スウェプトオーヴァーボード
スウェプトオーヴァーボード | |
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2008年10月30日撮影(ブリーダーズ・スタリオン・ステーション) | |
欧字表記 | Swept Overboard |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 芦毛 |
生誕 | 1997年2月6日 |
死没 | 2017年11月1日(20歳没) |
父 | エンドスウィープ |
母 | Sheer Ice |
母の父 | Cutlass |
生国 | アメリカ合衆国 |
生産者 | Harry T. Mangurian Jr |
馬主 | John Paul Reddam |
調教師 |
John Shirreffs →Craig Dollase |
競走成績 | |
生涯成績 | 20戦8勝 |
獲得賞金 | 1,137,767ドル |
スウェプトオーヴァーボード(欧字名:Swept Overboard、1997年2月6日 - 2017年11月1日)は、アメリカ合衆国で生産された競走馬、種牡馬である。
競走馬時代
[編集]1999年(2歳)、トレーニングセールにおいて上場馬最高タイムを出して注目され、デビュー2戦目で初勝利。2000年(3歳)、サンミゲルステークス (G3) を制し重賞初勝利を挙げた。
2001年(4歳)、サンタアニタ競馬場で行われたエンシェントタイトルブリーダーズカップハンデキャップ (G1) を当時のレコードタイムを上回る1分7秒67で優勝[1]、G1初勝利を挙げた。その後ターフエクスプレスハンデ (G3) も制した。
2002年(5歳)、西海岸から東海岸へ遠征し、メトロポリタンハンデキャップ (G1) を当時のレコードタイムを上回る1分33秒34で勝利した[1]。この年のブリーダーズカップ・スプリントで8着となったのを最後に競走馬引退となった。
芝ダート両方の重賞を勝利しており、出走した20戦のうち着外は4回と成績が安定していることがセールスポイントであった[1]。
種牡馬時代
[編集]2003年(6歳)、父エンドスウィープが2002年に死亡し、当時日本に後継種牡馬がいなかった影響もあり日本に輸入され社台スタリオンステーションで繋養されることになった。初年度は103頭に種付けを行った。
2006年、この年の種付料は受胎確認後150万円の条件に設定された。6月22日に札幌競馬場で行われたフレッシュチャレンジをヒデサンジュニアが制し、産駒が地方競馬、中央競馬を通じた初勝利を挙げ、7月9日に福島競馬場で行われた2歳新馬戦をマイネルサニベルが制し、産駒が中央競馬初勝利を挙げた。
2007年、この年の種付けシーズン後の12月10日にブリーダーズ・スタリオン・ステーションへ移動した。2008年の種付料は50万円となっていたが、繁殖成績の上昇に伴い徐々に引き上げられ、2016年は受胎確認後80万円である。2017年11月1日、繋養先のブリーダーズ・スタリオン・ステーションにて病気により死亡した。20歳没[2]。
栗山求によると、神経質な気性で、短距離の芝ダートを得意とする仔が多いとしている[1]。幅広い条件で活躍馬を出しており、JRAの平地重賞において最短距離となる1000mのレース(アイビスサマーダッシュ)を制した産駒と最長距離である3600mのレース(ステイヤーズステークス)を制した産駒とをともに輩出した種牡馬は、本馬が初である。
年度別種牡馬成績(中央+地方)
[編集]年 | 出走 | 勝利 | AEI | 収得賞金 | |||
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頭数 | 回数 | 頭数 | 回数 | 順位 | |||
2006年 | 28 | 101 | 10 | 14 | 147 | 0.98 | 1億515万5000円 |
2007年 | 95 | 514 | 46 | 67 | 62 | 0.95 | 3億5176万8000円 |
2008年 | 163 | 881 | 68 | 87 | 32 | 1.14 | 7億2683万0000円 |
2009年 | 226 | 1511 | 112 | 169 | 32 | 0.91 | 8億348万5500円 |
2010年 | 242 | 1846 | 113 | 220 | 25 | 1.08 | 10億1829万1000円 |
2011年 | 239 | 1848 | 92 | 169 | 27 | 0.97 | 8億8808万3000円 |
2012年 | 254 | 2046 | 112 | 199 | 34 | 0.67 | 6億4040万4500円 |
2013年 | 261 | 2203 | 117 | 210 | 28 | 0.73 | 7億2799万3000円 |
2014年 | 262 | 2310 | 120 | 220 | 19 | 0.90 | 9億3202万1500円 |
2015年 | 251 | 2125 | 104 | 187 | 30 | 0.68 | 6億9442万2000円 |
2016年 | 213 | 1968 | 91 | 189 | 31 | 0.76 | 6億7833万8000円 |
主な産駒
[編集]グレード制重賞優勝馬
[編集]太字はGI級競走、競走名の前の国旗は開催国 (日本以外の場合に明記)
- 2004年産
- アーバンストリート(シルクロードステークス)[5]
- 2006年産
- フロレンティノ( ジェファーソンカップ)[6]
- 2007年産
- パドトロワ(アイビスサマーダッシュ、キーンランドカップ、函館スプリントステークス)[7]
- キョウエイアシュラ(テレ玉杯オーバルスプリント)[8]
- 2008年産
- 2011年産
- 2013年産
- 2015年産
地方重賞優勝馬
[編集]- 2004年産
- 2005年産
- 2007年産
- 2010年産
- 2011年産
- ノットオーソリティ(栄冠賞、フローラルカップ、ユングフラウ賞、ロジータ記念、東京シンデレラマイル、しらさぎ賞)[20]
- カクシアジ(園田プリンセスカップ、プリンセス特別、プリンセスカップ (岩手競馬))[21]
- ジャリーヴ(ハヤテスプリント)[22]
- 2012年産
- 2016年産
- エムオータイショウ(イノセントカップ、サッポロクラシックカップ)[25]
- ニュールック(カペラ賞、飛燕賞)[26]
母の父としての主な産駒
[編集]グレード制重賞優勝馬
[編集]地方重賞優勝馬
[編集]- 2017年産
- 2019年産
- トーセンキャロル(2022年ひまわり賞、OROオータムティアラ、2023年岩鷲賞)- 父ヴァンキッシュラン[27]
- 2020年産
- 2022年産
- リコースパロー(2024年ブリーダーズゴールドジュニアカップ、サンライズカップ)- 父シニスターミニスター
血統表
[編集]スウェプトオーヴァーボードの血統ミスタープロスペクター系 / Native Dancer5×5=6.25%、My Babu5×5=6.25% | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父 *End Sweep 1991 鹿毛 |
父の父 *Forty Niner1985 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
File | Tom Rolfe | |||
Continue | ||||
父の母 Broom Dance1979 鹿毛 |
Dance Spell | Northern Dancer | ||
Obeah | ||||
Witching Hour | Thinking Cap | |||
Enchanted Eve | ||||
母 Sheer Ice 1982 芦毛 |
Cutlass 1970 鹿毛 |
Damascus | Sword Dancer | |
Kerala | ||||
Aphonia | Dunce | |||
Gambetta | ||||
母の母 Hey Dolly A.1974 芦毛 |
Ambehaving | Ambiorix | ||
Dentifrice | ||||
Swift Deal | Native Charger | |||
Miss Barter F-No.8-f | ||||
母系(F-No.) | 8号族(FN:8-f) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Native Dancer5×5、My Babu5×5 | [§ 4] | ||
出典 |
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脚注
[編集]- ^ a b c d 『優駿』2020年11月号 通巻923号 115頁
- ^ レッドファルクスの父、スウェプトオーヴァーボードが死亡、20歳 netkeiba.comより 2017年11月2日閲覧
- ^ “スウェプトオーヴァーボード 種牡馬情報 世代・年次別”. JBIS Search. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “スウェプトオーヴァーボード 種牡馬情報 種牡馬成績”. JBIS Search. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “アーバンストリート”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “フロレンティノ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “パドトロワ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “キョウエイアシュラ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “エーシンブラン”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “レッドファルクス”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “リッジマン”. JBISサーチ. 2018年12月3日閲覧。
- ^ “オメガパフューム”. JBISサーチ. 2019年12月30日閲覧。
- ^ “ヒデサンジュニア”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “ドリームスカイ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “ボヘミアン”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “シシノテイオー”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “クリスタルボーイ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “エストレーモ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “タカノアラエビス”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “ノットオーソリティ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “カクシアジ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “ジャリーヴ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “ステファニーラン”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “タケルオウジ”. JBISサーチ. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “エムオータイショウ”. JBISサーチ. 2018年12月3日閲覧。
- ^ “ニュールック”. JBISサーチ. 2020年5月24日閲覧。
- ^ “トーセンキャロル”. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年7月2日閲覧。
- ^ “リストン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月3日閲覧。
参考文献
[編集]- 『優駿』 2020年11月号 通巻923号、中央競馬ピーアール・センター、2020年10月24日。
- 栗山求『GIホースが紡ぐ血』 vol.30 115頁
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
- スウェプトオーヴァーボード(USA) - 競走馬のふるさと案内所