ヴァンキッシュラン
ヴァンキッシュラン | ||||||
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欧字表記 | Vanquish Run[1] | |||||
品種 | サラブレッド | |||||
性別 | 牡 | |||||
毛色 | 黒鹿毛 | |||||
生誕 | 2013年3月18日(11歳) | |||||
登録日 | 2015年5月7日 | |||||
抹消日 | 2017年8月10日 | |||||
父 | ディープインパクト | |||||
母 | リリーオブザヴァレー | |||||
母の父 | Galileo | |||||
生国 | 日本(北海道千歳市) | |||||
生産者 | 社台ファーム | |||||
馬主 | 島川隆哉 | |||||
調教師 | 角居勝彦(栗東) | |||||
競走成績 | ||||||
生涯成績 | 8戦3勝 | |||||
獲得賞金 | 7918万3000円 | |||||
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ヴァンキッシュラン(Vanquish Run[1])は、日本の競走馬・種牡馬。2016年の青葉賞の勝ち馬である。
現役時代
[編集]デビュー前
[編集]2013年3月18日、北海道千歳市の社台ファームで誕生[1]。同年のセレクトセール当歳馬市場で島川隆哉によって1億9,000万円(税抜)で落成された。これは、「アゼリの2013」(後のロイカバード)の2億4,000万円、「マルペンサの2013」(後のサトノダイヤモンド)の2億3,000万円に次ぐこの日3番目の高額であった[2]。しかし、社台ファームでの育成中では父の産駒としては珍しく歩きに硬さを見せることもあり[3]、デビューの段階でもスタッフは本馬の能力に対して半信半疑の気持ちだったという[4]。
2歳(2015年)
[編集]7月26日の新馬戦(函館芝1800m)でデビューするが、単勝1.4倍の圧倒的人気に応えられず2着となる。年内は未勝利戦を2回走って3着、2着と勝ち切れない競馬が続いた[4]。
3歳(2016年)
[編集]4戦目となった未勝利戦で待望の初勝利を挙げる。この頃から、スタッフに「走りのフォームや馬体が一変した。こんなに変わる馬も珍しい」と評されるほど急激な成長を見せる[4]。
続く3歳500万下では、圧倒的1番人気の良血馬レーヴァテインをクビ差競り落とすも、直線で外側に斜行して同馬の進路を妨害したとして2着に降着となった[5]。仕切り直しの一戦となったアザレア賞(500万下)では、直線で内へもたれながらもジュンヴァルカンとの追い比べをクビ差制して2勝目を挙げた[6]。
青葉賞(GII)ではミルコ・デムーロが騎乗停止となったため、内田博幸と初コンビを組んだ[3]。レースは1000m~2200m地点がすべて11秒台という底力を要求される流れとなり、直線で一気に先行馬を捉えて抜け出すと、追い込んできたレッドエルディストに1馬身1/4差をつけて重賞初制覇を果たし、東京優駿の優先出走権を獲得した[7]。勝ち時計2分24秒2は同レースの歴代2位となる好時計だった[4]。この年のクラシックは皐月賞(GI)がレコード決着となり、別路線組からもスマートオーディンや本馬が前哨戦で強い勝ち方を見せたため、東京優駿(GI)は戦前から「空前のハイレベル」と評されて注目を集めていた。人気では皐月賞4着のエアスピネルより上の6番人気に支持されたが、追ってから前走ほどの伸びがなく、13着に沈んだ[8]。
その後は放牧に出されていたが、8月3日に右前脚屈腱炎が判明。症状は軽度と診断され、翌年秋以降の復帰を目指して幹細胞手術が施された[9]。
4歳(2017年)
[編集]復帰に向けた調教が積まれていたが、7月に屈腱炎が再発。8月10日付で競走馬登録を抹消し、現役を引退した[10]。
種牡馬時代
[編集]現役引退後は種牡馬として海外からも複数のオファーがあったが、馬主の島川隆哉が所有するエスティファームでプライベート種牡馬となった[10]。
2021年7月2日、浦和競馬3Rでクレールアドレが1着となり、産駒の初勝利を挙げた。
2021年8月14日、札幌競馬場で行われたコスモス賞でトーセンヴァンノが1着となり、産駒のJRA初勝利を挙げた[11]。
2021年8月15日、盛岡競馬場で行われた若鮎賞をギャレットが1着となり、産駒の重賞初勝利を挙げた[12]。
主な産駒
[編集]地方重賞優勝馬
[編集]競走成績
[編集]以下の内容は、netkeiba.comの情報[14]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
備考 |
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2015. 7.26 | 函館 | 2歳新馬 | 芝1800m(稍) | 11 | 4 | 4 | 1.4 (1人) | 2着 | 1:55.0(36.4) | 0.5 | 岩田康誠 | 54 | アフターダーク | 486 | ||
11. 7 | 京都 | 2歳未勝利 | 芝2000m(良) | 10 | 7 | 7 | 2.9 (1人) | 3着 | 2:02.3(34.8) | 0.2 | 浜中俊 | 55 | ファスナハト | 484 | ||
12. 6 | 中京 | 2歳未勝利 | 芝2000m(良) | 14 | 7 | 11 | 4.1 (3人) | 2着 | 2:04.3(34.5) | 0.2 | M.デムーロ | 55 | アドマイヤダイオウ | 490 | ||
2016. 1.16 | 京都 | 3歳未勝利 | 芝2000m(良) | 16 | 6 | 12 | 2.2 (2人) | 1着 | 2:02.2(34.2) | -0.0 | M.デムーロ | 56 | (ロードプレミアム) | 498 | ||
2. 6 | 東京 | 3歳500万下 | 芝2400m(良) | 12 | 1 | 1 | 7.9 (3人) | 2着 | 2:28.5(33.2) | -0.0 | F.ベリー | 56 | レーヴァテイン | 496 | [† 1] | |
4. 2 | 阪神 | アザレア賞 | 5下 | 芝2400m(良) | 11 | 8 | 11 | 1.6 (1人) | 1着 | 2:25.9(34.1) | -0.0 | M.デムーロ | 56 | (ジュンヴァルカン) | 488 | |
4.30 | 東京 | 青葉賞 | GII | 芝2400m(良) | 13 | 5 | 6 | 5.1 (4人) | 1着 | 2:24.2(34.5) | -0.2 | 内田博幸 | 56 | (レッドエルディスト) | 490 | |
5.29 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 7 | 14 | 16.6 (6人) | 13着 | 2:25.4(34.7) | 1.4 | 内田博幸 | 57 | マカヒキ | 496 |
- ^ 1位入線2着降着
血統表
[編集]ヴァンキッシュランの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘアWind in Her Hair 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 *リリーオブザヴァレー Lily of the Valley 2007 鹿毛 |
Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | ||||
Urban Sea | Miswaki | |||
Allegretta | ||||
母の母 Pennegale1998 鹿毛 |
Pennekamp | Bering | ||
Coral Dance | ||||
Gale Warning | *ラストタイクーン | |||
Gay Apparel | ||||
母系(F-No.) | (FN:4-r) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 5×4=9.38% | [§ 4] | ||
出典 |
- 母リリーオブザヴァレーはフランス産。現役時代にオペラ賞(GI)を含む重賞3勝を挙げている[17]。
出典
[編集]- ^ a b c ヴァンキッシュランJBISサーチ(JBIS-Search)
- ^ セール結果|SELECT SALE|JAPAN RACING HORSE ASSOCIATION 一般社団法人日本競走馬協会. 2018年5月17日閲覧
- ^ a b 青葉賞 G2 | 重賞ウイナーレポート. 競走馬のふるさと案内所. 2018年5月17日閲覧
- ^ a b c d 河合力. スタッフ驚愕の変貌。ついに覚醒した良血馬ヴァンキッシュラン. sportiva(2016年5月9日付). 2018年5月17日閲覧
- ^ 【東京7R】Fベリー 斜行で降着、9日間の騎乗停止. スポーツニッポン(2016年2月6日付). 2018年5月17日閲覧
- ^ 前走2着降着ヴァンキッシュランが勝つ/アザレア賞. 日刊スポーツ(2016年4月2日付). 2018年5月17日閲覧
- ^ 今年のダービーは一体何強なのか?ヴァンキッシュラン勇躍で上位人気は混沌. 競馬専門紙「優馬」(2016年5月3日付). 2018年5月17日閲覧
- ^ 【日本ダービー】初制覇の川田「自分が勝てたことよりもマカヒキがダービー馬になれたことがうれしい」. 東京優駿(2016年5月29日付). 2018年5月17日閲覧
- ^ ヴァンキッシュ屈腱炎…状態は軽度も手術へ、復帰来秋以降. スポーツニッポン(2016年8月3日付). 2018年5月17日閲覧
- ^ a b 昨年の青葉賞優勝馬ヴァンキッシュランが引退、種牡馬入り. 競走馬のふるさと案内所(2017年10月5日付). 2018年5月17日閲覧.
- ^ “【コスモス賞】トーセンヴァンノ 格上挑戦で美酒 ヴァンキッシュラン産駒JRA初勝利 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年8月16日閲覧。
- ^ “【盛岡・若鮎賞結果】ヴァンキッシュラン産駒ギャレットが重賞初制覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年8月16日閲覧。
- ^ “トーセンキャロル”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年7月2日閲覧。
- ^ “ヴァンキッシュラン”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年5月17日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ヴァンキッシュラン”. JBISサーチ. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “ヴァンキッシュランの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2021年10月30日閲覧。
- ^ リリーオブザヴァレー(FR). JBISサーチ(JBIS-Search)、2018年5月17日閲覧