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日本における死刑囚の一覧 (2010年代)

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日本における死刑囚の一覧 (2010年代) (にほんにおけるしけいしゅうのいちらん)は、2010年平成22年)から2019年令和元年)の日本で、刑事裁判によって死刑判決を言い渡され、確定した死刑囚死刑確定者)の一覧記事である。

2010年 - 2014年

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※は第一審・裁判員裁判による死刑囚。

2010年

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2010年平成22年)に死刑が確定した死刑確定者は9人である[1](同年に上告審判決を受けた7人+2009年12月に判決を受けた2人)[2]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
オウム真理教事件井上嘉浩 2010年1月12日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[3]
1994年1月 - 1995年3月 1969年(昭和44年)12月28日生まれ[4]。オウム真理教の元幹部で駐車場経営者VX襲撃事件会社員VX殺害事件オウム真理教被害者の会会長VX襲撃事件公証人役場事務長逮捕監禁致死事件地下鉄サリン事件などに関与。
2000年6月6日に第一審・東京地裁(井上弘道裁判長)で無期懲役判決を受けたが、2004年5月28日に控訴審・東京高裁(山田利夫裁判長)で一審破棄・死刑判決[4]
2009年12月10日に最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)で上告棄却判決を受け[5]、同小法廷に対し判決の訂正申し立てをしたが、それも2010年1月12日付の決定で棄却されたため、死刑が確定した[3]。2018年3月14日に東京拘置所から大阪拘置所へ移送され[6]、第1次再審請求中の2018年7月6日に同所で死刑執行(48歳没)[4]
土浦連続殺傷事件 (K) 2010年1月5日[7] 2008年3月(19日・23日)[7] 1983年(昭和58年)10月13日生まれ[4]。土浦市内の民家で男性1人を殺害し、その4日後に同市内の荒川沖駅JR東日本常磐線)で通り魔事件を起こして8人を殺傷(1人が死亡・7人が重傷)[7]
2009年12月18日に水戸地裁(鈴嶋晋一裁判長)で死刑判決を受け[4]、同日中に弁護人が東京高裁に控訴した[7]。しかし同年12月28日に被告人K自身が控訴を取り下げ、控訴期限が切れた2010年1月5日0時に死刑確定[7]。2013年2月21日に東京拘置所で死刑執行(29歳没)[4]
オウム真理教事件新実智光 2010年2月16日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[8]
1995年3月他多数 1964年(昭和39年)3月9日生まれ[4]オウム真理教の元幹部。一連のオウム真理教事件で坂本堤弁護士一家殺害事件松本サリン事件地下鉄サリン事件など11件26人の殺人に関与したと認定された。
2002年6月26日に東京地裁(中谷雄二郎裁判長)で死刑判決を受け、2006年3月15日に東京高裁(原田國男裁判長)で控訴棄却判決を受けた[4]。2010年1月19日に最高裁第三小法廷(近藤崇晴裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け[9]、判決への訂正を申し立てたが2010年2月16日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定した[8]。2018年3月14日に東京拘置所から大阪拘置所へ移送され[6]、同所で2018年7月6日に死刑執行(54歳没)[4]
大阪・岐阜連続女性強盗殺人事件 (O) 2010年1月29日 2005年(4月27日・5月11日)[10] 1940年(昭和15年)12月3日生まれ[11]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中(現在84歳)[13]
パチスロによる借金の返済に窮し、岐阜県揖斐郡揖斐川町でパート従業員の女性を殺害して現金15,000円を奪ったほか、大阪府大阪市旭区のマンションに強盗目的で侵入して主婦を殺害した[10]。他にも空き巣の余罪あり。
2006年11月2日に大阪地裁(中川博之裁判長)で死刑判決を受け、2007年4月27日に大阪高裁(陶山博生裁判長)で控訴棄却判決を受けた[11]。2010年1月29日に最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑確定[10]
久留米看護師連続保険金殺人事件 (Y) 2010年3月18日 1998年1月24日・1999年3月27日[11] 女性死刑囚。1959年(昭和34年)7月10日生まれ[11]。同じ看護学校に通っていたことなどがきっかけで知り合った女(A・B・Cの3人)と共謀し、1998年1月にはA・Bと共謀してAの夫を睡眠薬で眠らせ、静脈に空気を注射して殺害し保険金3,500万円を詐取した[14]。また1999年3月にはA・B・Cと共謀し、Cの夫を睡眠薬で眠らせた上で医療用チューブを使用し、大量の洋酒を胃に流し込んで殺害した上で保険金約3,300万円を詐取した[14]。被告人Aは死刑を求刑されたが公判中(判決前)の2004年に病死し[15]、Bは無期懲役、Cは懲役17年が確定した[14]
2004年9月24日に福岡地裁(谷敏行裁判長)で死刑判決を受け、2006年5月16日に福岡高裁(浜崎裕裁判長)で控訴棄却判決[11]
2010年3月18日に最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより[14]、同年4月に死刑が確定[16]
2016年3月25日に福岡拘置所で死刑執行(56歳没)[16]。戦後、女性死刑囚への刑執行は5人目[17]
森功のノンフィクション『黒い看護婦』は同事件を題材にしている。
館山市一家4人放火殺人事件 (T) 2010年9月16日 1998年2月11日[18]・2003年12月18日[19] 1963年(昭和38年)10月3日生まれ[4]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在61歳)[13]
館山市内で放火を繰り返し、1998年の放火事件で1人を[18]、2003年の放火事件で一家4人を死亡させた[19]
2005年2月21日に千葉地裁(土屋靖之裁判長)で死刑判決を受け、2006年9月28日に東京高裁(須田贒裁判長)で控訴棄却判決を受けた[4]
2010年9月16日に最高裁第一小法廷(横田尤孝裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[20]
大分替え玉保険金殺人事件 (O) 2010年11月8日 2002年1月(8日・31日)[21] 1974年(昭和49年)5月16日生まれ(旧姓T)[4]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中(現在50歳)[13]
共犯Hと共謀して2002年1月8日に福岡県北九州市で無職男性(当時73歳)を刺殺して男性宅に放火し、通帳を奪ったほか、同月31日にはHに掛けた保険金を騙し取る目的で身代わりのホームレス男性(当時62歳)を大分県内で川に沈めて水死させた[21]
一連の事件では首謀者とされ[21]、2005年5月16日に福岡地裁小倉支部(野島秀夫裁判長)で死刑判決を受けた[4]。2007年1月16日に福岡高裁(浜崎裕裁判長)で控訴棄却判決を受け[4]、2010年11月8日に最高裁第二小法廷(須藤正彦裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[21]
大分替え玉保険金殺人事件 (H) 2010年11月8日 2002年1月(8日・31日)[21] 1957年(昭和32年)8月12日生まれ(旧姓T)[22]。上記Oの共犯で実行犯[21](裁判経緯は同一)[22]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中[13]
鉾田町独居高齢者連続強盗殺人事件 (F) 2010年12月1日
(正式な死刑確定日)[23]
2005年1月 1961年(昭和36年)8月31日生まれ[4]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在63歳)[13]
連続殺人で逮捕される前に自動車盗などの犯罪を繰り返して計8回服役したが、その際の裁判では心神耗弱と認定されたこともあった[23]。スナックでの飲食のための金欲しさから、2005年1月18日に茨城県鹿島郡鉾田町(現:鉾田市)で顔見知りの高齢女性(当時75歳)を殺害して現金7万円余りを奪ったほか、同月28日にも別の高齢女性(当時79歳)を殺害するなどして強盗殺人・強盗強姦未遂などの罪に問われた[24]
2005年12月22日に水戸地裁(林正彦裁判長)で死刑判決を受け、2006年12月21日に東京高裁(河辺義正裁判長)で控訴棄却判決[4]
2010年10月14日に最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)で上告棄却判決を受け[24]、同年12月1日に死刑が確定[23]

2011年

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2011年(平成23年)に死刑判決が確定した死刑確定者の人数は、『検察統計年報』によれば22人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年1月1日から12月27日の間に死刑が確定した死刑確定者は21人である[25]。同年末時点で収監されていた死刑確定者の人数は129人で[25]、2012年3月5日時点では132人[26]、同月28日時点では135人だった[27]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
オウム真理教事件土谷正実 2011年3月7日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[28]
1995年3月他多数 1965年(昭和40年)1月6日生まれ[22]オウム真理教の元幹部で松本サリン事件会社員VX殺害事件地下鉄サリン事件などに関与。
殺害行為には直接関与しなかったが、サリンなど一連の化学兵器製造に関与しており、大量殺傷事件の共同正犯として2004年1月30日に東京地裁(服部悟裁判長)で死刑判決を受けた[29]。2006年8月18日には東京高裁(白木勇裁判長)で控訴棄却判決を受け[22]、2011年2月15日に最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受けた[30]。上告審判決への訂正を申し立てたが2011年3月7日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[28]
2018年7月6日に東京拘置所で死刑執行(53歳没)[22]
渋谷駅駅員銃撃事件[31](熊谷徳久)[32] 2011年3月1日 2004年(4月26日・5月29日・6月23日) 1940年(昭和15年)5月8日生まれ[33][22]だが、戦災孤児で2つ戸籍があり、もう1つの戸籍では「1938年(昭和13年)1月25日生まれ」となっている[22]。後者の戸籍名は「入佐求」[33]
2004年4月12日に福島刑務所を出所した直後[34]、同月26日に[35]「東京駅地下のキオスク集金所」(実際は勘違い)へ強盗に入ろうとしたが、失敗したため、用意していた軽油を撒いて放火したほか[36]、同年5月29日には横浜中華街の料理店主宅へ押し入り、店主の男性を拳銃で射殺[37]。さらに6月23日には渋谷駅で東京地下鉄(東京メトロ)職員を集金係と勘違いして銃撃し、現金を奪った[38]。渋谷駅事件の被害者には重い後遺症が残った[39]
2006年4月17日に東京地裁(毛利晴光裁判長)は無期懲役判決を言い渡したが[22]、2007年4月25日に東京高裁(高橋省吾裁判長)は「殺害された被害者は1人だが、死刑を直ちに回避すべき事例とはいえない」として原判決を破棄し死刑判決を言い渡した[39][40]。2011年3月1日に最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[41]
著書に『奈落-ピストル強盗殺人犯の手記-』がある(#参考文献を参照)[22]。2013年9月12日に東京拘置所で死刑執行(73歳没)[22]
福岡3女性連続強盗殺人事件 (S) 2011年3月27日
(正式な死刑確定日)[42]
2004年12月 - 2005年1月 1969年(昭和44年)3月22日生まれ[43]本籍地は福岡県鞍手郡小竹町[43]
強盗・強姦目的に飯塚市北九州市福岡市で凶行に及んだ[44]
2006年11月13日に福岡地裁(鈴木浩美裁判長)で死刑判決を受け[44]、2008年2月7日に福岡高裁(正木勝彦裁判長)で控訴棄却判決[45]。2011年3月8日に最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)で上告棄却判決を受け[46]、同年3月25日付で同小法廷から判決訂正申し立て棄却決定を出されたことにより死刑確定[47](正式な死刑確定日は2011年3月27日)[42]
2019年8月2日に福岡拘置所で死刑執行(50歳没)[22]
大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件 (KM) 2011年3月30日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[48]
1994年9月28日-10月7日 1975年(昭和50年)3月19日生まれ[22]
下記KA・HMの共犯で少年死刑囚(事件当時19歳)。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在49歳)[13]。不良少年グループによる連続リンチ殺人事件の主犯格。戦後の少年犯罪史上、複数の被告人の死刑が確定した初のケース[49]
主犯格3人の中で唯一、第一審・名古屋地裁でも死刑判決を受けたが、控訴審・名古屋高裁では第一審が傷害致死事件と認定した「木曽川事件」について殺人罪と認定され、原判決破棄の上で改めて死刑判決を受けた。2011年3月10日に最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)で上告棄却判決(二審の死刑判決を支持)を受け、判決の訂正を申し立てたが2011年3月30日付の同小法廷決定で棄却されたため、下記2人とともに死刑が確定[48]
この他に3つの事件で共犯7人が刑事処分を受け、5人の有罪判決が確定し、2人は少年院送致された。
大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件 (KA) 2011年3月30日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[48]
1994年9月28日-10月7日 1975年(昭和50年)7月21日生まれ[22]
上記KM・下記HMの共犯で少年死刑囚(事件当時19歳)。2021年9月20日時点で[12]名古屋拘置所に収監中(現在49歳)[50]
旧姓Ko[51]、死刑確定直前にOへ改姓し[注 1]、現姓はKu[22]。第一審・名古屋地裁では「木曽川事件」が傷害致死罪と認定されたほか「事件への関与の度合いもKM被告人より低い」と判断され、KAとともに無期懲役判決を受けたが、控訴審では木曽川事件について殺人罪と認定されたほか、「3人の刑事責任はいずれも重い」とされ、被告人3人全員が死刑判決を受けた。再審請求中。
大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件 (HM) 2011年3月30日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[48]
1994年9月28日-10月7日 1975年(昭和50年)10月23日生まれ[22]
上記KM・KAの共犯で少年死刑囚(事件当時18歳)。旧姓K[注 2][54]。2021年9月20日時点で[12]名古屋拘置所に収監中(現在49歳)[50]。獄中で国家賠償請求訴訟を多数起こしている。
広島・岡山独居老人強盗殺人事件 (K) 2011年3月24日
(上告審判決宣告日)
2003年9月28日・2004年12月10日[55] 1931年(昭和6年)7月13日生まれ[56]。本籍地は広島県福山市[56]
2003年9月に広島県比婆郡東城町粟田(現:庄原市)で一人暮らしの女性(当時91歳)を強盗目的で絞殺したほか、2004年12月に岡山県井原市井原町で[57]、一人暮らしの蕎麦屋店主男性(当時76歳)を[58]バールで撲殺し、現金約5万円入りの財布などを奪った[57]
2人への強盗殺人罪で起訴されて死刑を求刑されたが[59]、岡山地裁(松野勉裁判長)は2006年3月24日に[22]広島の事件について殺意を認めず強盗致死罪を適用し、無期懲役を言い渡した[55]
しかし検察官が控訴したところ、広島高裁岡山支部(小川正明裁判長)は2008年2月27日に、「広島の事件でも確定的殺意を持って被害者の首を絞めた」と殺意を認定し、2件とも強盗殺人罪の成立を認定した上で、一審を破棄して死刑判決を言い渡した[55]
2011年3月24日、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)で上告棄却の判決を受けた[60]。判決訂正申立も同年4月18日付の決定で棄却され[57]、同月に死刑が確定[61]。79歳での死刑確定は戦後最高齢[59]
死刑確定後の2011年5月、広島拘置所へ入所した[62]。上告中の2008年10月にアルツハイマー病と診断され、2016年1月14日に広島拘置所で意識不明となって拘置所外の病院に入院したが、2016年2月14日にアルツハイマー病による摂食障害・衰弱のため、広島県内の病院で死亡(84歳没)[63]
東大阪集団暴行殺人事件[64] (K) 2011年3月25日
(上告審判決宣告日)
2006年6月19日 1984年(昭和59年)12月22日生まれ[22]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中(現在39歳)[50]
被害者2人が男性2人を恐喝・暴行したことに対し、「殺さなければ殺される」と考え仲間9人で岡山県で生き埋めにして殺害。殺害実行犯・首謀者であるKが死刑に処されたほか、共犯8人のうち殺害発案者は無期懲役、最初に暴行された2人は懲役11年および懲役9年、重機を操作した少年は懲役15年、被害者2人を呼び出した暴力団関係者は懲役17年、見張り役は懲役7年の判決がそれぞれ確定している。また他の2人(事件当時少年)は殺人罪で起訴されず家庭裁判所送致になっている。
2007年5月22日に大阪地裁(和田真裁判長)で死刑判決を受け、2008年5月20日に大阪高裁(若原正樹裁判長)で控訴棄却判決を受けた[22]。2011年3月25日に最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け、判決への訂正申し立ても2011年4月15日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[65]
同僚・妻連続殺人事件 (O) 2011年5月9日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[66]
2004年・2005年 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[50]。自身の不倫相手を中傷されたことに腹を立てて同僚男性を殺害したほか、不倫を知り離婚を迫った妻を殺害し遺体をバラバラにして遺棄[67]。事件当時の姓は「T」[68]
2007年2月26日に静岡地裁(竹花俊穂裁判長)で死刑判決を受け、2008年3月25日に東京高裁(安原文夫裁判長)で控訴棄却判決を受けた[22]。最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)で2011年4月11日に上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け、判決への訂正申し立ても2011年5月9日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[66]
宮崎の口封じ連続殺人事件 (F) 2011年5月20日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[69]
1999年 1969年(昭和44年)1月23日生まれ[70]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中(現在55歳)[50]
保険金詐欺常習犯が分け前を巡るトラブルから仲間を殺害し、次いで事件の真相を知った税理士を殺害[71]。1件については無罪・もう1件についても事実誤認を主張[72]。進行性筋ジストロフィー症で自力歩行も困難とされる[72]
2003年5月26日に宮崎地裁(小松平内裁判長)で死刑判決を受け、2007年1月23日に福岡高裁宮崎支部(竹田隆裁判長)で控訴棄却判決を受けた[70]。2011年4月19日に[70]最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け、判決への訂正申し立ても2011年5月20日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[69]
広島連続保険金殺人事件 (O) 2011年6月7日 1998年10月・2000年3月1日[70] 1961年(昭和36年)7月26日生まれ[73]。本籍地は広島県広島市佐伯区[73]。2021年9月20日時点で[12]広島拘置所に収監中[50](現在63歳)。
それぞれ保険金目的で1998年に義父を交通事故を装って殺害したほか、2000年には妻を浴槽につけて殺害し、遺体を遺棄した[74]
2005年4月27日に広島地裁(岩倉広修裁判長)で死刑判決を受け、2007年10月16日に広島高裁(楢崎康英裁判長)で控訴棄却判決を受けた[70]。2011年6月7日に最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)で上告棄却判決を受けたことで死刑が確定[75]
横浜港バラバラ殺人事件 (I) 2011年6月16日[76] 2009年6月18日 - 19日 1978年(昭和53年)1月31日生まれ[77]。本籍地は神奈川県横浜市港南区[77]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在46歳)[78]
男Kらと共謀し、男性2人(歌舞伎町麻雀店経営者)ら[注 3]を千葉県船橋市内のホテルに監禁し、チェーンソーやナイフなどで殺害[82]。遺体を東京湾(横浜市金沢区沖)[83]や山梨県の山中に遺棄し[注 4][82]、約1,340万円を奪った[83]ほか、Kらと共謀して覚醒剤密輸などの事件を起こした[85]
2009年6月24日に金沢区幸浦二丁目の岸壁で被害者の遺体が発見され[86]、Iは覚醒剤密輸事件で逮捕された後、強盗殺人・死体遺棄などを自白した[79]
2010年11月16日に横浜地裁第5刑事部(朝山芳史裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を言い渡された[77]が、朝山裁判長は判決宣告後、異例となる控訴を勧める説諭を行った[83]。その後、弁護団が控訴したが[87]、2011年6月16日にIが自ら控訴を取り下げ、死刑が確定[76]。弁護人が審理継続を申し立てたが、2012年7月に「死刑確定者」の処遇に切り替わった[88]
裁判員裁判で初めて死刑判決を受け[注 5][77][88]、確定した人物である[76]。共犯Kは2009年12月15日付でICPOを通じて国際手配され[90]、2011年時点でも指名手配中[91]
※川崎アパート3人殺害事件 (T) 2011年7月4日[70][92] 2009年5月30日[70] 1952年(昭和27年)1月2日生まれ[50]
川崎市内のアパートで隣室に住む夫婦を刺殺。さらに被害者の兄で、アパートの大家であった男性を刺殺した。
2011年6月17日に横浜地裁(秋山敬裁判長)で死刑判決を受け、同年7月4日付で自ら控訴を取り下げたため、死刑が確定[50]。裁判員裁判で2例目の死刑確定(横浜港バラバラ殺人事件の死刑囚〈表では#2012年に記載〉に次ぐ)[93]。2015年12月18日に東京拘置所で死刑執行(63歳没)[50]。裁判員裁判による死刑囚として初の死刑執行[50]
大牟田4人殺害事件 (KM) 2011年10月3日 2004年9月16日・18日 1959年(昭和34年)4月26日生まれ[94][95]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中(現在65歳)[50]
女性死刑囚。KSの妻で、IT・KTの母親。福岡県大牟田市で発生した連続殺人事件。
裁判経緯は次男IT(当時はK姓)と同一(夫KS・長男KTとは分離公判)で[70]、2006年10月17日に福岡地裁久留米支部(高原正良裁判長)でITと共に死刑判決を[96]、2007年12月25日に福岡高裁(正木勝彦裁判長)で控訴棄却判決を受け[97]、2011年10月3日に最高裁第二小法廷(須藤正彦裁判長)で上告棄却判決を受け、死刑が確定[98]
大牟田4人殺害事件 (IT) 2011年11月8日[99] 2004年9月16日・18日 1984年(昭和59年)6月9日生まれ[94][95]・福岡県大牟田市出身[100]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中(現在40歳)[50]
KS・KM夫妻の次男で、夫妻とその長男(異父兄)K3の共犯者[101]松ヶ根部屋の元力士「三池山」[102]。旧姓K[50]
2009年(平成21年)8月14日 - 2011年6月15日にかけ、外部の支援者複数人と養子縁組を行い[99]、父・母・兄(いずれもK姓)とは違う姓(I姓)になっている[98][50]
裁判経緯は母KMと同一で[50]、2011年11月8日に死刑が確定している[99]
大牟田4人殺害事件 (KS) 2011年10月17日 2004年9月16日・18日 1944年(昭和19年)1月12日生まれ[103]。KMの夫で、KT(KMと前夫との子供)の養父[104]・ITの実父[105]、元暴力団組長[106]
2021年9月20日時点で[12]広島拘置所に収監中[注 6][50](現在80歳)。
裁判経緯は長男KTと同一(妻KM・次男ITとは分離公判)で[70]、第一審にて妻子との共謀を否定し自身の単独犯を主張したが[107]、2007年2月27日に福岡地裁久留米支部(高原正良裁判長)で妻子との共謀を認定され死刑判決を受けた[108]。控訴審では一転して共謀を認めた一方で強盗目的を否定したが[109]、2008年3月27日に福岡高裁(正木勝彦裁判長)で控訴棄却判決[110]。2011年10月17日に最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)で上告棄却判決を受けたことで死刑が確定したが、本事件では妻と息子2人を含め、犯行に関与した一家4人全員が死刑判決を受け確定する異例の事態になった[111]
大牟田4人殺害事件 (KT) 2011年10月17日 2004年9月16日・18日 1980年(昭和55年)12月20日生まれ[103]・福岡県大牟田市出身[112]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中(現在43歳[注 6][113]
KS・KM夫妻の長男[101]。父KSとは養子縁組関係[114]・弟K4とは異父兄弟関係である[115]大島部屋の元力士「旭竜神」[102]。引退後は母KMが経営していた建設会社で働いていたが、19歳だった2000年6月25日には福岡県三潴郡城島町(現:久留米市城島町)で同僚の少年(当時18歳)を不良仲間6人とともにリンチして死なせる傷害致死事件を起こし逮捕[116]・起訴された[117]。2001年6月26日に傷害致死罪で福岡地裁久留米支部から懲役3年6月の実刑判決を受け[118]、2004年春まで刑務所に服役していた[119]
逮捕後の2004年11月13日に福岡地検久留米支部庁舎から一時逃亡し[120]、単純逃走罪で追起訴された[121]
福岡一家4人殺害事件 (G) 2011年11月10日[122] 2003年6月20日 1979年(昭和54年)11月14日生まれ[113][123]中国河南省出身[123]。2001年(平成13年)に留学のため来日したが[123]、2003年に福岡市東区中国人3人組による一家4人殺害事件を起こした(主犯)[124]
2005年5月19日に福岡地裁(川口宰護裁判長)で死刑判決を受け、2007年3月8日に福岡高裁(浜崎裕裁判長)で控訴棄却判決を受けた[70]。2011年10月20日に最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)で上告棄却判決を受け[125]、2011年11月10日に正式に死刑が確定した[122]
2019年12月26日に福岡拘置所で死刑執行(40歳没)[126]
共犯の被告Y・Oは中国に逃亡後、中国当局により身柄を拘束された。2005年1月24日に中国遼寧省遼陽市中級人民法院はYに死刑・Oに無期懲役の判決を言い渡し[127]、いずれも後に確定[128]。Yは同年7月12日に死刑執行(25歳没)[128]
オウム真理教事件中川智正 2011年12月8日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[129]
1995年3月他多数 1962年(昭和37年)10月25日生まれ[70]。オウム真理教の元幹部。
坂本堤弁護士一家殺害事件で弁護士の長男を殺害し、松本地下鉄の両サリン事件ではサリンの製造に関与した。
2003年10月29日に東京地裁(岡田雄一裁判長)で死刑判決を受け、控訴審の鑑定では「入信直前 - 犯行時は解離性障害ないし祈祷性精神病」と診断されたが、東京高裁(植村立郎裁判長)は2007年7月13日に完全責任能力を認定して控訴棄却判決を言い渡した[70]。2011年11月18日に最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け[130]、同月28日付で判決の訂正を申し立てたが[131]、2011年12月8日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[129]
2018年3月14日に東京拘置所から広島拘置所へ移送され[6]、再審請求中の2018年7月6日に同所で死刑執行(55歳没)[70]
オウム真理教事件(遠藤誠一 2011年12月12日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[132]
1995年3月他多数 1960年(昭和35年)6月5日生まれ[70]。オウム真理教の元幹部。松本地下鉄の両サリン事件でサリンの製造などに関与した。
2002年10月11日に東京地裁(服部悟裁判長)で死刑判決を受け、2007年5月31日に東京高裁(池田修裁判長)で控訴棄却判決を受けた[70]
2011年11月21日に最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け、12月1日付で判決の訂正を申し立てたが[133]、2011年12月12日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定し、1995年6月から始まったオウム裁判は(この時点で逃亡中の高橋克也ら3人を除き)完全に終結した[132]
再審請求中の2018年7月6日に東京拘置所で死刑執行(58歳没)[70]
マブチモーター社長宅殺人放火事件 (M) 2011年11月22日 2002年(8月5日・9月24日・11月21日) 1950年(昭和25年)10月17日生まれ[134][135]。1989年に殺人・窃盗罪で懲役12年に処された前科あり[135]。4人が殺害された一連の連続殺人事件は「警察庁広域重要指定124号事件」に指定された[136]
2006年12月19日に千葉地裁(根本渉裁判長)で死刑判決を受け[137]、2008年3月3日に東京高裁(中川武隆裁判長)で控訴棄却判決を受けた[138]。2011年11月22日に最高裁第三小法廷(寺田逸郎裁判長)で上告棄却判決を受け死刑確定[139]
共犯である畠山鐵男(旧姓:小田島)は2007年11月に控訴を取り下げ死刑が確定していたが[140]、2017年9月16日に食道癌で病死[141]。2024年9月9日、収監先の東京拘置所で死亡(73歳没)[142]
愛知交際2女性殺害事件 (K) 2011年11月29日 1999年8月15日・2003年5月25日[70] 1957年(昭和32年)10月30日生まれ[143][70]。本籍地は愛知県弥富市[143]。2021年9月20日時点で[12]名古屋拘置所に収監中[113]
交際していた女性2人を殺害し、バラバラにして遺棄した。2007年2月23日に岐阜地裁(土屋哲夫裁判長)で死刑判決を、2008年9月12日に名古屋高裁(片山俊雄裁判長)で控訴棄却判決を受け[70]、2011年11月29日に最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)で上告棄却判決を受けたため死刑が確定[144]
北九州監禁殺人事件 (M) 2011年12月12日 1996年2月 - 1998年6月 1961年(昭和36年)4月28日生まれ[145][95]。本籍地は福岡県柳川市[145]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中[113](現在63歳)。
1996年2月 - 1998年6月にかけてマンションで同居していた男女6人(共犯者として無期懲役が確定した女の母親・妹夫婦やその子供ら)を相次いで殺害し、女の父親も虐待の末に死亡させた[146]。7人への殺人罪で起訴され(刑事裁判における認定では被害者6人は殺人・1人は傷害致死)、2005年9月28日に福岡地裁小倉支部(若宮利信裁判長)で「被害者全員の遺体を解体・遺棄した事件の首謀者」と認定されて死刑判決を受けた[147]。2007年9月26日に福岡高裁(虎井寧夫裁判長)で控訴棄却判決を受け[148]、最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)にて2011年12月12日に上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[146]
殺害実行犯とされた共犯者の女性は第一審でMとともに死刑判決を受けたが[147]、控訴審では「Mから長年にわたり暴力・虐待を受けたことで正常な判断力が低下し、Mに追従していた」として原審破棄・無期懲役判決を受け[148]、最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)が2011年12月12日付で検察側の上告を棄却する決定を出したことにより無期懲役が確定[149]
ファミレス2人射殺事件 (H) 2011年12月27日[150] 2005年4月25日 1948年(昭和23年)9月18日生まれ[88]。千葉県市原市にあったファミリーレストランで暴力団員同士の話し合いがこじれ、2人が射殺された。犯人3人のうち1人は自殺し、共犯1人 (M) は2009年6月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[151]。もう1人の共犯は犯行後に自殺。
2007年10月26日に千葉地裁(古田浩裁判長)で死刑判決を受け、2008年9月26日に東京高裁(安広文夫裁判長)で控訴棄却判決[88]。2011年12月15日に最高裁第一小法廷(横田尤孝裁判長)で上告棄却判決を受け[152]、同年12月27日付で死刑が確定[150]
死刑確定から1年4か月後の2013年4月26日に東京拘置所で共犯Mとともに死刑執行(64歳没)[153]

2012年

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2012年(平成24年)に死刑判決が確定した死刑確定者の人数は、『検察統計年報』によれば10人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年1月1日から12月27日までの間に死刑が確定した死刑確定者は9人である[154]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
岩手母娘殺害事件 (W) 2012年2月4日[92] 2006年7月19日 1976年(昭和51年)12月17日生まれ[155]。本籍地は青森県三戸郡五戸町[155]
岩手県九戸郡洋野町の民家(母娘2人暮らし)に暴行・強盗目的で侵入して金品を強奪し、母娘2人を殺害して遺体を山林に埋めた[156]
第一審では全面的に起訴事実を認め、2007年4月24日に盛岡地裁(杉山慎治裁判長)で死刑判決を受けた[157]。控訴審(仙台高裁)以降は「産業廃棄物の不法投棄グループから犯人に仕立て上げられた」と無罪を主張したほか、上告審でも事実誤認・量刑不当を主張した[158]。しかし、2009年2月3日に仙台高裁(志田洋裁判長)で控訴棄却判決を受け[88]、2012年1月16日に最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受けた[156]
上告審判決への訂正申し立ても、2012年2月2日付の同小法廷決定で棄却され[158]、同月4日に死刑が確定[92]。2015年12月18日に宮城刑務所(収監先・仙台拘置支所に隣接)[注 7]で死刑執行(39歳没)[160]
光市母子殺害事件 (O) 2012年3月16日[161] 1999年4月14日[161] 1981年(昭和56年)3月16日生まれ[88]。2021年9月20日時点で[12]広島拘置所に収監中(現在43歳)[113]
少年死刑囚。犯行時の年齢(18歳1か月)は1966年以降の死刑確定者として史上最年少。旧姓は「F」で、第二次上告審判決(2012年2月)前に「O」へ改姓した[162]
1999年4月14日、山口県光市室積沖田4番地の「新日鉄沖田アパート」[163]新日本製鐵光製鐵所の社宅[164])に強姦目的で侵入し、住人の女性(当時23歳)と長女(生後11か月)の計2人を殺害するなどしたとして、殺人・強姦致死・窃盗の罪に問われた[161]
第一審の山口地裁(渡辺了造裁判長)は死刑求刑に対し、2000年3月22日に無期懲役の判決を言い渡した[165]。控訴審の広島高裁(重吉孝一郎裁判長)も2002年3月14日に控訴棄却の判決を言い渡したが[166]、同判決を不服とした広島高検が上告した[167]
最高裁第三小法廷(濱田邦夫裁判長)は口頭弁論を経て[168]、2006年5月20日に原判決(広島高裁)を破棄し、審理を広島高裁へ差し戻す判決(第一次上告審判決)を言い渡した[注 8][169][170]。差し戻し後の控訴審では、広島高裁(楢崎康英裁判長)が2008年4月22日に原判決(山口地裁)を破棄自判し、死刑判決を言い渡した[171][172]
2012年2月20日、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は差し戻し控訴審の死刑判決を支持し、F側の上告を棄却する判決(第二次上告審判決)を宣告した[173]。同判決では裁判官1人(宮川光治)が反対意見を述べ、死刑事件としては極めて異例の展開となった[174]。F側は判決訂正申立てを行ったが[175]、同年3月14日付の同小法廷決定で棄却されたため[176]。同月16日付で死刑が確定した[161]
弁護団は死刑確定後、2023年6月時点で広島高裁に2度の再審請求を行っているが、いずれも棄却されている[177]
本庄夫婦強盗殺人事件 (I) 2012年3月2日
(上告審判決宣告日)
2007年2月21日[178] 1945年(昭和20年)4月28日生まれ[88]
2007年2月21日、埼玉県本庄市の知人男性宅で[178]、男性とその妻を殺害して現金1万円を奪った[179]
第一審・さいたま地裁(飯田喜信裁判長・2008年3月21日)では無期懲役判決を受けたが、2009年3月25日に控訴審・東京高裁(若原正樹裁判長)で一審破棄・死刑判決[88]。2012年3月2日に最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)で上告棄却判決を受け、死刑が確定[179]
2021年12月11日、収監先の東京拘置所で心不全により病死(76歳没)[178]
坂出3人殺害事件 (K) 2012年7月12日 2007年11月16日[180] 1946年(昭和21年)1月20日生まれ[88]
2007年11月16日3時45分ごろ、香川県坂出市林田町の義姉(当時58歳)宅に侵入し、義姉と彼女の孫であり、この家に泊まりに来ていた女児2人(5歳および3歳)の計3人を、胸などを包丁で複数回刺して殺害し、3人の遺体を坂出港近くの資材置き場に遺棄した[180]。義姉の殺害は金銭トラブルによる恨み、女児2人殺害は犯行の発覚を防ぐことが動機である[181]。事件発生当初、被害者の姉妹の父親を犯人視するような一部報道が問題となった[182]
第一審の公判で弁護人は、Kは知的能力が低く、広汎性発達障害の影響から心神耗弱状態だったとする主張や、Kの精神年齢は15歳程度であり、判決当時61歳であったKに対しても少年法第51条の精神を適用すべきであるとの主張を行ったが、2009年3月16日に高松地裁(菊池則明裁判長)はこれらの主張を退け、Kには完全責任能力があったと認定、死刑判決を言い渡した[183]。高松地裁では記録が残る1978年以降で初めて言い渡された死刑判決であった[183]。また公判前整理手続を適用した公判で、結審から4日後に死刑判決が言い渡されたのは異例の速さであった[183]
Kは控訴したが、同年10月14日に高松高裁(柴田秀樹裁判長)で控訴棄却の判決を言い渡された[184]。2012年7月12日に最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)で上告棄却判決を言い渡されたため、死刑が確定[180]
2014年6月26日に大阪拘置所で死刑執行(68歳没)[185][88]
大阪連続強盗殺人事件 (K) 2012年8月4日[186] 2000年7月29日[88]
2008年2月1日[88]
1950年(昭和25年)1月3日生まれ[88]。2000年7月に大阪市中央区の路上で中国人留学生からバッグを奪い、追いかけてきた被害者を刺殺したほか、2008年2月には大阪市北区の商業施設「D・Dハウス」にて強盗目的でナイフを用い、会社員男性を刺殺するなどした[187]。後者事件の被害者はプロ野球選手投手)・久保康友(事件当時は千葉ロッテマリーンズ所属)の義兄だった[188][189]
2009年2月27日に大阪地裁(細井正弘裁判長)で死刑判決を受け、2009年11月11日に大阪高裁(湯川哲嗣裁判長)で控訴棄却判決を受けた[88]。上告審では殺意を否認したが[187]、2012年7月24日に最高裁第三小法廷(寺田逸郎裁判長)で上告棄却判決を受け[190]、同年8月4日付で死刑が確定[186]
2013年12月12日に大阪拘置所で死刑執行(63歳没)[191][88]
宇土市院長夫人殺害事件 (T) 2012年9月10日 2004年3月13日[88]
2011年2月23日[88]
1971年(昭和46年)4月26日生まれ[78]
2004年に熊本県宇土市にて強盗目的で女性を殺害し、2011年には熊本市の民家で夫婦を殺傷。
2011年10月25日に熊本地裁(鈴木浩美裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2012年4月11日に福岡高裁(陶山博生裁判長)で控訴棄却判決を受けた[88]。その後上告したが、2012年9月10日に自ら上告を取り下げ死刑確定[88]。裁判員裁判での死刑判決で刑が確定したのは3人目。
2016年11月11日に福岡拘置所で死刑執行(45歳没)[88]
品川製麺所夫婦強盗殺人事件 (S) 2012年10月19日 2002年8月31日 1977年(昭和52年)9月7日生まれ[88]・中国籍[192]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在47歳)[78]
強盗目的で東京都品川区の製麺所兼ラーメン店へ侵入し、同店の経営者(自身が当時住んでいたアパートの大家)夫婦を殺害した[193]
2006年10月2日に東京地裁(成川洋司裁判長)で死刑判決を受け[88]、2008年10月9日に東京高裁(須田贒裁判長)で控訴棄却判決を受けた[193]。2012年10月19日に最高裁第二小法廷(須藤正彦裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[192]
群馬県暴力団組長等3人射殺事件 (T) 2012年11月14日[194] 2001年11月 - 2005年9月[195] 1955年(昭和30年)4月20日生まれ[195]山口組系暴力団元組長。組員と共謀して対立していた暴力団の組長ら3人を射殺した。
配下の組員に指示し、2001年11月に群馬県碓氷郡松井田町(現:安中市)において土木作業員の男性(当時60歳)を射殺させ、2005年4月には安中市の自身の組の事務所を訪れた男性元組員(同35歳)を自ら射殺した。更に配下の組員に指示し、2005年9月には安中市内の路上において対立していた暴力団の組長の男性(当時61歳)を射殺させた。
2008年2月4日に前橋地裁(久我泰博裁判長)で死刑判決を受け、同年12月12日に東京高裁(安広文夫裁判長)で控訴棄却判決[195]。2012年10月23日に最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)で上告棄却判決を受け[196]、同年11月14日付で死刑が確定[194]
2014年8月29日に東京拘置所で死刑執行(59歳没)[195]
お台場フィリピン人バラバラ殺人事件 (N) 2012年12月14日 1999年4月22日
2008年4月3日
1959年昭和34年)8月29日生まれ[197]
1999年・2008年にそれぞれ交際していたフィリピン人女性2人を殺害した[198]。1999年の事件後に被害者の死体を損壊・遺棄したとして死体遺棄・損壊罪などで検挙され懲役刑に処されたが、当時は被害者の死亡経緯が不明だったため殺人罪では立件されず、刑務所出所後の2008年に2回目の殺人事件を起こして逮捕[198]。その後1999年の殺人容疑も認めたため、2人への殺人罪で起訴された[198]
2009年12月16日に東京地裁刑事第17部(登石郁朗裁判長)[199]で無期懲役(2008年の事件)+懲役14年(1999年の事件)の判決を受けたが[198]、2010年10月8日に東京高裁第12刑事部(長岡哲次裁判長)で2008年の事件について一審破棄・死刑判決を受けた[注 9][200]。2012年12月14日に最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定した[201]
2020年令和2年)12月13日に慢性腎不全のため収監先・東京拘置所内で獄死(61歳没)[202][203]

2013年

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2013年(平成25年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれば8人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年1月1日から12月26日までの間に死刑が確定した死刑確定者は8人である[204]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
山梨キャンプ場殺人事件(阿佐吉廣[205] 2013年1月[206] 1997年3月 - 2000年5月 1949年(昭和24年)5月21日生まれ[195]1997年3月頃、自身が経営する建設会社の従業員だった身元不明の男性を木刀で殴り、死亡させた。2000年5月には暴力団関係者(事件後に病死)らと共謀し、同じく従業員だった当時51歳と50歳の男性を絞殺。3人の遺体を山梨県都留市キャンプ場に遺棄した。
2人への殺人罪・1人への傷害致死の罪に問われ[206]、2006年10月11日に甲府地裁(川島利夫裁判長)で死刑判決[195]。2008年4月21日に東京高裁(中川雄孝裁判長)で控訴棄却判決を受けたが[195]、上告審では第一審で「阿佐が被害者2人を殺した」と証言していた男性受刑者が証言を一転させ「阿佐は事件当時、現場にいなかった」とする陳述書を提出[206]。結審後に再び弁論が開かれる異例の展開になったが、最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)は2012年12月11日に一・二審の死刑判決を支持して被告人・阿佐の上告を棄却する判決を言い渡し[207]、訂正申し立ても2013年1月8日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[206]。東京拘置所に収監されていたが、2020年1月14日に気胸の症状が見られ、治療中の同年2月11日に間質性肺炎のため同拘置所内で死亡した(70歳没)[208]
架空請求詐欺仲間割れ殺人事件 (S) 2013年1月29日 2004年10月(13日 - 16日)[195] 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[209]。架空請求詐欺事件および殺害首謀者。下記I・Wの共犯者。仲間CがAら幹部殺害を計画していたことに激怒。Aらは共犯のDの伝手により暴力団員Eらを加えて、Cら4人を殺害して遺体を遺棄。
2007年8月7日に千葉地裁(彦坂孝孔裁判長)で死刑(同日に判決宣告の共犯Wは無期懲役)判決を受け、2009年5月12日に東京高裁(長岡哲次裁判長)で控訴棄却判決[195]
2013年1月29日に最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)で被告人W(控訴審で死刑判決)と共に上告棄却判決を受けたことで死刑が確定[210]
架空請求詐欺仲間割れ殺人事件 (W) 2013年1月29日 2004年10月(13日 - 16日)[195] 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[78]。上記S・下記Iの共犯で元暴力団員。
2007年8月7日に千葉地裁(彦坂孝孔裁判長)で無期懲役(同日に判決宣告の共犯Sは死刑)判決を受けたが、2009年3月19日に東京高裁(長岡哲次裁判長)で一審破棄・死刑判決[195]
2013年1月29日に最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)で被告人S(一・二審とも死刑判決)と共に上告棄却判決を受けたことで死刑が確定[210]
架空請求詐欺仲間割れ殺人事件 (I) 2013年2月28日 2004年10月(13日 - 16日)[195] 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[209]。上記S・Wの共犯。
2007年5月21日に千葉地裁(彦坂孝孔裁判長)で死刑判決を受け、2009年8月28日に東京高裁(長岡哲次裁判長)で控訴棄却判決[195]。2013年2月28日に最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[211]
岡山元同僚女性バラバラ殺人事件 (S) 2013年3月28日 2011年9月30日[212] 1982年(昭和57年)9月29日生まれ[195]。勤務先である岡山市の倉庫で元同僚の女性から現金約24,000円・バッグなどを奪い、性的暴行を加えた上で殺害し、遺体を切断して大阪市内に遺棄した[212]
2013年2月14日に第一審・岡山地裁(森岡孝介裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け控訴したが[212]、同年3月28日付で本人が控訴を取り下げたため死刑が確定[213]。殺害された被害者が1人である殺人事件の被告人に裁判員裁判で死刑判決が言い渡された事例は3例目で、被告人に前科がない事件では初だった[214]
2017年7月13日に広島拘置所で死刑執行(34歳没)[195]
前橋スナック銃乱射事件 (YK) 2013年6月7日 2003年1月25日 1966年(昭和41年)8月23日生まれ[195]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在58歳)[209]
住吉会系暴力団組員。暴力団住吉会系会の元会長YO(2014年に死刑確定・2020年に獄中で自殺)から同じ住吉会系暴力団組員・K(2009年に死刑確定)とともに対立していた元暴力団組長の殺害を指示され、群馬県前橋市のスナック店内で拳銃を乱射して計4人(店の前にいた元組長の護衛約1人+客3人)を射殺し、元組長ら2人にも重傷を負わせた[215]
2008年1月21日に前橋地裁(久我泰博裁判長)で死刑判決を受け、2009年9月10日に東京高裁(長岡哲次裁判長)で控訴棄却判決を受けた[195]
2013年6月7日に最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[216]
姫路2女性殺害事件 (T) 2013年11月25日 2005年1月9日 1966年(昭和41年)1月10日生まれ[195]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中[209]
兵庫県警察による職務怠慢があり、被害者の両親が飛松五男の協力を得て犯人特定・逮捕に至った事件。
2009年3月17日に神戸地裁姫路支部(松尾嘉倫裁判長)で死刑判決を受け、2010年10月15日に大阪高裁(湯川哲嗣裁判長)で控訴棄却判決を受けた[195]。2013年11月25日に最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[217]

2014年

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2014年(平成26年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれば7人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年1月1日から12月25日までの間に死刑が確定した死刑確定者は7人である[218]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
あきる野市資産家姉弟殺害事件 (O) 2014年1月[219] 2008年4月9日 知人の男(無期懲役が確定)と共謀し、東京都あきる野市の資産家姉弟(姉54歳・弟51歳)から現金やキャッシュカードを奪い、2人を窒息死させて長野県の山中へ埋めた[220]
強盗殺人罪・死体遺棄罪などに問われ[220]、2009年5月12日に東京地裁立川支部(山崎和信裁判長)で死刑判決を受け[195]、2010年11月10日に東京高裁(金谷暁裁判長)で控訴棄却判決を受けた[220]
2013年12月17日に最高裁第三小法廷(木内道祥裁判長)で上告棄却判決を受け[221]、2014年1月に死刑が確定[222][219]
2013年6月に肺癌が見つかり、手術を受けたが、2014年5月には癌が脳に転移していることが判明[222]。転移性脳腫瘍のため、2014年7月2日に東京拘置所で病死(66歳没)[222][219]
大阪個室ビデオ店放火事件 (O) 2014年3月6日 2008年10月1日 2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中[209]
自殺しようとして個室ビデオ店内に放火し、16人を殺害・9人を負傷させた。
2009年12月2日に大阪地裁(秋山敬裁判長)で死刑判決を受け、2011年7月26日に大阪高裁(的場純男裁判長)で控訴棄却判決を受けた[195]
2014年3月6日に最高裁第一小法廷(横田尤孝裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[223]
2019年6月20日に日本弁護士連合会(日弁連)が再審支援を決定[224]
日医大事件・前橋スナック銃乱射事件(YO) 2014年4月[225][226] 2002年2月25日
2003年1月25日[227]
1948年(昭和23年)12月20日生まれ[228]。2020年1月26日に収監先・東京拘置所で自殺(65歳没)[215]。元暴力団住吉会幸平一家Y会会長。
2001年8月に東京都葛飾区の斎場で起きた暴力団稲川会大前田一家系組員による住吉会幹部射殺事件が発端となり、暴力団同士の抗争に発展。YOは2002年2月25日に文京区日本医科大学付属病院で[227]、入院中の住吉会幸平一家系暴力団の幹部Iを、Y会の下部団体のT組組長Tらとともに日医大病院東館1階の高度救命救急センター集中治療室に侵入し射殺した。幹部Iは射殺される前日に豊島区内の路上で脇腹を拳銃で撃たれ重傷を負い、日医大に搬送されていた。幹部Iは同月に大前田一家元総長宅襲撃に失敗したため制裁と口封じのため殺された。同年3月、YOとT組組長Tはガソリン噴射器を用いて大前田一家元総長宅を襲撃。同年8月、YOは別の詐欺事件で警視庁に逮捕された。T組組長Tは日医大事件等で無期懲役確定。なおも抗争は激化し、前橋スナック銃乱射事件を起こすに至る。
YOは逮捕前、住吉会系暴力団組員のK(2009年に死刑確定)・YK(2013年に死刑確定)の両名に対し、大前田一家関係者が出入りしていた前橋市のスナックを襲撃し同一家関係者を射殺するよう指示した。
K・YK両加害者は翌2003年1月25日[227]、前橋市内のスナックで拳銃を乱射して計4人(組長の護衛役1人+客3人)を射殺し、組長ら2人に重傷を負わせた[215]
組長射殺事件・銃乱射事件などで起訴され、2007年12月10日に東京地裁(朝山芳史裁判長)で死刑判決を受けた[229][227]。控訴したが、2009年11月10日に東京高裁(山崎学裁判長)で控訴棄却判決を受けた[230]。2014年3月14日に最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)で上告棄却判決を受け[231]、同年4月に死刑が確定[225][226]
死刑確定後の2014年9月、「金銭トラブルなどにより他の複数の人物も殺害し、遺体を遺棄した」という内容の文書を警視庁目白警察署に送付。警視庁は任意でYOに事情聴取したところ同趣旨の証言をしたため、裏付け捜査に入った。2016年2月、文書の内容とその真偽を確かめるための捜査が行われている事実が明らかとなった[232][233]。YOが文書で「殺害した」と告白している東京都内の会社社長男性と神奈川県伊勢原市内の不動産業男性はいずれも20年近くにわたって行方が分からず失踪している。うち東京都内の会社社長男性は1996年オレンジ共済組合事件に関与し、友部達夫新進党参議院議員の当選を画策する政界工作を行ったとされる「永田町の黒幕」・「リュー一世」(YOが提出した文書内での呼称)と呼ばれる人物。この会社社長男性は1997年4月、オレンジ共済組合事件に関して国会に証人喚問された[234]が、その後1998年春頃より行方が分からなくなっている[235][236]。YOは同社長を絞殺し、配下の元Y会組員男に命じ遺体を遺棄したという[237]。配下の元Y会組員男は死体遺棄を認め場所も説明したため、YO死刑囚と配下の元Y会組員男の供述に基づき警視庁神奈川県警は不明両名の捜索を行い、2016年4月19日に神奈川県伊勢原市内の山林で1996年8月から行方不明となっていた不動産業男性の白骨死体を発見した[238][239][240]。YOは不動産業男性とトラブルになっていたという暴力団関係者から依頼を受け、1996年8月、別の暴力団関係者に不動産業男性を殺害させ、配下の元Y会組員男に死体を遺棄させた。トラブルになっていたという暴力団関係者や、殺人の実行役とされる暴力団関係者はその後いずれも死亡しており、配下の元Y会組員男の死体遺棄容疑については既に時効が成立している。更に2016年11月29日には同社長と思われる遺体が発見され[241]、DNA鑑定および歯形照合を行った。2017年4月10日に警視庁組織犯罪対策4課はYOを同社長に対する殺人の容疑で東京拘置所において逮捕した[242]。同年5月1日にYOは東京地検より改めて殺人罪で起訴され[243]裁判員裁判に付された。確定死刑囚の逮捕・起訴は極めて異例であるうえ、裁判員裁判の被告が確定死刑囚という事例は初めて。2018年11月、東京地方裁判所においてYOの裁判員裁判が開始されたが、YOは初公判被告人質問において、起訴事実について「間違いです」と全面否定し、上述の自身の殺人告白は「全く虚偽です」「(東京都内の会社社長男性について)私は殺していません。ただし殺させました」「(伊勢原市内の不動産業男性について)名前すら知りません。間違いです」と述べた。YOの告白が契機となって始まった裁判であるが、その当人がいずれの容疑についても無罪を主張した[244][245]。YOは告白の目的について、「死刑判決を受けた事件などの再捜査であり、自身の死刑執行の先延ばしではない」と主張したが、YO以外に事件に関与したとされる者は既に全員死亡しており、再捜査や立件は困難な状況であるという[246]。検察はYOが後から告白した二件の殺人について、「(裁判になれば判決確定までは死刑執行は見送られる可能性が高いため)告白の目的は死刑執行の引き延ばしであるが、告白の内容は信用できる」と指摘。裁判において否認に転じた理由は「裁判も引き延ばすため」と推認し[247]無期懲役を求刑。弁護側は「証拠不十分」のため無罪判決を求めた。同年12月13日、東京地裁は「告白の主な目的は死刑執行の先延ばしだった」「手紙には犯人でなければ知り得ない情報はない」「(告白内容を記載した)手紙は信用できない」と指摘し、YOに無罪判決を言い渡した[248][249]。判決の言い渡し後、裁判長はYOに「検察が控訴しなければ裁判は終わり」と宣告した。なお、刑法併合罪に関する規定により、確定死刑囚に他のは執行しないため、仮にYOが後から告白した二件の殺人について有罪が確定しても刑は課されない[注 10][250]。東京地検は同月27日の期限までに控訴せず、YOの無罪が確定した[251][252]。殺人事件の無罪判決に対して検察側が控訴しなかった事例はまずないという。
死刑囚YOは2020年1月26日に収監中の東京拘置所において衣服を着たまま布団の中で血を流した状態で発見された[253]。首の左右に切り傷があり、死亡していた[254]。自作の刃物状の鋭利なもので首を切り、自殺したものとみられる[255]。71歳没[256]
元厚生事務次官宅連続襲撃事件 (K) 2014年6月13日 2008年11月(17日・18日) 1962年(昭和37年)1月26日生まれ[228]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在62歳)[209]
元厚生省事務次官宅2軒を襲撃して2人(山口剛彦とその妻)を殺害したほか、吉原健二の妻に重傷を負わせた。2010年3月30日にさいたま地裁(伝田喜久裁判長)で死刑判決を受け、2011年12月26日に東京高裁(八木正一裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2014年6月13日に最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[257]
長野市一家3人殺害事件 (M) 2014年9月25日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[258]
2010年3月(24日・25日) 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[209]
裁判員裁判で言い渡された死刑判決が最高裁で支持され確定した初のケース[258]。2011年3月25日に長野地裁(高木順子裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を、2012年3月22日に東京高裁(井上弘通裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2014年9月2日に最高裁第三小法廷(大橋正春裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け[258]、弁護人が同月10日付で判決の訂正を申し立てたが[259]、2014年9月25日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[258]
共犯2人のうち1人 (I) は2016年に死刑確定。もう1人は一審で死刑判決を受けるが二審で無期懲役に減軽され、その後確定。
2016年5月31日付で犯行当時の責任能力を争い長野地裁へ再審を請求した[260]
宮崎家族3人殺害事件 (O) 2014年11月5日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[261]
2010年3月1日 1988年(昭和63年)2月13日生まれ[228]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中(現在36歳)[209]
同居する義母の叱責から逃れたいために義母、妻、長男の3人を殺害した。2010年12月7日に宮崎地裁(高原正良裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を、2012年3月22日に福岡高裁宮崎支部(榎本巧裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2014年10月16日に最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)で上告棄却の判決を受け、被告人Oから出された判決への訂正申し立ても2014年11月5日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[261]
公判中、被告人Oとその両親はTBSJNN)系列の報道ドキュメンタリー番組報道特集』から取材を受け、死刑確定後の2015年4月11日には同番組にて特集「確定死刑囚の告白」が放送された。
静岡2女性殺害事件 (K) 2014年12月2日 2005年10月26日・2010年2月23日[228] 1966年(昭和41年)6月26日生まれ[228]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在58歳)[209]
2005年に交際相手の女性を、2010年に妻を殺害した。2011年6月21日に静岡地裁沼津支部(片山隆夫裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2012年7月10日に東京高裁(山崎学裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2014年12月2日に最高裁(大谷剛彦裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[262]

2015年 - 2019年

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※は第一審・裁判員裁判による死刑囚。

2015年

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2015年(平成27年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれば2人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年1月1日から12月27日までの間に死刑が確定した死刑確定者は2人である[263]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
秋葉原通り魔事件(加藤智大) 2015年2月17日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[264]
2008年6月8日 1982年(昭和57年)9月28日生まれ[228]。東京都千代田区外神田秋葉原)の歩行者天国貨物自動車で突入し、5人をはねて3人を死亡させたほか、ダガーナイフで12人を切りつけて4人を死亡させた戦後最悪の通り魔事件。2011年3月24日に東京地裁(村山浩昭裁判長)で死刑判決を受け、2012年9月12日に東京高裁(飯田喜信裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]
2015年2月2日に最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け[265]、判決への訂正申し立ても同月17日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[266]。著書に『解』『解+』『東拘永夜抄』『殺人予防』がある[228]。2022年7月26日に東京拘置所で死刑執行(39歳没) [267]
加古川7人殺害事件 (F) 2015年6月10日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[268]
2004年8月2日 1956年(昭和31年)12月5日生まれ[269]。「親戚や近隣住民に見下されている」との思いを抱いたことから、自宅両隣の民家で7人を包丁で刺殺し、1人に重傷を負わせた。
2009年5月29日に神戸地裁(岡田信裁判長)で死刑判決を受け、2013年4月26日に大阪高裁(米山正明裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2015年5月25日に最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)で上告棄却判決を受け[270]、それに対する訂正の申立も同小法廷が棄却する決定(2015年6月10日付)を出したため死刑が確定[271]。2021年12月21日に大阪拘置所で死刑執行(65歳没)[272]
横浜深谷連続殺人事件 (A) 2015年12月4日 2008年3月13日・2009年8月7日[228] 1969年(昭和44年)6月6日生まれ[228]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在55歳)[273]
従兄弟の男と共謀し、2008年に男の養母(横浜市在住)を保険金目的で殺害したほか、2009年には金銭トラブルを抱えていた自分と従兄弟のおじを殺害した[274]。共犯は第一審で無期懲役判決(求刑:死刑)が確定。
2012年2月24日にさいたま地裁(田村真裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を、2013年6月27日に東京高裁(井上弘通裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2015年12月4日に最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[274]

2016年

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2016年(平成28年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれば7人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年1月1日から12月26日までの間に死刑が確定した死刑確定者は7人である[275]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
大阪此花区パチンコ店放火殺人事件 (T) 2016年2月23日 2009年7月5日 1968年(昭和43年)1月4日生まれ[228]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中(現在56歳)[273]
借金など生活に対する不満を募らせ、パチンコ店の床にガソリンを撒いて放火。客と従業員5人を死亡させ、10人を負傷させた。
2011年10月31日に大阪地裁(和田真裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を、2013年7月31日に大阪高裁(中谷雄二郎裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2016年2月23日に最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[276]
会津美里町夫婦殺害事件 (T) 2016年3月8日 2012年7月26日 1966年(昭和41年)9月12日生まれ(旧姓Y)[228]。2021年9月20日時点で[12]宮城刑務所仙台拘置支所[注 7]に収監中(現在58歳)[273]
福島県大沼郡会津美里町で病院職員の夫婦(55歳男性と56歳妻)を殺害した。2013年3月14日に福島地裁郡山支部(有賀貞博裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2014年6月3日に仙台高裁(飯渕進裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]
2016年3月8日に最高裁第三小法廷(木内道祥裁判長)で上告棄却判決を受け、死刑が確定[277]。福島県内の裁判員裁判で言い渡された死刑判決は、Tに対する第一審判決が初だった[278]
長野市一家3人殺害事件 (I) 2016年5月25日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[279]
2010年3月(24日・25日) 1979年(昭和54年)2月16日生まれ[228]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在45歳)[273]
2011年12月27日に長野地裁(高木順子裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2014年2月20日に東京高裁(村瀬均裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2016年4月27日に最高裁第三小法廷(大橋正春裁判長)から上告棄却の判決を受け[280]、判決への訂正申し立ても2016年5月25日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[279]
共犯Mは2014年に死刑が確定。
山形・東京連続放火殺人事件 (A) 2016年6月13日 2010年10月2日・2011年11月24日[228] 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[273]
2010年に山形市で元交際相手(男性)の実家を放火し、男性の両親を殺害[281]。翌2011年には東京都江東区内で別の交際相手(男性)の母親が住むマンションに侵入してその母親を殺害した後、室内に火をつけ全焼させた[281]
2013年6月11日に東京地裁(平木正洋裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2014年10月1日に東京高裁(八木正一裁判長)で控訴棄却判決を受けた[228]。2016年6月13日に最高裁(千葉勝美裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[281]
石巻3人殺傷事件 (C) 2016年6月29日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[282]
2010年2月10日 1991年(平成3年)7月2日生まれ[283]。2021年9月20日時点で[12]宮城刑務所仙台拘置支所[注 7]に収監中(現在33歳)[273]
事件当時18歳7か月の少年死刑囚[283]。共犯の少年と共に元交際相手少女の実家に押し入り、少女の姉とその友人の女子高校生計2名を牛刀で殺害。その場に居合わせた少女一家の知人男性1名に重傷を、元交際相手の少女にも軽傷を負わせた。共犯の少年は2010年12月、殺人幇助罪により懲役3年 - 6年の不定期刑を言い渡された。
2010年11月25日に仙台地裁(鈴木信之裁判長)で死刑判決を受け、2014年1月31日に仙台高裁(飯渕進裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2016年6月16日に最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)で上告棄却判決(一・二審の死刑判決を支持)を受け[284]、同月27日に判決の訂正を申し立てたが、2日後の同月29日付で同小法廷から出された決定により棄却されたため死刑が確定[282]。裁判員裁判で少年事件に死刑判決が言い渡され確定した史上初の事例[282]
長崎ストーカー殺人事件 (T) 2016年8月10日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[285]
2011年12月16日 1984年(昭和59年)11月4日生まれ[283]。2021年9月20日時点で[12]福岡拘置所に収監中(現在40歳)[273]
2011年に長崎県西海市で同居中の女性をその家族が連れ去ったと思い込んで77歳の女性の祖母と56歳の母を刺殺し母の車のトランク内に遺体を遺棄。千葉三重長崎各県警の対応が問題として浮き彫りになった[286]警察不祥事)。
無罪を主張したが、2013年6月14日に長崎地裁(重富朗裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2014年6月24日に福岡高裁(古田浩裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2016年7月21日に最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)で上告棄却判決を受け[287]それに対する訂正申し立ても2016年8月10日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[285]

2017年

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2017年(平成29年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれば2人である[1]。『毎日新聞』によれば、同年に死刑が確定した死刑確定者は2人(首都圏連続不審死事件鳥取連続不審死事件の両女性死刑囚)である[288]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
首都圏連続不審死事件(木嶋佳苗) 2017年5月9日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[289]
2008年9月 - 2009年9月 1974年(昭和49年)11月27日生まれ[283]。2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中(現在50歳)[273]
犯行では「吉川桜」の偽名を使用。裁判員制度下で初めて死刑判決を受けた女性死刑囚である。
無罪を主張[283]。上告中に獄中結婚して「D」姓へ改姓し[290]、2019年10月1日時点では[11]「I」姓を名乗っている[283]
2012年4月13日にさいたま地裁(大熊一之裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2014年3月12日に東京高裁(八木正一裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2017年4月14日に最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)で上告棄却判決を受け[290]、それに対する訂正申し立ても2017年5月9日付の小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[289]
木嶋は裁判中、『女性自身』に268通の手紙を送り、事件及び裁判に関する手記と、自身の半生を「1年半かけて執筆した」という小説を寄稿、同誌2013年10月22日号に木嶋佳苗名義ですべて掲載された。小説は『礼讃』と題され、2015年2月にKADOKAWAより単行本として刊行された。また2014年1月5日よりブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」を運用、木嶋が東京拘置所で書いた文章を支援者が掲載・更新している。
鳥取連続不審死事件 (U) 2017年8月23日
(上告審判決への訂正申立に対する棄却決定日)[291]
2004年5月-2009年10月 1973年(昭和48年)12月21日生まれ[283]。裁判員制度下では木嶋に次ぐ2人目の女性死刑囚。無罪を主張[283]
2012年12月4日に鳥取地裁(野口卓志裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け[283]、2014年3月20日に広島高裁松江支部(塚本伊平裁判長)で控訴棄却判決を受けた[292]。2017年7月27日に最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)で上告棄却判決を受け[293]、それに対する訂正申し立ても2017年8月23日付の同小法廷決定で棄却されたため死刑が確定[291]
2023年1月14日に収監先の広島拘置所において食べ物を喉に詰まらせ、搬送先の病院で死亡した(49歳没)。

2018年

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2018年(平成30年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれば2人である[1]。該当者は大阪府和泉市元社長夫婦殺害事件蟹江一家3人殺傷事件の両死刑囚である[294][295]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
大阪府和泉市元社長夫婦殺害事件 (S) 2018年[294] 2004年12月3日 1967年(昭和42年)5月13日生まれ[283]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中(現在57歳)[273]大阪府和泉市の元カーペット製造販売会社社長夫妻鈍器で殴って殺害し、金品を奪い遺体をのこぎりで切断してドラム缶に詰め、同府阪南市内の貸ガレージに遺棄した。
事件から5年後の2009年11月になって夫婦の遺体が発見され、被害者宅での別の窃盗容疑で逮捕された。その後、2010年12月に強盗殺人容疑で再逮捕・追起訴された。
無罪を主張したが2013年6月26日に大阪地裁堺支部(畑山靖裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2014年12月19日に大阪高裁(笹野明義裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2017年12月8日に最高裁第三小法廷(戸倉三郎裁判長)で上告棄却判決を受けたが[296]、同月末時点では新たな死刑確定者としては言及されておらず[297]、正式な死刑確定は2018年に入ってからである[294]
蟹江一家3人殺傷事件 (L) 2018年10月3日
(正式な死刑確定日)[298]
2009年5月1日 - 5月2日 2021年9月20日時点で[12]名古屋拘置所に収監中[299]中国国籍で犯行当時は三重大学に在学していた留学生だった。
生活に困り、別の万引き事件で科された罰金が払えなくなることを恐れて愛知県海部郡蟹江町内の民家に強盗目的で侵入し一家3人を殺傷した。
事件後に三重大を卒業して自動車部品会社に就職したが1年後に退職、本事件で逮捕される直前には別の自動車盗事件で逮捕されていた。
2015年2月20日に名古屋地裁(松田俊哉裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、同年10月14日に名古屋高裁(石山容示裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2018年9月6日に最高裁第一小法廷(木澤克之裁判長)で上告棄却判決を受け[300]、それに対する訂正申し立ても2018年10月2日付で同小法廷が棄却する決定を出したため、2018年10月3日付で正式に死刑が確定[298]

2019年

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2019年(平成31年・令和元年)に死刑判決が確定した死刑確定者は、『検察統計年報』によれba 5人である[1]。この人数には、寝屋川市中1男女殺害事件の死刑確定者である山田浩二(後に控訴取り下げの有効性を巡り異議申し立て)が含まれる[301][302]

事件名(死刑囚名) 判決確定日 事件発生日 備考(事件概要・死刑執行日など)
埼玉資産家夫婦死体遺棄事件 (W) 2018年12月21日
(上告審判決宣告日[303] / 正式な確定は2019年)
2012年12月7日 2021年9月20日時点で[12]東京拘置所に収監中[299]スイス在住・東京都中央区銀座に一時帰国していた資産家(ファンドマネージャー)の男性夫妻を絞殺し、遺体を埼玉県久喜市内の空き地に埋めて遺棄した。
被害者男性とは事件1年ほど前から付き合いがあったが、2013年に逮捕された当時は「被害者男性から勧められた投資で数億円の損をさせられた」と虚偽の供述をしていた。
殺害を否認したが[283]、2014年9月19日に東京地裁(田辺三保子裁判長)で死刑判決を受け[304]、2016年3月16日に東京高裁(藤井敏明裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2018年12月21日に最高裁判所第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)で上告棄却判決を受けたが[303]、同月27日時点では判決はまだ確定していなかった[294]
堺市連続強盗殺人事件 (N) 2019年2月12日
(上告審判決)[305]
2011年11月5日・12月1日 1961年(昭和36年)8月26日生まれ[283]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中(現在63歳)[299]
保険金詐欺目的で自宅に放火した罪で逮捕・起訴され実刑判決を受け服役していた。仮出所後に幼少期から親交があった象印マホービンの元副社長ら2人を顔に食品用ラップを巻き付けて窒息死させ、うち1人の遺体をドラム缶で焼却した。
2014年3月10日に大阪地裁堺支部(森浩史裁判長)で死刑判決を受け、2016年9月14日に大阪高裁(後藤真理子裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2019年2月12日に最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)で上告棄却判決を受けたことにより死刑が確定[305]
寝屋川市中1男女殺害事件(山田浩二) 2020年3月24日[注 11][306] 2015年8月13日(または同日ごろ)[306] 1970年(昭和45年)4月4日生まれ[注 12]。2021年9月20日時点で[12]大阪拘置所に収監中[299](現在54歳)。深夜に出歩いていた中学1年生の男女2人を殺害して遺体をそれぞれ遺棄したとされる[308]
公判では男子生徒の殺害に関しては無罪・女子生徒に関しても傷害致死罪の成立を主張し[308]、判決直前には『朝日新聞』記者・畑宗太郎の取材に対し「裁判は第一審では終わらないだろう」と述べていた[309]
2018年12月19日に大阪地裁(浅香竜太裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け[310][311]大阪高裁に控訴したが、本人取下げにより確定[308]
しかし弁護人が大阪高裁に「控訴取り下げは無効」と異議を申し立て[312]、2019年12月に高裁がこれを認め控訴審を再開する決定を出した[313]大阪高検は同決定を不服として最高裁への特別抗告・大阪高裁への異議申し立てを行った[314]。2020年2月25日、最高裁は大阪高検の特別抗告を棄却[315]。同年3月16日、大阪高裁第1刑事部は異議審において同高裁第6刑事部の控訴取り下げを無効とする決定を取り消し、審理を同高裁第6刑事部に差し戻した[316]
この決定を不服として弁護側は同年3月23日付で最高裁に特別抗告を申し立てた[317]が、直後の3月24日付で山田は再び控訴取り下げを求める書面を自ら提出した[318]。その直後に山田は弁護士の説得を受け、再び「控訴取り下げ」の無効を大阪高裁に申し立てた[319]
11月26日、大阪高裁第6刑事部は山田による1度目の控訴取り下げについては判断を示さなかったが、2度目の控訴取り下げを有効とみなす決定を出した[306][320]。弁護側は異議申し立てを行ったが2021年3月22日に大阪高裁はこれを棄却[321] 、弁護側はさらに最高裁に特別抗告を行ったが、最高裁第三小法廷から同年8月25日に棄却決定が出された[322][323]
2019年12月の大阪高裁第6刑事部の控訴取り下げ無効決定後、月刊誌『』編集長の篠田博之が山田に接見し、山田は2020年2月発売の同誌2020年3月号に獄中手記を寄せた[324]
山口連続殺人放火事件 (H) 2019年8月3日[325] 2013年7月(21日 - 22日)[283] 2021年9月20日時点で[12]広島拘置所に収監中[299]
帰郷した山口県周南市の地元集落に馴染めず、近隣住民とのトラブルが多発していた。
近隣住民らへの恨みから5人を殺害・被害者宅を放火した。無罪を主張。
2015年7月28日に山口地裁(大寄淳裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2016年9月13日に広島高裁(多和田隆史裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2019年7月11日に最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)で上告棄却判決を受け[326]、それに対する訂正申し立ても2019年8月1日付の同小法廷決定で棄却されたため[327]、同月3日付で死刑が確定[325]
碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件堀慶末 2019年8月8日[328] 1998年6月28日 1975年(昭和50年)4月29日生まれ[329]。2021年9月20日時点で[12]名古屋拘置所に収監中[299](現在49歳)。
1998年に当時同僚だった男2人(いずれも無期懲役が確定)と共謀し、愛知県碧南市内でパチンコ店長夫婦2人を殺害(碧南事件)。2006年、碧南事件の共犯1人と共謀し、名古屋市守山区で高齢女性を襲撃し、金品を奪う強盗殺人未遂事件(守山事件)を起こした。
本件起訴容疑の2事件を起こした後、2007年に闇サイト殺人事件に実行犯として関与し、同事件の刑事裁判で2012年7月に無期懲役(求刑:死刑)が確定。翌月(8月)以降、碧南事件および守山事件で相次いで起訴された[注 13]
2015年12月15日に名古屋地裁(景山太郎裁判長・裁判員裁判)で死刑判決を受け、2016年11月8日に名古屋高裁(山口裕之裁判長)で控訴棄却判決を受けた[283]。2019年7月19日に最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)で上告棄却判決を受け[330]、それに対する訂正申し立ても同年8月7日付の同小法廷決定で棄却されたため[331]、翌8日付で死刑が確定[328]。死刑確定に伴い、闇サイト事件で確定した無期懲役刑の執行は停止された[注 10]
上告中の2019年5月、インパクト出版会より実名で著書『鎮魂歌』(レクイエム)を出版した[332][333]

脚注

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注釈

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  1. ^ 上告棄却判決直前(2011年3月4日)に支援者であるクリスチャンの女性と養子縁組し、女性と同じ「O」姓に改姓したが[52]、2019年時点では死刑確定前とは別の「K」姓に改姓している[22]
  2. ^ 第一審公判中の1999年(平成11年)12月9日に養子縁組して改姓[53]
  3. ^ 被害者2人のうち、1人(麻雀店経営者)は店の経営をめぐり、前経営者である主犯格K[79]ら(Iの共犯者2人)と同年3月ごろから金銭トラブルになっていた[80]。もう1人(会社員)は指定暴力団関係者[81]
  4. ^ また、切断に用いた道具は神奈川県内の海中で発見されている[84]
  5. ^ 裁判員裁判における死刑求刑は新橋ストーカー殺人事件(無期懲役判決・確定)に次いで2例目[77][89]
  6. ^ a b 大牟田4人殺害事件の共犯者であるKS(父親)とKT(長男)は、2011年末に福岡拘置所からそれぞれ(前者は広島拘置所へ、後者は大阪拘置所へ)移送された[95]
  7. ^ a b c 札幌高裁仙台高裁の管内(前者は北海道全域・後者は東北6県)で死刑が確定した死刑囚はそれぞれ札幌拘置支所仙台拘置支所に収監されるが、死刑執行設備(刑場)はそれぞれ拘置支所に隣接する札幌刑務所宮城刑務所に位置するため、死刑執行はそれぞれ刑務所で行われる[159]
  8. ^ 弁護人は同判決に対する判決訂正申立てを行ったが、同年7月4日付の決定で棄却されている[161]
  9. ^ 刑法第45条確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
  10. ^ a b 刑法第51条併合罪について二個以上の裁判があったときは、その刑を併せて執行する。ただし、死刑を執行すべきときは、没収を除き、他の刑を執行せず、無期の懲役又は禁錮を執行すべきときは、罰金、科料及び没収を除き、他の刑を執行しない。
  11. ^ 1度目の控訴取り下げの有効性に関する審理が続いていた中で2度目の控訴取下げが行われた日付。大阪高裁 (2020) はこの2度目の取り下げを有効と認定しており[306]、最高裁でこの判断が確定している。
  12. ^ 月刊『創』編集部宛ての手記で「2019年4月4日に49歳の誕生日を迎える」と述べている[307]
  13. ^ 本事件の裁判では闇サイト事件について審理すると一事不再理の原則に抵触するため、闇サイト事件については審理されなかった。

出典

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    • 判決主文:被告人を死刑に処する。横浜地方検察庁で保管中の高速切断機1台(平成22年領第276号符号185)及び押収してある果物ナイフ1本(平成22年押第74号の1)を没収する。
    • 裁判官:朝山芳史(裁判長)・佐脇有紀・横山美樹
      • 検察官:中村葉子・大久保仁規・加藤和輝・宮友一
      • 弁護人:青木孝(主任)・高藤杏花・織田慎二・藤田香織
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    • 決定主文:本件再審請求を棄却する。
    • 裁判官:高麗邦彦(裁判長)・杉本正則・内藤恵美子
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    • 決定主文
      1. 本件控訴は、被告人の令和2年3月24日付け書面による控訴の取下げによって終了した。
      2. 当裁判所が、令和元年12月16日にした、第第1審判決の執行を令和元年12月17日午後3時から、令和元年5月18日にした控訴取下げの効力に関する決定があるまで停止する旨の決定は、これを取り消す。
    • 裁判官:村山浩昭(裁判長)・木山暢郎・宇田美穂
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  324. ^ 2020年3月号 新聞社の徹底研究月刊「創」のご案内 創出版
  325. ^ a b 山口地方裁判所第3部 2021年(令和3年)3月22日決定 令和元年(た)第2号
    • 決定主文:本件再審請求を棄却する。
    • 裁判官:小松本卓(裁判長)・桂川瞳・清水萌
    • TKC文献番号:25569433
    • 弁護人:高野隆
    • 事案の概要:請求人が、殺人、非現住建造物等放火被告事件について、山口地方裁判所により言い渡された有罪の確定判決に対し、無罪を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとして、刑事訴訟法435条6号により再審を開始する決定を求めた事案で、弁護人が提出した新証拠は、a鑑定が信用できるとした確定判決の判断を左右するものではなく、a鑑定を前庭として、本件各犯行時、請求人は完全責任能力であったとする確定判決の判断を左右するような事実を示すものでもなく、その他、新証拠を検討しても、本件において、無罪を言い渡し、又は原判決において認めた罪よりも軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したと認められるような事由は見受けられないとして、本件再審請求を棄却した事例。
  326. ^ 山口5人殺害、被告の死刑確定へ 最高裁「残忍な犯行、結果は重大」」『産経新聞』産業経済新聞社、2019年7月11日。オリジナルの2020年6月15日時点におけるアーカイブ。2020年6月15日閲覧。
  327. ^ 読売新聞』2019年8月4日東京朝刊第二社会面34頁「山口5人殺害 死刑確定」(読売新聞東京本社)
  328. ^ a b 堀慶末碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件の死刑確定者)による国家賠償請求訴訟の第一審判決 - 名古屋地方裁判所民事第8部判決 2023年(令和5年)2月7日 『TKCローライブラリー』(LEX/DBインターネット)文献番号:25594816、『D1-Law.com』(第一法規法情報総合データベース)判例体系 判例ID:28131018(2023年4月24日時点で本文収録準備中)、令和3年(ワ)第3033号、『国家賠償請求事件』。
    • 原告:堀慶末
    • 原告訴訟代理人弁護士:大野鉄平
    • 被告:国
    • 判決主文:
      1. 被告は、原告に対し、3万3000円及びこれに対する令和3年8月3日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
      2. 原告のその余の請求を棄却する。
      3. 訴訟費用は、これを10分し、その9を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。
    • 裁判官:西村修(裁判長)・山岸秀彬・梁川将成
  329. ^ 堀慶末 2019, p. 10.
  330. ^ 『中日新聞』2019年7月20日朝刊第11版第一社会面35頁「碧南強殺、死刑確定へ 最高裁、堀被告の上告棄却」(中日新聞社)
  331. ^ 中日新聞』2019年8月10日朝刊第14版第三社会面27頁「碧南夫婦強殺で死刑確定 最高裁 闇サイト事件の堀被告」(中日新聞社)
  332. ^ 堀慶末 2019.
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参考文献

[編集]

永山判決

  • 最高裁判所第二小法廷判決 1983年(昭和58年)7月8日 『最高裁判所刑事判例集』(刑集)第37巻6号609頁、昭和56年(あ)第1505号、『窃盗、殺人、強盗殺人、同未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反被告事件』「一・死刑選択の許される基準 二・無期懲役を言い渡した控訴審判決が検察官の上告により量刑不当として破棄された事例」、“一・死刑制度を存置する現行法制の下では、犯行の罪質、動機、態様ことに殺害の手段方法の執拗性・残虐性、結果の重大性ことに殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等各般の情状を併せ考察したとき、その罪責が誠に重大であつて、罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむをえないと認められる場合には、死刑の選択も許される。二・先の犯行の発覚をおそれ、あるいは金品の強取するため、残虐、執拗あるいは冷酷な方法で、次々に四人を射殺し、遺族の被害感情も深刻である等の不利な情状(判文参照)のある本件においては、犯行時の年齢(一九歳余)、不遇な生育歴、犯行後の獄中結婚、被害の一部弁償等の有利な情状を考慮しても、第一審の死刑判決を破棄して被告人を無期懲役に処した原判決は、甚だしく刑の量定を誤つたものとして破棄を免れない。”。 - 永山則夫連続射殺事件(被告人:永山則夫)の上告審判決。後に「永山基準」と呼ばれる死刑適用基準が明示された。

死刑事件全般関連の文献(判例集

  • 『最高裁判所裁判集 刑事 平成23年1月 - 3月』第303号、最高裁判所、2011年。 
  • 『最高裁判所裁判集 刑事 平成23年4月 - 10月』第304号、最高裁判所、2011年。 
  • 『最高裁判所裁判集 刑事 平成23年11月』第305号、最高裁判所、2011年。 
  • 村野薫『死刑はこうして執行される』(第1刷発行)講談社講談社文庫〉、2006年1月15日、141-142頁。ISBN 978-4062753043 

個別事件関連の書籍(加害者・被害者などの手記を含む)

日本弁護士連合会などによる資料