北星駅
北星駅 | |
---|---|
駅舎(2017年10月) | |
ほくせい Hokusei | |
◄W49 日進 (9.1 km) (1.9 km) 智恵文 W51► | |
所在地 | 北海道名寄市智恵文北星 |
駅番号 | ○W50 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■宗谷本線 |
キロ程 | 89.3 km(旭川起点) |
電報略号 | ホク |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
2人/日 -2014年- |
開業年月日 | 1959年(昭和34年)11月1日 |
廃止年月日 | 2021年(令和3年)3月13日[JR北 1][JR北 2][新聞 1] |
備考 | 無人駅 |
北星駅(ほくせいえき)は、北海道(上川総合振興局)名寄市智恵文北星にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅(廃駅)である。電報略号はホク。事務管理コードは▲121821[1]。駅番号はW50。
歴史
[編集]宗谷本線での気動車運転開始に伴い各地に新設された駅のひとつであり、1956年(昭和31年)にはいわゆる仮乗降場として設置された記録がある[2][3]。
廃止時点で一部の上り普通列車は通過していた[4]。
年表
[編集]- 1956年(昭和31年)7月1日:日本国有鉄道(国鉄)宗谷本線智東駅 - 智恵文駅間に北星仮乗降場[注釈 1]として設置[2][3]。
- 1959年(昭和34年)11月1日:同日付で北星駅(旅客駅)として新設開業(昇格)[5][3][6]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる。
- 2016年(平成28年)10月2日:北海道新聞により、JR北海道が名寄市に対し廃止の意向を伝えていた旨が報道される[新聞 2]。
- 2019年(令和元年)12月3日:JR北海道が沿線自治体に対し、宗谷本線活性化推進協議会を通じて当駅含む29駅[注釈 2]について、自治体による維持管理もしくは費用負担による存続か、2021年(令和3年)3月での廃止かの方針を2020年3月までに報告するよう要請[新聞 3]。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)3月13日:利用者減少に伴い、同日のダイヤ改正にて廃止[JR北 1][JR北 2][新聞 1][新聞 8]。
駅名の由来
[編集]所在する集落の名称より。名寄市の北部にあることから当初「北山」と通称されていたが[6]、この「北」の字と輝く「星」の2字を合わせ「北星」という地名となり、駅設置にあたりこの名称が用いられた[5][6]。
駅構造
[編集]線路の北東側(稚内方面に向かって右手側)に木製の単式ホーム1面1線を有する地上駅であり、分岐器を持たない棒線駅であった[8]。ホームの稚内方にスロープが設けられ、施設外へ通じていた[9][10]。
開業時からの無人駅(名寄駅管理)で、ホームから少し離れた位置に下見板張り木造の待合所を有し[9]、外壁には「毛織の北紡」と記載された赤い広告看板が掲示されていた[9]。かつてはホーム側から見て待合所の左手側に、便器が取り外されていた木造の小さなトイレがあったが[11][12]、2010年(平成22年)までに撤去された[11]。
「毛織の北紡」のホーロー看板は、開設当時から木造の待合室に掲げられていたもので、智恵文地区でも昭和初期から羊毛用の羊の飼育が盛んとなり、1940年代後半には全国的に知られるようになった[新聞 9]。
北紡は、旭川市内にあった羊毛紡績の会社で、現在のホクレンの前身となる北海道農業会の旭川工場羊毛紡績部門が独立して1950年(昭和25年)に設立された。1965年(昭和40年)にユニチカが出資したが、業績不振のため1973年(昭和48年)に会社整理となった[新聞 9]。
-
ホーム(2017年10月)
-
駅名標(2017年10月)
利用状況
[編集]仮乗降場としての開設直後の1956年(昭和31年)時点で、登校の児童生徒など1日平均約30人の利用があったとされている[13]。
廃止直前までの乗車人員の推移は以下のとおり。「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1978年(昭和53年) | 8.0 | [14] | |||
1992年(平成 | 4年)(0) | [10] | 乗降人員0人 | ||
2013年(平成25年) | (1) | [15] | 乗降人員1人 | ||
2014年(平成26年) | (1) | 乗降人員1人 | |||
2015年(平成27年) | 1名以下 | [JR北 3] | |||
2016年(平成28年) | 0.6 | [JR北 4] | |||
2017年(平成29年) | 0.4 | [JR北 5] | |||
2018年(平成30年) | 0.2 | [JR北 6] | |||
2019年(令和元年) | 0.2 | [JR北 7] | |||
2020年(令和 | 2年)1.2 | [JR北 8] |
駅周辺
[編集]大正時代、北星駅(当時は未開設)北側の北山地区に入植者が相次いだ。戦後は緊急入植もあり、1950年(昭和25年)頃には70戸ほどに増えた。山間の北山地区、天塩川寄りの北星地区と合わせて、地元の要望と住民の労力奉仕もあって仮乗降場が設置されたが、1960年代後半から離農者が増え始めた[新聞 9]。1970年(昭和45年)には12軒の民家があったが、廃止が決まった2020年(令和2年)時点で、周辺には1人のみが住んでいた[新聞 5]。北山小学校もあったが、1977年(昭和52年)に閉校した[新聞 9]。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、239頁。doi:10.11501/1873236 。2023年1月15日閲覧。
- ^ a b c “一日から開所 北星臨時停車所近く完成”. 名寄新聞. (1956年6月29日)
- ^ a b c 『新名寄市史』(2) (2000), pp. 434–435.
- ^ 『北海道時刻表』第61巻第3号(通巻723号)、交通新聞社、2020年2月25日、pp.132-134。
- ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、176頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ a b c 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 121. ISBN 4-89391-549-5
- ^ “廃駅となった旧北星駅待合所について”. 名寄市 (2021年3月22日). 2022年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月17日閲覧。
- ^ 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、146頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ a b c 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)208ページより。
- ^ a b 宮脇, 俊三、原田, 勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、146頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ a b 書籍『すごい駅』(著:横見浩彦、牛山隆信、メディアファクトリー新書、2010年10月発行)108-109ページより。
- ^ 書籍『もっと秘境駅へ行こう!』(著:牛山隆信、小学館文庫、2003年8月発行)125-126ページより。
- ^ “北星停留所三十人の利用客”. 名寄新聞. (1956年7月6日)
- ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、887頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月24日閲覧
JR北海道
[編集]- ^ a b 『来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。オリジナルの2020年12月9日時点におけるアーカイブ 。2020年12月9日閲覧。
- ^ a b 『2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブ 。2020年12月18日閲覧。
- ^ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
- ^ 「宗谷線(名寄・稚内間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月30日時点におけるアーカイブ 。2017年12月30日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年7月2日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3・4 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月3日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b “18無人駅に「ありがとう」 JRダイヤ改正で廃止 住民やファン 各地で別れ”. 北海道新聞. (2021年3月13日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。 2021年3月13日閲覧。
- ^ “JR北海道、17駅の廃止打診 名寄「北星」、幕別「稲士別」も” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(経済) (北海道新聞社). (2016年10月2日). オリジナルの2016年10月1日時点におけるアーカイブ。 2016年10月2日閲覧。
- ^ “宗谷本線の無人駅、廃止が加速…幌延町が2駅廃止を容認 2021年3月のダイヤ改正で”. response. (2020年3月30日). オリジナルの2020年5月16日時点におけるアーカイブ。 2020年5月20日閲覧。
- ^ “宗谷線の計5駅、廃止受け入れ 名寄市と美深町”. 北海道新聞. (2020年3月26日). オリジナルの2020年3月26日時点におけるアーカイブ。 2020年3月26日閲覧。
- ^ a b 鈴木宇星; 杉浦泰隆 (2020年3月26日). “宗谷線無人5駅 21年春廃止 名寄市、美深町が受け入れ「仕方ない」「寂しい」惜しむ声”. 北海道新聞: p. 18. オリジナルの2020年3月26日時点におけるアーカイブ。 2020年3月26日閲覧。
- ^ 名寄市内1駅、美深町内4駅廃止へ JR宗谷本線 路線バスなどで代替へ 来年3月ダイヤ改正に合わせて(名寄新聞、2020年3月27日)
- ^ “宗谷線13無人駅 来年3月廃止へ”. 北海道新聞. (2020年3月28日). オリジナルの2020年3月28日時点におけるアーカイブ。 2020年3月28日閲覧。
- ^ 北星、南美深、紋穂内、豊清水駅廃止 JR宗谷本線 地域見守った駅に感謝 住民、鉄道ファン別れ惜しむ(名寄新聞、2021年3月13日)
- ^ a b c d e 「毛織の北紡」ホーロー看板 歴史を物語る存在に 北星駅待合室で撤去作業(名寄新聞、2021年3月21日)
参考文献
[編集]- 名寄市史編さん委員会 編『新名寄市史』 2巻、名寄市、2000‐11。