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クリスチャン・イエリッチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クリスチャン・イエリッチ
Christian Yelich
ミルウォーキー・ブルワーズ #22
ミルウォーキー・ブルワーズ時代
(2024年6月18日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州サウザンドオークス
生年月日 (1991-12-05) 1991年12月5日(33歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2010年 MLBドラフト1巡目(全体23位)
初出場 2013年7月23日
年俸 $26,000,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2017年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2017 野球

クリスチャン・スティーブン・イエリッチChristian Stephen Yelich , 英語発音: [ˈkrɪst͡ʃən ˈstivən ˈjɛlɪt͡ʃ][2]; 1991年12月5日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サウザンドオークス出身のプロ野球選手外野手)。右投左打。MLBミルウォーキー・ブルワーズ所属。愛称はイェリYeli[3]

姓はイェリッチと表記されることもある。

経歴

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プロ入りとマーリンズ時代

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2010年MLBドラフト1巡目(全体23位)でフロリダ・マーリンズから指名され[4]、8月16日に契約した[5]

2013年7月23日のコロラド・ロッキーズ戦でメジャーデビューした[6]。「2番・左翼手」で先発起用され、4打数2安打だった。62試合に出場して打率.288、4本塁打、16打点を記録した[5]

マイアミ・マーリンズ時代
(2014年6月6日)

2014年は、左翼手のレギュラーに定着し、144試合に出場した。6月に腰を痛めて故障者リスト入りしたが[7]、その期間を除いては常時起用された為、規定打席に到達した。打撃面では、1打席当たりで4.26球(ナショナルリーグ2位)を投げさせる粘り強さ[7]を発揮。左打者ながら左投手を.317と打った他、得点圏でも.318を記録[7]するなど、シーズントータルでは打率.284、9本塁打、54打点、21盗塁、出塁率.362という成績を記録した[5]。守備では、138試合の左翼手の守備で1失策守備率.996で、レギュラー1年目でゴールドグラブ賞を受賞した[8]

2015年3月にマーリンズと総額4957万ドルの7年契約を結んだ[9]。この年は故障もあり、126試合の出場に留まったが、規定打席には2年連続で到達した。打率.300、7本塁打、44打点、16盗塁という成績を残した。全選手の中でゴロ率(62.5%)が最も高く、フライ率(15.0%)が最も低かった。

2016年は長打力が増し、38二塁打(リーグ9位タイ)と21本塁打を放ち、リーグ9位の98打点を記録した。この打撃面での活躍が評価され、シルバースラッガー賞を受賞した。オフの12月19日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表への参加の意思を表明した[10]

2017年はシーズン開幕前の2月9日に第4回WBCのアメリカ合衆国代表に選出された[11]。3月22日の決勝プエルトリコ戦に勝利し、初の優勝を果たした[12]。7試合に出場して打率.292の成績で、大会最優秀外野手となった[13]。シーズンでは156試合の出場で打率.292、18本塁打、81打点の成績を残した。

ブルワーズ時代

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2018年1月25日にルイス・ブリンソンイーサン・ディアスマンテイ・ハリソンジョーダン・ヤマモトとのトレードで、ミルウォーキー・ブルワーズに移籍した[14][15]オールスターに代替選出され、試合ではソロ本塁打を放った。8月29日のシンシナティ・レッズ戦では6安打を記録し、自身初のサイクル安打を達成。9月17日のレッズ戦で再びサイクル安打を記録し、1シーズンで同じ相手に2度サイクル安打を達成したMLB史上初の選手になった[16]。同2日のワシントン・ナショナルズ戦では自身初となる満塁本塁打を打った。自身初のプレイヤー・オブ・ザ・ウィークに3度選ばれ、9月にはプレイヤー・オブ・ザ・マンスにも選出された。147試合に出場し、打率.326、36本塁打、110打点、22盗塁、出塁率.402を記録し、首位打者の打撃タイトルを獲得、またチームを7年ぶりの地区優勝へ導いたこともありナショナルリーグMVPを受賞した[17]

2019年はMLB史上6人目となる開幕戦から4試合連続で本塁打を放ち[18]、幸先の良いスタートをきった。7月1日には球団史上初の前半戦で30本塁打に到達した。オールスターゲームおよび本塁打競争に選ばれ、本塁打競争は怪我を理由に欠場したが、試合は先発出場した。40本塁打、30盗塁を達成していたが、9月10日のマイアミ・マーリンズ戦で自打球により右膝膝蓋骨を骨折し、シーズン中の復帰は絶望的になった[19]。130試合の出場で打率.329(リーグ1位)、44本塁打(同4位)、97打点、30盗塁、出塁率.429の成績を残し、2年連続で首位打者のタイトルを獲得した。 オフに同年から新設されたオールMLBチームのファーストチーム外野手の1人に選出された。

前球団であるマーリンズと結んだ契約が残り2年総額2650万ドルを残していたが、2020年3月6日に現在の契約に上乗せする形で9年総額2億1500万ドルで契約を延長したことが発表された[20]。オプションとして全球団トレード拒否権が含まれる一方で、オプトアウト権は含まれておらず、契約満期まで同球団に所属することになる。また、2029年シーズンの選択権は相互が所持し、バイアウトの際には650万ドルが球団から支払われ、行使された際は10年総額2億2850万ドルになる[21]。また、ブルワーズが2011年にライアン・ブラウンと結んだ5年総額1億500万ドルを超えて球団史上最高額となった。イエリッチは「ここは私がプレーしたいと思っている場所だよ。何より、ミルウォーキー・ブルワーズの選手としてのキャリアを終えたいし、ブルワーズの選手として優勝チームの一員になりたい。私にとって非常に重要なことなんだ」とコメントした。

人物

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母方の祖父はミネオ・ダン・オダという日本人であり[22]、その血が1/4流れる[23]日系三世である[24]。母方の祖母はドイツ、イギリス、オランダ、スコットランドの血を引く家系であり[22]フットボール選手だった曽祖父のフレッド・ジャーク英語版NFLで殿堂入りを果たしている[25]。父方の曽祖父はボスニア・ヘルツェゴビナトレビニェ出身のセルビア系移民である。弟のコリン・イエリッチ[26]2015年にドラフト29巡目でアトランタ・ブレーブスに入団した捕手で、2016年12月24日に当時兄が所属していたマーリンズとマイナー契約をした。

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2013 MIA 62 273 240 34 69 12 1 4 95 16 10 0 0 1 31 1 1 66 4 .288 .370 .396 .766
2014 144 660 582 94 165 30 6 9 234 54 21 7 3 2 70 3 3 137 9 .284 .362 .402 .764
2015 126 525 476 63 143 30 2 7 198 44 16 5 0 0 47 2 2 101 13 .300 .366 .416 .782
2016 155 659 578 78 172 38 3 21 279 98 9 4 0 5 72 4 4 138 20 .298 .376 .483 .859
2017 156 695 602 100 170 36 2 18 264 81 16 2 0 6 80 4 6 137 13 .292 .369 .439 .807
2018 MIL 147 651 574 118 187 34 7 36 343 110 22 4 0 2 68 2 7 135 14 .326 .402 .598 1.000
2019 130 580 489 100 161 29 3 44 328 97 30 2 0 3 80 16 8 118 8 .329 .429 .671 1.100
2020 58 247 200 39 41 7 1 12 86 22 4 2 0 0 46 2 1 76 4 .205 .356 .430 .786
2021 117 475 399 70 99 19 2 9 149 51 9 3 0 3 70 5 3 113 5 .248 .362 .373 .736
2022 154 671 575 99 145 25 4 14 220 57 19 3 1 2 88 5 5 162 9 .252 .355 .383 .738
2023 144 632 550 106 153 34 1 19 246 76 28 3 0 1 78 7 3 140 15 .278 .370 .447 .818
2024 73 315 270 44 85 12 3 11 136 42 21 2 1 1 40 3 2 58 3 .315 .406 .504 .909
MLB:12年 1466 6383 5535 945 1590 306 35 204 2578 748 205 37 5 26 770 54 45 1381 117 .287 .377 .466 .843
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別打撃成績所属リーグ内順位

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2013 22 ナ・リーグ - - - - - - -
2014 23 - - - - - - -
2015 24 - - - - - - -
2016 25 - - - - - 9位 -
2017 26 - 9位 9位 - - - -
2018 27 1位 2位 - 10位 3位 2位 -
2019 28 1位 - - - 4位 - 3位
2020 29 - - - - - - -
2021 30 - - - - - - -
2022 31 - - - 9位 - - -
2023 32 - - - - - - -
2024 33 - - - - - - -
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

ポストシーズン打撃成績

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O
P
S
2018 MIL NLDS 3 14 8 4 2 0 0 1 5 2 2 0 0 0 6 0 0 0 0 .250 .571 .625 1.196
NLCS 7 33 28 3 5 1 0 1 9 1 0 0 0 0 5 1 0 7 2 .179 .303 .321 .624
2020 NLWC 2 9 9 0 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .222 .222 .333 .556
2021 NLDS 4 17 15 1 3 0 0 0 3 0 1 0 0 0 2 0 0 8 1 .200 .294 .200 .494
2023 NLWC 2 10 8 2 4 1 0 0 5 0 1 0 0 0 2 0 0 1 0 .500 .600 .625 1.225
出場:4回 18 83 68 10 16 3 0 2 25 3 4 0 0 0 15 1 0 20 3 .270 .397 .420 .819
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字はMVP受賞

WBCでの打撃成績

[編集]














































2017[27] アメリカ合衆国 8 32 29 7 9 4 0 0 13 3 0 0 0 3 0 0 8 0 .310 .375 .448

年度別守備成績

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左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2013 MIA 59 103 0 0 0 1.000 5 11 0 0 0 1.000 -
2014 138 255 6 1 1 .996 12 16 0 1 0 .941 -
2015 103 182 5 2 0 .989 36 74 1 0 1 1.000 -
2016 120 192 5 3 1 .985 31 68 1 3 0 .958 -
2017 - 155 370 1 1 0 .997 -
2018 MIL 90 109 3 1 0 .991 20 36 0 2 0 .947 75 121 1 0 1 1.000
2019 6 6 0 0 0 1.000 1 1 0 0 0 1.000 124 218 7 4 2 .983
2020 51 60 1 0 0 1.000 - -
2021 107 170 5 1 0 .994 - 1 0 0 0 0 ----
2022 115 189 2 1 1 .995 - -
2023 122 222 0 2 0 .991 - -
2024 48 75 3 1 1 .987 - -
MLB 959 1563 30 12 4 .993 260 576 3 7 1 .988 200 339 8 4 3 .989
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

タイトル

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MLB

表彰

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MLB
国際大会

記録

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背番号

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  • 21(2013年 - 2017年)
  • 22(2018年 - )

代表歴

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脚注

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  1. ^ Christian Yelich Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年4月17日閲覧。
  2. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年8月14日閲覧。
  3. ^ Breakdown of Marlins' Players Weekend names” (英語). MiLB.com (2017年8月24日). 2018年1月26日閲覧。
  4. ^ 2010 DRAFT TRACKER” (英語). MLB.com. July 16, 2023閲覧。
  5. ^ a b c MLB公式プロフィール参照。2018年1月26日閲覧。
  6. ^ Ian McCue (2013年7月23日). “Future staple Yelich delivers win in big league debut” (英語). MLB.com. 2018年1月26日閲覧。
  7. ^ a b c 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、313頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  8. ^ Baseball-Reference 参照。2018年1月26日閲覧。
  9. ^ Yelich on seven-year extension”. MLB.com (2015年3月23日). 2018年1月26日閲覧。
  10. ^ Jon Paul Morosi (2016年12月19日). “Yelich honored to be on Team USA for World Baseball Classic” (英語). MLB.com. 2018年1月26日閲覧。
  11. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster” (英語). USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (2017年2月9日). 2017年3月16日閲覧。
  12. ^ American Beauty: USA dominates PR in final” (英語). World Baseball Classic (2017年3月22日). 2018年1月26日閲覧。
  13. ^ Yadi, Balentien among All-Classic Team standouts” (英語). World Baseball Classic (2017年3月22日). 2018年1月26日閲覧。
  14. ^ Matt Kelly (2018年1月25日). “Brewers land Yelich for 4, including Brinson” (英語). MLB.com. 2018年1月26日閲覧。
  15. ^ Charlotte Carroll (2018年1月25日). “Marlins Trade Christian Yelich to Brewers” (英語). Sports Illustrated. 2018年1月26日閲覧。
  16. ^ “ブルワーズ・イエリチ、今季2回目のサイクル達成”. 日刊スポーツ. (2018年9月18日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201809180000375.html 2018年10月11日閲覧。 
  17. ^ MVPはナが日系3世イエリッチ、アはベッツが初受賞 トラウトは3度目受賞ならず”. Full-count. 2019年7月12日閲覧。
  18. ^ 昨季MVPイエリッチ、MLB史上6人目の開幕4連発! 「正直言って、よくわからないね」”. Full-count. 2019年7月12日閲覧。
  19. ^ イエリッチが自打球で膝蓋骨骨折、今季絶望に 44本塁打で2年連続MVP候補も…”. Full-count. 2019年9月11日閲覧。
  20. ^ Yelich on contract extension: 'A natural fit'” (英語). MLB.com. 2020年3月7日閲覧。
  21. ^ Brewers' Christian Yelich signs 9-year, $215 million deal”. Arizona Sports (2020年3月7日). 2020年3月7日閲覧。
  22. ^ a b Christian Yelich Ethnic Celebs]” (2017年6月20日). 2018年1月26日閲覧。
  23. ^ 「イチローと素敵な仲間たち マーリンズ若手外野トリオの魅力」『月刊スラッガー』2015年5月号 日本スポーツ企画出版社 11頁
  24. ^ イチローにも憧れる23歳 首位打者候補の日系3世は“マーリンズ版ジーター” Full Count (2015年3月28日) 2015年4月3日閲覧
  25. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2016』廣済堂出版、2016年、301頁。ISBN 978-4-331-52002-4 
  26. ^ Collin Yelich College & Minor Leagues Statistics & History” (英語). Baseball-Reference.com. 2020年3月11日閲覧。
  27. ^ 2017 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月28日閲覧
  28. ^ “米サイト選出 今季マーリンズ最優秀選手にイエリチ イチローも評価”. スポニチアネックス. (2016年11月25日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/11/25/kiji/K20161125013789210.html 2016年11月25日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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