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アラミス・ラミレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラミス・ラミレス
Aramis Ramírez
ピッツバーグ・パイレーツ時代
(2015年9月22日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サントドミンゴ
生年月日 (1978-06-25) 1978年6月25日(46歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 三塁手
プロ入り 1994年 アマチュア・フリーエージェントとしてピッツバーグ・パイレーツと契約
初出場 1998年5月26日
最終出場 2015年10月7日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アラミス・ニン・ラミレスAramis Nin Ramírez, 1978年6月25日 - )はドミニカ共和国サントドミンゴ出身の元プロ野球選手三塁手)。右投右打。

経歴

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プロ入りとパイレーツ時代

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1994年、16歳の時にピッツバーグ・パイレーツに入団。傘下のA+級リンチバーグ・ヒルキャッツ時代の1997年には137試合に出場して、打率.278、29本塁打、114打点を記録、この年のリーグMVPを獲得した。その後、プロ4年目となる1998年5月26日のミルウォーキー・ブルワーズ戦でメジャーデビュー。これは球団史上1974年9月2日にミゲール・ディローンがメジャーデビューして以降では最年少の記録となった[1]。その後、シーズンでは72試合に出場し、打率.235、72三振と荒削りな面が目立ったが、6本塁打、24打点の成績でデビュー1年目を終えた。

1999年は、チームに同じ三塁手のエド・スプレイグが加入したことで、シーズンの大半をAAA級ナッシュビル・サウンズで過ごすことになった。AAA級ナッシュビルでは131試合の出場で、打率.328、21本塁打、74打点を記録。シーズン終盤にはメジャーに昇格し、三塁手のレギュラーとして18試合に出場したものの、打率.179と精彩を欠いた。

2000年は開幕をメジャーで迎えたが、4月を終わった時点で打率.167とほとんど結果を残せず、再びAAA級ナッシュビルに降格。しかし6月半ばにメジャーに再昇格し、8月下旬の故障者リスト入りまでの73試合の出場で、打率.256、6本塁打、35打点を記録した。

2001年、新本拠地となるPNCパークが開場し、4月8日のヒューストン・アストロズ戦では球団タイ記録となる1試合3本塁打を記録するなど[2]、開幕から好調を維持した。最終的に自身初となる3割・30本塁打・100打点を達成し、三塁手として球団史上1930年パイ・トレイナーが119打点を記録して以降最も多い112打点を記録した[2]

2002年はシーズン序盤こそ好成績を残していたが、中盤から一気に調子を落とし、最終的に規定打席到達者では最低となる打率.234を記録してしまった。翌2003年も5月中旬まで打率2割台前半と不調が続いていたものの、そこから一気に固め打ちを行い、7月には打率3割台まで上昇した。

カブス時代

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シカゴ・カブス時代
(2007年7月19日)

2003年7月23日にケニー・ロフトンと共に2対3のトレードで、シカゴ・カブスへと移籍。移籍後も好調を維持し、63試合で15本塁打を記録した。その後、初となるポストシーズンにも出場を果たし、フロリダ・マーリンズとのリーグ優勝決定戦では3本塁打の活躍を見せた。

2004年、3年ぶりに3割・30本塁打・100打点を達成し、1965年ロン・サントが記録した33本塁打を上回るカブスの三塁手として新記録となる36本塁打を記録[3]。9月16日のレッズ戦では3本塁打、1二塁打で球団タイ記録となる1試合14塁打を記録している[3][4]

2005年は初選出となったオールスターで負傷のスコット・ローレンに代わり三塁手として先発出場[5]。8月24日のアトランタ・ブレーブス戦で初回を終えた時点で負傷交代。翌25日に左大腿四頭筋の負傷により故障者リスト入りし、シーズンを終えた[6]。2004年から2006年まで3年連続で30本塁打・90打点を記録、打率も3割前後で安定している。2004年と2005年は共に、全試合に出場していれば、40本塁打を越えるペースで打っていた。

2006年はチームのもう1人の主砲であるデレク・リーが故障したが、38本塁打、119打点といずれも自己ベストとなる成績を残した。シーズン終了後、FAを行使するものの、11月12日にカブスと5年約7500万ドル(6年目は球団とラミレス双方にオプション)の契約に合意し、残留を決めた[7]

2007年は、チームにアルフォンソ・ソリアーノが加わり、リーと共に強力なクリーンナップを形成。7月には新たに設けられた月間賞である「クラッチ・パフォーマー・オブ・ザ・マンス」に選出されるなど、勝負強さを発揮した[1]。最終的に膝の故障による途中離脱もあり、本塁打こそ4年ぶりに30本を切ってしまったが、3割・100打点を記録。リーグ「最狭」と言われていた三塁守備も改善され、リーグ平均の指標に近づくなど守備面でも評価を上げるシーズンとなった[8]

2008年は、打率こそ.289に止まり、2年連続での打率3割超えとはならなかったものの、自己最多の74四球を記録し、出塁率も自己最高の.380を記録。本塁打と打点は前年の数字に上積みし、27本塁打、111打点という成績でシーズンを終えた。また、得点圏では.310とよく打ち、シーズンオフにはハンク・アーロン賞に選出された。

2009年、打撃好調を維持していたが、故障の影響でシーズン約半分を欠場。それでも打率.317、15本塁打、65打点という成績を記録。ほぼ半分で記録した成績なので、単純に2倍すると30本塁打・100打点は記録出来るペースだった。

2010年、2年ぶりに規定打席に到達したが、打撃は低調で打率.241に留まった。持ち前のパワーでは、25本塁打を放った。

2011年、打率も以前の水準に戻し、打率.306、26本塁打、93打点の好成績を記録。シーズン後には、自身初のシルバースラッガー賞三塁手部門)に選出された。

ブルワーズ時代

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ミルウォーキー・ブルワーズ時代
(2012年4月22日)

2011年シーズン終了後の12月13日、ブルワーズと3年契約を結んだ。

移籍1年目となる2012年、直近5シーズンでは自己最多(タイ)となる149試合に出場。打率.300、27本塁打、105打点、9盗塁という好成績を記録。打率は2年連続で3割を超え、本塁打こそ30本には及ばなかったが、4年ぶりとなる100打点超えを果たした。盗塁も自己ベスト、二塁打50本はリーグ1位、守備面でも初めて+の守備防御点を記録するなど、攻守に充実したシーズンを過ごした。その活躍ぶりが評価され、シーズンオフにはMVP投票で9位につけた。

2013年、92試合の出場に留まり打率.283、12本塁打、49打点と、不完全燃焼となるシーズンを過ごした。

2015年2月27日、2015年シーズン限りで現役を引退する意向を表明した[9]

パイレーツ復帰

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2015年7月23日、マイナー選手とのトレードで、プロ入り時の古巣・パイレーツに移籍した[10]

2015年11月5日、オフに故郷ドミニカのウィンターリーグであるリーガ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル・デ・ラ・レプブリカ・ドミニカーナティグレス・デル・リセイへの参加を最後に、現役を引退することを正式に表明した[11]

選手としての特徴

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打撃

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強靭なリストによって左翼方向への特大本塁打を放つことができる[12]。パイレーツにいた頃は積極的に打ちにいく典型的なフリースインガーだったが、カブスに移籍してからは選球眼を改善させ、ボール球の変化球を振ることが少なくなり、三振が減少し、四球が増加[12]。シーズン平均で60個程度と非常に少なくなったが、2008年は94三振を記録している。

守備

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守備に関しては、失策が多かったが、カブスに移籍してからは減少。肩は強いわりに併殺の成功数が少ない[13]。また、もともと遊撃手だったが、マイナー時代に三塁手にコンバートされた経緯がある。

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
1998 PIT 72 275 251 23 59 9 1 6 88 24 0 1 1 1 18 0 4 72 3 .235 .296 .351 .646
1999 18 64 56 2 10 2 1 0 14 7 0 0 1 1 6 0 0 9 0 .179 .254 .250 .504
2000 73 274 254 19 65 15 2 6 102 35 0 0 1 4 10 0 5 36 9 .256 .293 .402 .695
2001 158 655 603 83 181 40 0 34 323 112 5 4 0 4 40 4 8 100 9 .300 .350 .536 .885
2002 142 570 522 51 122 26 0 18 202 71 2 0 0 11 29 3 8 95 17 .234 .279 .387 .666
2003 96 415 375 44 105 25 1 12 168 67 1 1 0 8 25 3 7 68 17 .280 .330 .448 .778
CHC 63 255 232 31 60 7 1 15 114 39 1 1 0 3 17 0 3 31 4 .259 .314 .491 .805
'03計 159 670 607 75 165 32 2 27 282 106 2 2 0 11 42 3 10 99 21 .272 .324 .465 .788
2004 145 606 547 99 174 32 1 36 316 103 0 2 0 7 49 6 3 62 25 .318 .373 .578 .951
2005 123 506 463 72 140 30 0 31 263 92 0 1 0 2 35 4 6 60 15 .302 .358 .568 .926
2006 157 660 594 93 173 38 4 38 333 119 2 1 0 7 50 4 9 63 15 .291 .352 .561 .912
2007 132 558 506 72 157 35 4 26 278 101 0 0 0 5 43 8 4 66 13 .310 .366 .549 .915
2008 149 645 554 97 160 44 1 27 287 111 2 2 0 6 74 7 11 94 13 .289 .380 .518 .898
2009 82 342 306 46 97 14 1 15 158 65 2 1 0 0 28 3 8 43 8 .317 .389 .516 .905
2010 124 507 465 61 112 21 1 25 210 83 0 0 0 5 34 3 3 90 10 .241 .294 .452 .745
2011 149 626 565 80 173 35 1 26 288 93 1 1 0 8 43 5 10 69 12 .306 .361 .510 .871
2012 MIL 149 630 570 92 171 50 3 27 308 105 9 2 0 4 44 3 12 82 14 .300 .360 .540 .901
2013 92 351 304 43 86 18 0 12 140 49 0 1 0 3 36 0 8 55 8 .283 .370 .461 .831
2014 133 531 494 47 141 23 1 15 211 66 3 0 0 3 21 2 13 75 18 .285 .330 .427 .757
2015 81 302 279 25 69 18 0 11 120 42 1 0 0 3 16 3 4 42 12 .247 .295 .430 .725
PIT 56 214 196 18 48 13 1 6 81 33 0 0 0 2 15 0 1 26 11 .245 .299 .413 .712
'15計 137 516 475 43 117 31 1 17 201 75 1 0 0 5 31 3 5 68 23 .246 .297 .423 .720
MLB:18年 2194 8986 8136 1098 2303 495 24 386 4004 1417 29 18 3 87 633 58 127 1238 233 .283 .341 .492 .833
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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三塁(3B) 一塁(1B)
























1998 PIT 71 29 114 9 13 .941 -
1999 17 11 29 3 2 .930 -
2000 72 26 128 14 7 .917 -
2001 157 92 335 25 33 .945 -
2002 131 78 255 19 32 .946 -
2003 96 62 216 23 10 .924 -
CHC 63 35 120 10 14 .939 -
'03計 159 97 336 33 24 .929 -
2004 144 92 221 10 15 .969 -
2005 119 70 218 16 14 .947 -
2006 156 110 252 13 17 .965 -
2007 126 88 260 10 19 .972 -
2008 147 83 225 18 17 .945 -
2009 79 45 137 10 14 .948 -
2010 118 56 190 16 9 .939 -
2011 145 68 216 14 18 .953 -
2012 MIL 143 71 222 7 14 .977 -
2013 80 45 103 7 7 .955 -
2014 126 74 184 10 12 .963 -
2015 74 40 119 5 14 .970 -
PIT 48 22 83 5 6 .955 5 27 1 2 5 .933
'15計 122 62 202 10 20 .964 5 27 1 2 5 .933
MLB 2112 1197 3627 244 287 .952 5 27 1 2 5 .933
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

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記録

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背番号

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  • 16(1998年 - 2015年途中)
  • 17(2015年途中 - 同年終了)

脚注

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  1. ^ Aramis Ramirez 1998 Career Highlights” (英語). 2008年4月23日閲覧。
  2. ^ a b Aramis Ramirez 2001 Career Highlights” (英語). 2008年4月23日閲覧。
  3. ^ a b Aramis Ramirez 2004 Career Highlights” (英語). 2008年4月23日閲覧。
  4. ^ CINCINNATI (AP) (2004年9月16日). “Ramirez also hit 3 vs. Philly in July” (英語). ESPN.com. 2009年10月4日閲覧。
  5. ^ Eagle, Ed (2005年7月12日). “Lee, Ramirez enjoy first All-Star Game” (英語). MLB.com. 2009年10月4日閲覧。
  6. ^ Cubs place Ramirez on disabled list, recall Cedeno” (英語). MLB.com (2005年8月26日). 2009年10月4日閲覧。
  7. ^ Associated Press (2004年9月16日). “Cubs agree to new deals with Ramirez, Wood” (英語). ESPN.com. 2009年10月4日閲覧。
  8. ^ 村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、325頁頁。ISBN 978-4-331-51300-2 
  9. ^ Milwaukee Brewers 3B Aramis Ramirez to retire after 2015” (英語). 2015年10月9日閲覧。
  10. ^ David Brown (2015年7月23日). “Pirates trade with Brewers for slugger Aramis Ramirez”. FANTASY NEWS (CBSSports.com). http://www.cbssports.com/mlb/eye-on-baseball/25248785/pirates-trade-with-brewers-for-slugger-aramis-ramirez 2015年7月24日閲覧。 
  11. ^ Adams, Steve (November 5, 2015). “Aramis Ramirez Announces Retirement From MLB”. MLB Trade Rumors. http://www.mlbtraderumors.com/2015/11/aramis-ramirez-retires.html 6 November 2015閲覧。 
  12. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2005』廣済堂出版、2005年、332頁頁。ISBN 978-4-331-51093-3 
  13. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2006』廣済堂出版、2006年、351頁頁。ISBN 978-4-331-51146-6 

関連項目

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外部リンク

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