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シゲルスダチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シゲルスダチ
欧字表記 Shigeru Sudachi[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 2009年3月23日[1]
死没 2014年11月9日(5歳没)
抹消日 2014年11月9日
クロフネ[1]
エトレーヌ[1]
母の父 ブライアンズタイム[1]
生国 日本の旗 日本北海道日高町[1]
生産者 豊洋牧場[1]
馬主 森中蕃[1]
調教師 伊藤正徳美浦[1]
厩務員 鈴木睦子[2]
競走成績
生涯成績 34戦3勝[1]
獲得賞金 7062万円
勝ち鞍
オープン マーガレットS 2012年
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シゲルスダチ(欧字名:Shigeru Sudachi2009年3月23日 - 2014年11月9日)は、日本の競走馬[1]

生涯重賞勝ちには恵まれなかったが、2012年NHKマイルカップで落馬した鞍上の後藤浩輝騎手に寄り添う姿を見せ、多くのファンの心を打ったことで知られる。馬名の意味は、冠名酢橘

経歴

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  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[1]

2009年3月23日、北海道の豊洋牧場にて生まれる。2010年森中蕃にセレクトセールで420万円で落札されると、2009年産馬に与える馬名のテーマに従い、果物酢橘より、シゲルスダチと名付けられた。

2011年6月18日に迎えた新馬戦では5着に敗れるものの、翌7月2日未勝利戦で初勝利を挙げる。だが8月6日ダリア賞8着、フェニックス賞2着、小倉2歳ステークス7着などその後は勝てないレースが続き、2011年を終える。

年が明け2012年、条件戦2戦を使い惨敗した後、3月10日の3歳500万下で勝ち星を挙げると、4月1日のマーガレットステークスで京王杯2歳ステークス勝ち馬のレオアクティブ、後に札幌記念などを制するトウケイヘイローらを破り2連勝。そのままNHKマイルカップへと直行した。なお、シゲルスダチにとって、このマーガレットステークスの勝利が生涯最後の勝利となる。

5月6日のNHKマイルカップでは18頭立て16番人気の低評価で出走。中団に抑える競馬をしたが、最終直線残り200mの手前で鞍上の後藤浩輝が落馬。シゲルスダチは頭から転倒し、後藤もターフに叩きつけられ、頸椎骨折の疑い、頸髄不全損傷と診断される大怪我を負った[3]。幸いシゲルスダチに目立った故障は見られなかった。なお落馬の原因は岩田康誠が騎乗していたマウントシャスタによる斜行で、岩田には騎乗停止処分が下された[4]

夏に入り、CBC賞とNST賞はともに8着と惨敗したものの、北九州記念ではスギノエンデバーと1馬身差の2着と健闘する。秋はオープン戦を3走し、京洛ステークスで3着に入るも、続く尾張ステークスでは生涯唯一の1番人気を裏切りしんがり負けを喫し、3歳シーズンを終えた。

年が明けて2013年は淀短距離ステークスから始動するも12着に敗れ、その後も2桁着順が続き、夏からは1600万下へ降級。その2戦目となった7月28日の佐世保ステークスで半年ぶりに掲示板に入ると北九州短距離ステークス6着、道頓堀ステークスでは3着と約11ヶ月振りに馬券に絡む結果となった。その後は11月16日の奥多摩ステークスを最後に年内のレースを終えた。

2014年は山城ステークスから始動するも8着に敗れる。その後アクアマリンステークス8着を経て、初のダート戦となった3月22日のなにわステークスでは3着と好走。しかし、その後は6戦するも1度も掲示板入りさえもできず、6戦目の11月9日の奥多摩ステークスでレース中に脱臼。12着入線後に予後不良となり安楽死処分が取られた。5歳没。

競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[1]およびnetkeiba.com[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2011.06.18 阪神 2歳新馬 芝1200m(良) 11 3 3 067.80(8人) 05着 R1:10.0(34.2) -0.4 0小牧太 54 コスモルーシー 402
0000.07.02 京都 2歳未勝利 芝1400m(良) 9 8 9 004.60(4人) 01着 R1:22.5(36.4) -0.2 0小牧太 54 (フランベルジェ) 402
0000.08.06 新潟 ダリア賞 OP 芝1400m(良) 9 4 4 017.20(7人) 08着 01:22.9(35.9) -1.1 0石橋脩 54 エイシンキンチェム 402
0000.08.20 小倉 フェニックス賞 OP 芝1200m(良) 9 4 4 007.60(4人) 02着 01:09.3(35.0) -0.1 0武豊 54 メイショウハガクレ 404
0000.09.04 小倉 小倉2歳S GIII 芝1200m(稍) 13 2 2 018.00(5人) 07着 01:09.8(36.1) -1.0 0太宰啓介 54 エピセアローム 408
2012.01.28 京都 3歳500万下 芝1400m(良) 14 7 12 071.3(10人) 07着 R1:22.8(35.6) -1.0 0酒井学 56 サンライズマヌー 396
0000.02.18 京都 こぶし賞 500万下 芝1600m(稍) 14 5 7 172.2(12人) 10着 R1:37.7(37.8) -1.9 0国分恭介 56 カレンブラックヒル 402
0000.03.10 阪神 3歳500万下 芝1200m(良) 10 8 9 008.20(5人) 01着 R1:11.1(34.9) -0.3 0小牧太 56 (カルナヴァレ) 408
0000.04.01 阪神 マーガレットS OP 芝1400m(稍) 14 5 8 033.40(7人) 01着 R1:23.7(35.3) -0.1 0後藤浩輝 56 レオアクティブ 410
0000.05.06 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 3 6 073.8(16人) 競走中止 0後藤浩輝 57 カレンブラックヒル 416
0000.07.01 中京 CBC賞 GIII 芝1200m(重) 17 2 3 011.40(6人) 08着 R1:09.6(35.1) -0.9 0高倉稜 52 マジンプロスパー 418
0000.07.29 新潟 NST賞 OP 芝1800m(良) 12 4 4 021.00(7人) 08着 R1:46.5(33.7) -0.5 0村田一誠 51 スマートシルエット 424
0000.08.19 小倉 北九州記念 GIII 芝1200m(良) 18 4 7 042.2(12人) 02着 01:07.1(34.2) -0.2 0高倉稜 52 スギノエンデバー 422
0000.10.07 京都 オパールS OP 芝1200m(良) 15 4 7 014.50(7人) 07着 01:08.4(33.3) -0.3 0高倉稜 54 テイエムオオタカ 430
0000.11.03 京都 京洛S OP 芝1200m(良) 16 6 12 012.60(5人) 03着 01:08.1(33.6) -0.2 0高倉稜 55 サドンストーム 432
0000.12.09 中京 尾張S OP 芝1200m(良) 12 6 7 003.40(1人) 12着 01:10.3(34.3) -0.8 0高倉稜 55 ラインブラッド
スギノエンデバー
432
2013.01.14 京都 淀短距離S OP 芝1200m(重) 16 6 12 018.00(8人) 10着 R1:10.7(35.2) -0.5 0高倉稜 55 アイラブリリ 434
0000.01.27 京都 シルクロードS GIII 芝1200m(良) 16 6 11 048.2(12人) 12着 R1:08.9(32.9) -0.3 0酒井学 55 ドリームバレンチノ 436
0000.02.24 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m(良) 16 8 15 192.5(15人) 16着 R1:23.2(37.6) -2.2 0池添謙一 56 ロードカナロア 432
0000.07.06 中京 豊明S 1600万下 芝1400m(良) 18 5 10 061.9(11人) 12着 R1:22.4(34.7) -1.1 0藤岡康太 57.5 プリムラブルガリス 420
0000.07.28 小倉 佐世保S 1600万下 芝1200m(良) 10 5 5 015.50(6人) 04着 R1:06.9(33.8) -0.0 0藤岡康太 57 バーバラ 430
0000.08.31 小倉 北九州短距離S 1600万下 芝1200m(重) 18 3 5 015.40(8人) 06着 R1:08.1(34.8) -0.6 0藤岡康太 57 サイレントソニック 430
0000.09.29 阪神 道頓堀S 1600万下 芝1200m(良) 16 2 3 009.10(4人) 03着 R1:08.5(34.2) -0.1 0藤岡康太 57 リトルゲルダ 432
0000.10.20 京都 桂川S 1600万下 芝1200m(不) 16 5 10 009.20(4人) 07着 R1:09.2(34.0) -0.2 0I.メンディザバル 57 アースソニック 436
0000.11.16 東京 奥多摩S 1600万下 芝1400m(良) 13 4 4 014.40(6人) 09着 R1:22.0(34.2) -0.6 0後藤浩輝 57 エールブリーズ 436
2014.02.09 京都 山城S 1600万下 芝1200m(稍) 16 3 5 021.2(10人) 08着 R1:09.1(34.4) -0.5 0和田竜二 57 アンバルブライベン 440
0000.03.01 中山 アクアマリンS 1600万下 芝1200m(良) 16 6 11 010.70(4人) 08着 R1:09.8(35.5) -0.3 0後藤浩輝 56 スマートオリオン 436
0000.03.22 阪神 なにわS 1600万下 ダ1200m(稍) 13 7 10 008.30(5人) 03着 R1:12.4(37.2) -1.1 0A.シュタルケ 57 ダノンレジェンド 440
0000.04.06 阪神 鳴門S 1600万下 ダ1400m(良) 16 8 15 007.70(4人) 13着 R1:25.7(39.1) -1.7 0川田将雅 56 ドレッドノート 440
0000.05.04 京都 高瀬川S 1600万下 ダ1400m(良) 16 3 6 034.20(8人) 09着 R1:25.5(37.9) -0.6 0酒井学 56 エンジョイタイム 436
0000.05.24 京都 シドニーT 1600万下 ダ1200m(良) 16 7 13 065.3(12人) 06着 R1:12.1(35.6) -0.9 0藤岡佑介 57 マルヴァーンヒルズ 438
0000.08.03 小倉 佐世保S 1600万下 芝1200m(重) 12 8 11 022.80(9人) 09着 R1:08.3(34.8) -0.7 0高倉稜 57 メイショウイザヨイ 434
0000.09.06 小倉 北九州短距離S 1600万下 芝1200m(良) 16 4 7 035.6(10人) 13着 R1:08.7(34.0) -0.9 0幸英明 56 ニザエモン 438
0000.11.09 東京 奥多摩S 1600万下 芝1400m(良) 17 3 6 108.3(14人) 12着 R1:22.2(34.1) -0.9 0武士沢友治 57 エールブリーズ 434

エピソード

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後藤浩輝とシゲルスダチ

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後藤が初めてシゲルスダチに騎乗した2012年4月1日のマーガレットステークスでは、彼が7番人気から同馬を優勝に導いた。その後、続けて彼を鞍上にG1・NHKマイルカップに挑戦するも、上の項目で記述したようにゴール直前で斜行の影響を受け転倒。後藤を落馬させてしまう。

大抵の場合、多くの馬はほかの馬を追って空馬の状態で走っていってしまう。しかし、シゲルスダチはその場から離れず、落馬した後藤に寄り添うような仕草を見せた。この事が競馬ファンの話題を呼び、同馬の知名度は一気に上昇した。

その後、翌年の奥多摩ステークスで再び後藤とタッグを組むも9着に敗れる。2014年に入ると4月に後藤が再び落馬により故障したこともあり、シゲルスダチに騎乗してレースに出ることはなかったが、半年後の10月に調教騎乗で同馬に再び騎乗[6]。しかし、これが最後のシゲルスダチの後藤の騎乗となる。

11月9日の奥多摩ステークスでは、武士沢友治を鞍上に出走したが、先の項目で述べたように12着入線後に予後不良となる。この奥多摩ステークスは昨年、シゲルスダチの鞍上に後藤浩輝が騎乗した最後のレースでもあった。後藤はラジオ解説のためスタンドから同レースを見ており、その後シゲルスダチの最期を見守ることができたという[7]。また後藤は自身のFacebookでもシゲルスダチの死と彼への感謝のコメントを残している[8]。なお、シゲルスダチの死から約3ヶ月後の2015年2月26日、後藤は自ら命を絶ちこの世を去った。

なお、2014年12月4日有馬記念のファン投票の第二中間発表では、既に死亡しているにも関わらず740票を集め100位にランクインした[9]

また、2015年JRAの機関広報誌である優駿での企画「未来に語り継ぎたい名馬」では、投票結果上位100頭の中でワンアンドオンリーゼンノロブロイらを抑え重賞未勝利馬として唯一ランクイン(95位)した[10]

血統表

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シゲルスダチ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 デピュティミニスター系
[§ 2]

クロフネ
1998 芦毛
父の父
French Deputy
1992 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
父の母
ブルーアヴェニュー
1990 芦毛
Classic Go Go Pago Pago
Classic Perfection
Eliza Blue Icecapade
Corella

エトレーヌ
2004 黒鹿毛
ブライアンズタイム
1985 黒鹿毛
Robert Hail to Reason
Bramalea
Kelley's Day Graustark
Golden Trail
母の母
ライジングサンデー
1998 鹿毛
サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
タレンティドガール リマンド
チヨダマサコ
5代内の近親交配 Robert 3×5=15.625%、Hail to Reason 4×5=9.38%、 [§ 3]
出典
  1. ^ [11]
  2. ^ [12]
  3. ^ [11][12]


脚注

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出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p シゲルスダチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年2月8日閲覧。
  2. ^ 『優駿』2012年8月号、142頁。 
  3. ^ 後藤浩輝騎手、頚椎骨折か - 競馬実況web、2022/2/11閲覧。
  4. ^ 岩田マウント斜行失格/NHKマイルC - 日刊スポーツ、2022/2/11閲覧。
  5. ^ "シゲルスダチの競走成績". netkeiba. ネットドリーマーズ. 2022年2月12日閲覧
  6. ^ 後藤が復帰に向けてシゲルスダチ、エンドレスノットにまたがり調教騎乗を開始 - netkeiba、2022/2/11閲覧。
  7. ^ シゲルスダチ亡くなる、後藤騎手『最期を見守れたことが心の慰めです』 - netkeiba、2022/2/11閲覧
  8. ^ 後藤浩輝の投稿 - Facebook、2022/2/11閲覧。
  9. ^ 競馬ラボのツイート - Twitter、2022/2/11閲覧。
  10. ^ 未来に語り継ぎたい名馬 - JRAレーシングビュアー、2022/2/12閲覧。
  11. ^ a b シゲルスダチ(JPN) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年2月11日閲覧。
  12. ^ a b シゲルスダチの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年2月11日閲覧。

外部リンク

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