コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マーセル・オズナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーセル・オスーナから転送)
マーセル・オズナ
Marcell Ozuna
アトランタ・ブレーブス #20
アトランタ・ブレーブス時代
(2021年4月6日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サントドミンゴ特別区
生年月日 (1990-11-12) 1990年11月12日(34歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 指名打者 外野手
プロ入り 2008年 アマチュアFA
初出場 2013年4月30日
年俸 $16,000,000(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マーセル・オズナ・アイデルフォンゾMarcell Ozuna Idelfonso,[注釈 1] 1990年11月12日 - )は、ドミニカ共和国サントドミンゴ特別区出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。MLBアトランタ・ブレーブス所属。愛称はザ・ビッグ・ベアーThe Big Bear[4]

経歴

[編集]

プロ入りとマーリンズ時代

[編集]

2008年2月15日にフロリダ・マーリンズ(現:マイアミ・マーリンズ)と契約を結んだ[5]。契約後、傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・マーリンズでプロデビュー[6]

2009年からはアメリカ本土に渡り、ルーキー級ガルフ・コーストリーグ・マーリンズでプレーした[6]

2010年はA級グリーンズボロ・グラスホッパーズでプレーした[6]

2012年11月20日に40人枠に登録された[5]

2013年はA+級ジュピター・ハンマーヘッズに4試合出場した後、AA級ジャクソンビル・サンズに昇格した。4月30日にジャンカルロ・スタントン故障者リスト入りに伴ってメジャーに初昇格を果たした[7]。同日のニューヨーク・メッツ戦で、ジェレミー・ヘフナー英語版からメジャー初安打を放った。最終的に70試合に出場して打率.265、3本塁打、32打点という打撃成績に加え、盗塁を5つ決めた[6]。マイナーリーグでは、2010年から2012年に3年連続で20本塁打以上を放った[6]

マイアミ・マーリンズ時代
(2014年6月6日)

2014年は、中堅手のレギュラーに定着して153試合に出場。出場試合数を超える164三振を喫したが、全て前年を上回る打率.269、23本塁打、85打点を記録した[6]

2015年も、中堅のレギュラーとして開幕を迎えたが、本塁打がなかなか出ない試合が続いた。さらに、インターリーグ辺りから失速し始めると、2割8分台あった打率が2割3分台まで低下。7月にはマイナー降格されるなど、打撃不振に陥った。約1ヶ月以上も昇格されずに、AAA級ニューオーリンズ・ゼファーズで33試合に出場し[6]、メジャー再昇格を果たすと最終的に打率は.259まで巻き返したが、本塁打は10本止まりだった[6]

マイアミ・マーリンズ時代
(2016年4月11日)

2016年は4月こそ低調だったものの、5月に月間打率.416と調子を上げ、前半戦で打率.307、17本塁打を記録した。また選手間投票によって自身初のオールスターゲームに選出された。最終的には148試合に出場し、打率.266、23本塁打、76打点だった[6]

2017年は昨年まで左翼手だったクリスチャン・イエリッチとポジションをスイッチするかのように左翼へコンバートされると、開幕から好調で、4月16日には自身初となるプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞した。2年連続でオールスターゲームに選出された。後半戦も調子は落ちず、9月14日にもプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを獲得した。159試合に出場し、打率.312、37本塁打、124打点と全ての項目で自己最高を記録し、自身初となる「3割・30本塁打・100打点」を達成した。オフに自身初となるシルバースラッガー賞ゴールドグラブ賞をダブル受賞した。

カージナルス時代

[編集]

2017年12月14日にマグネウリス・シエラサンディ・アルカンタラザック・ガレンダニエル・カスタノとのトレードで、セントルイス・カージナルスへ移籍した[8]

2018年6月2日のピッツバーグ・パイレーツ戦で通算100号本塁打に到達[9]。6月17日に週間MVPを獲得した。7月30日のコロラド・ロッキーズ戦では自身初のサヨナラ本塁打を放った[10]。最終成績は148試合に出場して打率.280、23本塁打、88打点、3盗塁を記録した。

セントルイス・カージナルス時代
(2019年5月2日)

2019年は6月下旬に指の骨折で故障者リスト入りして、1か月以上離脱した[11]。最終的に130試合の出場で打率.241、29本塁打、89打点、12盗塁を記録した。チームが地区優勝したことで初めてポストシーズンに出場し、NLDS第4戦では2本塁打を放った。オフにカージナルスから1年1780万ドルのクオリファイング・オファーを提示されたが、拒否してFAとなった[12]

ブレーブス時代

[編集]

2020年1月21日にアトランタ・ブレーブスと1800万ドルの1年契約を結んだ[13]。背番号は「20」。

同年はCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなる中で全試合に出場。ナ・リーグでは史上初の指名打者制が導入され、65%にあたる39試合に指名打者として出場。外野の守備に就いたのは左翼19試合、右翼2試合だけだったが、フレディ・フリーマンとともに強力打線を牽引し、本塁打王打点王の二冠となる18本塁打、56打点を記録しただけでなく、打率.338、出塁率.431、長打率.636はいずれも自己ベストを更新した。打率は首位打者フアン・ソトとは1分3厘差の3位で三冠王を逃した。指名打者として出場した39試合では、打率.362、14本塁打、40打点を記録。ネルソン・クルーズ(OPS.997)、フランミル・レイエス(同.800)、ミゲル・カブレラ(同.743)など、他の指名打者の数字を大きく上回る活躍だった。ナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)ではロサンゼルス・ドジャースを3勝1敗と追い込みながら、その後3連敗してシリーズ敗退した[14]。 オフに自身2度目のシルバースラッガー賞を受賞し、ナ・リーグ史上初の指名打者部門での受賞者となった。また、MVP投票では自己最高の6位だった[15]。12月9日にオールMLBチームのファーストチーム指名打者に初選出された[16]。12月11日にはエドガー・マルティネス賞を受賞した[17]。こちらもナ・リーグ史上初の受賞者となった。オフにFAとなった。

2021年2月5日にブレーブスと4年総額6500万ドルで再契約した[18]。オプションとして2025年は球団側が選択権を有する。しかし、シーズン途中の5月に家庭内暴力で逮捕され、制限リスト入りした。

選手としての特徴

[編集]

打撃面では、長打力が持ち味。そのパワーは「モンスター・パワー」と評される[19]。パワーは広角に飛距離を出すレベルを誇り、満塁の場面にも強い[19]

強肩が持ち味であり、「バズーカ・アーム」と評されるほどの実力を備える[19]。2017年オフにMLB.comのアナリストであるマイク・ペトリエロが、オズーナはMLB最高の左翼手だと述べた[20]。その理由として平均91mph(146 km/h)の強肩を挙げている。

詳細情報

[編集]

年度別打撃成績

[編集]
















































O
P
S
2013 MIA 70 291 275 31 73 17 4 3 107 32 5 1 1 0 13 0 2 57 6 .265 .303 .389 .693
2014 153 612 565 72 152 26 5 23 257 85 3 1 0 5 41 1 1 164 12 .269 .317 .455 .772
2015 123 494 459 47 119 27 0 10 176 44 2 3 0 2 30 1 3 110 10 .259 .308 .383 .691
2016 148 608 557 75 148 23 6 23 252 76 0 3 0 4 43 2 4 115 11 .266 .321 .452 .773
2017 159 679 613 93 191 30 2 37 336 124 1 3 0 2 64 4 0 144 18 .312 .376 .548 .924
2018 STL 148 628 582 69 163 16 2 23 252 88 3 0 0 4 38 2 3 110 10 .280 .325 .433 .758
2019 130 549 485 80 117 23 1 29 229 89 12 2 0 1 62 2 1 114 21 .241 .328 .472 .800
2020 ATL 60 267 228 38 77 14 0 18 145 56 0 0 0 1 38 3 0 60 3 .338 .431 .636 1.067
2021 48 208 188 21 40 6 0 7 67 26 0 0 0 0 19 0 1 46 6 .213 .288 .356 .645
2022 124 507 470 56 106 19 0 23 194 56 2 1 0 4 31 0 2 122 12 .226 .274 .413 .687
2023 144 592 530 84 145 29 1 40 296 100 0 0 0 2 57 1 3 134 9 .274 .346 .558 .904
2024 162 688 606 96 183 31 0 39 331 104 1 0 0 4 74 2 3 170 23 .302 .378 .546 .925
MLB:12年 1469 6123 5558 762 1514 261 21 275 2642 880 29 14 1 29 510 18 23 1346 141 .272 .334 .475 .810
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別打撃成績所属リーグ内順位

[編集]






















2013 23 ナ・リーグ - - - - - - - -
2014 24 - - - - - - - -
2015 25 - - - - - - - -
2016 26 - - - - - - - -
2017 27 6位 4位 - - 3位 3位 - -
2018 28 - - - - - - - -
2019 29 - - - - - - - -
2020 30 3位 2位 9位 - 1位 1位 - 3位
2021 31 - - - - - - - -
2022 32 - - - - - - - -
2023 33 - - - - 5位 - - -
2024 34 3位 3位 - - 2位 4位 - 3位
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

ポストシーズン打撃成績

[編集]



















































O
P
S
2019 STL NLDS 5 23 21 6 9 3 0 2 18 5 0 0 0 0 1 0 1 5 1 .429 .478 .857 1.335
NLCS 4 16 16 0 3 1 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 8 0 .188 .188 .250 .438
2020 ATL NLWC 2 9 9 1 1 0 0 1 4 2 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .111 .111 .444 .555
NLDS 3 13 13 3 4 1 0 0 5 3 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .308 .308 .385 .693
NLCS 7 31 29 4 8 2 0 2 16 6 0 0 0 0 2 0 0 4 1 .276 .323 .552 .875
2022 NLDS 3 8 8 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .000 .000 .000 .000
2023 NLDS 4 15 13 1 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 0 0 4 0 .154 .267 .154 .421
2024 NLWC 2 8 7 0 2 0 0 0 2 1 0 0 0 1 0 0 0 4 0 .286 .250 .286 .536
出場:5回 30 123 116 15 29 7 0 5 51 17 0 0 0 1 5 0 1 39 2 .250 .285 .440 .724
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2013 MIA - 33 77 3 0 2 1.000 36 80 5 2 2 .977
2014 11 29 2 0 1 1.000 140 325 8 5 0 .985 4 2 0 0 0 1.000
2015 - 111 238 5 1 0 .996 15 35 0 0 0 1.000
2016 11 17 0 0 0 1.000 123 276 5 5 0 .983 9 17 3 0 0 1.000
2017 152 305 10 5 0 .984 3 7 0 0 0 1.000 1 2 0 0 0 1.000
2018 STL 147 264 6 4 4 .985 - -
2019 129 181 4 4 0 .979 - -
2020 ATL 19 39 0 1 0 .975 - 2 3 0 1 0 .750
2021 48 92 2 0 0 1.000 - -
2022 52 78 1 1 0 .988 - -
2023 2 3 0 0 0 1.000 - -
MLB 571 1008 25 15 5 .986 410 923 21 11 2 .988 67 139 8 3 2 .980
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字は当該ポジションでリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

タイトル

[編集]

表彰

[編集]

記録

[編集]

背番号

[編集]
  • 48(2013年)
  • 13(2014年 - 2017年)
  • 23(2018年 - 2019年)
  • 20(2020年 - )

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ スペイン語発音: [maɾ.ˈsɛl o.ˈsu.na][2], 英語発音: [mɑ˞ˈseɪl oʊˈzunə][3]

出典

[編集]
  1. ^ Marcell Ozuna Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2024年7月28日閲覧。
  2. ^ スペイン語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2019年4月10日閲覧。
  3. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年4月10日閲覧。
  4. ^ Joe Frisaro (2017年8月24日). “Breakdown of Marlins' Players Weekend names” (英語). MLB.com. 2017年12月15日閲覧。
  5. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2017年12月15日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i Baseball-Reference参照。2017年12月15日閲覧。
  7. ^ Joe Frisaro (2017年4月29日). “Stanton strains hamstring in 10th, put on DL” (英語). MLB.com. 2017年12月15日閲覧。
  8. ^ Jenifer Langosch (2017年12月14日). “Cards finalize deal with Miami for All-Star Ozuna” (英語). MLB.com. 2017年12月15日閲覧。
  9. ^ Ozuna launches 100th career home run”. MLB.com. 2019年11月14日閲覧。
  10. ^ Ozuna's walk-off homer in 10th”. 2018年7月31日閲覧。
  11. ^ Cardinals activate OF Marcell Ozuna from injured list”. USA TODAY. 2019年11月14日閲覧。
  12. ^ Marcell Ozuna rejects Cardinals' qualifying offer”. MLB.com (2019年11月15日). 2021年9月20日閲覧。
  13. ^ Mark Bowman (2020年1月21日). “Ozuna signs 1-year deal with Braves, to play LF” (英語). MLB.com. 2020年1月22日閲覧。
  14. ^ ブレーブスがWS進出に王手、カーショウ打ち崩す”. フランス通信社 (2020年10月16日). 2021年9月20日閲覧。
  15. ^ 2020 Awards Voting”. Baseball-Reference.com. 2021年9月20日閲覧。
  16. ^ Anthony Castrovince (December 10, 2020). “Here is the star-studded 2020 All-MLB Team” (英語). MLB.com. November 27, 2021閲覧。
  17. ^ オズナが最優秀DHのエドガー・マルティネス賞選出 - MLB : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2020年12月16日閲覧。
  18. ^ Braves Re-Sign Marcell Ozuna” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月6日閲覧。
  19. ^ a b c 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、314頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  20. ^ Ozuna leads Top 10 left fielders into 2018”. MLB.com. 2019年5月20日閲覧。
  21. ^ All-MLB Team” (英語). MLB.com. November 27, 2021閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]