
2004
(第77回)
マッスルモンク Running on Karma[8] 大隻佬 広東語 ワイ・カーファイジョニー・トー 失格
2005
(第78回)
ウィンター・ソング[nb 2] Perhaps Love 如果•愛 標準中国語広東語 ピーター・チャン 落選
2006
(第79回)
女帝 [エンペラー] The Banquet 夜宴 標準中国語 フォン・シャオガン 落選
2007
(第80回)
エグザイル/絆[nb 3] Exiled 放逐 広東語 ジョニー・トー 落選
2008
(第81回)
画皮 あやかしの恋 Painted Skin 畫皮 標準中国語 ゴードン・チャン 落選
2009
(第82回)
Prince of Tears 淚王子 標準中国語 ヨン・ファン英語版 落選[11]
2010
(第83回)
Echoes of the Rainbow[12] 歲月神偷 広東語 アレックス・ロウ英語版 落選[13]
2011
(第84回)
桃さんのしあわせ A Simple Life[14] 桃姐 広東語 アン・ホイ 落選
2012
(第85回)
奪命金 Life Without Principle[15] 奪命金 広東語 ジョニー・トー 落選
2013
(第86回)
グランド・マスター The Grandmaster[16] 一代宗師 標準中国語広東語 ウォン・カーウァイ 最終選考[17]
2014
(第87回)
黄金時代 The Golden Era[18] 黄金时代 標準中国語 アン・ホイ 落選
2015
(第88回)
疾風スプリンター英語版 To the Fore[19] 破風 標準中国語 ダンテ・ラム 落選
2016
(第89回)
九龍猟奇殺人事件英語版 Port of Call[20] 踏血尋梅 広東語 フィリップ・ユン中国語版 落選
2017
(第90回)
誰がための日々英語版 Mad World[21] 一念無明 広東語 ウォン・ジョン中国語版 落選
2018
(第91回)
オペレーション:レッド・シー Operation Red Sea[22] 红海行动 標準中国語 ダンテ・ラム 落選
2019
(第92回)
ホワイト・ストーム The White Storm 2: Drug Lords[23] 掃毒2天地對決 広東語 ハーマン・ヤウ英語版 落選
2020
(第93回)
少年の君 Better Days[24] 少年的你 標準中国語 デレク・ツァン ノミネート[25]
2021
(第94回)
ゼロからのヒーロー英語版 Zero to Hero[26] 媽媽的神奇小子 広東語 ワン・チーマン 落選
2022
(第95回)
Where the Wind Blows[27] 風再起時 広東語 フィリップ・ユン英語版 落選

脚注

[編集]
  1. ^ この部門は以前は「外国語映画賞」と呼ばれていたが、アカデミーが「外国」という言葉が時代にそぐわないと判断したために2019年4月に国際長編映画賞に変更された[1][2]
  2. ^ この他に『THE MYTH/神話』と『長恨歌』が代表作に検討されていた[9]
  3. ^ この他に『墨攻英語版』、『インビジブル・ターゲット』、『天使の眼、野獣の街』、『影なきリベンジャー 極限探偵C+』、『陽もまた昇る英語版』、『プロテージ/偽りの絆 英語版』が代表作に検討されていた[10]

参考文献

[編集]
  1. ^ Academy announces rules for 92nd Oscars”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 12 July 2019閲覧。
  2. ^ Academy Announces Rule Changes For 92nd Oscars”. Forbes. 12 July 2019閲覧。
  3. ^ a b Rule Thirteen: Special Rules for the Foreign Language Film Award”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 22 August 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月26日閲覧。
  4. ^ Lim, Marcus (2008年9月24日). “Hong Kong selects 'Painted Skin'”. Variety. https://www.variety.com/awardcentral_article/VR1117992770.html?nav=news&categoryid=1982&cs=1 
  5. ^ The 64th Academy Awards (1992) Nominees and Winners”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 29 September 2018閲覧。
  6. ^ The 66th Academy Awards (1994) Nominees and Winners”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 29 September 2018閲覧。
  7. ^ Koehler, Robert (9 December 2002). “Tongues wag over foreign picks”. Variety. 29 September 2018閲覧。 “Hong Kong's original entry, Peter Pau's The Touch, [...] was yanked because it's mainly in English”
  8. ^ Shackleton, Liz (18 August 2004). “Hong Kong selects foreign-language Oscar entry”. Screen Daily英語版. 29 September 2018閲覧。
  9. ^ http://www.china.org.cn/english/features/film/143657.htm
  10. ^ http://www.chinapost.com.tw/art/2007/09/26/124130/Johnnie-To's.htm
  11. ^ Hollywood Reporter Hong Kong, Taiwan make Oscar picks 8 September 2009. Retrieved 2011-10-15
  12. ^ Hong Kong, China announce foreign-language Oscar submissions”. screendaily. 2010年10月3日閲覧。
  13. ^ 9 Foreign Language Films Continue to Oscar Race”. oscars.org. 2011年1月19日閲覧。
  14. ^ 63 Countries Vie for 2011 Foreign Language Film Oscar”. oscars.org. 21 May 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月14日閲覧。
  15. ^ “Greece picks 'Unfair World' for Oscar race”. The Hollywood Reporter. (21 September 2012). https://www.hollywoodreporter.com/news/life-principle-chosen-as-hong-372933 21 September 2012閲覧。 
  16. ^ Oscars: Hong Kong Nominates Wong Kar-wai's 'The Grandmaster' for Foreign Language Category”. Hollywood Reporter. 2013年9月23日閲覧。
  17. ^ 9 Foreign Language Films Advance in Oscar Race”. Oscars. 2013年12月20日閲覧。
  18. ^ Oscars: Hong Kong Nominates 'The Golden Era' in Foreign-Language Category”. Hollywood Reporter. 16 September 2014閲覧。
  19. ^ Frater, Patrick (21 September 2015). “Hong Kong Selects 'To The Fore' as Oscar Contender”. Variety. 21 September 2015閲覧。
  20. ^ Chu, Karen (22 September 2016). “Oscars: Hong Kong Selects 'Port of Call' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 23 September 2016閲覧。
  21. ^ Frater, Patrik (21 September 2017). “Hong Kong Picks 'Mad World' for Oscar Consideration”. Variety. 21 September 2017閲覧。
  22. ^ Chu, Karen (24 September 2018). “Oscars: Hong Kong Selects 'Operation Red Sea' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 24 September 2018閲覧。
  23. ^ Chu, Karen (23 September 2019). “Oscars: Hong Kong Selects ‘The White Storm 2’ for International Feature Film Category”. The Hollywood Reporter. 23 September 2019閲覧。
  24. ^ Frater, Patrick (27 November 2020). “Hong Kong Picks 'Better Days' as Oscars Contender”. Variety. 27 November 2020閲覧。
  25. ^ The full list of 2021 Oscars nominations”. The Guardian. 15 March 2021閲覧。
  26. ^ Oscars: Hong Kong Picks 'Zero to Hero' for International Feature Category”. The Hollywood Reporter (22 October 2021). 22 October 2021閲覧。
  27. ^ Oscars 2023: Hong Kong selects crime epic 'Where The Wind Blows'”. Screen Daily (27 September 2022). 27 September 2022閲覧。

関連項目

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外部リンク

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