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ドリュオペー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ドリュオペー古希: Δρυόπη, Dryopē)は、ギリシア神話の女性である。長音を省略してドリュオペとも表記される。主に、

のほか数人が知られている。以下に説明する。

ドリュオプスの娘

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このドリュオペーは、河神スペルケイオスダナイデスの1人ポリュドーレーの子であるオイテー王ドリュオプスの娘[1]クラガレウスの兄弟か[2]。あるいはオイカーリアー王エウリュトスの娘[3]オクシュロスの子[1]アンドライモーンと結婚し、アムピッソスを生んだ[1][3]。ただし息子の本当の父親はアポローンであるという[1]

コロポーンのニーカンドロスの『変身物語』に基づくアントーニーヌス・リーベラーリスによると、ドリュオペーは普段は父が飼育していたの世話をしていたが、ハマドリュアスたち(樹木のニュンペー)から大変に愛されていたため、彼女たちの仲間に加わり、神々への讃歌や舞踏を教わった。あるときアポローンはニュムペーたちと踊っているドリュオペーの姿を見て、彼女に恋をした。そこでアポローンがに変身して彼女に近づくと、ドリュオペーはニュムペーたちと一緒になって笑い、亀を玩具にして遊んだ。そこでアポローンは次にに変身した。それを見たニュムペーたちは怖くなって逃げ出した。アポローンが1人になったドリュオペーと交わると、ドリュオペーもまた恐怖して館に逃げ帰った。その後、ドリュオペーはアンドライモーンと結婚し、アポローンの子アムピッソスを生んだ。アムピッソスは膂力に優れた人物に成長し、オイテー山の近くに自分の名前にちなんだ都市を創建し、アポローンの神殿を建設した。しかしドリュオペーが神殿に近づくと、ニュムペーたちが彼女を攫った。そして彼女の代わりに黒ポプラを生えさせ、そのそばに泉を湧き出させた。またドリュオペーをニュムペーに変えた。アムピッソスはハマドリュアスたちに感謝して彼女たちのために神殿を建設し、競技祭を創設した[1]

後に2人の女性がドリュオペーはニュムペーに攫われたのだから、女たちがこの競技祭に近づくのは神意に反していると主張した。しかしニュムペーたちは彼女たちの主張を正しい考えとは見なさず、モミの木に変えた[1]

オウィディウスの『変身物語』では異なる物語が語られている。それによるとドリュオペーはアポローン神に純潔を奪われた後にアンドライモーンと結婚したが、ローティスという名前のニュムペーが変身したの花を知らずに手折ったために、樹に変じたという[3]

レームノス島の女性

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このドリュオペーは、レームノス島の女性である。ウァレリウス・フラックスの『アルゴナウタイ』によると、アプロディーテーローマ神話ウェヌス)はドリュオペーに変身して、夫を殺害するようレームノス島の女たちを扇動した[4][5]

その他の女性

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脚注

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  1. ^ a b c d e f アントーニーヌス・リーベラーリス、32話。
  2. ^ アントーニーヌス・リーベラーリス、4話。
  3. ^ a b c オウィディウス『変身物語』9巻329行-393行。
  4. ^ ウァレリウス・フラックス『アルゴナウタイ』2巻174行。
  5. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.176a。
  6. ^ ロドスのアポローニオス、1巻1211行-1214行。
  7. ^ ウァレリウス・フラックス『アルゴナウタイ』3巻529行。
  8. ^ スタティウステーバイス』2巻614行以下。
  9. ^ ウェルギリウス『アエネーイス』10巻550行-551行。

参考文献

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