「テルサンドロス」の版間の差分
m {{先代次代}}追加ほか |
|||
28行目: | 28行目: | ||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年) |
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年) |
||
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年) |
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年) |
||
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年) |
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年) |
||
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年) |
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年) |
2021年11月15日 (月) 10:40時点における版
テルサンドロス(古希: Θέρσανδρος, Thersandros)は、ギリシア神話の人物である。主に、
の3名が知られている。以下に説明する。
シーシュポスの子
このテルサンドロスは、コリントス王シーシュポスとメロペーの子で、グラウコス、オルニュティオーン、ハルモスと兄弟[1]。ハリアルトス、コローノス[2]、プロイトスの父[3]。ハリアルトスとコローノスはアタマースの養子となり、領地の一部を得てハリアルトス、コローネイアを創建した。プロイトスはマイラの父。
エピゴノイの1人
このテルサンドロスは、ポリュネイケースとアドラーストスの娘アルゲイアーの子で[4][5]、アドラーストス、ティメアースと兄弟[6]。アムピアラーオスの娘デーモーナッサとの間にティーサメノスをもうけた[7]。
父ポリュネイケースら7将のテーバイ遠征から10年後、テルサンドロスは再びテーバイを攻めるため、アムピアラーオスの妻エリピューレーにハルモニアーのペプロス(長衣)を贈った。エリピューレーは乗り気でない息子アルクマイオーンに参加するよう説得した[8]。エピゴノイの軍勢はグリサス付近でエテオクレースの子ラーオダマースが率いるテーバイ軍と戦争になって、これを破り、テーバイを奪還した[9][10]。テルサンドロスはテーバイの王となり、国を去ったテーバイ人の一部をテッサリアーのホモレーから帰国させ、彼らが通った門をホモロイデス門と名づけた[11]。
後にテルサンドロスはトロイア戦争に参加したが、ギリシア軍は間違ってミューシアに上陸し、テーレポス王と戦争になった。このときギリシア軍はテーレポスの攻撃によって敗走させられ、テルサンドロスは最後まで戦ったが、テーレポスに討たれた[12][13]。テルサンドロスの死によって、テーバイ勢はペーネレオースが率いることになった。テルサンドロスの墓は小アジアのアイオリス地方のエライアにあり、土地の人々によって祭祀されたという[14]。
テルサンドロスの子ティーサメノスはテーバイの王となったが、その子アウテシオーンは結局テーバイを去った[7]。さらにその子テーラースはテーラ島に入植した[15][16]。また前5世紀後半のシチリアのアクラガス王テーローンもテルサンドロスの子孫であったという[17]。
系図
ヘーラクレイダイの1人
このテルサンドロスは、クレオーナイ王アガメーディダースの子で、ヘーラクレースの子クテーシッポスの5代目の子孫。娘に双子の姉妹ラトリアーとアナクサンドラーがおり、同じヘーラクレイダイのアリストデーモスの双子の子どもたち、エウリュステネース、プロクレースの妻となった[18]。
脚注
- ^ パウサニアス、2巻4・3。
- ^ パウサニアス、9巻34・7-34・8。
- ^ パウサニアス、10巻・30・5。
- ^ ヒュギーヌス、69話。
- ^ ヒュギーヌス、71話。
- ^ パウサニアス、2巻20・5。
- ^ a b パウサニアス、9巻5・15。
- ^ アポロドーロス、3巻7・2。
- ^ パウサニアス、9巻8・6。
- ^ パウサニアス、9巻9・4。
- ^ パウサニアス、9巻8・7。
- ^ アポロドーロス、摘要(E)3・17。
- ^ パウサニアス、9巻5・14。
- ^ パウサニアス、9巻5・14-5・15。
- ^ ヘーロドトス、4巻147。
- ^ パウサニアス、3巻15・6。
- ^ ピンダロス『オリンピア祝勝歌』第2歌。
- ^ パウサニアス、3巻16・6。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
|
|
|