ヴィオラ・デイヴィス
ヴィオラ・デイヴィス Viola Davis | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1965年8月11日(59歳) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出生地 | アメリカ合衆国 サウスカロライナ州セント・マシューズ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
活動期間 | 1996年 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
配偶者 | ジュリアス・テノン(2003年 - ) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
映画 『ダウト〜あるカトリック学校で〜』 『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』 『プリズナーズ』 『スーサイド・スクワッド』シリーズ 『フェンス』 『ロスト・マネー 偽りの報酬』 『マ・レイニーのブラックボトム』 『ウーマン・キング 無敵の女戦士たち』 『AIR/エア』 『ハンガー・ゲーム0』 『カンフー・パンダ4』 テレビドラマ 『殺人を無罪にする方法』 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
ヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis, 1965年8月11日 - )は、アメリカ合衆国の女優、プロデューサー。日本では「ヴィオラ」表記が定着しているが[1][2]、本来ファースト・ネームは「ヴァイオラ」[vˈaɪələ]と発音する[3][4][5]。2017年までにアカデミー賞、エミー賞、トニー賞を受賞し、演劇の三冠王を達成。
略歴
[編集]サウスカロライナ州カルフーン郡セント・マシューズ出身。6人兄弟の五番目[6]。父親は馬の調教師、母親はメイド、主婦であった[7][8][9]。
Rhode Island Collegeで演劇を専攻して1988年に卒業[10]。その後ジュリアード音楽院で4年学ぶ[8]。
1993年にジュリアード音楽院を卒業後、1999年に「 Everybody's Ruby」のルビー・マッカラム役の演技でオビー賞を受賞。1990年代後半から2000年代にかけて、『ニューヨークの恋人』(2001年)、『エデンより彼方に』(2002年)、『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』など、いくつかの映画やテレビシリーズで支持を獲得。2001年、オーガスト・ウィルソンの「キング・ヘドリー2世」で、トニー賞演劇助演女優賞を受賞。2008年、映画『ダウト〜あるカトリック学校で〜』の演技は彼女にゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞助演女優賞、アカデミー助演女優賞などの候補や受賞をもたらした。デイヴィスは2010年代に大きな成功を収めた。2010年、オーガスト・ウィルソンの戯曲『フェンス』でトニー賞 演劇主演女優賞を受賞[11]。2011年、コメディドラマ『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で主役の1960年代の家庭教師役を演じ、アカデミー主演女優賞の候補となり、全米映画俳優組合賞主演女優賞を受賞した[12][13]。
2014年からABCテレビドラマ『殺人を無罪にする方法』で弁護士アナリーズ・キーティング役を演じており、2015年に黒人女性として初めてプライムタイム・エミー賞主演女優賞ドラマ部門を受賞した。2016年、映画『スーサイド・スクワッド』でアマンダ・ウォラー役を演じ、以前出演した演劇を映画化した『フェンス』に出演[14]。後者の演技でアカデミー賞、英国アカデミー賞、クリティクス・チョイス・アワード、全米映画俳優組合賞、ゴールデングローブ賞などを受賞[15][16]。デイヴィスは夫ジュリアス・テノンと製作会社ジュヴィ・プロダクションを創設した。2015年の『Lila & Eve』、2016年に『ジュリアン』の製作を手掛けた[17]。彼女は3度アカデミー賞の候補となり、1度受賞した唯一の黒人女性であり、演技の三冠王を達成した唯一の黒人俳優である[18][19][20]。2012年と2017年に、雑誌『タイム』による「世界で最も影響力のある100人」に選出された[21][22]。
自叙伝『Finding Me』でグラミー賞最優秀朗読アルバムを受賞し、EGOT達成。
私生活
[編集]私生活では2003年に俳優のジュリアス・テノンと結婚。ジュリアスには以前の関係でもうけた2人の子供がおり、2011年にはヴィオラとの初めての子となる娘を養子に迎えた[23]。
主な出演作品
[編集]映画
[編集]年 | 日本語題 原題 |
役名 | 備考 | 吹き替え |
---|---|---|---|---|
1996 | 大いなる相続 The Substance of Fire |
看護師 | 日本劇場未公開 | |
1998 | ペンタゴン・ウォーズ The Pentagon Wars |
ファニング | テレビ映画 | |
アウト・オブ・サイト Out of Sight |
モーゼル | TBA(ソフト版) 喜田あゆ美(日本テレビ版) | ||
2000 | トラフィック Traffic |
ソーシャルワーカー | ||
2001 | ニューヨークの恋人 Kate & Leopold |
警官 | ||
2002 | エデンより彼方に Far from Heaven |
シビル | 倉持良子 | |
アントワン・フィッシャー きみの帰る場所 Antwone Fisher |
エヴァ・メイ | 藤生聖子 | ||
ソラリス Solaris |
ヘレン・ゴードン | 津田真澄 | ||
2005 | ストーン・コールド -影に潜む- Stone Cold |
モリー・クレイン | テレビ映画 | 梅田貴公美 |
ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン Get Rich or Die Tryin' |
祖母 | 小宮和枝 | ||
シリアナ Syriana |
CIAの議長 | クレジットなし | ||
2006 | 警察署長 ジェッシイ・ストーン 暗夜を渉る Jesse Stone: Night Passage |
モリー・クレイン | テレビ映画 | 梅田貴公美 |
警察署長 ジェッシイ・ストーン 湖水に消える Jesse Stone: Death in Paradise | ||||
ワールド・トレード・センター World Trade Center |
病院の母親 | |||
2007 | ディスタービア Disturbia |
パーカー刑事 | 上村典子 | |
警察署長ジェッシイ・ストーン 訣別の海 Jesse Stone: Sea Change |
モリー・クレイン | テレビ映画 | 梅田貴公美 | |
2008 | 最後の初恋 Nights in Rodanthe |
ジャン | 福田如子 | |
ダウト〜あるカトリック学校で〜 Doubt |
ミラー夫人 | アカデミー助演女優賞ノミネート ゴールデングローブ賞 助演女優賞ノミネート |
喜田あゆ美 | |
2009 | 消されたヘッドライン State of Play |
ジュディス・フランクリン | ||
完全なる報復 Law Abiding Citizen |
市長 | 林りんこ | ||
2010 | ナイト&デイ Knight and Day |
イザベル・ジョージ長官 | 高山佳音里 | |
食べて、祈って、恋をして Eat Pray Love |
デリア | 上村典子 | ||
チャット 〜罠に堕ちた美少女〜 Trust |
ゲイル | 日本劇場未公開 | (吹き替え版なし) | |
なんだかおかしな物語 It's Kind of a Funny Story |
ミネルバ先生 | |||
2011 | ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜 The Help |
エイビリーン・クラーク | アカデミー主演女優賞ノミネート ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)ノミネート |
喜田あゆ美[24] |
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Extremely Loud & Incredibly Close |
アビー・ブラック | 山像かおり | ||
2012 | ウォント・バック・ダウン -ママたちの学校戦争- Won't Back Down |
ノーナ・アルバーツ | 日本劇場未公開 | (吹き替え版なし) |
マリリン・モンロー 瞳の中の秘密 Love, Marilyn |
本人 | |||
2013 | ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者 Beautiful Creatures |
エマ | ||
プリズナーズ Prisoners |
ナンシー・バーチ | 喜田あゆ美(ソフト版) 朴璐美(BSジャパン版) | ||
ラブストーリーズ コナーの涙 The Disappearance of Eleanor Rigby: Him |
リリアン・フリードマン教授 | (吹き替え版なし) | ||
ラブストーリーズ エリナーの愛情 The Disappearance of Eleanor Rigby: Her |
||||
エンダーのゲーム Ender's Game |
グウェン・アンダースン少佐 | 斉藤貴美子[25] | ||
2014 | ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男 Get on Up |
スージー・ブラウン | 西宏子 | |
2015 | ブラックハット Blackhat |
キャロル・バレットFBI捜査官 | 上村典子 | |
Lila & Eve | Lila Walcott | 兼製作総指揮 | — | |
2016 | Custody | Judge Martha Sherman | — | |
スーサイド・スクワッド Suicide Squad |
アマンダ・ウォラー | 上村典子[26] | ||
フェンス Fences |
ローズ・リー・マクソン | アカデミー助演女優賞受賞[27] ゴールデングローブ賞 助演女優賞受賞[28] | ||
2018 | ロスト・マネー 偽りの報酬 Widows |
ヴェロニカ | 日本劇場未公開 | |
2019 | トゥループ・ゼロ〜夜空に恋したガールスカウト〜 Troop Zero |
ミス・レイリーン | 兼製作 | 斉藤貴美子 |
2020 | マ・レイニーのブラックボトム Ma Rainey's Black Bottom |
マ・レイニー | Netflixオリジナル映画 | 五十嵐麗 |
2021 | ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 The Suicide Squad |
アマンダ・ウォラー | 上村典子[29] | |
消えない罪 The Unforgivable |
リズ・イングラム | Netflixオリジナル映画 | 林真里花 | |
2022 | ウーマン・キング 無敵の女戦士たち The Woman King |
ナニスカ | 兼製作 日本劇場未公開 |
上村典子[30] |
ブラックアダム BlackAdam |
アマンダ・ウォラー | |||
2023 | AIR/エア Air |
デロリス・ジョーダン | 塩田朋子 | |
ハンガー・ゲーム0 The Hunger Games: The Ballad of Songbirds and Snakes |
ヴォラムニア・ゴール博士 | 五十嵐麗 | ||
2024 | カンフー・パンダ 4 伝説のマスター降臨 Kung Fu Panda 4 |
カメレオン | 声の出演 | 幸田直子 |
TBA | G20 | President Taylor Sutton | 兼製作 ポストプロダクション |
テレビシリーズ
[編集]年 | 日本語題 原題 |
役名 | 備考 | 吹き替え |
---|---|---|---|---|
1996 | NYPDブルー NYPD Blue |
女性 | 第4シーズン第1話「決意」 | |
2000 | City of Angels | リネット・ピーラー看護婦 | 計24話出演 | — |
2001 | プロビデンス Providence |
エレノア・ワイス | 第4シーズン第4話「You Can Count on Me」 | |
堕ちた弁護士 -ニック・フォーリン- The Guardian |
弁護士 | 第1シーズン第5話「幼馴染」 | ||
サード・ウォッチ Third Watch |
マーゴ・ロドリゲス | 第3シーズン第8話「Act Brave」 | ||
2002 | LAW & ORDER:犯罪心理捜査班 Law & Order: Criminal Intent |
テリー・ランドルフ | 第1シーズン第20話「警察官の誇り」 | |
CSI:科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation |
キャンベル弁護士 | 第3シーズン第6話「死刑執行停止」 | ||
2003 | ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル The Practice |
アイシャ・クレンショー | 第8シーズン第1話「We the People」 | |
2003-2008 | LAW & ORDER:性犯罪特捜班 Law & Order: Special Victims Unit |
ドナ・エメット | 計7話出演 | |
2004 | Century City | ハンナ・クレイン | 計9話出演 | — |
2005 | スレッシュホールド 〜The Last Plan〜 Threshold |
ヴィクトリア・ロッシ | 第1シーズン第5話「Shock」 | |
2006 | WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! Without a Trace |
オードリー・ウィリアムズ | 第4シーズン第23話「命の格差」 | |
2007 | Traveler | ジャン・マーロウ捜査官 | 計8話出演 | — |
2008 | ブラザーズ&シスターズ Brothers & Sisters |
エレン・スナイダー | 第2シーズン第14話「戸惑いの波」 | |
アンドロメダ・ストレイン The Andromeda Strain |
シャーリーン・バートン博士 | 全4話のミニシリーズ 計3話出演 |
||
2010 | ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ United States of Tara |
リンダ・P・フレイジャー | 計6話出演 | |
2014-2020 | 殺人を無罪にする方法 How to Get Away with Murder |
アナリーズ・キーティング | 主演、計90話出演 兼製作(計16話) 2015年プライムタイムエミー賞主演女優賞ドラマ部門受賞、2016年と2017年同賞ノミネート |
五十嵐麗[31] |
2018 | スキャンダル 託された秘密 Scandal |
第7シーズン第12話「正義への道のり」 | ||
2022 | ピースメイカー Peacemaker |
アマンダ・ウォラー | 計2話出演(クレジットなし) | 上村典子 |
ファーストレディ The First Lady |
ミシェル・オバマ | 計10話出演 兼製作総指揮 |
皆川純子 |
出典
[編集]- ^ “ヴィオラ・デイヴィス、黒人女優として初の快挙。”. VOGUE JAPAN (2017年2月28日). 2017年3月1日閲覧。
- ^ “第89回アカデミー賞助演女優賞はヴィオラ・デイヴィス”. 映画ナタリー (2017年2月27日). 2017年3月1日閲覧。
- ^ 小西友七; 南出康世 (25 April 2001). "Viola". ジーニアス英和大辞典. ジーニアス. 東京都文京区: 大修館書店 (published 2011). ISBN 978-4469041316. OCLC 47909428. NCID BA51576491. ASIN 4469041319. 全国書誌番号:20398458。
{{cite encyclopedia}}
:|access-date=
を指定する場合、|url=
も指定してください。 (説明) - ^ Oscars 2017: Performance by an Actress in a Supporting Role Nominees(18s〜) - YouTube - 2017年3月1日閲覧。
- ^ ABCのツイート(836045171988975620) - 2017年3月1日閲覧。
- ^ "Viola Davis’ path from poverty in Central Falls to Hollywood glamour" February 22, 2009, Providence Journal.
- ^ Veteran Actors, First Time Nominees.
- ^ a b Buckley, Michael (2004年3月14日). “Chats with Intimate Apparel's Viola Davis and New York Newcomer, King Lear's Geraint Wyn Davies”. Playbill.com. 2008年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月22日閲覧。
- ^ "Viola Davis: "The Help" and "Daring Yourself to Dream Big". Archived 2011年10月4日, at the Wayback Machine. August 1, 2011, Life Goes Strong.
- ^ RIC to Award 1,300 Degrees at Commencement Exercises, from the website of Rhode Island College.
- ^ Boroff, Philip (June 14, 2010). “Denzel Washington, Viola Davis, ‘Memphis,’ Win Top Tony Awards”. Bloomberg L.P.. July 8, 2012閲覧。
- ^ SAG Awards 2012: Complete list of winners The Associated Press via New York Daily News, January 30, 2012.
- ^ “The 100 Most Influential People In The World”. Time. (April 18, 2012)
- ^ “Viola Davis announces 'Fences' wrap: let the Oscar campaigns begin”. Serving Cinema. (June 14, 2016) January 9, 2017閲覧。
- ^ “Viola Davis Wins First Golden Globe for ‘Fences’”. Variety. (January 8, 2017) January 9, 2017閲覧。
- ^ “Critics Choice Awards 2016: Viola Davis wins best supporting actress”. Entertainment Weekly. (December 12, 2016) January 9, 2017閲覧。
- ^ “Projects”. JuVee Productions. 2016年1月31日閲覧。
- ^ Mic. “Oscars 2017: Viola Davis just became the first black actress to earn 3 Oscar nominations”. Mic. 2017年1月24日閲覧。
- ^ Maxwell Strachan (2017年2月26日). “Viola Davis Just Became The First Black Woman To Win An Oscar, Emmy And Tony For Acting”. Huffington Post. 2017年2月26日閲覧。
- ^ Lisa Ryan. “Viola Davis, First Black Actor to Win Oscar, Emmy, and Tony”. Nymag.com. 2017年2月27日閲覧。
- ^ “The 100 Most Influential People In The World”. Time. (April 18, 2012)[リンク切れ]
- ^ “The 100 Most Influential People In The World: Viola Davis”. Time April 21, 2017閲覧。
- ^ https://www.bravotv.com/blogs/other-celebrity-women-you-may-have-forgotten-secretly-adopted/
- ^ “ヘルプ ~心がつなぐストーリー~”. ディズニー公式. 2021年7月29日閲覧。
- ^ “エンダーのゲーム”. ふきカエル大作戦!! (2014年1月21日). 2021年7月29日閲覧。
- ^ “スーサイド・スクワッド”. ふきカエル大作戦!! (2016年9月10日). 2021年7月29日閲覧。
- ^ “Best Actress in a Supporting Role” (2017年2月26日). 2017年2月28日閲覧。
- ^ “「ラ・ラ・ランド」がゴールデングローブ賞を席巻、映画部門で最多7部門受賞”. 映画ナタリー. (2017年1月9日) 2017年1月10日閲覧。
- ^ “ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2021年8月12日). 2021年8月15日閲覧。
- ^ “ブラックアダム -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2022年12月2日). 2022年12月2日閲覧。
- ^ “殺人を無罪にする方法 シーズン1”. ディズニー公式. 2021年7月29日閲覧。
外部リンク
[編集]- ヴィオラ・デイヴィス - allcinema
- ヴィオラ・デイヴィス - KINENOTE
- Viola Davis - インターネット・ブロードウェイ・データベース
- Viola Davis - IMDb
- Viola Davis (@violadavis) - X(旧Twitter)