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ラミアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハーバート・ジェームズ・ドレイパー1909年の絵画『ラミアー』。

ラミアーまたはラミア古希: Λαμία, Lamiā)は、ギリシア神話に登場するリビュアーの女性で、ゼウスと通じたためにヘーラーによって子供を失い、その苦悩のあまり他人の子を殺す女怪と化した。眼球を取り出すことができるが、これはヘーラーに眠りを奪われた彼女にゼウスが与えた能力ともいわれる。「ラミア」は古くから子供が恐怖する名として、しつけの場で用いられた。

後の時代には、青年を誘惑して性の虜にしたあとこれを喰らう悪霊エンプーサの代名詞のひとつに使われた。誘惑のラミアーは、若者を喰らうのでヴァンパイアと比喩される。

他にもリビュアー神話の人食いの女蛇の一族がラミアー類とされ、アポローンが都市アルゴスに差し向けた子供を喰らう怪物も、ラミアーの別称で呼ばれたり、体の一部が蛇だと記述される。

語源

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名前は「貪欲」を意味するラミュロス(古希: λαμυρός)からきていると言う説がある。似た説としてはアリストパネースの傍注者の説で、「喉」や「食道」(古希: λαιμός)が巨大であるゆえにそう付けられたという説明がある[2]

神話

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ラミアーは、元々はリビュアー(現今のリビアより広大である)の女性(あるいは女王[3])であったが、その美貌でゼウスに見初められた。結果、ゼウスの妻ヘーラーの怒りを買い、ゼウスとの間に産まれた子供を全て失い(あるいはみずから殺すように仕向けられ[6])、その悲痛から容姿は獣のように変りはて、他人の子を捕らえて殺すようになった[6][3]

ヘーラーの報復はそれにとどまらず、ラミアーから眠りさえも奪い、子供を失った悲しみから常に逃れられないようにした。そこでゼウスは彼女が休めるよう、目を取り外せるようにしたと、古註では説明される[8]。ラミアーが目玉を取りだしたり容器に保管した等の記述は(経緯まで詳しくはないが)他所にも見られる[3][9]

詳細

古註によれば、ベーロスと(その母)リビュエーとの間の娘とされる[8]。また、ポセイドーンの娘でシビュレーの母であるラミアー英語版ともしばしば混同される[注 1][注 2]

ラミアーは、ゼウスによってマグナ・グラエキア(現今のイタリア)に連れていかれたという伝承があり、人食い巨人ライストリューゴーン族の都市ラモスの地名になったとも[8]、一族の女王に君臨したともされる[13]

アリストパネース(前385年頃没)は、2作の喜劇の中で、この世で悪臭をはなつ三大のもののひとつとして「ラミアーの睾丸」を数えており、ゆえにラミアーは性別不詳などとも意見される[15]。ちなみにこのことは、17世紀のトップセル英語版の動物誌のラミアーについての記述や挿絵にも踏襲される[16][18]

俗信

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悪い子の鬼

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ギリシア人の生活の慣習として、母親たちは「ラミアー」の名を子供をたしなめるための脅し文句に使うこともあった。このことは紀元前1世紀頃にもすでに記されている[19]。子供が悪いことをすると「○○をするとラミアーが来るよ」と言う風に使われた。

この「悪い子の鬼」的な意味で同義語とされる悪霊の類には、モルモー、モルモリュケー、ゲロー英語版等がある[20]。『スーダ辞典』の「モルモー(Μορμώ)」の項を引くと、モルモリュケーと同一とし、ラミアーとも呼ばれる恐ろしいと存在と定義している[21]。また古註には、ラミアーの単なる別名が「ゲロー」であると記される[13]

ラミアーの他にも、ゴルゴーエピアルテース、モルモリュケーが怖がらせる存在であると、ストラボーン地理誌』にも記される[22]

淫乱な悪霊

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紀元1世紀頃を境に[23]、ラミアーは子供を殺す一人の女怪ではなく、青年を誘惑して最後には喰らう悪霊たちの総称として描かれるようになった[23][24]

アポローニオスのラミアー退治

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代表例はピロストラトス著『テュアナのアポローニオス伝』(第4巻第25章)の挿話である。

女性になりすました一体のラミアー(俗称)に門弟[注 3]をたぶらかされた哲人アポローニオスは、その正体を暴露し、門弟を救った[26]

この怪異の名称だが、まず悪霊(パスマ)の一種とされており[注 4]、哲人が門弟にいわく「そいつはエンプーサだ、周りではラミアーやらモルモリュケーやらと呼んでいる奴だ」とあるように、正しい呼称がエンプーサ、俗称がラミアー等とされる[28][29]。"ラミアー"は本来このような意味では用いられないとの指摘もある[30]。また、最後には彼女自身も自分がエンプーサという種類の悪霊であると認めている。挿話は、これが世間にいうアポローニオスによる「コリントスのラミアー」を退治したという風聞の全貌である、と締めくくられる[26]

このラミアーは変身能力だけでなく、住まいまでも豪邸に見せかける幻影術を所持していたが[注 5]、二人の婚礼の席でアポローニオスが彼女の正体を宣言すると、豪奢な杯などが幻と消え、嘘が発覚した[26][31]

蛇体
『鬼女のキス』(イソベル・リリアン・グローグ、1890年頃)ジョン・キーツの『レイミア』に影響を受け、ラミアーを半蛇身の女性として描写している。

また、哲人が書生に対して諭した台詞「おまえというやつは、蛇[注 6]なんぞに恋焦がれているのだ」は[32][26]、現代の読者からすれば比喩と捉えがちであるが、これは彼女が実際に蛇体であることの言及だと主張する研究書がある[33]

英国ロマンス派の詩人キーツの『レイミア』はアポローニオス伝の話の再話であるが、キーツのレイミアははっきりと蛇体である[34][注 7]

血を好む

このラミアーは、その肉体を喰らうために青年を太らせていたのであり、「その血が新鮮で純粋」な美青年を狙って常習的に喰らっていた、と白状した[26]。これを現代風に言えば血を吸うヴァンパイアだと解釈する近代の参考書もある[36]

血を吸う行動を思わせる描写は、ローマ版の説話にあると言われる[38]。一般に血を「吸う」魔女が登場するのは[注 8]アープレーイウスが著した2世紀のラテン語小説とされる(#黄金のロバ参照)。

黄金のロバ

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アープレーイウスの『黄金のロバラテン語版英語版』(『変容』)では、メロエとパンティアという人間ではない魔女たちが登場するが[注 9]、ラミアーとも呼ばれている[41][注 10]

メロエは年配の毒婦で、その術を使って男性を誘惑する。虜となった男は、彼女の正体や行動を友人に他言してしまい[注 11]、友人の助力で逃亡を画策する。しかし、その夜のうちに二人の魔女たちに見つかり、男は左顎下を刀で突かれ、放出する血は小さな革袋に採集された。男は心臓を摘出され、代わりに海綿を詰められてとりあえずは死ななかったが、川の水を飲もうと身をかがめたとき海綿が転げ落ち絶命した[43]。ここでは魔女たちは血を吸ったとは明言されないが、この血の採集法は、ヴァンパイア的な行動だと指摘されている[44][45]

ラミアー達(「あの女怪ども」等と和訳される)は更に、そばにひっくり返っていた友人をまたがって排尿した。その染みついた悪臭はすさまじかったと語られる[43]

解釈

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蛇体

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女性の頭と胸に、蛇の下半身を持つという姿と定義する辞典等もあるが[46]、上掲#神話で要約した内容が、神話上のラミアーの「典型的」な描写であり[注 12]、古典的な原典(前3世紀のサモスのドゥーリス、前1世紀シケリアのディオドーロス等)には、蛇と結びつける具体的な言及はない[47]

しかし「典型」が必ずしも元祖とは限らないと蛇女論者は主張する[47]。古代神話には他にも子供を殺された恨みのモチーフにまつわる女怪や、同じリビュアーの地にまつわる女怪がおり、そのなかには外見の一部が蛇なものもある。そうした例もラミアーと認識できるという説である(#推定同類にて後述)[注 13]

また、エンプーサ(別名ラミアー。#淫乱な悪霊にて前述)は、ある伝奇的な人物伝では[注 14]、女性に化けたそれが「蛇」呼ばわりされる[33]

吸血鬼

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アポローニオスが退治したというエンプーサ(ことラミアー)をスミスの辞典(1849年)では、ヴァンパイアに相当させており[24][50]、血を吸うとしているが[36]、そのような解釈は必ずしも他の資料ではされていない[51][注 15]

悪臭

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悪臭は、ラミアーに共通するモチーフあるいは属性だとの指摘がある。一例はアリストパネースの喜劇の「ラミアーの睾丸」の匂いの言及であり、もう一つは#リビュアー神話の半人半蛇たちが通ったあとに残す悪臭をたどって住民たちはその住処をつきとめたという記述である。また、『黄金のロバ』の魔女たちがひっかけた尿の悪臭も例のうちに数えられる[53]

推定同類

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ラミアーという名では必ずしも記されないが[注 16]、話の類似性や場所の一致からラミアーと推論されるものもいる。これらは、半人半蛇だったり、頭から蛇が生えていたりする。

アルゴスのポイネー

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類型とされるひとつが、アポローン神が都市国家アルゴスに差し向けた子供を襲う怪物で[注 17]、原典によって、「ポイネー英語版(罰)」とも[54]ケールとも[56]、ラミアーとも呼ばれる。ラミアーだと明言するのは、古典ではなく中世(9〜11世紀)の記述であるが[60]プルータルコスがエンプーサとポイネーを同一とする言及を傍証として、かなり古くからラミアーとみなされた可能性も指摘される[61]

ポイネーの外見が蛇の様だとする記述は皆無だが[54]スターティウスが伝える異本では無名の怪物で、女性の顔と乳房を持ち、その赤錆色をした額からは蛇(: anguis)が生えており、鉄を履かせた爪を持ち、滑りこむようにして部屋に侵入しては乳児を捕らえて喰らったという[63]。また、もたらされた災害は[注 18]、人面の蛇あるいは蛇頭の人だとする古註もある[66]

怪物はコロイボスが退治したとされている[54]

リビュアー神話

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さらなる例として挙げられるのが、ディオーン・クリューソストモスが記述するリビュアーの人食い怪物の一族で、これらは女性の上半身と蛇の下半身からなり、獣のような手を持っていた[69][70][注 19]。この「リビュアの神話」のモンスター族がラミアーだという解釈は、アレックス・スコービー(1977年)に拠るとされ[72]、他にも賛同する学者がいる[73]

近代

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ラミア。木版画。トップセル著『四足獣物語』より

エドワード・トップセル英語版著『四足獣物語』(17世紀)によれば、ラミアーは上半身は女性の顔と乳房を持つが、下半身はヤギに似、アザラシの匂いがする睾丸もついており(上述のアリストパネースを典拠としている)、両性具有に描かれる。全身は鱗で覆われる[16][74]

ジョン・キーツは生前の1819年に出版した詩集 Lamia [75](『レイミア』イザベラ、聖アグネス祭前夜その他の詩集)のPart Iにラミアーの伝説に基づく詩を書いた[注 20]。その内容は「レイミア(ラミアー)と人間の恋物語」(異類婚姻譚)である。

主な内容としては、ある男がレイミアの化けた女性と結婚することになるが最終的にその正体を暴き、彼女は正体を現して泣きながら去って行ったというものである。

各国の類例

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ブルガリアの民話にもラミャブルガリア語版ブルガリア語: Ламя / lamya)という複数の頭を持つ竜(スラヴのドラゴン)がいる。水源を支配して干ばつを起こし、それを解くために人身御供を要求し、村人たちを苦しめる。洞窟や地下で発見されるというストーリーが多い。特に性別を示すようなところはないが、普通は女性とされている。

また、ラミアー伝説が東洋に伝来し中国の『白蛇伝』の基になったとの説が唱えられている[76]

脚注

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注釈

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  1. ^ 例えば、ポセイドーンの娘ラミアーがシビュラのひとりの生みの母という伝承と、ラミアーがゼウスと通じて(すなわちリビュアーの女王が)シビュラを生んだ伝承(パウサニアースによる)がある[11]
  2. ^ あるいはラミアーがスキュラの母だという記述があるが、これはいずれのラミアーかあいまいだとされる[12]
  3. ^ 門弟の名はリュキアのメニッポス。
  4. ^ 悪霊(パスマ、phasmaφάσμα)は、"怪異一般を指す用語 (generic term for supernatural creatures)"[27]
  5. ^ 「物体そのものではなく物体のドクサ」を作り出している。4.25.4Stannish & Doran (2013), p. 115。
  6. ^ ギリシア語: ὄφις ophis
  7. ^ 原話では被害者はリュキア(Lycia)のメニッポスという生徒だが、キーツの詩ではリシウス(Lyceus)という。
  8. ^ 口で吸う訳ではなく革袋に「吸わせる」。
  9. ^ 「魔女」("witches")は便宜上の名称で、厳密には魔女ではない[39]。文中ではsāga 「(神様のような)女占い」(第1巻第8章)等と称される[40]
  10. ^ ここで「ラミアー」は単なる罵詈雑言に過ぎないとの意見もある。『黄金のロバ』第5巻第11章では、クピードープシューケーの姉妹をそう呼んでいる[42]
  11. ^ メロエの愛人はソークラテースといい、友人はアリストメネースである。
  12. ^ "archetypal", Ogden (2013b), pp. 98, 99
  13. ^ 原題研究家が仮説によりそうみなした例だけでなく、アルゴスのポイネーの例では、中世の頃の文献でラミアーという名称が使われる。
  14. ^ ピロストラトス。
  15. ^ 小説『吸血鬼ドラキュラ』以前の"ヴァンパイア"は吸血鬼より"むしろ今でいうゾンビに近"いので注意を要する[52]
  16. ^ 中世になってから「ラミアー」という別称に置き変わる例もある。
  17. ^ アポローンがこの災害をもたらした理由は次の通りである:クロトーポス王の娘プサマテーは、アポローンと通じて出産したが、父王を恐れて捨子にしたものの発覚し、淫乱を疑う王により処刑された。
  18. ^ ペスト、: pestis
  19. ^ 弁論 37の挿入歌では、シビュラ(リビュアーのシビュラ英語版)が自分の母をラミアー (ポセイドーンの娘)英語版と詠んでいる[71]
  20. ^ これは、ロバート・バートンの『憂鬱の解剖学』の第3部第2節第1条第1題の逸話、ジョン・ランプリエール英語版の『ギリシア・ローマ事典』(ジョン・ポッターの『ギリシア古俗』)に基づいている[76]

出典

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  1. ^ West, David R. (1995), Some cults of Greek goddesses and female daemons of Oriental origin, Butzon & Bercker, p. 293, https://books.google.com/books?id=sZ9tAAAAMAAJ&q=%22Lamia's%22 
  2. ^ 欄外古註英語版、アリストパネス『』 1035[1]
  3. ^ a b c d シケリアのディオドロス(前1世紀 盛)『歴史叢書』第20巻第41章[7]:Bekker, Immanuel (編), Diodorus Siculus, Bibliotheca Historica XX.41
  4. ^ Ogden (2013b), p. 98: "Because of Hera.. she lost [or: destroyed] the children she bore"
  5. ^ a b Johnston, Sarah Iles, ed (2013). Restless Dead: Encounters Between the Living and the Dead in Ancient Greece. Univ of California Press. p. 174. https://books.google.com/books?id=57MwDwAAQBAJ&pg=PA174  ISBN 9-780-5202-8018-2
  6. ^ a b サモスのドゥーリス英語版(前280年没)『リビュカ』(ギリシア断片集 FGrH 76 F17)[4][5]
  7. ^ Ogden (2013b), p. 99.
  8. ^ a b c 欄外古註英語版古典古代からビザンツ期)、アリストパネス平和』 758への注[10]
  9. ^ プルタルコス『詮索好きについて』De curiositate 2
  10. ^ a b Ogden (2013b), p. 98.
  11. ^ Fontenrose (1959), p. 107.
  12. ^ ステーシコロスの断片:Campbell, David A., (英訳、1991), Stesichorus, Frag 220, p. 133, and note 2.
  13. ^ a b 欄外古註、テオクリトス『牧歌』 Idylls 15.40[10][5]
  14. ^ Ogden (2013a)、p. 91、注117
  15. ^ アリストパネス『平和』758と『』1035[14]
  16. ^ a b Topsell, Edward (1607), "Of the lamia", The historie of foure-footed beastes.
  17. ^ Tomita, Akio. “メーデイア(medeia)について”. 『バルバロイ!』. January 2018閲覧。
  18. ^ ジョン・アシュトン『奇怪動物百科』(高橋宣勝)に訳出[17]
  19. ^ ディオドロス:"我々の時代でもこの女性の物語は子供たちに語り継がれていており、その名のみすらが子供たちにとっては恐怖そのものである"[3]
  20. ^ Ogden (2013a), p. 91, note 114
  21. ^ "Mormo", Suda On Line", tr. Richard Rodriguez. 11 June 2009; Suidas (1834), Gaisford, Thomas, ed., Lexicon: post Ludolphum Kusterum ad codices manuscriptos. K - Psi, 2, Typographeo Academico, p. 2523, https://books.google.com/books?id=XupCAAAAcAAJ&pg=PA2523 
  22. ^ Hamilton, H.C.; Falconer, W. edd., Strabo, Geography I.2.8
  23. ^ a b Skene, Bradley (2016). Lamia. Routledge. pp. 369-370. https://books.google.com/books?id=PHbeCwAAQBAJ&pg=PA369 
  24. ^ a b スミス、ウィリアム『ギリシア・ローマ伝記神話辞典』「Lamia 2」の項: (英語) Schmitz, Leonhard (1849), Smith, William, ed., “La'mia”, A Dictionary of Greek and Roman biography and mythology (London: John Murray) 2: pp. 713-714, https://books.google.com/books?id=nVkoAAAAYAAJ&pg=PA713  Perseus Project "La'mia".
  25. ^ Ogden (2013a), pp. 106–107.
  26. ^ a b c d e ピロストラトス(1世紀)『テュアナのアポロニオス伝』第4巻第25章[25]
  27. ^ Felton (2013), p. 232, n15.
  28. ^ ギリシア語原文: "μία τῶν ἐμπουσῶν ἐστιν, ἃς λαμίας τε καὶ μορμολυκίας οἱ πολλοὶ ἡγοῦνται", Vit. Apollon. 4.25.
  29. ^ Philostratus (1912). “25”. In Phillimore, J. S. (tr.). 2. Clarendon Press. pp. 24-26. https://books.google.com/books?id=qTcIAQAAMAAJ&pg=PA26 
  30. ^ Stoneman, Richard (1991). Vampire. Aquarian Press. pp. 178-179. https://books.google.com/books?id=v9woAAAAYAAJ&dq=%22lamia%22 : "Lamia (not the usual application of this term)".
  31. ^ 日本語での要約の例:井上嘉孝「吸血鬼と恐れの変容 : 心理臨床における異界との関わりについての一考察」『京都大学大学院教育学研究科紀要』第53号、京都大学大学院教育学研究科、2007年、72-84(p.77)、ISSN 13452142NAID 120000904935  パプストヴァルター田村和彦 (訳)「『悪魔(サタン)とヴェネチアの古き神々』(下) : ある文学的常数の発展」『桃山学院大学人文科学研究』第18巻、第1号、124頁、1982年。 NAID 110004829712http://id.nii.ac.jp/1420/00006281/ 
  32. ^ Ogden (2013a), p. 90.
  33. ^ a b c Ogden (2013b), p. 107.
  34. ^ 金澤良子「“Author of Endymion”による古典神話世界との決別―‘Lamia’ 第一部における二人の女性の意義」『英語英文学叢誌』第41号、早稲田大学英語英文学会、63頁、2012年2月25日https://hdl.handle.net/2065/35761 
  35. ^ スミス、ウィリアム『ギリシア・ローマ伝記神話辞典』「Empusa」の項: (英語) Schmitz, Leonhard (1849), "Empusa", DGRBM 2, p. 14. Perseus Project "Empu'sa".
  36. ^ a b スミスの辞典「Empusa」の項で、"sucked their blood like vampyrs"。典拠は"(Philostr Vit. Apoll. 4.25; Suid. s. v.)"とのみあるので、すなわちピロストラトスの『アポローニウス伝』に拠る[35]
  37. ^ 高島葉子「ロレンスの魔女」『人文研究』第48巻第11号、大阪市立大学、1996年、835-850頁、ISSN 04913329NAID 110000125022 , p.103, 注26: "このラミアはギリシャ神話では子供をさらって喰い、ローマ版の話では若い男の血をすする、という。"
  38. ^ フレッド・ゲティングズ『悪魔の事典』大瀧啓裕訳、青土社、1992年、422頁、NCID BN07754887ISBN 479175185X[37]
  39. ^ a b Frangoulidis, Stavros (2008). Witches, Isis and Narrative: Approaches to Magic in Apuleius' "Metamorphoses". Walter de Gruyter. p. 116. https://books.google.com/books?id=oHtjrI9KMGkC&pg=PA116  ISBN 9783110210033
  40. ^ アプレイウス 著、呉茂一; 国原吉之助 訳・ 編『黄金のロバ』グーテンベルク21、1955年https://books.google.com/books?id=Ygzy3IZQbI8C&lpg=PT11 第1巻第8章
  41. ^ アプレイウス(呉・国原 訳)『黄金のロバ』第1巻第17章[39]
  42. ^ Stannish & Doran (2013), p. 117, note 26
  43. ^ a b アプレイウス(呉・国原 訳)『黄金のロバ』。1955年、第1巻第12-17章:Apul. Met. 1.12-17 (ラテン語)
  44. ^ Stannish & Doran (2013), p. 118: "foregoing survey..some creatures shared vampiric qualities(上述の梗概[で].. いくつかの[怪物等の]ものは、ヴァンパイア的な性質を共有していた)"。
  45. ^ Leinweber (1994), p. 79: "constitute little less than a kind of vampire attack (ほぼヴァンパイア的な攻撃を構成している)"。
  46. ^ 新明解百科語辞典』三省堂、1991年、65頁https://books.google.com/books?id=TNWFAAAAIAAJ&q=ラミア。「上半身が女性で,下半身が蛇。子供や若い男性の生き血を..」 
  47. ^ a b Ogden (2013b), p. 98:(ドゥーリス等)"This is not to say that the notion of an archetypical Lamia preceded the notion of lamiai as a category of monster. Nothing here explicitly declares that tthis archtypal Lamia had a serpentine element, as the creatures that were subsequently to bear her name did..": p. 99(ディオドーロス等)", "Nothing here, again, aspeaks directly of a serpentine nature."
  48. ^ スミス、ウィリアム『ギリシア・ローマ伝記神話辞典』「Apollonius of Tyana」の項: (英語) Mozley, John Rickards (1877), "Apollonius of Tyana", DGRBM 1, p. 136.
  49. ^ スミス、ウィリアム『ギリシア・ローマ伝記神話辞典』「Apollonius Tyanaeus」の項: (英語) Jowett, Benjamin (1800), "Apollonius of Tyana", DGRBM 1, p. 243. Perseus Project "Apollonius Tyanaeus"
  50. ^ スミスの辞典1877年版「Apollonius of Tyana」にも"vampire"とあるが[48]、1880年版「Apollonius Tyanus」では史実と出来ない奇跡話は割愛された[49]
  51. ^ 例:Felton (2013), p. 232では"devouring"(喰らう)とのみある。Ogden (2013b), p. 107の説明でも触れていない。
  52. ^ 森口大地「19世紀前半におけるヴァンピリスムス -E.T.A. ホフマンに見るポリドリの影響-」『研究報告』第29巻、京都大学大学院独文研究室研究報告刊行会、63頁、2016年https://hdl.handle.net/2433/204381 
  53. ^ Ogden (2013a), p. 81.
  54. ^ a b c パウサニアス、1巻43・7: Jones, W.H.S.; Ormerod, H.A., (英訳) Pausanias, Description of Greece, 1.43.7[67]
  55. ^ Pache (2004), pp. 72–73.
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  74. ^ 高島葉子「蛇女 : レイミアとメリュジーヌの比較考察」『人文研究』第50巻、第12号、大阪市立大学、123頁、1998年https://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0000438repository_KJ00000268007 
  75. ^ ウィキソース出典 John Keats (英語), Lamia, ウィキソースより閲覧。 
  76. ^ a b 南條竹則蛇女の伝説』、平凡社新書059、2000年、NCID BA4877999XISBN 4582850596

参考文献

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関連項目

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