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王寺駅を出て、大和川を渡ると[[三郷駅 (奈良県)|三郷駅]]。この先、国道25号も併走して[[大阪府]]に入り、2面2線の[[河内堅上駅]]となる。春になると多くのカメラマンが同駅構内の[[サクラ|桜]]の撮影に訪れる。河内堅上駅を出て右左にカーブして大和川を渡り、[[高井田駅 (大阪府柏原市)|高井田駅]]。高井田駅を出ると右手には山が迫り、[[近鉄大阪線]]を潜ると、左手には国道25号と大和川が並行する。しばらくこの隘路を進むと、近鉄線が右手に離れ[[柏原駅 (大阪府)|柏原駅]]となる。2面4線の構造で[[近鉄道明寺線]]も発着している。王寺駅からカーブを縫うように走ってきた線路は柏原駅を過ぎると直線区間が多くなり、100km/h前後の制限を強いられて走ってきた[[JR西日本221系電車|221系]]電車で運転の[[大和路快速]]や昼間の快速はここから一気に最高速度の120km/hへと加速する。[[八尾市]]に入り、[[国道170号]](大阪外環状線)の高架橋を潜るとすぐに[[志紀駅]]、その後線路はほぼ真っ直ぐ進み、2面2線の[[八尾駅]]となる。八尾市の中心駅ではあるが、八尾市中心部からはやや外れている。約1kmほど北に近鉄の[[近鉄八尾駅]]があり、周辺は大型商業施設や銀行のある商店街となって栄えている。八尾駅を出ると、旧[[竜華操車場]]の北側に沿い、緩やかにカーブしている。やがて[[おおさか東線]]と接続する[[久宝寺駅]]となる。 |
王寺駅を出て、大和川を渡ると[[三郷駅 (奈良県)|三郷駅]]。この先、国道25号も併走して[[大阪府]]に入り、2面2線の[[河内堅上駅]]となる。春になると多くのカメラマンが同駅構内の[[サクラ|桜]]の撮影に訪れる。河内堅上駅を出て右左にカーブして大和川を渡り、[[高井田駅 (大阪府柏原市)|高井田駅]]。高井田駅を出ると右手には山が迫り、[[近鉄大阪線]]を潜ると、左手には国道25号と大和川が並行する。しばらくこの隘路を進むと、近鉄線が右手に離れ[[柏原駅 (大阪府)|柏原駅]]となる。2面4線の構造で[[近鉄道明寺線]]も発着している。王寺駅からカーブを縫うように走ってきた線路は柏原駅を過ぎると直線区間が多くなり、100km/h前後の制限を強いられて走ってきた[[JR西日本221系電車|221系]]電車で運転の[[大和路快速]]や昼間の快速はここから一気に最高速度の120km/hへと加速する。[[八尾市]]に入り、[[国道170号]](大阪外環状線)の高架橋を潜るとすぐに[[志紀駅]]、その後線路はほぼ真っ直ぐ進み、2面2線の[[八尾駅]]となる。八尾市の中心駅ではあるが、八尾市中心部からはやや外れている。約1kmほど北に近鉄の[[近鉄八尾駅]]があり、周辺は大型商業施設や銀行のある商店街となって栄えている。八尾駅を出ると、旧[[竜華操車場]]の北側に沿い、緩やかにカーブしている。やがて[[おおさか東線]]と接続する[[久宝寺駅]]となる。 |
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この駅は2面4線の橋上駅で普通と快速の接続が行われている。かつては上下線が竜華操車場を挟んでおり、上下線ホームはかなり離れていたが、竜華操車場廃止後の1997年に下り線が上り線側に移設された。その後に行われた区画整理事業で操車場や旧下り線の跡形はあまりわからなくなっている。[[近畿自動車道]]と[[大阪府道2号大阪中央環状線|大阪中央環状線]]を潜ったあたりで[[大阪市]][[平野区]]に入り、[[加美駅]]の手前で、おおさか東線が右手に分かれる。左手には2009年に廃止された[[ |
この駅は2面4線の橋上駅で普通と快速の接続が行われている。かつては上下線が竜華操車場を挟んでおり、上下線ホームはかなり離れていたが、竜華操車場廃止後の1997年に下り線が上り線側に移設された。その後に行われた区画整理事業で操車場や旧下り線の跡形はあまりわからなくなっている。[[近畿自動車道]]と[[大阪府道2号大阪中央環状線|大阪中央環状線]]を潜ったあたりで[[大阪市]][[平野区]]に入り、[[加美駅]]の手前で、おおさか東線が右手に分かれる。左手には2009年に廃止された[[阪和貨物線]]跡が見える。 |
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加美を出て、右手から[[おおさか東線#城東貨物線|城東貨物線]]の単線が合流する。ここから[[日本貨物鉄道]](JR貨物)の[[百済駅]]の間は貨物列車が走る。城東貨物線は関西本線上り線(名古屋方面)に接続するため、貨物列車は上下列車とも関西本線の上り線を走る。[[平野川]]を渡ると[[平野駅 (JR西日本)|平野駅]]。平野駅はホーム2面4線の待避可能駅だが、下り線(JR難波方面)の通過線にはホームがない。平野駅を過ぎ、[[国道479号]](内環状線)を乗り越え、百済駅を見ながら高架を駆け上がる。[[今里筋]]を乗り越えると[[東部市場前駅]]。[[近鉄南大阪線]]の高架を望みながら進み、高架の[[阪和線]]を潜り、[[大阪環状線]]が右から合流すると[[天王寺駅]]に到着する。 |
加美を出て、右手から[[おおさか東線#城東貨物線|城東貨物線]]の単線が合流する。ここから[[日本貨物鉄道]](JR貨物)の[[百済駅]]の間は貨物列車が走る。城東貨物線は関西本線上り線(名古屋方面)に接続するため、貨物列車は上下列車とも関西本線の上り線を走る。[[平野川]]を渡ると[[平野駅 (JR西日本)|平野駅]]。平野駅はホーム2面4線の待避可能駅だが、下り線(JR難波方面)の通過線にはホームがない。平野駅を過ぎ、[[国道479号]](内環状線)を乗り越え、百済駅を見ながら高架を駆け上がる。[[今里筋]]を乗り越えると[[東部市場前駅]]。[[近鉄南大阪線]]の高架を望みながら進み、高架の[[阪和線]]を潜り、[[大阪環状線]]が右から合流すると[[天王寺駅]]に到着する。 |
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JR難波駅はかつて「湊町」という駅名だったが、1994年に改称され、1996年に地下化された。駅は島式2面4線ホームの地下駅で、[[なにわ筋線]]計画に対応した構造になっており、かつてのように長距離列車が発着した頃の面影は無い。この駅では大阪市営地下鉄[[大阪市営地下鉄千日前線|千日前線]]や御堂筋線・[[大阪市営地下鉄四つ橋線|四つ橋線]]、[[近畿日本鉄道|近鉄]]、[[阪神電気鉄道|阪神]]、[[南海電気鉄道|南海]]と連絡しているが、各線とも遠く、一番近い地下鉄四つ橋線でも乗り換えは便利とはいえない。駅の直上は[[大阪シティエアターミナル]] (OCAT) があり、[[大阪国際空港]]や[[関西国際空港]]への[[リムジンバス]]や各地への[[高速バス]]のターミナルとして機能している。また駅周辺では超高層マンションやビルが林立しており、再開発が急速に進展している。 |
JR難波駅はかつて「湊町」という駅名だったが、1994年に改称され、1996年に地下化された。駅は島式2面4線ホームの地下駅で、[[なにわ筋線]]計画に対応した構造になっており、かつてのように長距離列車が発着した頃の面影は無い。この駅では大阪市営地下鉄[[大阪市営地下鉄千日前線|千日前線]]や御堂筋線・[[大阪市営地下鉄四つ橋線|四つ橋線]]、[[近畿日本鉄道|近鉄]]、[[阪神電気鉄道|阪神]]、[[南海電気鉄道|南海]]と連絡しているが、各線とも遠く、一番近い地下鉄四つ橋線でも乗り換えは便利とはいえない。駅の直上は[[大阪シティエアターミナル]] (OCAT) があり、[[大阪国際空港]]や[[関西国際空港]]への[[リムジンバス]]や各地への[[高速バス]]のターミナルとして機能している。また駅周辺では超高層マンションやビルが林立しており、再開発が急速に進展している。 |
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== 阪和貨物線 == |
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かつて関西本線[[八尾駅]] - [[阪和線]][[杉本町駅]]間を結ぶ連絡線として、「'''阪和貨物線'''」「'''阪和連絡線'''」の通称を持つ支線があり、JR西日本の旅客営業キロ11.3kmが設定されていた(八尾駅 - 久宝寺駅間は本線と重複で実際は久宝寺駅 - 加美駅間から分岐)。これは[[阪和電気鉄道]]線(現在の阪和線)と関西本線との連絡の改善を図ったもので、戦前の1939年から測量および用地買収が開始され、戦後の1952年9月から単線電化で営業を開始した。全区間単線であるが、ほとんどの区間で複線化用地が確保されていた。この連絡線を経由して竜華操車場 - [[和歌山操駅|和歌山操車場]]間で多数の貨物列車が運転されていたほか、国鉄時代の一時期に定期列車として設定された名古屋駅 - 東和歌山駅(現在の和歌山駅)間の特急「[[かすが (列車)|あすか]]」をはじめ、京都駅 - 白浜駅間の特急「しらはま」などの[[臨時列車]]や[[団体専用列車]]が運転されたこともあった |
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高度経済成長期には[[大阪市]]の主導で、[[城東貨物線]]・阪和貨物線の旅客化([[おおさか東線|大阪外環状線]])および杉本町駅から南港駅(現在の[[阪神高速4号湾岸線]][[南港北出入口]]付近)に向かう路線(南港貨物線)が計画された。阪和貨物線内には出戸駅、瓜破駅、新矢田駅を設け、南港貨物線内には途中、北島(現在の[[大阪市立新北島小学校|新北島小学校]]・[[大阪市立新北島中学校|新北島中学校]]の敷地)に[[操車場 (鉄道)|操車場]]を設ける予定とされた。一方、北島操車場から南下する臨港鉄道も大阪府によって計画された。これは[[堺泉北臨海工業地帯]]に至るもので、さらに南下した泉北1号造成地に羽衣操車場を設置する構想もあった。国鉄もこの計画を承認したが、構想が拡大するのに合わせ公費が当初予定の三倍に膨れ上がったため、国鉄は用地買収と下部構造の費用の負担を大阪府に要求した。大阪府はこれを拒否したため、国鉄による直営は見送られ、大阪府と大阪市・国鉄・進出企業が出資する第三セクター「阪堺臨海鉄道」を設立して対応した。しかし、国鉄の経営悪化により外環状線は遅々として着工されず([[おおさか東線#建設の経緯]]も参照のこと)、大阪外環状線の建設を前提としていた臨海鉄道の計画も進行しなかった。そうこうしているうちに大阪南港のコンビナート構想は[[オイルショック]]の影響で凍結されて実現はますます遠のいていき、時機を失った臨海鉄道計画は立ち消えとなった。その後、[[大阪市営地下鉄谷町線]]の開通によって阪和貨物線の旅客化の意義も薄れ、[[1980年代]]までに旅客化運動は終息する。 |
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その後、阪和貨物線を運行する貨物列車は次第に減少し、阪和線と和歌山地区での貨物取り扱いの終了した[[1986年]]10月に線内を経由する定期貨物列車は全廃された。その後は[[南海電気鉄道]]向け車両の[[甲種輸送|甲種鉄道車両輸送]]が細々と行われていたが、甲種輸送の性格上路線の使用頻度は低かったため、線路保守のために[[錆取り列車]]が王寺駅 - [[鳳駅]]間で運転され、ファンの間で知られる所となっていた。納入ルートが変更されるとJR貨物による免許は[[2003年]][[4月1日]]に廃止となり<ref>[http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/08/080305_2_.html 日本貨物鉄道株式会社申請の第二種鉄道事業の一部廃止について]、国土交通省、2003年3月5日。</ref>、その後もJR西日本によって路線は保持されたものの、国土交通省による[[大和川]]の改修事業や[[おおさか東線]]建設工事の支障になることなどを理由に2004年6月末で休止され、関西本線からの接続部が撤去された。結局、2008年3月に[[天王寺駅]]構内の関西本線と阪和線を結ぶ短絡線が複線化されたことにより使用されなくなったことから、[[2008年]][[11月17日]]にJR西日本が第1種鉄道事業の廃止届出を行い、その後廃止日の繰り上げが認められたため、[[2009年]][[3月31日]]付で廃止となった<ref>[http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174079_799.html 関西線(八尾〜杉本町間)における鉄道事業廃止繰上届出書の提出について]{{リンク切れ}} - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年2月2日</ref>。 |
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阪和貨物線の跡地については、国土交通省により大和川の[[堤防|スーパー堤防]]化が進められており、地下鉄御堂筋線との交差付近から阪神高速14号松原線との交差付近までが含まれている。 |
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ファイル:阪和貨物線.JPG|廃止直前の阪和貨物線([[近鉄南大阪線]]との交差付近)。 |
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ファイル:JRW Hanwa Freight Line.jpg|現在、架線は撤去されたが、線路は踏切部分のみ残されている。 |
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ファイル:阪和貨物線2.JPG|複線化用地は大部分で確保されている。 |
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</gallery> |
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== 運行形態 == |
== 運行形態 == |
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* [[1950年]](昭和25年)10月1日:東京駅 - 湊町駅・[[鳥羽駅]]間に夜行急行列車運転開始。翌月「[[東海道本線優等列車沿革|大和]]」と命名。 |
* [[1950年]](昭和25年)10月1日:東京駅 - 湊町駅・[[鳥羽駅]]間に夜行急行列車運転開始。翌月「[[東海道本線優等列車沿革|大和]]」と命名。 |
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* [[1951年]](昭和26年)[[12月28日]]:月ヶ瀬口駅開業。 |
* [[1951年]](昭和26年)[[12月28日]]:月ヶ瀬口駅開業。 |
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* [[1952年]](昭和27年)[[9月1日]]:貨物支線(阪和貨物線)八尾駅 - 竜華操車場 - 杉本町駅間 (11.3km) が開業。 |
* [[1952年]](昭和27年)[[9月1日]]:貨物支線([[阪和貨物線]])八尾駅 - 竜華操車場 - 杉本町駅間 (11.3km) が開業。 |
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* [[1953年]](昭和28年)[[11月11日]]:急行「大和」の鳥羽編成を「[[東海道本線優等列車沿革|伊勢]]」として分離。 |
* [[1953年]](昭和28年)[[11月11日]]:急行「大和」の鳥羽編成を「[[東海道本線優等列車沿革|伊勢]]」として分離。 |
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* [[1954年]](昭和29年)6月1日:富田浜駅 - 四日市駅間に、[[三岐鉄道]]の四日市駅直通列車のみ停車する午起駅が開業。 |
* [[1954年]](昭和29年)6月1日:富田浜駅 - 四日市駅間に、[[三岐鉄道]]の四日市駅直通列車のみ停車する午起駅が開業。 |
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; 貨物支線(1984年廃止) |
; 貨物支線(1984年廃止) |
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: 百済駅 (0.0km) - 百済市場駅 |
: 百済駅 (0.0km) - 百済市場駅 |
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; 貨物支線(阪和貨物線・2009年廃止) |
; 貨物支線([[阪和貨物線]]・2009年廃止) |
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: 八尾駅 (0.0km) - [[杉本町駅]] (11.3km) |
: 八尾駅 (0.0km) - [[杉本町駅]] (11.3km) |
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2010年10月7日 (木) 12:52時点における版
関西本線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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非電化区間を行く気動車 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
路線総延長 | (支線含め)179.6 km | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
軌間 | 1067 mm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電圧 | 名古屋駅 - 亀山駅間 加茂駅 - JR難波駅間 1500 V 架空電車線方式(直流) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
経路図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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関西本線(かんさいほんせん)は、愛知県名古屋市中村区の名古屋駅から亀山駅、奈良駅を経て大阪府大阪市浪速区のJR難波駅に至る鉄道路線(幹線)である。名古屋駅 - 亀山駅間が東海旅客鉄道(JR東海)、亀山駅 - JR難波駅間が西日本旅客鉄道(JR西日本)の管轄となっている。このほか日本貨物鉄道(JR貨物)の四日市駅 - 塩浜駅間、平野駅 - 百済駅間の貨物支線を持つ。
概要
名古屋と大阪を三重県の北勢地方、伊賀地方、奈良県北部を経由して結んでいる。民間の鉄道会社である関西鉄道の路線として開業し、名古屋と奈良・大阪を最短距離で結ぶルートとして国鉄と乗客を奪い合った歴史を持ち、路線名もこの社名に由来する。国有化後は1970年代まで全線を直通する列車が運転されていたが、並行する東海道本線や東海道新幹線の整備、近鉄特急の台頭で、名阪間の輸送からは撤退した。現在では亀山駅、加茂駅を境界として運転系統が3区間に分割されており、境界となる駅を跨いで運転される旅客営業列車は、急行「かすが」の廃止以降は一切運転されていない。
名古屋都市圏の名古屋駅 - 河原田駅間は三重県中南部へ特急・快速列車等の直通列車が運行されている。河原田駅 - 亀山駅間は名古屋方面との普通・快速列車のみ運行している。亀山駅 - 加茂駅間では非電化であり、1両ないし2両の気動車による地域輸送が行われている。加茂駅 - JR難波駅間は1988年3月から「大和路線」(やまとじせん)という愛称が付与され、アーバンネットワークを構成する路線と位置づけられているが、大阪 - 奈良間の都市間輸送については近鉄奈良線に押されている。
柘植駅 - JR難波駅間は旅客営業規則の定める「大阪近郊区間」に含まれており、そのうち奈良駅 - JR難波駅間が電車特定区間、天王寺駅 - JR難波駅間が大阪環状線内に含まれ、区間外よりも割安な近距離運賃が設定されている。また、JR東海管内のうち名古屋駅 - 四日市駅間がIC乗車カード「TOICA」のエリアに、JR西日本管内のうち上述の大和路線区間が同「ICOCA」の近畿圏エリアに含まれている。
他事業者との競合
名古屋駅 - 四日市駅間は近鉄名古屋線と競合している。運賃面や名古屋駅での新幹線との乗り継ぎの利便性などでは優位となっているが、単線区間が残っていることや、四日市駅が街の中心部から離れていることなどにより、利用者数は近鉄に及ばない。国鉄時代から設定していた四日市までの特定区間運賃に加えて、JR東海となってから快速「みえ」を設定して巻き返しを図っており、さらに2009年3月からは名古屋駅 - 四日市駅間で「みえ」を含む快速列車が1時間に2本運行されるようになった。一部の区間は複線化され、単線区間についても名古屋駅から河原田駅まではほぼ全線にわたり用地が確保されている。1992年の運輸政策審議会答申第12号では、関西本線名古屋駅 - 河原田駅間と伊勢鉄道全線(河原田駅 - 津駅間)を複線化するよう答申している。
路線データ
- 管轄・路線距離(営業キロ):全長179.6km(支線含む。名古屋駅 - JR難波駅間は174.9km)
- 軌間:1067mm
- 駅数:52
- 旅客駅:50(起終点駅含む、支線の駅除く)
- JR東海:18
- JR西日本:32(亀山駅除く)
- 貨物駅:2(旅客併設駅除く)
- 旅客駅:50(起終点駅含む、支線の駅除く)
- 複線区間:
- 電化区間:名古屋駅 - 亀山駅間、加茂駅 - JR難波駅間電化(直流1500V)
- 閉塞方式:
- 複線区間:複線自動閉塞式
- 下記以外の単線区間:単線自動閉塞式
- 亀山駅 - 加茂駅間:自動閉塞式(特殊)
- 四日市駅 - 塩浜駅間:タブレット閉塞式
- 保安装置:
- 運転指令所:
- 最高速度:
- 名古屋駅 - 河原田駅間・奈良駅 - 天王寺駅間:120km/h
- 河原田駅 - 奈良駅間・天王寺駅 - JR難波駅間:95km/h
名古屋駅 - 亀山駅間はJR東海東海鉄道事業本部の管轄(名古屋駅のみ本部直轄、八田駅 - 亀山駅間は三重支店の管轄)、亀山駅(構内除く) - JR難波駅間はJR西日本大阪支社の管轄(加茂駅 - JR難波駅間は支社直轄、亀山駅 - 加茂駅間は両端駅除き亀山鉄道部の管轄)である。
沿線概況
名古屋駅 - 亀山駅間
名古屋駅を出発した列車は右に曲がり東海道本線などから離れる。進行方向右側には名古屋車両区が広がる。最初に関西鉄道が開業した「愛知駅」はここに位置した。一方、左側にはかつて笹島駅(貨物)であった跡地が広がる。その機能を移転した名古屋貨物ターミナル駅への貨物線(名古屋臨海高速鉄道あおなみ線)が八田駅の手前で分岐する。八田駅付近で高架となり国道302号を乗り越えると2001年に新設された春田駅に着く。その後、蟹江駅、永和駅を経て弥富駅に到着する。弥富駅では名鉄尾西線と接続する。同駅から桑名駅までは近鉄線と並行する。木曽川を渡ると三重県に入り、長島駅を経て長良川と揖斐川を渡る。この区間は1959年の伊勢湾台風で甚大な被害を受けた。また、この付近で近鉄名古屋線の旧線跡が垣間見える。桑名駅に着く手前で関西本線が近鉄線を潜る。
桑名駅は近鉄名古屋線のほか、養老鉄道養老線や三岐鉄道北勢線と接続する。三岐鉄道北勢線を潜り、近鉄名古屋線と併走しながらカーブして朝日町に入り、東芝の工場の手前で近鉄線と離れ朝日駅に。伊勢湾岸自動車道を潜る手前で四日市市に入り、三岐鉄道三岐線と近鉄線を潜り富田駅に着く。三岐鉄道と貨物列車の連絡が行われており、駅東側に貨物ヤードが広がる。この駅は三岐鉄道の基地でもあり、東口を出た先には本社ビルがある。ここから先は四日市の工場地帯となり、大小の工場や事業所などが広がる。国道1号・国道23号と寄り添い、富田浜駅を経て四日市駅に着く。
四日市駅は市名を冠した駅であるが、市の中心駅は実質的に近鉄四日市駅である。塩浜駅への貨物線が分岐する貨物列車の一大拠点であり、貨車が多く置かれている。
次の南四日市駅を過ぎ、工業地帯を抜けると河原田駅に着く。同駅では伊勢鉄道と接続し、途中で単線が上下線から別れその間を走って駅に着く。伊勢鉄道のホームは築堤上にあり、跨線橋で結ばれている。名古屋駅発の特急「南紀」や快速「みえ」などの列車はこの駅から伊勢鉄道へ乗り入れ、津駅を経て鳥羽駅、新宮駅に向かう。
河原田駅から単線区間になる。車窓は田園風景となり民家も少なく、鈴鹿山脈の南端に沿って小高い山の裾を廻る。鈴鹿市に入り、線路の南に沿って流れる鈴鹿川の水面が現れる。河曲駅を過ぎ、次の加佐登駅では駅の北側斜面に民家が密集し南にコンクリート工場がある。亀山市に入り、近くに団地のある井田川駅を過ぎると堤防に遮られて鈴鹿川が見えなくなる。水田が散在する中、左手から紀勢本線が合流して亀山駅に着く。駅前は雑居ビルが建つものの市街地の中心ははっきりしない。丘陵地にあり、南に鈴鹿川、北に台地が控え、またかつての亀山城の櫓が僅かに残る。亀山駅はJR東海の管轄駅であり、JR西日本区間との会社境界駅である。3面5線の構造で、紀勢本線と接続するが、多くの急行が行き交った頃の面影は無い。
亀山駅 - 加茂駅間
関西本線(亀山駅 - 加茂駅間) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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この区間は非電化である。現在では単行や2両編成の気動車で普通列車が走るのみだが、かつては長大編成の列車が走っていたため、各駅ともホームや交換設備の有効長が非常に長い。
亀山駅からは国道1号と併走し関駅に、続いて国道25号と併走し加太駅に着く。この先、鈴鹿山脈と布引山地の境界に当たる加太駅 - 柘植駅間には、加太越えと呼ばれる25‰の急勾配区間があり、スイッチバック式の中在家信号場(2006年に使用停止)がある。信号上の先にある加太トンネルでは、蒸気機関車の煤煙が車内に進入することを防ぐために、トンネル入り口に遮蔽幕を設置し、列車通過後にこの幕を下ろして列車後方の気圧を下げ、煤煙を列車後方に集める工夫もなされていた。
伊賀市に入り、柘植駅では草津線が分岐する。もともと関西鉄道は草津から柘植へ向かって線路を敷設したため、亀山方面から見ると草津線が直線で、関西本線が左へ分岐するような線形となっている。かつて、柘植駅には加太越えの蒸気機関車のために転車台や給水塔もあったが、現在はすべて撤去されている。
柘植駅を出ると周囲は開け、国道25号と併走して伊賀盆地を走り、新堂駅となる。しばらく西に向いて走り2面2線の佐那具駅となる。次の伊賀上野駅は2面3線の構造で、下りホームからは伊賀市の市街地を経て伊賀神戸駅に向かう伊賀鉄道伊賀線が発着する。忍者で有名な伊賀市の中心は伊賀鉄道の上野市駅付近一帯である。
しばらく平地を走り、2面2線の島ヶ原駅からは国道163号と併走し、山間地へと入る。車窓から木津川の渓谷美を見ることができるが、大雨が降るとしばしば不通となり、保安上のネックにもなっている。京都府に入り、2面2線の月ヶ瀬口駅となる。南山城村役場に近い大河原駅を過ぎ、桜と渓谷美で有名な笠置駅となる。次の加茂駅は2面3線の橋上駅で、天王寺・大阪方面への大和路快速と接続している。亀山方面からの気動車は基本的に中線から発着する。中線は両側をホームに挟まれており、大阪方面の電車とホーム上で乗り換え可能である。
加茂駅 - JR難波駅間(大和路線)
加茂駅 - 王寺駅間
加茂駅以西は電化区間となり、不動山トンネルを抜け木津駅に至る。この辺りには、関西鉄道が路線の買収によってネットワークを構築する過程で放棄された路線が廃線跡として残っている(歴史節を参照)。このほか、不動山トンネル付近では地震によって線路が付け替えられた旧線跡がある。加茂駅 - 木津駅間は単線だが、2004年の近畿地方交通審議会答申8号では、この区間を複線化するように答申している。
木津駅は奈良線と片町線(学研都市線)が分岐し、奈良・京都・京橋方面への交通の要衝であるが、都市圏から比較的近い割に利用客はさほど多くはない。
木津駅を出ると京奈和自動車道の木津インターチェンジや国道24号などを右に見ながら進み、奈良県に入ると平城山駅となる。すぐ先に佐保信号場があり奈良電車区への入出区線が分岐する。奈良市北部の新興地域を行くこのあたりは、新しい住宅地と古墳群が同居している。次の奈良駅では桜井線が分岐する。
奈良駅付近は高架化が進められており、寺社風建築で有名な旧奈良駅舎は撤去も検討されたが、現地付近に保存されることとなった。奈良駅は観光や官公庁等のアクセスにおいて近鉄奈良駅に劣勢に立ち、JRの京都・大阪方面への競争力も運賃・所要時間・本数面で近鉄より低いため利用者は少ない。
奈良駅 - 王寺駅間では、斑鳩の法隆寺付近を通る。奈良を出て、しばらく奈良盆地の中を進むと2面2線の郡山駅で、大和郡山市役所や郡山城跡は近鉄の近鉄郡山駅が近い。住宅地と田畑と金魚の飼育のための池を見ながら、近鉄橿原線を潜って進むと大和小泉駅。次の法隆寺駅は斑鳩町の中心駅で、2面2線の橋上駅となっている。法隆寺はこの駅からかなり離れたところに位置する。法隆寺を出ると奈良盆地南部の田畑の中を真っ直ぐに走る。大和川を渡って近鉄田原本線を潜ると、左手から和歌山線が合流し、国道25号を潜り王寺駅となる。この駅は和歌山線のほか近鉄生駒線、近鉄田原本線が集結する奈良県西部の交通の要衝となっている。
王寺駅 - 天王寺駅間
王寺駅 - 柏原駅間は大和川に沿って走る。この区間は地すべりの多発地帯であり、1932年にはこの区間の亀ノ瀬トンネルが変形して使用不能となり、経路変更によって、2箇所の橋梁で大和川の南岸に迂回する不自然な線形になった。柏原からは大阪平野を走る。周囲はすっかり都市化し、住宅やマンションの立ち並ぶ車窓となる。
王寺駅を出て、大和川を渡ると三郷駅。この先、国道25号も併走して大阪府に入り、2面2線の河内堅上駅となる。春になると多くのカメラマンが同駅構内の桜の撮影に訪れる。河内堅上駅を出て右左にカーブして大和川を渡り、高井田駅。高井田駅を出ると右手には山が迫り、近鉄大阪線を潜ると、左手には国道25号と大和川が並行する。しばらくこの隘路を進むと、近鉄線が右手に離れ柏原駅となる。2面4線の構造で近鉄道明寺線も発着している。王寺駅からカーブを縫うように走ってきた線路は柏原駅を過ぎると直線区間が多くなり、100km/h前後の制限を強いられて走ってきた221系電車で運転の大和路快速や昼間の快速はここから一気に最高速度の120km/hへと加速する。八尾市に入り、国道170号(大阪外環状線)の高架橋を潜るとすぐに志紀駅、その後線路はほぼ真っ直ぐ進み、2面2線の八尾駅となる。八尾市の中心駅ではあるが、八尾市中心部からはやや外れている。約1kmほど北に近鉄の近鉄八尾駅があり、周辺は大型商業施設や銀行のある商店街となって栄えている。八尾駅を出ると、旧竜華操車場の北側に沿い、緩やかにカーブしている。やがておおさか東線と接続する久宝寺駅となる。
この駅は2面4線の橋上駅で普通と快速の接続が行われている。かつては上下線が竜華操車場を挟んでおり、上下線ホームはかなり離れていたが、竜華操車場廃止後の1997年に下り線が上り線側に移設された。その後に行われた区画整理事業で操車場や旧下り線の跡形はあまりわからなくなっている。近畿自動車道と大阪中央環状線を潜ったあたりで大阪市平野区に入り、加美駅の手前で、おおさか東線が右手に分かれる。左手には2009年に廃止された阪和貨物線跡が見える。
加美を出て、右手から城東貨物線の単線が合流する。ここから日本貨物鉄道(JR貨物)の百済駅の間は貨物列車が走る。城東貨物線は関西本線上り線(名古屋方面)に接続するため、貨物列車は上下列車とも関西本線の上り線を走る。平野川を渡ると平野駅。平野駅はホーム2面4線の待避可能駅だが、下り線(JR難波方面)の通過線にはホームがない。平野駅を過ぎ、国道479号(内環状線)を乗り越え、百済駅を見ながら高架を駆け上がる。今里筋を乗り越えると東部市場前駅。近鉄南大阪線の高架を望みながら進み、高架の阪和線を潜り、大阪環状線が右から合流すると天王寺駅に到着する。
天王寺駅 - JR難波駅間
天王寺駅は大阪環状線・阪和線と接続するほか、大阪市営地下鉄御堂筋線と谷町線そして、あびこ筋を挟んで南側には近鉄南大阪線と阪堺電気軌道上町線もあり、日本国内有数の一大ターミナルとなっている。
天王寺駅 - 今宮駅間は大阪環状線と並行しており、今宮駅 - JR難波駅間は関西本線唯一の地下線(なにわトンネル)となっている。天王寺駅を出ると、阪神高速道路を潜り、阪堺電気軌道阪堺線と堺筋を乗り越えて新今宮駅。関西本線と大阪環状線とを同じホームで乗り換えられるような構造となっており、南海本線と阪堺電気軌道とも連絡し、JR難波寄りの階段を上がって改札を出ればすぐに南海の改札がある。また新今宮駅の前後には渡り線があり、関西本線や阪和線の大阪方面直通列車は同駅付近で大阪環状線に転線する。次の今宮駅も関西本線・大阪環状線ともに高架駅となっており、関西本線下りホームと大阪環状線外回りホームとは同一平面上で乗り換えができる。今宮駅を出ると右にカーブしながら高架から地下線に入り、終着駅のJR難波駅に着く。
JR難波駅はかつて「湊町」という駅名だったが、1994年に改称され、1996年に地下化された。駅は島式2面4線ホームの地下駅で、なにわ筋線計画に対応した構造になっており、かつてのように長距離列車が発着した頃の面影は無い。この駅では大阪市営地下鉄千日前線や御堂筋線・四つ橋線、近鉄、阪神、南海と連絡しているが、各線とも遠く、一番近い地下鉄四つ橋線でも乗り換えは便利とはいえない。駅の直上は大阪シティエアターミナル (OCAT) があり、大阪国際空港や関西国際空港へのリムジンバスや各地への高速バスのターミナルとして機能している。また駅周辺では超高層マンションやビルが林立しており、再開発が急速に進展している。
運行形態
地域輸送
現在、全区間を通して走る列車はなく、JR東海が管轄する名古屋駅 - 亀山駅間、JR西日本の非電化区間である亀山駅 - 加茂駅間、同社の電化区間である加茂駅 - JR難波駅間の3区間に分かれている。
名古屋駅 - 亀山駅間(JR東海)
各駅に停車する普通列車のほか、河原田駅間から伊勢鉄道伊勢線・紀勢本線・参宮線に直通する快速「みえ」、線内のみ運転の快速、ラッシュ時のみの区間快速が運転されている。昼間は1時間あたり、名古屋駅 - 四日市駅間で快速と普通が各2本、四日市駅 - 亀山駅間で快速(ただしこの区間は各駅に停車)1本の運転である。このほかに伊勢鉄道の普通列車が四日市駅 - 河原田駅間に乗り入れる。「みえ」を除いていずれの列車も昼間を中心にワンマン運転が行われている。かつて、快速はラッシュ時のみに運転されていたが、2009年3月のダイヤ改正で名古屋駅 - 亀山駅間に桑名と四日市駅以南の各駅に停車する快速が昼間時間帯に新設され、従来の蟹江駅・弥富駅と桑名駅以南の各駅に停車する快速は区間快速に改称された。
亀山駅 - 加茂駅間(JR西日本)
亀山駅 - 加茂駅間は閑散区間で、ワンマン運転の普通列車のみが運転されている。使用車両はキハ120系気動車で、この線区で使用されているものは紫で塗装されている。かつては奈良方面など他区間と直通する列車もあったが、2001年3月以降はすべてこの区間内の運転となっている。早朝、夜間に伊賀上野駅で折り返す列車が設定されているほか、早朝に柘植駅始発、夜間に柘植駅止まりの列車がある。区間内の全駅で交換が可能なため、昼間(加茂発10時から15時)はおおよそ毎時1本で、その他の時間帯は毎時2本程度運行されている。単線で行き違いを行う列車があるため、各駅での次の列車までの運転間隔は、60分または30分の等間隔ではない。
ほかの区間と比べて運転本数は少なく、2001年3月から毎月1回土曜日の昼間時間帯の列車が運休しているが、バスなどによる代行輸送は行われていない。運休日は当初は第4土曜日であったが2005年4月からは第2土曜日に変更されている。また7月から9月頃までは行われない。
全列車が加茂駅で大和路線の大和路快速などの快速列車と接続するダイヤになっている。一方で亀山駅での名古屋方面行きの列車との接続は朝や夕方以降は良いものの、日中は2009年3月改正で悪くなり40分 - 50分程度の待ち時間が発生する。また、柘植駅での草津線との接続もどちらかといえば良いとは言えない。
加茂駅 - JR難波駅間(JR西日本)
加茂駅 - JR難波駅間は、各駅に停車する普通と、加茂駅 - JR難波駅間に快速、加茂駅 - 大阪環状線間に大和路快速・区間快速が運転されている。ほかに和歌山線・桜井線 - JR難波方面の直通列車もある。木津駅 - 奈良駅間には奈良線・片町線(学研都市線)の列車も乗り入れている。また、早朝にはJR難波・王寺方面から奈良経由で京都行の直通列車が運転されており、夕方以降も時刻表には記載がないものの先述の区間を双方向に直通する列車が数本運転されている。
優等列車
名古屋駅 - 河原田駅間を名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間(伊勢鉄道経由)運転の特急「南紀」が通る。かつては河原田駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間にも東京駅 - 湊町駅・和歌山市駅間の夜行急行「大和」を始め、名古屋駅 - 湊町駅・南紀方面や京都駅 - 伊勢方面などを結ぶ多数の優等列車が運行されていた。1965年3月1日から1967年10月1日のダイヤ改正までの短期間だが、関西本線名古屋駅 - 八尾駅間を経由する特急「あすか」が設定されていたこともある。しかし2006年3月18日のダイヤ改正で急行「かすが」が廃止されたのを最後に(廃止時の運転区間は名古屋駅 - 奈良駅間)、事実上大阪環状線と重複している天王寺駅 - 新今宮駅間を除き河原田駅以西での特急・急行列車は運転されていない。
しかし、奈良デスティネーションキャンペーンにあわせて、2010年4月から6月までの休日と4月1日に臨時列車であるが、特急「まほろば」が新大阪駅 - 奈良駅間で運転された。
貨物列車
貨物列車は、名古屋駅 - 河原田駅間及び四日市駅 - 塩浜駅間の貨物支線、平野駅 - 百済駅間の貨物支線で運行されている。そのうち平野駅 - 百済駅間で運行されているものは「城東貨物線」を参照。
コンテナ車のみで編成された高速貨物列車は名古屋貨物ターミナル駅 - 四日市駅間に1日3往復や、稲沢駅から伊勢鉄道伊勢線、紀勢本線経由で鵜殿駅まで1日1往復、四日市駅 - 塩浜駅・南四日市駅間で1往復ずつ運行されているほか、石油輸送タンク車や化学薬品輸送タンク車を牽引する専用貨物列車が運転される。また四日市駅・塩浜駅 - 稲沢駅( - 南松本駅)間にはタキ1000形貨車のみで編成された高速貨物列車が運行されている。三岐鉄道三岐線 - 富田駅 - 四日市駅間では日本全国で唯一のセメント輸送が行われている。
使用車両
関西本線内での使用区間を示す。天王寺駅 - 今宮駅間のみを走行する列車については省略。
現在の車両
- JR東海 … 「関西線 (名古屋地区)#車両」も参照。
- 伊勢鉄道
- イセIII型気動車:四日市駅 - 河原田駅間
- JR西日本 … 「大和路線#使用車両」も参照。
過去の車両
駅名は運行当時のもの。湊町駅は現在のJR難波駅である。
- キハ17形気動車:名古屋駅 - 湊町駅間
- キハ35系気動車:名古屋駅 - 湊町駅間
- キロハ18形気動車:名古屋駅 - 湊町駅間で準急
- キハ50形気動車:名古屋駅 - 湊町駅間で準急
- キハ51形気動車:名古屋駅 - 湊町駅間で準急「かすが」
- キハ55系気動車:名古屋駅 - 湊町駅間で準急「かすが」など
- キハ58系気動車:名古屋駅 - 湊町駅間で急行など。JR移行後は名古屋駅 - 奈良駅間の急行「かすが」、亀山駅 - 奈良駅間の普通
- キハ65形気動車:名古屋駅 - 奈良駅間で急行「かすが」
- キハ81系気動車:名古屋駅 - 河原田駅間で特急「くろしお」
- キハ82系気動車:名古屋駅 - 久宝寺駅 - 杉本町駅間で特急「あすか」および、名古屋駅 - 河原田駅間で特急「くろしお」、後に特急「南紀」
- 伊勢鉄道イセI型気動車:四日市駅 - 河原田駅間
- 伊勢鉄道イセII型気動車:四日市駅 - 河原田駅間
- 165系電車:名古屋駅 - 亀山駅間
- 113系電車:名古屋駅 - 亀山駅間、加茂駅 - 湊町駅間
- 101系電車:奈良駅 - 湊町駅間
- スハ32系客車 - マロネフ29、オロ35など:名古屋駅 - 湊町駅間で急行「大和」、名古屋駅 - 亀山駅間で急行「伊勢」
- オハ35系客車 - スロハ32、スハニ32など:名古屋駅 - 湊町駅間で準急、急行「大和」
- スハ43系客車 - スハ43、スロ53、スロ54、オハ46など:名古屋駅 - 湊町駅間で準急・急行「大和」、名古屋駅 - 亀山駅間で急行「紀伊」「伊勢」
- 10系客車:名古屋駅 - 湊町駅間で急行「大和」「紀伊」と名古屋駅 - 亀山駅間の急行「伊勢」「那智」
- 14系客車:名古屋駅 - 亀山駅間で寝台特急「紀伊」
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歴史
ここでは、路線の歴史を中心に記述する。関西本線の列車の歴史については「かすが (列車)」および「近鉄特急史#大阪 - 名古屋間」を参照のこと。
概略
名古屋駅 - 木津駅間は関西鉄道により開業した。名古屋駅 - 柘植駅間を1895年に開通させた後、柘植駅 - 大仏駅(後に廃止)間を1898年に開通させて名古屋駅 - 奈良駅間を結んだ。同年中には加茂駅 - 新木津駅(のちに廃止)間を開通させて、前年に買収した浪速鉄道の路線を経由して、大阪の網島駅(1898年 - 1913年の間、現在の京橋駅近くにあったターミナル駅) - 四条畷駅 - 名古屋駅間に直通列車を走らせた。
奈良駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間は大阪鉄道により1892年に、木津駅 - 奈良駅間は奈良鉄道により1896年に開通している。関西鉄道は大仏駅 - 奈良駅間を開通させた後、1900年に大阪鉄道を買収して名阪間の本線を大仏経由に変更した。その後、奈良鉄道を買収し、1907年には勾配区間を抱えていた加茂駅 - 大仏駅 - 奈良駅間を廃止して本線を木津駅経由に変更、現在のルートが完成した(このときに加茂駅 - 新木津駅間の路線も廃止)。
その後、関西鉄道は名阪間で官設鉄道(東海道本線)と激しい競争を繰り広げ、関西鉄道は官営鉄道より20分所要時間の差をつけ、さらには記念品を配ったり運賃を5割引にしたりと派手な誘客作戦を実施した。この誘客合戦は日露戦争に突入した1904年に一旦終息し、鉄道国有法により1907年に関西鉄道が国有化されたことで終わりを告げた(詳細は関西鉄道を参照)。
国有化後はローカル線化していたが、大正時代に入って大阪電気軌道、参宮急行電鉄(現在の近畿日本鉄道)などの私鉄が並行して路線網を伸ばしてくると、輸送量が逼迫していた東海道本線に代わり、これらの私鉄路線に対抗する路線として注目され、近鉄に先んじて名古屋駅 - 湊町駅間に快速列車が設定された[2]。戦後は準急列車として復活し(後の「かすが」)、全国に先駆けて気動車化されてスピードアップが図られるが、東海道本線が全線電化され、近鉄もスピードアップを実施すると、関西本線は名阪間輸送の第一線から退くことを余儀なくされる(かすが (列車)も参照)。
長らく全線で近代化が遅れていたが、1973年に奈良駅 - 湊町駅間、1982年に名古屋駅 - 亀山駅間が電化され、近郊路線としての性格を強めていく。JR発足後、加茂駅 - JR難波駅間はアーバンネットワークの一環として輸送の改善が図られ、またJR東海も快速「みえ」を設定するなどして近鉄に巻き返しを図っている。
年表
大阪鉄道(奈良駅 - JR難波駅間)
- 1888年(明治21年)3月1日:大阪鉄道に免許交付。
- 1889年(明治22年)5月14日:大阪鉄道 湊町駅 - 柏原駅間(10M10C≒16.29km)が開業。湊町駅(現在のJR難波駅)・天王寺駅・平野駅・八尾駅・柏原駅が開業。
- 1890年(明治23年)
- 1891年(明治24年)2月8日:王寺駅 - 稲葉山仮停車場間(1M30C≒2.21km)が延伸開業。稲葉山仮停車場が開業。稲葉山仮停車場 - 亀瀬仮停車場間は徒歩・人力車連絡。
- 1892年(明治25年)2月2日:亀瀬仮停車場 - 稲葉山仮停車場間(64C≒1.29km)が延伸開業し、湊町駅 - 奈良駅間が全通。稲葉山仮停車場、亀瀬仮停車場廃止。
- 1894年(明治27年)1月29日:全線で3C(≒0.06km)短縮。
- 1899年(明治32年)
- 2月28日:全線で7C(≒0.14km)短縮。
- 3月1日:今宮駅開業。
- 1900年(明治33年)
奈良鉄道(木津駅 - 奈良駅間)
- 1896年(明治29年)4月18日:奈良鉄道 木津駅 - 奈良駅間(4M32C≒7.08km)が延伸開業し、京都駅 - 奈良駅間が全通。
- 1902年(明治35年)11月12日:営業距離の単位をマイル・チェーンからマイルのみに簡略化(4M32C→4.4M)。
- 1905年(明治38年)2月7日:奈良鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。
関西鉄道
- 1888年(明治21年)3月1日:関西鉄道に免許交付。
- 1890年(明治23年)2月19日:関西鉄道 柘植駅開業(三雲駅 - 柘植駅間の開業に伴う)。
- 1892年(明治25年)2月6日:高宮駅(現在の加佐登駅)開業。
- 1893年(明治26年)6月15日:桑名駅 - 名古屋駅間免許取得。
- 1894年(明治27年)7月5日:四日市駅 - 桑名仮停車場間(7M30C≒11.87km)が延伸開業。富田駅・桑名仮停車場が開業。
- 1895年(明治28年)
- 1896年(明治29年)
- 1897年(明治30年)
- 1898年(明治31年)
- 1899年(明治32年)
- 5月21日:支線 大仏駅 - 奈良駅間(57C≒1.15km)が延伸開業し、名古屋駅 - 奈良駅間が全通。
- 10月23日:加茂駅 - 奈良駅間が11C(≒0.22km)延長。
- 11月11日:長島駅開業。
- 1900年(明治33年)
- 6月6日:大阪鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。名古屋駅 - 大仏駅 - 湊町駅間を本線、加茂駅 - 網島駅間を支線に変更。
- 9月1日:列車運行上の本線を名古屋駅 - 大仏駅 - 湊町駅間に変更。
- 1901年(明治34年)
- 1月25日:全線で4C(≒0.08km)短縮。
- 10月12日:営業距離の単位をマイル・チェーンからマイルのみに簡略化(名古屋駅 - 湊町駅間 106M67C→106.8M)。
- 1903年(明治36年)
- 1905年(明治38年)2月7日:奈良鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。
- 1907年(明治40年)
国有化以後
- 1907年(明治40年)
- 10月1日:関西鉄道が国有化。
- 11月1日:加茂駅 - 木津駅間マイル設定(3.7M≒5.95km)。加茂駅 - 大仏駅 - 奈良駅間(6.1M≒9.82km)、加茂駅 - 新木津駅間が正式に廃止。
- 1908年(明治41年)
- 1909年(明治42年)
- 1910年(明治43年)12月1日:久宝寺駅開業。
- 1911年(明治44年)11月5日:王寺駅 - 柏原駅間に青谷信号所を開設。
- 1914年(大正3年)3月20日:木津駅 - 奈良駅間が複線化。
- 1915年(大正4年)
- 1916年(大正5年)9月11日:上野駅を伊賀上野駅に改称。
- 1918年(大正7年)7月15日:名古屋駅 - 蟹江駅間に八田信号所を開設。
- 1920年(大正9年)
- 1921年(大正10年)7月15日:新堂駅開業。
- 1922年(大正11年)4月1日:信号所を信号場に変更。
- 1923年(大正12年)12月15日:青谷信号場 - 柏原駅間が複線化。
- 1924年(大正13年)
- 1925年(大正14年)
- 1926年(大正15年)
- 1927年(昭和2年)
- 1928年(昭和3年)
- 1929年(昭和4年)
- 2月1日:善太信号場を駅に変更し永和駅開業。
- 5月20日:井田川駅開業。
- 1930年(昭和5年)4月1日:営業距離の単位をマイルからメートルに変更(名古屋駅 - 湊町駅間 108.8M→175.1km、四日市駅 - 四日市港駅間 1.1M→1.7km、今宮駅 - 大阪港駅間 5.2M→8.2km)。
- 1931年(昭和6年)
- 1932年(昭和7年)
- 1月27日:王寺駅 - 河内堅上駅間に亀ノ瀬信号場を開設。
- 2月1日:王寺駅 - 河内堅上駅間の亀ノ瀬トンネルが地滑りで変形したため使用不可能となり、同区間が不通となる。
- 2月20日:亀ノ瀬トンネルの東口に亀ノ瀬東口仮停車場(亀ノ瀬信号場から変更)、西口に亀ノ瀬西口仮停車場を開設。王寺駅 - 亀ノ瀬東口仮停車場間・亀ノ瀬西口停車場間が運行再開、両仮停車場間は徒歩連絡となる。
- 6月1日:柏原駅南方900m、大阪電気軌道桜井線(現在の近鉄大阪線)安堂駅に隣接する箇所に柏原仮乗降場が設置され、同線と和歌山線下田駅(現在の香芝駅)と大軌下田駅を用いて不通区間の代替輸送を開始。
- 8月1日:四日市駅 - 四日市港駅間改キロ (+0.8km)。
- 12月31日:不通だった王寺駅 - 河内堅上駅間を大和川対岸の新線に切り替えて単線で復旧。途中に藤井信号場を開設。
- 1933年(昭和8年)
- 1月1日:亀ノ瀬東口仮停車場、亀ノ瀬西口仮停車場、柏原仮乗降場廃止。
- 11月20日:王寺駅 - 藤井信号場間が複線化。
- 1935年(昭和10年)12月30日:藤井信号場 - 河内堅上駅間が複線化。藤井信号場廃止。
- 1938年(昭和13年)10月1日:八尾駅 - 久宝寺駅間に竜華操車場を開設。
- 1939年(昭和14年)10月15日:正覚寺信号場(初代)廃止。
- 1941年(昭和16年)7月25日:加美駅 - 平野駅間に正覚寺信号場(2代目)を開設。
- 1944年(昭和19年)6月1日:貨物支線 四日市駅 - 塩浜駅間 (3.3km) が開業。(貨)塩浜駅が開業。
- 8月:奈良駅 - 王寺駅間が資材供出のため単線化。
- 1945年(昭和20年)11月25日:長島駅 - 桑名駅間に揖斐川仮信号場を開設。
- 1946年(昭和21年)5月1日:揖斐川仮信号場廃止。
- 1947年(昭和22年)3月15日:木津駅 - 奈良駅間に佐保信号場(初代)を開設。
- 10月:志紀駅休止。
- 1948年(昭和23年)8月30日:午起仮停車場廃止。
- 1949年(昭和24年)3月1日:木田信号場を変更し鈴鹿駅(現在の河曲駅)が開業。
- 1950年(昭和25年)10月1日:東京駅 - 湊町駅・鳥羽駅間に夜行急行列車運転開始。翌月「大和」と命名。
- 1951年(昭和26年)12月28日:月ヶ瀬口駅開業。
- 1952年(昭和27年)9月1日:貨物支線(阪和貨物線)八尾駅 - 竜華操車場 - 杉本町駅間 (11.3km) が開業。
- 1953年(昭和28年)11月11日:急行「大和」の鳥羽編成を「伊勢」として分離。
- 1954年(昭和29年)6月1日:富田浜駅 - 四日市駅間に、三岐鉄道の四日市駅直通列車のみ停車する午起駅が開業。
- 1956年(昭和31年)
- 3月15日:貨物支線 浪速駅 - 大阪東港駅間 (3.0km) が開業。
- 9月27日:関駅 - 加太駅間で下り列車が崩壊した土砂に乗り上げ、客車が川に転落。死者8名(旅客5名、職員3名)、負傷者3名。
- 11月17日:加茂駅 - 木津駅間、鹿背山トンネル経由から不動山トンネル経由に変更
- 11月20日:佐保信号場(初代)廃止。
- 1958年(昭和33年)11月1日:名古屋駅 - 湊町駅間の準急を「かすが」と命名。
- 1959年(昭和34年)
- 1961年(昭和36年)
- 1963年(昭和38年)
- 4月1日:加美駅が平野方に0.3km移転。
- 9月10日:1945年ごろから休止中であった百済駅(初代)を廃止。
- 10月1日:貨物支線 平野駅 - 百済駅(2代目)間 (1.4km) が開業。(貨)百済駅(2代目)が開業。日永信号場を駅に変更し南四日市駅開業。
- 1964年(昭和39年)
- 10月1日:午起駅廃止。
- 11月24日:貨物支線 百済駅 - 百済市場駅間 (2.1km) が開業。(貨)百済市場駅が開業。
- 1965年(昭和40年)3月1日:阪和貨物線 八尾駅 - 杉本町駅間が旅客営業開始。名古屋駅 - 東和歌山駅間に阪和貨物線経由で気動車特急「あすか」新設。
- 1966年(昭和41年)3月5日:準急「かすが」を急行に格上げ。
- 1967年(昭和42年)10月1日:特急「あすか」廃止。
- 1968年(昭和43年)
- 1972年(昭和47年)
- 1973年(昭和48年)
- 1977年(昭和52年)1月31日:長島駅 - 桑名駅間が複線化。
- 1979年(昭和54年)8月1日:名古屋駅 - 八田駅間が電化(電化営業開始は1982年5月17日)。
- 1980年(昭和55年)
- 1982年(昭和57年)5月17日:八田駅 - 亀山駅間が電化。
- 1983年(昭和58年)
- 1984年(昭和59年)
- 2月1日:貨物支線 百済駅 - 百済市場駅間 (2.1km) が廃止。
- 8月31日:木津駅 - 奈良駅間に佐保信号場(2代目)を開設。
- 10月1日:木津駅 - 奈良駅間が電化。
- 1985年(昭和60年)
- 3月14日:貨物支線 四日市駅 - 四日市港駅間 (2.5km) が廃止。新今宮駅 - 湊町駅間の貨物営業廃止。
- 8月29日:高井田駅開業。
- 12月1日:平城山駅開業。
- 1986年(昭和61年)11月1日:竜華操車場を信号場に変更し竜華信号場開設。
国鉄分割民営化以後(JR化後)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、次のようになる。
- 名古屋駅 - 亀山駅間 (59.9km) を東海旅客鉄道が継承。
- 亀山駅 - 湊町駅間 (115.2km)、八尾駅 - 竜華信号場 - 杉本町駅間 (11.3km) を西日本旅客鉄道が承継。
- 日本貨物鉄道が四日市駅 - 塩浜駅間 (3.3km)、平野駅 - 百済駅間 (1.4km) の第一種鉄道事業者、名古屋駅 - 亀山駅 (59.9km)、木津駅 - 新今宮駅間 (45.5km)、竜華信号場 - 杉本町駅間 (10.5km) の第二種鉄道事業者となる。
- 亀山駅 - 木津駅間の貨物営業廃止。
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 3月10日:快速「みえ」運転開始。大阪環状線直通の区間快速を朝方にも拡大。
- 6月1日:亀山駅 - 加茂駅間でワンマン運転開始。
- 1992年(平成4年)3月14日:特急「南紀」をキハ82系気動車からキハ85系気動車(ワイドビュー)に置き換え。これによりキハ82系気動車による定期特急列車は全国から消滅。
- 1993年(平成5年)
- 1994年(平成6年)9月4日:湊町駅をJR難波駅に改称。
- 1996年(平成8年)3月22日:今宮駅高架化、JR難波駅地下化。
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 2001年(平成13年)
- 1月14日:名古屋駅 - 亀山駅間にCTCを導入。
- 3月3日:春田信号場を駅に変更し春田駅開業。名古屋駅 - 亀山駅間でワンマン運転開始。大和路快速の停車駅に久宝寺駅を追加。
- 2002年(平成14年)4月7日:八田駅高架化、名古屋方に0.5km移転。
- 2003年(平成15年)4月1日:日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(木津駅 - 平野駅間 40.6km、旧・竜華信号場 - 杉本町駅間 10.5km)廃止。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)1月30日:伏屋信号場廃止。
- 2006年(平成18年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
駅一覧
(貨)は貨物専用駅、それ以外の駅で◆・◇を付した駅は貨物取扱駅を表す(◇は定期貨物列車の発着なし)。
東海旅客鉄道
ここではJR東海の管轄である名古屋駅 - 亀山駅間の駅名と主な駅のキロ程のみ記す。接続路線・停車駅などの詳細については「関西線 (名古屋地区)」を参照のこと。
( ) 内は起点からの営業キロ
名古屋駅◇ (0.0km) - (笹島信号場) - 八田駅 - 春田駅 - 蟹江駅 - 永和駅 - (白鳥信号場) - 弥富駅 - 長島駅 - 桑名駅 (23.8km) - (朝明信号場) - 朝日駅 - 富田駅 - 富田浜駅 - 四日市駅◆ (37.2km) - 南四日市駅◆ - 河原田駅 (44.1km) - 河曲駅 - 加佐登駅 - 井田川駅 - 亀山駅 (59.9km)
西日本旅客鉄道
亀山駅 - 加茂駅間
- この区間では普通列車のみの運転(全駅に停車)
- 全区間単線、中在家信号場を除く全駅で列車交換可能
駅名 | 駅間営業キロ | 累計 営業キロ |
接続路線 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
亀山 から |
名古屋 から | |||||
亀山駅 | - | 0.0 | 59.9 | 東海旅客鉄道:関西本線(名古屋方面)・紀勢本線 | 三重県 | 亀山市 |
関駅 | 5.7 | 5.7 | 65.6 | |||
加太駅 | 5.4 | 11.1 | 71.0 | |||
中在家信号場 | - | 15.7 | 75.6 | |||
柘植駅 | 8.9 | 20.0 | 79.9 | 西日本旅客鉄道:草津線 | 伊賀市 | |
新堂駅 | 6.2 | 26.2 | 86.1 | |||
佐那具駅 | 4.4 | 30.6 | 90.5 | |||
伊賀上野駅 | 4.0 | 34.6 | 94.5 | 伊賀鉄道:伊賀線 | ||
島ヶ原駅 | 7.3 | 41.9 | 101.8 | |||
月ヶ瀬口駅 | 3.0 | 44.9 | 104.8 | 京都府 | 相楽郡 南山城村 | |
大河原駅 | 4.0 | 48.9 | 108.8 | |||
笠置駅 | 5.4 | 54.3 | 114.2 | 相楽郡笠置町 | ||
加茂駅 | 6.7 | 61.0 | 120.9 | 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線 奈良方面) | 木津川市 |
この区間の中間駅(両端駅は含まない)のうち、伊賀上野駅のみJR西日本直営駅、加太駅のみ無人駅、それ以外の中間駅は簡易委託駅である。
加茂駅 - JR難波駅間
ここでは駅名と主な駅のキロ程のみ記す。接続路線・停車駅などの詳細については「大和路線#駅一覧」を参照のこと。
( ) 内は名古屋駅からの営業キロ
加茂駅 (120.9km) - 木津駅 (126.9km) - 平城山駅 - (佐保信号場) - 奈良駅 (133.9km) - 郡山駅 - 大和小泉駅 - 法隆寺駅 - 王寺駅 (149.3km) - 三郷駅 - 河内堅上駅 - 高井田駅 - 柏原駅 - 志紀駅 - 八尾駅 - 久宝寺駅 (164.3km) - 加美駅 - 平野駅 (167.5km) - 東部市場前駅 - 天王寺駅 (171.4km) - 新今宮駅 - 今宮駅 - JR難波駅 (174.9km)
日本貨物鉄道
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
四日市駅 - 塩浜駅間 | ||||
四日市駅 | 0.0 | 東海旅客鉄道:関西本線(本線) | 三重県 四日市市 | |
(貨)塩浜駅 | 3.3 | |||
平野駅 - 百済駅間 | ||||
平野駅 | 0.0 | 西日本旅客鉄道:関西本線(本線)・片町線貨物支線 | 大阪府 大阪市 |
平野区 |
(貨)百済駅 | 1.4 | 東住吉区 |
廃止区間
括弧内は起点からの営業キロ。
- 貨物支線(1985年廃止)
- 四日市駅 (0.0km) - 四日市港駅 (2.5km)
- ※四日市駅の構外側線として現存。
- 旧線(1907年廃止)
- 加茂駅 (0.00km) - 大仏駅 (8.69km) - 奈良駅 (9.82km)
- 貨物支線(1984年廃止)
- 百済駅 (0.0km) - 百済市場駅
- 貨物支線(阪和貨物線・2009年廃止)
- 八尾駅 (0.0km) - 杉本町駅 (11.3km)
廃駅
括弧内は名古屋駅起点の営業キロ。
- 愛知駅:名古屋駅 - 八田駅間[8](約0.6km)
- 桑名仮停車場:桑名駅 - 朝明信号場間、所在地は桑名市江場(約25.1km)
- 午起駅:富田浜駅 - 四日市駅間 (35.8km)…三岐鉄道直通列車のみの停車だった
- 稲葉山仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間(約151.5km)
- 亀瀬仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間(約152.8km)
- 亀ノ瀬東口仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間 (151.7km)
- 亀ノ瀬西口仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間 (153.0km)
- 柏原仮乗降場:高井田駅 - 柏原駅間 (157.9km)
- 百済駅(初代):東部市場前駅 - 天王寺駅間 (169.3km)
廃止信号場
括弧内は名古屋駅起点の営業キロ。
- 伏屋信号場:八田駅 - 春田駅間
- 揖斐川仮信号場:長島駅 - 桑名駅間 (21.9km)
- 都跡仮信号場:平城山駅 - 佐保信号場間(約130.7km)
- 佐紀仮信号所:佐保信号場 - 奈良駅間(約131.5km)
- 安堵信号所:大和小泉駅 - 法隆寺駅間(約143.5km)
- 藤井信号場:三郷駅 - 河内堅上駅間 (151.8km)
- 竜華操車場:八尾駅 - 久宝寺駅間 (163.9km)
- 正覚寺信号場(初代):加美駅 - 平野駅間 (166.9km)
- 正覚寺信号場(2代目):加美駅 - 平野駅間 (167.4km)
電化促進同盟
非電化区間である亀山駅 - 加茂駅の間を電化し、大阪や名古屋まで電車を直通させてはどうかという声があり、沿線の自治体は「関西本線奈良亀山間複線電化促進同盟」などの団体を結成してこの区間の電化を要望している。また2004年の近畿地方交通審議会答申8号では、加茂以東を電化するよう答申している。
電化によって通勤や移動が便利になり、笠置駅や伊賀上野駅、関駅では新たな観光需要が生まれることも期待されている。沿線の自治体には電化費用捻出のための募金箱も設置されている。
脚注
- ^ a b 民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画、国土交通省監修の『鉄道要覧』および、JR西日本が発行している「データで見るJR西日本」には、大阪環状線に天王寺駅 - 新今宮駅間が含まれていない。これによるなら、天王寺駅 - 新今宮駅間は関西本線の複々線であるが、運行形態とするなら複線区間は、木津駅 - JR難波駅間である。
- ^ 三宅俊彦、寺本光照著 『国鉄・JR 名列車ハンドブック』 新人物往来社、2006年、137頁、ISBN 440403332X
- ^ 高杉造酒太郎編 『伊勢湾台風災害調査報告』 日本建築学会、1961年
- ^ 阪和線、大和路線に「女性専用車」を拡大します(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年7月21日
- ^ 平成18年春のダイヤ改正(別紙詳細) (PDF) (インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2005年12月22日
- ^ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道大阪支社プレスリリース 2009年12月18日
- ^ 在来線特急列車などの全席禁煙化ならびに在来線ホームの禁煙化の拡大について[リンク切れ]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。 - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年3月26日
- ^ 廃止当時の大阪方の隣の駅は蟹江駅
参考文献
- 「JR時刻表」各号(交通新聞社)
- 郡司武 編『週間 歴史でめぐる 鉄道全路線 国鉄・JR』、朝日新聞出版、2009年。
- 森口誠之 『鉄道未成線を歩く』 JTB、2002年、123 - 125頁、ISBN 4-533-04208-2
関連項目
外部リンク
- 関西本線でGO! - 関西本線複線電化促進連盟ホームページ