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丸紅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京都丸紅から転送)
丸紅株式会社
Marubeni Corporation
本社ビル(東京都千代田大手町)
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 8002
1949年12月1日上場
大証1部 (廃止) 8002
1950年7月6日 - 2013年7月12日
名証1部 8002
1950年7月6日 - 2021年6月24日
略称 丸紅
本社所在地 日本の旗 日本
100-8088
東京都千代田区大手町一丁目4番2号
設立 1949年(昭和24年)12月1日
業種 卸売業
法人番号 9010001008776 ウィキデータを編集
事業内容 総合商社としての各種物品の売買及び貿易業
食料繊維化学品エネルギー金属輸送機械産業機械電力プラント船舶金融物流鉄鋼
代表者 柿木真澄代表取締役社長
寺川彰代表取締役副社長執行役員
古谷孝之(代表取締役兼専務執行役員兼CFO兼CSDO)
資本金 2626億8600万円
(2021年3月31日現在)[2]
発行済株式総数 17億3794万900株
(2021年3月31日現在)[2]
売上高 連結:6兆3324億1400万円
(2021年3月期)[2]
営業利益 連結:1415億5300万円
(2021年3月期)[2]
経常利益 連結:2817億6300万円
(2021年3月期)[2]
純利益 連結:2253億4300万円
(2021年3月期)[2]
純資産 連結:1兆9117億6900万円
(2021年3月期)[2]
総資産 連結:6兆9389億5800万円
(2021年3月期)[2]
従業員数 連結:50,200人
単独:4,337人
(2024年3月31日現在)
決算期 3月31日
会計監査人 EY新日本有限責任監査法人[3]
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)17.63%
日本カストディ銀行(信託口)6.73%
ユーロクリアー バンク エステイ エヌブイ 5.48%
明治安田生命保険 2.19%
日本トラスティ・サービス信託(信託口5)2.40%
みずほ銀行 1.74%
損害保険ジャパン 1.74%
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234 1.64%
日本生命保険 1.36%
(2022年3月31日現在)
主要子会社 丸紅新電力 100%
丸紅エネルギー 66.60%
丸紅ロジスティクス 100%
日清丸紅飼料 60.00%
丸紅フォレストリンクス 100%
丸紅ケミックス 100%
丸紅都市開発 100%
京都丸紅 100%
関係する人物 伊藤忠兵衛(創業者)
市川忍(初代社長)
外部リンク www.marubeni.com ウィキデータを編集
特記事項:単独従業員数は他社への出向者等を含む
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丸紅株式会社(まるべに、: Marubeni Corporation)は、東京都千代田区大手町一丁目に本社を置く芙蓉グループ(現みずほ銀行系)の大手総合商社[注 1]日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[4][5]。「正 新 和」(英: Fairness, Innovation and Harmony.)を社是として定めている。

概要

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三菱商事三井物産伊藤忠商事住友商事と共に五大商社の一つ。また、最近ではここに双日豊田通商兼松を追加して八大商社と称されることもある。 1960年代から1970年代前半には三井物産・三菱商事と並んでスリーエム[6]と称される総合商社トップ3の一角であったが、その後伊藤忠商事が安宅産業を合併して力を付けたことや、住友商事の台頭、さらにはロッキード事件の影響などによって業績が低迷した時期もあった。

1997年アジア通貨危機によって各商社は甚大な負債や不良債権を抱え、それにより丸紅も一時は倒産の危機に直面したものの、中期再建計画であるAction21 A Planに沿って業績のV字回復を達成する。その後は、他商社とともに「商社夏の時代」を謳歌している。特に丸紅は伝統的に紙・パルプ部門、食料部門、電力部門に強みを持っている他、空前の資源高の恩恵、またはリスク・マネジメントの強化などもあって、2013年3月期は2期連続で過去最高益を更新し、売上高は七大商社中第3位となった。

2020年3月、産油国による協調減産体制が終了したところに新型コロナウイルス流行に伴う景気減速が重なり、原油価格が50ドル台から20ドル台に暴落。メキシコ湾岸油田北海油田で行ってきた石油・ガス開発事業やアメリカの穀物事業で大きな減損損失が発生した。同年3月25日の記者会見では、2020年3月期の最終損益見通しを過去最大となる1900億円の赤字となる見通しを発表した[7]。2021年3月期の最終損益は原油価格や銅の資源価格も高まり、一転して2253億円の大規模な黒字転換を果たしている。

沿革

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創業者・初代伊藤忠兵衛

1858年初代伊藤忠兵衛が麻布の「持下り」行商を開始したことをもって創業としている。そのため、同業の伊藤忠商事とは同根。その後、いったん伊藤忠と分割されたものの、戦時中に再度合併(大建産業)、戦後の財閥解体措置により再度両社は分割され、1949年に現在と直接つながる丸紅株式会社が設立された。

年表

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  • 1858年5月 伊藤忠兵衛によって麻布類の卸売業として近江国犬上郡八目村(現・豊郷町大字八目)で創業する。
  • 1872年1月 大阪府東大組(のちの東区、現・大阪市中央区本町2丁目に紅忠(べんちゅう)を創立する。
  • 1914年12月 伊藤忠合名会社に改組する。
  • 1918年12月 伊藤忠合名会社を株式会社伊藤忠商店(丸紅の前身)と伊藤忠商事株式会社に分割する。
  • 1921年3月 伊藤忠商店と伊藤長兵衛商店(伊藤忠兵衛の兄の六代伊藤長兵衛が創立)が合併して、株式会社丸紅商店となる。初代社長には七代伊藤長兵衛が就任する。
  • 1941年9月 丸紅商店、伊藤忠商事、岸本商店の3社が合併して、三興株式会社となる。
  • 1944年9月 三興、大同貿易、呉羽紡績の3社が合併して、大建産業となる。
  • 1949年12月1日 大建産業が過度経済力集中排除法の適用を受け、4社(伊藤忠商事、丸紅、呉羽紡績、尼崎製釘所)に分割され、丸紅株式会社として設立される。
  • 1955年9月 貿易会社の高島屋飯田株式会社(髙島屋系)と合併し、商号を丸紅飯田株式会社に変更する。
  • 1966年4月 東通株式会社(旧・浅野財閥浅野物産の後身)を合併する。その際に東京支社を東京本社に昇格し、2本社制を採用した。管理本部の殆どを大阪本社から東京本社に置き、丸紅の本社機能は実質的に東京に移った。
  • 1972年1月 商号を丸紅株式会社に変更する。
  • 1973年1月 株式会社南洋物産を合併する。
  • 1976年 法人所得番付で同業他社の三菱商事を始めて抜く。当時の売上高は5兆7千億円[8]
  • 2001年10月 伊藤忠商事株式会社と鉄鋼製品部門を統合し、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社が発足する。
  • 2003年6月 本店を大阪市中央区から東京都千代田区に移転する。
  • 2016年8月 本店(丸紅ビルヂング)建て替えのため、東京都中央区日本橋日本橋タワーに移転する[9]
  • 2019年1月 石炭火力発電所の新規開発から原則として撤退することを発表[10]
  • 2021年
    • 1月 富山市に北陸支店を開設[11]
    • 5月 完成した新本社ビルで業務を開始[12]
  • 2023年 - 株式会社トレードワルツに出資[13]
  • 2023年5月 明治産業を買収。[14]

歴代経営者

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事業

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拠点数

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  • 67カ国・地域、132カ所の日本および 海外事業所・海外現地法人(東京本社を含む)[注 2]

国内拠点

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丸紅旧大阪支社ビル(大阪市中央区)

関連企業

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持分法適用関連会社(上場会社)

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2015年3月31日現在

非上場企業

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主な出資該当企業

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2009年4月現在

過去に傘下にあった子会社

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不祥事・事件

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ロッキード事件

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インドネシア発電所開発をめぐる贈賄事件

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2002年以降丸紅はフランス企業アルストムの米国子会社と共謀し、インドネシアスマトラ島タラハン火力発電所の事業契約(1億1800万ドル相当)が受注されるよう、インドネシアの国会議員や国有電力会社幹部に依頼。丸紅は受注成功の見返りとして米国内にあるコンサルタント会社の銀行口座を経由して数十万ドルをインドネシアの銀行口座に送金した。この贈賄工作により、2004年7月丸紅は事業を受注、2007年に発電所は完工した。2014年事実の調査に当ったアメリカ合衆国司法省は丸紅に調査協力を促したが丸紅はこれを拒否。司法省は丸紅を連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)違反などの罪状でコネチカット連邦地方裁判所に提訴した。2014年3月19日丸紅はFCPA違反など8件の容疑事実を認め、罰金8800万ドル(約91億円)を支払う司法取引に合意。連邦地方裁判所は2014年5月15日に判決を出すことを決定した。2014年3月20日丸紅はニュースリリースのなかで2014年3月期連結業績予想(2100億円)に変更はないと見解を出したが、新たな独立コンプライアンスコンサルタントを起用する計画は否定した。丸紅の東証一部株価は発表後3週間で約80円下落。2014年3月26日、日本国外務省は政府開発援助借款事業であるタラハン火力発電所事業において丸紅が不正を行いアメリカ司法省と司法取引をしたことに対し遺憾を表明し、丸紅に対し平成26年3月26日から平成26年12月25日までの9か月間ODA事業参加排除措置を執った。日本国には1998年に改定された不正競争防止法第18条で海外贈賄行為に対し10年以下の懲役もしくは1千万円以下の禁止罰金規定を定めているが、日本国の司法当局は本件事案に関し捜査を開始していない。[15][16][17][18][19][20][21][22]

子会社による独占禁止法違反

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2019年4月16日、丸紅子会社のアルテリア・ネットワークスは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)違反の疑いがある行為が発覚したと発表。川上潤社長が引責辞任した[23]

脚注

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注釈

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  1. ^ 社名は、創業者の伊藤忠兵衛が、「紅は高貴な色である」として実家の屋号「紅長」から1文字をとった「紅忠」という商号を使用して、○の中に紅という文字を入れた印を暖簾や半纏に使ったことに由来する。
  2. ^ 国内事業所12カ所、海外事業所57カ所、海外現地法人30社63カ所。

出典

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  1. ^ 体制 - 丸紅株式会社
  2. ^ a b c d e f g h 2021年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)”. 丸紅株式会社 (2021年5月6日). 2021年5月30日閲覧。
  3. ^ コーポレートガバナンス体制 2021年1月6日閲覧
  4. ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  5. ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
  6. ^ 丸紅はいつ、いかにして「スリーM」となったか(2014年1月27日) (PDF) (丸紅経済研究所)2021年2月10日閲覧。
  7. ^ 丸紅が大赤字に転落、商社を覆う資源安の暗雲”. 東洋経済オンライン (2020年3月30日). 2020年4月1日閲覧。
  8. ^ ロッキード事件24時『朝日新聞』1976年8月15日朝刊、13版、19面
  9. ^ 日本経済新聞2016年4月14日記事「大手商社の本社が東京駅周辺に住商移転、丸紅は建て替え」 2016年11月29日閲覧
  10. ^ 東京新聞 1月31日 7頁
  11. ^ “伊藤忠商事去って丸紅来る 商社、北陸の拠点再編”. 日本経済新聞. (2021年3月29日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJB295V40Z20C21A3000000/ 2021年5月18日閲覧。 
  12. ^ 本社移転のお知らせ』(プレスリリース)丸紅株式会社、2021年3月1日https://www.marubeni.com/jp/news/2021/release/00019.html2021年5月18日閲覧 
  13. ^ トレードワルツ、丸紅が出資。累計資金調達40億円に
  14. ^ https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023051200956 - 「ヨーグレット」「ハイレモン」受託製造の明治産業、「アトリオン製菓」へ 丸紅の完全子会社として社名一新
  15. ^ 「丸紅が罰金90億円支払い合意 インドネシアで贈賄」 朝日新聞DIGITAL 2014年3月20日10時49分 2014年4月20日閲覧
  16. ^ 「丸紅、インドネシアで贈賄 米司法省に罰金90億円 火力発電事業の受注巡り」 日本経済新聞電子版2014年3月20日15時16分 2014年4月20日閲覧
  17. ^ 「米司法省、丸紅に罰金90億円=インドネシアで贈賄」 2014年3月20日11時11分時事ドットコム 2014年4月20日閲覧
  18. ^ 「丸紅が米当局に罰金90億円 インドネシアでの贈賄で」 2014年3月20日10時29分産経新聞 2014年4月20日閲覧
  19. ^ 「インドネシア火力発電所向ボイラー案件に関する米国司法省との合意について」 2014年3月20日丸紅株式会社 2014年4月20日閲覧
  20. ^ 丸紅東証一部株価 2014年4月20日閲覧
  21. ^ "Marubeni Pleads Guilty to U.S. Charges Over Indonesia Bribes (1)" Bloomberg News 2014年3月19日 2014年4月20日閲覧
  22. ^ 「我が国の政府開発援助(ODA)事業において不正行為を行った企業に対する措置の実施 外務省」 平成26年3月26日 2014年4月20日閲覧
  23. ^ 丸紅子会社が独禁法違反の疑い 社長は引責辞任:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年4月17日). 2023年1月31日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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