「1977年の映画」の版間の差分
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2021年8月17日 (火) 23:14時点における版
1977年 こちらもご覧下さい |
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1977年の映画(1977ねんのえいが)では、1977年(昭和52年)の映画分野の動向についてまとめる。
出来事
→「1977年 § できごと」も参照
世界
日本
- 3月
- 4月
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- 10月
- 11月
- 12月
- 月日不明
周年
- 創立45周年
日本の映画興行
配給会社 | 配給本数 | 年間配給収入 | 前年対比 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
新作 | 再映 | 洋画 | ||||
松竹 | 24 | 60億3909万円 | 122.0% | 年間配給収入の2割増はドル箱シリーズの『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』(10.9億円[23])、『男はつらいよ 寅次郎と殿様』(8.5億円[23])に加え、『八つ墓村』(19.9億円[23])と『幸福の黄色いハンカチ』のヒットによるものである。田宮プロの『イエロー・ドッグ』や横溝正史ブームに便乗した『陰獣』は惨敗。スターを起用した郷ひろみ主演『突然、嵐のように』 / 松坂慶子主演『恋人岬』、鈴木清順監督『悲愁物語』 / 山城新伍主演『雨のめぐり逢い』、野口五郎主演『季節風』 / 桜田淳子主演『愛情の設計』はヒットしなかった。 | ||
18 | 5 | 1 | ||||
東宝 | 18 | 83億9736万円 | 103.4% | 長らく東映に負け続けていたが、1977年は年間配給収入でトップに立った。『日本沈没』(16.4億円[24])が持つ日本映画配収記録を『八甲田山』(25.1億円[23])が大幅に更新した。1本立て大作は『八甲田山』以外に『悪魔の手毬唄』(7.6億円[23])と『獄門島』が成功し、『青春の門 自立篇』はまずまず、『姿三四郎』と『アラスカ物語』は失敗した。2本立てでは百恵・友和主演シリーズの『春琴抄』(8.8億円[23])と『泥だらけの純情』(9.9億円[23])が好稼動だった。 | ||
16 | 2 | 0 | ||||
東映 | 39 | 80億4190万円 | 87.8% | 東映本体の配給収入トップ2は『トラック野郎・天下御免』 / 『河内のオッサンの唄 よう来たのワレ』(12.8億円[23])、『トラック野郎・度胸一番星』 / 『サーキットの狼』(11.0億円[23])。春・夏のまんがまつりは安定した成績を収める。『やくざ戦争 日本の首領』がヒットしたことで、続編の『日本の首領 野望篇』を1本立てで公開し、これもヒットする[注 1]。劇画の実写化『ドカベン』、『空手バカ一代』、『ドーベルマン刑事』、『ゴルゴ13 九竜の首』は好成績とは言えず、異色作『恐竜・怪鳥の伝説』、『犬神の悪霊』、『ボクサー』は不発。
東映洋画部は角川映画第2弾『人間の証明』(22.5億円[23])と『宇宙戦艦ヤマト』(9.3億円[26])の2本で配給収入30億円を稼いだ。 | ||
35 | 2 | 2 | ||||
日活 | 73 | 33億8177万円 | 95.4% | ロマンポルノに関しては、ポルノ大作2本立てもアベレージ以上の結果を残している。しかし、ロマンポルノには配給収入の上限の壁が存在し、さらなる飛躍のためには一般映画での成功が必要とされる。その一般映画に関しては、前年の第1弾はヒットしたが、第2弾『嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』・第3弾『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』はジリ貧の結果に終わった。累積赤字80億円超。 | ||
68 | 5 | 0 |
各国ランキング
日本配給収入ランキング
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | キングコング | 東宝東和 | 30億9000万円 | |
2 | 八甲田山 | 東宝 | 25億0900万円 | |
3 | 人間の証明 | 東映 | 22億5000万円 | |
4 | 遠すぎた橋 | 富士映画 | 19億9000万円 | |
5 | 八つ墓村 | 松竹 | 19億8600万円 | |
6 | カサンドラクロス | 日本ヘラルド映画 | 15億3000万円 | |
7 | トラック野郎・天下御免 / 河内のオッサンの唄 よう来たのワレ[27] |
東映 | 12億8200万円 | |
8 | ロッキー | ユナイテッド・アーティスツ | 12億1600万円 | |
9 | トラック野郎・度胸一番星 / サーキットの狼 |
東映 | 10億9600万円 | |
10 | サスペリア | 東宝東和 | 10億9000万円 |
- 併映作に関する出典:「1977年邦画四社<封切配収>ベスト5」『キネマ旬報』1978年(昭和53年)2月下旬号、キネマ旬報社、1978年、124頁。
- 上記以外の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、352頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | 八甲田山 | 東宝 | 25億0900万円 |
2 | 人間の証明 | 東映 | 22億5000万円 |
3 | 八つ墓村 | 松竹 | 19億8600万円 |
4 | トラック野郎・天下御免 / 河内のオッサンの唄 よう来たのワレ[27] |
東映 | 12億8200万円 |
5 | トラック野郎・度胸一番星 / サーキットの狼 | 東映 | 10億9600万円 |
6 | 男はつらいよ 寅次郎純情詩集 / おとうと[28] | 松竹 | 10億8600万円 |
7 | 泥だらけの純情 / HOUSE ハウス | 東宝 | 9億8500万円 |
8 | 春琴抄 / 恋の空中ぶらんこ[注 2] | 東宝 | 8億8400万円 |
9 | 男はつらいよ 寅次郎と殿様 / 坊ちゃん | 松竹 | 8億4900万円 |
10 | 悪魔の手毬唄 | 東宝 | 7億5500万円 |
- 併映作に関する出典:「1977年邦画四社<封切配収>ベスト5」『キネマ旬報』1978年(昭和53年)2月下旬号、キネマ旬報社、1978年、124頁。
- 上記以外の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、352頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | キングコング | 東宝東和 | 30億9000万円 | |
2 | 遠すぎた橋 | 富士映画 | 19億9000万円 | |
3 | カサンドラクロス | 日本ヘラルド映画 | 15億3000万円 | |
4 | ロッキー | ユナイテッド・アーティスツ | 12億1600万円 | |
5 | サスペリア | 東宝東和 | 10億9000万円 | |
6 | ザ・ディープ | コロンビア ピクチャーズ | 10億0000万円 | |
7 | アドベンチャー・ファミリー | 東宝東和 | 8億9000万円 | |
8 | がんばれ!ベアーズ 特訓中 | パラマウント映画 | 7億9000万円 | |
9 | エアポート'77/バミューダからの脱出 | ユニバーサル映画 | 6億7400万円 | |
10 | ダーティハリー3 | ワーナー・ブラザース | 6億0600万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、352頁。ISBN 978-4873767550。
北米興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 | 出典 |
---|---|---|---|---|
1. | スター・ウォーズ | ルーカスフィルム / 20世紀フォックス | $307,263,857 | [29] |
2. | トランザム7000 | ユニバーサル映画 | $126,737,428 | [30] |
3. | 未知との遭遇 | コロンビア ピクチャーズ | $116,395,460 | [31] |
4. | グッバイガール | MGM / ワーナー・ブラザース / Rastar |
$102,000,000 | [32] |
5. | サタデー・ナイト・フィーバー | パラマウント映画 | $94,213,184 | [33] |
6. | オー!ゴッド | ワーナー・ブラザース | $51,061,196 | [34] |
7. | 遠すぎた橋 | ユナイテッド・アーティスツ | $50,750,000 | [35] |
8. | ザ・ディープ | コロンビア映画 | $47,346,365 | [36] |
9. | 007 私を愛したスパイ | ユナイテッド・アーティスツ | $46,838,673 | [37] |
10. | アニー・ホール | ユナイテッド・アーティスツ | $38,251,425 | [38] |
日本公開映画
1977年の日本公開映画を参照。
受賞
- 第35回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『アニー・ホール』、『愛と喝采の日々』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - ジェーン・フォンダ(ジュリア)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - リチャード・バートン(エクウス)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『グッバイガール』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ダイアン・キートン(アニー・ホール)、マーシャ・メイソン(グッバイガール)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - リチャード・ドレイファス(グッバイガール)
- 監督賞 - ハーバート・ロス(愛と喝采の日々)
- 第43回ニューヨーク批評家協会賞 - 『アニー・ホール』
- 第30回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『父 パードレ・パドローネ』(パオロ・タヴィアーニ&ヴィットリオ・タヴィアーニ)
- 監督賞 -
- 男優賞 - フェルナンド・レイ(ELISA, VIDA MIA)
- 女優賞 - シェリー・デュヴァル(三人の女)、モニーク・メルキューレ(J.A. MARTIN PHOTOGRAPHE)
- 第34回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 受賞作なし
- 第27回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - 『The Ascent』(Larissa Shepitko、ソ連)
- 第51回キネマ旬報ベスト・テン
- 洋画第1位 - 『ロッキー』
- 邦画第1位 - 『幸福の黄色いハンカチ』
- 第32回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『幸福の黄色いハンカチ』
誕生
- 1月3日 - 飯塚雅弓、日本の声優
- 1月3日 - 小沢真珠、日本の女優
- 1月13日 - オーランド・ブルーム、イギリスの俳優
- 1月29日 - 宝生舞、日本の女優
- 2月9日 - 田中美里、日本の女優
- 3月16日 - 柏原崇、日本の俳優
- 4月29日 - 一色紗英、日本の女優
- 5月8日 - たかはし智秋、日本の声優
- 5月16日 - メラニー・リンスキー、ニュージーランドの女優
- 5月26日 - 伊東美咲、日本の女優
- 6月5日 - 大河内奈々子、日本の女優
- 6月10日 - 松たか子、日本の女優
- 7月1日 - リヴ・タイラー、アメリカの女優
- 8月12日 - パク・ヨンハ、韓国の俳優(+ 2010年)
- 8月22日 - 菅野美穂、日本の女優
- 8月25日 - 浅野真澄、日本の声優
- 9月26日 - 佐藤藍子、日本の女優
- 11月10日 - ブリタニー・マーフィ、アメリカの女優(+ 2009年)
- 12月6日 - 市川海老蔵 (11代目)、日本の歌舞伎役者・俳優
死去
日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 12日 | アンリ=ジョルジュ・クルーゾー | 69 | 映画監督 | |
13日 | アンリ・ラングロワ | 62 | シネマテーク・フランセーズ創設者 | ||
14日 | ピーター・フィンチ | 60 | 俳優 | ||
2月 | 27日 | 渡辺篤 | 78 | 俳優 | |
3月 | 15日 | ナナリー・ジョンソン | 79 | 映画監督・プロデューサー・脚本家 | |
21日 | 田中絹代 | 67 | 女優 | ||
4月 | 21日 | ガンモ・マルクス | 83 | 俳優 | |
5月 | 10日 | ジョーン・クロフォード | 72 | 女優 | |
16日 | マイケル・フィンドレイ | 39? | 映画監督 | ||
24日 | 近衛十四郎 | 63 | 俳優 | ||
6月 | 2日 | スティーヴン・ボイド | 45 | 俳優 | |
3日 | ロベルト・ロッセリーニ | 71 | 映画監督 | ||
13日 | マシュウ・ガーバー | 21 | 俳優 | ||
8月 | 16日 | エルヴィス・プレスリー | 42 | 歌手・俳優 | |
17日 | デルマー・デイヴィス | 73 | 映画監督・脚本家 | ||
19日 | グルーチョ・マルクス | 86 | 俳優 | ||
29日 | ジーン・ヘイゲン | 54 | 女優 | ||
10月 | 14日 | ビング・クロスビー | 74 | 歌手・俳優 | |
11月 | 13日 | 豊田四郎 | 71 | 映画監督 | |
26日 | 奈良真養 | 80 | 俳優 | ||
12月 | 11日 | 望月優子 | 60 | 女優 | |
18日 | 進藤英太郎 | 78 | 俳優 | ||
19日 | ジャック・ターナー | 73 | 映画監督 | ||
25日 | チャーリー・チャップリン | 88 | 映画監督・俳優 | ||
26日 | ハワード・ホークス | 81 | 映画監督 | ||
27日 | 高田稔 | 78 | 俳優 |
脚注
注釈
出典
- ^ “Star Wars: Episode IV - A New Hope” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2019年11月8日閲覧。
- ^ a b 松竹 1985, p. 693.
- ^ 東宝 1982b, p. 130.
- ^ 松竹 1985, p. 291.
- ^ a b c d e f g h 谷川 1993, p. 170.
- ^ 松竹 1985, pp. 40, 201, 693.
- ^ a b c d 東宝 1982b, p. 131.
- ^ “悲愁物語”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年11月11日閲覧。
- ^ a b c d 東宝 1982b, p. 132.
- ^ 松本昌悦, 「「愛のコリーダ」事件控訴審判決(憲法判例研究(3))」 中京大学法学部 『中亰法學』 17巻 2号 p.22-43,1983年, NAID 110006201087
- ^ “東映クロニクル”. 東映公式サイト. 東映. 2020年4月1日閲覧。
- ^ “八つ墓村(1977)”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年11月10日閲覧。
- ^ 斉藤 2009, p. 80.
- ^ “第18作 男はつらいよ 寅次郎純情詩集”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月27日閲覧。
- ^ “第19作 男はつらいよ 寅次郎と殿様”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月5日閲覧。
- ^ 斉藤 2009, pp. 84–85.
- ^ 斉藤 2009, pp. 85–86.
- ^ 斉藤 2009, pp. 86–87.
- ^ 「1977年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報』1978年(昭和53年)2月下旬号、キネマ旬報社、1978年、123頁。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、223頁。ISBN 4-87376-595-1。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、198-199頁。ISBN 4-87376-595-1。
- ^ 春日太一『あかんやつら: 東映京都撮影所血風録』文藝春秋、2013年11月15日、353頁。ISBN 978-4-16-376810-6。
- ^ 西沢正史「宇宙戦艦ヤマト 完結編 特集I 天国と地獄をみた男・西崎義展」『キネマ旬報』1983年(昭和58年)3月下旬号、キネマ旬報社、1983年、96頁。
- ^ a b “河内のオッサンの唄”. KINENOTE(キネノート). 2018年11月8日閲覧。
- ^ “おとうと(1976)”. KINENOTE(キネノート). 2018年11月8日閲覧。
- ^ “Star Wars, Box Office Information”. Box Office Mojo. May 26, 2014閲覧。
- ^ “Smokey and the Bandit, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 26, 2012閲覧。
- ^ “Close Encounters of the Third Kind, Box Office Information”. Box Office Mojo. May 26, 2014閲覧。
- ^ Box Office Information for The Goodbye Girl. Worldwide Box Office. September 13, 2013.
- ^ “Saturday Night Fever, Box Office Information”. Box Office Mojo. May 26, 2014閲覧。
- ^ “Box Office Information for Oh, God!”. The Numbers. January 26, 2012閲覧。
- ^ “A Bridge Too Far (1977) , Box Office Information”. Box Office Mojo. 2016年11月18日閲覧。
- ^ “The Deep, Box Office Information”. Box Office Mojo. May 26, 2014閲覧。
- ^ “The Spy Who Loved Me, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 26, 2012閲覧。
- ^ “Annie Hall, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 26, 2012閲覧。
参考文献
- 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)