ヘビ
ヘビ亜目 | ||||||||||||||||||||||||
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クスシヘビ Zamenis longissimus
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Serpentes Linnaeus, 1758[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヘビ亜目[1] | ||||||||||||||||||||||||
下目[2] | ||||||||||||||||||||||||
ヘビ(蛇、英: snake[3][4])は、爬虫綱有鱗目ヘビ亜目(Serpentes)に分類される爬虫類の総称[5]。トカゲとは類縁関係にあり共に有鱗目を構成している[6]。体が細長く、四肢は退化しているのが特徴[7]。ただし、同様の形の動物は他群にも存在。
分布
[編集]適応放散により地上から地中、樹上、海洋に至るまで生活圏を広げており[8]、南極大陸・極地を除く全大陸に分布する[5][6](右の図)。毒蛇は熱帯・亜熱帯に多い[9]。
形態
[編集]大きさも最大7m以上になるアミメニシキヘビから、10cm程のメクラヘビ類まで、様々な種類がある。なお世界最大の毒蛇は、全長5m以上になるキングコブラとされる。
胴と尾の区別は、一般に総排出口から先が尾とされる。骨格を見れば胴体と尾の境界はある。すなわち、胴体には肋骨があるが、尾にはない。
俗に顎を外して獲物を飲み込むとされるが、実際には方形骨を介した顎の関節が2つあり、開口角度を大きく取ることができる。さらに下顎は左右2つの独立した骨で形成され、靭帯で繋がっている。上顎骨や翼状骨も頭骨に固定されておらず、必要に応じて前後に動かすことができる。歯も喉奥に向かって反り返り、これらにより獲物を咥えながら顎を動かすことにより獲物を少しずつ奥に呑みこむことができる[10](後述のように歯の他に牙を持つものもいる)。
鱗には厚さ数ナノメートルの剥がれない脂質が潤滑油として分泌されており、これは2015年12月9日付の「Journal of the Royal Society Interface」誌で発表された研究論文によって明らかになっている[11]。
穴を掘ることができるヘビは、変形した頭や尻尾、荒い鱗など、形態が特殊な形状となっていることが多い[12]。
感覚器
[編集]視力は人間などに比べると弱い。それは、目全体を1枚の透明な鱗で覆っているためで、そのためにまばたきの必要もなく[13]、脱皮の際には目の部位も脱皮する[14]。現存する種にも目が退化したものは多い。ただし、立体的な活動を行う樹上棲種についてはこの限りではなく、視覚が発達し大型の眼を持っている種もいる。
また口内にはヤコブソン器官という嗅覚をつかさどる感覚器を持つ(ヘビ固有の器官ではない)。本科の構成種が舌を頻繁に出し入れするのはこの器官に舌が付着させた匂いの粒子を送っているためである。また一部の種では赤外線(動物の体温)を感じ取るピット器官という感知器官を唇にある鱗(上唇板、下唇鱗)や目と鼻孔の間に持つ。耳孔や鼓膜は退化しているため、地面の振動を下顎で感知する。
進化
[編集]ヘビの進化的起源には不明な点が多いが、有鱗目のうち、トカゲ亜目の一部から進化したと考えられている[15][16]。1億4500万年前から1億年前の白亜紀前期に派生したと推測されている[10]。Parviraptorなどジュラ紀の初期のヘビ類とされた化石はいくつか知られるものの[17]、これらが実際にヘビに関連しているかについては否定的な意見もある[18]。
トカゲ類の中ではオオトカゲ下目に近いとする説がもっとも有力であったが、近年の分子系統解析から、オオトカゲ下目+イグアナ下目から成るクレードと姉妹群を成すことがわかっており、有毒有鱗類と呼ばれる[19]。(かつてはヘビと同じく四肢の退化したヒレアシトカゲ科やミミズトカゲ亜目を姉妹群とする説もあった[15]が、分子系統解析からこれらは否定され、肢の消失は有鱗類の複数の系統で独立に起こった平行進化であることが確定した。)
ヘビの祖先がどのような生活をしていたかについては、水生だったとする説と陸生・地中生だったとする説が対立しており[10][15][16][20]、決着は着いていない。水生説では、ヘビがモササウルス科[20] やドリコサウルス科[10] のような海生オオトカゲ類に近縁であることから、オオトカゲから派生して海中で自在に動けるように進化したと考える[10][15]。特に、約9800万年前の地層から見つかったパキラキスがオオトカゲ類の特徴を残す祖先的なヘビであるとする研究は、水生説を強く支持している[16][20]。パキラキスは前肢を持たず後肢のみを持つヘビで、形態的な特徴から水生であったと考えられる。しかし、パキラキスが祖先的であることを疑う意見もある[20]。
水生説に対して、ヘビが中耳と鼓膜を失っていることや、進化過程で一度網膜が退化したとみられること、脳頭蓋が骨で保護されること、瞼が無く眼が透明な鱗で覆われていることなどは、ヘビの祖先が地中生活をしていたことを強く示唆する[15]。ただし、固い地面を掘り進んでいたとすれば生じたはずの頭蓋骨の強化(ミミズトカゲ類には生じている)はヘビには見られず、地中起源だとしたら軟らかい土壌に住んでいたか[15]、既にある穴や割れ目を利用する半地中生だったと考えられる[16]。化石では、後肢と椎骨を残すナジャシュ、四肢を完全に失ったヘビの中では最古であるディニリシア、頭部にトカゲの特徴(上顎の骨が頭骨に固定されている)を残し地中生だったと推測されるコニオフィスが陸生であることが、陸生説を支持している[10][21]。
2015年には四肢を残す初期のヘビ類としてテトラポドフィスが記載された[22]。しかしながら、この化石は分類が不確実であり、いくつかの研究はこの標本は実際にはドリコサウルス科の一種である可能性が示された[23][24]。化石はブラジルからドイツに不法に輸出されたものとみられており、他の研究者は実際の標本が研究できないことがその分類の混乱を引き起こした[25](当該化石は2024年にブラジル国立博物館に寄贈された)[26]。
体形に合わせて内臓も細長くなっており、2つの肺のうち左肺は退化している。原始的なヘビほど左肺が大きい傾向にある。
一部のヘビには、総排出腔の両脇に後ろ足の名残として蹴爪が見られる。
骨格
[編集]ヘビの足
[編集]四肢を失う進化(退化)自体はそれほど珍しいものではなく、両生類の無足類もまさに同様の進化を経た分類群である。現生のトカゲ類においてもアシナシトカゲやヒレアシトカゲのように四肢が無いかほとんど無いいくつかの群がある。鳥類ではモアが前肢(翼)を失い、哺乳類ではクジラやイルカの後肢が退化している[27]。
四肢に関しては、生まれる前の胚の段階で、2本の脚の原基(肢芽)が確認されており、ソニック・ヘッジホッグ遺伝子の制御を行う遺伝子スイッチ「エンハンサー」の3因子に変異が起きて足を形成せず破壊してしまっている[28][29]。メクラヘビやニシキヘビ科など一部の原始的なヘビに腰帯の痕跡器官を持つ種類がある。一部のニシキヘビには大腿骨も残っている[28]。なお、肩帯のある種類は現存しない。
初期のヘビ類であるパキラキスやEupodophis、Haasiophisやナジャシュなどは後肢を残していた。
移動するための四肢を失ったとはいえ、ヘビはその細長い体によって地上や樹上、水中での移動を可能にし、高い適応性を示している[16]。地上での移動方法にはいくつかの種類があり、代表的なのは以下のものである。
-
2本の足を持つEupodophis descouensi
-
胚の状態のマウス(左)とヘビ(右)
-
直進移動(パフアダー)
-
横這い移動
毒
[編集]ヘビといえば「長い体」の次に「毒」が連想され、実際、有毒な爬虫類の99%以上はヘビが占めている(ヘビ以外にはドクトカゲ科2種のみとされてきた)。全世界に3000種類ほどいるヘビのうち、毒を持つものは25%に上る。威嚇もなく咬みつく攻撃的で危険な毒蛇もおり、不用意に近づくのは危険である。
毒蛇は上顎にある2本の毒牙の根もとに毒腺があり、毒液を分泌する。クサリヘビ科の種では牙の中は注射器のように管状で毒牙の先に毒液を出す穴がある。コブラ科では牙が管状ではなくその表面に毒液が毛細管現象で流れる溝がある種が多いが、毒牙がほぼ管状になっている種もある。従って、この二者を明確に分けるのは毒牙が管状か否かではなく、毒牙が折り畳み式か否かであり、前者を「管牙類」、後者を「前牙類」と呼ぶ。なかには口を開けて毒牙から毒液を噴射するクロクビコブラやリンカルスのような種類もいる(毒牙は牙前方中ほどに毒腺の穴があいており、3m弱ほど先の標的に正確に毒液を命中させることができる)。
日本にも分布するヤマカガシの仲間はアオダイショウなどと同じナミヘビ科だが、上あごの奥の牙と首筋の皮膚の2ヶ所から毒を分泌する。これらの仲間は無毒とされてきたが最近になって[いつ?]毒ヘビとして認識されるようになった。実際に日本で人が死亡した例もある。ナミヘビ科の有毒種は毒牙の位置から「後牙類」と呼ばれる。
最も強い毒をもつのはオーストラリアに生息するナイリクタイパンである。その他、非常に攻撃的なタイパンやアフリカ最強の毒蛇であるブラックマンバ、タイガースネーク、アマガサヘビ、幾つかのウミヘビなど。
「頭が三角形のヘビは毒蛇」といわれるが、必ずしも正しいとは言えない。確かに毒を持つクサリヘビ科のヘビ、ハブやマムシは、頭が三角形のような形。ほかのクサリヘビ科のヘビも三角形のような形である。だが、コブラ科のナイリクタイパン、ブラックマンバ等の頭は、三角形というよりは、いわゆる「蛇の頭」形。日本に生息する猛毒を持つナミヘビ科の、ヤマカガシも頭は三角形ではない。また、日本の、毒を持たないヘビ、アオダイショウやシマヘビは、毒の代わりに威嚇するため、頭が三角形に広がることがある。
また、無毒のヘビであっても咬まれれば唾液に含まれる細菌等の影響で感染症を起こす場合がある。さらにこれらのヘビの歯は、くわえた獲物を逃さないよう先端が内側(のど)に向かって曲がっている上に細いため、無理矢理引きはがすと皮膚に食い込んだまま折れてしまう危険がある。
クサリヘビ科に代表される「出血毒」は、消化液(唾液)が変化したもので体の各部に皮下出血を起こし、組織を破壊されて死に至る。これは蛋白質が消化されたために起こる症状である。
コブラ科の構成種に主に見られる「神経毒」は文字通り中枢神経を冒して、咬んだ動物を麻痺状態にし、ヘビはその間に獲物を捕食する。強毒種では出血毒と神経毒の両方の作用がある。毒ヘビに咬まれたときは血清による治療をうける必要がある。
生態
[編集]森林、草原、砂漠、川、海等の様々な環境に生息する。環境に応じて地表棲種、樹上棲種、地中棲種、水棲種等、多様性に富む。変温動物なので、極端な暑さ寒さの環境下では休眠を行なう。
膀胱はなく腎臓から排出された老廃物は、ほとんど水分のない粒状の固形物の形で尿管を通り総排出腔から排出される。
呼吸は、人間などのように横隔膜がないので、肋間筋(intercostal muscle)によって肺の膨張圧縮を行う。
寒い地域では、ヘビは冬眠する[31]。繁殖期や冬眠になると群れを作る。また、キューバボアは集団で戦略的な狩りを行う[32]。
食性
[編集]ヘビイチゴなどのように植物性のものを食べるという話はあるが、食性は全てが動物食で、主食はネズミ、リス、ウサギ、カエル、鳥類など種類によって異なる。大型の種類ではシカやワニ、ヒト等を捕食することがあるが、変温動物で体温を保つ必要がないため、食事の間隔は数日から数週間ほどである。獲物を捕食するときは、咬みついてそのまま強引にくわえ込む、長い胴体で獲物に巻き付いて締め付ける、毒蛇の場合は毒牙から毒を注入して動けなくする等の方法がある。
通常、動くものしか食べず、人間が与える動かない餌はピンセットで口の中に入れないと食べない[33]。なので、カエルがヘビに睨まれて動きを止めるのは理にかなった捕食回避行動である[34]。
コブラ類を初めヘビを食べるヘビも多い(自らも相手も体が細長いので食べ易い上、栄養を多く摂取できるからだと考えられている。多くのウミヘビ類がアナゴやウナギ等をよく食べるのも同じ理由であると考えられている)。
感覚器
[編集]舌ににおいの分子を吸着させ、口の中の鋤鼻器(ヤコプソン器官)で匂いを確認するため、舌をチロチロと出す動作を行う。また、一部の種は、夜間でもピット器官によって熱を感知して獲物を判断する。 外耳がないため、空気中の音をとらえることは出来ず、内耳で地面の振動を感知する。
行動
[編集]- とぐろを巻く
- 防御姿勢であり、弱い腹部を守り、頭をもたげ自分の体を含めた周囲を高い位置から全体を確認して、いざというときには逃げたり攻撃に移れたりするためにも都合がよい姿勢である[33][35]。
- 泳ぐ。
- 水陸両棲のウミヘビは、23-141 cm/sで陸上より早く移動できる[36]。
- 陸上移動方法は多彩である。
- 穴を掘る。
- 形態が変化した頭や尻尾を使い穴を掘る[12]。
- 跳躍する。
- 噛みつきや逃げる時などに見られ、逃亡中に行く手を遮るものに対してブロックト・ファイト(blocked-fight)という激しい攻撃を行う際にも見られる[39]。
- 樹上
- 木に登る方法として、アコーディオン式運動、投げ縄式運動(lasso locomotion)がある[40]。
- 特殊な行動
- 樹上棲のパラダイストビヘビなどは滑空を行う。
- 雨が少ない地域に住むヘビは、降雨時に平たくとぐろを巻き、微細な構造で水を保持する鱗の間に溜まった水を飲む[41][42]。
- ガラガラヘビ属はケラチン質の中空の節を持つ尾を使い音を立て威嚇する。この時、遠くにいる脅威には最大40Hz、接近すると最大100Hzの音を立てて威嚇する[43]。
脱皮
[編集]脱皮する。だいたい1-2か月に1回の頻度で、活動の多い夏に多く、冬には頻度が低下する[44][45]。まれに失敗して、脱皮不全を起こし、脱皮できない場所が壊死したり感染症を起こすなどがある。また、ストレスや環境が合わない場合は短期間で脱皮を繰り返すようになる[46]。
分類
[編集]上位分類
[編集]下位分類
[編集]分類は田原(2022)を参考[47]。分類群の和名、種数は中井(2021)を参考[48]。また和名、種数については田原(2022)も参考とした[49]。
- 真蛇下目 Alethinophidia
- Amerophidia
- サンゴパイプヘビ科 Aniliidae - 1属1種
- ドワーフボア科 Tropidophiidae - 2属35種
- ボア上科 Booidea
- ニシキヘビ上科 Pythonoidea
- メキシコパイソン科 Loxocemidae - 1属1種
- ニシキヘビ科 Pythonidae - 11属38種
- サンビームヘビ科 Xenopeltidae - 1属2種
- ミジカオヘビ上科 Uropeltoidea
- ミミズパイプヘビ科 Anomochilidae - 1属3種
- パイプヘビ科 Cylindrophiidae - 1属15種
- ミジカオヘビ科 Uropeltidae - 7属61種
- Bolyerioidea
- トゲアゴヘビ科 Xenophidiidae - 1属2種
- ボアモドキ科(ツメナシボア科) Bolyeriidae - 2属2種
- ヤスリヘビ上科 Acrochordoidea
- ヤスリヘビ科 Acrochordidae - 1属3種
- タカチホヘビ科(カワリヘビ科) Xenodermidae - 5属20種
- セダカヘビ科(セタカヘビ科) Pareatidae - 3属15種
- クサリヘビ科 Viperidae - 約300種
- ミズヘビ科 Homalopsidae - 12属34種
- コブラ上科 Elapoidea
- モールバイパー科 Atractaspididae - 約70種
- フィリピンイヌバヘビ科 Cyclocoridae - 約70種
- イエヘビ科 Lamprophiidae - 約90種
- コテハナヘビ科 Prosymnidae - 1属16種
- アレチヘビ科 Psammophiidae - 7属55種
- モグラヘビ科 Pseudaspididae - 2属2種または3属4種
- マダガスカルヘビ科 Pseudoxyrhophiidae - 22属90種
- コブラ科 Elapidae - 約300種
- ウミヘビ科 Hydrophiidae - 約60種 系統的にはコブラ科に含まれる
- ナミヘビ上科 Caenophidia
- ナミヘビ科 Colubridae - 約2000種
- ハスカイヘビ亜科(科とすることもある) Pseudoxenodontinae - 2属11種
- ユウダ亜科(科とすることもある) Natricinae - 約220種
- マイマイヘビ亜科(科とすることもある) Dipsadinae - 約740種
- ナミヘビ科 Colubridae - 約2000種
- Amerophidia
- メクラヘビ下目 Scolecophidia
- カワリメクラヘビ科 Anomalepididae - 4属20種
- トウヨウメクラヘビ科 Gerrhopilidae - 2属21種
- ホソメクラヘビ科 Leptotyphlopidae - 約140種
- メクラヘビ科 Typhlopidae - 約275種
- エンバンメクラヘビ科 Xenotyphlopidae - 1属1種
系統
[編集]上位系統
[編集]有鱗目における系統的位置は以下である[50]。
有鱗目 |
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Squamata |
下位系統
[編集]ヘビ類 |
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Serpentes |
文化の中のヘビ
[編集]現代では一般的にヘビの容姿は、外見上四肢がなく、ニョロニョロと動いたりトグロを巻いている様子が恐怖の対象としてみられることがある。また毒蛇やニシキヘビ科、ボア科の数種に関しては場合によっては人命を奪うこともあり畏怖の対象ともなっている。反面そういった理由から、場合によっては人間に対して無害な種であっても駆除されることもある。しかし、それとは逆にペットとして飼育されることも増えていて、色彩変化の改良品種なども作出されているほどである。
信仰
[編集]四肢を持たない長い体や毒をもつこと、脱皮をすることから「死と再生」を連想させること、長い間餌を食べなくても生きている生命力、四肢のない体型と頭部の形状が陰茎を連想させる事などにより、古より「生と死の象徴」「豊穣の象徴」「神の使い」などとして各地でヘビを崇める風習が発生した。最近でもヘビの抜け殻(脱皮したあとの殻)を「お金が貯まる」として財布に入れるなどの風習がある。また、漢方医学や民間療法の薬としてもよく使われる。日本でも白ヘビは幸運の象徴とされ特に岩国のシロヘビは有名である。また、赤城山の赤城大明神も大蛇神であり有名であるといえる。
民俗学者の吉野裕子によれば、「日本の古語ではヘビのことを、カガチ、ハハ、あるいはカ(ハ)等と呼んだ。これらを語源とする語は多く、鏡(ヘビの目)、鏡餅(ヘビの身=とぐろを巻いた姿の餅)、ウワバミ(ヘビの身、大蛇を指す)、かかし(カガシ)、カガチ(ホオズキの別名、蔓草、実の三角形に近い形状からヘビの体や頭部を連想)などがあり、神(カミ=カ「蛇」ミ「身」)もヘビを元にする」という[54]。ただし、カガチはホオズキの古語、鏡の語源は「かが(影)+み(見)」、カカシはカガシが古形であり、獣の肉や毛髪を焼いて田畑に掛け、鳥や獣に匂いをカガシて脅しとしたのが始まりであって、それぞれヘビとは直接の関係はないというのが、日本語学における通説である[要出典]。
ヘビは古来、世界的に信仰の対象であった。各地の原始信仰では、ヘビは大地母神の象徴として多く結びつけられた。山野に棲み、ネズミなどの害獣を獲物とし、また脱皮を行うヘビは、豊穣と多産と永遠の生命力の象徴でもあった。また古代から中世にかけては、尾をくわえたヘビ(ウロボロス)の意匠を西洋など各地の出土品に見ることができ、「終わりがない」ことの概念を象徴的に表す図象としても用いられていた。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教(アブラハムの宗教)では聖書の創世記から、ヘビは悪魔の化身あるいは悪魔そのものとされてきた。
ギリシャ神話においてもヘビは生命力の象徴である。杖に1匹のヘビ(クスシヘビ 薬師蛇、Zamenis longissimus とされる)が巻きついたモチーフは「アスクレピオスの杖」と呼ばれ、欧米では医療・医学を象徴し、世界保健機関のマークにもなっている。また、このモチーフは世界各国で救急車の車体に描かれていたり、軍隊等で軍医や衛生兵などの兵科記章に用いられていることもある。また、杯に1匹のヘビの巻きついたモチーフは「ヒュギエイアの杯」と呼ばれ薬学の象徴とされる。ヘルメス(ローマ神話ではメルクリウス)が持つ2匹のヘビが巻きついた杖「ケリュケイオン」(ラテン語ではカドゥケウス)は交通などの象徴とされる。「アスクレピオスの杖」と「ヘルメスの杖(ケリュケイオン)」は別のものであるが、この二つが混同されている例もみられる。
古代エジプトの歴代ファラオは、主権、王権、神性の象徴として蛇形記章を王冠に戴いた。
中国神話や、江戸時代の官学であった道学では、蛇神が道祖として信仰されてきた。明治維新後の日本では高島易断で主祭神[55] として信仰が残るのみ。また中国の香港特別行政区では道教寺院を通して一般に信仰され、中国本土では中華民族人文の始祖として尊ばれている。三皇の初代が、魚釣を教え魚網漁鳥網猟や八卦(易)、そして結縄や瑟を発明した蛇身人首の伏羲。その妹にして妻である女媧は、泥と縄で人類を創造し、天を修復し、笙簧を発明した蛇身人首の女神。伏羲と女媧は大洪水に遭い、人類は、瓢箪の中に避難していた二人を残して絶滅してしまったとも伝えられている。なお、漢字文化において古くは無足の動物を蟲と称し、代表的な動物がヘビで、その他、蛭やナメクジやミミズやウミウシも蟲に属した。そのため、足無しと呼ばれた足の不自由な人が知恵者として崇拝されるようになると、ヘビと同一視されるようになったという解釈もある。
また、インド神話においてはシェーシャ、アナンタ、ヴァースキなどナーガと呼ばれる蛇身神が重要な役割を果たしている。宇宙の創世においては、ナーガの一つである千頭の蛇アナンタを寝台として微睡むヴィシュヌ神の夢として宇宙が創造され、宇宙の構成としては大地を支える巨亀を自らの尾をくわえたシェーシャ神が取り囲み、世界を再生させるためには、乳海に浮かぶ世界山に巻き付いたヴァースキ神の頭と尾を神と魔が引き合い、乳海を撹拌することにより再生のための活力がもたらされる。これらの蛇神の形象は中国での竜のモデルの一つとなったとも考えられている。
日本においてもヘビは太古から信仰を集めていた。日本では、縄文時代の遺跡からもヘビをかたどった土偶が出土している[56]。縄文時代中期の遺跡からはヘビをモチーフとする文様の施された土器がしばしば出土し、なかには頭部をマムシに特徴的な三角状に仕立てたものもある[57][58][注釈 1]。ヘビは、日本では古来より、ネズミを捕食するところから穀物神、それが転じて田の神、ヘビと龍との習合から水神、さらに財宝をつかさどる弁財天の表象・化身ないし神使として神聖視されてきた[56]。中国の逸話を集めればヘビは富の象徴にほかならない[59]。これは商業神へとつながる要素である[59]。民俗学のフィールドワークや古代の史書からは地神としての性格も有する[59][注釈 2]。
また、豊穣神として、雨や雷を呼ぶ天候神として、また光を照り返す鱗身や閉じることのない目が鏡を連想させることから太陽信仰における原始的な信仰対象ともなった。もっとも著名な蛇神は、頭が八つあるという八岐大蛇(ヤマタノオロチ)や、三輪山を神体として大神神社に祀られる大物主神(オオモノヌシ)であろう。弁才天でもヘビは神の象徴とされる場合がある。大神神社や弁才天では、神使としてヘビが置かれていることもある。ヘビの姿は、男根、剣、金属(鉄)とも結びつけられることから男性神とされる一方、豊穣神・地母神の性格としては女性と見られることも多く、異類婚姻譚の典型である「蛇女房」などにその影響を見ることができる。この他、ヘビそのものを先祖とする信仰(トーテム)もみられ、『平家物語』の記述として、「緒方維義の祖先は明神の化身たる大蛇という伝説(緒方家における祖神信仰)があり、その話から武士達が集まった」と記される。他に建御名方神、豊玉毘売命、玉依毘売命、阿遅鉏高日子根神なども龍蛇神である。
ヘビと精神分析
[編集]精神分析の始祖であるジークムント・フロイトは夢分析において、ヘビを男根の象徴であるとした。これに対してカール・グスタフ・ユングは、男性の夢に登場するヘビは女性であると説いた。また、ユングはフロイトが多くのものを性に結び付けて解釈する傾向に対しては批判的であった。
1960年代に5歳から12歳の子どもを対象として行われた「怖いと思うもの」を尋ねる調査では、467人のうち約50パーセントの子どもが動物を上げ、その中で最も多かった回答はヘビ類だった[60]。このように、多くの人に見られるヘビ類への恐れは本能であるという説と、学習の結果であるという二つの説がある[60]。本能由来説の裏付けとして、マーモセットやチャクマヒヒなどの観察研究により霊長類全般にヘビへの忌避行動が見られる事が挙げられている。一方でマカクやキツネザルを対象とした学習由来説を裏付ける研究もあり、結論には至っていない。1928年に心理学者メアリー・カバー・ジョーンズ夫妻が提出した論文『成熟と感情:ヘビに対する恐れ』によれば、2歳までの子供は長さ1.8メートルのヘビやボアコンストリクターを恐れなかったが、3歳児は警戒を見せるようになり、4歳児以上では恐怖を示したという[60]。
ヘビの鱗と社会・文化
[編集]ヘビは様々な文化と宗教において題材として取り上げられ、世界中で畏怖と魅惑の対象となってきた。ガボンアダーなどの鱗に見られる鮮やかな模様は、人に嫌悪感をもよおさせることもあれば、人の心を魅了することもある。人類は先史時代からこうした模様に畏敬の念を抱き、さまざまな絵画や造形物に蛇鱗の模様を採り入れてきた。恐怖や興奮に関する心理学研究では、鱗がヘビのイメージの重要な要素であることが示されている。
蛇革は、その網目状や格子状の精巧な繰り返し模様が愛され、財布やバッグ、アクセサリーなどの多くの革製品の製造に用いられてきた[61]。琉球王国発祥の伝統的な弦楽器三線や、ウイグル自治区周辺に見られる弦楽器ラワープ[62]、中国の二胡などに蛇皮が使われる。
しかし、蛇革の頻用は乱獲をともない、ヘビの個体数は危機的状況にある[63]。現在、一部のヘビの取引については、1973年成立のワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)によって国際的な規制がかかっている[64]。多くの国の動物愛好家は人工蛇革による代用を促進しており、これはエンボス加工された皮革、模様入りの布地、プラスチック、その他の素材から容易に製造できる[61]。
ヘビの鱗はアクションゲームにおいてしばしばとりあげられる[65][66][67][68]。1982年のSF映画『ブレードランナー』では、ヘビの鱗が謎解きの手がかりとして描かれた[69]。また、大衆小説や若者向け小説にも登場し、J・K・ローリング「ハリー・ポッターシリーズ」では、ポリジュース薬を調合するための材料としてブームスラングの乾燥した皮が使用される[70][注釈 3]。
政治シンボル
[編集]アメリカ合衆国では「大きな者が侵入してきても敢然と威嚇し、踏みつけられれば反撃する」としてガラガラヘビが"Don't tread on me."(私を踏むな)の標語とともに独立自衛のシンボルとされる。これらの意匠はガズデン旗や海軍国籍旗にも用いられる。
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ガズデン旗
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米海軍国籍旗
古代エジプトの主権を示す王冠として、ファラオは蛇形記章を戴いた。
伝説・神話中のヘビ型生物など
[編集]- ケツァルコアトル(アステカ神話の文化神・農耕神)
- 玄武(頭と胴体が亀で、尾の部分がヘビになっている伝説上の生き物)
- ヤマタノオロチ
- シーサーペント(大海蛇)
- ツチノコ(ヘビの仲間と推測される未確認動物)
- 巳(十二支)
- ヘビと鐘(鐘が竜蛇に変じる伝説):長野県上田市の須川湖には、鐘がヘビに変じた伝説が残る。昔、盗人が国分寺から鐘を盗み出し、ようようのことで須川湖畔までやって来て、暫し休息していた。すると、鐘が「国分寺恋しや」とひとりでに鳴りだし、みずから池へ転がり落ちた。その途端、鐘は水中で大蛇と化して、池の主となった。大蛇は、人間があやまってこの池へ落ちることがあると、どこからともなく現れて助けてくれた。また、この大蛇が棲むお蔭で、須川湖はどんな日照りのときでも干上がったことがないという[71]。ヘビを竜とする話もある[72]。
- 蛟
- メドゥーサ(頭髪がヘビになっている怪物。ゴルゴンも参照)
- へび座、へびつかい座、うみへび座、みずへび座
- 老神温泉(大蛇神を氏神とする温泉。八岐大蛇との関係や神話、諸説有り)
- ヨルムンガンド(北欧神話)
- ラミアー(下半身がヘビになっている怪物)
- 真蛇(顔面がほとんどヘビと化した女鬼)
- 蛇の精
- 三輪明神 - 長尾神社(ヘビの頭が大神神社でヘビの尾が長尾神社との伝説)
- 伏羲(道祖として江戸時代の官学で尊ばれ、現在は中華民族人文の祖とされる蛇身人首で縄を発明した葛天氏の氏族)
- 女媧(伏羲の妻であり妹であり、人類を泥と縄で創造した蛇身人首の女神)
- 蛇(システィーナ礼拝堂天井画に描かれた創世記3章の神話を表した図には、女媧のような蛇身人首が神に呪われることになるヘビとして描かれている)
- デンゲイ - フィジーの創造神。
- ウロボロス
- ヒュドラー
- ザッハーク - ペルシャ神話に登場する暴君。両肩からヘビが生えていて、切り落としても再生する。
ことわざ・慣用句
[編集]ヘビに関連することわざ、慣用句、熟語も多く存在する。以下、五十音順。
- 蜿蜒長蛇(えんえんちょうだ)
- ヘビのようにうねうねと長く続く様子[73]。「蜿蜿長蛇」「蜒蜒長蛇」「延延長蛇」とも書く[73]。
- 草を打って蛇を驚かす
- 何気なくしたことが思いがけない結果を招くこと。また、ある人を懲らしめることで関係者を戒めること。(出典:書言故事)[74]
- 蛇(じゃ)の道は蛇(へび)
- 専門家の間でその専門について暗黙の了解ができること。あるいは専門のことはその専門家が詳しいこと。類似句は「餅は餅屋」[75]。
- 蛇の目模様
- 同心円の模様。
- 蛇(じゃ)は寸にして人を呑む
- 英雄や偉人は小さいときから人を圧倒する品位・風格を持つこと。小さなヘビでも威嚇する姿に圧倒されることがあることから[75]。「蛇は一寸にして人を呑む」「蛇は一寸にしてその気を得る」「蛇は一寸にしてその気あり」ともいう[75]。
- 蛇腹(じゃばら)
- 山折りと谷折りを繰り返して伸び縮み自由にした構造。ヘビの腹に似ていることから。
- 常山の蛇勢(じょうざんのだせい)
- 軍隊の配置や文章の構成などが、前後左右どこにも隙や欠点のないこと。常山のヘビは、頭を叩こうとすれば尾が、尾を叩こうとすれば頭が反撃するとされる。(出典:『孫子』九地篇)[76]
- 蛇足
- 余計なこと。(出典:『戦国策』斉上)[77]
- 蛇蝎のように恐れる
- 対象を、ヘビやサソリのように恐れ嫌う。
- 毒蛇は急がない
- 待ち伏せしていて、通りかかった獲物をひと噛みした毒蛇は臭跡をたよりに逃げた獲物のあとを追うが、急ぐことはない。遠くないところで、毒がまわった獲物が倒れていることを知っているからである。そこから「自信がある者は、焦らず落ち着いている。そして最後には必ず目的を達成する」という意味。タイの諺。
- 苦手(ニガテ)
- 力量と関係なく、何故か特定の物や人との優劣が決まってしまう状況や心理を指す言葉。手を出すだけでマムシを硬直させ、素手で容易に捕まえる稀な才能を持つ手を「ニガテ」と呼んでいたことからくる[78]。
- 杯中の蛇影
- 疑いすぎて自分で苦しんでしまうこと。(出典:『晋書』)[79]
- 蛇が蚊をのんだよう
- 少量で足しにならないことの喩え[80]。
- 蛇形記章
- 古代エジプトの主権、王権、神性の象徴だった。
- 蛇稽古
- 長続きしない稽古事の喩え[80]。類義語は「三日坊主」[80]。
- 蛇に足無し魚に耳無し
- 蛇は足がなくても這って進めて、魚は耳がなくても感じることができる。動物の特徴を表す言葉。「蛇は足無くして歩き、蝉は口無くして鳴き、魚は耳無くして聞く」とも。
- 蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる
- 過去の体験から些細なことにおびえること。単に「朽ち縄に怖じる」ともいう。類似句は「羹に懲りて膾を吹く」「熱湯で火傷した猫は冷水を恐れる」「黒犬に咬まれて赤犬に怖じる」[80]。
- 蛇に睨まれた蛙
- 恐ろしいものに直面して身動きができない状態。「蛇に見込まれた蛙」「蛇に蛙」ともいう[80]。
- 蛇の生殺し
- 「生殺し」と同じ。生きも死にもしない状態。中途半端な状態で放置しておくこと。
- 蛇の生殺しは人を咬む
- さんざんひどい目にあわせ、とどめを刺さずに放っておくと、後で仕返しを受けることになるということ。中途半端は災いの種になるという意味[81]。
- 蛇は竹の筒に入れても真っすぐにならぬ
- 生まれ持った根性はどうやっても直らないということ。類似句は「蛇の曲がり根性」[81]。
- 封豕長蛇(ほうしちょうだ)
- 大きなイノシシと長いヘビ。欲が深く残酷な人の喩え。(出典:『春秋左氏伝』)[82]
- 盲蛇に怖じず(めくら、へびにおじず)
- 知識がなかったり状況が判らないと無謀なことをする喩え。差別語に当たるとして、使われなくなっている[要出典]。
- 薮を突付いて蛇を出す
- 略して「藪蛇(やぶへび)」ともいう[83]。わざわざ余計なことをした結果、そうしなかった場合より悪い状況になってしまうこと。「薮を突いて蛇を出す」「薮を叩いて蛇を出す」ともいう[83]。類似句は「寝た子を起こす」[83]。
- 竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
- 「虎頭蛇尾」「有頭無尾」とも[84]。最初は立派でも、尻すぼみに終わってしまうこと。(出典:『五灯会元』)[84]
その他
[編集]- 中国拳法の象形拳のなかの「蛇拳」「蛇形拳」は、ヘビをモデルにして作った拳法である。
- 虫拳では伸ばした人差し指がヘビを表し、ヘビは蛙(親指)に勝つがナメクジ(小指)に負ける。
- Category:ヘビを題材とした作品
有用動物としてのヘビ
[編集]食用
[編集]ヘビの肉や皮を食用にする地域がある。中国の広東省や広西チワン族自治区では、毒蛇を含むヘビの料理を伝統的に食べている他、近年は他の省でも料理を出す店が増えている。有名なのは蛇スープで、あっさりした美味とタンパク質などの栄養分で珍重される。肉は他に、唐揚げや鍋料理の具にも用いられる。鱗を取った皮も湯引きにして、酢や醤油で味付けして食べたり、油で揚げて食べたりする。日本にも、蛇飯を炊いて食べる地域がある。沖縄ではエラブウミヘビなどを燻製にし、もどして煮込むイラブー汁という伝統料理がある。
陸上自衛隊のレンジャー訓練を初め、陸軍における遊撃戦要員を養成する訓練の多くでは、作戦行動中に食糧が尽きた場合を想定し、教育の一環として用意されているヘビを調理して食べることがある。
薬用
[編集]日本ではニホンマムシを丸ごと漬け込んだマムシ酒やハブを丸ごと漬け込んだハブ酒が作られており、薬酒と考えられている。中国では百歩蛇などが蛇酒に使用される。東南アジアなどでは、強壮効果を期待して生き血をグラスに注いで飲んだり、肝に酒を注いで飲んだりする習慣も見られる。科学的根拠はない。
蛇毒は、血栓防止薬などとしての利用が研究されている。
- 回虫駆除 - ぬけがらを粉末にして飲む。
- イボ - ぬけがらでイボをこすると治るという。
- 腹痛 - 胆嚢を干して煎じて飲む。
- 眼病 - 肉を焼いて食べる。
- 強壮 - ヘビ卵を茹でて食べる。
- 打撲 - マムシの生の眼球を飲む。
- 虫刺され - マムシ酒を塗る[85]。
- 長野県阿智・喬木地区ではヘビのぬけがらを粉にして咽頭にふきつけ、咳、ぜんそくの薬とする伝統の療法が残っている[86]。
装飾品
[編集]ヘビの皮は、なめして、財布やバッグに利用される場合がある。また、三味線の原型となった沖縄・奄美地方の弦楽器三線は、胴にヘビの皮を張っていることでも有名である。
ヘビは足が無いことから「足(金員)が出ない」ことにひっかけ、「脱皮した皮を財布に入れておくとお金が貯まる」などの俗説もある。
名称
[編集]英語では、snake, serpent (< ラテン語: serpens)ともに原義は「爬うもの」の意。このヘビの爬う習性から、ヘビに類する動物を「爬虫類」「爬行動物」と呼ぶようになった。英語で「爬虫類」「爬行動物」を意味するreptile(< ラテン語: reptilia)も、serpentと同じく原義は「爬うもの」である。
漢字の「虫」はヘビを象った字で、虫部の漢字にはヘビに限らず、爬って進む動物全般が含まれている(ヘビ以外の例:蜘、蝸、蛤)。
日本語「ヘビ」(ヘミ)は一説に、「ハブ」「ハモ」「ヒモ」など子音の共通する語彙と同系で、「細長いもの」の底意をもつという。周辺語として「うわばみ」などがある。
方言名
[編集]20世紀に調べられた日本語の方言では、東日本および九州東部、四国南部のヘビと、ヘッビ(新潟県)、ヘービ、ナガムシ、オカウナギ(長野県佐久地域)[87]、ヘンビ(岐阜県)、ヘミ(福井県)、ハブ(沖縄県)など、ヘビの変音で呼ぶ地域が最も多かった。次いで中国地方、近畿、九州西部を中心にクチナワ(朽ち縄)及びその変音(クチナなど)で呼ぶ地域が広がっていた。
他には、大虫(オームシ)、陸鰻(オカウナギ)、幹虫(カラムシ)、郷回り(ゴーマワリ)、長(ナガ)、長太郎(ナガタロー)、長物(ナガモノ)、縄(ナワ)、巳(ミー)、山鰻(ヤマウナギ)などの呼び方がある。
ヘビ学
[編集]動物学では、爬虫類と両棲類を研究する爬虫両棲類学にてヘビの研究が行われている。英語では、ヘビを中心に飼育・研究・展示を行っている施設は、serpentarium という[88]。
主要な研究所
[編集]日本では、財団法人 日本蛇族学術研究所が噛まれ場合の対処を教える毒蛇110番や医療現場への助言などを行っている[89]。また、所有する群馬県太田市藪塚町にあるジャパンスネークセンターは、日本唯一のヘビ専門テーマパークである[90]。各種蛇毒の抗毒素の在庫についてもここが最大の拠点となっており、外国産の毒蛇咬症やヤマカガシ咬症による事故が生じた場合などには抗毒素の手配や輸送が行われる。
ヘビの飼育
[編集]日本ではコブラ科やクサリヘビ科などの有毒種、ナミヘビ科とボア科、ニシキヘビ科の一部などの大型種に関しては動物愛護法によって特定動物に指定されているため飼育には地方自治体の許可が必要になる。日本で主に流通し飼育されるのはナミヘビ科の無毒種や弱毒種、ボア科やニシキヘビ科の小型から中型種になる。
ヘビはあまり活発的ではなくとぐろを巻いていることも多いため、全長と同等の飼育スペースはそれほど必要ではない。一般に飼育ケージの大きさは、その個体が巻いているトグロの直径の三倍の幅×二倍の奥行きがあれば最低限可能である。全長100-150cmのナミヘビ類に対し60-90cmの規格水槽サイズのケージでも飼育はできる。比較例としては甲長20cm以下のカメ1匹に対し同サイズのケージが必要とされる。ただし、ボアやニシキヘビなど体形の太い種(=タイトなとぐろを巻けない)や、活動的で体の硬いナミヘビなどについては、もう少し大型のケージが必要になる。近年は冷凍のマウスやラットが専門店等でも販売されており、それらで餌付けできる種(小型哺乳類が食性に含まれる種)については飼育しやすくなったといえる。また人に馴れる生き物ではないが、コーンスネークのように流通する個体がほぼ飼育下繁殖個体であったり、種によっては成体であれば1週間に1回程度の給餌で済むことや、立体活動がそう必要でないこと、変温動物ではあるが繁殖をさせない限り温度管理には神経質にならなくてよいこと、鳴かないこと、抜け毛が無いことなど、飼育をしやすい点も特筆すべきである。
しかし体形が細いため脱走には気をつける必要がある。また神経質な種も多いため環境の変化やストレス等から拒食してしまうこともある。
なお、飼育とは異なるが、日本に生息するアオダイショウは立体的な活動が得意なこともあり、人家の屋根裏等に潜みネズミ等を捕食する。そのため人家とともに生息域を広げ近年でも場所によっては郊外や都市部といった環境にも生息している。アオダイショウそのものも日本に分布するヘビの中では大人しく、本土最大のヘビではあるが大型化しないため飼育に適しているヘビとされる。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ とりわけ関東地方西部から中部地方にかけての勝坂式土器様式には、写実性に富むものから抽象的なものまで様々な造型がみられる[58]。こうした蛇体文の成立過程をみていくと、土器文様の立体化ならびに加飾性の進展という2つの法則性がみられ、ことに立体化の最終段階に火焔土器が位置づけられる[57]。ただし、縄文人の意識におけるヘビの存在は、能登健(考古学)によれば、ヘビが最初にあってそれが文様にとけ込んだというよりは、むしろヘビをモチーフにしなかったにもかかわらず結果としてヘビに見えたため頭がつけられてヘビになったというプロセスを経ての装飾化であるという[57]。
- ^ 日本の伝統的な焼畑農業に際しては、焼畑開始にあたってヘビに一時退散の唱文が述べられるが、これは地神に許しを請う行為と理解されている[59]。また、『常陸国風土記』には継体天皇の時代のこととして新たな水田を開発しようとしたが夜刀(ヤト=谷戸、すなわち荒蕪地)の神であるヘビに妨げられたとの説話が収載されており、『古事記』や『日本書紀』にはスサノオノミコトの八岐大蛇退治の伝説がある[59]。いずれも地神であるヘビの排斥に関連する伝承である[59]。
- ^ ブームスラングは、ナミヘビ科の毒蛇。日本語版のハリー・ポッター作品では「毒ツルヘビの」と訳されている。
- ^ 弱っていた毒蛇を助けた農夫が、元気になった毒蛇に殺されてしまう話(恩を仇で返す)
- ^ 蛇が不慮の事故で農夫の息子を噛み殺し、農夫の不注意で蛇の尾を切ってしまったことで友情が終わる話(壊れた友情を直すことはできないということ)
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- ^ 三省堂編修所 (2016), p. 516.
- ^ a b c d e 三省堂編修所 (2016), p. 594.
- ^ a b 三省堂編修所 (2016), p. 595.
- ^ 三省堂編修所 (2013), p. 599.
- ^ a b c 三省堂編修所 (2016), p. 657.
- ^ a b 三省堂編修所 (2013), p. 661.
- ^ 信濃生薬研究会 (1971), p. 23.
- ^ 信濃生薬研究会 (1971), p. 90.
- ^ 佐久市志編纂委員会編纂『佐久市志 民俗編 下』佐久市志刊行会、1990年、1385ページ。
- ^ “serpentariumの意味・使い方・読み方”. eow.alc.co.jp. 2022年8月31日閲覧。
- ^ “コロナ禍のアウトドアブームが影響? マムシにかまれる被害急増 対処法、医師や専門家が助言” (Japanese). 神戸新聞NEXT (2022年10月20日). 2024年10月11日閲覧。
- ^ “日本唯一のヘビテーマパーク「ジャパンスネークセンター」は、ヘビに関するさまざまな知識を得られてヘビに触ったり絡まれたりもできるパラダイス - GIGAZINE”. gigazine.net (2014年7月12日). 2024年10月11日閲覧。
参考文献
[編集]- 信濃生薬研究会 編『信州の民間薬』医療タイムス社、1971年12月。
- 常光徹『しぐさの民俗学:呪術的世界と心性』ミネルヴァ書房、2006年9月。ISBN 9784623046096。
- 福井栄一『蛇と女と鐘』技報堂出版、2012年12月。ISBN 978-4765542456。
- 中井穂瑞領(著)・川添宣広(写真)『ヘビ大図鑑 ナミヘビ上科、他編:分類ほか改良品種と生態・飼育・繁殖を解説』誠文堂新光社、2021年5月。ISBN 978-4-416-52162-5。
- 田原義太慶『大蛇全書』グラフィック社、2022年3月。ISBN 978-4-7661-3558-9。
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典』(第2版)三省堂、2013年7月。ISBN 978-4-385-13622-6。
- 三省堂編修所 編『新明解故事ことわざ辞典』(第2版)三省堂、2016年5月。ISBN 978-4-385-13988-3。
関連項目
[編集]- ヘビの鱗
- 千石正一 - 爬虫両生類学の普及に努めていた動物学者
- 蛇咬傷
- 蛇使い
- スネークボット - ヘビのように細長い体で閉所での活動を行えるロボット。
- 蛇行動 - 列車に見られる横にぶれる挙動について。