アサヒグループホールディングス
アサヒグループホールディングスの本店が入居するアサヒビール本社ビル | |
種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 監査役会設置会社[1] |
市場情報 | |
略称 | アサヒHD |
本社所在地 |
日本 〒130-8602 東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号 |
設立 |
1949年(昭和24年)9月1日 (朝日麦酒株式会社) |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 6010601036386 |
事業内容 | 持株会社 |
代表者 | 勝木敦志(代表取締役社長兼CEO) |
資本金 | 1825億3100万円 |
発行済株式総数 | 5億700万3362株 |
売上高 |
連結:2兆5,111億08百万円 単独:1,721億89百万円 (2022年12月期) |
純利益 |
連結:1,517億17百万円 単独:1,467億69百万円 (2022年12月期) |
総資産 |
連結:4兆8,303億44百万円 単独:2兆9359億17百万円 (2022年12月期) |
従業員数 |
連結:29,920人 (2022年12月31日現在) |
決算期 | 12月31日 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人[2] |
主要株主 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 6.04% 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 4.26% 旭化成株式会社 3.88% 第一生命保険株式会社 3.50% 富国生命保険相互会社 3.21% |
主要子会社 |
アサヒグループジャパン株式会社 100% アサヒバイオサイクル株式会社 100% |
関係する人物 |
山本爲三郎、村井勉、樋口廣太郎、 中條高徳、瀬戸雄三 泉谷直木 |
外部リンク | https://www.asahigroup-holdings.com/ |
特記事項:2011年7月1日、(旧)アサヒビール株式会社が持株会社移行に伴い現在の商号に変更。同日、会社分割により(旧)アサヒグループホールディングス株式会社(同日、アサヒビール株式会社に商号変更)に現業全般を移譲。 |
アサヒグループホールディングス株式会社(英: Asahi Group Holdings,Ltd.)は、アサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などを傘下に持つ持株会社である。日経平均株価およびTOPIX Large70、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[3][4][5]。
概要
[編集]日本の大手ビールメーカー4社(アサヒ・キリン・サッポロ・サントリー)の内、サッポロが2003年(平成15年)、キリンが2007年(平成19年)、サントリーが2009年(平成21年)にそれぞれ純粋持株会社制度に移行したが、その中でアサヒは最後まで事業持株会社を堅持していた。しかし社会情勢の変化により、2010年8月、アサヒが純粋持株会社制度になることを公表した。そして、2011年7月1日付で旧アサヒビール株式会社(当社)がアサヒグループホールディングス株式会社に商号変更し、旧アサヒビール社の現業全般を会社分割によって新設したアサヒビール株式会社[注釈 1]に移譲させた。
事業子会社はビールなどの酒類を製造・販売する(新)アサヒビール株式会社や清涼飲料水の製造・販売を行うアサヒ飲料、食品・健康食品・医薬品の製造・販売を行うアサヒグループ食品の3社からなる。
白水会や住友グループ広報委員会のメンバーではないが、創業が大阪なことと一時期住友銀行(現:三井住友銀行)から経営再建のため経営陣を送り込まれた関係上、住友グループの企業として扱われることが多い[6]。かつては業績が悪く銀行からの支援が必要不可欠であったため三代目から六代目社長まで住友銀行出向者が務めたが業績が回復してからは生え抜きが社長を務めている。
コーポレート・スローガンは「その感動を、わかちあう。」が使用されていたが、2019年(平成31年/令和元年)より廃止された。
沿革
[編集]- 1889年11月 - 有限責任大阪麦酒会社を大阪で設立。社長は鳥井駒吉。
- 1891年 - 吹田村醸造所竣工[注釈 2]。
- 1893年2月 - 大阪麦酒株式会社に社名変更。
- 1906年3月 - 大阪麦酒・日本麦酒・札幌麦酒の3社合同により大日本麦酒株式会社を設立。社長は馬越恭平。本店は東京府荏原郡目黒村大字三田247。この合併で実質的に本社を大阪から東京に移転した。
- 1937年 - 高橋龍太郎が社長に就任。
- 1949年9月1日 - 過度経済力集中排除法及び企業再建整備法の適用を受けた大日本麦酒株式会社の決定整備計画に基づき、朝日麦酒株式会社を設立。初代社長は山本爲三郎。本店所在地は東京都中央区。
- 1954年8月 - ニッカウヰスキー株式会社に資本参加。
- 1964年4月 - 北海道朝日麦酒株式会社設立[7]。
- 1972年3月 - 株式会社三ツ矢ベンディング設立。
- 1982年3月 - 三ツ矢フーズ株式会社設立。
- 1984年11月 - 北海道三ツ矢フーズ株式会社設立。
- 1986年3月 - 住友銀行(現・三井住友銀行)から樋口廣太郎が社長に就任。
- 1987年4月 - 三ツ矢フーズ株式会社をアサヒビール飲料株式会社に商号変更。
- 1987年5月 - 西日本アサヒビール飲料株式会社設立。
- 1987年10月 - 九州アサヒビール飲料株式会社設立。
- 1987年12月 - 東海アサヒビール飲料株式会社設立。
- 1988年10月 - アサヒビール飲料製造株式会社設立。
- 1989年1月1日 - (旧)アサヒビール株式会社に商号変更。
- 1990年9月 - アサヒビール飲料が、西日本アサヒビール飲料・東海アサヒビール飲料・九州アサヒビール飲料と合併。
- 1992年3月 - アサヒビール食品株式会社設立。
- 1994年3月 - アサヒビール薬品株式会社設立。
- 1996年7月1日 - アサヒビール飲料が、アサヒビール飲料製造・北陸アサヒビール飲料製造と合併し、アサヒ飲料株式会社に商号変更。
- 2001年4月1日 - ニッカウヰスキーを完全子会社化。
- 2002年7月1日 - アサヒビール食品とアサヒビール薬品が合併、アサヒビール薬品を存続会社としてアサヒフードアンドヘルスケア株式会社発足。
- 2004年7月 - 沖縄県のビールメーカー・オリオンビール株式会社と包括的業務提携。
- 2008年6月 - 広島県福山市の加工食品メーカー・天野実業株式会社と業務・資本提携。
- 2010年8月10日 - 持株会社移行の準備会社として(旧)アサヒグループホールディングス株式会社を設立。
- 2011年7月1日 - 持株会社移行
- アサヒグループホールディングス株式会社に商号変更。
- (旧)アサヒビールの現業全般を会社分割により、アサヒビール株式会社(旧アサヒグループホールディングス株式会社より商号変更)に移譲。
- 2011年11月11日 - マレーシアのペルマニス社の株式買収手続を完了
- 2012年1月31日 - オーストラリアのマウンテンH2O社の株式買収手続きを完了
- 2012年10月1日 - 味の素からカルピスの全株を取得しグループ化。株式購入額920億円と配当金270億円を合わせ買収総額は約1200億円[8]。
- 2015年7月1日 - 事業再編に向け、100%子会社としてアサヒカルピスウェルネスを設立、アサヒグループ内のアサヒフードアンドヘルスケア、和光堂、天野実業の食品事業3社は共同株式移転で3社の共同親会社としてアサヒグループ100%子会社のアサヒグループ食品を設立した[9]。
- 2016年1月1日 - グループ再編を実施。
- 2016年2月11日 - アサヒグループは英SABミラーが保有する欧州のビラ・ペローニ、ロイヤル・グロールシュ、ミーンタイム、英ミラーブランドの4事業の買収で基本合意したと発表した[10][11]。買収金額は約3297億円。
- 2016年12月13日 - アンハイザー・ブッシュ・インベブより旧SABミラーの保有する東欧5か国(チェコ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー)のピルスナー・ウルケルなどの事業を8883億円で買収。日本のビール会社のビール事業買収としては過去最大[12]。
- 2017年7月1日 - アサヒグループ食品を存続会社として、アサヒフードアンドヘルスケア、和光堂、天野実業の製造子会社3社を吸収合併。「Asahi」「WAKODO」「アマノフーズ」などの旧3社のブランドは、存続会社が引継ぐ。
- 2017年11月30日 - 100%子会社であったチルド飲料メーカー株式会社エルビーを、投資ファンドポラリス・キャピタル・グループに売却[13]。
- 2019年7月19日 - アンハイザー・ブッシュ・インベブとの間でオーストラリアの酒類メーカー、カールトン&ユナイテッドブルワリーズの売買契約を締結。取得額は、160億オーストラリアドル[14]。
- 2021年1月1日 - アサヒグループ食品がアサヒカルピスウェルネスを吸収合併[15]。
- 2021年8月10日 - 2022年1月1日付でアサヒグループジャパン株式会社を設立し、アサヒグループ日本事業につき中間持株会社体制に移行することを発表[16]。
- 2022年1月1日 - アサヒグループジャパン株式会社発足。同社の傘下としてアサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品など国内事業会社を置き、国内事業において中間持株会社体制に移行[17]。
- 2023年9月8日 - ジャニーズ事務所のジャニー喜多川の性加害問題を受け、ジャニーズ事務所のタレントを広告や販促に今後、起用しないと発表した。現時点の契約については、満了後は更新をしないと発表[18]。
- 2024年9月1日 - なだ万の全株式をONODERA GROUPに売却。外食事業から撤退する予定[19][20]。
歴代経営者
[編集]- 大阪麦酒社長
- 鳥井駒吉(創業者)
- 大日本麦酒社長
- 朝日麦酒社長
- 山本爲三郎:1949年9月 - 1966年2月
- 中島正義:1966年2月 - 1971年2月
- 高橋吉隆:1971年2月 - 1976年3月
- 延命直松:1976年3月 - 1982年3月
- 村井勉:1982年3月 - 1986年3月
- 樋口廣太郎:1986年3月 - 1989年1月
- アサヒビール社長
- 樋口廣太郎:1989年1月 - 1992年9月
- 瀬戸雄三:1992年9月 - 1999年1月
- 福地茂雄:1999年1月 - 2002年1月
- 池田弘一:2002年1月 - 2006年3月
- 荻田伍:2006年3月 - 2010年3月
- 泉谷直木:2010年3月 - 2011年7月
- アサヒグループホールディングス社長
グループ会社
[編集]中間持株会社
[編集]- アサヒグループジャパン - アサヒグループ日本事業につき経営戦略策定や推進、経営管理など
事業子会社
[編集]3社ともアサヒグループジャパンの子会社である。
機能子会社
[編集]アサヒビールグループ
[編集]- アサヒロジ - 物流会社
- エービーカーゴ東日本
- エービーカーゴ西日本
- ニッカウヰスキー - 洋酒・焼酎などの製造
- 北海道ニッカサービス
- 仙台ニッカサービス
- ニッカ余市ヴィンヤード
- エノテカ
- アサヒフードクリエイト
- なだ万
- アサヒドラフトマーケティング
- 沖縄アサヒ販売
- アサヒビールコミュニケーションズ
- アサヒビールモルト
- アサヒグループエンジニアリング
- アサヒビールフィード
- 東京墨田川ブルーイング
アサヒ飲料グループ
[編集]- カルピス - 乳製品の製造・販売と清涼飲料水の製造
- アサヒ飲料販売 - 自動販売機部門
- アサヒオリオン飲料 - 沖縄県のアサヒ飲料自動販売機管理会社
- 九州アサヒ飲料販売 - 九州のアサヒ飲料自動販売機管理会社
- ミチノク
アサヒグループ食品グループ
[編集]- 日本エフディ
- 和光食品工業
- アサヒフィールドマーケティング
- Yeastock
その他の事業子会社
[編集]以下の4社は2022年1月以降もアサヒグループホールディングスの完全子会社となる。
- アサヒビジネスソリューションズ
- アサヒバイオサイクル - 飼育用生菌剤などの製造・販売
- アサヒプロマネジメント - 日本国内のアサヒグループにおける経理、人事、総務、営業間接業務のシェアードサービス
- アサヒクオリティーアンドイノベーションズ
海外現地法人
[編集]- Asahi International, Ltd.(イギリス・ロンドン)
- 北京啤酒朝日有限公司(中国、北京市)
- ロッテアサヒ酒類(韓国)
- 台灣可爾必思股份有限公司(台湾)
- Asahi Group Holdings Southeast Asia Pte. Ltd.
- Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd(オーストラリア)
- Asahi Beverages Pty Ltd(同上)
- Asahi Premium Beverages(同上)
- Independent Liquor (NZ Limited (ニュージーランド)
- The Better Drinks Co.(同上)
- Asahi Breweries Europe Ltd
提携・友好会社
[編集]- オリオンビール - アサヒグループHDのグループ紹介には記載されていないが、提携関係にあるので便宜上記述する。
- ホテルロイヤルオリオン
- オリオン嵐山ゴルフ倶楽部
- オリオンサポート
- チョーヤ梅酒 - 上記のオリオンビール同様、アサヒグループHDのグループ紹介には記載されていないが、業務提携にあるので便宜上記述する。
代表される商品
[編集]- アサヒビール
- アサヒスーパードライ
- クリアアサヒ
- ブラックニッカシリーズ(ニッカウヰスキー)
- スーパーニッカ(ニッカウヰスキー)
- 竹鶴(ニッカウヰスキー)
- ジャックダニエル(輸入ウイスキー)
- 大五郎(焼酎)
- かのか(焼酎)
- アサヒ飲料
- アサヒグループ食品
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ コーポレートガバナンスの考え方と体制 - アサヒグループホールディングス株式会社
- ^ コーポレートガバナンス報告書 2021年2月2日閲覧
- ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
- ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
- ^ JPX日経400・JPX日経中小型 jpx.co.jp 2021年10月8日閲覧。
- ^ “4大金融グループの関連企業”. 現代労働問題研究会. 2009年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月19日閲覧。
- ^ 1994年7月吸収合併、北海道支社及び北海道工場となる。
- ^ “アサヒ、カルピス買収完了”. 日本経済新聞. (2012年10月2日) 2023年10月19日閲覧。
- ^ a b c “国内の事業基盤強化を目指し、飲料事業と食品事業再編”. アサヒグループホールディングス (2015年6月3日). 2015年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
- ^ “アサヒが欧州ビールブランド買収で基本合意、海外市場強化狙う”. ロイター. (2016年2月11日) 2016年2月12日閲覧。
- ^ “欧州ビール事業取得(子会社化)に関する最終提案書の提出に関するお知らせ” (2016年2月11日). 2016年2月12日閲覧。
- ^ 東欧ビール事業買収合意 国内市場縮小で海外加速毎日新聞 2016年12月13日
- ^ アサヒ、チルド清涼飲料子会社「エルビー」を投資ファンドに売却ロイター 2017年11月2日
- ^ “アサヒ、1.2兆円で豪ビール最大手買収”. Sannkei Biz (2019年7月19日). 2019年7月24日閲覧。
- ^ 健康領域の強化に向けて、国内食品事業を再編 アサヒグループ食品とアサヒカルピスウェルネスを2021年1月に統合アサヒグループホールディングス 2020年11月27日
- ^ “アサヒグループジャパン指導に向け濱田社長会見、横断機能を発揮、事業拡大・価値最大化へ”. 食品産業新聞社 (2021年12月16日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “海外シフト鮮明のアサヒGHD、社長が強調する組織改編の狙い”. 日刊工業新聞 (2022年1月10日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “アサヒグループHD「今後ジャニーズ事務所のタレントを起用した広告や新たな販促は展開しない」”. 日刊スポーツ. (2023年9月8日). オリジナルの2023年9月8日時点におけるアーカイブ。 2023年9月8日閲覧。
- ^ “株式会社なだ万の株式譲渡に関するお知らせ”. アサヒグループホールディングス株式会社 (2024年7月26日). 2024年7月26日閲覧。
- ^ “なだ万、オノデラに売却 9月、アサヒ外食撤退”. 共同通信 (2024年7月26日). 2024年7月26日閲覧。
関連項目
[編集]- アサヒビール
- アサヒ飲料
- アサヒグループ食品
- カルピス
- キリンホールディングス - 麒麟麦酒などを傘下に置く持株会社
- サッポロホールディングス - サッポロビールなどを傘下に置く持株会社
- サントリー - 酒類・飲料・食品などの持株会社・サントリーホールディングスの通称
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- アサヒグループ公式チャンネル - YouTubeチャンネル