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きく7号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ETS-VIIから転送)
技術試験衛星VII型
「きく7号(ETS-VII)」
所属 NASDA, NAL(共に現JAXA
AIST, CRL
主製造業者 東芝
公式ページ 技術試験衛星VII型「きく7号(ETS-VII)」
国際標識番号 1997-074B
カタログ番号 25064 (ひこぼし)
25424 (おりひめ)
状態 運用終了
目的 自動ランデブー・ドッキング技術試験
計画の期間 5年
設計寿命 1.5年
打上げ機 H-IIロケット 6号機
打上げ日時 1997年11月28日
6時27分(JST)
運用終了日 2002年10月30日
15時56分(JST)
消滅日時 2015年11月13日
物理的特長
本体寸法 2.6m×2.3m×2.0m(ひこぼし)
0.7m×1.7m×1.5m(おりひめ)
展開型太陽電池パドルを有する箱型
最大寸法 19m (ひこぼしパドル展開時)
7m(おりひめパドル展開時)
質量 約2,860kg
2,540kg (ひこぼし)
410kg (おりひめ)
発生電力 2,360W(ひこぼし)
650W(おりひめ)
主な推進器 20N ヒドラジン一液スラスタ
(ひこぼし)
1N 窒素ガススラスタ
(おりひめ)
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式
(ゼロモーメンタム)
軌道要素
軌道 円軌道
高度 (h) 約550 km
軌道傾斜角 (i) 約35度
軌道周期 (P) 約96分
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きく7号 (ETS-VII; Engineering Test Satellite-VII) は、宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた技術試験衛星である。チェイサー衛星「ひこぼし」の国際標識番号は1997-074B、ターゲット衛星「おりひめ」の国際標識番号は1997-074E。

目的と特徴

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自動ランデブー・ドッキング技術実験、宇宙用ロボット技術及びシステム技術の実験、軌道上の原子状酸素の分布状態のモニタ、宇宙データシステム諮問委員会(CCSDS)勧告に基づく宇宙用データ伝送システムの開発、データ中継衛星を利用した複数衛星の同時運用技術の習得を目的としていた。きく7号ではこれらの様々な実験を地上施設から追跡・データ中継衛星(TDRS)を介して行うことができ、これは日本のみならず世界的にも最高峰の技術であった[1]。この実験の成果が、後に宇宙ステーション補給機の無人ランデブー技術に活用された[2]

2011年9月28日に、地上からの衛星搭載ロボットアーム遠隔制御実験の成果により、アメリカ航空宇宙学会(AIAA)による「2011 AIAA Space Automation and Robotics Award」をきぼうと共に受賞している[3][4]

開発

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1990年にNASDA内部でランデブー・ドッキングと宇宙ロボット技術の軌道上実験を行うETS-VIIの基本構想が提案された。システム検討を踏まえた上で、2年後の1992年に予算が承認され、研究開発に移行した。1994年からプロトフライトモデル(PFM)の製作、試験が行われた。

運用

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打ち上げ

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平成9年(1997年)11月28日にH-IIロケット6号機で熱帯降雨観測衛星(TRMM)と共に種子島宇宙センターから打ち上げられた。先にTRMMを分離した後、打ち上げ後28分01秒に第2段と衛星が分離され、所定の軌道に投入された。

ランデブー・ドッキング

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  • 平成10年(1998年)7月7日(七夕)に最初のランデブー・ドッキング実験運用(FP-1)を行った。
  • 平成10年(1998年)8月7日に2度目のランデブー・ドッキング実験運用(FP-2)を行ったが、スラスタの不調により予定していた軌道から逸脱してしまった。その後、何度か接近を試みたが、やはりスラスタの不調による軌道逸脱を繰り返した。その後、スラスタの不調に対応できるように搭載ソフトウェアの変更を行い、8月27日にドッキングした。

脚注

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  1. ^ 技術試験衛星VII型「きく7号」(ETS-VII)”. JAXA. 2016年5月10日閲覧。
  2. ^ 平成18年版 文部科学白書 第2部 第6章 第3節 5.宇宙・航空分野 第3節”. 文部科学省. 2011年2月12日閲覧。
  3. ^ JAXA's No.041”. JAXA (2011年11月1日). 2018年11月13日閲覧。
  4. ^ Space Automation and Robotics Award”. アメリカ航空宇宙学会(AIAA) (2011年9月28日). 2018年11月13日閲覧。

関連事項

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外部リンク

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