豊清水信号場
豊清水信号場 | |
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旅客営業末期の駅舎(駅前通り側) (2017年10月) | |
とよしみず Toyoshimizu | |
◄W54 美深 (19.6 km) (3.6 km) 天塩川温泉 W59► | |
所在地 | 北海道中川郡美深町字清水 |
駅番号 | ○W58 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■宗谷本線 |
キロ程 | 117.9 km(旭川起点) |
電報略号 | トス |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2線 |
乗降人員 -統計年度- |
4人/日 -2011年- |
開業年月日 | 1946年(昭和21年)10月10日[1] |
備考 | 2021年(令和3年)3月13日に旅客扱いを廃止し[JR北 1][JR北 2][新聞 1]、信号場化[新聞 2]。 |
豊清水信号場(とよしみずしんごうじょう)は、北海道中川郡美深町字清水にある北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の信号場である。電報略号はトス。事務管理コードは▲121828[2]。旅客営業末期の駅番号はW58。
歴史
[編集]大正時代から入植者による駅設置の請願が行われていた[3]。その後、仮乗降場を経て駅として営業されていたが、利用者減少に伴い2021年(令和3年)3月13日に旅客扱いを廃止し[JR北 1][JR北 2][新聞 1][新聞 3]、信号場となった[新聞 2]。
年表
[編集]- 1946年(昭和21年)
- 1948年(昭和23年)9月:同年11月まで美深町内全域から延べ約300人の出役奉仕を行い、駅舎・ホームを建設[4]。
- 当時、駅設置に際しては敷地の無償提供が条件で、乗降場・駅舎建設についても地元負担であった[4]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1950年(昭和25年)1月15日:駅に昇格[6][7]。貨物・荷物取扱い開始[7]。
- 1960年(昭和35年)9月15日:車扱貨物の取扱いを廃止[8]。
- 1974年(昭和49年)10月1日:小口貨物も含めた貨物の取扱いを廃止[1]。
- 時期不詳:駅舎改築
- 1984年(昭和59年)
- 1986年(昭和61年)11月1日:CTC導入に伴い、完全無人化[4][新聞 6][新聞 7]。無人化前は職員2人配置だった[新聞 7]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる[1]。
- 2019年(令和元年)12月3日:JR北海道が沿線自治体に対し、宗谷本線活性化推進協議会を通じて当駅含む宗谷本線の29駅[注釈 1]について、自治体による維持管理もしくは費用負担による存続か、2021年(令和3年)3月での廃止かの方針を2020年3月までに報告するよう要請[新聞 8]。
- 2020年(令和2年)3月25日:同日までに美深町が当駅の廃止を容認[新聞 9][新聞 10][新聞 11][新聞 12]。
- 2021年(令和3年)3月13日:利用者減少に伴い、同日のダイヤ改正で旅客扱いを終了[JR北 1][JR北 2][新聞 1][新聞 3]。豊清水信号場となる[新聞 2]。
信号場名の由来
[編集]所在地の美深町清水および隣接する常盤村清水(現在は音威子府村咲来の一部)の両地区の名称に、「将来豊かな所になるように[6]」「豊かな清水[4]」との意味を込めて「豊」を冠したとされる[3][6][9][10]。
「清水」の名称については美深・音威子府町村境を流れる現在のペペケナイ川を指すアイヌ語、「ペペケンナイ(pe-peken-nay)[注釈 2]」(水が・清澄な・川)の意訳である[9][10]。
構造
[編集]2線を有する列車交換型の信号場[新聞 2]。美深駅 - 音威子府駅間で唯一、列車交換が可能である。線路西側に旧駅舎があり、信号場化された後も残されている[新聞 2]。冬季は保線要員が常駐する[新聞 2]。
2021年3月改正時点では、朝夕時間帯における普通列車・特急列車の行き違いに使用されている[新聞 2]。
旅客駅時代は島式1面2線のホームを持つ地上駅で、音威子府駅管理の無人駅であった。
仮乗降場時代は単式ホーム1面1線であり、駅昇格に伴い木造駅舎と上り側1線スルー式の島式ホーム1面2線、駅舎横の名寄寄りに貨物積卸場と引込み線が設けられた。貨物および荷物取り扱い廃止後も、引込み線は待避線として残されている。
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旅客営業末期の駅舎(ホーム側)(2017年10月)
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旅客営業末期のホーム(2017年10月)
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旅客営業末期の構内踏切(2017年10月)
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旅客営業末期の駅名標(2017年10月)
利用状況
[編集]旅客営業時の乗車人員の推移は以下の通り。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで1日平均乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員(人) | 出典 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1978年(昭和53年) | 14.0 | [11] | |||
2015年(平成27年) | 「1名以下」 | [JR北 3] | |||
2016年(平成28年) | 0.4 | [JR北 4] | |||
2017年(平成29年) | 0.4 | [JR北 5] | |||
2018年(平成30年) | 0.4 | [JR北 6] | |||
2019年(令和元年) | 0.4 | [JR北 7] | |||
2020年(令和 | 2年)0.4 | [JR北 8] |
周辺
[編集]高台に駅があるため周りの風景が眼下に見える。周りは一面の牧草畑である。冬季には、駅周辺の一部の道路が閉鎖される[12]。
バス路線
[編集]- 美深町スクールバス:楠清水線 「楠27線」停留所
2010年(平成22年)3月現在、恩根内駅付近にあるセンタープラザ停留所との間に、スクールバスが1日3便運行されている[13]。
日曜運休。全ての便で通学生以外も乗車可能。現在、停留所にはバス停を表す標識は撤去され、設置されていない。
その他
[編集]当駅を含む美深町に所在する無人駅3駅が、2021年3月13日に廃止されるのに合わせて、地元若手住民で構成されるグループ「美深廃駅プロジェクト」が、廃止対象3駅を舞台とした記録映像の制作を2021年1月より開始している[新聞 13]。同年1月25日には、映像制作費を募集するためのクラウドファンディングを開始させ、駅のイラストが入った返礼品も作成された[新聞 13]。
隣の施設
[編集]- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■宗谷本線
- *:
打消線は廃駅
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、900頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、239頁。doi:10.11501/1873236 。2023年1月15日閲覧。
- ^ a b “全駅DATA 石北本線②(上川~網走) 宗谷本線”. 週刊JR全駅・全車両基地 (朝日新聞出版) (No.60): pp.19-27. (2013-10-03).
- ^ a b c d e “ありがとう さようなら 長き歳月の歴史に幕 JR南美深駅・紋穂内駅・豊清水駅廃止”. 広報びふか (美深町) (815): pp.2-5. (2021-04). オリジナルの2021-04-28時点におけるアーカイブ。 2021年4月28日閲覧。.
- ^ 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、14-17頁。
- ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、177頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ a b 大蔵省印刷局(編)「日本国有鉄道公示 第3号」『官報』第6895号、国立国会図書館デジタルコレクション、1950年1月9日。
- ^ 『鉄道百年記念 旭鉄略年表(1972年)』日本国有鉄道旭川鉄道管理局、1972年、29頁。doi:10.11501/12061017 。
- ^ a b c 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. p. 144. ISBN 978-4-88323-114-0
- ^ a b 鏡味明克「北海道におけるアイヌ語地名の現代日本語接触変化」『人間文化(愛知学院大学人間文化研究所紀要)』第19巻、愛知学院大学、2004年9月20日、294-284頁、2018年5月20日閲覧。
- ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、888頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ a b “BlueberryHouse音威子府村 on Strikingly”. BlueberryHouse音威子府村. 2020年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月20日閲覧。
- ^ “美深町地域公共交通総合連携計画” (日本語) (PDF), 美深町 (2010年3月, オリジナルの2018年12月14日時点によるアーカイブ。 2019年9月27日閲覧。
JR北海道
[編集]- ^ a b c 『来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。オリジナルの2020年12月9日時点におけるアーカイブ 。2020年12月9日閲覧。
- ^ a b c 『2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブ 。2020年12月18日閲覧。
- ^ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年12月8日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月30日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年7月2日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3・4 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月3日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b c “18無人駅に「ありがとう」 JRダイヤ改正で廃止 住民やファン 各地で別れ”. 北海道新聞. (2021年3月13日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。 2021年3月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「駅廃止から1か月 寂しさを漂わせる 速度落とさず列車通過 豊清水信号場は名残も」『名寄新聞』2021年4月13日、3面。
- ^ a b 北星、南美深、紋穂内、豊清水駅廃止 JR宗谷本線 地域見守った駅に感謝 住民、鉄道ファン別れ惜しむ(名寄新聞、2021年3月13日)
- ^ “「通報」●函館本線江部乙駅ほか49駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月9日)
- ^ 風連など停留所化へ 国鉄で合理化 当分は運転要員常駐派遣(名寄新聞、1984年11月9日)
- ^ “宗谷線、20駅無人化へ 特殊自動閉そく装置導入工事進む”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1986年9月17日)
- ^ a b 恩根内、豊清水駅は無人化 11月ダイヤ改正で(名寄新聞、1986年10月16日)
- ^ “宗谷線の無人駅管理 自治体に要請 JR「負担か廃止」 3月期限、悩む沿線”. 北海道新聞. (2019年12月12日). オリジナルの2019年12月12日時点におけるアーカイブ。 2020年3月28日閲覧。
- ^ “宗谷線の計5駅、廃止受け入れ 名寄市と美深町”. 北海道新聞. (2020年3月26日). オリジナルの2020年3月26日時点におけるアーカイブ。 2020年3月26日閲覧。
- ^ “宗谷線無人5駅 21年春廃止 名寄市、美深町が受け入れ「仕方ない」「寂しい」惜しむ声”. 北海道新聞. (2020年3月26日). オリジナルの2020年3月26日時点におけるアーカイブ。 2020年3月26日閲覧。
- ^ 町内4駅廃止受け入れ 美深町地域公共交通活性化協議会(名寄新聞、2020年3月28日)
- ^ 名寄市内1駅、美深町内4駅廃止へ JR宗谷本線 路線バスなどで代替へ 来年3月ダイヤ改正に合わせて(名寄新聞、2020年3月27日)
- ^ a b “宗谷線の廃止3駅を映像に 若手グループ制作へ”. 北海道新聞. (2021年1月27日). オリジナルの2021年2月7日時点におけるアーカイブ。 2021年2月6日閲覧。