上幌延駅
上幌延駅 | |
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駅舎(2017年10月) | |
かみほろのべ Kami-horonobe | |
◄W70 南幌延 (3.0 km) (4.8 km) 幌延 W72► | |
所在地 | 北海道天塩郡幌延町字上幌延 |
駅番号 | ○W71 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■ 宗谷本線 |
キロ程 | 194.6 km(旭川起点) |
電報略号 | ホノ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
2人/日 -2014年- |
開業年月日 | 1925年(大正14年)7月20日[1] |
廃止年月日 | 2021年(令和3年)3月13日[JR北 1][JR北 2][新聞 1] |
備考 | 無人駅 |
上幌延駅(かみほろのべえき)は、北海道(宗谷総合振興局)天塩郡幌延町字上幌延にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅(廃駅)である。電報略号はホノ。事務管理コードは▲121841[2]。駅番号はW71。
歴史
[編集]- 1925年(大正14年)7月20日:鉄道省天塩南線問寒別駅 - 幌延駅間延伸開通に伴い開業[3][4][5]。一般駅[1]。
- 1926年(大正15年)9月25日:天塩南線と天塩北線を統合して線路名を天塩線に改称、それに伴い同線の駅となる[4]。
- 1930年(昭和5年)4月1日:天塩線を宗谷本線に編入、それに伴い同線の駅となる[4]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道(国鉄)に移管。
- 1963年(昭和38年)2月10日:公衆電報の取り扱い廃止[6]。
- 1977年(昭和52年)5月25日:貨物扱い廃止[1]。
- 1984年(昭和59年)
- 1985年(昭和60年)7月:駅舎改築、貨車駅舎となる[新聞 2]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:列車集中制御装置(CTC)導入に伴う合理化により列車交換設備廃止。同時に完全無人化[8]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴いJR北海道の駅となる[1]。
- 2016年(平成28年)3月26日:同日のダイヤ改正に伴う普通列車の減便で幌延駅 - 稚内駅間の普通列車が5往復から3往復となり、全普通列車が停車するようになる[注釈 1]。
- 2020年(令和2年):3月27日:宗谷本線活性化推進協議会からJR北海道による廃止打診駅のうち当駅含む13駅についての廃止容認がJR北海道に伝えられる[新聞 3]。翌28日に幌延町からも廃止容認の旨発表[幌延町 1][9]。
- 2021年(令和3年)3月13日:利用者減少とダイヤ改正に伴い、廃止[JR北 1][JR北 2][新聞 1]。
駅名の由来
[編集]もともと当地は日蓮宗(法華宗)信徒の団体によって開拓され、「法華農場」と呼ばれていたことから、その事務所がある上幌延市街は「法華」と通称されていたが[11]、駅名から「上幌延」の通称が一般化し、1959年(昭和34年)字名の再編により字名も「上幌延」へ改称された[幌延町 2][11]。
廃止容認に至る経緯
[編集]2019年(令和元年)度にJR北海道が、宗谷本線沿線自治体で構成される宗谷本線活性化推進協議会に対し、当駅を含む29駅[注釈 2]を自治体負担で維持管理または廃止するかを2020年(令和2年)3月までに判断するように求めた[新聞 4]。その後、幌延町では以下の3点を理由に、対象駅7駅のうち当駅および安牛駅の廃止を容認した[幌延町 1]。
- 利用が僅少であること
- ホームが土盛形状のため維持管理費用が比較的高額(板張ホーム比)であること
- 近距離等間隔で3駅が連接しており隣接中間地点にある南幌延駅での乗降が可能であること
駅舎は2021年(令和3年)8月24日、クレーン車で吊り下げられて駅近接地へ移動された。同日移設された安牛駅とともに、かつての秘境駅を観光資源としたい幌延町が管理して、同年9月に公開が開始された[新聞 5]。
駅構造
[編集]単式ホーム1面1線を有する地上駅だった。ホームは線路の北西側(稚内方面に向かって左手側、旧1番線)に存在した[12]。分岐器を持たない棒線駅となっていた[12]。かつては相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な交換駅であった[13]。当時は互いのホームは駅舎側ホーム中央部分と対向側ホーム南側を結んだ構内踏切で連絡した[13]。駅舎側(西側)が下り1番線、対向側ホームが上り2番線となっていた[13]。そのほか1番線の稚内方から分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[13]。交換設備運用廃止後は線路は撤去されたが、ホーム前後の線路は分岐器の名残で湾曲していた[12]。
無人駅となっていた。駅舎は構内の北西側に位置し.ホーム中央部分に接していた[12]。有人駅時代からの駅舎は改築され、ヨ3500形車掌車[14]を改造した貨車駅舎となっていた[12]。旧駅舎の基礎の上に設置されている[15]。出入口にはスロープが新たに設置されていた[15]。トイレを有するが閉鎖されていた[15]。
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ホーム(2017年10月)
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駅名標(2017年10月)
利用状況
[編集]廃止直前までの乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員(人) | 出典 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1966年(昭和41年) | 28,014 | (76.8) | [16] | ||
1978年(昭和53年) | 18 | [17] | |||
1981年(昭和56年) | (7.5) | [13] | 1日乗降客数15人 | ||
1992年(平成 | 4年)(2.0) | [12] | 1日乗降客数4人 | ||
2015年(平成27年) | 「1名以下」 | [JR北 3] | |||
2016年(平成28年) | 0.4 | [JR北 4] | |||
2017年(平成29年) | 0.6 | [JR北 5] | |||
2018年(平成30年) | 0.4 | [JR北 6] | |||
2019年(令和元年) | 0.2 | [JR北 7] | |||
2020年(令和 | 2年)0.2 | [JR北 8] |
駅周辺
[編集]幌延町開基以来の集落であり、駅周辺に数件の民家がある[幌延町 3]。そのほかは原野と牧場である[15]。
明治末期には100戸を超える村内一の集落であったが[18]、鉄道開通により現市街地に中心が移りさびれていった[18][幌延町 3]。かつては郵便局、駐在所、食料・衣料・日用雑貨の商店、理髪店、旅館、運送業などの店があった[幌延町 3]。
- 北海道道645号上問寒幌延停車場線
- 北海道道256号豊富遠別線
- 北緯45度線通過点の看板[15]
- 上幌延生活改善センター - 幌延町立上幌延小学校(1982年(昭和57年)3月閉校[幌延町 4])跡地。
- 長応寺 - 1910年(明治43年)に東京から当地に移転した日蓮宗(法華宗)の仏教寺院[幌延町 5]。上幌延は法華宗の団体によって開墾された経緯を持つが、その管理に当たったのがここの住職であった[11][19]。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、902頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、239頁。doi:10.11501/1873236 。2023年1月15日閲覧。
- ^ 大蔵省印刷局, ed (1925-07-16). “鉄道省告示 第123号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (3869) .
- ^ a b c 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)179-180ページ
- ^ 書籍『日本鉄道旅行地図帳 全線全駅全廃線 1 北海道』(監修:今尾恵介、新潮社、2008年5月発行)47ページ
- ^ 『鉄道百年記念 旭鉄略年表(1972年)』日本国有鉄道旭川鉄道管理局、1972年、33頁。doi:10.11501/12061017 。
- ^ “「通報」●函館本線江部乙駅ほか49駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月9日)
- ^ 書籍『無人駅探訪』(監修:西崎さいき、文芸社、2011年6月発行)149ページ
- ^ “宗谷本線の無人駅、廃止が加速…幌延町が2駅廃止を容認 2021年3月のダイヤ改正で”. レスポンス. 2020年3月30日閲覧。
- ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、181頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ a b c 白山友正 編『幌延町史』幌延町、1974年、116頁。doi:10.11501/9569192 。2022年10月15日閲覧。
- ^ a b c d e f 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)150ページ
- ^ a b c d e 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)184ページ
- ^ 書籍『ダルマ駅へ行こう!』(著:笹田昌宏、小学館文庫、2007年5月発行)23ページ
- ^ a b c d e 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)221ページ
- ^ a b 白山友正 編『幌延町史』幌延町、1974年、784頁。
- ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、889頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ a b 白山友正 編『幌延町史』幌延町、1974年、247頁。doi:10.11501/9569192 。2022年10月15日閲覧。
- ^ 白山友正 編『幌延町史』幌延町、1974年、235頁。doi:10.11501/9569192 。2022年10月15日閲覧。
JR北海道
[編集]- ^ a b 『来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。オリジナルの2020年12月9日時点におけるアーカイブ 。2020年12月9日閲覧。
- ^ a b 『2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブ 。2020年12月18日閲覧。
- ^ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
- ^ 「宗谷線(名寄・稚内間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月30日時点におけるアーカイブ 。2017年12月30日閲覧。
- ^ 『宗谷線(名寄・稚内間)』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2017年7月2日。オリジナルの2018年7月3日時点におけるアーカイブ 。2018年7月13日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 4 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
- ^ “宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3・4 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月3日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
幌延町
[編集]- ^ a b “幌延町内における宗谷本線「極端に利用の少ない無人駅」に係る町方針について”. 幌延町. 2020年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月29日閲覧。
- ^ “町の区域内の町及び字の区域及び名称(昭和34年4月23日北海道告示第573号)”. 幌延町例規類集第1編 総規/第1章 町制(北海道町村会法務支援室例規集データベース) (1959年4月23日). 2017年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月16日閲覧。
- ^ a b c “幌延町内の各駅ご紹介”. 幌延町 (2017年11月6日). 2017年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月6日閲覧。
- ^ a b “幌延町史跡標柱等について”. 幌延町. 2017年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月19日閲覧。
- ^ 幌延町産業振興課 (2017年11月). “幌延町情報ボックス平成29年度版”. 幌延町. 2017年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月11日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b “18無人駅に「ありがとう」 JRダイヤ改正で廃止 住民やファン 各地で別れ”. 北海道新聞. (2021年3月13日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。 2021年3月13日閲覧。
- ^ “列車待合室”が登場 宗谷本線合理化を象徴(名寄新聞、1985年7月8日)
- ^ “宗谷線13無人駅 来年3月廃止へ”. 北海道新聞. (2020年3月28日). オリジナルの2020年3月28日時点におけるアーカイブ。 2020年3月28日閲覧。
- ^ “宗谷線の無人駅管理 自治体に要請 JR「負担か廃止」 3月期限、悩む沿線”. 北海道新聞. (2019年12月12日). オリジナルの2019年12月12日時点におけるアーカイブ。 2020年3月28日閲覧。
- ^ 「旧駅舎 引っ越し/幌延 町おこし活用へ」『読売新聞』朝刊2021年8月25日(北海道面)