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'''ジャスタウェイ'''(欧字名:{{Lang|en|Just a Way}}、[[2009年]][[3月8日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]][[種牡馬]]<ref name="JBIS"/>。主な勝ち鞍は[[2013年]]の[[天皇賞(秋)]]、[[2014年]]の[[ドバイターフ|ドバイデューティーフリー]]、[[安田記念]]
'''ジャスタウェイ'''(欧字名:{{Lang|en|Just a Way}}、[[2009年]][[3月8日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]][[種牡馬]]<ref name="JBIS" />。


2014年度[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング]]において日本調教馬として史上初めて同ランキング単独1位となり、「世界一」の競走馬となった。同年の[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング|ワールドベストレースホース]]、[[JRA賞最優秀4歳牡馬]]である。
ドバイデューティーフリーにおいて2着に6馬身以上の着差、(芝1,800 mでの同競走<ref>競走条件の変遷については[[ドバイターフ]]参照。</ref>として) 従来の記録を2秒以上も更新する1分45秒52のレコードタイムで圧勝し<ref name="netkeiba85642"/>、この結果によって[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング|国際クラシフィケイション]]において130ポンドの評価を受け、日本競馬史上初となる単独1位にランキングされた<ref name="netkeiba85984"/><ref group="注" name="rating"/>。2014年度の[[JRA賞最優秀4歳以上牡馬]]である。


== 馬名 ==
== 概要 ==
2009年に[[北海道]][[浦河町]]にて誕生、[[社台コーポレーション白老ファーム]]によって生産された父[[ハーツクライ]]の牡馬である。2010年の[[セレクトセール]]に上場し、アニメ脚本家である[[大和屋暁]]が馬主となり、大和屋が携わったアニメ『[[銀魂]]』の中に登場するアイテム名を授けられた。[[中央競馬]](JRA)の[[栗東トレーニングセンター]]に所属する[[調教師]]の[[須貝尚介]]に管理されて2011年、2歳夏に競走馬としてデビューした。
[[競走馬#競走馬名|馬名]]の意味は英語で「その道」で、[[馬主]]であるアニメ脚本家・[[大和屋暁]]の代表作『[[銀魂 (アニメ)|銀魂]]』に登場する[[銀魂#アイテム|ジャスタウェイ]]に由来する<ref>*{{ウェブアーカイブ |deadlink=yes |title=ジャスタウェイのオーナー大和屋暁氏独占インタビュー |url=http://column.keibalab.jp/specialtalk/article/vol_18_1/ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210326031508/https://www.keibalab.jp/column/specialtalk/vol_18_1/ |archivedate=2021-05-26 |language=日本語|accessdate=2022-02-11}}</ref><ref group="注">但し、元ネタになった方(玩具に偽装した爆弾)の英語表記はJust Away(すぐ逃げろ)である。</ref>。


[[新馬戦]]優勝後、[[重賞]]で好走するも敗北が続いていたが翌2012年春の[[アーリントンカップ]](GIII)を優勝して2勝目を挙げ、重賞初勝利を果たした。しかしその後は重賞で好走するも勝ちきれず、今度は1年以上もの間勝利から遠ざかった。特に2013年夏の[[エプソムカップ]](GIII)から[[関屋記念]](GIII)、そして秋の[[毎日王冠]](GII)の3連戦はすべて2着だった。しかし続く[[天皇賞(秋)]](GI)にて[[中央競馬クラシック三冠|牝馬三冠]]の[[ジェンティルドンナ]]や[[東京優駿]](日本ダービー)優勝の[[エイシンフラッシュ]]などを下してGI初勝利並びに[[天皇賞]]戴冠を果たした。
大和屋は[[赤見千尋]]との対談で、「あまり洒落が利いてない感じ」という理由で主要キャラクターの名前を付けたくなかった代わりに、「一見カッコ良さげで、ちょっとアホくさいキャラクター」ということでこの名前を選んだことも明かしている<ref name="netkeiba25761">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=25761 |title= 東奈緒美・赤見千尋のおじゃ馬します!「ジャスタウェイ・大和屋暁オーナー(1)『狂喜乱舞の天皇賞・秋』」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。


翌2014年の[[中山記念]](GII)で重賞3勝目を挙げ、3月には[[ドバイ]]遠征を敢行。参戦した[[ドバイデューティフリー]](GⅠ)にて南アフリカの無敗馬ウェルキンゲトリクスなど2着以下に6馬身以上の差をつけて優勝。この圧勝劇は、この年の「[[ワールドベストレースホースランキング]]」で最高の評価を得るに至った。さらには帰国初戦となった6月の[[安田記念]](GI)では[[グランプリボス]]との接戦を制しGI級競走3勝目を挙げた。その後は実績のない長距離GIに挑戦、フランスの[[凱旋門賞]](GⅠ)や[[ジャパンカップ]](GI)、[[有馬記念]](GI)に出走し、このうちジャパンカップや有馬記念では上位に食い込んだ。有馬記念を最後に引退。日本とドバイ、フランスの三か国で出走し22戦6勝、約9億円の賞金を獲得した。
== 経歴 ==
=== デビュー前 ===
2009年3月8日に[[北海道]]の[[浦河町]]で誕生<ref name="JBIS"/>。生産者の名義は[[白老ファーム]]である<ref name="JBIS"/>。


引退後は[[種牡馬]]となり、重賞優勝産駒を輩出。2020年[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)を優勝し同年の[[JRA賞最優秀2歳牡馬]]となった[[ダノンザキッド]](母父:[[ダンシリ]])や2021年[[JBCレディスクラシック]](JpnI)を優勝した[[テオレーマ]](母父:[[シーザスターズ]])、さらには2019年の[[中央競馬クラシック三冠|クラシック三冠]]すべてで善戦した[[ヴェロックス]](母父:[[モンズーン]])などの父として知られる。
翌年(2010年)の[[セレクトセール]]1歳に上場され<ref>{{Cite news|url= https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_62697 |title=重賞ウイナーレポート アーリントンC G3|publisher=競走馬のふるさと案内所|date=2012-02-25|accessdate=2019-12-11}}</ref>、大和屋が1,260万円(消費税込<ref group="注">税率5%</ref>)で落札して購入した。なお、大和屋が以前ジャスタウェイの父である[[ハーツクライ]]の[[一口馬主]]<ref group="注">ハーツクライは一口クラブの[[社台レースホース]]所有馬である。</ref>だった縁もあり、所有する馬は全てハーツクライ産駒である<ref>[http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210295.html 大和屋オーナー「頭真っ白」/天皇賞] - 2013年10月28日「日刊スポーツ」</ref>。大和屋は2009年のセレクトセールでもハーツクライの初年度産駒を競り落としているが、この産駒はデビュー前に亡くなっており、「2年目の世代をカタログ順で、牡馬でも牝馬でも買えるものなら」の意気込みでハーツクライ産駒が出場するたびに順番に手を挙げ、シビルの子を競合相手もなく難なく落札したものであった<ref name="netkeiba25918">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=25918 |title= 東奈緒美・赤見千尋のおじゃ馬します!「ジャスタウェイ・大和屋暁オーナー(3)『恐怖!セレクトセールのプレッシャー』」|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>{{#tag:ref|ただ、大和屋の本当の狙い目はカタログの最後に出場したハーツクライ産駒であるサビアーレの子であったが、サビアーレの子は3900万円(税抜)で備前島敏子が落札<ref name="netkeiba25918"/>。大和屋は「俺、見る目ねぇな」と苦笑いするしかなかったという<ref name="netkeiba25918"/>。サビアーレの子は、のちに[[カポーティスター]]の名前で競走馬となり、2013年の[[日経新春杯]]を制することとなる<ref name="jbis0001106478">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0001106478/ |title=カポーティスター|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-05}}</ref>。|group="注"}}。


== デビューまで ==
落札したシビルの子は脚が外向気味であった<ref name="netkeiba25918"/>。大和屋はこのことを知らなかったが、[[社台スタリオンステーション]]の関係者に「ハーツクライの一口さんだったんですね。それならこの外向も問題ないですね」と聞かれると、「もちろんです」と了承している<ref name="netkeiba25918"/>。


=== 2歳(2011年) ===
=== 誕生までの経緯 ===
[[7月23日]]、[[新潟競馬場]]の芝1600mの[[新馬|新馬戦]]で[[福永祐一]]を鞍上にデビュー。福永曰く、デビュー前はゲート練習をメインに調教が積まれていたせいで体の動きが少し硬かったというが、その甲斐があってスタートも速く、上がり33秒3の脚を使って2着ラパージュに5馬身差をつけ勝利を飾った<ref name="netkeiba57404">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=57404 |title= 5馬身差の圧勝劇、ジャスタウェイ/新馬戦|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba58162">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58162 |title= ジャスタウェイ、重賞タイトル奪取に意欲/新潟2歳S|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。大和屋にとっても、この勝利は個人馬主としての初出走・初勝利であった<ref name="netkeiba57404"/>。続く[[新潟2歳ステークス]]は単勝オッズ1.7倍の支持を集めて1番人気に推されるも<ref name="sportiva-1.7">[https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/keiba/keiba/2014/12/24/post_323/ 【競馬】有馬でラストラン。ジャスタウェイが伝説になる(1/3)][https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/keiba/keiba/2014/12/24/post_323/index_2.php (2/3)][https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/keiba/keiba/2014/12/24/post_323/index_3.php (3/3)] - Sportiva Web 2014年12月24日閲覧。</ref>、先に抜け出したモンストールをとらえることができず、4分3馬身差の2着に惜敗した<ref name="netkeiba58289">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58289 |title= モンストール、極上の瞬発力で快勝/新潟2歳S|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。3走目の[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]は不良馬場ということもあり差し切れず、[[ディープブリランテ]]の4着に敗れた<ref name="netkeiba59937">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=59937 |title= ディープブリランテ、圧勝で重賞V/東京スポーツ杯2歳S|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba61531">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61531 |title= ジャスタウェイ、リフレッシュ効果強調/きさらぎ賞|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。レース後、不良馬場を走ったことを考慮され[[ノーザンファームしがらき]]にリフレッシュ放牧に出され、2歳戦を終えた<ref name="netkeiba61236">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61236 |title= ジャスタウェイ、ゴールドシップ次走報/栗東トレセンニュース|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。


=== 3歳(2012年) ===
==== シビル ====
シビル(ジャスタウェイの母)は、1999年に白老ファームで生産された牝馬([[持込馬]])である。父[[ワイルドアゲイン]]、母
1月12日に栗東に帰厩後<ref name="netkeiba61236"/>、3歳初戦として2月5日の[[きさらぎ賞]]に出走するも、[[ワールドエース]]の4着<ref name="netkeiba61663">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61663 |title= ワールドエース小牧騎手の手綱で重賞制覇/きさらぎ賞|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。続く[[アーリントンカップ]]は良馬場発表ながらも降雨で重め馬場となったが、後方追走から最後は大外を回り、先に抜け出していたオリービンを差しきって重賞初制覇を果たした<ref name="netkeiba62126">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=62126 |title= “爆弾”ジャスタウェイ大外一気で重賞V/アーリントンC|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。大和屋も個人馬主としての重賞初勝利であり、本馬の名前の由来となった銀魂の「ジャスタウェイ」グッズを手に興奮していたという<ref name="netkeiba62126"/>。また、このアーリントンカップの前後からあくまでも酒の席での話としてではあるものの、[[ドバイワールドカップミーティング]]への遠征が早くも語られるようになった<ref name="netkeiba25918"/>。
{{仮リンク|シャロン (競走馬)|en|Charon (horse)|label=シャロン}}。母であるシャロンはアメリカで競走馬としてデビューし、1990年の[[コーチングクラブアメリカンオークス]](G1)等重賞5勝を挙げた。半兄妹には日本に輸入されて[[外国産馬]]として中央競馬で活躍した[[トーヨーレインボー]]やエターナルビートがいる<ref name="優駿-2012-4-115">『優駿』2012年4月号 115頁</ref>。引退後のシャロンはアメリカで繁殖牝馬として繋養されたのち、1998年に日本に輸入され、北海道白老町の[[白老ファーム]]に繋養された<ref name="優駿-2013-12-105">『優駿』2013年12月号 105頁</ref>。第1回[[ブリーダーズカップクラシック]]を制した種牡馬ワイルドアゲインとの仔を受胎した状態での輸入であり、そうして生まれたのがシビルである<ref name="優駿-2012-4-115" />。


シビルは2002年に[[栗東トレーニングセンター]]の[[宮徹]]厩舎から競走馬となったが、5戦して未勝利のまま引退。引退後は白老ファームで繁殖牝馬となる。初年度となる2005年は生後直死に見舞われたが、翌2006年に初仔となる牝馬(父:[[サクラバクシンオー]])を出産。初仔は2006年の[[セレクトセール]]にて1050万円で取引されて「スカイノダン」という名で競走馬となり、スプリント戦線で活躍。2010年の[[北九州記念]](GIII)では[[メリッサ (競走馬)|メリッサ]]に半馬身差の2着となり、続く[[セントウルステークス]](GII)では1番人気を背負ったこともあった(6着)<ref name="優駿-2012-4-115" /> <ref>{{Cite web|和書|publisher=競馬ラボ|url=https://www.keibalab.jp/topics/5412/|title=【セントウルS】ダッシャーゴーゴーが重賞初制覇!香港馬は2着|accessdate=2023-10-22}}</ref>。
春3走目は[[ニュージーランドトロフィー]]を予定し登録されたが、直前にナイラ{{#tag:ref|馬の[[腺疫]]を指す<ref>{{Cite web |url=https://jlia.lin.gr.jp/eiseis/pdf/uma/strangles.pdf |title=腺疫(第3版) |publisher=財団法人 中央畜産会 |format=PDF |page=02 |date=2011-11 |accessdate=2022-10-19}}</ref>。|group="注"}}を患い、症状自体は軽かったものの先を見据えて回避<ref name="netkeiba62295">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=62995 |title=【NZT】(中山)~ジャスタウェイら、23頭が登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba63874">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=63874 |title=ジャスタウェイ好調、回避の影響なし/NHKマイルC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。[[東京競馬場]]で行われる[[NHKマイルカップ]]、[[東京優駿|日本ダービー]]の変則二冠制覇を目指したが<ref name="netkeiba63908">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=63908 |title=ジャスタウェイ、マイルC後はダービー参戦/NHKマイルC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、NHKマイルカップは[[カレンブラックヒル]]の6着<ref name="netkeiba64059">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=64059 |title=【NHKマイルC】(東京)~カレンブラックヒルが逃げ切りでGI初制覇を飾る |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、日本ダービーはディープブリランテの11着に敗れた。


シビルは続いて父[[フジキセキ]]の2番仔、父[[スペシャルウィーク]]の3番仔を産み落とし、2008年にハーツクライと交配して受胎し、翌2009年に後のジャスタウェイである4番仔を産み落とした。翌2010年には[[ゴールドアリュール]]との交配で出来た5番仔も出産したが、ジャスタウェイの活躍を見る事なく同年に結腸捻転で急死<ref name="優駿-2013-12-105" /><ref name="デイリー-白老">{{Cite web|和書|url=http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/0006452221.shtml |title=【天皇賞】白老F角田氏、勝ち方に仰天 |access-date=2023-8-16 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131029083118/http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/0006452221.shtml |archive-date=2013-10-29}}</ref>。ジャスタウェイが大成した頃には現役及びデビュー前の弟妹は存在しなかった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210297.html |title=社台SS角田氏「ワイルドの血」/天皇賞 |access-date=2023-8-16 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131031060044/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210297.html |archive-date=2013-10-31}}</ref><ref name="デイリー-白老" />。
秋は[[菊花賞]]へは向かわず、古馬との直接対決となる中距離路線へ向かった。秋初戦の[[毎日王冠]]は12番人気に甘んじたものの、逃げたカレンブラックヒルに首差まで迫って2着<ref name="netkeiba68599">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=68599 |title=【毎日王冠(GII)】(東京)~カレンブラックヒル 古馬を撃破し無傷の5連勝 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。続く[[天皇賞(秋)]]は、先行するも[[エイシンフラッシュ]]の6着に敗れた<ref name="netkeiba69314">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69314 |title=【天皇賞】(東京)~ダービー馬エイシンフラッシュが復活V |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。天皇賞の後[[香港国際競走]]に[[香港マイル]]を第一希望、[[香港カップ]]を第二希望として登録したが回避し<ref name="netkeiba69183">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69183 |title=【香港マイル】日本からの登録馬~ストロングリターンなど24頭 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba69184">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69184 |title=【香港カップ】日本からの登録馬~ルーラーシップなど18頭 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、12月の[[チャレンジカップ (中央競馬)|朝日チャレンジカップ]]に出走を予定したが熱発で回避<ref name="netkeiba70617">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=70617 |title=ジャスタウェイ、熱発で朝日CCを回避 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。世代のレベルの高さを垣間見せつつも<ref name="netkeiba70551">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=70551 |title=ジャスタウェイ成長一途、前走は収穫あり/朝日チャレンジC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、秋2戦を未勝利として3歳戦を終えることとなった。

==== ハーツクライ ====
{{Main|ハーツクライ}}
[[ファイル:Heart's Cry 20051225P01.jpg|サムネイル|237x237ピクセル|[[ハーツクライ]]]]
[[ハーツクライ]](ジャスタウェイの父)は、2001年に北海道[[千歳市]]の[[社台ファーム]]で生産された。父[[サンデーサイレンス]]、母アイリッシュダンス、母父[[トニービン]]。[[社台レースホース]]所有のもとで走り、2005年の有馬記念で[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]を破って優勝<ref>『優駿』2018年7月号 81-84頁</ref>。2006年の[[ドバイシーマクラシック]]で優勝するなど<ref>『優駿』2006年5月号 96頁</ref><ref>『優駿』2014年6月号 86頁</ref>、生涯19戦5勝を挙げた<ref>{{Cite web|和書|url=https://db.netkeiba.com/horse/2001103038/ |author= |title=ハーツクライ (Heart's Cry)|競走馬データ - netkeiba.com |publisher=netkeiba.com |date= |accessdate=2024-01-30 |language=ja}}</ref>。2007年より北海道[[安平町]]の[[社台スタリオンステーション]]で種牡馬として供用された。ジャスタウェイは供用2年目となる2009年度産の産駒にあたる。

=== 幼駒時代 ===
==== 牧場時代 ====
2009年3月8日、北海道浦河町にてハーツクライの2年目産駒でシビルの4番仔となる鹿毛の牡馬(後のジャスタウェイ)が誕生する。生産者名義は白老町の[[社台コーポレーション白老ファーム]]。白老で離乳までの初期育成を、早来ファームで中期育成<ref name="ふるさと-ドバイDF">{{Cite web|和書|title=重賞ウイナーレポート特別編~ジャスタウェイ・ドバイデューティフリー(G1) |url=https://uma-furusato.com/news/76807.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-27}}</ref>、ノーザンファーム空港牧場で後期育成された<ref name="ふるさと-ダノンザ">{{Cite web|和書|title=2020年11月23日 東スポ杯2歳S GIII|url=https://uma-furusato.com/winner_info/104192.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-27}}</ref>。早来ファームの育成主任は「多くのハーツクライ産駒がそうであるように、この馬もトニービンの特徴がよく表現された馬でした」と回顧し、独特の柔らかさがあるゆえに晩成型であると捉えていた<ref name="ふるさと-ドバイDF" />。

==== 馬主 ====
[[ファイル:Akatsuki Yamatoya IMG 9047 20150104.JPG|サムネイル|271x271ピクセル|[[大和屋暁]]]]
馬主の大和屋暁は、主にアニメーションを中心に活躍している脚本家である。[[一口馬主]]として[[社台サラブレッドクラブ]]に入会し、2頭目の出資馬がハーツクライだった<ref name="大和屋-2425">『ジャスタウェイな本』24-25頁</ref>。ドバイシーマクラシックでは現地で勝利を見届けて表彰式にも参加し<ref name="優駿-2015-2-8486">『優駿』2015年2月号 84-86頁</ref>、続くイギリスにも応援に出向いていた<ref name="優駿-2015-3-160161" />。ハーツクライは[[喘鳴症]]により突然の引退を余儀なくされたが、引退後に行われたパーティーの壇上に立った大和屋は馬主になりハーツクライの仔で無念を晴らすことを公に宣言。それからまもなく社台レースホースの後押しを受けて馬主登録を申請し、受理された<ref name="大和屋-2425" />。

続いてハーツクライの仔の所有を目指した。競馬サークルに伝手のない大和屋はハーツクライ引退直後の2007年からセレクトセールに参加していたが初年度は金銭感覚の違いに怖気づいて入札すらできず、翌2008年は入札こそできたが落札には至らなかった<ref>『ジャスタウェイな本』96-97頁</ref>。ハーツクライの初年度産駒が登場した2009年、大和屋はハーツクライの初年度産駒すべてにとりあえず入札する戦法を取り<ref>『ジャスタウェイな本』98頁</ref>、1700万円でハーツクライ産駒「シアトルデライターの2008」を落札したが、同馬は翌2010年1月に心臓発作で死亡した<ref name="大和屋-100102">『ジャスタウェイな本』100-102頁</ref>。

しかし大和屋は挫けず、同年にも再び参戦して「シビルの4番仔」と巡り会った。この年は最低落札価格が2000万円以下のハーツクライ産駒に片っ端から入札しており、「シビルの4番仔」も最低落札価格の1000万円から入札。価格はそれほど高騰せず、1200万円で大和屋が落札した。このとき大和屋は外向という懸念要素を全く見落としたまま落札してしまっていた<ref name="大和屋-100102" />。

落札直後に大和屋は、生産者である白老ファーム統括の角田修也に挨拶に赴いた。その際に角田から「知っている調教師はいるんですか」と問われた大和屋は「いません、紹介してください」と答えた。そのとき栗東の調教師である[[須貝尚介]]が通りがかったのに気が付いた角田は須貝に連絡し、大和屋を紹介した<ref name="優駿-2015-2-8486" />。「シビルの4番仔」は須貝の管理馬となり<ref name="大和屋-100102" />、大和屋の2番目に所有した馬で、最初にデビューする競走馬となった。

最初の競走馬に対し大和屋は「'''ジャスタウェイ'''」という競走馬名を与えた。綴りは「Just a Way」で意味は「その道」で申請したが、実際には自身が脚本を務めたアニメ『[[銀魂 (アニメ)|銀魂]]』のキャラクター「[[銀魂#アイテム|'''ジャスタウェイ''']]」に絡ませた命名だった。

== 競走馬時代 ==
=== 2-3歳(2011-12年) ===
7月23日、[[新潟競馬場]]の[[新馬戦]](芝1600メートル)でデビュー。直前にはゲート練習に注力していたため体の動きが硬く<ref name="スポニチ-新馬">{{Cite web|和書|title=【新潟新馬戦】ジャスタウェイ5馬身差の完勝!|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/07/24/kiji/K20110724001268250.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>、坂路調教でも動いていなかったため当日は16頭中4番人気に<ref name="優駿-2011-9-91">『優駿』2011年9月号 91頁</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【新潟5R新馬戦】ジャスタウェイ 5馬身差完勝デビュー!|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/07/23/kiji/K20110723001266230.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。スタートから先行して好位を追走、スローペースとなる中我慢しきれずに進出して直線半ばで抜け出すと先頭を奪取してからは突き放す一方となり、独走して決勝線に到達<ref name="優駿-2011-9-91" />。33.3秒の上がりを見せて後方に5馬身差をつける大勝で初出走初勝利、大和屋もまた馬主として初出走初勝利を挙げた<ref name="スポニチ-新馬" /><ref name="ウマニティ-新潟2歳S">{{Cite web|和書|title=【新潟2歳S】新馬戦圧勝!ジャスタウェイ |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=17066 |website=競馬予想のウマニティ |date=2011-08-30 |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。横手礼一は「去年のオルフェーヴルに続いて、新潟競馬場からの大物登場かもしれない」と評価した<ref name="優駿-2011-9-91" />。

短期放牧を挟んだ後、同じ舞台で行われる9月4日の[[新潟2歳ステークス]](GIII)で重賞初参戦。ゲート中心の調教ながら優勝した新馬戦から更なる上積みが期待されていた<ref name="ウマニティ-新潟2歳S" />。18頭立てとなる中、単勝オッズ1.7倍の1番人気に。スタートから後方を追走し、馬場の外側に持ち出してから長い直線コースを使って追い上げる。前方で抜け出したモンストールにメンバー中最速の32.6秒の上がりで迫ったが32.7秒を繰り出したモンストールには届かず4分の3馬身差の2着で初敗北を喫した<ref>『優駿』2011年11月号 98頁</ref>。続く11月19日、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]](GIII)では、[[後藤浩輝]]が騎乗し[[ディープブリランテ]]、クラレントに次ぐ3番人気に。不良馬場が堪えて、ディープブリランテに千切られる4着だった<ref>『優駿』2012年1月号 114頁</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120201-OHT1T00249.htm |title=ジャスタウェイ先着、秋山も絶賛…きさらぎ賞追い切り |access-date=2023-8-23 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-date=2012-2-6 |archive-url=https://web.archive.org/web/20120206034229/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120201-OHT1T00249.htm}}</ref>。

この後は不良馬場を走ったことを考慮し、[[ノーザンファームしがらき]]で短期放牧<ref name="netkeiba-2012年初旬">{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイ、ゴールドシップ次走報/栗東トレセンニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61236 |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。脚がむくみ、[[蕁麻疹]]にもなっていた<ref name="優駿-2012-6-28">『優駿』2012年6月号 28頁</ref>。年をまたいで3歳、2012年1月に帰厩し<ref name="netkeiba-2012年初旬" />、2月5日の[[きさらぎ賞]](GIII)を叩きの一戦として始動<ref name="日刊-アーリントンC">{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20120223-907648.html |title=悪癖一掃しジャスタ好調/アーリントンC |access-date=2023-8-23 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-date=2012-2-24 |archive-url=https://web.archive.org/web/20120224090404/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20120223-907648.html}}</ref>。[[秋山真一郎]]と臨み、3番人気に推されていた。5番手で直線に向いてから右にもたれながら追い込むも、[[ワールドエース]]、ベールドインパクト、[[ヒストリカル]]に次ぐ4着だった<ref>『優駿』2012年4月号 104頁</ref><ref name="日刊-アーリントンC" />。このきさらぎ賞の後は、むくみや蕁麻疹は現れなかった<ref name="優駿-2012-6-28" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=kc4iaGfzYuQ&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 アーリントンカップ(GIII)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}叩き2戦目は2月25日鞍上が福永に戻って挑んだ[[アーリントンカップ]](GIII)だった。きさらぎ賞で見せた右にもたれる癖を解消させるために厩舎は舌を縛る対策を施して調教した<ref name="日刊-アーリントンC" />。前年の[[朝日杯フューチュリティステークス]]5着のダローネガとの対決となり、ダローネガに次ぐ2番人気に推される<ref name="優駿-2012-4-114">『優駿』2012年4月号 114頁</ref>。スタートから折り合いに専念した結果最後方追走となり<ref>{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120225-OHT1T00193.htm |title=ジャスタウェイ豪脚!全頭一気差し…アーリントンC |access-date=2023-8-23 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20120227174143/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120225-OHT1T00193.htm |archive-date=2012-2-27}}</ref>、12番手で直線に向いてからは大外に持ち出して追い込んだ。内側ではオリービンが抜け出してリードを築いていたが、ゴール寸前で一気に差し切り半馬身差をつけて重賞初勝利を挙げた<ref name="優駿-2012-4-114" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=Vu8JSvhpc_g&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 NHKマイルカップ(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]|video2=[https://www.youtube.com/watch?v=T1MakzUmpxU&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 東京優駿(日本ダービー)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}この後の目標は[[NHKマイルカップ]]、そして[[東京優駿]](日本ダービー)となった。その前にトライアル競走の[[ニュージーランドトロフィー]](GII)を使う予定だったが、直前に風邪をひいて回避し本番直行となった<ref>{{Cite web|和書|title=【NHKマイルC】仕上げ人の夢乗せるジャスタウェイ|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/05/04/kiji/K20120504003175650.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-23 |language=ja}}</ref>。G1初挑戦となる5月6日のNHKマイルカップ(GI)には福永と挑み4番人気だった。スタートから後方を追走して追い込むも、秋山が騎乗した1番人気[[カレンブラックヒル]]に逃げ切りを許す7位入線。[[岩田康誠]]騎乗6位入線のマウントシャスタが直線にて後藤騎乗の[[シゲルスダチ]]の進路を塞ぐ走行妨害をして失格となったため、繰り上がって6着となった<ref>『優駿』2012年7月号 100-101頁</ref>。この際落馬した後藤は頸椎骨折、頚髄不全損傷となり戦線離脱<ref>{{Cite web|和書|title=NHKマイルカップ落馬の後藤、けい椎骨折の疑い|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/05/08/kiji/K20120508003203280.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-23 |language=ja}}</ref>。続く5月27日の東京優駿(GI)は福永に1番人気に推されることになる有力馬ワールドエースがいたため後藤の起用を予定していたが、事故で乗れなくなったため秋山を再起用して参戦。15番人気で挑み、ディープブリランテに敗れる11着だった<ref>『優駿』2012年7月号 106頁</ref>。<br/>秋はクラシック最終戦の[[菊花賞]]ではなく古馬混合の中距離路線に進む。10月7日の[[毎日王冠]](GII)は東京優駿優勝の[[エイシンフラッシュ]]、[[安田記念]]優勝の[[ストロングリターン]]や[[リアルインパクト]]などGI優勝経験のある古馬が5頭参戦。さらにカレンブラックヒルとも再戦となった。ジャスタウェイとカレンブラックヒルの3歳馬2頭と古馬14頭というメンバーとなる中、[[柴田善臣]]が騎乗し単勝オッズ61.6倍の12番人気に。スタートから[[シルポート]]が逃げ、カレンブラックヒルが離れた3番手で先行する一方で中団馬群を追走。9番手で直線に向き、馬群を捌いて進出。先頭を奪ったカレンブラックヒルにメンバー中最速の上がりで詰め寄るとゴール寸前で並びかけ、ほとんど同時に決勝線へ飛び込んだ。2頭しかいない3歳馬によるワンツーフィニッシュとなったが、カレンブラックヒルにはクビ差及ばなかった<ref>『優駿』2012年12月号 108頁</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【毎日王冠】ジャスタウェイ低評価覆す 最速上がりで首差2着|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/10/08/kiji/K20121008004281510.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-23 |language=ja}}<</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=o0EHY2vCPII&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}それでも2着で賞金を加算し、続いて10月28日の[[天皇賞(秋)]](GI)に[[内田博幸]]とともに8番人気で参戦。先行策に出たが、エイシンフラッシュに巻き返され6着だった<ref>『優駿』2012年12月号 104頁</ref>。この後は[[香港国際競走]]に登録するも断念、[[朝日チャレンジカップ]]を予定するも熱発して回避し、年内は出走しなかった<ref name="netkeiba70617">{{Cite web|和書|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=70617 |title=ジャスタウェイ、熱発で朝日CCを回避 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。


=== 4歳(2013年) ===
=== 4歳(2013年) ===
==== 連敗 ====
[[File:Just a Way 106th Kyoto Kinen IMG 1096-2 20130210.JPG|240px|thumb|2013年京都記念本馬場入場]]
前年秋は天皇賞(秋)などで惜敗し、陣営は翌年への手応えを得ていた。父ハーツクライが古馬となってから本格化した事から同様の成長が期待された。古馬となったこの年は、まずはGIII競走から仕切り直しを図ることとなった。この頃には虚弱体質も改善し、間隔を詰めてレースに出走することができるようになっていた。
4歳初戦にして、熱発明けからの仕切り直しのレースとなった[[中山金杯]]は1番人気に推されるも[[タッチミーノット]]の3着<ref name="netkeiba71465">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=71465 |title=【中山金杯(GIII)】(中山)~タッチミーノット 重賞初制覇 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。続く[[京都記念]]は再び1番人気に推されたものの伸びを欠き、[[トーセンラー]]の5着に敗れた<ref name="netkeiba72538">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=72538 |title= トーセンラー、武豊騎手を背に復活の差し切りV/京都記念 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。2番人気に支持された3走目の[[中日新聞杯]]も左前脚の落鉄の影響もあり<ref name="netkeiba73474">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73474 |title= ホエールキャプチャは阪神牝馬Sを視野に |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、追い込み不発で8着に敗れた<ref name="netkeiba73364">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73364 |title= サトノアポロが直線切れて差し切りV、重賞初制覇/中日新聞杯 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。5月19日の[[シンガポール航空インターナショナルカップ]]の一次登録も済ませたが<ref name="netkeiba73292">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73292 |title= 【シンガポール航空国際C】(5月19日、クランジ)~エイシンフラッシュなど14頭が1次登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>回避し短期放牧に出された<ref name="netkeiba73474"/><ref name="netkeiba76401">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=76041 |title= エプソムC・マーメイドS、重賞レース展望・見どころ |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。
このあと[[エプソムカップ]]は[[クラレント]]と鼻差の2着<ref name="netkeiba76190">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=76190 |title= 府中巧者クラレントが2番手追走から押し切りV/エプソムC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、夏競馬に参戦して[[関屋記念]]はスタートが上手くなかったことが影響し[[レッドスパーダ]]の2着<ref name="netkeiba78088">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=78088 |title= 【関屋記念】(新潟)~古豪レッドスパーダが久々の重賞V |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、6番人気と人気を落とした毎日王冠はエイシンフラッシュの2着と<ref name="netkeiba79897">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=79897 |title= エイシンフラッシュが差し切り、天皇賞連覇に向け秋緒戦を制す!/毎日王冠 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、3戦連続続けて2着を重ねた。


まず年明けの[[中山金杯]](GIII)で始動。前年の毎日王冠で3着に下した7歳[[タッチミーノット]]との再戦となった。1番人気となったジャスタウェイは平均ペースの中団後方を追走し、直線では外から追い込み先行していた2番人気タッチミーノットを目指したが、タッチミーノットには押し切られさらにアドマイヤタイシにも粘られて届かず、3着止まりだった<ref>『優駿』2013年3月号 98頁</ref>。
そうした中、5番人気で迎えた天皇賞(秋)はスタートも良く、ハイペースの中後方からレースを進め、直線で1番人気の[[ジェンティルドンナ]]を差し切り、4馬身差の圧勝でGI初制覇を果たした<ref name="netkeiba80654">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80654 |title= ジャスタウェイ惜敗続きに終止符、鬱憤晴らす豪脚炸裂!/天皇賞・秋 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。鞍上の福永は初の天皇賞制覇で、且つ2組目の親子制覇も達成<ref group="注">実父・[[福永洋一]]は、[[第66回天皇賞]]を[[ヤマニンウエーブ]]で制している。</ref><ref group="注">1組目は、[[横山富雄]]([[メジロムサシ]](春)・[[メジロタイヨウ]](秋))・[[横山典弘]]([[サクラローレル]](春)・[[カンパニー (競走馬)|カンパニー]](秋))親子が成し遂げている。</ref>。父・ハーツクライにとっても初の産駒のGI制覇となった。また、2勝馬の優勝は[[グレード制]]導入後の古馬出走可のGI<ref group="注">多数の馬が賞金を稼ぐパターンになりにくい2歳馬限定や、トライアル競走で出走権を確保できる[[中央競馬クラシック三冠|クラシック]]では、1勝馬でもGI挑戦可能であるが、賞金額が重要視される古馬出走可のレースでは珍しいといえる。当馬の場合、それまでの時点で2着による賞金加算が5度あった(重賞競走であれば2着も賞金加算対象となる)ことも関係していると見られる。</ref>では2度目<ref group="注">1度目は、[[フサイチパンドラ]]が[[第31回エリザベス女王杯|エリザベス女王杯]]で達成。但し、1位で入線した[[カワカミプリンセス]]の降着による繰り上がりによるものであり、1位で入線しての達成は当馬が初である。</ref>、通算148回を数える天皇賞史上初の快挙となった。なお、2週間前の出走登録では収得賞金の兼ね合いで出走馬決定順20番目と除外対象となっていたが<ref name="netkeiba80211">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80211 |title= 【天皇賞(秋)】~ジェンティルドンナなど24頭が登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、登録馬のうちのトーセンラ―<ref name="netkeiba80488">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80488 |title= トーセンラーは天皇賞を回避してマイルCSへ |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、[[ダークシャドウ]]<ref name="netkeiba80516">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80516 |title= 外傷を負ったダークシャドウの回避が決定「今後については未定です」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、[[ルルーシュ (競走馬)|ルルーシュ]]<ref name="netkeiba80552">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80552 |title= アルゼンチン共和国杯へ向かうルルーシュに藤沢師「だいぶ気合が乗ってきた」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>の3頭に加え、事前段階で同厩舎の[[ゴールドシップ]]等の上位馬が回避するという好機を掴んで得た勝利だった<ref name="netkeiba25761"/><ref>[http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210296.html 須貝尚介師「ポロッ」と涙/天皇賞] - 2013年10月28日「日刊スポーツ」</ref>。天皇賞を勝利するまでのジャスタウェイについては関西の競馬専門誌記者によると「デビュー前から"馬体が緩い"{{#tag:ref| 「馬体が緩いというのは、競走馬としてしっかりすべきところがしっかりし切れていない、ということで、それが競馬の勝負どころで(詰めの甘さとなって)出るんです。でも、それを無理してなんとかしようとすると、すぐに疲れが出たり、別のどこかがおかしくなってしまう。走る馬にはよくあることで、それが解消されないまま、引退する馬も少なくありません。この時期のジャスタウェイは、まさにそういう状況でした<ref name="sportiva-1.7"/>」|group="注"}}」という弱点があったが、陣営の地道な努力によってこれが解消されると同時に次第に地力がついてきたと述べており、加えて前年の秋に毎日王冠→天皇賞(秋)というローテーションで、古馬の一線級と戦ってきて強い相手の中でもまれてきたことで、それが結果的に地力強化に繋がったと分析している<ref name="sportiva-1.7"/>。


続く2月10日の[[京都記念]](GII)では、[[天皇賞(春)]]優勝の[[ビートブラック]]を始め、[[産経大阪杯]]優勝の[[ショウナンマイティ]]、重賞善戦中の[[トーセンラー]]などとの対決となったがそれらを抑えて期待されて1番人気に支持された。スタートからビートブラックが逃げる中、先行策を選択<ref name="優駿-2013-4-108">『優駿』2013年4月号 108頁</ref>。
天皇賞終了後、大和屋はドバイミーティングへの遠征計画を公表した<ref name="netkeiba80697"/>。11月の[[ジャパンカップ]]には登録せず<ref name="netkeiba80697">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80697 |title= ジャスタウェイGI初V、大和屋オーナーはドバイ挑戦プランも/天皇賞・秋 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、また登録のあった香港国際競走も回避して[[有馬記念]]出走か休養の二択となったが<ref name="netkeiba80712">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80712 |title= ジャスタウェイの次走は香港遠征を見送り、有馬記念か休養のどちらか |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、最終的には疲れが出たため休養となって2013年のシーズンを終えることとなった<ref name="netkeiba81065">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=81065 |title= ジャスタウェイは疲れが出ていたため年内全休「ゆっくりさせたいと思います」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。
[[ファイル:Just a Way 106th Kyoto Kinen IMG 1096-2 20130210.JPG|サムネイル|251x251ピクセル|本馬場入場]]
好位を得て追走し最初のホームストレッチに差し掛かったが、この時に少し行きたがる仕草を見せていた<ref name="ウマニティ-京都記念">{{Cite web|和書|title=【京都記念】ジャスタウェイ、1番人気も5着 |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=28018 |website=競馬予想のウマニティ |date=2013-02-11 |access-date=2023-08-13 |language=ja}}</ref>。内田が宥めて好位を守ったが後方を進んでいたショウナンマイティが操縦利かず、途中で進出してビートブラックからハナを奪うと緩みないペースに。直線に差し掛かり後方勢は一斉にショウナンマイティを目指して追い込緑を図る。ジャスタウェイも同様に追い込むが序盤で消耗したために直線で失速。外から差し切ったトーセンラーが優勝、ジャスタウェイは5着だった<ref name="優駿-2013-4-108" /><ref name="ウマニティ-京都記念" />。

3月9日には[[中日新聞杯]](GIII)に[[ダリオ・バルジュー]]と参戦した。中山金杯2着のアドマイヤタイシとの再戦となり、アドマイヤタイシに次ぐ2番人気だった。スタートから中団後方を追走し10番手で直線に向いたが、末脚利かずに伸びを欠いた8着に敗れた<ref>『優駿』2013年5月号 96頁</ref>。古馬となってから着順は右肩下がりの3連敗。[[シンガポール航空インターナショナルカップ]]への一次登録などもしていたが、撤退して放牧となった。しかしこの放牧によって一変。急成長を果たすこととなった。後に榎本は、放牧から帰還し続いてエプソムカップを目指すジャスタウェイについて「この馬は放牧から帰ってくるたびに成長してきたけど、エプソムカップの時は本当に良くなっていた。もうGIに届くぐらいのレベルになったんじゃないかなと思った<ref name="優駿-2013-12-5153">『優駿』2013年12月号 51-53頁</ref>」と回顧している。

==== 連続2着敗退 ====
再起初戦は6月9日の[[エプソムカップ]](GIII)が選ばれた。傑出馬不在の混戦となる中、再戦となった[[サトノアポロ]]、[[ラジオNIKKEI賞]]優勝の同期[[ファイナルフォーム]]に次ぎ、[[安田記念]]を除外となって本レースへ出走してきた[[クラレント]]を上回る3番人気だった。8枠13番という外枠が割り当てられたジャスタウェイはスタートで出遅れを喫し、大逃げをする馬が現れたため縦に長い馬群の最後方の内側を追走する形となった。最終コーナーを11番手で迎えた鞍上の福永は外に持ち出してからでは間に合わないと判断し、そのまま内側に留まり直線に入ると馬場の最内から追い上げを図る。馬群をさばいて進路を確保し、離れた2番手から先に抜け出していたクラレントにゴール手前で追いつくとほとんど同時に決勝線に到達。しかしクラレントにはハナ差及ばず、連敗脱出はならなかった<ref>『優駿』2013年8月号 106頁</ref>。

続いて8月11日の[[サマーマイルシリーズ]]・[[関屋記念]](GIII)に参戦。同じようにマイルの重賞を優勝した[[ドナウブルー]]、[[レオアクティブ]]、[[レッドスパーダ]]が立ちはだかったが、単勝オッズ2.8倍の1番人気に推されていた。8枠16番からスタートしたが、再び出遅れを喫して最後方追走となる。15番手で迎えた直線では大外に持ち出してから進出。上がり3ハロンをメンバー中最速となる33.2秒の末脚で追い上げ、レオアクティブやドナウブルーと共に2番手追走から抜け出したレッドスパーダに迫るも届かず、3頭は並んだまま決勝線に到達。ジャスタウェイがハナ差で先着し2着となった<ref>『優駿』2013年10月号 104頁</ref>。

秋は前年と同様に毎日王冠に参戦。東京優駿並びに天皇賞(秋)優勝のエイシンフラッシュが参戦していたものの実力伯仲の混戦とみられ、出走11頭中7頭が一桁オッズとなった。ショウナンマイティや[[ダークシャドウ]]、クラレント、レッドスパーダ、3歳の[[コディーノ]]らが連ねる中、ジャスタウェイは5番人気だった。スタートからエイシンフラッシュに続く5番手を追走、緩んだペースだったが残り600メートルから早くなり、勝負は末脚比べとなった。クラレントとレッドスパーダが粘りこむ中、エイシンフラッシュとともに追い上げ先頭を奪ったが最後はエイシンフラッシュに突き放され半馬身差の2着敗退<ref>『優駿』2013年12月号 108頁</ref>。これで重賞3連続2着、高い能力がありながら惜敗を続ける姿は父ハーツクライを想起させ、岡本光男によれば「勝てそうで勝てない馬」、『優駿』によれば「惜敗キャラ」だった<ref name="優駿-2013-12-5153" /><ref name="優駿-2013-12-104">『優駿』2013年12月号 104頁</ref>。

==== 天皇賞(秋) ====
続いて陣営は前年同様に天皇賞(秋)への参戦を望んでいたが、1週間前の時点で出走登録をしていた馬はフルゲートの18頭を上回っていた。ジャスタウェイの出走優先順位は20番目であり出走は絶望的だったが<ref name="優駿-2013-12-104" />、直前になって出走優先順位上位の馬のうち4頭が回避するなど、登録馬が18頭未満になる幸運に恵まれて出走が実現することとなった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210296.html |title=須貝尚介師「ポロッ」と涙/天皇賞 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131031060027/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210296.html |archive-date=2013-10-31}}</ref>。前年から1年振りのGI出走となった10月27日の天皇賞(秋)は台風が接近していたため前々日の輸送となったが、問題なく現地へと到着した<ref name="デイリー-天皇賞秋-2">{{Cite web|和書|url=http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/1p_0006452217.shtml |title=【天皇賞】ジャスタ覚醒V福永GI連覇 |access-date=2023-8-17 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-date=2013-10-29 |archive-url=https://web.archive.org/web/20131029071239/http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/1p_0006452217.shtml}}</ref>。
[[ファイル:Gentildonna20120408(1).jpg|サムネイル|232x232ピクセル|[[ジェンティルドンナ]]]]
[[ファイル:Tokei Halo Naruo Kinen IMG 3768 20130601.JPG|サムネイル|231x231ピクセル|[[トウケイヘイロー]]]]

17頭立てとなる中、前年の牝馬三冠馬である[[ジェンティルドンナ]]や[[札幌記念]]や[[函館記念]]など[[サマー2000シリーズ]]優勝の[[トウケイヘイロー]]、毎日王冠優勝から臨む前年優勝のエイシンフラッシュ、3歳のコディーノらが立ちはだかった<ref name="優駿-2013-12-104" />。榎本は戦前、「勝てるとすれば馬場状態や枠順や展開など、すべてが嚙み合った時かな<ref name="優駿-2013-12-5153" />」と見立てていた。ディープインパクト産駒の牝馬三冠馬・ジェンティルドンナが1番人気に推される一方でジャスタウェイは単勝オッズ15.5倍の5番人気だった。前日は降雨により不良馬場だったが当日は晴れて馬場状態は回復し、良馬場での開催となった<ref name="優駿-2013-12-104" />。馬場が内側から乾いていく傾向にあったため、福永はその内側から抜け出す作戦を考えていた。直近のレースではスタートでの出遅れが敗因の一つであり、大一番での出遅れは致命傷になると考えていたために発走直前にゲートに入れ、落ち着いてもらおうと試みていた<ref name="日刊-天皇賞秋">{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210294.html |title=また福永 ジャスタがV/天皇賞 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131031052656/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210294.html |archive-date=2013-10-31}}</ref><ref name="報知-天皇賞秋">{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20131027-OHT1T00116.htm |title=【天皇賞・秋】ジャスタウェイ、覚醒!4馬身差V!福永、2週連続GI制覇 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131028032615/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20131027-OHT1T00116.htm |archive-date=2013-10-28}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=QXpEYdmBGDk&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]|video2=[https://www.youtube.com/watch?v=2BjNaISWYXI&ab_channel=%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AC%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E3%80%90%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%80%91 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画]}}スタートからトウケイヘイローが先行してハナを奪取、ジェンティルドンナも先行して直後の2番手に<ref name="優駿-2013-12-104" />。一方でジャスタウェイは五分のスタートから中団の外側に留まり、同じく中団にいたエイシンフラッシュを追走<ref name="デイリー-天皇賞秋-2" />。トウケイヘイローが前半の1000メートルを58.4秒のハイペースで通過する中、9番手で最終コーナーを通過し、直線で外に持ち出して追い上げを開始<ref name="優駿-2013-12-104" />。前方ではトウケイヘイローに代わってジェンティルドンナが先頭を奪取。押し切りを図るジェンティルドンナを目標に、福永に促されて鋭い末脚を繰り出した。一気に詰め寄ると並ぶ間もなく抜き去り残り200メートル手前で先頭を奪取、比較的乾いている内側に切れ込みながら勢い衰えることなく伸び続け、他馬を置き去りに<ref name="報知-天皇賞秋" /><ref name="日刊-天皇賞秋-2">{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20131027-1210022.html |title=ジャスタウェイ直線抜け出し優勝/天皇賞 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131030051021/http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20131027-1210022.html |archive-date=2013-10-30}}</ref>。最終的には2着ジェンティルドンナに4馬身、3着エイシンフラッシュに6馬身差をつける独走で勝利した<ref name="優駿-2013-12-104" />。
[[ファイル:Just-A-Way Tenno-Sho(Autumn) 2013(IMG1).jpg|サムネイル|266x266ピクセル|決勝線到達直後]]
天皇賞(秋)での決勝着差4馬身は1987年[[ニッポーテイオー]]の5馬身に次ぐものであり、良馬場開催では史上最大着差での優勝となった。1年8か月ぶりの勝利が古馬GIタイトルとなったが、2勝馬による天皇賞優勝は史上初であり、古馬G1全体でも2006年[[エリザベス女王杯]]優勝の[[フサイチパンドラ]]以来史上2例目の記録であった<ref name="優駿-2013-12-105" /><ref name="日刊-天皇賞秋-2" /><ref name="ブック-天皇賞秋-アラカルト">{{Cite web|和書|title=天皇賞秋アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/59121 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-14}}</ref>。またこれはハーツクライ産駒のJRAGI初勝利であり、父が2006年の有馬記念で三冠馬ディープインパクトを破ってG1を初めて勝利した際と同じように、ディープインパクト産駒の牝馬三冠馬ジェンティルドンナを破ってのGI初勝利となった<ref name="優駿-2013-12-105" />。大和屋は初めてデビューさせたハーツクライ産駒で望み通りGI優勝を果たした<ref>{{Cite web|和書|publisher=スポーツニッポン|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/10/28/kiji/K20131028006895420.html|title=【天皇賞・秋】ジャスタ馬主・大和屋氏「来年はドバイに」|accessdate=2023-10-22}}</ref>。
[[ファイル:Just-A-Way Tenno-Sho(Autumn) 2013(IMG3).jpg|サムネイル|243x243ピクセル|優勝馬服]]
福永は通算12回目の挑戦で天皇賞(秋)初優勝。前週に[[エピファネイア]]で制した菊花賞に続いて2週連続GI優勝を成し遂げた<ref name="ブック-天皇賞秋-アラカルト" />。菊花賞と天皇賞(秋)の連続優勝は1965年に菊花賞を[[ダイコーター]]、天皇賞(秋)を[[シンザン]]で制した[[栗田勝]]以来<ref name="報知-天皇賞秋" />。また福永の父である[[福永洋一]]は1972年に[[ヤマニンウェーブ]]で天皇賞(秋)を優勝していることから、[[横山富雄]]・典弘父子以来史上2組目となる父子天皇賞(秋)優勝となった<ref name="ブック-天皇賞秋-アラカルト" />。福永は「外へ出した時の反応がすごかった。あっという間に他馬を置き去りにして、あまりに早く先頭に立ったので、僕が戸惑ったくらい。ジェンティルドンナもあっという間に見えなくなった<ref name="優駿-2013-12-5153" />」と回顧している。

天皇賞を制したジャスタウェイの次なる目標は、翌年3月のドバイミーティングとなった。ジャパンカップや有馬記念へ出走する計画もあったが、疲労が著しいためにすべて回避。年内全休となった<ref name="優駿-2014-4-50">『優駿』2014年4月号 50頁</ref>。


=== 5歳(2014年) ===
=== 5歳(2014年) ===
==== 中山記念 ====
5歳を迎えて間もない2014年1月17日、須貝はドバイワールドカップミーティングへの遠征について[[中山記念]]をステップにすること、ドバイでは第一希望をドバイデューティーフリー(現在の[[ドバイターフ]])、第二希望を[[ドバイワールドカップ]]として登録することを明かす<ref name="netkeiba83351">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=83351 |title= 中山記念からドバイ挑戦のジャスタウェイ、須貝師「ワールドCとデューティフリーに登録します」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref><ref name="netkeiba83364">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=83364 |title= ドバイワールドカップデー、日本馬は57頭が予備登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。1か月後の2月17日招待状が届きこれを受諾、ドバイデューティーフリーへの挑戦が確定した<ref name="netkeiba84299">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=84299 |title= ドバイワールドカップデー、日本馬5頭が選出され招待を受諾 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。
目標とするドバイミーティングでは、芝1777メートルで行われる[[ドバイデューティフリー]](G1)への参戦を基本線に考えており、それに向けて1月29日に帰厩。前回の長期休養明けには夏から秋にかけて本格化したが、今回もさらに筋肉量が増えるなど成長していた<ref name="優駿-2014-4-50" />。年明け初戦はドバイ遠征の前哨戦として3月末の[[中山記念]](GII)に参戦。福永が騎乗停止処分を受けていた為、横山典弘が騎乗した。天皇賞(秋)で下したトウケイヘイローとの再戦となるほか、[[サダムパテック]]や[[ロゴタイプ (競走馬)|ロゴタイプ]]、[[アユサン]]などGI優勝馬4頭を含めた15頭が参戦。ジャスタウェイはトウケイヘイローに次ぐ2番人気だった<ref name="優駿-2014-5-8889">『優駿』2014年5月号 88-89頁</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=_qwvBnYeUbQ&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2014年 中山記念(GII)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}逃げ馬のトウケイヘイローが肝心のスタートで出遅れる一方でジャスタウェイは好発して先行策を敢行。馬場の最も内側の好位を追走する<ref name="優駿-2014-5-8889" />。出遅れたトウケイヘイローが無理な逃げで失速する一方、好位をスムーズに立ち回り、3番手で迎えた直線ではそのまま内側を突いて進出<ref>{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20140302-OHT1T00135.htm |title=【中山記念】ジャスタウェイ、突き抜けた3馬身半V!いざドバイ!! |access-date=2023-8-16 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140304001612/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20140302-OHT1T00135.htm |archive-date=2014-3-4}}</ref>。失速したトウケイヘイローをかわすと後続も突き放して独走態勢に。2着を争った[[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]]やロゴタイプ、[[マイネルラクリマ]]に3馬身半差をつけて決勝線に到達し、ドバイ遠征の前哨戦を連勝で制した。横山は1996年の[[サクラローレル]]、2008年及び2009年連覇の[[カンパニー (競走馬)|カンパニー]]に続く中山記念4勝目を挙げ、[[保田隆芳]]や[[増沢末夫]]、柴田善臣の最多タイ記録に並んだ<ref name="優駿-2014-5-8889" /><ref>{{Cite web|和書|title=中山記念アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/59805 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-16}}</ref>。なお横山には最後の直線でインコースの間隙を突いたことで過怠金1万円の処分が下っている<ref>{{Cite web|和書|url=http://daily.co.jp/horse/2014/03/03/0006748387.shtml |title=【中山記念】ジャスタVでドバイへ弾み |access-date=2023-8-16 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140303182126/http://daily.co.jp/horse/2014/03/03/0006748387.shtml |archive-date=2014-3-3}}</ref>。


==== ドバイデューティフリー ====
ドバイへの試金石として出走した中山記念は、騎乗予定であった福永の騎乗停止により鞍上に[[横山典弘]]を迎える<ref name="netkeiba84828">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=84828 |title= 貫禄勝ちのジャスタウェイ須貝師「世界の強豪相手に頑張りたい」/中山記念 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。1番人気トウケイヘイローに続く単勝オッズ5.3倍で2番人気に支持され<ref>{{Cite news|url= https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_76148 |title=重賞ウイナーレポート中山記念 G2|publisher=競走馬のふるさと案内所|date=2014-03-02|accessdate=2019-12-11}}</ref>、レースではそのトウケイヘイローが出遅れる中好位に取り付き、直線で内ラチ添いの僅かな隙間を突き抜け、[[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]]に3馬身半差をつけて快勝<ref name="netkeiba84828"/>。
==== 概況 ====
3月29日、アラブ首長国連邦ドバイの[[メイダン競馬場]]で行われるドバイデューティフリー(G1)には、日本調教馬3頭にGI級競走優勝馬7頭を含む13頭が出走した。外国調教馬で有力視されていたのは、デビュー以来無敗の6連時中の南アフリカ調教馬ウェルキンゲトリクスや、牝馬ながら[[アイリッシュチャンピオンステークス]]を優勝したイギリス調教馬の[[ザフューグ]]だった。イギリスのブックメーカー各社は自国のザフューグが出走しているにもかかわらず、ジャスタウェイの実力を認めて1番人気に設定していた<ref name="優駿-2015-2-14">『優駿』2015年2月号 14頁</ref><ref>『優駿』2014年4月号 57頁</ref>。参戦にあたり福永は、先行して逃げ馬の背後を得て直線で抜け出すプランAと、出遅れるなどした際に後方待機から追い込み末脚に賭けるプランBの2つの作戦を用意していた<ref name="優駿-2014-5-1415">『優駿』2014年5月号 14-15頁</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=yGQeYYrKccA&ab_channel=RacingDubai 2014年 ドバイデューティフリー(G1)<br />レース映像 レーシングドバイ公式YouTubeチャンネルによる動画]}}トウケイヘイローが好スタートから同じように逃げる一方で、ジャスタウェイは出遅れて後方2番手の外側を確保した。トウケイヘイローが1000メートルを59秒以下のややハイペースで通過するのを追走、やがてウェルキンゲトリクスの背後を得てマークする形に。最終コーナーを通過すると直線外から追い込みを開始。逃げ馬を捉えて先に抜け出そうとしていたウェルキンゲトリクスに驚異的な末脚で詰め寄ると残り300メートルで捉えて一気に差し切り、そのままの勢いで独走。最終的には2着ウェルキンゲトリクスに6馬身4分の1差、それ以下に約8馬身差をつけて決勝戦に到達した<ref name="優駿-2014-5-1415" />。


これでGI級競走2勝目、海外G1初優勝を果たした。日本調教馬のドバイデューティフリー優勝は2007年の[[アドマイヤムーン]]以来。また2006年ドバイシーマクラシックを優勝した父ハーツクライとともに、父仔でのドバイミーティング優勝を達成した<ref name="デイリー-ドバイDF">{{Cite web|和書|url=http://daily.co.jp/newsflash/horse/2014/03/30/0006821245.shtml |title=【ドバイDF】ジャスタウェイ圧勝! |access-date=2023-8-17 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140331004207/http://daily.co.jp/newsflash/horse/2014/03/30/0006821245.shtml |archive-date=2014-3-31}}</ref>。オーナーの大和屋は、人生の目標に定めていたドバイミーティング優勝を最初の所有馬で果たしたことになった<ref name="優駿-2015-2-8486" />。
3月21日にジェンティルドンナなどともに出国し<ref name="netkeiba85359">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85359 |title= ジェンティルドンナなど5頭がドバイへ |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>、迎えたドバイデューティーフリーはトウケイヘイローが逃げる中で後方3番手からの競馬となったが、直線を迎えて逃げたトウケイヘイローが後続に追いつかれたところに外目から差し脚を繰り出して一気に後続をちぎり捨て、2着のウェルキンゲトリクスに6馬身1/4の差をつけ、タイムも従来の記録を2秒以上も更新する1分45秒52のタイムで圧勝した<ref name="netkeiba85642">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85642 |title= ジャスタウェイがレコードタイムを大幅に更新して圧勝!/ドバイデューティフリー |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。この結果より、[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング|国際クラシフィケイション]]において130ポンドの評価を受け、日本競馬史上初となる単独1位にランキングされた<ref name="netkeiba85984">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85984 |title= ベストレースホースランキング、ジャスタウェイが日本初の世界単独トップに |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>{{#tag:ref|この数値は[[エルコンドルパサー]]が1999年に受けた134ポンドに次いで日本調教馬の歴代2位、内国産馬に限定すれば2013年の[[オルフェーヴル]]の129ポンドを抜いて歴代1位である<ref>{{Cite web|url= http://www.keibado.ne.jp/keibabook/140825/column.html |title=東西編集局リレーコラム 『JPNサラブレッドランキング歴代トップ10』 |work= 競馬ブック |publisher= 競馬ブック |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。|group="注"|name="rating"}}。レース後は[[キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス]]への遠征プランなども打ち出されたが、海外への輸送が続くことを嫌い、[[安田記念]]から[[宝塚記念]]へ転戦することとなった<ref name="netkeiba85779">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85779 |title= ジャスタウェイは安田記念から宝塚記念が有力、トウケイヘイローはシンガポールも視野に |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。また、同厩のゴールドシップや[[ハープスター]]などとともに[[凱旋門賞]]への登録を行なった<ref name="netkeiba87019">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87019 |title= 【凱旋門賞】(10月5日フランス)~日本から6頭が登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。


優勝着差6馬身4分の1の大勝だったうえに、走破タイム1分45秒52は従来のレコードを2秒41上回るコースレコードであった。この年の馬場は高速決着の傾向にありレコードが多発していたが、2秒以上短縮したのはジャスタウェイだけだった<ref name="優駿-2014-5-1415" />。福永は[[シーザリオ]]で優勝した2005年[[アメリカンオークス]]以来9年ぶり5度目の海外G1勝利<ref name="デイリー-ドバイDF" />。ウェルキンゲトリクスの[[クリストフ・スミヨン]]は最終コーナーで勝利を確信していたが「日本の馬が矢のように駆け抜けていった。言葉がないです」と回顧している。また福永は引き揚げて来て一言「これで'''世界ランキング1位'''でしょう」と話していた<ref name="優駿-2015-2-26">『優駿』2015年2月号 26頁</ref>。大和屋が持参した2つのジャスタウェイに関する面白い逸話もある<ref>{{Cite web |title=金のジャスタウェイをドバイへ持参 |url=https://www.keibalab.jp/column/specialtalk/vol_24_2/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2024-08-15 |language=ja}}</ref>。
[[File:Just-A-Way Yasuda-Kinen 2014(IMG2).jpg|240px|thumb|2014年安田記念]]

安田記念では、騎乗予定であった福永の騎乗停止により鞍上に4歳時の毎日王冠以来の騎乗となる[[柴田善臣]]を迎えた<ref name="netkeiba87613">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87613 |title= ジャスタウェイ、安田記念の鞍上は柴田善臣騎手に |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。不良馬場で行われたレースでは、直線先に抜けだした[[グランプリボス]]とのたたき合いをゴール前でしぶとく差し切って3度目のGIを制した<ref name="netkeiba87796">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87796 |title= ジャスタウェイが差し切り、宝塚記念は「馬の様子を見てから」/安田記念 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。須貝は安田記念初勝利<ref>{{Cite web|url= https://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKA0179_Y4A600C1000000/ |title= 安田記念、ジャスタウェイV 重賞4連勝 |publisher=日本経済新聞|website=r.nikkei.com|date=2014-06-08|accessdate=2019-12-05}}</ref>、柴田にとっては1993年の[[ヤマニンゼファー]]以来となる安田記念優勝となり<ref>{{Cite web|url= http://race.sanspo.com/smp/keiba/news/20140608/ope14060815560007-s.html |title= 【安田記念】ジャスタウェイ世界一の力示すV! |publisher=サンスポZBAT!|website=race.sanspo.com|date=2014-06-08|accessdate=2019-12-05}}</ref>、柴田は「何度かこの馬場に脚を取られて、もう諦めても仕方ないくらいにバランスを崩したところもあった。でも、ジャスタウェイは諦めないで最後まで前の馬を抜かしてやろうという気持ちで走っていた。さすが、世界一の馬だなと思いましたね」とコメント<ref name="sportsnavi">[https://sports.yahoo.co.jp/m/column/detail/201406080008-spnavi 9cmVに見たジャスタウェイ世界一の凄み 凱旋門賞が射程に入る大きな一歩に(1/2)][https://sports.yahoo.co.jp/m/column/detail/201406080008-spnavi?p=2&from=other (2/2)]スポーツナビ 2014年6月8日閲覧。</ref>。須貝も残り100メートルを切った時もグランプリボスが先頭だったため「最後は間に合わないんじゃないかと思いましたね」 とのことだが、どんな馬場であれ負けるわけにはいかなかった、とし「ジャスタウェイは凄いなと思いました。それも内から差したわけですから。褒めてあげたいです」 とコメントした<ref name="sportsnavi"/>。
===== 世界ランキング1位 =====
この独走劇は、レーティング的にも高い評価を受けた。着差6馬身以上でウェルキンゲトリクスを制したことから'''「130」ポンド'''を獲得。このレーティングは、[[国際競馬統括機関連盟]](IFHA)が発表する「[[ロンジンワールドベストレースホースランキング]]」のこの年1月1日から4月7日までの四半期発表では単独での'''「世界ランキング1位」'''となった<ref name="優駿-2014-5-154">『優駿』2014年5月号 154頁</ref>。「130」という評価は前年の有馬記念で[[オルフェーヴル]]に与えられた「129」を上回り<ref>『優駿』2015年2月号 17頁</ref><ref name="優駿-2014-5-154" />、セックスアローワンスを考慮しなければ前年首位の[[ブラックキャビア]]や[[トレヴ]]と同じ数値<ref name="優駿-2014-5-154" />、日本調教馬としては1999年の[[エルコンドルパサー]]の「134」に次いで史上2番目に高い数値だった<ref>{{Cite web|和書|title=IFHAワールドランキング、ジャスタウェイが単独首位に |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/60081 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-18}}</ref>。またIFHAによる日本調教馬の「世界ランキング1位」は2006年7月に前身である「ワールドリーディングホース」中間発表で「125」を与えられて1位タイとなったディープインパクト以来であり、単独1位は日本調教馬史上初の快挙であった<ref name="優駿-2014-5-154" />。
{| class="wikitable" style="float:right; font-size:smaller; text-align:center; margin:10px"
|+2014年度ロンジンワールドベストレースホースランキング<ref name="優駿-2015-3-160161" />
!
!<small>RATE</small>
!<small>(調教国)馬</small>
!<small>馬場</small>
!<small>距離</small>
!<small>レース</small>
!<small>着順</small>
|-
!<small>1</small>
|'''<small>130</small>'''
|<small>{{Flagicon|JPN}}'''ジャスタウェイ'''</small>
|'''<small>芝</small>'''
|'''<small>M</small>'''
|'''<small>ドバイデューティフリー</small>'''
|'''<small>{{Color|darkred|1着}}</small>'''
|-
!<small>2</small>
|<small>129</small>
|<small>{{Flagicon|JPN}}[[エピファネイア]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>L</small>
|<small>[[ジャパンカップ]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
! rowspan="6" |<small>3</small>
| rowspan="6" |<small>127</small>
|<small>{{Flagicon|HK}}[[エイブルフレンド]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>M</small>
|<small>[[香港マイル]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
| rowspan="2" |<small>{{Flagicon|IRE}}[[オーストラリア (競走馬)|オーストラリア]]</small>
| rowspan="2" |<small>芝</small>
| rowspan="2" |<small>I</small>
|[[インターナショナルステークス|<small>インターナショナルS</small>]]
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
|[[アイリッシュチャンピオンステークス|<small>愛チャンピオンS</small>]]
|<small>{{Color|darkblue|2着}}</small>
|-
|<small>{{Flagicon|GB}}[[キングマン (2011年生の競走馬)|キングマン]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>M</small>
|<small>[[セントジェームズパレスステークス|セントジェームズパレスS]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
|<small>{{Flagicon|GB}}[[ザグレーギャツビー]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>I</small>
|[[アイリッシュチャンピオンステークス|<small>愛チャンピオンS</small>]]
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
|<small>{{Flagicon|UAE}}[[バラエティクラブ]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>M</small>
|<small>[[チャンピオンズマイル]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|}
この後世界各国でレースが続々行われ「ロンジンワールドベストレースホースランキング」は更新されていったが、ジャスタウェイの「130」ポンドを上回る馬は現れず単独での「世界ランキング1位」が確定する<ref name="優駿-2017-4-77" />。1977年に[[イギリス]]と[[アイルランド]]、[[フランス]]で始まった「ヨーロピアンクラシフィケーション」でレーティングによるランキングを作る試みが始まって以来、日本は初めは対象外にされており、対象となってからも上位にはたやすく認められなかった。しばらくして1996年ジャパンカップで2着となった[[ファビラスラフイン]]が同年度3歳部門で28位にランクイン<ref name="優駿-2015-2-14" />。それからディープインパクトの2006年度4位、オルフェーヴルの2013年度3位などを経た2014年度、ジャスタウェイが首位に登り詰めて日本調教馬史上初の快挙を成し遂げた<ref>{{Cite web|和書|url=http://daily.co.jp/horse/2015/01/21/0007675491.shtml?pg=2 |title=史上初!世界年間ランクでジャスタ1位 |access-date=2023-8-19 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20150121181813/http://daily.co.jp/horse/2015/01/21/0007675491.shtml?pg=2 |archive-date=2015-1-21}}</ref>。またこの年にはジャパンカップで「129」のレーティングを与えられたエピファネイアとともに日本調教馬によるワンツーフィニッシュを果たし、ともにこの年の「ロンジンワールドベストレースホース」として表彰されている。翌2015年1月20日、ロンドンの{{仮リンク|クラリッジスホテル|en|Claridge's}}で行われた表彰式で、大和屋はこのようにスピーチしている<ref name="優駿-2015-3-160161" />。{{Quotation|全世界のハンデキャッパーの方々に感謝しています。前回イギリスに来たのはハーツクライがキングジョージに出走した際で、その時は残念だったのですが、今回このような賞をいただき、ロンドンが好きになりました。|大和屋暁<ref name="優駿-2015-3-160161" />}}こうして世界一となったジャスタウェイには、ドバイデューティフリーの直後からイギリスの[[アスコット競馬場]]での[[プリンスオブウェールズステークス (イギリス)|プリンスオブウェールズステークス]]、[[ヨーク競馬場]]での[[インターナショナルステークス]]、オーストラリアの[[ムーニーヴァレー競馬場]]での[[コックスプレート]]等各国からレースへの出走オファーが寄せられた。しかし、陣営はいずれも選択することはなかった<ref name="優駿-2015-2-18">『優駿』2015年2月号 18頁</ref>。

一方、イギリスの[[タイムフォーム]]誌は国際競馬統括機関連盟のものと大きく異なる世界ランキングを作成し、ジャスタウェイに対して131ポンドの年間レーティングを与えている{{Sfn|Timeform|2015|p=527}}。これは[[キングマン (2011年生の競走馬)|キングマン]]を134ポンドで2014年世界一とし、[[オーストラリア (競走馬)|オーストラリア]]、エピファネイア、[[ランカンルピー]](132)に続き、[[パレスマリス]]、[[バラエティクラブ]](131)と並ぶ同5位に本馬を格付けしたものである<ref>『優駿』2015年3月号 163頁</ref>。同誌は公式レーティングについて、ジャスタウェイが「明らかに同馬より優れた近年の日本調教馬達」を凌駕したものと批判し、同年鑑の海外競馬欄に日本が含められた1997年以後の同国ではエルコンドルパサー(136)、ディープインパクト(134)、[[ロードカナロア]](133)、エピファネイア、[[ナカヤマフェスタ]]、オルフェーヴル、[[シンボリクリスエス]](132)に続く8位にジャスタウェイを格付けした{{Sfn|Timeform|2015|p=527}}。

==== 安田記念 ====
ドバイデューティフリーの後は出走オファーに応えて外国転戦の可能性もあったが、日本凱旋を選択。帰国して吉澤ステーブルWESTで休養し、安田記念から[[宝塚記念]]というローテーションが設定された。前年の天皇賞(秋)優勝後は回復に時間を要したが、今回のドバイ遠征では外国へ輸送されたにもかかわらずすぐに回復。精神面も成長したことでアクシデントなく凱旋初戦を迎えた<ref>"スポニチ-安田記念">{{Cite web|和書|title=【安田記念】ジャスタウェイ これが世界一の脚!極上の切れ12秒4 |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/05/kiji/K20140605008301400.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-19 |language=ja}}</ref>。ところが騎乗予定だった福永にたいして直前に騎乗停止処分が下されるアクシデントに見舞われた。そこで陣営は、代打として前年の毎日王冠に騎乗した柴田善臣を起用。大和屋がジャスタウェイへの騎乗経験のある騎手を重視したためであり、当初サダムパテックに騎乗する予定があった柴田を半ば強奪するかたちになった。調教師の須貝はかつてJRA[[競馬学校]]の第1期を卒業して騎手免許を取得しており、同期の柴田と騎手と調教師の関係でのG1参戦となった<ref name="優駿-2014-7-7172">『優駿』2014年7月号 71-72頁</ref><ref name="デイリー-安田記念">{{Cite web|和書|title=【安田記念】ジャスタ世界一のド根性V |url=https://www.daily.co.jp/horse/2014/06/09/0007035166.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-20 |access-date=2023-08-20 |language=ja}}</ref>。

こうして迎えた6月8日の安田記念には1頭の香港調教馬を含めて17頭が出走。そのうち9頭はGI級競走優勝馬という「空前の好メンバー」(土屋真光)が揃った。他にもG1勝利こそ無いものの、地力のあるワールドエースや[[グランデッツァ]]なども参戦。強力なメンバーが相手だったが、ジャスタウェイは遠征帰りや乗り替わりなどの懸念要素も問題にせず単勝オッズ1.7倍の1番人気に推された。当日は3日前から続く降雨に祟られ、不良馬場になっていた。降雨こそ弱まり小雨になったが馬場は回復せず、道悪での開催となった<ref name="優駿-2014-7-7172" /><ref name="優駿-2014-8-102103">『優駿』2014年8月号 102-103頁</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=QXpEYdmBGDk&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]|video2=[https://www.youtube.com/watch?v=2BjNaISWYXI&ab_channel=%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AC%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E3%80%90%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%80%91 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画]}}

ミッキーアイルが逃げて展開を作る一方でジャスタウェイは5枠10番から五分のスタートを切り、中団を追走。グランデッツァやグランプリボス、ワールドエースなどとともに馬群を形成。そのまま9番手、11番手でコーナーを通過。最終直線で馬群がばらけて各々進路を確保し、横一線になって追い上げ始める。ジャスタウェイも外側へ持ち出して進路を確保してからの追い上げを試みたがマークが厳しく、特にすぐ外側にいた[[グランプリボス]]に蓋をされて外への進路を塞がれていた。そこで進路を切り替えて状態の悪い内側に突っ込み、馬群を捌いて進出開始<ref name="優駿-2014-7-7172" /><ref name="デイリー-安田記念" /><ref name="優駿-2014-8-102103" />。一方で[[三浦皇成]]騎乗のグランプリボスが抜群の進出コースを確保して先頭に立つ<ref name="スポニチ-グランプリボス">{{Cite web|和書|title=【安田記念】グランプリボス2着 16番人気健闘も皇成初GIスルリ|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/09/kiji/K20140609008328700.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。進出に手間取ったジャスタウェイは後を追ったもののグランプリボスもしぶとく、簡単には先頭を明け渡さなかった<ref name="優駿-2014-7-7172" />。[[ファイル:Grand Prix Boss Yasuda kinen 2014.jpg|サムネイル|289x289ピクセル|競り合うグランプリボス(手前)とジャスタウェイ(奥)]]
それでも雨でぬかるんだ馬場に脚を取られながらも徐々に接近し、ゴール直前でどうにか並び立つ<ref name="優駿-2017-4-77" /><ref name="優駿-2014-8-102103" /><ref name="報知-安田記念">{{Cite web|和書|url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20140608-OHT1T50201.html |title=【安田記念】ジャスタウェイ、9センチ差V!秋は凱旋門 |access-date=2023-8-20 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140609132121/http://www.hochi.co.jp/horserace/20140608-OHT1T50201.html |archive-date=2014-6-9}}</ref>。そこからは時に三浦の肘が柴田の顔面に入る程の激しい競り合いとなり<ref name="優駿-2014-7-7172" /><ref>{{Cite web|和書|title=【安田記念】騎手同士も“たたき合い” |url=https://www.daily.co.jp/horse/2014/06/09/0007035075.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-20 |access-date=2023-08-20 |language=ja}}</ref>、両者はほとんど同時に決勝線へ飛び込んだ。写真判定の結果ジャスタウェイのハナ差での先着が確定。安田記念では1999年[[エアジハード]]、[[グラスワンダー]]以来となる15年ぶり、グレード制導入後4例目のハナ差決着となった<ref name="競馬ブック-安田記念-アラカルト">{{Cite web|和書|title=安田記念アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/60334 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-20}}</ref>。[[File:Just-A-Way Yasuda-Kinen 2014(IMG2).jpg|290x290px|thumb|表彰式]]重賞4連勝、その内GI級競走で3勝となったがグレード制導入後重賞3連勝中、またはそれ以上での安田記念優勝は2013年のロードカナロア以来4頭目。さらに2001年に[[香港カップ]]から2002年[[フェブラリーステークス]]を連勝した[[アグネスデジタル]]以来となる外国G1優勝後の帰国初戦でのJRAG1優勝となった<ref name="競馬ブック-安田記念-アラカルト" />。柴田は1993年[[ヤマニンゼファー]]以来となる安田記念2勝目。また父ハーツクライは前々週の[[優駿牝馬]]を[[ヌーヴォレコルト]]で、前週の東京優駿を[[ワンアンドオンリー]]で制しており、3週連続で産駒がGI優勝<ref>『優駿』2014年8月号 103頁</ref>。2005年に秋華賞を[[エアメサイア]]、菊花賞をディープインパクト、天皇賞(秋)を[[ヘヴンリーロマンス]]で制したサンデーサイレンス以来となる同一種牡馬産駒による3週連続JRAGI優勝となった<ref name="報知-安田記念" />。

次走は宝塚記念を予定しており<ref name="優駿-2014-11-45">『優駿』2014年11月号 45頁</ref>、出走馬を決めるファン投票では、ゴールドシップ、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナに次ぐ第4位、約4万票を集めていた<ref>{{Cite web|和書|title=宝塚記念ファン投票 ゴールドシップが1位に|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/12/kiji/K20140612008351980.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。しかし不良馬場の安田記念をこなした代償は大きく、疲労が著しかったために宝塚記念は回避となり、予定を前倒しして夏休みに<ref name="優駿-2014-11-45" /><ref>{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイ宝塚記念回避 安田記念Vも「今までにない疲労度」|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/11/kiji/K20140611008344110.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。吉澤ステーブルWESTで放牧となった<ref>{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイが宝塚記念の出走を回避|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87829 |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。

==== 凱旋門賞 ====
夏休み明けの秋の目標は、フランスの[[ロンシャン競馬場]]で行われる[[凱旋門賞]]となった。この年凱旋門賞へ登録した日本調教馬全6頭のうち、須貝厩舎からはジャスタウェイとゴールドシップ、そして[[レッドリヴェール]]の3頭が登録されていた<ref name="ブック-凱旋門賞登録">{{Cite web|和書|title=凱旋門賞に日本馬6頭が登録 |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/60215 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-21}}</ref>。しかしレッドリヴェールは東京優駿で12着に敗退した事から挑戦を断念し<ref>『優駿』2014年7月号 37頁</ref>、ジャスタウェイとゴールドシップの2頭で挑む事となった。ジャスタウェイの鞍上に決まった福永は、ロンシャン競馬場の感触を確かめるために前もって渡仏しレースに騎乗していた<ref>{{Cite web|和書|publisher=netkeiba.com|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=90062|title=福永騎手、凱旋門賞前にロンシャン競馬場で騎乗機会|accessdate=2023-10-22}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=netkeiba.com|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=90515|title=ロンシャンで騎乗した福永騎手「本番に向けてしっかり準備していく」|accessdate=2023-10-22}}</ref>。
[[ファイル:Gold Ship Takarazuka kinen 2013.jpg|サムネイル|231x231ピクセル|[[ゴールドシップ]]]]
須貝は2頭とは別の[[帯同馬]]を用意しなかった。ゴールドシップとジャスタウェイは厩舎で馬房を隣同士にされるなど仲が良く、須貝は互いが互いの帯同馬となることを期待していた<ref>『優駿』2014年10月号 20頁</ref><ref>『優駿』2014年11月号 47頁</ref>。ゴールドシップは[[札幌記念]]を前哨戦としたのに対してジャスタウェイは前哨戦を用いず、ぶっつけ本番での参戦となった<ref name="優駿-2014-10-23">『優駿』2014年10月号 23頁</ref>。歴代優勝馬の中では1965年[[シーバード]]の3か月がブランクの最長記録であり、それを上回る4か月のブランクでの参戦となったが陣営は克服できると考えていた<ref name="島田-凱旋門賞">{{Cite web|和書|title=凱旋門賞、日本勢は史上最強!?異なるタイプの精鋭3頭が頂を目指す。(島田明宏) |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/821788?page=2 |website=Number Web - ナンバー |access-date=2023-08-20 |language=ja}}</ref>。またヨーロッパの重い馬場も、安田記念の不良馬場をこなしたなら通用すると考えていた<ref name="優駿-2014-11-45" />。
[[ファイル:El Condor Pasa 19991128I1.jpg|サムネイル|[[エルコンドルパサー]]]]
外国G1を優勝してから凱旋門賞に参戦した日本調教馬は、1999年に[[サンクルー大賞]]を優勝{{Efn|福永はこの当時、怪我で休養中だったためフランスに行き、現地で[[エルコンドルパサー]]の優勝を見届けていた<ref>『優駿』2014年10月号 17頁</ref>。}}して参戦し、[[モンジュー]]に僅差の2着と惜敗した[[エルコンドルパサー]]以来だった。ただエルコンドルパサーはヨーロッパ長期滞在を経ての惜敗であり、短期間の滞在での外国G1優勝馬による参戦は初めてだった。芝2400メートルで行われる凱旋門賞にはこれまで同じような距離で活躍した日本調教馬が主に参戦していたが、ジャスタウェイは芝2000メートル以下でしか勝利したことがなく、しかも実績のほとんどがマイルに偏っていた。このようなマイル適性に富んだ馬の参戦は、日本調教馬として初めての試みだった<ref name="優駿-2014-10-23" /><ref name="優駿-2014-11-3336">『優駿』2014年11月号 33-36頁</ref>。

しかし、この新しい挑戦には批判がついて回った。世界ランク1位になったことで世界各国の競馬場からの招待オファーを受けるなど、実績に見合ったレースを選択することはいくらでも可能だった。それでも敢えて陣営は、未知数の領域に足を踏み入れる選択を決断した。須貝は「やっぱり初めてと2番目は違う。凱旋門賞を勝つことは日本競馬の悲願。世界一になった馬を預かるものとして凱旋門賞を目指す責任がある」と参戦の理由を回顧している<ref name="スポニチ-凱旋門賞">{{Cite web|和書|title=【凱旋門賞】須貝師 最強2頭出しも無念「また挑戦したい」|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/06/kiji/K20141006009055970.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。参戦にあたっては当然ながら、距離適正やスタミナ不足が指摘されていた<ref>『優駿』2014年10月号 10頁</ref>。遠征は当初、[[成田国際空港]]から[[パリ]]への直行便を利用する予定だったが航空会社の[[ストライキ]]が発生して欠航となり、急遽オランダの[[アムステルダム]]に移動し、陸上輸送でパリへ向かうルートを強いられた。当初の予定よりも8時間超過する移動となったがドバイの経験があるジャスタウェイは動じず、輸送を順調にこなしていた。現地での調整も順調で、福永曰く「ドバイの時以上」の仕上がりで挑んでいた<ref name="優駿-2014-11-45" />。

10月5日の凱旋門賞(G1)は、20年ぶりとなるフルゲート20頭立てとなった。有力馬が続々回避したことから出走馬が揃い、混戦模様となっていた<ref name="優駿-2014-11-3336" />。日本からはゴールドシップとジャスタウェイという須貝厩舎の2頭に3歳牝馬桜花賞優勝馬・ハープスターを加えた3頭が出走。日本調教馬としては史上最多となる頭数で挑み、しかも3頭ともに実績十分で戦前は日本の最強トリオなどと喧伝されていた<ref>{{Cite web|和書|title=【凱旋門賞】ジャスタ14枠に決定 |url=https://www.daily.co.jp/horse/gaisenmon/2014/10/03/0007391199.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-21 |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。3頭の現地での人気はハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップの順に4番人気から6番人気までを占めた<ref name="優駿-2014-11-3336" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=XwI1bnqGQDc&ab_channel=FranceGalop 2014年 凱旋門賞(G1)<br />レース映像 フランスギャロップ公式YouTubeチャンネルによる動画]}}

良いスタートを切ったジャスタウェイだったが、その後の追走に苦労して後方から数えて4、5番手、馬群の後方に置かれる形となった<ref name="優駿-2014-11-3336" />。コーナーに差し掛かると外側から馬に寄られて馬場の内側から抜け出すことができず馬群の真っ只中に嵌り、終始揉まれながらの追走となる<ref name="スポニチ-凱旋門賞" />。やがてフォルスストレートから直線に向いだ勝負どころでは最も内側を突いていたが最内コースに進路を見出せず、外に持ち出してから追い上げたものの進路確保に手間取ったのは致命傷となり、先行して抜け出していた7番人気[[トレヴ]]に独走を許し最終的には約5馬身後れを取る8着で敗退。福永は敗因について距離ではなく単なる力負けであるとしていた<ref name="優駿-2014-11-3336" /><ref name="優駿-2014-11-45" />。

==== ジャパンカップ ====
帰国初戦は凱旋門賞と同じく2400メートルのジャパンカップが選ばれた<ref name="優駿-2017-4-77" />。10月11日に帰国して検疫、吉澤ステーブルWESTでの着地検査をこなし、その後須貝が遠征や輸送のダメージが少ないことを確認して参戦を決定<ref name="優駿-2014-12-19">『優駿』2014年12月号 19頁</ref>。陣営は当初ジャパンカップの前週に行われるマイルチャンピオンシップも選択肢に入れていた<ref name="競馬ラボ-大和屋-有馬">{{Cite web|和書|title=記憶に残る有馬はハーツクライ?それとも? |url=https://www.keibalab.jp/column/specialtalk/vol_27_1/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。外国人記者の多くは凱旋門賞の敗戦を距離の問題であると捉えており、マイルチャンピオンシップや香港マイル、香港カップなどに出走するものと考えていたが陣営は凱旋門賞の敗因を距離だとは考えておらず<ref name="優駿-2014-12-19" />、またマイルチャンピオンシップでは時間が足りず、香港では連続での外国遠征となる懸念があり、既に実力を証明した中距離路線で得られるものは小さいと考え、さらなる挑戦のためにジャパンカップを選択した<ref name="競馬ラボ-大和屋-有馬" />。須貝は「世界一の称号をいただいている馬ですし、馬場がどうの、距離がどうのとは言っていられない立場」と述べている<ref>『優駿』2015年1月号 12頁</ref>。

11月30日のジャパンカップ(GI)は、[[アイリッシュダービー]]優勝の{{仮リンク|トレーディングレザー|en|Trading Leather}}、バーデン大賞やバイエルン大賞優勝のアイヴァンホウ、[[ジャマイカハンデキャップ]]優勝のアップウィズザバーズの外国調教馬3頭を迎えたが、人気の中心は日本調教馬が占めていた。古馬では3連覇がかかるジェンティルドンナ、天皇賞(秋)優勝直後の[[スピルバーグ (競走馬)|スピルバーグ]]、前年菊花賞優勝のエピファネイアがおり、3歳馬では皐月賞優勝の[[イスラボニータ]]、東京優駿(日本ダービー)優勝のワンアンドオンリー、凱旋門賞帰りの牝馬ハープスターが出走。[[優駿]]によれば「『史上最高』との声も聞かれるほどの豪華メンバー」だったという。フルゲートの18頭立てとなる中、ジェンティルドンナが1番人気、ハープスターが2番人気と続き、ジャスタウェイは単勝オッズ6.7倍の3番人気だった。以下エピファネイア、イスラボニータなどが続いた<ref name="優駿-2015-1-92">『優駿』2015年1月号 92頁</ref>。

福永はエピファネイアの主戦騎手でもあったが、ジャスタウェイへの騎乗を選択<ref>{{Cite web|和書|title=迎えた騎手人生の転換期 エピファネイア、ジャスタウェイ、翠夫人との出会い【福永祐一連載⑥】/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2023/02/22/0016072590.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-09-01 |access-date=2023-09-01 |language=ja}}</ref>。エピファネイアには当日[[ワールドスーパージョッキーズシリーズ|ワールドスーパージョッキーシリーズ]]で来日中の[[クリストフ・スミヨン]]が騎乗した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20141105-1392296.html |title=エピファネイアJC鞍上はスミヨン騎手 |access-date=2023-9-1 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20141107204214/https://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20141105-1392296.html |archive-date=2014-11-7}}</ref>。ジャスタウェイの参戦過程は決して順調ではなく<ref name="競馬ラボ-大和屋-有馬" />、1週間前の調教で福永は首を傾げ、直前の併せ馬でも後れを取っていた<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20141127-OHT1T50197.html |title=【ジャパンC】ジャスタウェイ半馬身遅れも福永は復調実感 |access-date=2023-9-2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-date=2014-11-30 |archive-url=https://web.archive.org/web/20141130203916/http://www.hochi.co.jp/horserace/20141127-OHT1T50197.html}}</ref>。福永は「絶好調という感じは受けません」と話していた。しかし当日に一変、福永の想定よりも良い感触を返し馬で得て参戦した<ref name="優駿-2015-1-45">『優駿』2015年1月号 45頁</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=k_eEBOke0R4&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2014年 ジャパンカップ(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}

レースでは1枠1番からスタートして中団馬群の内側を追走、最終コーナーを8番手で通過すると直線では外に持ち出して進路を確保し追い上げる<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20141130-OHT1T50193.html |title=【ジャパンC】ジャスタウェイ、意地の2着 お手馬に敗れ福永は苦笑い |access-date=2023-9-2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20141203201747/http://www.hochi.co.jp/horserace/20141130-OHT1T50193.html |archive-date=2014-12-3}}</ref>。福永は後に「道中もスムーズに運べて、だいたい思った通り」と振り返っている。道中、後方を追走していたトレーディングレザーが第3コーナーで故障して後退し[[競走中止]]に。この突然の後退によりその背後にいたハープスターやスピルバーグ、ジェンティルドンナなどが躓くなど大きな不利を被った一方でジャスタウェイはスムーズに最終局面に入る。スパートするとイスラボニータと並ぶ形での進出となり、先行勢のほとんどを差し切る。不利を受けたジェンティルドンナなどもスパートしたがそれらに前方を譲らず、やがてイスラボニータも競り落とした<ref name="優駿-2015-1-45" />。
しかし先行して独走するエピファネイアに対してジャスタウェイは追い上げるも差は広がるばかりだった<ref name="優駿-2015-1-92" />。残り100メートルほどで末脚が鈍ってしまい<ref>{{Cite web|和書|title=【ジャパンC】ジャスタウェイ「鈍って」2着、ハープは… - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/11/30/kiji/K20141130009379040.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-09-02 |language=ja}}</ref>、ゴール手前では遅れて追い上げたスピルバーグやジェンティルドンナ、ハープスターに接近を許したがそれでも粘り、それらに半馬身先着して2着は確保した<ref name="優駿-2015-1-92" /><ref>{{Cite web|和書|title=JC制覇エピファネイア、世界最強へ。掛かっても突き抜けた「圧勝」の裏側。(島田明宏) |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/822184?page=3 |website=Number Web - ナンバー |access-date=2023-09-02}}</ref>。

年間レーティング1位を保持していたジャスタウェイはエピファネイアに4馬身差をつけられた2着に敗れた。ジャパンカップの4馬身差は、2003年優勝[[タップダンスシチー]]が2着[[ザッツザプレンティ]]につけた9馬身差に次いで2番目に大きい優勝着差だった<ref>『優駿』2015年1月号 43頁</ref>。しかし後日発表されたこのレースでのエピファネイアのレーティングは「128」で世界2位に留まり、ジャスタウェイが1位の座を守った<ref>{{Cite web|和書|title=エピファネイアのレーティングは128ポンド |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20141204/ope14120417380025-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2014-12-04 |access-date=2023-09-02 |language=ja-JP}}</ref>。

==== 引退レース ====
[[File:Retirement ceremony of Just-A-Way IMG 9017 20150104.jpg|240px|thumb|引退式]]12月28日の[[有馬記念]](GI)は4着。これを以て引退となった。ラストランを終えた後、時間を空けて午後6時半にゴールドシップと共に競馬場を退き、栗東に帰還<ref>『優駿』2015年2月号 138頁</ref>。年をまたいだ2015年1月4日、京都競馬場で引退式が行われた。榎本が好きな[[Mr.Children]]の『[[終わりなき旅]]』をBGMにGI初勝利を果たした際の天皇賞(秋)のゼッケンを着用して登場し、主戦騎手の福永を背に芝コースでのキャンターが披露された<ref>『優駿』2015年2月号 84頁</ref><ref name="優駿-2015-2-153">『優駿』2015年2月号 153頁</ref>。福永は思い出のレースにドバイを挙げ、須貝は「ジャスタウェイの子供たちを、父に負けず世界で戦えるように育てていく責務を課せられた」と話し、榎本は「またいつか、ジャスタウェイの子供を担当して、大きなレースを勝ちたいです」と述べた<ref>{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイが京都で引退式 ファンに別れ |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150104/ope15010417590010-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-01-04 |access-date=2023-08-30 |language=ja-JP}}</ref>。後に初年度産駒として生まれる[[アドマイヤジャスタ]]は、須貝と榎本に手掛けられて出世を果たすことになる<ref>{{Cite web|和書|title=【日本ダービー】榎本助手「優駿」に縁―ジャスタで父の雪辱を - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/05/21/kiji/20190521s00004145107000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-30 |language=ja}}</ref>。

翌々7日付けで競走馬登録を抹消された。この年の[[JRA賞]]では、全285票中242票を獲得{{Efn|[[エピファネイア]]が31票で次点。[[ゴールドシップ]]11票、該当馬なし1票<ref name="優駿-2015-2-60">『優駿』2015年2月号 60頁</ref>。}}し[[JRA賞最優秀4歳以上牡馬|最優秀4歳以上牡馬]]に選出された。他に[[JRA賞年度代表馬|年度代表馬]]部門でも51票を獲得したが、231票のジェンティルドンナに及ばず次点{{Efn|他に該当馬なし2票、[[エピファネイア]]1票<ref name="優駿-2015-2-60" />。}}、[[JRA賞最優秀短距離馬|最優秀短距離馬]]部門でも32票を獲得したが、193票の[[スノードラゴン]]と34票の[[コパノリチャード]]に及ばず第3位{{Efn|以下、[[ミッキーアイル]]12票、該当馬なし12票、[[コパノリッキー]]2票<ref name="優駿-2015-2-60" />。}}だった<ref name="優駿-2015-2-60" />。

== 種牡馬時代 ==
=== 供用 ===
引退後は[[種牡馬]]として供用された。引退直後の2015年1月10日から北海道安平町の[[社台スタリオンステーション]]に繋養され<ref>『優駿』2015年2月号 154頁</ref>、父ハーツクライの目の前の馬房が割り当てられた<ref name="優駿-2015-2-153" />。供用に際しては、[[種牡馬#シンジケート|シンジケート]]が結成された<ref name="島田-セレクトセール">{{Cite web|和書|title=1頭6億円のセリ値がつくご時勢。1000万円台で10億稼いだ孝行馬は?(島田明宏) |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/828560?page=4 |website=Number Web - ナンバー |access-date=2023-08-30 |language=ja}}</ref>。シンジケートの総額は公表されていないが、[[島田明宏]]によれば「10億、20億といった単位の金<ref name="島田-セレクトセール" />」が動いたという。初年度の種付け料は350万円に設定され、種付け権利はすぐに売り切れた<ref>{{Cite web|和書|title=種牡馬ジャスタお披露目!今シーズンはすでに満口 |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150211/etc15021105020001-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-02-11 |access-date=2023-08-30 |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイ引退式 種付け料は350万円に |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150105/ope15010505020002-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-01-05 |access-date=2023-08-30 |language=ja-JP}}</ref>。


初年度となる2015年は220頭と交配し、2年目からは100頭台に落ち込んだが、5年目となる2019年は盛り返して214頭と交配した<ref name="JBIS-種牡馬成績" />。しかし翌6年目となる2020年、三桁を割る86頭に落ち込み、この年の秋に社台スタリオンステーションを追われた<ref name="東スポ-産駒活躍">{{Cite web|和書|title=【ホープフルS・血統値】〝豊作世代〟ジャスタウェイ産駒が4頭出し 凋落気味の父に〝親孝行〟の走りを |url=https://tospo-keiba.jp/family-line/25448 |website=東スポ競馬 |date=2022-12-27 |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。2021年からは[[日高町 (北海道)|日高町]]の[[ブリーダーズ・スタリオン・ステーション]]で供用されるようになり<ref name="ふるさと-ブリーダーズ">{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイがブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動 |url=https://uma-furusato.com/news/104251.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-31}}</ref>、以降は年間約60頭との交配に留まっている<ref name="東スポ-産駒活躍" />。
安田記念の後、陣営は改めて宝塚記念をステップに凱旋門賞挑戦の意欲を示した<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/09/kiji/K20140609008328960.html 【安田記念】ジャスタウェイ 世界の脚でV!凱旋門参戦も表明] - 2014年6月9日「スポーツニッポン」</ref>。しかし、レース後の疲労が激しかったことから、ファン投票で4位に支持されていた宝塚記念への出走は回避することとなった<ref name="netkeiba87848">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87848 |title= 宝塚回避のジャスタウェイ須貝師「申し訳ないですが今回は回避させてもらいます」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref><ref name="netkeiba87864">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87864 |title= 【宝塚記念】~ファン投票最終結果発表、ゴールドシップが1位 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。


=== 産駒の活躍 ===
宝塚記念出走回避後の7月23日、同厩ゴールドシップとともに凱旋門賞への遠征が正式に発表され、鞍上は福永、前哨戦を使わず凱旋門賞へ直行することとなった<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20140723/ove14072309280001-n1.html ゴールド、ジャスタが凱旋門賞挑戦決定!]予想王TV@SANSPO.COM 2014年7月23日</ref>。レースは後方4番手で進んだが最後伸びず、連覇した[[トレヴ]]の8着に敗れた<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/06/kiji/K20141006009055970.html 【凱旋門賞】須貝師 最強2頭出しも無念「また挑戦したい」]スポニチアネックス 2014年10月6日</ref><ref name="netkeiba91320">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=91320 |title= 凱旋門賞の結果とレース後のコメント |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。帰国初戦となったジャパンカップでは、最後の100メートルで脚を鈍らせ、優勝した[[エピファネイア]]から4馬身離された2着に敗れた<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/11/30/kiji/K20141130009379040.html 【ジャパンC】ジャスタウェイ「鈍って」2着、ハープは…]スポニチアネックス 2014年11月30日</ref><ref>{{Cite web|url=https://race.sanspo.com/smp/keiba/news/20141130/ope14113016040008-s.html|title=【ジャパンC】エピファネイアが4馬身差で圧勝!|publisher=サンスポZBAT!|website=race.sanspo.com|date=2014-11-30|accessdate=2019-12-06}}</ref>。そして、続く有馬記念を最後に現役を引退すると発表された<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/05/kiji/K20141205009404350.html ジャスタウェイ有馬記念で引退 鞍上は福永祐一]スポニチアネックス 2014年12月5日</ref>。有馬記念は4コーナー12番手から鋭く伸びたがジェンティルドンナの4着に終わった<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/29/kiji/K20141229009538080.html 【有馬記念】ジャスタウェイ 世界1位の底力、最速上がりで4着]スポーツニッポン 2015年1月4日閲覧</ref>。
[[ファイル:Velox Maiden 2018.jpg|サムネイル|[[ヴェロックス]]]]
産駒は2018年から競走馬として走っている。初年度産駒は続々勝ち上がり、ファーストシーズンサイアーチャンピオン、2018年デビューの新種牡馬で一番の活躍を果たした<ref name="ふるさと-ブリーダーズ" />。初年度産駒のなかでも[[アドマイヤジャスタ]]は同年の[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)で2着、[[ヴェロックス]]が翌2019年の[[若葉ステークス]](L)優勝するなどして、2019年クラシック戦線に加わった<ref>{{Cite web|和書|title=【若葉S】1番人気ヴェロックスが楽々抜け出し皐月TRを快勝! |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20190316/pog19031615420007-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2019-03-16 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。特にヴェロックスは[[皐月賞]]2着、[[東京優駿]]および[[菊花賞]]3着とクラシック三冠競走すべてで複勝圏内入りを果たした。<ref>{{Cite web|和書|title=19年皐月賞2着のヴェロックスが競走馬登録を抹消 3冠路線で活躍 |url=https://umatoku.hochi.co.jp/articles/20220630-OHT1T51231.html |website=UMATOKU {{!}} 馬トク - スポーツ報知 |date=2022-06-30JST21:33:00+0900 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。
[[ファイル:Master Fencer Nagoya Grand Prix2020(IMG1).jpg|サムネイル|[[マスターフェンサー]]]]
活躍は芝だけに留まらず、[[マスターフェンサー]]は日本を飛び出して[[アメリカクラシック三冠|アメリカのクラシック競走]]に参戦。2019年、日本生産馬史上初めて[[ケンタッキーダービー]](G1)に参戦し6着に。さらに[[ベルモントステークス]](G1)にも参戦し5着となった<ref>{{Cite web|和書|title=マスターフェンサーがイーストスタッドにスタッドイン |url=https://uma-furusato.com/news/entry-60430.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-31}}</ref>。


クラシックタイトルこそ逃した初年度産駒だったが、その後も活躍して重賞タイトルを獲得した産駒も多数現れた。クラシック終結直後の2019年秋に[[ロードマイウェイ]]が[[チャレンジカップ (中央競馬)|チャレンジカップ]](GIII)を優勝し、産駒として初めて重賞優勝を成し遂げた。翌2020年春には[[アウィルアウェイ]]が[[シルクロードステークス]](GIII)を、夏にはアドマイヤジャスタが[[函館記念]](GIII)を優勝。帰国したマスターフェンサーも[[ダートグレード競走]]を多数優勝した<ref name="ふるさと-ブリーダーズ" />。さらに2021年秋には[[テオレーマ]]が[[金沢競馬場]]で行われた[[JBCレディスクラシック]](JpnI)を優勝。初年度産駒からGI級競走優勝産駒を送り出すことに成功している<ref>{{Cite web|和書|title=年齢を重ねながら強く…ジャスタウェイ産駒のオールマイティーな活躍が注目されている【村本浩平コラム】:中日スポーツ・東京中日スポーツ |url=https://www.chunichi.co.jp/article/410780 |website=中日スポーツ・東京中日スポーツ |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。
[[File:Retirement ceremony of Just-A-Way IMG 9017 20150104.jpg|240px|thumb|引退式(2015年1月4日)]]
[[ファイル:Teorema February Stakes 2022.jpg|サムネイル|[[テオレーマ]]]]
2015年1月4日、京都競馬場で引退式が行われた。1月7日付けで競走馬登録を抹消され、北海道[[勇払郡]][[安平町]]の[[社台スタリオンステーション]]で[[種牡馬]]となった<ref>{{Cite web|url=https://race.sanspo.com/smp/keiba/news/20150104/ope15010417590010-s.html|title=ジャスタウェイが京都で引退式 ファンに別れ|publisher=サンスポZBAT!|website=race.sanspo.com|date=2015-01-04|accessdate=2019-12-06}}</ref>。
重賞優勝産駒は初年度産駒に留まらず、複数世代に及んでいる。特に2018年産、3年目産駒の[[ダノンザキッド]]は2020年の[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)を優勝し、同年の[[JRA賞最優秀2歳牡馬]]を受賞<ref>{{Cite web|和書|title=無敗のG1馬ダノンザキッドが受賞/最優秀2歳牡馬|極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202101060000412&year=2021&month=01&day=06 |website=p.nikkansports.com |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。産駒として初めてとなるJRAGI優勝及び[[JRA賞]]受賞を果たした<ref>{{Cite web|和書|title=【ホープフルS】川田涙の師弟V!ダノンザキッドが無敗でGI初制覇 |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20201227/pog20122704520001-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2020-12-27 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。
[[ファイル:Danon the Kid Satsuki Sho2021.jpg|サムネイル|[[ダノンザキッド]]]]


== 競走成績 ==
== 競走成績 ==
以下の内容は、[[netkeiba.com|netkeiba]]<ref>{{Cite web|和書|title=ジャスタウェイ (Just a Way)の競走成績|url=https://db.netkeiba.com/horse/result/2009106461/ |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-09 |language=ja}}</ref>並びにJBISサーチ<ref>{{Cite web|和書|title=競走成績:全競走成績|ジャスタウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/record/?sort=ymd&page=1&order=A |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>、『[[優駿]]』2015年2月号<ref>『優駿』2015年2月号 19頁</ref>の情報に基づく。
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
! 競走日 !! nowrap="nowrap" | 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離(馬場) !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />(人気) !! 着順 !! タイム<br />(上り3F) !! 着差 !! 騎手 !! 斤量 !! 1着馬(2着馬)
|競走日
|競馬場
|競走名
|格
|距離<br/>(馬場)
|頭<br/>数
|枠<br/>番
|馬<br/>番
|オッズ<br/>(人気)
|着順
|タイム<br/>(上り3F)
|着差
|騎手
|斤量<br/>[kg]
|1着馬<br/>(2着馬)
|馬体重<br/>[kg]
|-
|-
| [[2011年|2011.]][[7月23日|{{0}}7.23]]
|[[2011年|2011.]][[7月23日|{{0}}7.23]]
| [[新潟競馬場|新潟]]
|[[新潟競馬場|新潟]]
| [[新馬|2歳新馬]]
|[[新馬|2歳新馬]]
|
|
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 16
|16
| 7
|7
| 14
|14
| {{0|00}}6.4({{0}}4人)
|{{0|00}}6.4({{0}}4人)
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| -0.8
| -0.8
| [[福永祐一]]
|[[福永祐一]]
|54
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|(ラパージュ)
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|-
|-
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| 新潟
|新潟
| [[新潟2歳ステークス|新潟2歳S]]
|[[新潟2歳ステークス|新潟2歳S]]
| GIII
|GIII
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 18
|18
| 6
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| 福永祐一
|福永祐一
|54
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| モンストール
|[[モンストール]]
|490
|-
|-
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| [[東京競馬場|東京]]
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| [[東京スポーツ杯2歳ステークス|東スポ杯2歳S]]
|[[東京スポーツ杯2歳ステークス|東スポ杯2歳S]]
| GIII
|GIII
| 芝1800m(不)
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| 15
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|55
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|488
|-
|-
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| [[京都競馬場|京都]]
|[[京都競馬場|京都]]
| [[きさらぎ賞]]
|[[きさらぎ賞]]
| GIII
|GIII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
| 13
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| 6
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|[[ワールドエース]]
|492
|-
|-
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| [[阪神競馬場|阪神]]
|[[阪神競馬場|阪神]]
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|[[アーリントンカップ|アーリントンC]]
| GIII
|GIII
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|芝1600m(良)
| 13
|13
| 8
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|福永祐一
|56
| 56kg
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|(オリービン)
|482
|-
|-
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| 東京
|東京
| [[NHKマイルカップ|NHKマイルC]]
|[[NHKマイルカップ|NHKマイルC]]
| GI
|GI
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 18
|18
| 7
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|14
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|{{0}}10.0({{0}}4人)
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| 福永祐一
|福永祐一
|57
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| [[カレンブラックヒル]]
|[[カレンブラックヒル]]
|474
|-
|-
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|{{0|0000.}}[[5月27日|{{0}}5.27]]
| 東京
|東京
| [[東京優駿]]
|[[東京優駿]]
| GI
|GI
| 芝2400m(良)
|芝2400m(良)
| 18
|18
| 7
|7
| 14
|14
| 112.9(15人)
|112.9(15人)
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|11着
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| 秋山真一郎
|秋山真一郎
|57
| 57kg
| ディープブリランテ
|ディープブリランテ
|482
|-
|-
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|{{0|0000.}}[[10月7日|10.{{0}}7]]
| 東京
|東京
| [[毎日王冠]]
|[[毎日王冠]]
| GII
|GII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
| 16
|16
| 4
|4
| 7
|7
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|{{0}}61.6(12人)
| {{color|darkblue|{{0}}2着}}
|{{color|darkblue|{{0}}2着}}
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| [[柴田善臣]]
|[[柴田善臣]]
|54
| 54kg
| カレンブラックヒル
|カレンブラックヒル
|490
|-
|-
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|{{0|0000.}}[[10月28日|10.28]]
| 東京
|東京
| [[天皇賞(秋)]]
|[[天皇賞(秋)]]
| GI
|GI
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 18
|18
| 6
|6
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|11
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|{{0}}28.3({{0}}8人)
| {{0}}6着
|{{0}}6着
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|{{0|R}}1:57.8{{0}}(34.0)
| {{0|-}}0.5
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| [[内田博幸]]
|[[内田博幸]]
|56
| 56kg
| [[エイシンフラッシュ]]
|[[エイシンフラッシュ]]
|486
|-
|-
| [[2013年|2013.]][[1月5日|{{0}}1.{{0}}5]]
|[[2013年|2013.]][[1月5日|{{0}}1.{{0}}5]]
| [[中山競馬場|中山]]
|[[中山競馬場|中山]]
| [[中山金杯]]
|[[中山金杯]]
| GIII
|GIII
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 16
|16
| 5
|5
| 9
|9
| {{0|00}}3.4({{0}}1人)
|{{0|00}}3.4({{0}}1人)
| {{color|darkgreen|{{0}}3着}}
|{{color|darkgreen|{{0}}3着}}
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| {{0|-}}0.4
|{{0|-}}0.4
| 内田博幸
|内田博幸
| 56.5kg
|56.5
| [[タッチミーノット]]
|[[タッチミーノット]]
|486
|-
|-
| {{0|0000.}}[[2月10日|{{0}}2.10]]
|{{0|0000.}}[[2月10日|{{0}}2.10]]
| 京都
|京都
| [[京都記念]]
|[[京都記念]]
| GII
|GII
| 芝2200m(良)
|芝2200m(良)
| 11
|11
| 4
|4
| 4
|4
| {{0|00}}3.5({{0}}1人)
|{{0|00}}3.5({{0}}1人)
| {{0}}5着
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| {{0|R}}2:13.2{{0}}(34.2)
|{{0|R}}2:13.2{{0}}(34.2)
| {{0|-}}0.7
|{{0|-}}0.7
| 内田博幸
|内田博幸
|55
| 55kg
| [[トーセンラー]]
|[[トーセンラー]]
|490
|-
|-
| {{0|0000.}}[[3月9日|{{0}}3.{{0}}9]]
|{{0|0000.}}[[3月9日|{{0}}3.{{0}}9]]
| [[中京競馬場|中京]]
|[[中京競馬場|中京]]
| [[中日新聞杯]]
|[[中日新聞杯]]
| GIII
|GIII
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 18
|18
| 5
|5
| 9
|9
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|{{0|00}}5.9({{0}}2人)
| {{0}}8着
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| {{0|-}}0.7
|{{0|-}}0.7
| [[ダリオ・バルジュー|D.バルジュー]]
|[[ダリオ・バルジュー|D.バルジュー]]
|57
| 57kg
| [[サトノアポロ]]
|[[サトノアポロ]]
|486
|-
|-
| {{0|0000.}}[[6月9日|{{0}}6.{{0}}9]]
|{{0|0000.}}[[6月9日|{{0}}6.{{0}}9]]
| 東京
|東京
| [[エプソムカップ|エプソムC]]
|[[エプソムカップ|エプソムC]]
| GIII
|GIII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
| 14
|14
| 8
|8
| 13
|13
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| {{color|darkblue|{{0}}2着}}
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| 福永祐一
|福永祐一
|56
| 56kg
| [[クラレント]]
|[[クラレント]]
|496
|-
|-
| {{0|0000.}}[[8月11日|{{0}}8.11]]
|{{0|0000.}}[[8月11日|{{0}}8.11]]
| 新潟
|新潟
| [[関屋記念]]
|[[関屋記念]]
| GIII
|GIII
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 18
|18
| 8
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|16
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| 福永祐一
|福永祐一
|56
| 56kg
| [[レッドスパーダ]]
|[[レッドスパーダ]]
|506
|-
|-
| {{0|0000.}}[[10月6日|10.{{0}}6]]
|{{0|0000.}}[[10月6日|10.{{0}}6]]
| 東京
|東京
| 毎日王冠
|毎日王冠
| GII
|GII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
| 11
|11
| 8
|8
| 10
|10
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| 柴田善臣
|柴田善臣
|56
| 56kg
| エイシンフラッシュ
|エイシンフラッシュ
|498
|-
|-
| {{0|0000.}}[[10月27日|10.27]]
|{{0|0000.}}[[10月27日|10.27]]
| 東京
|東京
| 天皇賞(秋)
|天皇賞(秋)
| GI
|GI
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 17
|17
| 4
|4
| 7
|7
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|{{0}}15.5({{0}}5人)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
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| -0.7
| -0.7
| 福永祐一
|福永祐一
|58
| 58kg
| ([[ジェンティルドンナ]])
|([[ジェンティルドンナ]])
|496
|-
|-
| [[2014年|2014.]][[3月2日|{{0}}3.{{0}}2]]
|[[2014年|2014.]][[3月2日|{{0}}3.{{0}}2]]
| 中山
|中山
| [[中山記念]]
|[[中山記念]]
| GII
|GII
| 芝1800m(稍)
|芝1800m(稍)
| 15
|15
| 3
|3
| 4
|4
| {{0|00}}5.3({{0}}2人)
|{{0|00}}5.3({{0}}2人)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
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| -0.6
| -0.6
| [[横山典弘]]
|[[横山典弘]]
|58
| 58kg
| ([[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]])
|([[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]])
|502
|-
|-
| {{0|0000.}}[[3月29日|{{0}}3.29]]
|{{0|0000.}}[[3月29日|{{0}}3.29]]
| [[メイダン競馬場|メイダン]]
|[[メイダン競馬場|メイダン]]
| [[ドバイターフ|ドバイDF]]
|[[ドバイターフ|ドバイDF]]
| G1
|G1
| 芝1800m(Gd)
|芝1800m(Gd)
| 13
|13
|
|
| 2
|2
|
| (発売なし)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|R1:45.52}}
| {{color|darkred|R1:45.52}}{{0}}(34.31)<ref>{{Cite news|url= http://tnetwork.trakus.com/tnet/t_MeydanA.aspx |title= Meydan Race 7 Dubai Duty Free Sponsored By Dubai Duty Free |publisher= tnetwork.trakus.com |date=2014-03-29|accessdate=2023-02-23}}</ref>
|
| -1.06 <ref>{{Cite news|url= http://tnetwork.trakus.com/tnet/t_Sectional.aspx?OtherInfo=MEY&EventID=57580 |title= Sectional Timing 03/29/2014 - Meydan Race 7 |publisher= tnetwork.trakus.com |date=2014-03-29|accessdate=2023-02-23}}</ref>
| 福永祐一
|福永祐一
|57
| 57kg
|(Vercingetorix)
| ([[Vercingetorix]])
|計不
|-
|-
| {{0|0000.}}[[6月8日|{{0}}6.{{0}}8]]
|{{0|0000.}}[[6月8日|{{0}}6.{{0}}8]]
| 東京
|東京
| [[安田記念]]
|[[安田記念]]
| GI
|GI
| 芝1600m(不)
|芝1600m(不)
| 17
|17
| 5
|5
| 10
|10
| {{0|00}}1.7({{0}}1人)
|{{0|00}}1.7({{0}}1人)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|{{0}}1着}}
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|{{0|R}}1:36.8{{0}}(37.1)
| -0.0
| -0.0
| 柴田善臣
|柴田善臣
|58
| 58kg
| ([[グランプリボス]])
|([[グランプリボス]])
|498
|-
|-
| {{0|0000.}}[[10月5日|10.{{0}}5]]
|{{0|0000.}}[[10月5日|10.{{0}}5]]
| [[パリロンシャン競馬場|ロンシャン]]
|[[パリロンシャン競馬場|ロンシャン]]
| [[凱旋門賞]]
|[[凱旋門賞]]
| G1
|G1
| 芝2400m(Gd)
|芝2400m(Gd)
| 20
|20
| 14
|14
| 7
|7
|
|
| {{0}}8着
|{{0}}8着
|
|
|
|
| 福永祐一
|福永祐一
| 59.5kg
|59.5
| [[トレヴ|Treve]]
|[[トレヴ|Treve]]
|計不
|-
|-
| {{0|0000.}}[[11月30日|11.30]]
|{{0|0000.}}[[11月30日|11.30]]
| 東京
|東京
| [[ジャパンカップ|ジャパンC]]
|[[ジャパンカップ|ジャパンC]]
| GI
|GI
| 芝2400m(良)
|芝2400m(良)
| 18
|18
| 1
|1
| 1
|1
| {{0|00}}6.7({{0}}3人)
|{{0|00}}6.7({{0}}3人)
| {{color|darkblue|{{0}}2着}}
|{{color|darkblue|{{0}}2着}}
| {{0|R}}2:23.8{{0}}(35.1)
|{{0|R}}2:23.8{{0}}(35.1)
| {{0|-}}0.7
|{{0|-}}0.7
| 福永祐一
|福永祐一
|57
| 57kg
| [[エピファネイア]]
|[[エピファネイア]]
|498
|-
|-
| {{0|0000.}}[[12月28日|12.28]]
|{{0|0000.}}[[12月28日|12.28]]
| 中山
|中山
| [[有馬記念]]
|[[有馬記念]]
| GI
|GI
| 芝2500m(良)
|芝2500m(良)
| 16
|16
| 8
|8
| 15
|15
| {{0|00}}4.6({{0}}3人)
|{{0|00}}4.6({{0}}3人)
| {{0}}4着
|{{0}}4着
| {{0|R}}2:35.5{{0}}(33.4)
|{{0|R}}2:35.5{{0}}(33.4)
| {{0|-}}0.2
|{{0|-}}0.2
| 福永祐一
|福永祐一
|57
| 57kg
| ジェンティルドンナ
|ジェンティルドンナ
|504
|}
|}

*馬場状態:Gd=Good
*馬場状態:Gd=Good
*タイム欄の{{Color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す
*タイム欄の{{Color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す


== 種牡馬時代 ==
== 種牡馬成績 ==
=== 年度別成績 ===
同年2月に社台スタリオンステーションで行われた社台スタリオンパレード2015では同じくスタッドインした[[ベルシャザール (競走馬)|ベルシャザール]]らと共にお披露目された<ref>{{Cite news|url= https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/02/11/kiji/K20150211009788330.html |title= ジャスタ 父でも世界一へ!種牡馬初年度は約130頭と交配予定 |publisher=Sponichi Annex|date=2015-02-11|accessdate=2020-01-17}}</ref>。初年度の種付料は350万円であったがすぐさま満口となり<ref name="netkeiba95548">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=95548 |title= 社台SSの種牡馬展示会でジャスタウェイなどお披露目 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>、初年度から220頭の繁殖牝馬との種付けを行った<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/sire/generation/thorough_s/|title=ジャスタウェイ 種牡馬情報:世代・年度別|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-06}}</ref>。2016年のセレクトセールには、さっそく当歳馬19頭が上場し、1頭目に上場されたレイズアンドコールの16(カリボール)を大和屋が4700万円で落札<ref name="netkeiba112026">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=112026 |title= 大和屋暁氏 ジャスタウェイ初産駒“即買い” |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。その他、[[コーフィールドカップ]]優勝馬[[アドマイヤラクティ]]の半弟にあたるアドマイヤテレサの16(アドマイヤジャスタ)を[[近藤利一]]が1億4000万円で落札し、これがセールに出場した19頭中最高額となった<ref name="netkeiba112026"/>。
以下の内容は、JBISサーチの情報に基づく<ref name="JBIS-種牡馬成績">{{Cite web|和書|title=種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)|ジャスタウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/sire/generation/thorough_s/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>。
{| class="wikitable"
!種付年度
!種付頭数
!生産頭数
!血統登録頭数
!出走頭数
!勝馬頭数
!重賞勝馬頭数
![[アーニングインデックス|AEI]]
![[コンパラブルインデックス|CPI]]
|-
!2015
|220
|138
|138
|123
|89
|5
|1.44
|
|-
!2016
|151
|106
|106
|95
|71
|2
|0.89
|
|-
!2017
|121
|78
|75
|62
|41
|1
|1.25
|
|-
!2018
|151
|99
|97
|87
|49
|0
|0.80
|
|-
!2019
|214
|140
|138
|116
|52
|2
|1.10
|
|-
!2020
|86
|62
|60
|17
|3
|-
|1.07
|
|-
!2021
|61
|38
|38
|0
|-
|-
|-
|
|-
!2022
|67
|0
|0
|0
|-
|-
|-
|
|-
! colspan="3" |合計
|652
|500
|305
|10
|1.14
|1.82
|}


* 出走頭数、勝馬頭数、[[アーニングインデックス]]、[[コンパラブルインデックス]]は、[[平地競走]]に限る。
2018年より初年度産駒がデビューし、その中からアドマイヤジャスタ、[[ヴェロックス]]が翌年の[[中央競馬クラシック三冠|クラシック競走]]に出走。ヴェロックスはクラシック3戦全てに出走し勝利は果たせなかったものの、[[皐月賞]]で2着、日本ダービー・[[菊花賞]]で3着と3戦全てにおいて馬券圏を外さなかった<ref>{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0001221719/record/ |title= 競走成績:全競走成績|ヴェロックス|JBISサーチ |work=JBISサーチ|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2020-01-11}}</ref>。同じく初年度産駒の[[マスターフェンサー]]はアメリカに遠征し、[[ケンタッキーダービー]]6着<ref>{{Cite web|title=【ケンタッキーダービー】マスターフェンサー健闘6着 1位入線馬降着で大波乱に {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=154677|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-30|language=ja}}</ref>、[[ベルモントステークス]]5着<ref>{{Cite web|title=【米・ベルモントS】サーウィンストンがV 日本のマスターフェンサーは5着/海外競馬レース結果 {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=156106|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-30|language=ja}}</ref>の成績を残した。
* 情報は、2023年8月7日時点。


=== 重賞優勝産駒一覧 ===
2019年11月30日に[[ロードマイウェイ]]が[[チャレンジカップ (中央競馬)|チャレンジカップ]]を制し、産駒の重賞初制覇<ref>{{Cite web|title=【チャレンジC】ロードマイウェイが差し切り、5連勝で重賞初V!/JRAレース結果 {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=163973|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-30|language=ja}}</ref>。
==== GI級競走優勝馬 ====
GI級競走は、'''太字強調'''にて示す。
* 2016年産
** [[テオレーマ]](2021年[[マリーンカップ]]、'''[[JBCレディスクラシック]]'''、2022年[[TCK女王盃]])母父:[[シーザスターズ]]<ref>{{Cite web|和書|title=テオレーマ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001222999/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
* 2018年産
** [[ダノンザキッド]](2020年[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]、'''[[ホープフルステークス_(中央競馬)|ホープフルステークス]]''')母父:[[ダンシリ]]<ref>{{Cite web|和書|title=ダノンザキッド|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001269426/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>


==== グレード制重賞及びダートグレード競走優勝馬 ====
2020年11月27日に[[ブリーダーズ・スタリオン・ステーション]]に移動、種牡馬として繋養されることになった<ref>{{Cite web|title=ジャスタウェイがブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動|url=https://uma-furusato.com/news/104251.html|website=競走馬のふるさと案内所|accessdate=2021-12-23|language=ja}}</ref>。
=== 主な産駒 ===
'''太字'''は勝利したGI・JpnI競走

==== グレード制重賞優勝馬 ====
*2016年産
*2016年産
**[[アドマイヤジャスタ]](2020年[[函館記念]])
**[[アドマイヤジャスタ]](2020年[[函館記念]])母父:[[エリシオ]]<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ">{{Cite web|和書|title=アドマイヤジャスタ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001214658/|website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
**[[ロードマイウェイ]](2019年[[チャレンジカップ_(中央競馬)|チャレンジカップ]])
**[[ロードマイウェイ]](2019年[[チャレンジカップ_(中央競馬)|チャレンジカップ]])母父:[[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]]<ref name="JBIS-ロードマイウェイ">{{Cite web|和書|title=ロードマイウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001221060/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
**[[アウィルアウェイ]](2020年[[シルクロードステークス]])
**[[アウィルアウェイ]](2020年[[シルクロードステークス]])母父:[[キングカメハメハ]]<ref name="JBIS-アウィルアウェイ">{{Cite web|和書|title=アウィルアウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001218817/|website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
**[[マスターフェンサー]](2020年[[マーキュリーカップ]]、[[白山大賞典]]、[[名古屋グランプリ]]、2021年マーキュリーカップ)
**[[マスターフェンサー]](2020年[[白山大賞典]]、[[名古屋グランプリ]]、2020-21[[マーキュリーカップ]]母父:[[デピュティミニスター]]<ref>{{Cite web|和書|title=マスターフェンサー|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001218470/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
**[[テオレーマ]](2021年[[マリーンカップ]]、'''[[JBCレディスクラシック]]'''、2022年[[TCK女王盃]])
*2017年産
*2017年産
**[[エーポス]](2020年[[フィリーズレビュー]])
**[[エーポス]](2020年[[フィリーズレビュー]])母父:[[スマートストライク]]<ref name="JBIS-エーポス">{{Cite web|和書|title=エーポス|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001236764/|website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
**[[ヴェルテックス]](2021年[[名古屋グランプリ]])
**[[ヴェルテックス]](2021年[[名古屋グランプリ]])母父:[[サクラバクシンオー]]<ref>{{Cite web|和書|title=ヴェルテックス|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001229637/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
*2018年産
**[[ダノンザキッド]](2020年'''[[ホープフルステークス_(中央競馬)|ホープフルステークス]]'''、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]])
*2020年産
*2020年産
**[[ガストリック]](2022年東京スポーツ杯2歳ステークス)<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001323979/|title=ガストリック|accessdate=2022-11-19|website=JBISサーチ}}</ref>
**[[ガストリック]](2022年東京スポーツ杯2歳ステークス)母父:[[カーリン]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001323979/|title=ガストリック|accessdate=2022-11-19|website=JBISサーチ}}</ref>
**[[コレペティトール (競走馬)|コレペティトール]](2024年[[京都金杯]])母父:[[コロナドズクエスト]]
**[[ヤマニンウルス]](2024年[[プロキオンステークス]])母父:[[スウェプトオーヴァーボード]]


==== 地方重賞優勝馬 ====
==== 地方重賞優勝馬 ====
*2016年産
**トランスナショナル(2023年[[オータムカップ (笠松競馬)|オータムカップ]])母父:エフィシオ
*2017年産
**グレースルビー(2024年[[ブルーリボンマイル]]、[[若草賞土古記念]])母父:[[シルヴァーデピュティ|シルバーデュピティ]]
*2020年産
*2020年産
**ケープライト(2022年[[若駒賞 (岩手競馬)|若駒賞]]、2023年[[イーハトーブマイル]])<ref>{{Cite web|title=ケープライト|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001321526/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2022-09-21}}</ref>
** ケープライト(2022年[[若駒賞 (岩手競馬)|若駒賞]]、2023年[[イーハトーブマイル]])母父:[[アドマイヤコジーン]]<ref>{{Cite web|和書 |title=ケープライト |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001321526/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-09-21}}</ref>
* 2021年産

**トワイライトウェイ(2023年[[ジュニアグランプリ (岩手競馬)|ジュニアグランプリ]])母父:[[ラムタラ]]
==== その他 ====
*2016年産
* 2022年産
**ウィルシャイン(2024年[[ローレル賞 (競馬のレース)|ローレル賞]])母父:[[スパイツタウン|Speightstown]]
**[[ヴェロックス]](2019年皐月賞2着、東京優駿3着、神戸新聞杯2着、菊花賞3着)

== エピソード ==
*馬主である大和屋暁の代表作のアニメ『[[銀魂 (アニメ)|銀魂]]』に同名の馬が1位入線<ref group="注">優勝でないのは、『レース中に犯したインターフェアで降着を食らった』ためである。</ref>するというオリジナルエピソード(155話「裏の裏の裏は裏」)があるが、その内容は『'''右回り'''で行われたレースを、'''馬番13番'''で出走したジャスタウェイが'''道中最後方'''で貯めた脚を爆発させ'''大外からごぼう抜き'''』という、同馬が制したアーリントンカップの結果を予言したものであった。なお原作漫画版『[[銀魂]]』では、ジャスタウェイが天皇賞制覇した時期に始まった長編エピソード『魂入れ替わり篇』で、将軍賞を低人気で勝ち神楽たちのバイト代を紙くずにされた主人公坂田銀時が、一通りジャスタウェイをクサすという場面がある。

*競走馬時代の隣の馬房には[[ゴールドシップ]]がおり<ref>{{Cite web|url=https://smart.keibalab.jp/column/yamatoya/5/|title= 「祝・ベルラップ」大和屋暁のコラム「通暁暢達」|publisher=競馬ラボ|website=smart.keibalab.jp|date=2014-07-02|accessdate=2019-12-05}}</ref>、頻繁に併せ馬を行ったり<ref>{{Cite web|url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20140918/ove14091805030002-n1.html|title=ゴールド&ジャスタ、2週連続の豪華な併せ馬!|publisher=[[産業経済新聞社]]|website=サンケイスポーツ|date=2014-09-18|accessdate=2022-03-14}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.keibalab.jp/column/interview/701/|title= 【中山金杯】初笑いを飾りたいジャスタウェイ
|publisher=競馬ラボ|date=2013-01-06|accessdate=2022-03-14}}</ref>するなど非常に仲が良かった事でも知られていた<ref>NumberPLUS「Number競馬ノンフィクション傑作選 名馬堂々。」([[Sports Graphic Number]]、[[文藝春秋]] 2021年10月 ISBN 978-4160082571)P94-P98.</ref>。


== 血統表 ==
== 血統表 ==
510行目: 818行目:
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|fmfm = Severn Bridge
|fmmf = [[リファール|Lyphard]]
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|fmmm = My Bupers
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|mmmm= Blue Double
|ref1 = <ref name="JBIS_pedigree">{{Cite web|url= http://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/pedigree/ |title=血統情報:5代血統表|ジャスタウェイ|JBISサーチ|work=JBISサーチ|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-12-28}}</ref><ref name="netkeiba_pedigree">{{Cite web|url= http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106461/ |title=ジャスタウェイの血統表|競走馬データ - netkeiba.com|work=[[netkeiba.com]]|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|accessdate=2019-12-28}}</ref>
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*祖母シャロンは[[コーチングクラブアメリカンオークス|CCAオークス]]勝ち馬<ref>{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000406522/ |title= シャロン(USA) |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>。
*半姉:スカイノダン<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000995167/|title=スカイノダン|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>(第45回[[北九州記念]]2着<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20100815/110/10/|title=2010年8月15日(日)2回小倉2日 10R 北九州記念|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>)
*母の叔父に[[シリウスステークス]]、[[中京記念]]勝ちの[[トーヨーレインボー]]<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000995167/|title=トーヨーレインボー|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>、母の叔母で[[クリスタルカップ]]2着のエターナルビート<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000310472/|title=エターナルビート|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>の仔に[[クイーンカップ]]勝ち馬の[[フォーエバーモア (競走馬)|フォーエバーモア]]<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001134627/|title=フォーエバーモア|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>がいる。


== 関連項目 ==
== 参考文献 ==
* [[大和屋暁]]『ジャスタウェイな本 世界最強馬との1640日』([[KKベストセラーズ]]、2015年)ISBN 458410428X

* 『[[優駿]]』([[日本中央競馬会]])
* [[ベルラップ]] - 「'''ジャスタウェイ2世'''」と呼ばれた。
**2006年5月号
***石田敏徳「【ヘッドライン】ドバイで日本馬が2勝を挙げる活躍」
***石川ワタル「【ワールドレーシングニュース】第11回ドバイワールドカップデー ハーツクライ&ユートピア 世界の舞台で歴史的な圧勝劇」
**2011年9月号
***横手礼一「【進め!クラシックロード(2)】一歩リードの重賞&オープン勝ち馬」
**2011年11月号
***「【重賞プレイバック】第31回新潟2歳ステークス(GIII)モンストール」
**2012年1月号
***「【重賞プレイバック】第16回東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)ディープブリランテ」
**2012年4月号
***「【重賞プレイバック】第52回きさらぎ賞(NHK賞)(GIII)ワールドエース」
***「【重賞プレイバック】第21回アーリントンカップ(GIII)ジャスタウェイ」
**2012年6月号
***優駿編集部「【杉本清の競馬談義(325)】須貝尚介調教師」
**2012年7月号
***「【重賞プレイバック】第17回NHKマイルカップ(GI)カレンブラックヒル」
***「【重賞プレイバック】第79回東京優駿(GI)ディープブリランテ」
**2012年12月号
***「【重賞プレイバック】近代競馬150周年記念 第146回天皇賞(秋)(GI)エイシンフラッシュ」
***「【重賞プレイバック】第63回毎日王冠(GII)カレンブラックヒル」
**2013年3月号
***「【重賞プレイバック】第62回日刊スポーツ賞 中山金杯(GIII)タッチミーノット」
**2013年4月号
***「【重賞プレイバック】第106回農林水産省賞典 京都記念(GII)トーセンラー」
**2013年5月号
***「【重賞プレイバック】第49回中日新聞杯(GIII)サトノアポロ」
**2013年8月号
***「【重賞プレイバック】第30回エプソムカップ(GIII)クラレント」
**2013年10月号
***「【重賞プレイバック】サマーマイルシリーズ第48回関屋記念(GIII)レッドスパーダ」
**2013年12月号
***岡本光男(日刊スポーツ関西)「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 驚愕の末脚を繰り出した{{ruby|理由|ワケ}}」
***「【重賞プレイバック】第148回天皇賞(秋)(GI)ジャスタウェイ」
***「【重賞プレイバック】第64回毎日王冠(GII)エイシンフラッシュ」
**2014年4月号
***岡本光男(日刊スポーツ関西)「【2014年の主役を担う古馬たち】充実の時を迎えいざ世界へ ジャスタウェイ」
***秋山響「【2014年ドバイワールドカップデイ完成ガイド】ドバイデューティフリー」
**2014年5月号
***斎藤修「【ドバイワールドカップデー詳報】ジャスタウェイ 2着以下を突き放す圧巻のパフォーマンス」
***「【重賞プレイバック】第88回中山記念(GII)ジャスタウェイ」
***「【ニュース&トピックス】ジャスタウェイが世界ランキング1位に」
**2014年6月号
***吉沢譲治「【日本の種牡馬 血統に秘められた物語(2)】ハーツクライ 随所に映し出される母の父の影響力」
**2014年7月号
***岡本光男「【出走馬それぞれのダービー戦記】4番人気12着 レッドリヴェール 小柄な牝馬には響いた馬体減」
***土屋真光「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 向かい風を追い風に変えて」
**2014年8月号
***「【重賞プレイバック】第64回農林水産省賞典 安田記念(GI)ジャスタウェイ」
**2014年10月号
***合田直弘「【日本馬3頭の『武器』と『勝利へのシナリオ』】ジャスタウェイ 3歳世代の挑戦を受けて立つ王者」
***軍土門隼夫「【3人のサムライ 頂までのアプローチ】福永祐一 ダービーが目標なら、凱旋門賞は夢」
***岡本光男「【夢を追い求めるホースマンたちの声】須貝尚介調教師 馬房が隣同士の2頭が一緒に行くなんてすごいこと」
***軍土門隼夫「【ステップレース検証】2頭は札幌記念からロンシャンへ」
**2014年11月号
***軍土門隼夫「【第93回凱旋門賞詳報】最強トリオでも叶わなかった夢 トレヴが36年ぶりの連覇達成」
***軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(2)】ジャスタウェイ 結果は伴わずも、課題は克服」
***軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(3)】ゴールドシップ 万全な状態も、不向きな馬場と流れ」
**2014年12月号
***岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第34回ジャパンカップ】今回こそ世界チャンプの末脚を見せる ジャスタウェイ」
***合田直弘「【第34回ジャパンカップ】海外での評価を聞く 『距離不適合』の評価を覆すか注視」
**2015年1月号
***岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第59回有馬記念】譲れない、世界一の誇り ジャスタウェイ」
***有吉正徳「【GIインサイドストーリー】エピファネイア 人馬共にリベンジを果たした瞬間」
***平松さとし「【敗因探究】注目馬たちのジャパンカップを振り返る」
***「【重賞プレイバック】ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第34回ジャパンカップ(GI)(国際招待)エピファネイア」
**2015年2月号
***合田直弘「【引退特別企画(2)】ジャスタウェイ "世界一"を掴みとった駿才」
***石川ワタル「【2014年の蹄跡(1)】ジャスタウェイ&ジェンティルドンナ ドバイの宴~日本馬が世界を驚かせた夜」
***「【2014年度JRA賞決定!】年度代表馬はジェンティルドンナ」
***優駿編集部「【杉本清の競馬談義(357)】大和屋暁さん」
***岡本光男「【トレセン・リポート】栗東トレセン発 有馬記念翌日、榎本調教助手が振り返るジャスタウェイとの思い出」
***「【ニュースフロントライン】GI7勝馬ジェンティルドンナ、世界トップのジャスタウェイが引退式――多くのファンに見守られながらターフに別れを告げる」
***「【馬産地ニュース】引退したスターホースたちが北海道へ――第2の馬生にも期待がかかる」
**2015年3月号
***沢田康文「【ワールドレーシングニュース】2014年ロンジンワールドベストレースホースセレモニー 世界1位ジャスタウェイ、同2位エピファネイアがロンドンで表彰される」
***石川ワタル「【ワールドレーシングニュース】Topics」
**2017年4月号
***軍土門隼夫「【未来に語り継ぎたい名馬物語(22)】[https://www.yushunweb.jp/story/story22/717/ 2014年レーティング世界一 ジャスタウェイの到達点]」
**2018年7月号
***河村清明「【未来に語り継ぎたい名馬物語(35)】[https://www.yushunweb.jp/story/story35/1623/ 4歳秋から急成長で世界レベルに。 ハーツクライのポテンシャル]」
* {{Cite book|洋書 |title=Racehorses of 2013 |year=2014 |ref=harv |isbn=978-1901570939 |publisher=Timeform Ltd |author=[[タイムフォーム|Timeform]] |language=en}}
* {{Cite book|洋書 |title=Racehorses of 2014 |year=2015 |ref=harv |isbn=978-1901570977 |publisher=Timeform Ltd |author=Timeform |language=en}}


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 外部リンク ==
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* {{競走馬成績|netkeiba=2009106461|yahoo=2009106461|jbis=0001106251|racingpost=792922/just-a-way}}
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2024年11月15日 (金) 21:38時点における最新版

ジャスタウェイ
2013年天皇賞(秋)
欧字表記 Just a Way[1][2]
品種 サラブレッド[2]
性別 [1][2]
毛色 鹿毛[1][2]
生誕 2009年3月8日(15歳)[1][2]
抹消日 2015年1月7日[3]
ハーツクライ[1][2]
シビル[1][2]
母の父 ワイルドアゲイン[1][2]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1][2]
生産者社台コーポレーション白老ファーム[1][2]
育成 早来ファーム安平町[4]
ノーザンファーム空港牧場苫小牧市[5]
馬主 大和屋暁[1][2]
調教師 須貝尚介栗東[1][2]
調教助手 北村浩平[6]
厩務員 榎本優也[6]
競走成績
タイトル ワールドベストレースホース(2014年)[7]
JRA賞最優秀4歳以上牡馬(2014年)[1][2]
生涯成績 22戦6勝[1]
中央)20戦5勝[2]
(外国)2戦1勝[1][2]
獲得賞金 9億940万9000円[1]
(中央)5億9569万4000円
(外国)3億1371万5000円[1][6]
WTRR I123 / 2013年[8]
M130 / 2014年[9]
TF 126 / 2013年[10]
131 / 2014年[11]
勝ち鞍
GI 天皇賞(秋) 2013年
GI ドバイデューティフリー 2014年
GI 安田記念 2014年
GII 中山記念 2014年
GIII アーリントンカップ 2012年
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ジャスタウェイ(欧字名:Just a Way2009年3月8日 - )は、日本競走馬種牡馬[2]

2014年度ワールド・ベスト・レースホース・ランキングにおいて日本調教馬として史上初めて同ランキング単独1位となり、「世界一」の競走馬となった。同年のワールドベストレースホースJRA賞最優秀4歳牡馬である。

概要

[編集]

2009年に北海道浦河町にて誕生、社台コーポレーション白老ファームによって生産された父ハーツクライの牡馬である。2010年のセレクトセールに上場し、アニメ脚本家である大和屋暁が馬主となり、大和屋が携わったアニメ『銀魂』の中に登場するアイテム名を授けられた。中央競馬(JRA)の栗東トレーニングセンターに所属する調教師須貝尚介に管理されて2011年、2歳夏に競走馬としてデビューした。

新馬戦優勝後、重賞で好走するも敗北が続いていたが翌2012年春のアーリントンカップ(GIII)を優勝して2勝目を挙げ、重賞初勝利を果たした。しかしその後は重賞で好走するも勝ちきれず、今度は1年以上もの間勝利から遠ざかった。特に2013年夏のエプソムカップ(GIII)から関屋記念(GIII)、そして秋の毎日王冠(GII)の3連戦はすべて2着だった。しかし続く天皇賞(秋)(GI)にて牝馬三冠ジェンティルドンナ東京優駿(日本ダービー)優勝のエイシンフラッシュなどを下してGI初勝利並びに天皇賞戴冠を果たした。

翌2014年の中山記念(GII)で重賞3勝目を挙げ、3月にはドバイ遠征を敢行。参戦したドバイデューティフリー(GⅠ)にて南アフリカの無敗馬ウェルキンゲトリクスなど2着以下に6馬身以上の差をつけて優勝。この圧勝劇は、この年の「ワールドベストレースホースランキング」で最高の評価を得るに至った。さらには帰国初戦となった6月の安田記念(GI)ではグランプリボスとの接戦を制しGI級競走3勝目を挙げた。その後は実績のない長距離GIに挑戦、フランスの凱旋門賞(GⅠ)やジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)に出走し、このうちジャパンカップや有馬記念では上位に食い込んだ。有馬記念を最後に引退。日本とドバイ、フランスの三か国で出走し22戦6勝、約9億円の賞金を獲得した。

引退後は種牡馬となり、重賞優勝産駒を輩出。2020年ホープフルステークス(GI)を優勝し同年のJRA賞最優秀2歳牡馬となったダノンザキッド(母父:ダンシリ)や2021年JBCレディスクラシック(JpnI)を優勝したテオレーマ(母父:シーザスターズ)、さらには2019年のクラシック三冠すべてで善戦したヴェロックス(母父:モンズーン)などの父として知られる。

デビューまで

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誕生までの経緯

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シビル

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シビル(ジャスタウェイの母)は、1999年に白老ファームで生産された牝馬(持込馬)である。父ワイルドアゲイン、母 シャロン英語版。母であるシャロンはアメリカで競走馬としてデビューし、1990年のコーチングクラブアメリカンオークス(G1)等重賞5勝を挙げた。半兄妹には日本に輸入されて外国産馬として中央競馬で活躍したトーヨーレインボーやエターナルビートがいる[12]。引退後のシャロンはアメリカで繁殖牝馬として繋養されたのち、1998年に日本に輸入され、北海道白老町の白老ファームに繋養された[13]。第1回ブリーダーズカップクラシックを制した種牡馬ワイルドアゲインとの仔を受胎した状態での輸入であり、そうして生まれたのがシビルである[12]

シビルは2002年に栗東トレーニングセンター宮徹厩舎から競走馬となったが、5戦して未勝利のまま引退。引退後は白老ファームで繁殖牝馬となる。初年度となる2005年は生後直死に見舞われたが、翌2006年に初仔となる牝馬(父:サクラバクシンオー)を出産。初仔は2006年のセレクトセールにて1050万円で取引されて「スカイノダン」という名で競走馬となり、スプリント戦線で活躍。2010年の北九州記念(GIII)ではメリッサに半馬身差の2着となり、続くセントウルステークス(GII)では1番人気を背負ったこともあった(6着)[12] [14]

シビルは続いて父フジキセキの2番仔、父スペシャルウィークの3番仔を産み落とし、2008年にハーツクライと交配して受胎し、翌2009年に後のジャスタウェイである4番仔を産み落とした。翌2010年にはゴールドアリュールとの交配で出来た5番仔も出産したが、ジャスタウェイの活躍を見る事なく同年に結腸捻転で急死[13][15]。ジャスタウェイが大成した頃には現役及びデビュー前の弟妹は存在しなかった[16][15]

ハーツクライ

[編集]
ハーツクライ

ハーツクライ(ジャスタウェイの父)は、2001年に北海道千歳市社台ファームで生産された。父サンデーサイレンス、母アイリッシュダンス、母父トニービン社台レースホース所有のもとで走り、2005年の有馬記念でディープインパクトを破って優勝[17]。2006年のドバイシーマクラシックで優勝するなど[18][19]、生涯19戦5勝を挙げた[20]。2007年より北海道安平町社台スタリオンステーションで種牡馬として供用された。ジャスタウェイは供用2年目となる2009年度産の産駒にあたる。

幼駒時代

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牧場時代

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2009年3月8日、北海道浦河町にてハーツクライの2年目産駒でシビルの4番仔となる鹿毛の牡馬(後のジャスタウェイ)が誕生する。生産者名義は白老町の社台コーポレーション白老ファーム。白老で離乳までの初期育成を、早来ファームで中期育成[4]、ノーザンファーム空港牧場で後期育成された[5]。早来ファームの育成主任は「多くのハーツクライ産駒がそうであるように、この馬もトニービンの特徴がよく表現された馬でした」と回顧し、独特の柔らかさがあるゆえに晩成型であると捉えていた[4]

馬主

[編集]
大和屋暁

馬主の大和屋暁は、主にアニメーションを中心に活躍している脚本家である。一口馬主として社台サラブレッドクラブに入会し、2頭目の出資馬がハーツクライだった[21]。ドバイシーマクラシックでは現地で勝利を見届けて表彰式にも参加し[22]、続くイギリスにも応援に出向いていた[7]。ハーツクライは喘鳴症により突然の引退を余儀なくされたが、引退後に行われたパーティーの壇上に立った大和屋は馬主になりハーツクライの仔で無念を晴らすことを公に宣言。それからまもなく社台レースホースの後押しを受けて馬主登録を申請し、受理された[21]

続いてハーツクライの仔の所有を目指した。競馬サークルに伝手のない大和屋はハーツクライ引退直後の2007年からセレクトセールに参加していたが初年度は金銭感覚の違いに怖気づいて入札すらできず、翌2008年は入札こそできたが落札には至らなかった[23]。ハーツクライの初年度産駒が登場した2009年、大和屋はハーツクライの初年度産駒すべてにとりあえず入札する戦法を取り[24]、1700万円でハーツクライ産駒「シアトルデライターの2008」を落札したが、同馬は翌2010年1月に心臓発作で死亡した[25]

しかし大和屋は挫けず、同年にも再び参戦して「シビルの4番仔」と巡り会った。この年は最低落札価格が2000万円以下のハーツクライ産駒に片っ端から入札しており、「シビルの4番仔」も最低落札価格の1000万円から入札。価格はそれほど高騰せず、1200万円で大和屋が落札した。このとき大和屋は外向という懸念要素を全く見落としたまま落札してしまっていた[25]

落札直後に大和屋は、生産者である白老ファーム統括の角田修也に挨拶に赴いた。その際に角田から「知っている調教師はいるんですか」と問われた大和屋は「いません、紹介してください」と答えた。そのとき栗東の調教師である須貝尚介が通りがかったのに気が付いた角田は須貝に連絡し、大和屋を紹介した[22]。「シビルの4番仔」は須貝の管理馬となり[25]、大和屋の2番目に所有した馬で、最初にデビューする競走馬となった。

最初の競走馬に対し大和屋は「ジャスタウェイ」という競走馬名を与えた。綴りは「Just a Way」で意味は「その道」で申請したが、実際には自身が脚本を務めたアニメ『銀魂』のキャラクター「ジャスタウェイ」に絡ませた命名だった。

競走馬時代

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2-3歳(2011-12年)

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7月23日、新潟競馬場新馬戦(芝1600メートル)でデビュー。直前にはゲート練習に注力していたため体の動きが硬く[26]、坂路調教でも動いていなかったため当日は16頭中4番人気に[27][28]。スタートから先行して好位を追走、スローペースとなる中我慢しきれずに進出して直線半ばで抜け出すと先頭を奪取してからは突き放す一方となり、独走して決勝線に到達[27]。33.3秒の上がりを見せて後方に5馬身差をつける大勝で初出走初勝利、大和屋もまた馬主として初出走初勝利を挙げた[26][29]。横手礼一は「去年のオルフェーヴルに続いて、新潟競馬場からの大物登場かもしれない」と評価した[27]

短期放牧を挟んだ後、同じ舞台で行われる9月4日の新潟2歳ステークス(GIII)で重賞初参戦。ゲート中心の調教ながら優勝した新馬戦から更なる上積みが期待されていた[29]。18頭立てとなる中、単勝オッズ1.7倍の1番人気に。スタートから後方を追走し、馬場の外側に持ち出してから長い直線コースを使って追い上げる。前方で抜け出したモンストールにメンバー中最速の32.6秒の上がりで迫ったが32.7秒を繰り出したモンストールには届かず4分の3馬身差の2着で初敗北を喫した[30]。続く11月19日、東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)では、後藤浩輝が騎乗しディープブリランテ、クラレントに次ぐ3番人気に。不良馬場が堪えて、ディープブリランテに千切られる4着だった[31][32]

この後は不良馬場を走ったことを考慮し、ノーザンファームしがらきで短期放牧[33]。脚がむくみ、蕁麻疹にもなっていた[34]。年をまたいで3歳、2012年1月に帰厩し[33]、2月5日のきさらぎ賞(GIII)を叩きの一戦として始動[35]秋山真一郎と臨み、3番人気に推されていた。5番手で直線に向いてから右にもたれながら追い込むも、ワールドエース、ベールドインパクト、ヒストリカルに次ぐ4着だった[36][35]。このきさらぎ賞の後は、むくみや蕁麻疹は現れなかった[34]

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2012年 アーリントンカップ(GIII)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

叩き2戦目は2月25日鞍上が福永に戻って挑んだアーリントンカップ(GIII)だった。きさらぎ賞で見せた右にもたれる癖を解消させるために厩舎は舌を縛る対策を施して調教した[35]。前年の朝日杯フューチュリティステークス5着のダローネガとの対決となり、ダローネガに次ぐ2番人気に推される[37]。スタートから折り合いに専念した結果最後方追走となり[38]、12番手で直線に向いてからは大外に持ち出して追い込んだ。内側ではオリービンが抜け出してリードを築いていたが、ゴール寸前で一気に差し切り半馬身差をつけて重賞初勝利を挙げた[37]

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2012年 NHKマイルカップ(GI)
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2012年 東京優駿(日本ダービー)(GI)
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この後の目標はNHKマイルカップ、そして東京優駿(日本ダービー)となった。その前にトライアル競走のニュージーランドトロフィー(GII)を使う予定だったが、直前に風邪をひいて回避し本番直行となった[39]。G1初挑戦となる5月6日のNHKマイルカップ(GI)には福永と挑み4番人気だった。スタートから後方を追走して追い込むも、秋山が騎乗した1番人気カレンブラックヒルに逃げ切りを許す7位入線。岩田康誠騎乗6位入線のマウントシャスタが直線にて後藤騎乗のシゲルスダチの進路を塞ぐ走行妨害をして失格となったため、繰り上がって6着となった[40]。この際落馬した後藤は頸椎骨折、頚髄不全損傷となり戦線離脱[41]。続く5月27日の東京優駿(GI)は福永に1番人気に推されることになる有力馬ワールドエースがいたため後藤の起用を予定していたが、事故で乗れなくなったため秋山を再起用して参戦。15番人気で挑み、ディープブリランテに敗れる11着だった[42]
秋はクラシック最終戦の菊花賞ではなく古馬混合の中距離路線に進む。10月7日の毎日王冠(GII)は東京優駿優勝のエイシンフラッシュ安田記念優勝のストロングリターンリアルインパクトなどGI優勝経験のある古馬が5頭参戦。さらにカレンブラックヒルとも再戦となった。ジャスタウェイとカレンブラックヒルの3歳馬2頭と古馬14頭というメンバーとなる中、柴田善臣が騎乗し単勝オッズ61.6倍の12番人気に。スタートからシルポートが逃げ、カレンブラックヒルが離れた3番手で先行する一方で中団馬群を追走。9番手で直線に向き、馬群を捌いて進出。先頭を奪ったカレンブラックヒルにメンバー中最速の上がりで詰め寄るとゴール寸前で並びかけ、ほとんど同時に決勝線へ飛び込んだ。2頭しかいない3歳馬によるワンツーフィニッシュとなったが、カレンブラックヒルにはクビ差及ばなかった[43][44]

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2012年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

それでも2着で賞金を加算し、続いて10月28日の天皇賞(秋)(GI)に内田博幸とともに8番人気で参戦。先行策に出たが、エイシンフラッシュに巻き返され6着だった[45]。この後は香港国際競走に登録するも断念、朝日チャレンジカップを予定するも熱発して回避し、年内は出走しなかった[46]

4歳(2013年)

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連敗

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前年秋は天皇賞(秋)などで惜敗し、陣営は翌年への手応えを得ていた。父ハーツクライが古馬となってから本格化した事から同様の成長が期待された。古馬となったこの年は、まずはGIII競走から仕切り直しを図ることとなった。この頃には虚弱体質も改善し、間隔を詰めてレースに出走することができるようになっていた。

まず年明けの中山金杯(GIII)で始動。前年の毎日王冠で3着に下した7歳タッチミーノットとの再戦となった。1番人気となったジャスタウェイは平均ペースの中団後方を追走し、直線では外から追い込み先行していた2番人気タッチミーノットを目指したが、タッチミーノットには押し切られさらにアドマイヤタイシにも粘られて届かず、3着止まりだった[47]

続く2月10日の京都記念(GII)では、天皇賞(春)優勝のビートブラックを始め、産経大阪杯優勝のショウナンマイティ、重賞善戦中のトーセンラーなどとの対決となったがそれらを抑えて期待されて1番人気に支持された。スタートからビートブラックが逃げる中、先行策を選択[48]

本馬場入場

好位を得て追走し最初のホームストレッチに差し掛かったが、この時に少し行きたがる仕草を見せていた[49]。内田が宥めて好位を守ったが後方を進んでいたショウナンマイティが操縦利かず、途中で進出してビートブラックからハナを奪うと緩みないペースに。直線に差し掛かり後方勢は一斉にショウナンマイティを目指して追い込緑を図る。ジャスタウェイも同様に追い込むが序盤で消耗したために直線で失速。外から差し切ったトーセンラーが優勝、ジャスタウェイは5着だった[48][49]

3月9日には中日新聞杯(GIII)にダリオ・バルジューと参戦した。中山金杯2着のアドマイヤタイシとの再戦となり、アドマイヤタイシに次ぐ2番人気だった。スタートから中団後方を追走し10番手で直線に向いたが、末脚利かずに伸びを欠いた8着に敗れた[50]。古馬となってから着順は右肩下がりの3連敗。シンガポール航空インターナショナルカップへの一次登録などもしていたが、撤退して放牧となった。しかしこの放牧によって一変。急成長を果たすこととなった。後に榎本は、放牧から帰還し続いてエプソムカップを目指すジャスタウェイについて「この馬は放牧から帰ってくるたびに成長してきたけど、エプソムカップの時は本当に良くなっていた。もうGIに届くぐらいのレベルになったんじゃないかなと思った[51]」と回顧している。

連続2着敗退

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再起初戦は6月9日のエプソムカップ(GIII)が選ばれた。傑出馬不在の混戦となる中、再戦となったサトノアポロラジオNIKKEI賞優勝の同期ファイナルフォームに次ぎ、安田記念を除外となって本レースへ出走してきたクラレントを上回る3番人気だった。8枠13番という外枠が割り当てられたジャスタウェイはスタートで出遅れを喫し、大逃げをする馬が現れたため縦に長い馬群の最後方の内側を追走する形となった。最終コーナーを11番手で迎えた鞍上の福永は外に持ち出してからでは間に合わないと判断し、そのまま内側に留まり直線に入ると馬場の最内から追い上げを図る。馬群をさばいて進路を確保し、離れた2番手から先に抜け出していたクラレントにゴール手前で追いつくとほとんど同時に決勝線に到達。しかしクラレントにはハナ差及ばず、連敗脱出はならなかった[52]

続いて8月11日のサマーマイルシリーズ関屋記念(GIII)に参戦。同じようにマイルの重賞を優勝したドナウブルーレオアクティブレッドスパーダが立ちはだかったが、単勝オッズ2.8倍の1番人気に推されていた。8枠16番からスタートしたが、再び出遅れを喫して最後方追走となる。15番手で迎えた直線では大外に持ち出してから進出。上がり3ハロンをメンバー中最速となる33.2秒の末脚で追い上げ、レオアクティブやドナウブルーと共に2番手追走から抜け出したレッドスパーダに迫るも届かず、3頭は並んだまま決勝線に到達。ジャスタウェイがハナ差で先着し2着となった[53]

秋は前年と同様に毎日王冠に参戦。東京優駿並びに天皇賞(秋)優勝のエイシンフラッシュが参戦していたものの実力伯仲の混戦とみられ、出走11頭中7頭が一桁オッズとなった。ショウナンマイティやダークシャドウ、クラレント、レッドスパーダ、3歳のコディーノらが連ねる中、ジャスタウェイは5番人気だった。スタートからエイシンフラッシュに続く5番手を追走、緩んだペースだったが残り600メートルから早くなり、勝負は末脚比べとなった。クラレントとレッドスパーダが粘りこむ中、エイシンフラッシュとともに追い上げ先頭を奪ったが最後はエイシンフラッシュに突き放され半馬身差の2着敗退[54]。これで重賞3連続2着、高い能力がありながら惜敗を続ける姿は父ハーツクライを想起させ、岡本光男によれば「勝てそうで勝てない馬」、『優駿』によれば「惜敗キャラ」だった[51][55]

天皇賞(秋)

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続いて陣営は前年同様に天皇賞(秋)への参戦を望んでいたが、1週間前の時点で出走登録をしていた馬はフルゲートの18頭を上回っていた。ジャスタウェイの出走優先順位は20番目であり出走は絶望的だったが[55]、直前になって出走優先順位上位の馬のうち4頭が回避するなど、登録馬が18頭未満になる幸運に恵まれて出走が実現することとなった[56]。前年から1年振りのGI出走となった10月27日の天皇賞(秋)は台風が接近していたため前々日の輸送となったが、問題なく現地へと到着した[57]

ジェンティルドンナ
トウケイヘイロー

17頭立てとなる中、前年の牝馬三冠馬であるジェンティルドンナ札幌記念函館記念などサマー2000シリーズ優勝のトウケイヘイロー、毎日王冠優勝から臨む前年優勝のエイシンフラッシュ、3歳のコディーノらが立ちはだかった[55]。榎本は戦前、「勝てるとすれば馬場状態や枠順や展開など、すべてが嚙み合った時かな[51]」と見立てていた。ディープインパクト産駒の牝馬三冠馬・ジェンティルドンナが1番人気に推される一方でジャスタウェイは単勝オッズ15.5倍の5番人気だった。前日は降雨により不良馬場だったが当日は晴れて馬場状態は回復し、良馬場での開催となった[55]。馬場が内側から乾いていく傾向にあったため、福永はその内側から抜け出す作戦を考えていた。直近のレースではスタートでの出遅れが敗因の一つであり、大一番での出遅れは致命傷になると考えていたために発走直前にゲートに入れ、落ち着いてもらおうと試みていた[58][59]

映像外部リンク
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画

スタートからトウケイヘイローが先行してハナを奪取、ジェンティルドンナも先行して直後の2番手に[55]。一方でジャスタウェイは五分のスタートから中団の外側に留まり、同じく中団にいたエイシンフラッシュを追走[57]。トウケイヘイローが前半の1000メートルを58.4秒のハイペースで通過する中、9番手で最終コーナーを通過し、直線で外に持ち出して追い上げを開始[55]。前方ではトウケイヘイローに代わってジェンティルドンナが先頭を奪取。押し切りを図るジェンティルドンナを目標に、福永に促されて鋭い末脚を繰り出した。一気に詰め寄ると並ぶ間もなく抜き去り残り200メートル手前で先頭を奪取、比較的乾いている内側に切れ込みながら勢い衰えることなく伸び続け、他馬を置き去りに[59][60]。最終的には2着ジェンティルドンナに4馬身、3着エイシンフラッシュに6馬身差をつける独走で勝利した[55]

決勝線到達直後

天皇賞(秋)での決勝着差4馬身は1987年ニッポーテイオーの5馬身に次ぐものであり、良馬場開催では史上最大着差での優勝となった。1年8か月ぶりの勝利が古馬GIタイトルとなったが、2勝馬による天皇賞優勝は史上初であり、古馬G1全体でも2006年エリザベス女王杯優勝のフサイチパンドラ以来史上2例目の記録であった[13][60][61]。またこれはハーツクライ産駒のJRAGI初勝利であり、父が2006年の有馬記念で三冠馬ディープインパクトを破ってG1を初めて勝利した際と同じように、ディープインパクト産駒の牝馬三冠馬ジェンティルドンナを破ってのGI初勝利となった[13]。大和屋は初めてデビューさせたハーツクライ産駒で望み通りGI優勝を果たした[62]

優勝馬服

福永は通算12回目の挑戦で天皇賞(秋)初優勝。前週にエピファネイアで制した菊花賞に続いて2週連続GI優勝を成し遂げた[61]。菊花賞と天皇賞(秋)の連続優勝は1965年に菊花賞をダイコーター、天皇賞(秋)をシンザンで制した栗田勝以来[59]。また福永の父である福永洋一は1972年にヤマニンウェーブで天皇賞(秋)を優勝していることから、横山富雄・典弘父子以来史上2組目となる父子天皇賞(秋)優勝となった[61]。福永は「外へ出した時の反応がすごかった。あっという間に他馬を置き去りにして、あまりに早く先頭に立ったので、僕が戸惑ったくらい。ジェンティルドンナもあっという間に見えなくなった[51]」と回顧している。

天皇賞を制したジャスタウェイの次なる目標は、翌年3月のドバイミーティングとなった。ジャパンカップや有馬記念へ出走する計画もあったが、疲労が著しいためにすべて回避。年内全休となった[63]

5歳(2014年)

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中山記念

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目標とするドバイミーティングでは、芝1777メートルで行われるドバイデューティフリー(G1)への参戦を基本線に考えており、それに向けて1月29日に帰厩。前回の長期休養明けには夏から秋にかけて本格化したが、今回もさらに筋肉量が増えるなど成長していた[63]。年明け初戦はドバイ遠征の前哨戦として3月末の中山記念(GII)に参戦。福永が騎乗停止処分を受けていた為、横山典弘が騎乗した。天皇賞(秋)で下したトウケイヘイローとの再戦となるほか、サダムパテックロゴタイプアユサンなどGI優勝馬4頭を含めた15頭が参戦。ジャスタウェイはトウケイヘイローに次ぐ2番人気だった[64]

映像外部リンク
2014年 中山記念(GII)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

逃げ馬のトウケイヘイローが肝心のスタートで出遅れる一方でジャスタウェイは好発して先行策を敢行。馬場の最も内側の好位を追走する[64]。出遅れたトウケイヘイローが無理な逃げで失速する一方、好位をスムーズに立ち回り、3番手で迎えた直線ではそのまま内側を突いて進出[65]。失速したトウケイヘイローをかわすと後続も突き放して独走態勢に。2着を争ったアルキメデスやロゴタイプ、マイネルラクリマに3馬身半差をつけて決勝線に到達し、ドバイ遠征の前哨戦を連勝で制した。横山は1996年のサクラローレル、2008年及び2009年連覇のカンパニーに続く中山記念4勝目を挙げ、保田隆芳増沢末夫、柴田善臣の最多タイ記録に並んだ[64][66]。なお横山には最後の直線でインコースの間隙を突いたことで過怠金1万円の処分が下っている[67]

ドバイデューティフリー

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概況

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3月29日、アラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場で行われるドバイデューティフリー(G1)には、日本調教馬3頭にGI級競走優勝馬7頭を含む13頭が出走した。外国調教馬で有力視されていたのは、デビュー以来無敗の6連時中の南アフリカ調教馬ウェルキンゲトリクスや、牝馬ながらアイリッシュチャンピオンステークスを優勝したイギリス調教馬のザフューグだった。イギリスのブックメーカー各社は自国のザフューグが出走しているにもかかわらず、ジャスタウェイの実力を認めて1番人気に設定していた[68][69]。参戦にあたり福永は、先行して逃げ馬の背後を得て直線で抜け出すプランAと、出遅れるなどした際に後方待機から追い込み末脚に賭けるプランBの2つの作戦を用意していた[70]

映像外部リンク
2014年 ドバイデューティフリー(G1)
レース映像 レーシングドバイ公式YouTubeチャンネルによる動画

トウケイヘイローが好スタートから同じように逃げる一方で、ジャスタウェイは出遅れて後方2番手の外側を確保した。トウケイヘイローが1000メートルを59秒以下のややハイペースで通過するのを追走、やがてウェルキンゲトリクスの背後を得てマークする形に。最終コーナーを通過すると直線外から追い込みを開始。逃げ馬を捉えて先に抜け出そうとしていたウェルキンゲトリクスに驚異的な末脚で詰め寄ると残り300メートルで捉えて一気に差し切り、そのままの勢いで独走。最終的には2着ウェルキンゲトリクスに6馬身4分の1差、それ以下に約8馬身差をつけて決勝戦に到達した[70]

これでGI級競走2勝目、海外G1初優勝を果たした。日本調教馬のドバイデューティフリー優勝は2007年のアドマイヤムーン以来。また2006年ドバイシーマクラシックを優勝した父ハーツクライとともに、父仔でのドバイミーティング優勝を達成した[71]。オーナーの大和屋は、人生の目標に定めていたドバイミーティング優勝を最初の所有馬で果たしたことになった[22]

優勝着差6馬身4分の1の大勝だったうえに、走破タイム1分45秒52は従来のレコードを2秒41上回るコースレコードであった。この年の馬場は高速決着の傾向にありレコードが多発していたが、2秒以上短縮したのはジャスタウェイだけだった[70]。福永はシーザリオで優勝した2005年アメリカンオークス以来9年ぶり5度目の海外G1勝利[71]。ウェルキンゲトリクスのクリストフ・スミヨンは最終コーナーで勝利を確信していたが「日本の馬が矢のように駆け抜けていった。言葉がないです」と回顧している。また福永は引き揚げて来て一言「これで世界ランキング1位でしょう」と話していた[72]。大和屋が持参した2つのジャスタウェイに関する面白い逸話もある[73]

世界ランキング1位
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この独走劇は、レーティング的にも高い評価を受けた。着差6馬身以上でウェルキンゲトリクスを制したことから「130」ポンドを獲得。このレーティングは、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表する「ロンジンワールドベストレースホースランキング」のこの年1月1日から4月7日までの四半期発表では単独での「世界ランキング1位」となった[74]。「130」という評価は前年の有馬記念でオルフェーヴルに与えられた「129」を上回り[75][74]、セックスアローワンスを考慮しなければ前年首位のブラックキャビアトレヴと同じ数値[74]、日本調教馬としては1999年のエルコンドルパサーの「134」に次いで史上2番目に高い数値だった[76]。またIFHAによる日本調教馬の「世界ランキング1位」は2006年7月に前身である「ワールドリーディングホース」中間発表で「125」を与えられて1位タイとなったディープインパクト以来であり、単独1位は日本調教馬史上初の快挙であった[74]

2014年度ロンジンワールドベストレースホースランキング[7]
RATE (調教国)馬 馬場 距離 レース 着順
1 130 日本の旗ジャスタウェイ M ドバイデューティフリー 1着
2 129 日本の旗エピファネイア L ジャパンカップ 1着
3 127 香港の旗エイブルフレンド M 香港マイル 1着
アイルランドの旗オーストラリア I インターナショナルS 1着
愛チャンピオンS 2着
イギリスの旗キングマン M セントジェームズパレスS 1着
イギリスの旗ザグレーギャツビー I 愛チャンピオンS 1着
アラブ首長国連邦の旗バラエティクラブ M チャンピオンズマイル 1着

この後世界各国でレースが続々行われ「ロンジンワールドベストレースホースランキング」は更新されていったが、ジャスタウェイの「130」ポンドを上回る馬は現れず単独での「世界ランキング1位」が確定する[1]。1977年にイギリスアイルランドフランスで始まった「ヨーロピアンクラシフィケーション」でレーティングによるランキングを作る試みが始まって以来、日本は初めは対象外にされており、対象となってからも上位にはたやすく認められなかった。しばらくして1996年ジャパンカップで2着となったファビラスラフインが同年度3歳部門で28位にランクイン[68]。それからディープインパクトの2006年度4位、オルフェーヴルの2013年度3位などを経た2014年度、ジャスタウェイが首位に登り詰めて日本調教馬史上初の快挙を成し遂げた[77]。またこの年にはジャパンカップで「129」のレーティングを与えられたエピファネイアとともに日本調教馬によるワンツーフィニッシュを果たし、ともにこの年の「ロンジンワールドベストレースホース」として表彰されている。翌2015年1月20日、ロンドンのクラリッジスホテル英語版で行われた表彰式で、大和屋はこのようにスピーチしている[7]

全世界のハンデキャッパーの方々に感謝しています。前回イギリスに来たのはハーツクライがキングジョージに出走した際で、その時は残念だったのですが、今回このような賞をいただき、ロンドンが好きになりました。 — 大和屋暁[7]

こうして世界一となったジャスタウェイには、ドバイデューティフリーの直後からイギリスのアスコット競馬場でのプリンスオブウェールズステークスヨーク競馬場でのインターナショナルステークス、オーストラリアのムーニーヴァレー競馬場でのコックスプレート等各国からレースへの出走オファーが寄せられた。しかし、陣営はいずれも選択することはなかった[78]

一方、イギリスのタイムフォーム誌は国際競馬統括機関連盟のものと大きく異なる世界ランキングを作成し、ジャスタウェイに対して131ポンドの年間レーティングを与えている[79]。これはキングマンを134ポンドで2014年世界一とし、オーストラリア、エピファネイア、ランカンルピー(132)に続き、パレスマリスバラエティクラブ(131)と並ぶ同5位に本馬を格付けしたものである[80]。同誌は公式レーティングについて、ジャスタウェイが「明らかに同馬より優れた近年の日本調教馬達」を凌駕したものと批判し、同年鑑の海外競馬欄に日本が含められた1997年以後の同国ではエルコンドルパサー(136)、ディープインパクト(134)、ロードカナロア(133)、エピファネイア、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、シンボリクリスエス(132)に続く8位にジャスタウェイを格付けした[79]

安田記念

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ドバイデューティフリーの後は出走オファーに応えて外国転戦の可能性もあったが、日本凱旋を選択。帰国して吉澤ステーブルWESTで休養し、安田記念から宝塚記念というローテーションが設定された。前年の天皇賞(秋)優勝後は回復に時間を要したが、今回のドバイ遠征では外国へ輸送されたにもかかわらずすぐに回復。精神面も成長したことでアクシデントなく凱旋初戦を迎えた[81]。ところが騎乗予定だった福永にたいして直前に騎乗停止処分が下されるアクシデントに見舞われた。そこで陣営は、代打として前年の毎日王冠に騎乗した柴田善臣を起用。大和屋がジャスタウェイへの騎乗経験のある騎手を重視したためであり、当初サダムパテックに騎乗する予定があった柴田を半ば強奪するかたちになった。調教師の須貝はかつてJRA競馬学校の第1期を卒業して騎手免許を取得しており、同期の柴田と騎手と調教師の関係でのG1参戦となった[82][83]

こうして迎えた6月8日の安田記念には1頭の香港調教馬を含めて17頭が出走。そのうち9頭はGI級競走優勝馬という「空前の好メンバー」(土屋真光)が揃った。他にもG1勝利こそ無いものの、地力のあるワールドエースやグランデッツァなども参戦。強力なメンバーが相手だったが、ジャスタウェイは遠征帰りや乗り替わりなどの懸念要素も問題にせず単勝オッズ1.7倍の1番人気に推された。当日は3日前から続く降雨に祟られ、不良馬場になっていた。降雨こそ弱まり小雨になったが馬場は回復せず、道悪での開催となった[82][84]

映像外部リンク
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画

ミッキーアイルが逃げて展開を作る一方でジャスタウェイは5枠10番から五分のスタートを切り、中団を追走。グランデッツァやグランプリボス、ワールドエースなどとともに馬群を形成。そのまま9番手、11番手でコーナーを通過。最終直線で馬群がばらけて各々進路を確保し、横一線になって追い上げ始める。ジャスタウェイも外側へ持ち出して進路を確保してからの追い上げを試みたがマークが厳しく、特にすぐ外側にいたグランプリボスに蓋をされて外への進路を塞がれていた。そこで進路を切り替えて状態の悪い内側に突っ込み、馬群を捌いて進出開始[82][83][84]。一方で三浦皇成騎乗のグランプリボスが抜群の進出コースを確保して先頭に立つ[85]。進出に手間取ったジャスタウェイは後を追ったもののグランプリボスもしぶとく、簡単には先頭を明け渡さなかった[82]

競り合うグランプリボス(手前)とジャスタウェイ(奥)

それでも雨でぬかるんだ馬場に脚を取られながらも徐々に接近し、ゴール直前でどうにか並び立つ[1][84][86]。そこからは時に三浦の肘が柴田の顔面に入る程の激しい競り合いとなり[82][87]、両者はほとんど同時に決勝線へ飛び込んだ。写真判定の結果ジャスタウェイのハナ差での先着が確定。安田記念では1999年エアジハードグラスワンダー以来となる15年ぶり、グレード制導入後4例目のハナ差決着となった[88]

表彰式

重賞4連勝、その内GI級競走で3勝となったがグレード制導入後重賞3連勝中、またはそれ以上での安田記念優勝は2013年のロードカナロア以来4頭目。さらに2001年に香港カップから2002年フェブラリーステークスを連勝したアグネスデジタル以来となる外国G1優勝後の帰国初戦でのJRAG1優勝となった[88]。柴田は1993年ヤマニンゼファー以来となる安田記念2勝目。また父ハーツクライは前々週の優駿牝馬ヌーヴォレコルトで、前週の東京優駿をワンアンドオンリーで制しており、3週連続で産駒がGI優勝[89]。2005年に秋華賞をエアメサイア、菊花賞をディープインパクト、天皇賞(秋)をヘヴンリーロマンスで制したサンデーサイレンス以来となる同一種牡馬産駒による3週連続JRAGI優勝となった[86]

次走は宝塚記念を予定しており[90]、出走馬を決めるファン投票では、ゴールドシップ、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナに次ぐ第4位、約4万票を集めていた[91]。しかし不良馬場の安田記念をこなした代償は大きく、疲労が著しかったために宝塚記念は回避となり、予定を前倒しして夏休みに[90][92]。吉澤ステーブルWESTで放牧となった[93]

凱旋門賞

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夏休み明けの秋の目標は、フランスのロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞となった。この年凱旋門賞へ登録した日本調教馬全6頭のうち、須貝厩舎からはジャスタウェイとゴールドシップ、そしてレッドリヴェールの3頭が登録されていた[94]。しかしレッドリヴェールは東京優駿で12着に敗退した事から挑戦を断念し[95]、ジャスタウェイとゴールドシップの2頭で挑む事となった。ジャスタウェイの鞍上に決まった福永は、ロンシャン競馬場の感触を確かめるために前もって渡仏しレースに騎乗していた[96][97]

ゴールドシップ

須貝は2頭とは別の帯同馬を用意しなかった。ゴールドシップとジャスタウェイは厩舎で馬房を隣同士にされるなど仲が良く、須貝は互いが互いの帯同馬となることを期待していた[98][99]。ゴールドシップは札幌記念を前哨戦としたのに対してジャスタウェイは前哨戦を用いず、ぶっつけ本番での参戦となった[100]。歴代優勝馬の中では1965年シーバードの3か月がブランクの最長記録であり、それを上回る4か月のブランクでの参戦となったが陣営は克服できると考えていた[101]。またヨーロッパの重い馬場も、安田記念の不良馬場をこなしたなら通用すると考えていた[90]

エルコンドルパサー

外国G1を優勝してから凱旋門賞に参戦した日本調教馬は、1999年にサンクルー大賞を優勝[注釈 1]して参戦し、モンジューに僅差の2着と惜敗したエルコンドルパサー以来だった。ただエルコンドルパサーはヨーロッパ長期滞在を経ての惜敗であり、短期間の滞在での外国G1優勝馬による参戦は初めてだった。芝2400メートルで行われる凱旋門賞にはこれまで同じような距離で活躍した日本調教馬が主に参戦していたが、ジャスタウェイは芝2000メートル以下でしか勝利したことがなく、しかも実績のほとんどがマイルに偏っていた。このようなマイル適性に富んだ馬の参戦は、日本調教馬として初めての試みだった[100][103]

しかし、この新しい挑戦には批判がついて回った。世界ランク1位になったことで世界各国の競馬場からの招待オファーを受けるなど、実績に見合ったレースを選択することはいくらでも可能だった。それでも敢えて陣営は、未知数の領域に足を踏み入れる選択を決断した。須貝は「やっぱり初めてと2番目は違う。凱旋門賞を勝つことは日本競馬の悲願。世界一になった馬を預かるものとして凱旋門賞を目指す責任がある」と参戦の理由を回顧している[104]。参戦にあたっては当然ながら、距離適正やスタミナ不足が指摘されていた[105]。遠征は当初、成田国際空港からパリへの直行便を利用する予定だったが航空会社のストライキが発生して欠航となり、急遽オランダのアムステルダムに移動し、陸上輸送でパリへ向かうルートを強いられた。当初の予定よりも8時間超過する移動となったがドバイの経験があるジャスタウェイは動じず、輸送を順調にこなしていた。現地での調整も順調で、福永曰く「ドバイの時以上」の仕上がりで挑んでいた[90]

10月5日の凱旋門賞(G1)は、20年ぶりとなるフルゲート20頭立てとなった。有力馬が続々回避したことから出走馬が揃い、混戦模様となっていた[103]。日本からはゴールドシップとジャスタウェイという須貝厩舎の2頭に3歳牝馬桜花賞優勝馬・ハープスターを加えた3頭が出走。日本調教馬としては史上最多となる頭数で挑み、しかも3頭ともに実績十分で戦前は日本の最強トリオなどと喧伝されていた[106]。3頭の現地での人気はハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップの順に4番人気から6番人気までを占めた[103]

映像外部リンク
2014年 凱旋門賞(G1)
レース映像 フランスギャロップ公式YouTubeチャンネルによる動画

良いスタートを切ったジャスタウェイだったが、その後の追走に苦労して後方から数えて4、5番手、馬群の後方に置かれる形となった[103]。コーナーに差し掛かると外側から馬に寄られて馬場の内側から抜け出すことができず馬群の真っ只中に嵌り、終始揉まれながらの追走となる[104]。やがてフォルスストレートから直線に向いだ勝負どころでは最も内側を突いていたが最内コースに進路を見出せず、外に持ち出してから追い上げたものの進路確保に手間取ったのは致命傷となり、先行して抜け出していた7番人気トレヴに独走を許し最終的には約5馬身後れを取る8着で敗退。福永は敗因について距離ではなく単なる力負けであるとしていた[103][90]

ジャパンカップ

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帰国初戦は凱旋門賞と同じく2400メートルのジャパンカップが選ばれた[1]。10月11日に帰国して検疫、吉澤ステーブルWESTでの着地検査をこなし、その後須貝が遠征や輸送のダメージが少ないことを確認して参戦を決定[107]。陣営は当初ジャパンカップの前週に行われるマイルチャンピオンシップも選択肢に入れていた[108]。外国人記者の多くは凱旋門賞の敗戦を距離の問題であると捉えており、マイルチャンピオンシップや香港マイル、香港カップなどに出走するものと考えていたが陣営は凱旋門賞の敗因を距離だとは考えておらず[107]、またマイルチャンピオンシップでは時間が足りず、香港では連続での外国遠征となる懸念があり、既に実力を証明した中距離路線で得られるものは小さいと考え、さらなる挑戦のためにジャパンカップを選択した[108]。須貝は「世界一の称号をいただいている馬ですし、馬場がどうの、距離がどうのとは言っていられない立場」と述べている[109]

11月30日のジャパンカップ(GI)は、アイリッシュダービー優勝のトレーディングレザー英語版、バーデン大賞やバイエルン大賞優勝のアイヴァンホウ、ジャマイカハンデキャップ優勝のアップウィズザバーズの外国調教馬3頭を迎えたが、人気の中心は日本調教馬が占めていた。古馬では3連覇がかかるジェンティルドンナ、天皇賞(秋)優勝直後のスピルバーグ、前年菊花賞優勝のエピファネイアがおり、3歳馬では皐月賞優勝のイスラボニータ、東京優駿(日本ダービー)優勝のワンアンドオンリー、凱旋門賞帰りの牝馬ハープスターが出走。優駿によれば「『史上最高』との声も聞かれるほどの豪華メンバー」だったという。フルゲートの18頭立てとなる中、ジェンティルドンナが1番人気、ハープスターが2番人気と続き、ジャスタウェイは単勝オッズ6.7倍の3番人気だった。以下エピファネイア、イスラボニータなどが続いた[110]

福永はエピファネイアの主戦騎手でもあったが、ジャスタウェイへの騎乗を選択[111]。エピファネイアには当日ワールドスーパージョッキーシリーズで来日中のクリストフ・スミヨンが騎乗した[112]。ジャスタウェイの参戦過程は決して順調ではなく[108]、1週間前の調教で福永は首を傾げ、直前の併せ馬でも後れを取っていた[113]。福永は「絶好調という感じは受けません」と話していた。しかし当日に一変、福永の想定よりも良い感触を返し馬で得て参戦した[114]

映像外部リンク
2014年 ジャパンカップ(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

レースでは1枠1番からスタートして中団馬群の内側を追走、最終コーナーを8番手で通過すると直線では外に持ち出して進路を確保し追い上げる[115]。福永は後に「道中もスムーズに運べて、だいたい思った通り」と振り返っている。道中、後方を追走していたトレーディングレザーが第3コーナーで故障して後退し競走中止に。この突然の後退によりその背後にいたハープスターやスピルバーグ、ジェンティルドンナなどが躓くなど大きな不利を被った一方でジャスタウェイはスムーズに最終局面に入る。スパートするとイスラボニータと並ぶ形での進出となり、先行勢のほとんどを差し切る。不利を受けたジェンティルドンナなどもスパートしたがそれらに前方を譲らず、やがてイスラボニータも競り落とした[114]。 しかし先行して独走するエピファネイアに対してジャスタウェイは追い上げるも差は広がるばかりだった[110]。残り100メートルほどで末脚が鈍ってしまい[116]、ゴール手前では遅れて追い上げたスピルバーグやジェンティルドンナ、ハープスターに接近を許したがそれでも粘り、それらに半馬身先着して2着は確保した[110][117]

年間レーティング1位を保持していたジャスタウェイはエピファネイアに4馬身差をつけられた2着に敗れた。ジャパンカップの4馬身差は、2003年優勝タップダンスシチーが2着ザッツザプレンティにつけた9馬身差に次いで2番目に大きい優勝着差だった[118]。しかし後日発表されたこのレースでのエピファネイアのレーティングは「128」で世界2位に留まり、ジャスタウェイが1位の座を守った[119]

引退レース

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引退式

12月28日の有馬記念(GI)は4着。これを以て引退となった。ラストランを終えた後、時間を空けて午後6時半にゴールドシップと共に競馬場を退き、栗東に帰還[120]。年をまたいだ2015年1月4日、京都競馬場で引退式が行われた。榎本が好きなMr.Childrenの『終わりなき旅』をBGMにGI初勝利を果たした際の天皇賞(秋)のゼッケンを着用して登場し、主戦騎手の福永を背に芝コースでのキャンターが披露された[121][122]。福永は思い出のレースにドバイを挙げ、須貝は「ジャスタウェイの子供たちを、父に負けず世界で戦えるように育てていく責務を課せられた」と話し、榎本は「またいつか、ジャスタウェイの子供を担当して、大きなレースを勝ちたいです」と述べた[123]。後に初年度産駒として生まれるアドマイヤジャスタは、須貝と榎本に手掛けられて出世を果たすことになる[124]

翌々7日付けで競走馬登録を抹消された。この年のJRA賞では、全285票中242票を獲得[注釈 2]最優秀4歳以上牡馬に選出された。他に年度代表馬部門でも51票を獲得したが、231票のジェンティルドンナに及ばず次点[注釈 3]最優秀短距離馬部門でも32票を獲得したが、193票のスノードラゴンと34票のコパノリチャードに及ばず第3位[注釈 4]だった[125]

種牡馬時代

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供用

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引退後は種牡馬として供用された。引退直後の2015年1月10日から北海道安平町の社台スタリオンステーションに繋養され[126]、父ハーツクライの目の前の馬房が割り当てられた[122]。供用に際しては、シンジケートが結成された[127]。シンジケートの総額は公表されていないが、島田明宏によれば「10億、20億といった単位の金[127]」が動いたという。初年度の種付け料は350万円に設定され、種付け権利はすぐに売り切れた[128][129]

初年度となる2015年は220頭と交配し、2年目からは100頭台に落ち込んだが、5年目となる2019年は盛り返して214頭と交配した[130]。しかし翌6年目となる2020年、三桁を割る86頭に落ち込み、この年の秋に社台スタリオンステーションを追われた[131]。2021年からは日高町ブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用されるようになり[132]、以降は年間約60頭との交配に留まっている[131]

産駒の活躍

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ヴェロックス

産駒は2018年から競走馬として走っている。初年度産駒は続々勝ち上がり、ファーストシーズンサイアーチャンピオン、2018年デビューの新種牡馬で一番の活躍を果たした[132]。初年度産駒のなかでもアドマイヤジャスタは同年のホープフルステークス(GI)で2着、ヴェロックスが翌2019年の若葉ステークス(L)優勝するなどして、2019年クラシック戦線に加わった[133]。特にヴェロックスは皐月賞2着、東京優駿および菊花賞3着とクラシック三冠競走すべてで複勝圏内入りを果たした。[134]

マスターフェンサー

活躍は芝だけに留まらず、マスターフェンサーは日本を飛び出してアメリカのクラシック競走に参戦。2019年、日本生産馬史上初めてケンタッキーダービー(G1)に参戦し6着に。さらにベルモントステークス(G1)にも参戦し5着となった[135]

クラシックタイトルこそ逃した初年度産駒だったが、その後も活躍して重賞タイトルを獲得した産駒も多数現れた。クラシック終結直後の2019年秋にロードマイウェイチャレンジカップ(GIII)を優勝し、産駒として初めて重賞優勝を成し遂げた。翌2020年春にはアウィルアウェイシルクロードステークス(GIII)を、夏にはアドマイヤジャスタが函館記念(GIII)を優勝。帰国したマスターフェンサーもダートグレード競走を多数優勝した[132]。さらに2021年秋にはテオレーマ金沢競馬場で行われたJBCレディスクラシック(JpnI)を優勝。初年度産駒からGI級競走優勝産駒を送り出すことに成功している[136]

テオレーマ

重賞優勝産駒は初年度産駒に留まらず、複数世代に及んでいる。特に2018年産、3年目産駒のダノンザキッドは2020年のホープフルステークス(GI)を優勝し、同年のJRA賞最優秀2歳牡馬を受賞[137]。産駒として初めてとなるJRAGI優勝及びJRA賞受賞を果たした[138]

ダノンザキッド

競走成績

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以下の内容は、netkeiba[139]並びにJBISサーチ[140]、『優駿』2015年2月号[141]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)



オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬
(2着馬)
馬体重
[kg]
2011.07.23 新潟 2歳新馬 芝1600m(良) 16 7 14 006.4(04人) 01着 R1:36.10(33.8) -0.8 福永祐一 54 (ラパージュ) 494
0000.09.04 新潟 新潟2歳S GIII 芝1600m(良) 18 6 11 001.7(01人) 02着 R1:33.90(32.6) -0.1 福永祐一 54 モンストール 490
0000.11.19 東京 東スポ杯2歳S GIII 芝1800m(不) 15 8 14 007.4(03人) 04着 R1:53.50(36.3) -0.8 後藤浩輝 55 ディープブリランテ 488
2012.02.05 京都 きさらぎ賞 GIII 芝1800m(良) 13 6 8 006.9(03人) 04着 R1:47.90(34.2) -0.9 秋山真一郎 56 ワールドエース 492
0000.02.25 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m(良) 13 8 13 004.1(02人) 01着 R1:35.30(34.2) -0.1 福永祐一 56 (オリービン) 482
0000.05.06 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 7 14 010.0(04人) 06着 R1:35.30(34.2) -0.8 福永祐一 57 カレンブラックヒル 474
0000.05.27 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 7 14 112.9(15人) 11着 R2:24.80(34.1) -1.0 秋山真一郎 57 ディープブリランテ 482
0000.10.07 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 16 4 7 061.6(12人) 02着 R1:45.00(33.0) -0.0 柴田善臣 54 カレンブラックヒル 490
0000.10.28 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 6 11 028.3(08人) 06着 R1:57.80(34.0) -0.5 内田博幸 56 エイシンフラッシュ 486
2013.01.05 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 16 5 9 003.4(01人) 03着 R1:59.90(34.5) -0.4 内田博幸 56.5 タッチミーノット 486
0000.02.10 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 11 4 4 003.5(01人) 05着 R2:13.20(34.2) -0.7 内田博幸 55 トーセンラー 490
0000.03.09 中京 中日新聞杯 GIII 芝2000m(良) 18 5 9 005.9(02人) 08着 R2:00.30(35.3) -0.7 D.バルジュー 57 サトノアポロ 486
0000.06.09 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 14 8 13 006.2(03人) 02着 R1:45.70(32.7) -0.0 福永祐一 56 クラレント 496
0000.08.11 新潟 関屋記念 GIII 芝1600m(良) 18 8 16 002.8(01人) 02着 R1:32.70(33.2) -0.2 福永祐一 56 レッドスパーダ 506
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 11 8 10 009.3(06人) 02着 R1:46.80(32.7) -0.1 柴田善臣 56 エイシンフラッシュ 498
0000.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 17 4 7 015.5(05人) 01着 R1:57.50(34.6) -0.7 福永祐一 58 ジェンティルドンナ 496
2014.03.02 中山 中山記念 GII 芝1800m(稍) 15 3 4 005.3(02人) 01着 R1:49.80(36.6) -0.6 横山典弘 58 アルキメデス 502
0000.03.29 メイダン ドバイDF G1 芝1800m(Gd) 13 2 01着 R1:45.52 福永祐一 57 (Vercingetorix) 計不
0000.06.08 東京 安田記念 GI 芝1600m(不) 17 5 10 001.7(01人) 01着 R1:36.80(37.1) -0.0 柴田善臣 58 グランプリボス 498
0000.10.05 ロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m(Gd) 20 14 7 08着 福永祐一 59.5 Treve 計不
0000.11.30 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 18 1 1 006.7(03人) 02着 R2:23.80(35.1) -0.7 福永祐一 57 エピファネイア 498
0000.12.28 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 8 15 004.6(03人) 04着 R2:35.50(33.4) -0.2 福永祐一 57 ジェンティルドンナ 504
  • 馬場状態:Gd=Good
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す

種牡馬成績

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年度別成績

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以下の内容は、JBISサーチの情報に基づく[130]

種付年度 種付頭数 生産頭数 血統登録頭数 出走頭数 勝馬頭数 重賞勝馬頭数 AEI CPI
2015 220 138 138 123 89 5 1.44
2016 151 106 106 95 71 2 0.89
2017 121 78 75 62 41 1 1.25
2018 151 99 97 87 49 0 0.80
2019 214 140 138 116 52 2 1.10
2020 86 62 60 17 3 1.07
2021 61 38 38 0
2022 67 0 0 0
合計 652 500 305 10 1.14 1.82

重賞優勝産駒一覧

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GI級競走優勝馬

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GI級競走は、太字強調にて示す。

グレード制重賞及びダートグレード競走優勝馬

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地方重賞優勝馬

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血統表

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ジャスタウェイ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

ハーツクライ
2001 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers

シビル
1999 鹿毛
Wild Again
1980 黒鹿毛
Icecapade Nearctic
Shenanigans
Bushel-n-Peck Khaled
Dama
母の母
*シャロン
Charon
1987 栗毛
Mo Exception Hard Work
With Exception
Double Wiggle Sir Wiggle
Blue Double
母系(F-No.) (FN:2-n) [§ 3]
5代内の近親交配 なし [§ 4]
出典
  1. ^ [152][153]
  2. ^ [154][153]
  3. ^ [152][153]
  4. ^ [152][153]


参考文献

[編集]
  • 大和屋暁『ジャスタウェイな本 世界最強馬との1640日』(KKベストセラーズ、2015年)ISBN 458410428X
  • 優駿』(日本中央競馬会
    • 2006年5月号
      • 石田敏徳「【ヘッドライン】ドバイで日本馬が2勝を挙げる活躍」
      • 石川ワタル「【ワールドレーシングニュース】第11回ドバイワールドカップデー ハーツクライ&ユートピア 世界の舞台で歴史的な圧勝劇」
    • 2011年9月号
      • 横手礼一「【進め!クラシックロード(2)】一歩リードの重賞&オープン勝ち馬」
    • 2011年11月号
      • 「【重賞プレイバック】第31回新潟2歳ステークス(GIII)モンストール」
    • 2012年1月号
      • 「【重賞プレイバック】第16回東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)ディープブリランテ」
    • 2012年4月号
      • 「【重賞プレイバック】第52回きさらぎ賞(NHK賞)(GIII)ワールドエース」
      • 「【重賞プレイバック】第21回アーリントンカップ(GIII)ジャスタウェイ」
    • 2012年6月号
      • 優駿編集部「【杉本清の競馬談義(325)】須貝尚介調教師」
    • 2012年7月号
      • 「【重賞プレイバック】第17回NHKマイルカップ(GI)カレンブラックヒル」
      • 「【重賞プレイバック】第79回東京優駿(GI)ディープブリランテ」
    • 2012年12月号
      • 「【重賞プレイバック】近代競馬150周年記念 第146回天皇賞(秋)(GI)エイシンフラッシュ」
      • 「【重賞プレイバック】第63回毎日王冠(GII)カレンブラックヒル」
    • 2013年3月号
      • 「【重賞プレイバック】第62回日刊スポーツ賞 中山金杯(GIII)タッチミーノット」
    • 2013年4月号
      • 「【重賞プレイバック】第106回農林水産省賞典 京都記念(GII)トーセンラー」
    • 2013年5月号
      • 「【重賞プレイバック】第49回中日新聞杯(GIII)サトノアポロ」
    • 2013年8月号
      • 「【重賞プレイバック】第30回エプソムカップ(GIII)クラレント」
    • 2013年10月号
      • 「【重賞プレイバック】サマーマイルシリーズ第48回関屋記念(GIII)レッドスパーダ」
    • 2013年12月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ関西)「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 驚愕の末脚を繰り出した理由ワケ
      • 「【重賞プレイバック】第148回天皇賞(秋)(GI)ジャスタウェイ」
      • 「【重賞プレイバック】第64回毎日王冠(GII)エイシンフラッシュ」
    • 2014年4月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ関西)「【2014年の主役を担う古馬たち】充実の時を迎えいざ世界へ ジャスタウェイ」
      • 秋山響「【2014年ドバイワールドカップデイ完成ガイド】ドバイデューティフリー」
    • 2014年5月号
      • 斎藤修「【ドバイワールドカップデー詳報】ジャスタウェイ 2着以下を突き放す圧巻のパフォーマンス」
      • 「【重賞プレイバック】第88回中山記念(GII)ジャスタウェイ」
      • 「【ニュース&トピックス】ジャスタウェイが世界ランキング1位に」
    • 2014年6月号
      • 吉沢譲治「【日本の種牡馬 血統に秘められた物語(2)】ハーツクライ 随所に映し出される母の父の影響力」
    • 2014年7月号
      • 岡本光男「【出走馬それぞれのダービー戦記】4番人気12着 レッドリヴェール 小柄な牝馬には響いた馬体減」
      • 土屋真光「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 向かい風を追い風に変えて」
    • 2014年8月号
      • 「【重賞プレイバック】第64回農林水産省賞典 安田記念(GI)ジャスタウェイ」
    • 2014年10月号
      • 合田直弘「【日本馬3頭の『武器』と『勝利へのシナリオ』】ジャスタウェイ 3歳世代の挑戦を受けて立つ王者」
      • 軍土門隼夫「【3人のサムライ 頂までのアプローチ】福永祐一 ダービーが目標なら、凱旋門賞は夢」
      • 岡本光男「【夢を追い求めるホースマンたちの声】須貝尚介調教師 馬房が隣同士の2頭が一緒に行くなんてすごいこと」
      • 軍土門隼夫「【ステップレース検証】2頭は札幌記念からロンシャンへ」
    • 2014年11月号
      • 軍土門隼夫「【第93回凱旋門賞詳報】最強トリオでも叶わなかった夢 トレヴが36年ぶりの連覇達成」
      • 軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(2)】ジャスタウェイ 結果は伴わずも、課題は克服」
      • 軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(3)】ゴールドシップ 万全な状態も、不向きな馬場と流れ」
    • 2014年12月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第34回ジャパンカップ】今回こそ世界チャンプの末脚を見せる ジャスタウェイ」
      • 合田直弘「【第34回ジャパンカップ】海外での評価を聞く 『距離不適合』の評価を覆すか注視」
    • 2015年1月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第59回有馬記念】譲れない、世界一の誇り ジャスタウェイ」
      • 有吉正徳「【GIインサイドストーリー】エピファネイア 人馬共にリベンジを果たした瞬間」
      • 平松さとし「【敗因探究】注目馬たちのジャパンカップを振り返る」
      • 「【重賞プレイバック】ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第34回ジャパンカップ(GI)(国際招待)エピファネイア」
    • 2015年2月号
      • 合田直弘「【引退特別企画(2)】ジャスタウェイ "世界一"を掴みとった駿才」
      • 石川ワタル「【2014年の蹄跡(1)】ジャスタウェイ&ジェンティルドンナ ドバイの宴~日本馬が世界を驚かせた夜」
      • 「【2014年度JRA賞決定!】年度代表馬はジェンティルドンナ」
      • 優駿編集部「【杉本清の競馬談義(357)】大和屋暁さん」
      • 岡本光男「【トレセン・リポート】栗東トレセン発 有馬記念翌日、榎本調教助手が振り返るジャスタウェイとの思い出」
      • 「【ニュースフロントライン】GI7勝馬ジェンティルドンナ、世界トップのジャスタウェイが引退式――多くのファンに見守られながらターフに別れを告げる」
      • 「【馬産地ニュース】引退したスターホースたちが北海道へ――第2の馬生にも期待がかかる」
    • 2015年3月号
      • 沢田康文「【ワールドレーシングニュース】2014年ロンジンワールドベストレースホースセレモニー 世界1位ジャスタウェイ、同2位エピファネイアがロンドンで表彰される」
      • 石川ワタル「【ワールドレーシングニュース】Topics」
    • 2017年4月号
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脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 福永はこの当時、怪我で休養中だったためフランスに行き、現地でエルコンドルパサーの優勝を見届けていた[102]
  2. ^ エピファネイアが31票で次点。ゴールドシップ11票、該当馬なし1票[125]
  3. ^ 他に該当馬なし2票、エピファネイア1票[125]
  4. ^ 以下、ミッキーアイル12票、該当馬なし12票、コパノリッキー2票[125]

出典

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外部リンク

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