帝王賞
帝王賞 Teio Sho[1] | |
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開催国 | 日本 |
主催者 | 特別区競馬組合(南関東公営) |
競馬場 | 大井競馬場 |
第1回施行日 | 1978年4月27日 |
2024年の情報 | |
距離 | ダート2000m |
格付け | JpnI / 国際LR |
賞金 |
1着賞金8000万円 |
出走条件 | サラブレッド系4歳以上(指定交流) |
負担重量 | 定量(57kg、牝馬55kg、南半球産4歳1kg減) |
出典 | [2] |
帝王賞(ていおうしょう)は、特別区競馬組合が大井競馬場で施行する地方競馬の重賞競走(ダートグレード競走、JpnI)である。農林水産大臣より寄贈賞の提供を受けており、正式名称は「農林水産大臣賞典 帝王賞(のうりんすいさんだいじんしょうてん ていおうしょう)」と表記される。
副賞は、農林水産大臣賞、特別区競馬組合管理者賞、日本中央競馬会理事長賞、地方競馬全国協会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、東京都馬主会理事長賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞(2024年)[3]。
概要
[編集]ダートの実力馬が全国から集い、上半期のダート競馬を締めくくるチャンピオン決定戦[4]。中央との交流戦となった1986年から2023年まで、中央競馬所属馬25勝(同着優勝が1度)、地方競馬所属馬14勝となっている[5]。
第1回は大井競馬場のダート2800mで行われ、距離は1986年から2000mに変更された。1986年4月には「中央競馬招待競走」に指定され、日本中央競馬会(JRA)と南関東地方競馬以外の地方(地方競馬他地区)所属馬も出走可能になった[6]ほか、1995年には東京盃・東京大賞典とともに中央・地方全国指定交流競走となった[7]。1989年に札幌競馬場で創設されたブリーダーズゴールドカップ(ホッカイドウ競馬)とともに、中央競馬と地方競馬の全国交流競走としては長い歴史を持つ。
競走条件(2024年)
[編集]優先出走権
[編集]地方競馬所属馬は、下表の競走のいずれかで2着以内の成績を収めた馬に優先出走権が与えられる[2]。なお、かしわ記念で地方競馬他地区所属馬が優先出走権を得た場合は南関東所属馬の出走枠が減らされ、他地区所属馬の出走枠が増やされる。
競走 | 格 | 競馬場 | 距離 | 備考 |
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かしわ記念 | JpnI | 船橋競馬場 | ダート1600m | |
大井記念 | SI | 大井競馬場 | ダート2000m | 2013年までダート2600mで施行 2017年までは格が「SII」。 |
賞金
[編集]2024年の賞金額は、1着8000万円、2着2800万円、3着1600万円、4着800万円、5着400万円[2]、着外手当25万円[8]。
なお、国際セリ名簿基準書では1着から5着までの着内賞金の和を「purse(賞金総額)」と紹介している[1]。
コース
[編集]大井競馬場のダートコース、外回り2000mを使用[4]。
スタート地点は外回りコースと内回りコースの合流点手前で、右回りに1周する。スタートから第1コーナーまで長い直線が続き[4]、第4コーナーを回ってからゴールまでの直線も長く、距離2000mはダート競馬のチャンピオンディスタンスとされている[4]。
歴史
[編集]年表
[編集]- 1978年 - 5歳以上の馬による重賞競走として創設。
- 1986年 - 中央競馬招待競走に指定、JRA所属馬が出走可能になる[6]。
- 1987年 - 1着賞金が2800万円に増額。
- 1988年 - 1着賞金が3400万円に増額。
- 1989年 - 1着賞金が4000万円に増額。
- 1990年 - 1着賞金が4500万円に増額。
- 1991年 - 1着賞金が5000万円に増額。
- 1992年
- 1994年
- 本年以降、ナイター競走(トゥインクルレース)で施行。
- 1着賞金が5500万円に減額。
- 1995年
- 中央・地方全国指定交流競走に指定[7]。
- 南関東グレード制施行により南関東G1に格付け。
- 1着賞金が7000万円に増額。
- 1996年
- 施行時期を4月から6月に変更。
- 当日の入場者数が77818人を記録し、大井競馬場の入場者レコードとなる。
- 1997年
- ダートグレード競走として、統一GIに格付け。
- 1着賞金が7100万円に増額。
- 1999年 - 売得金額が15億7686万8500円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。
- 2001年
- 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」に変更。
- 1着賞金が8000万円に増額。
- 2005年 - 1着賞金が7000万円に減額。
- 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIに変更。なお、南関東グレードは併記しないことになった。
- 2009年 - 中央競馬所属馬の出走枠が5頭から6頭に、南関東所属馬の出走枠が8頭から7頭にそれぞれ変更。
- 2011年 - 1着賞金が6000万円に減額。
- 2016年
- 中央競馬所属馬の出走枠が1頭増えて7頭となる[9]。
- 売得金額が17億1108万1700円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。当日の入場者数も22636人を記録。
- 2017年 - 売得金額が19億671万3300円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。当日の入場者数も22875人を記録。
- 2018年 - 売得金額が19億1350万円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。当日の入場者数も23885人を記録。
- 2019年 - 売得金額が25億1913万5600円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。当日の入場者数も29584人を記録。
- 2020年
- 2021年
- 1着賞金が7000万円に増額。
- 前年に引き続き無観客開催。
- 売得金額が42億9702万5800円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。
- 2022年 - 1着賞金が8000万円に増額[10]。
- 2023年 - 売得金額が44億881万600円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。当日の入場者数も17744人を記録。
- 2024年 - 売得金額が44億3356万7900円を記録し、本競走1レースの売上レコードを更新。当日の入場者数も19118人を記録。
- 2025年 - この年は、日程関係の都合上初めて7月に施行予定。
歴代優勝馬
[編集]すべて大井競馬場ダートコースで施行。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
回数 | 施行日 | 距離 | 優勝馬 | 性齢 | 所属 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主 |
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第1回 | 1978年4月27日 | 2800m | ローズジヤツク | 牡5 | 大井 | 2:59.1 | 阪本泰之 | 荒居貴美夫 | 阪本栄 |
第2回 | 1979年4月23日 | 2800m | ハツマモル | 牡4 | 大井 | 2:58.2 | 福永二三雄 | 朝倉文四郎 | 山岡初太郎 |
第3回 | 1980年4月10日 | 2800m | カツアール | 牡4 | 大井 | 3:00.6 | 高橋三郎 | 秋谷元次 | 栗林英雄 |
第4回 | 1981年4月28日 | 2800m | アズマキング | 牡4 | 大井 | 2:57.1 | 岡部盛雄 | 岡部猛 | (有)上山ビル |
第5回 | 1982年4月19日 | 2800m | コーナンルビー | 牝4 | 大井 | 2:57.8 | 堀千亜樹 | 遠間波満行 | 越路玄太 |
第6回 | 1983年4月18日 | 2800m | トラストホーク | 牡5 | 大井 | 3:02.1 | 高橋三郎 | 武智一夫 | 菅波滿 |
第7回 | 1984年4月11日 | 2800m | スズユウ | 牡6 | 大井 | 3:01.5 | 石川綱夫 | 朝倉文四郎 | 鈴木榮治 |
第8回 | 1985年4月18日 | 2800m | ロツキータイガー | 牡4 | 船橋 | 3:00.2 | 桑島孝春 | 泉孝 | 児玉孝 |
第9回 | 1986年4月9日 | 2000m | トムカウント | 牡7 | 船橋 | 2:05.9 | 石崎隆之 | 江川秀三 | 藤田松己 |
第10回 | 1987年4月8日 | 2000m | テツノカチドキ | 牡7 | 大井 | 2:07.5 | 佐々木竹見 | 大山末治 | (株)勝俣工務店 |
第11回 | 1988年4月13日 | 2000m | チヤンピオンスター | 牡4 | 大井 | 2:07.0 | 桑島孝春 | 秋谷元次 | 坪野谷純子 |
第12回 | 1989年4月12日 | 2000m | フエートノーザン | 牡6 | 笠松 | 2:07.3 | 安藤勝己 | 吉田秋好 | 高橋義和 |
第13回 | 1990年4月11日 | 2000m | オサイチブレベスト | 牡6 | JRA | 2:07.6 | 丸山勝秀 | 土門一美 | 野出長一 |
第14回 | 1991年4月3日 | 2000m | チヤンピオンスター | 牡7 | 大井 | 2:05.2 | 高橋三郎 | 飯野貞次 | 坪野谷純子 |
第15回 | 1992年4月15日 | 2000m | ナリタハヤブサ | 牡5 | JRA | 2:06.6 (同着) |
横山典弘 | 中尾謙太郎 | 山路秀則 |
ラシアンゴールド | 牡4 | JRA | 蛯名正義 | 大久保洋吉 | 大原詔宏 | ||||
第16回 | 1993年4月12日 | 2000m | ハシルショウグン | 牡5 | 大井 | 2:05.5 | 的場文男 | 赤間清松 | 渡辺典六 |
第17回 | 1994年4月11日 | 2000m | スタビライザー | 牡6 | JRA | 2:04.7 | 柴田善臣 | 高橋英夫 | (株)ホースマン |
第18回 | 1995年4月13日 | 2000m | ライブリマウント | 牡4 | JRA | 2:03.7 | 石橋守 | 柴田不二男 | 加藤哲郎 他2名 |
第19回 | 1996年6月19日 | 2000m | ホクトベガ | 牝6 | JRA | 2:04.2 | 横山典弘 | 中野隆良 | 金森森商事(株) |
第20回 | 1997年6月24日 | 2000m | コンサートボーイ | 牡5 | 大井 | 2:04.9 | 的場文男 | 栗田繁 | 森杉茂 |
第21回 | 1998年6月24日 | 2000m | アブクマポーロ | 牡6 | 船橋 | 2:03.5 | 石崎隆之 | 出川克己 | 鑓水秋則 |
第22回 | 1999年6月24日 | 2000m | メイセイオペラ | 牡5 | 水沢 | 2:04.0 | 菅原勲 | 佐々木修一 | (有)明正商事 |
第23回 | 2000年6月22日 | 2000m | ファストフレンド | 牝6 | JRA | 2:05.6 | 蛯名正義 | 高市圭二 | 竹﨑大晃 |
第24回 | 2001年6月26日 | 2000m | マキバスナイパー | 牡6 | 船橋 | 2:04.4 | K.デザーモ | 岡林光浩 | 新田知也 |
第25回 | 2002年6月18日 | 2000m | カネツフルーヴ | 牡5 | JRA | 2:03.7 | 松永幹夫 | 山本正司 | (株)ローレルレーシング |
第26回 | 2003年6月25日 | 2000m | ネームヴァリュー | 牝5 | 船橋 | 2:04.6 | 佐藤隆 | 川島正行 | (有)飛野牧場 |
第27回 | 2004年6月30日 | 2000m | アドマイヤドン | 牡5 | JRA | 2:04.0 | 安藤勝己 | 松田博資 | 近藤利一 |
第28回 | 2005年6月29日 | 2000m | タイムパラドックス | 牡7 | JRA | 2:03.5 | 武豊 | 松田博資 | (有)社台レースホース |
第29回 | 2006年6月28日 | 2000m | アジュディミツオー | 牡5 | 船橋 | 2:02.1 | 内田博幸 | 川島正行 | 織戸眞男 |
第30回 | 2007年6月27日 | 2000m | ボンネビルレコード | 牡5 | JRA | 2:04.3 | 的場文男 | 堀井雅広 | 塩田清 |
第31回 | 2008年6月25日 | 2000m | フリオーソ | 牡4 | 船橋 | 2:04.7 | 戸崎圭太 | 川島正行 | ダーレー・ジャパン・ファーム(有) |
第32回 | 2009年6月24日 | 2000m | ヴァーミリアン | 牡7 | JRA | 2:03.6 | 武豊 | 石坂正 | (有)サンデーレーシング |
第33回 | 2010年6月30日 | 2000m | フリオーソ | 牡6 | 船橋 | 2:03.4 | 戸崎圭太 | 川島正行 | ダーレー・ジャパン・ファーム(有) |
第34回 | 2011年6月29日 | 2000m | スマートファルコン | 牡6 | JRA | 2:01.1 | 武豊 | 小崎憲 | 大川徹 |
第35回 | 2012年6月27日 | 2000m | ゴルトブリッツ | 牡5 | JRA | 2:03.0 | 川田将雅 | 吉田直弘 | (有)キャロットファーム |
第36回 | 2013年6月26日 | 2000m | ホッコータルマエ | 牡4 | JRA | 2:03.0 | 幸英明 | 西浦勝一 | 矢部幸一 |
第37回 | 2014年6月25日 | 2000m | ワンダーアキュート | 牡8 | JRA | 2:03.5 | 武豊 | 佐藤正雄 | 山本信行 |
第38回 | 2015年6月24日 | 2000m | ホッコータルマエ | 牡6 | JRA | 2:02.7 | 幸英明 | 西浦勝一 | 矢部道晃 |
第39回 | 2016年6月29日 | 2000m | コパノリッキー | 牡6 | JRA | 2:03.5 | 武豊 | 村山明 | 小林祥晃 |
第40回 | 2017年6月28日 | 2000m | ケイティブレイブ | 牡4 | JRA | 2:04.4 | 福永祐一 | 目野哲也 | 瀧本和義 |
第41回 | 2018年6月27日 | 2000m | ゴールドドリーム | 牡5 | JRA | 2:04.2 | C.ルメール | 平田修 | 吉田勝己 |
第42回 | 2019年6月26日 | 2000m | オメガパフューム | 牡4 | JRA | 2:04.4 | D.レーン | 安田翔伍 | 原禮子 |
第43回 | 2020年6月24日 | 2000m | クリソベリル | 牡4 | JRA | 2:05.3 | 川田将雅 | 音無秀孝 | (有)キャロットファーム |
第44回 | 2021年6月30日 | 2000m | テーオーケインズ | 牡4 | JRA | 2:02.7 | 松山弘平 | 高柳大輔 | 小笹公也 |
第45回 | 2022年6月29日 | 2000m | メイショウハリオ | 牡5 | JRA | 2:03.3 | 浜中俊 | 岡田稲男 | 松本好雄 |
第46回 | 2023年6月28日 | 2000m | メイショウハリオ | 牡6 | JRA | 2:01.9 | 浜中俊 | 岡田稲男 | 松本好雄 |
第47回 | 2024年6月26日 | 2000m | キングズソード | 牡5 | JRA | 2:06.9 | 藤岡佑介 | 寺島良 | (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン |
帝王賞の記録
[編集]- 最多優勝馬 - 2勝
- チャンピオンスター(第11回・第14回)、フリオーソ(第31回・第33回)、ホッコータルマエ(第36回・第38回)、メイショウハリオ(第45回・第46回)。
- 最多優勝騎手 - 5勝
- 武豊(第28回・第32回・第34回・第37回・第39回)
- 最多勝調教師 - 4勝
- 川島正行(第26回・第29回・第31回・第33回)
- ※第46回終了時点[5]
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “International Cataloguing Standards Book 2014 (Japan)” (PDF). 2020年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月15日閲覧。
- ^ a b c d “令和6年度第5回大井競馬競走番組表(決定)” (PDF). 東京シティ競馬:TOKYO CITY KEIBA. 2024年6月24日閲覧。
- ^ “大井競馬出走馬一覧表令和6年度第5回大井競馬第3日6月26日(水)” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2024年6月24日閲覧。
- ^ a b c d “第44回 帝王賞(JpnI)”. 東京シティ競馬. 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b “帝王賞(JpnI)アラカルト(過去全 46 回の分析)” (PDF). 東京シティ競馬. 2024年6月24日閲覧。
- ^ a b “TCKヒストリー(80's 日本初 トゥインクルレース開催へ)”. 東京シティ競馬. 2015年4月4日閲覧。
- ^ a b “TCKヒストリー(90's 新しい競馬の幕開け)”. 東京シティ競馬. 2015年4月4日閲覧。
- ^ “令和6年度大井競馬番組” (PDF). 特別区競馬組合. p. 29. 2024年6月24日閲覧。
- ^ “地方競馬の交流重賞で中央馬の出走枠が拡大”. サンケイスポーツ. (2015年12月6日) 2016年6月27日閲覧。
- ^ 重賞競走日程 2022年4月~2023年3月 - 南関東4競馬場公式ウェブサイト、2022年3月4日閲覧
各回競走結果の出典
[編集]- 帝王賞競走優勝馬 - 南関東4競馬公式サイト
関連項目
[編集]- かしわ記念
- 東海ステークス - 2012年まで中央競馬における本競走の前哨戦に位置付けられていた競走。
- 平安ステークス - 2013年から中央競馬における本競走の前哨戦に位置付けられている競走。東海ステークスとの施行時期交換によるもの。
- 大井記念 - 1996年から本競走の前哨戦に位置付けられている南関東重賞競走。
- STARHORSE2 - セガ(後のセガ・インタラクティブ)のメダル競馬ゲーム。FOURTH AMBITIONより地方競馬初として当レースが導入されている(『STARHORSE3 Season II』より、大井開催の他2つのGI・JpnIが、『STARHORSE3 Season V』よりJpnII東京盃が導入されている)。
外部リンク
[編集]- TCK公式サイト「レースと日程」から(2024年版)
- 帝王賞|ダートグレード競走特設サイト - 地方競馬全国協会