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: 希が高校時代アルバイトしていた朝市通りから奥に入った場所にある食堂<ref name="maimon_syokudoh">[http://www.nhk.or.jp/mare/special/0415_1.html NHK連続テレビ小説「まれ」公式HP 希のバイト先 朝市食堂まいもん]</ref>。マスターは[[#小野|小野]]。名称的には食堂であるものの[[喫茶店]]的要素や[[酒]]類も提供することから[[居酒屋]]機能も持ち合わせる。
: 希が高校時代アルバイトしていた朝市通りから奥に入った場所にある食堂<ref name="maimon_syokudoh">[http://www.nhk.or.jp/mare/special/0415_1.html NHK連続テレビ小説「まれ」公式HP 希のバイト先 朝市食堂まいもん]</ref>。マスターは[[#小野|小野]]。名称的には食堂であるものの[[喫茶店]]的要素や[[酒]]類も提供することから[[居酒屋]]機能も持ち合わせる。
: セットは倉庫を改装した設定にしたことから名残として[[トラス]]柱が店内に露出するほか、[[リヤカー]]を改造したテーブルや魚を納める木箱によるカウンターなどに廃品の再用が随所に見られる。またキリコの模型や照明には[[漁船]]で使われていたランブを使用するなど輪島らしさの演出が加えられる<ref name="maimon_syokudoh"/>。
: セットは倉庫を改装した設定にしたことから名残として[[トラス]]柱が店内に露出するほか、[[リヤカー]]を改造したテーブルや魚を納める木箱によるカウンターなどに廃品の再用が随所に見られる。またキリコの模型や照明には[[漁船]]で使われていたランブを使用するなど輪島らしさの演出が加えられる<ref name="maimon_syokudoh"/>。
: 2007年秋に閉店し後述する「Petiti Sorciere」へ業務体系を変更。
: 2007年秋に閉店し後述する「Petite Sorciere」へ業務体系を変更。
;{{Anchors|}}Petiti Sorciere(プチ・ソルシエール)
;{{Anchors|Petite Sorciere}}Petite Sorciere(プチ・ソルシエール)
: 希が上述する「朝市食堂まいもん」を譲渡され改装後の2007年11月11日に開店したオーナーパティシエを務めるケーキ店<ref name="Petiti_Sorciere">[http://www.nhk.or.jp/mare/special/0822_1.html NHK連続テレビ小説「まれ」公式HP 希のケーキ屋 Petiti_Sorciere]</ref>。徹が企画プロデュースを行った店名はフランス語で'''[[#魔女姫|魔女姫]]'''を意味するほか、本来の読みは「'''プティットゥ・ソルシエール'''」であるものの一子の提言する「わかりやすさ」から通称名がそのまま採用された<ref group="注" name="124th_story"/>。
: 希が上述する「朝市食堂まいもん」を譲渡され改装後の2007年11月11日に開店したオーナーパティシエを務めるケーキ店<ref name="Petite_Sorciere">[http://www.nhk.or.jp/mare/special/0822_1.html NHK連続テレビ小説「まれ」公式HP 希のケーキ屋 Petiti_Sorciere]</ref>。徹が企画プロデュースを行った店名はフランス語で'''[[#魔女姫|魔女姫]]'''を意味するほか、本来の読みは「'''プティットゥ・ソルシエール'''」であるものの一子の提言する「わかりやすさ」から通称名がそのまま採用された<ref group="注" name="124th_story"/>。
: 商品は主力となる生ケーキが開店当初はいずれも能登産食材を使用した中島菜の「ジャン・ドゥ・ラ・テール(420円)」「モンブラン・ドゥ・ノト(450円)」ブルーベリームースとフロマージュを合わせた「レゾリュシオン(380円)」いちごムースとコンフィチュールにタルトを合わせた「レーヌ・デ・フレーズ(350円)」の4品<ref name="tsujiguti_blog_20150822">[http://ameblo.jp/h-tuji/entry-12064236265.html 辻口博啓オフィシャルブログ「辻口日記」まれ【プチ・ソルシエール】]</ref>。しかし赤字により「能登[[カボチャ]]の[[プリン]](250円)」「イチゴの[[ショートケーキ]](300円)」「シュークリーム(180円)」「[[#マルジョレーヌ|マルジョレーヌ]](450円)」へリニューアルを実施した<ref name="Petiti_Sorciere"/><ref group="注" name="126th_story">第126話。</ref>。また焼き菓子ならびにミニキリコや輪島塗などの民芸品のほか「元治の塩」も1袋600円で販売するほか、イートインの[[コーヒー]]は藍子お気に入りの「珠洲のコーヒー」を使用する<ref name="Petiti_Sorciere"/>。
: 商品は主力となる生ケーキが開店当初はいずれも能登産食材を使用した中島菜の「ジャン・ドゥ・ラ・テール(420円)」「モンブラン・ドゥ・ノト(450円)」ブルーベリームースとフロマージュを合わせた「レゾリュシオン(380円)」いちごムースとコンフィチュールにタルトを合わせた「レーヌ・デ・フレーズ(350円)」の4品<ref name="tsujiguti_blog_20150822">[http://ameblo.jp/h-tuji/entry-12064236265.html 辻口博啓オフィシャルブログ「辻口日記」まれ【プチ・ソルシエール】]</ref>。しかし赤字により「能登[[カボチャ]]の[[プリン]](250円)」「イチゴの[[ショートケーキ]](300円)」「シュークリーム(180円)」「[[#マルジョレーヌ|マルジョレーヌ]](450円)」へリニューアルを実施した<ref name="Petite_Sorciere"/><ref group="注" name="126th_story">第126話。</ref>。また焼き菓子ならびにミニキリコや輪島塗などの民芸品のほか「元治の塩」も1袋600円で販売するほか、イートインの[[コーヒー]]は藍子お気に入りの「珠洲のコーヒー」を使用する<ref name="Petiti_Sorciere"/>。
: 開業資金は当初の試算では1000万円とされたが<ref group="注" name="121st_story">第121話。</ref>、ショーケースや厨房機器を中古にすることで600万円まで圧縮するものの銀行からの融資を断れたことから、能登産食材を使用することによりみのりが勤務する奥能登農業組合からの融資を出願する<ref group="注" name="122nd_story"/>。しかし融資の鬼の異名を取るみのりから問題点とコストカットを指摘された上に生ケーキは4種類に限定するなどの条件を附帯。出店計画書を18回も提出してようやく350万円の融資が許可され<ref group="注" name="123rd_story">第123話。</ref>、希と圭太の貯金100万円と合わせて450万円で開業に至った<ref group="注" name="124th_story"/>。このため内装は「朝市食堂まいもん」時代のものを極力活かしつつ赤と白をイメージカラーにしたリフォームは希・圭太・一子・洋一郎・一徹・みのり・小野の手作業で行ったほか、厨房機器は業務用のみならず冷蔵庫やオーブンは家庭用の中古品を使用。また希のパティシエ服も「マ・シェリ・シュ・シュ」時代の「MARE TSUMURA」のネームが入ったもので新たにみのりの手によって店名ロゴが刺繍される<ref name="Petiti_Sorciere"/>。
: 開業資金は当初の試算では1000万円とされたが<ref group="注" name="121st_story">第121話。</ref>、ショーケースや厨房機器を中古にすることで600万円まで圧縮するものの銀行からの融資を断れたことから、能登産食材を使用することによりみのりが勤務する奥能登農業組合からの融資を出願する<ref group="注" name="122nd_story"/>。しかし融資の鬼の異名を取るみのりから問題点とコストカットを指摘された上に生ケーキは4種類に限定するなどの条件を附帯。出店計画書を18回も提出してようやく350万円の融資が許可され<ref group="注" name="123rd_story">第123話。</ref>、希と圭太の貯金100万円と合わせて450万円で開業に至った<ref group="注" name="124th_story"/>。このため内装は「朝市食堂まいもん」時代のものを極力活かしつつ赤と白をイメージカラーにしたリフォームは希・圭太・一子・洋一郎・一徹・みのり・小野の手作業で行ったほか、厨房機器は業務用のみならず冷蔵庫やオーブンは家庭用の中古品を使用。また希のパティシエ服も「マ・シェリ・シュ・シュ」時代の「MARE TSUMURA」のネームが入ったもので新たにみのりの手によって店名ロゴが刺繍される<ref name="Petite_Sorciere"/>。
;{{Anchors|移住定住班}}移住定住班(いじゅうていじゅうはん)
;{{Anchors|移住定住班}}移住定住班(いじゅうていじゅうはん)
: 高校卒業後の希が就職した輪島市役所で配属されたセクション。紺谷博之が課長を務める産業振興課の下部組織で班員は希と新谷浩介の2人のみである。
: 高校卒業後の希が就職した輪島市役所で配属されたセクション。紺谷博之が課長を務める産業振興課の下部組織で班員は希と新谷浩介の2人のみである。

2015年8月22日 (土) 19:10時点における版

まれ
オープニングに登場する琴ヶ浜海岸[1]
石川県輪島市
ジャンル テレビドラマ
脚本 篠﨑絵里子
演出 渡辺一貴
一木正恵
西村武五郎
川上剛
村橋直樹
出演者 土屋太鳳
大泉洋
常盤貴子
鈴木砂羽
篠井英介
塚地武雅
ガッツ石松
板尾創路
中川翔子
鈴木拓
葉山奨之
門脇麦
高畑裕太
渡辺大知
りょう
柳楽優弥
山﨑賢人
中村敦夫
小日向文世
田中泯
田中裕子
ナレーター 戸田恵子
オープニング 「希空〜まれぞら〜」
時代設定 1994年(平成6年) -
製作
製作総指揮 高橋練制作統括
プロデューサー 長谷知記
制作 日本放送協会(NHK)
放送
放送国・地域日本の旗 日本
NHK連続テレビ小説「まれ」
本放送
放送期間2015年3月30日 - 9月26日(予定)
放送時間月曜日 - 土曜日
8:00 - 8:15(総合)
7:30 - 7:45(BSプレミアム)
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
回数156(予定)
再放送
放送期間同上
放送時間月曜日 - 土曜日
12:45 - 13:00(総合)
23:00 - 23:15(BSプレミアム)
土曜 9:30 - 11:00(1週間分、BSプレミアム)
放送分15/90分
テンプレートを表示

まれ』は2015年平成27年度)上半期にNHK総合テレビジョンBSプレミアムで放送されている日本のテレビドラマで、連続テレビ小説第92シリーズである。

企画・制作

能登地方に家族と移住し育ったヒロイン津村希(つむら まれ)がパティシエを目指して成長してゆく物語。脚本は篠﨑絵里子が執筆するオリジナル作品で[2][3]石川県輪島市に存在すると設定された架空の地域である外浦村(そとら むら)と神奈川県横浜市を舞台に繰り広げられる[2][3][4]。なお、フランス語で菓子製造人を意味するパティシエは男性名詞であり、女性名詞ではパティシエールとなるが、本ドラマでは視聴者にわかりやすさからパティシエに統一する[5]

2014年(平成26年)4月24日にNHK放送センターで行われた制作発表では[6]、「ドラマを通してパティシエという職業に重ね合わせ人々に喜びを与えることを念頭に制作に取り組む」と制作統括の高橋練が表明した[2]

主役となる津村希役オーディション[4][7]には2,020人が応募[8]し、同年7月31日に土屋太鳳が選考されたと発表された[9]。土屋の朝ドラ出演は2011年『おひさま』、2014年『花子とアン』に次ぐ3作目で、『花子とアン』出演中に本作のヒロインに選ばれた[8]。ヒロインのキャラクターが活発なイメージということから、土屋は役作りのためにデビュー以来のトレードマークだったロングヘアを40cm切った[10][11]

2014年10月7日 - 同月29日までの輪島市及び隣接する珠洲市での第1次ロケでクランクイン[12]。2015年8月20日にNHK放送センターでの収録でクランクアップ[13]

ロケ地

ロケ撮影の大半は、作品の舞台地となる輪島市・珠洲市・横浜市中区ならびに西区で行われたが、一部シーンは以下の自治体や施設で撮影された。

東京都
新宿区西新宿 - 第39話 希がバスで東京に到着するシーン
千代田区紀尾井町 ホテルニューオータニトゥール・ダルジャン東京店 - 第69話 希と大輔が訪れる高級フレンチレストラン
渋谷区神南 みんなの広場ふれあいホール - 第95・96話 コンビニスイーツバトル会場[14]
武蔵野市吉祥寺吉祥寺本町) - 第87・91・93話 一子が勤めるキャバクラ関連のシーン
千葉県
館山市布良 布良海岸 - 第52話 一徹とみのりの海岸での馴れ初め回想シーン
南房総市山名 百姓屋敷じろえむ - 第31話 福田裕司が経営する農園レストラン
神奈川県
横浜市青葉区新石川 MELONDIAあざみ野[15] - 第15・16話 ロールケーキ甲子園北陸大会会場
横浜市鶴見区鶴見中央 パティスリーラプラス[16] - 第39話 「シェ・ミシマ」
小田原市早川 箱根ターンパイク - 第68話 希・大輔・高志の休日ドライブシーン[17]
小田原市久野 春夏秋冬[18] - 第68・72・73話 浜田が経営する養鶏場「花鳥風月」

ロケ地ギャラリー

あらすじ

番組関係者の公式発表では、第1 - 6週を能登編[21][22]、第7 - 17週を横浜編[23][注 1][注 2]とするためこれに準ずるほか、第18週以降は再び能登を舞台[注 3]にすることから本項では便宜上、第1 - 6週を能登編(第1部)、第18週以降を能登編(第2部)とする。

能登編(第1部)

1994年(平成6年)、東京で生まれ育った10歳の津村希は夢を追う父・に振り回される苦労のため子供ながらすっかり夢を持つことが大嫌いになり、幼児期に抱いていたケーキ職人への夢を封印する。そして津村一家は父の事業失敗に伴い夜逃げ同然で能登半島の外浦村に転入。当初は土地の生活になじめず先の生活に不安がよぎった希は、居候先の老人桶作元治の地道な塩田作業に感動。方言を習得する努力をして周囲から認められ、この地で再び幸せな家庭を取り戻す決意を固める。しかし父はほどなく東京へ出稼ぎに行ったきり家に戻らなくなり、希は母・藍子と弟・一徹との3人で桶作家に世話になりつつ生活し7年の月日が過ぎる(第1週)。

2001年(平成13年)、高校3年生になった希は輪島市役所職員を目指しつつアルバイトと手伝いで津村家を支える。ある日、東京で夢破れた父が再び姿を現わす。希は父に対し複雑に思う一方、再会した友人・紺谷圭太をはじめ純粋に夢を抱く人々に輝きを感じるようになる。交際を申し込んできた圭太から熱く夢を語られ蕁麻疹が出た希は、彼の「やってみなければ分からない」との言葉が気にかかりケーキコンテストに挑むが結果は惨敗。希は審査員の池畑大悟が発した厳しい言葉を受け止めてケーキ作りは趣味と割り切り、輪島市役所への就職を決める。2002年(平成14年)春、高校の卒業式を終えた希はようやく圭太に告白の返事をしようとするが、彼がすでに友人・蔵本一子と交際を始めたことを知る(第2 - 3週)。

希は産業振興課移住定住班に配属。しかし移住者から押し付けられるわがままや仕事に私情を挟むことへの上司や先輩から苦言を呈され、さらには移住体験ツアー企画運営中に発生した輪島塗業界を揺るがす事件などに四苦八苦するものの目の前にある熱い思いを応援する仕事にやりがいを覚えていく中で、祖母でパティシエのロベール幸枝と初めて出会いケーキ作りの手ほどきを受ける。希が家族のために夢を封印していることやパティシエになる運命を持っていると悟った幸枝は、公務員を辞めてパティシエを志すことを強く勧める。さらに幸枝と和解した藍子からも背中を押された希は「世界一のパティシエ」になる決意をする(第4 - 6週)。

横浜編

輪島市役所を辞職した希は、自分の夢の原点でもある5歳時のバースデーケーキを製造販売した店で修業するため横浜へ向かう。しかし、その店のケーキを食べ味に納得できない希は採用を辞退。横浜じゅうのケーキを食べ歩いた末にかつて挑んだケーキコンテストの審査員・池畑大悟が営む「マ・シェリ・シュ・シュ」のケーキの味に感動し修業先に決める。気難しい大悟は当初弟子入りを断るが、従業員に欠員が出たことから希を1か月の試用ながらも雇用する。希は自らのルセットを先輩・浅井和也へ譲ったことを理由に不合格となり解雇されるが、両親の離婚問題を受けて帰省した先で覚悟を決めて新たな道を踏み出した人々を見て大悟に修業を乞うため再び横浜に向かう。大悟は倒産目前にある店の存続を賭けた「料理の巨人」出演で、気弱になっていた自分へ覚悟をさせた希がメレンゲ作りを会得したのを機に本採用する。希はその後修業を重ね数か月後には単独でケーキ作りを任されるまでに成長する。また修業開始と同時期に出会った大悟の長男・池畑大輔から見初められ、泥酔状態でファーストキスを奪われたことなどから当初彼に悪印象を抱いていたものの紆余曲折を経て惹かれていき交際を決意。しかし、夏の成人式で帰省した希は一子と別れた圭太に心奪われる。希は板挟みの苦悩を経て大輔との交際を解消し、圭太に思いを告げる(第7 - 13週)。

希は圭太と両思いになるが「年季明けとなる2年半後まで互いに会わず修業に専念する」という圭太からの提案を受け入れ、2006年春には遠距離結婚前提の求婚をされ彼の年季明け式後に入籍。同時期に希はスーシェフへ昇格。希のケーキは腕は大悟に及ばずながらも庶民性が客の心を掴み店の週間売上げ連続1位を記録し、オリジナルケーキもオーダーされる。そして再会した幸枝の助言で自分の作りたいケーキを探求するなか、かねてより希に嫌悪感を抱いていた一子から人生の成功を賭けたスイーツ対決を持ちかけられる。結果は安くて美味しいをコンセプトとした一子の勝利となるものの立ち会った大手コンビニチェーン部長は希の作ったスイーツを評価。この勝負後に一子は希と和解する。

2007年5月、事業を立ち上げるまでに成功した徹は藍子との新たな生活準備を始め、希は大悟からフランスでの修業を打診される。そんななか徹の融資保証人が粉飾決算で逮捕されたことから資金繰りに詰まり自己破産を選択。さらに圭太が過労で倒れた連絡を受け能登に駆けつけた希は、弥太郎の入院に伴い圭太がトラブル解決に奔走していたことを初めて知る。希の機転で回復した圭太からも渡仏を是認されるが、混濁する現場を察した希はパティシエ修業を中断し能登への帰郷を決断する(第14 - 17週)。

能登編(第2部)

希は退職の条件としてロールケーキを作るものの大悟に何度も否定される。しかしその裏の本心を大輔を通じて知り、大悟から長年愛用するナイフを餞(はなむけ)に贈られ退職する。希の帰省から間もなく弥太郎が現役引退し圭太に5代目紺谷弥太郎を襲名させると宣言。さらに圭太の母・紺谷直美の指南で希の塗師屋女将修業が始まる。しかし職人ら漆器組合員は力不足な圭太の襲名に反対。さらに博之が5代目襲名を宣言し、陶胎漆器計画の打切りを発表。圭太は計画継続を求め漆器組合員を説得する。当初は誰もが相手にしなかったが、やがて熱意に負けた職人が「弥太郎への最後の餞」を理由に承諾。最終的に漆器組合全員の協力でサンプルを完成させ契約が成立する。その後、将来の市長選立候補を見すえ塗師屋を利用したと周囲に知れた博之は糾弾され圭太と職人らの結束は高まるが、希は博之が最初から圭太を庇う目的で悪役を演じ切ったことを知る。その直後、今度は元冶が製塩からの引退を宣言し、希に対し塩田小屋でのケーキ屋開店を勧め周囲を戸惑わせる。そんななか一徹が塩田を継ぐと宣言するが、元治を含め周囲は一徹の体力不足を理由に反対する。しかし一徹は希や洋一郎の協力を得て体力面でのリカバーや強化に励み、結果的にはみのりが妊娠したため子どもに父親として立派な姿を見せてやりたいと打ち明け元治の説得に成功。一件落着後に希とみのりは「朝市食堂まいもん」で高志のメジャーデビュー決定を知るが、マスター・小野は店を畳むことから希にケーキ屋としての出店を打診する(第18 - 19週)。

小野の打診を希は断るが徹は勝手に了承。希の反対をよそに紺谷漆器で女将の仕事をはじめケーキ店出店企画書を作成する。その頃、洋一郎は古川麻由子と見合いをするが、一子に一途な洋一郎を察した麻由子から破談。また麻由子の母・古川千佳子も洋一郎の父・角慎一郎と見合いをし友人関係になる。そんな中「@ mydream」の元社員たちが徹を訪れるが、ほぼ同時期に外浦では数々のいたずら騒動が発生。それはやがて徹に対する脅迫を仄めかす内容に発展し、犯人の山口と会う。失業で家庭崩壊となった社員とは対照的に倒産後も楽天的な徹を恨み犯行に及んだ話に徹は多くの社員とその家族を不幸にしたと気付き失踪するが、残された企画書から徹の本心を知った希は開業資金の調達に苦労しながらも「プチ・ソルシエール」を開業する。オープン初日は完売するほどの盛況を見せるが、2週間後には赤字となるまで客足が落ち込む。そんな状況下に横浜から浅井が来店。また一子の助言でケーキの価格を落とし名前も分かりやすくするなどの改善を実施するが、一品だけは希自身が作りたいケーキ「マルジョレーヌ」とする。この様子を見届けた浅井は大悟が手伝いに派遣した真意を伝え横浜に帰る。結果客足は戻りつつあるものの「マルジョレーヌ」は殆ど売れない状況が続くが、開店以来訪れる橋本朝子が購入する(第20 - 21週)。

登場人物

主人公

津村希(つむら まれ)→紺谷希[注 4](こんたに まれ)

演 - 土屋太鳳[注 5](5歳時:渡邉このみ[24] 少女期[25]松本来夢[26]

本作のヒロイン。1983年(昭和58年)8月10日生まれ。2006年春に紺谷圭太と入籍[注 6]
性格面では何事にも計画的[注 7]かつ生真面目で「地道にコツコツ」をモットーにし、自分よりも他人のために頑張る気性の持ち主[28]。しかし想いが強過ぎて時に相手から嫌われ反発されることもある[注 8]
5歳の誕生日に父が購入したバースデーケーキに乗っていた魔女姫人形(キッチンウイッチ)を常に大事に持ち歩く。同時にバースデーケーキが「家族の幸せ」の象徴であったことから幼少時はケーキ職人になることを夢見ていたが、父・徹の博打的な生き様に振り回されるうち他人の夢に対しても蕁麻疹が出るほどまでに夢に対して複雑な思いを持つようになる[31]
小学5年生の夏に夜逃げ同然の形で父(徹)母(藍子)弟(一徹)と共に外浦村へ転入。当初は能登弁が不慣れであったが、蔵本一子との口論の中で流暢に話せるようになる。以後、一子を始めとする生まれたときからの幼馴染である同い年の5人組(紺谷圭太・寺岡みのり角洋一郎二木高志)に加わる形で家族ぐるみ[注 9]の親しい友人になる。
2001年には家計を支えるためにアルバイトを掛け持ちする高校3年生となり、金沢で開催されたロールケーキ甲子園北陸大会に参加するが、結果は敗退。高校卒業後の2002年4月に地方公務員になり、輪島市役所産業振興課移住定住班へ配属される。
就職から半年後、祖母・幸枝との出会いを機に世界一のパティシエを目指すため輪島市役所を辞職[注 10]。横浜に向かい池畑大悟がオーナーパティシエの「マ・シェリ・シュ・シュ」で1か月の試用という条件ながら修業を開始する[注 11]。クリスマスケーキのルセットを譲ったことを理由に一度不採用となるが[注 12]、後に本採用合格になる[注 13]。2006年春、矢野陶子退職により大悟からスーシェフを任命される[注 14]。パティシエとしては味覚が非常に敏感[注 16]な反面、美的センスが貧乏臭く幼稚で洗練されてないことから2007年5月に大悟からフランス修業を告げられる[注 17]。しかし、圭太をそばで支えたいという気持ちからパティシエ修業を一時中断し「マ・シェリ・シュ・シュ」を退職する[注 18]。以後は紺谷漆器の女将修業をするが、同年11月11日に自らオーナーパティシエを務めるケーキ店「プチ・ソルシエール」を開業する[注 19]

能登・外浦の人々

津村家の人々

津村徹(つむら とおる)
演 - 大泉洋
希の父。1957年(昭和32年)8月10日生まれ[注 20]。家族を思う気持ちは強いもののデカイ夢をモットーに一攫千金で儲けようとする山師的な考え方で、過去に何度も職を変えたり事業を始めては失敗している。
外浦村に転入から2年目の秋に腰を痛めて塩田作業が出来なくなったことを家族に伏せ数か月の予定で東京へ出稼ぎに行き、そのまま友人とIT事業を始めるものの失敗し多額の借金が残る。返済後の2001年に6年ぶりの帰宅で家族と再会。2002年より輪島市役所へ派遣清掃員として勤務する一方で経営コンサルタントである安西隼人との出会いに触発され、貝殻ビジネスや幸枝のフレンチレストラン開業計画に便乗しようとしては計画倒れになる。
2002年のクリスマスに夢を捨て村に馴染む覚悟をするが、藍子から反対され離婚を切り出される。直後に上述する友人が東京で起業したWEB制作会社「LIVE GATES[注 21]」への就職の誘いを受け、2003年1月に「3年後藍子へ改めてプロポーズする」と誓い渋々ながら離婚[注 22]に合意した上で就職[注 23]。その後は希と天中殺2階で同居[注 24]。マ・シェリ・シュ・シュが倒産の危機に瀕した際には取引先の雑誌記者に取材依頼をしたり[注 24]、同店のホームページを制作するなど協力する[注 25]
2006年には自身が企画したグルメサイト「まいもんネット」の成功により「LIVE GATES」から独立し「@ my dream」を起業[注 26]。藍子へ再プロポーズする[注 27]。2007年5月に「@ my dream」の融資保証人である安西が粉飾決算で逮捕されたことから、人生2回目の自己破産を選択し会社を清算[注 28]。藍子と能登へ戻り希のケーキ店開業を計画するが[注 29]、「@ my dream」元社員山口の話を受け[注 30]失踪する[注 31]
津村藍子(つむら あいこ)
演 - 常盤貴子(幼少期:采沢真実
希の母。旧姓は山本[注 32]で1957年6月9日生まれ[注 33]。明るく人懐こい性格で、地域の人々ともすぐに打ち解ける。若い頃は引越し屋やヒーローショーの着ぐるみ出演などをしていたこともあり、見かけによらず力持ち。ダーツで能登への移住を決めるなど大胆な面がある。
小学生時代に母が渡仏し戻らなくなった後に父が別の女性と再婚し家に居づらくなったことから、高校卒業後より一人暮らしを始めた。このため独身時代は暗く孤独であったが、1980年昭和55年)に強くなりたい思いで通っていたボクシングジムの出入り業者であった徹と出会い、彼の大きな夢を聞くのが楽しくなり交際を経て結婚。
徹に対しては、呆れるそぶりを見せながらも夢に賭ける姿が好きで見守り支える。出稼ぎから6年ぶりに家へ戻った際には愛想が尽き離別を言い渡すも、夢半ばで諦める徹についての不満を吐露。さらに出稼ぎの真相と徹がプロポーズの言葉を気にし続けていることも知り、徹を許し家族として再び受け入れる。
母・幸枝と夫の生き様から子供たちには夢見ることを反対してきたが、母と2002年に再会し紆余曲折を経て長年の蟠りが氷解したことで考えを改め、希の転職を認め快く送り出す。
2003年1月、能登に根ざして生きる「土の人」になる願望と徹を離れて応援することが最善と考えて離婚[注 23][注 22]。紺谷漆器でアルバイトを始める[注 34]。2006年に徹が再プロポーズした際に離婚届を提出していなかったことを謝罪する[注 27]。同年夏横浜へ移り徹・希とともに暮らす[注 35]
津村一徹(つむら いってつ)
演 - 葉山奨之(4歳時:杉園啓仁[33] 幼少期:木村聖哉[34]
希の1歳年下の弟。外浦村に引っ越してからすぐに友人ができ能登弁にも慣れ親しむ。冷静沈着で客観的な性格であり、6年ぶりに父親と再会した際には不甲斐ない徹に対し内心は憤りながらも表向きは親切に接する。
2001年の時点では、姉たちと同じ高校に進学し野球部の戦略担当をする。移住体験ツアー参加者の高槻との出会いを機にアルバイトで貯めた金で中古パソコンを購入し、インターネットに傾倒していく。高校卒業後は大学に進学せずデイトレーダーとして生計を立て[注 36]、希の同級生である寺岡みのりと結婚を宣言[注 37]。2003年春に入籍。2007年、妻の妊娠と元治の現役引退宣言をきっかけに元治の製塩業を継承する[注 38]
寺岡みのり(てらおか みのり)→津村みのり[注 39](つむら みのり)
演 - 門脇麦(幼少期:水野あやめ
希の同級生。子供の頃から言葉を滅多に発さない高志の言いたいことを読み取り通訳代わりをする。高校卒業後は「奥能登農業協同組合」に就職。2007年現在では輪島支店融資課に所属し[注 40]、審査が厳しいことから「融資の鬼」の異名を持つ[注 41]
地元で結婚し家庭を持つことを夢見ており、高校生だった一徹と密かに交際し、2002年の大晦日に彼の卒業と同時に結婚することを宣言する[注 37]。当初は両親らから反対を受けるが、過去に流産経験がある母を思いやり「9人子供を産む」決意をしたことを打ち明け説得する[注 42]。2003年春に入籍し一徹の妻になる。このため希の義妹になる[注 43]。2007年、第1子を妊娠[注 44]
ロベール幸枝(ロベール ゆきえ)
演 - 草笛光子
第29 - 36・88 - 90話に登場。希の祖母ならびに藍子の母で有名パティシエ。ジュリアンと再婚したためロベール姓であり、旧姓は山本[注 32]
若年期に世界一のケーキを作る夢を抱きフランスでパティシエ修業をするが、恋に落ちて結婚し帰国。藍子誕生後は家事育児に専念するが、元の修業先から呼ばれて夢を諦めきれずに家族を置いて再渡仏。その後フランスで自らの店を開店する。またフランス修業時代の大悟が弟子入りしたため師弟関係にある[注 45]
このため藍子とは不仲となり、婚約の報告を受けたことを機に和解の兆しが見えたものの結婚披露宴を当日になって仕事を優先して欠席したため憤った藍子から親子の縁を切られる。
2002年に挫折し店を畳んで外浦を訪れ徹・藍子と20年以上の時を経て再会。孫の希・一徹とは初めて対面する。能登を気に入りフレンチレストランの開業を検討するが、希との交流やキッチンウィッチ(魔女姫人形)との再会を経て、藍子に母としての素直な思いを伝えたことでパティシエとして復帰する気力を取り戻す。
2006年に一時帰国し「マ・シェリ・シュ・シュ」を訪れる。
ジュリアン
演 - サントス・アントワーヌ[注 46]
第36話に登場。幸枝の夫。フランス人で帰国した幸枝を追いかけて来日し津村家と初対面。その際に幸枝が20年前の結婚披露宴招待状を今でも宝物にしていることを津村家に明かす。

桶作家の人々

桶作文(おけさく ふみ)
演 - 田中裕子
元治の妻。1994年当時は既に塩田農家であったが、かつては民宿も営んでいたことから周囲に勧められ渋々ながら家賃の支払いや塩田でのアルバイトを条件に宿無しだった津村家を引き受ける。当初は淡白な態度を示すが7年後には実の家族を凌ぐほどの絆を構築する。
意地っ張りな性格で自分の生きる場所は自分で守ることを信念とする。高校時代の希と圭太が付き合うかどうかで村中で賭けとなった際には「一番儲かる」という理由で胴元になったり[注 47]、息子家族への宿泊費や津村家の再入居に敷金礼金を請求するなど金銭に対してはドライな面を持つ。
18歳の時に元治と結婚[注 48]。ただし結婚に至るまで、弥太郎を含めた三角関係になったことから「魔性の女」と外浦の人々から称されたこともある。
桶作元治(おけさく がんじ)
演 - 田中泯
文の夫。普段は寡黙で代々伝わる塩田での塩作りに精を出しているが、夏祭りが近づくと性格が豹変して祭りのことしか考えなくなる。
友人・弥太郎の見合い相手であった文を奪い結婚した過去を持つ。
2007年、製塩業から現役引退することを宣言する[注 49]
桶作哲也(おけさく てつや)
演 - 池内博之
第19話より登場[注 50]。文と元治の息子。東京で生活をしている。会社をリストラされた1年後の2002年4月に妻と娘2人を連れて帰省。その夜に塩田を潰してカフェを開く話を元治と文に持ちかけるが、猛反対された上に妻子の本心が2人に知れ険悪となり実家を追い出される。その後、希の文・元治に対する思いやりを知ったことや文の信念を見習い、再び東京でやり直すことを決める。
桶作しおり(おけさく しおり)
演 - 中村優子
第19話より登場。哲也の妻。外浦への移住や義親との同居に乗り気ではないが哲也のために猫をかぶり、同じく移住を不満がる娘たちを文に甘えさせ同居をせがむよう命ずる。しかし元治と文への説得が上手くいかず、その原因として津村家を邪魔者扱いする。
桶作友美(おけさく ともみ)
演 - 恒松祐里
第19話より登場。哲也・しおりの長女。2002年時点では高校2年生。
桶作麻美(おけさく あさみ)
演 - 浜辺美波
第19話より登場。哲也・しおりの次女。2002年時点では中学2年生。

蔵本家の人々

蔵本一子(くらもと いちこ)
演 - 清水富美加(幼少期:愛川あおい
希の同級生。本心と異なることを話すときは、必ず手をグーにする癖がある。
能登での暮らしを嫌い東京に憧れを抱いており、2001年夏の高校3年時にモデル事務所スカウトマンの勝浦マコトに声をかけられ東京行きを決意する。程なくして勝浦が詐欺容疑で逮捕されるが、決意は揺るがず引き続き東京行きの夢を胸に抱きオーディションに再挑戦を続ける。しかしライバルたちのレベルの高さに自信を無くし内心恐れを抱いていることをマキに見透かされており、理容学校に通いながら地元で留まり続ける。また高校卒業とほぼ同時期に、希に告白するも返事をもらえない圭太に告白し交際を開始する。
夢を実現させるために行動を起こしたみのりに触発され、2003年初頭に親戚がいる大阪へ移住し[注 23]アパレル店員[注 51]になる。同時に圭太へは別れを告げるものの電話で連絡を取り合うなどの遠距離恋愛の形態で交際は継続。しかし大阪での生活が楽しくなり互いに価値観や考え方でズレが顕著となり、圭太から同年夏に開催される成人式の出欠で交際継続を決めると通告される[注 52]が欠席し、破局する[注 43]。やがて大阪出身者が店長[注 53]を務める東京のアパレル店スタッフになるが[注 54]、半年で閉店したため失職。その後も東京に残留し、再びモデルを目指すも挫折。生活のため源氏名「ありさ」でキャバクラ「Belle de jour[注 55]」に勤務する[注 56]。しかし2006年春にはファッションをテーマにした自身のブログを開設し引き続きアパレル業界勤務を装い、さらに同年夏頃からはスイーツブログ『わんこのスイーツ工房』を開設[注 27]。「マ・シェリ・シュ・シュ」を酷評してカップスイーツ対決を申し込み、勝利によってブログ書籍化・菓子商品化・CM出演などを目論む。しかし出来レースによる勝利を自ら手放したため結果的には失敗する[注 57]。2007年5月に帰郷し[注 17]、以後は東京でフリーライターとして活動する[注 18]
希に対しては、東京から転入してたばかりの頃に質問攻めをするが期待はずれな答えをすることから怒りをぶつけよそ者扱いする。また高校卒業後には交際中の圭太が希の言動に影響を受け共感する様子に苛立ちを感じるようになる。さらに圭太との破局後は希に対する嫌悪感が強まる[注 59]が、それは愛憎半ばする複雑な想いによることをスイーツ対決後に明らかにする[注 60]
蔵本はる(くらもと はる)
演 - 鈴木砂羽
一子の母。美容師美容院サロン はる」を経営。東京への憧れから上京を画策する一子を危惧し、なんとか家業を継がせようとしている。
後述するコーラス・グループ「うみねこ座」のリーダーでもある。
蔵本浩一(くらもと こういち)
演 - 篠井英介
一子の父。恐妻家で何事もネガティブに捉える悲観的性格の持ち主。家業をほとんどはるに任せている所謂「髪結いの亭主」で、真人・慎一郎と共に「サロン はる」などにたむろしては雑談をしている。

寺岡家の人々

寺岡みのり(てらおか みのり)
津村家の人々津村みのりを参照。
寺岡真人(てらおか まこと)
演 - 塚地武雅ドランクドラゴン
みのりの父で村一番の愛妻家。郵便局員であるが兼業農家も営む。
みのりと一徹の結婚宣言に当初は激怒し猛反対するが、みのりが結婚を急ぐ理由を知り最後は泣く泣く承諾する[注 42]
寺岡久美(てらおか くみ)
演 - ふせえり
みのりの母。家業となる兼業農家で農作業の他、桶作家で塩田作業の手伝いもしている。
みのりの結婚に当初は反対するが、上述する思いやりから承諾する[注 42]

角家の人々

角洋一郎(かど よういちろう)
演 - 高畑裕太(幼少期:大嶋康太
希の同級生。1983年11月生まれ[注 61]で相撲が得意。高校3年時には野球部に所属。卒業後は漁師になり父の元で働く。
幼少時に自身の魚嫌いの克服に協力してくれた一子にずっと片思いしていることから、上京を望む彼女を引き止めようとする。一子が圭太と交際を始めても彼女を思い続け2人の親密ぶりに嫉妬し、圭太が一子を傷つける行為をした際には激怒し殴りかかった[注 12]。さらに圭太との破局後には大阪まで一子を訪ね[注 54]、一子が2006年にブログを開始した際にはFishマンハンドルネームでマメにコメント投稿する[注 62]。同年春に外浦漁業組合主催の慰安旅行で父と上京し、キャバクラで一子と再会[注 56]。同年夏に家出[注 63]、東京の一子宅に転がり込み帰郷を説得する[注 64]
角慎一郎(かど しんいちろう)
演 - ガッツ石松
洋一郎の父で漁師。地域の区長も兼任する。
早くに妻・和歌子[注 65]を亡くし男手一つで洋一郎を育てる。

その他の能登・外浦の人々

二木高志(ふたき たかし)
演 - 渡辺大知(幼少期:土屋楓
希の同級生。無口で影が薄い。劇中では歌う以外にほとんど話すことがなく、みのりや珍が代弁する通訳的存在となる。
高校進学後は希たちと共に手芸同好会に入部。卒業後は東京の大学に行きながらボーカルギターバンドに参加し、プロのロックミュージシャンを目指す。しかし希がパティシエ修業のため訪れた横浜で再会した時点で家族に内緒で大学を中退。「天中殺」でアルバイトをしながら、「little voice」として音楽活動をする。2007年夏にメジャーデビュー[注 38]
小原マキ(おばら マキ)
演 - 中川翔子
サロン はる」のエステティシャンネイリスト。「うみねこ座」の中心メンバーとして活躍し、普段から歌謡曲をよく歌う。また恋多き女で夏祭りの度に付き合う男性が変わる。津村家よりも3年前の1991年に外浦の住人となったが、それ以前の経歴は謎とされた。
普段は能登弁を使うが、一子に厳しい助言をする際には標準語[注 66]を使う。その中で歌手を目指して親の反対を押し切り田舎から上京し、役者志望の交際相手と同棲したもののすべてが破綻した過去を明かす[注 67]。自身の経験から「恋と夢は両立しない」が持論である[注 68]
一子とは姉妹の様に生活を共にしたこと[注 69]と昔の自分に似ていると感じる点[注 67]から彼女の本心や言動を熟知。上京した一子の実情を誰よりも早く突き止めるが、自身は東京へ行かないと決めたことから洋一郎に直接説得するよう仕向ける[注 70]

輪島市の人々

紺谷家の人々

紺谷圭太(こんたに けいた)
演 - 山﨑賢人(幼少期:山崎祐馬
希の同級生。当初は東京からやって来た希によそ者扱いするとともに冷たい態度を示すが、地域に馴染もうとする希の努力を知り和解。その後、金沢へ転校する。
父・博之同様に生真面目な性格で怒るとグルグル歩き回る癖がある[注 71]
7年後の2001年に父の転勤に伴い希たちと同じ輪島市の高校に転入し、高校卒業後は輪島塗の職人修業を開始する。安西による輪島塗職人引き抜きの要因を作り、さらには他の職人に示しがつかないことを理由に弥太郎から破門され、一子と東京へ駆け落ちしようとするが希に叱咤され弥太郎に許しを求めたところ一からやり直しを条件に修業再開を許される。
2003年からは修業の一環として古くなった輪島塗漆器類の修復を行うようになる[注 24]一方で、意気消沈する親たちを元気づけるためにうみねこ座のコンサートを企画運営したり[注 72]青年団復活[注 73]など地域活性化に力を入れる。
輪島塗職人になることは自身の夢であったが、その決意は高校3年生時にひたむきな希を見たことによるものである。さらに希との交際を申し込むが、返事を曖昧にされたまま高校を卒業。その間に告白してきた一子と交際を始めるものの希も気にかけ特別な行動を取り一子を嫉妬させる[注 74]。この結果、洋一郎とは殴り合いの喧嘩となり、文に「輪島の二股男」と揶揄されるようになる[注 24]。2003年初頭に大阪に行った一子[注 23]とは遠距離恋愛を続けるものの価値観や考え方の違いが顕著となり、サプライズで大阪を訪れた際に同年夏開催される成人式の出欠で交際継続か否かを判断すると伝える[注 52]。しかし一子が欠席したことから破局したと解釈する[注 43]
2003年9月に開催された輪島塗展示会がきっかけで希と急接近。同時期に行われた高志のバンドのライブで希から告白され両思いになる[注 75]も、お互いに一人前のパティシエと漆塗り職人になるまで会わない事を誓い合う。2年半後の2006年春に自身の年季明けと同時期に祖父の弥太郎から意に反して塗師屋の5代目襲名及び見合い[注 76]を強要される。やむなく応じ破談に持ち込んだ後に希と2人で弥太郎へ結婚を直談判し黙認される[注 77]
紺谷弥太郎(こんたに やたろう)
演 - 中村敦夫
圭太の祖父。輪島塗の塗師屋「紺谷漆器」4代目[注 78]経営者で輪島漆器組合長。
死別した妻を心の支えに数十年来の独身者[注 79][注 34]であるが、馴染みの水商売の女性を家に招いたり[注 80]、亜美や藍子が弟子入りした際には上機嫌になるなど女好きである。一方で輪島塗修業を始めた孫の圭太に対しては師弟関係として厳しく接する。
職人修業時代には破門を言い渡される度に文のところへ駆け込み世話になったほどで頼みごとも断れない関係[注 81]だが、遊び仲間であった元治とは文を巡り関係がこじれて以来、犬猿の仲である[注 82]
2007年5月に脳梗塞を発症したことから[注 83]、現役引退を宣言する[注 84]
紺谷やす子(こんたに やすこ)
演 - 藤本喜久子
第83・84話に登場。数十年前に他界した弥太郎の妻で仏壇に飾られた写真での出演。
生前について元治は「べっぴん」、文は「穏やかで懐が深く料理上手」と評する[注 71]
紺谷博之(こんたに ひろゆき)
演 - 板尾創路
圭太の父で弥太郎の息子。1957年3月1日生まれ[注 85]で感情が昂ると能登弁訛りで話し、激怒するとグルグル歩き回る癖を持つ[注 86]
幼少時に漆かぶれによる高熱で重体となった際に弥太郎が息子である自分よりも漆や塗師屋としての体裁を心配したことから軋轢が生じ家業を継がず地方公務員になった[注 87]。また圭太に対しても高校3年生の時に輪島塗職人を目指すと決めた際には猛反対し大学進学を勧め、2006年春の希へ求婚と塗師屋の後継問題で揉めた際には「希の夢を邪魔するな」と釘を刺す[注 71]。一方で希に対しても直属の部下時代は公私混同した仕事ぶりに苦言を呈し影で酷評。圭太と入籍する際にはネガティブな発言を繰り返す[注 6]
仕事面では、外浦村役場勤務時の1994年には参加者不足を理由に夏祭りの中止を勧め元治たちと対立する。その直後に石川県庁への出向転勤を経て、2001年に外浦村合併後の輪島市役所へ復職。2002年の時点では輪島市役所産業振興課課長。2006年春には部長に昇進[注 6]。このように何ら欠点がない様子から「次期市長候補」とキミ子に噂され、将来の市長選出馬も視野に入れている。
紺谷直美(こんたに なおみ)
演 - 藤吉久美子
第105話より登場。圭太の母で博之の妻。
生家も塗師屋であることから、圭太の5代目弥太郎襲名を聞き自ら希の女将修業を買って出るが[注 88]、圭太との結婚に関して何ら相談無く勝手に決めたこと[注 84]・その後の生活も嫁としての自覚がないこと・期待していた博之と圭太の関係改善がはずれる[注 89]などの理由も含め希に対しては厳しく接する。しかし反面で圭太と博之には優しく甘い。

紺谷漆器職人

中谷修(なかたに おさむ)
演 - 九内健太
職人を目指す圭太の兄貴分的存在。後述する経営コンサルタント安西隼人の画策により退職。
井田和彦(いだ かずひこ)
演 - 塩山誠司
リーダー格職人。
なお塩山は輪島ことば指導と兼任。井田役で出演の際には「井田和彦(輪島ことば指導)」でクレジットされる。
川端京子(かわばた きょうこ)
演 - 田根楽子
圭太と亜美の年季明け式目前に恋人からプロポーズされ神戸へ行くことを藍子に明かし2006年春に退職[注 54]
岡野亜美(おかの あみ)
演 - 梶原ひかり
彼氏と別れたばかりで人生にヤル気を失くした移住体験ツアー参加者として第25話より登場。「何となく」の理由で参加し、極度の偏食ぶりや希の作ったミルフィーユや輪島塗が何層にも塗りを重ねる理由を問いかけて周囲をイラつかせる。しかしその後「重ねる」ことの意味についてさらに深い疑問を抱くようになり、希から層の数が違うミルフィーユを何度も試食させてもらう。
意味を理解すると同時に輪島塗職人となる決意を固め弥太郎に弟子入りする。圭太が一旦破門されている間に弟子入りしたため僅かな期間差ながら姉弟子となる。2006年春に圭太と同時に年季明けを迎える[注 77]

輪島市役所関係者

輪島市長
演 - 酒向芳
第18話より登場。
若林キミ子(わかばやし きみこ)
演 - 根岸季衣
第18話より登場。輪島市役所へ派遣されている清掃員で徹の先輩かつ指導係。役所内や地域の人々の事情に精通[注 90]しており、市長とはタメ口で会話をするほどに親しく、新谷や徹からは「裏市長」と称される[注 91]
新谷浩介(しんがい こうすけ)
演 - 山本圭祐
第19話より登場。輪島市役所職員。産業振興課移住定住班に所属する希の先輩。
広瀬裕子(ひろせ ゆうこ)
演 - 南千尋
輪島市役所職員。希が職員採用試験の願書を取りに行った際の窓口担当者として登場。希の就職時には産業振興課に所属する先輩。

その他の輪島市の人々

小野
演 - 諏訪太朗
希が高校時代アルバイトしていた「朝市食堂まいもん」のマスター。
2007年店を畳み希へ譲渡しケーキ屋開業を提案する[注 38]
担任(たんにん)
演 - 水野直
第2・3週のみに登場。希たちが通学していた高校の担任教師。
田中光男(たなか みつお)
演 - 田中卓志アンガールズ
第13話に登場。2001年の夏祭りでマキと知り合った恋人。
かなえ
演 - 橋本マナミ
第14・82話に登場。スナック「崖っぷち」のママ。輪島塗やその工房を見るため弥太郎宅を訪れていたところに弟子入り志願しに来た圭太と顔を合わせる。
京極ミズハ(きょうごく みずは)
演 - 内田慈
第19 - 24話に登場。本名は山田典子(やまだ のりこ)。2002年3月に東京から輪島市へ移住してきたシタール奏者。
移住定住班に対して家の前に御裾分けの野菜を置かれる風習に馴染めず苦情を入れる。自身のソロコンサートの企画と運営を希に丸投げするなどわがままばかりの押し付けについて希から叱責される。しかし提案を受け入れて地域の春祭りで演奏を披露し成功を収め、希に感謝の言葉をかける。
福田裕司(ふくだ ゆうじ)
演 - つぶやきシロー
第31話に登場。栃木県からの移住者。能登産食材による料理を提供する「農園レストラン福田」の経営者。元治が製造した塩も使用する。
葛西(かさい)
演 - 星田英利
第99・106 - 108話に登場。輪島塗の蒔絵師。圭太の力量を疑問視し、フランス陶器とのコラボレーションとなる陶胎漆器計画に反対する。しかし圭太の熱意に負けて最終的には協力する[注 92]
遠藤忠雄(えんどう ただお)
演 - 渡辺哲
第106 - 108話に登場。輪島漆器組合長。
古川麻由子(ふるかわ まゆこ)
演 - 筧美和子
第115 - 118話[注 93]に登場。洋一郎の見合い相手。一子への思いが強すぎる洋一郎を察して縁談を断る[注 29]
古川千佳子(ふるかわ ちかこ)
演 - 藤あや子
第116 - 118話[注 94]に登場。麻由子の母。麻由子と洋一郎の見合いに同行するも慎一郎に一目惚れしてしまい後日見合いを行う。しかし慎一郎の亡妻への思いを察し茶飲み友達として付き合うことになる[注 95]
福島(ふくしま)
演 - 小杉幸彦
第122・123話に登場。みのりの同僚で融資担当職員で融資担当。
橋本朝子(はしもと あさこ)
演 - 細野今日子
第124 - 126話に登場。「プチ・ソルシエール」開店からの常連客。当初は絶賛するが[注 19]、価格の高さに購入を我慢するようになる[注 96]。マルジョレーヌも価格の高さに当初は購入を躊躇うが、食べたいという気持ちから購入する[注 97]

横浜の人々

池畑家の人々

池畑大悟(いけはた だいご)
演 - 小日向文世
横浜中華街にほど近いフランス菓子店マ・シェリ・シュ・シュ」のオーナーパティシエ。横浜生まれ[注 98]で2006年の時点で58歳[注 99]。輪子とは子連れ同士での再婚[注 100][注 101][注 102]。パティシエとして華やかな経歴[注 103]を持ち、フランスでは希の祖母であるロベール幸枝の下で修業[注 26]。「巨匠」とも呼ばれる反面、頑固な上にプライドが高く些細なことでも機嫌を悪くする性格[注 104]のため後述する問題点がある。極度のあがり症[注 105]であるためマスコミを嫌い出演を断り続けてきたが、倒産の危機に瀕した際には店の存続のためと割り切り雑誌取材やテレビ出演を受諾する[注 98]
希とは第16話でロールケーキ甲子園審査員の1人として出会い、彼女の作品を酷評し冷たくあしらう。弟子入りも当初は門前払いにするが、考案したルセットを浅井へ譲ったことによる解雇[注 12]料理対決番組でのメレンゲ作りを経て正式に認める[注 13]。やがて希の才能を見出してスーシェフに抜擢[注 14]し、フランス修業を命ずるまでになる[注 17]
池畑輪子(いけはた わこ)
演 - りょう
第39話より登場。大悟の後妻[注 101][注 102]。横浜中華街の路地裏にある中国料理店「天中殺」オーナーで趣味は麻雀。別料金で請け負う占いが得意で行列が出来るほどの評判である。
池畑大輔(いけはた だいすけ)
演 - 柳楽優弥
第42話より登場。池畑夫妻の長男。大悟の連れ子[注 102]で趣味は釣り。2002年の時点で28歳[注 106]司法書士の資格を所有し[注 107]、取引先からも「若いのに頼りになる」と評価される[注 73]ものの友人の事務所で半年働き必要な金を得てあとの半年は遊んで暮らす生活を送る[39]。またクリスマス前の繁忙期にはマ・シェリ・シュ・シュを手伝う。血の繋がらない妹・美南の自身に対する恋心に気付いて以降は距離を置くため家族とは天中殺建物内2階で別居状態にある[注 108]
希入寮初日の深夜に酔って部屋へ上がり込み、彼女に一目惚れしてファーストキスを奪ったことがきっかけで、後述する理由から「ゴン太」の別称が付く。
幼稚園児時代に体験した初恋相手の幼稚園教員の影響から方言を使う女性に弱い[注 109]。このため能登弁を語る希にちょっかいを出し、ケーキ創作のヒントを与えたり[注 109]気分転換に外へ連れ出したりする[注 110]。2003年のバレンタインデー直前には希に告白し交際を申し込む[注 111]。パティシエとしての感性を磨く外食への誘いや密かな気遣いで希の心を惹きつけるも、パプアニューギニアに住む知人が経営する民宿を手伝うことになり交際は保留[注 43]。同年9月に帰国し希の気持ちを確かめ交際を開始するが[注 58]、それまでの間に圭太への片思いを自覚した希に交際解消を求められる[注 112]。2番目の存在でも良いと交際継続を希望するが、輪島塗展示での2人の様子を見て身を引くことを決断[注 113]。以後は、圭太の嫉妬心を煽りつつ[注 114]友人の立場で希を支える。
池畑美南(いけはた みなみ)
演 - 中村ゆりか
第43話より登場。池畑夫妻の長女。輪子の連れ子[注 102]で2002年の時点で大学生。横浜中華街で太極拳を教えており希や大輔を投げ飛ばすほどの技量を持つ[注 72]。クリスマスは家族一緒で過ごせないなど多少の不満を持ちながらも、大悟の仕事に誇りを持ち積極的にマ・シェリ・シュ・シュで接客を手伝う。同い年の希に親近感を持ち親切に接し「希ちゃん」「美南ちゃん」と呼び合うほど親しくなる[注 98]
幼い頃から大輔に対して密かに想いを寄せ結婚願望を抱くものの2003年に彼の思いを知り失恋する[注 72]
2006年春の大学卒業後は、引き続きマ・シェリ・シュ・シュで接客を手伝いながら司法書士の資格取得を目指す[注 54]

マ・シェリ・シュ・シュならびに天中殺の従業員・関連業者

浅井和也(あさい かずや)
演 - 鈴木拓(ドランクドラゴン)
第40話より登場。希の先輩パティシエ。勉強熱心であるが仕事の腕前は上達せず以前の修業先は6年で解雇。さらには年下で仕事歴が自分よりも短い陶子には呼び捨てにされ部下の立場に甘んじ、希にも彼女がスーシェフに抜擢されたため追い抜かれる。しかし希に対しては陶子の手前から距離を置こうとするが、熱意と押しに弱く質問に対して丁寧に答えるなど面倒見がいい。
2007年、客足が落ち込んだ「プチ・ソルシエール」を手伝うために能登へ訪れる。大悟から「そろそろ行き詰る頃だから行ってこい 腹を括ったら帰って来い」と伝え横浜に戻る[注 96]
矢野陶子(やの とうこ)
演 - 柊子
第40話より登場。希の先輩でスー・シェフ・パティシエ(二番手)。アラサー[注 115]であるが、朝から晩まで多忙な職業柄から男性との出会いも無く何年も恋人がいない[注 116]。このためイケメン好きで出会いに心をときめかせる[注 117]ほか、休日には精力的に合コンへ参加する[注 118]
過去に根性論を振りかざす人間から痛い目にあったトラウマとパティシエの常識を全く知らない希の言動に苛立ち、毛嫌いした上でぞんざいに扱う。
2006年春、ステータスホテルのデザート部門シェフに引き抜かれ[注 119]マ・シェリ・シュ・シュを退職[注 14]
植田弥生(うえだ やよい)
演 - 福田彩乃
第80話から登場。陶子の退職による欠員補充募集で採用された希の後輩従業員。希同様に地方公務員[注 120]からの転職者。並外れた不器用[注 121]で大悟から解雇を通告されるが希の機転で回避[注 77]
性格は真面目で素直だが、酒に酔うと著名人の物真似[注 122]をする。
珍文棋(ちん ぶんき)
演 - 孫成順
第39話より登場。中国に妻と娘を残し単身赴任する[注 123]天中殺」料理人で激辛四川料理[注 124]が得意。同僚である高志の言いたいことを察し通訳代わりをする。
大悟から恋愛経験をするよう命じられた希から合コンのセッティングを頼まれ、知り合いの大学生(演 - 秋元龍太朗大倉土門磯村優斗[注 125])を紹介する[注 126]
浜田(はまだ)
演 - 泉谷しげる
第68・72・73話に登場。「マ・シェリ・シュ・シュ」で使用する鶏卵を卸す養鶏場「花鳥風月」の経営者。
希が産み立てと時間経過した鶏卵の味の違いを指摘したため敏感な味覚の持ち主であることに気が付き、大悟に伝える[注 15]

マ・シェリ・シュ・シュ顧客

米田信二(よねだ しんじ)
演 - 市川しんぺー
第40 - 41話に登場。閉店したマ・シェリ・シュ・シュで希が出会ったバツイチの会社員。離婚した妻に同行してシンガポールへ移住する娘に同店の「シャポー・アン・コトン」を食べさせたいと伝言を依頼する。結果的に大悟が店を開けたことから娘と来店し願いが叶う。
米田麻衣子(よねだ まいこ)
演 - 石井心咲
第41話に登場。米田信二の娘。
役名なし
演 - 和泉ちぬ藤本静
第40話から登場。「マ・シェリ・シュ・シュ」の常連客。閉店・再開を繰り返す度に来店しまた大悟が「料理の巨人」に出演した際にはスタジオ応援に駆けつける。
希に対しては同店の問題点[注 104]を説明したほか、退職の際に大悟が「レ・キャトル・サン・クー」について電話で感想を聞いていた事を明かす[注 127]
岸川節子(きしかわ せつこ)
演 - 高田敏江
第43 - 44・47・72・104話に登場。「マ・シェリ・シュ・シュ」常連客の老婦人。商品の入れ忘れミスをした入店したての希に対し寛容に許し優しい言葉をかける。クリスマスケーキを購入した際には1人暮らしであることを希に打ち明ける。
浅井の彼女(あさいのかのじょ)
演 - 酒井瞳
「マ・シェリ・シュ・シュ」店頭で仕事上がりの浅井にバレンタインチョコレートを渡したことを機に交際を開始。第67・69話では浅井の携帯内写メール画像でのみの出演。第78話では友人らと輪島塗展示会に来場する。
榊原良治(さかきばら りょうじ)
演 - 船越英一郎
第85 - 87・89・90話に登場。妻の美里が自身のブランド嗜好を理由に離婚の準備をしていると考え回避させるため「マ・シェリ・シュ・シュ」へオリジナルケーキの制作を依頼する。
榊原美里(さかきばら みさと)
演 - 藤田朋子
第90話に登場。良治の妻で彼と反対に庶民嗜好。良治を愛しているが、妹から義弟へ仕掛けるドッキリの小道具として自分たち夫婦の離婚届を用意し誤解を与える。
良治に連れられ「マ・シェリ・シュ・シュ」に来店し、希特製の駄菓子ケーキを食する。
女性客(じょせいきゃく)
演 - 川村エミコたんぽぽ
第92話に登場。「マ・シェリ・シュ・シュ」が定休日と知らず犬を連れて来店。ブロガーのわんこと待ち合わせ中の希たちから人違いされる。

その他の横浜の人々

三島(みしま)
演 - 大高洋夫
第39話に登場。希がパティシエになろうとした原点となる5歳の誕生日に食べたバースデーケーキを製造した「シェ・ミシマ」のオーナーシェフ。
希を面接でパティシエとして採用するが、同店のケーキを食したところ違和感を持たれ辞退される。
鶴巻(つるまき)
演 - 大竹浩一
「マ・シェリ・シュ・シュ」を担当する信用金庫職員。第55話では融資打ち切りを、第57話では上司(演 - 小川あつし)と一緒に早期返却を通告する。

移住体験ツアー参加者

安西隼人(あんざい はやと)
演 - 六角精児
第25 - 29話:経営コンサルタントであるが本業を伏せ人生に疲れ能登での暮らしに癒しを求めたふりをして参加。輪島塗に興味を示し、圭太から工程や内部事情を聞き出す。後日、塗師屋「八島」に工程で伝統を排除した効率化プランを持ちかけて手を組み、各塗師屋から職人の引き抜きを行う。
引き続き輪島滞在中に徹が企画した貝殻ビジネスにも興味を示し、自身も所有する携帯電話を徹に貸す他スポンサーを紹介する。
第97・98話以降は過去の回想シーンならびに劇中ニュース画面のみでの出演。2007年5月[注 128]の時点で47歳[注 129]。自身が代表取締役を務めるインターネットコンサルティング会社「インタードア」の粉飾決算が明るみになり逮捕される[注 129]。また徹が経営する会社の融資保証人になっていたことから、徹の2回目の自己破産ならびに会社清算の原因も作る。
山中道夫(やまなか みちお)
演 - 平川和宏
第25話に登場。妻に先立たれ子供は独立しており、老後はのんびり田舎で暮らしたいと考え参加。移住は息子に反対され断念。
高槻賢治(たかつき けんじ)
演 - 和知龍範
第25話に登場。東京でデイトレードを行い生計を立てている。ネット上の株取引だけで十分に利益を上げられているため生活費が安く抑えられネット回線がきちんと使える土地を探して参加したが、最終的には沖縄へ移住。
職業を知った徹と一徹から強い興味を示される。その後は本人の登場はないものの一徹とはインターネットを利用した交流があり、デイトレードの指南も行っていた[注 37]
岡野亜美(おかの あみ)
紺谷漆器職人岡野亜美を参照。

「料理の巨人」関係者

坂本(さかもと)
演 - 長谷川公彦
第56 - 57話に登場。徹が勤務するWEB制作会社の取引相手であるグルメ雑誌記者[注 130]。マ・シェリ・シュ・シュを取材するが、大悟の頑固ぶりに嫌味を発し激怒させる。後日、大悟について詳しく調べて経歴と人柄を料理対決番組「料理の巨人」プロデューサーに紹介。大悟が同番組に出演するきっかけを作る[注 98]
西園寺一真(さいおんじ かずま)
演 - 黄川田将也
第57 - 60話に登場。若手の新進パティシエ。マスコミに頻繁に登場し「パティシエ界のプリンス」と異名がつくほど人気を得ている。
グルメ雑誌のインタビュー記事[注 131]で大悟を「生きた化石」、試食したマ・シェリ・シュ・シュのケーキを「終わってる味」と嘲り挑発する[注 98]。後日「料理の巨人」で大悟と対戦し敗北。対戦後、大悟に憧れていたことを打ち明け潔く負けを認める[注 13]
道上(みちがみ)
演 - AMEMIYA
第58 - 60話に登場。「料理の巨人」のディレクター
AD(エーディー)
演 - 須田邦裕
第58 - 60話に登場。「料理の巨人」のアシスタントディレクター
主催者(しゅさいしゃ)
演 - 山口馬木也
第60話に登場。「料理の巨人」主催者を名乗る設定の出演者。
司会(しかい)
演 - 福澤朗[注 132]
第60話に登場。「料理の巨人」の司会兼実況。
審査員(しんさいん)
演 - 辻口博啓[注 133]服部幸應友吉鶴心芝田山親方
第60話に登場。「料理の巨人」の審査員。

カップスイーツバトル関係者

仙道(せんどう)
演 - シソンヌじろう
第91・93 - 96話に登場。広告代理店「フューチャー企画」社員。「わんこのスイーツ工房」の人気に着目し、一子にカップスイーツ対決を持ちかける。
対決が出来レースになっていることを一子に明かすも洋一郎の撮影した動画を見た彼女が翻意したため変更を余儀なくされる[注 57]
五十嵐(いがらし)
演 - 飯田基祐
第94 - 96話に登場。大手コンビニチェーン「Cショップ」広告販促部長。
対決終了後に一子のケーキ商品化について、後になり希の作成したものが口コミで人気急上昇したことや一子のルセットが他人の物だと判明したため難しいと判断する[注 57]
司会(しかい)
演 - なだぎ武[注 134]
第95・96話に登場。カップスイーツ対決の司会者。
役名なし
演 - 中村萌子[注 134]
第95・96話に登場。カップスイーツ対決のアシスタント。

「@ my dream」元社員

井上(いのうえ)
演 - 村上純しずる
木俣(きまた)
演 - 佐藤哲夫(パンクブーブー
小平(こだいら)
演 - 黒瀬純(パンクブーブー)
以上3名は第116 - 118話に登場。会社倒産後に能登を訪問。徹も倒産の被害者と思い全員再就職したと嘘をつく[注 135]
山口(やまぐち)
演 - 池田一真(しずる)
第116 - 119話に登場。当初は上述3名と共に行動を共にするが、倒産失業により一家離散に追い込まれた反面で希のケーキ店開業計画等前向きな徹に憤慨。嫌がらせとして外浦中にいたずらを行い、津村家に手を及ぼすことを仄めかし「報いを受けろ」と徹を脅迫する[注 136]

その他の人々

勝浦マコト(かつうら まこと)
演 - ナガセケイ
一子をモデルにスカウトしたカリスマスカウトマン。しかし、その後に詐欺容疑で逮捕される。写真のみの出演。
三瓶(さんぺい)
演 - 三瓶
当初は上述した勝浦マコトが特集されていた雑誌『月刊エンタテインメント!』の表紙で写真のみの出演[注 137]
第69話では一子が大阪の同僚(演 - 向里憂香岩井挙士朗久保龍一)らと立ち寄った飲食店で偶然居合わせた芸能人客として出演。
芸者(げいしゃ)
演 - 奥山奈々
第8・107話に登場。希たちが初めて弥太郎の工房に訪れた際に弥太郎が連れていた「金沢一べっぴん」の芸者
安達ゆかり(あだち ゆかり)
演 - 光宗薫
第15・16話に登場。ロールケーキ甲子園の出場者。希の作品を褒め自分の作品を卑下するものの優勝する。
司会者(しかいしゃ)
演 - 福澤朗[注 132]
第15 - 16話に登場。希が出場したロールケーキ甲子園北陸大会の司会者。
役名なし
演 - 塩田勝
第15話に登場。希が出場したロールケーキ甲子園北陸大会の受付担当者。
篠山巻信(しのやま まきのぶ)
演 - 篠山輝信
第25話に登場。希が企画した「移住体験ツアー」を放送した地元ケーブルテレビ局のローカル番組「WAJIMA MANDE」のレポーター。
四谷(よつや)[注 138]
演 - 直江喜一
第29話に登場。安西が徹に紹介した貝殻ビジネスのスポンサー関係者。
ナイツ
演 - ナイツ(塙宣之・土屋伸之)
第58話に登場。「料理の巨人」放送のため希・大悟らが訪れたMHKテレビ[注 139]の廊下ですれ違う。
ユイ
演 - 江守沙矢
第87話に登場。一子の同僚キャバ嬢。
木下(きのした)
演 - スマイリーキクチ
第93話に登場。一子が勤めるキャバクラの常連客。
店員(てんいん)
演 - 皆川尚義
第93話に登場。一子が勤めるキャバクラの店員。一子を訪ねてきた希を面接志望者と勘違いする。
ニュースキャスター
演 - 七緒はるひ
第97・98話に登場。安西逮捕のニュース原稿を読むキャスター。声のみの出演。
アンドレ
演 - アルノ・L
第100・101・107・108話に登場。フランス人アートディレクター。コラボレーションの打切りを告げに紺谷漆器を訪れるが、希が作成したパリ・ブレストを輪島塗の皿に乗せて持て成したことをきっかけ[注 140]に計画を見直す。
渡辺(わたなべ)
演 - 本田大輔
第100・101・107・108話に登場。アンドレの通訳
司会者(しかいしゃ)
演 - クリス・ペプラー黒田有彩
第119話に登場。little voiceが出演した音楽番組「mp(ミュージック・パレード)」の司会者[41]

作品設定

キャラクター

魔女姫(まじょひめ)
戸田恵子によるナレーションの語り手という設定の人形。番組開始時や場面転換時にアニメ画像で登場する。語りの際の一人称は「わたくし」。
希の宝物で、帽子の上にティアラをつけた魔女をかたどった手のひら大の木製人形。5歳時のバースデーケーキに徹が添えたプレゼントだが、元々は母方祖母の幸枝がフランスでのパティシエ修業時代に持っていたキッチンウィッチと呼ばれる魔女人形[注 141]であることが判明する。幸枝はこの人形に弱音を吐いて厳しい修業に耐えていたが、引っ越し時に紛失する。その後は海外アンティーク商品として日本国内に流通。徹に偶然買われて希の手元に渡る。やがて幸枝は能登を訪れこの人形と再会し、娘との和解ならびに希の真の夢への目覚めを導くという数奇な運命のモチーフとなった。
人形のコンセプトとして、かわいらしさだけが独り歩きしないようにどこか違和感があり希の祖母を連想させるものを目指したほか、水玉模様の個性的な服などは美術家の草間彌生をイメージした[42]
ゴン太(ごんた)
本作品では以下に示す2つの意味合いがある。
  1. 寺岡家ペットとして飼われている柴犬[注 142]
  2. 希が言い始めた池畑大輔の別称[注 143]。出会い頭にファーストキスを奪われショックを受けたものの上述したのゴン太から顔を舐められたと思えば良いと考えついたことが理由である[注 144]
little voice(リトル ボイス)
二木高志ボーカルアコースティック・ギターを務めるロックバンド。他のメンバーは岡本啓祐(ドラムス)・宮田岳(ベース)・澤竜次(エレクトリック・ギター)で、高志役の渡辺大知が所属する黒猫チェルシーのメンバーでもある[45]
第26話で岡本・宮田が高志のバンド仲間として2002年夏の帰省に同行し「サロン はる」でライブを行う。little voiceの名称は2003年9月時点の第77話でワンマンライブ告知のチラシで初めて使われ、第78話でライブを敢行。2007年にメジャーデビューし、第119話で音楽番組「mp(ミュージック・パレード)」でテレビ初出演。この時からメンバーとして澤が加わると共にオープニングでもlittle voiceとして出演者クレジットされた[41]
黒猫チェルシーの事実上変名ユニットであり、劇中歌の「涙のふたり」「ここで会おう」をlittle voice名義でシングルCDをリリースし、インストアイベントやライブツアーも行うほか[46]、「MUSIC JAPAN」などの音楽番組にも出演する。

架空の地域・組織など

外浦(そとら)
能登半島にある架空の小さな漁村。主人公の希をはじめとする津村家や桶作家・蔵本家・寺岡家・角家などが居住生活する。
地名は能登半島の日本海に面した海岸を指す「外浦」に由来しており、街並などの外景は輪島市大沢町でロケ撮影が行われた[47]
自治体としての設定は津村家が移住してきた1994年は独立した外浦、2001年に合併で輪島市に編入され輪島市外浦町である。
集落としての設定では実際に能登地方で行われる伝統行事[注 145]のほか、土地柄・風習面では以下に示すものが取り入れられた。
  1. 外部から来た人々を「まれびと」として歓迎し優しく接する文化や「能登はやさしや土までも[注 146]」の言葉で表現される気質。これらは第25話で設定が活かされたが、一方で第1週での東京から移住してきたばかりの津村家への対応などに見られるように外部から来た者に対する排他的意識が存在する面も描かれた。
  2. 第56話で藍子のセリフなどに反映された能登に根差して生きる人を「土の人(つちのひと)」、外部から来ていずれ去ってゆく人を「風の人(かぜのひと)」と呼ぶ文化[2]
  3. 伝統的に女性が働き者であるため夫である男性は楽ができる「とと楽(ととらく)」文化。このため外浦の既婚男性たちは仕事をそこそこに仲間同士での会話を楽しむことができる[48]
  4. 京極ミズハを巡るエピソードなどに反映された農作物などを近所の人々同士で御裾分けし合う習慣。
サロン はる
蔵本一子の母・はるが経営する美容院。従業員はオーナーのはるとエステティシャン兼ネイリストの小原マキの2名のみである。
美容院としてのみではなく、外浦地区住人の寄合所的な意味合いで雑談の場、徹と藍子の結婚20周年パーティー[注 147]の準備会場になるなど、文字通り「サロン」としても機能している。
紺谷漆器(こんたに しっき)
江戸時代から代々続く輪島塗塗師屋(ぬしや)。代々紺谷弥太郎の名を襲名する当主は2003年時点で4代目[注 78]。圭太の祖父である彼の下、少数精鋭4人の職人により輪島塗漆器の製造ならびに補修を行う。屋内には江戸時代に製造された漆器も当時の状態のまま保存されている。
2002年までは都内のデパートで毎年展示販売会を行うなど積極的な営業も行っていたが、需要の低下から2003年は開催直前にキャンセルされ危機的状況に陥る。しかし会場を横浜に移してイタリアン天中殺の中国料理・マ・シェリ・シュ・シュのケーキなどとのコラボレーションを実施したほか、フランス陶器と輪島塗双方の良さを融合させた陶胎漆器にチャレンジするなど輪島塗の新たなコンセプトを提案模索する[注 148]
輪島塗指導担当で弥太郎のキャラクターモデルとなった大崎庄右エ門[49]が経営する「大崎漆器[50]」をモデルにしており、「住前職後」と呼ばれる道路に面した前部を弥太郎の住居や奥を仕事場とする構造を持つ建物外景ならびに一部の屋内シーンは国の登録有形文化財に指定された[49]大崎漆器でのロケ撮影である。
朝市食堂まいもん(あさいちしょくどう まいもん)
希が高校時代アルバイトしていた朝市通りから奥に入った場所にある食堂[51]。マスターは小野。名称的には食堂であるものの喫茶店的要素や類も提供することから居酒屋機能も持ち合わせる。
セットは倉庫を改装した設定にしたことから名残としてトラス柱が店内に露出するほか、リヤカーを改造したテーブルや魚を納める木箱によるカウンターなどに廃品の再用が随所に見られる。またキリコの模型や照明には漁船で使われていたランブを使用するなど輪島らしさの演出が加えられる[51]
2007年秋に閉店し後述する「Petite Sorciere」へ業務体系を変更。
Petite Sorciere(プチ・ソルシエール)
希が上述する「朝市食堂まいもん」を譲渡され改装後の2007年11月11日に開店したオーナーパティシエを務めるケーキ店[52]。徹が企画プロデュースを行った店名はフランス語で魔女姫を意味するほか、本来の読みは「プティットゥ・ソルシエール」であるものの一子の提言する「わかりやすさ」から通称名がそのまま採用された[注 19]
商品は主力となる生ケーキが開店当初はいずれも能登産食材を使用した中島菜の「ジャン・ドゥ・ラ・テール(420円)」「モンブラン・ドゥ・ノト(450円)」ブルーベリームースとフロマージュを合わせた「レゾリュシオン(380円)」いちごムースとコンフィチュールにタルトを合わせた「レーヌ・デ・フレーズ(350円)」の4品[53]。しかし赤字により「能登カボチャプリン(250円)」「イチゴのショートケーキ(300円)」「シュークリーム(180円)」「マルジョレーヌ(450円)」へリニューアルを実施した[52][注 97]。また焼き菓子ならびにミニキリコや輪島塗などの民芸品のほか「元治の塩」も1袋600円で販売するほか、イートインのコーヒーは藍子お気に入りの「珠洲のコーヒー」を使用する[54]
開業資金は当初の試算では1000万円とされたが[注 149]、ショーケースや厨房機器を中古にすることで600万円まで圧縮するものの銀行からの融資を断れたことから、能登産食材を使用することによりみのりが勤務する奥能登農業組合からの融資を出願する[注 41]。しかし融資の鬼の異名を取るみのりから問題点とコストカットを指摘された上に生ケーキは4種類に限定するなどの条件を附帯。出店計画書を18回も提出してようやく350万円の融資が許可され[注 150]、希と圭太の貯金100万円と合わせて450万円で開業に至った[注 19]。このため内装は「朝市食堂まいもん」時代のものを極力活かしつつ赤と白をイメージカラーにしたリフォームは希・圭太・一子・洋一郎・一徹・みのり・小野の手作業で行ったほか、厨房機器は業務用のみならず冷蔵庫やオーブンは家庭用の中古品を使用。また希のパティシエ服も「マ・シェリ・シュ・シュ」時代の「MARE TSUMURA」のネームが入ったもので新たにみのりの手によって店名ロゴが刺繍される[52]
移住定住班(いじゅうていじゅうはん)
高校卒業後の希が就職した輪島市役所で配属されたセクション。紺谷博之が課長を務める産業振興課の下部組織で班員は希と新谷浩介の2人のみである。
主な業務内容は他地域から輪島市へ転入した移住者からの相談・補助金支給の対応・移住者への定期訪問など。また移住検討をする人たちをターゲットに「移住体験ツアー」も実施した[注 151]
うみねこ座(うみねこざ)
蔵本はるがリーダーを務める外浦の女性たちによるコーラス・グループ。メンバーは藍子・文・久美・マキのほか、演 - 葛城ゆいなどエキストラ数名がいる。
LIVE GATES(ライブ・ゲーツ)
2003年1月から勤務[注 153]する東京のWEB制作会社。経営者は徹が失踪していた間に手を染めて失敗したIT事業を一緒にしていた友人。主な業務内容はホームページ制作代行ならびに運営管理で、同年9月からは徹が企画したグルメサイトまいもんネット」も運営する[注 14]
@ my dream(アット・マイ・ドリーム)
「まいもんネット」の成功により徹が2006年春に独立し起業した都内のIT企業[注 26]。会社ロゴ白熱電球の中に@マークがデザインされるほか、社名には津村家の4人(徹・藍子・希・一徹)の最初の一文字が組み込まれる。
主な業務内容はLIVE GATESから承継した「まいもんネット」の企画運営で、新たにライブストリーミングも実施する[注 154]
2007年5月、起業時の融資保証人である安西隼人が自身の経営する「インタードア」での粉飾決算が明るみになり逮捕されたことから、新たな融資元を探すものの見つからず徹が自己破産する形で連鎖倒産
マ・シェリ・シュ・シュ
池畑大悟がオーナーパティシエを務めるフランス菓子店。店名はフランス語で「最愛の人」という意味[注 98][注 100]でフランス修業から帰国後に先妻と創業した[注 155]。設定上は横浜市中区山手の丘中腹に存在する[55]。中華街にある「天中殺」からは徒歩でたどり着ける距離にある。
大悟の頑固かつ気難しい性格[注 104]から気に入らないことがあると店を畳み[注 156]、気が向くと再開を繰り返すものの商品の完成度は高く店はクリスマスケーキの予約に行列ができるほどの人気を博す。その反面で味や食材にも拘り過ぎて原価割れを起こすこともあり、さらに不定期な営業であるため収支面で難がある。このため金融機関から融資を断られるなど経営面での問題も多い[注 157]
スタジオセットは、大悟と同年代のオーナーパティシエ店舗をリサーチした上で製菓指導担当の辻口博啓が監修。横浜らしい異国情緒を大切にしながら西洋文化と開放感のある空間からガラス張りとした大きな洋館の一部という設定でデザインされた[56]。またセットには実際の店舗同様な厨房機器やショーケースを使用する[55]
天中殺(てんちゅうさつ)
大悟の妻・輪子がオーナーを務める激辛メニューのみしか存在しない中国料理[40]。従業員は珍と高志の2名で、大悟が経営するマ・シェリ・シュ・シュとは「たとえ夫婦であってもお互いの店については干渉しない」と輪子は公言[注 109]するが、後述する寮や賄いのほかにマ・シェリ・シュ・シュへ対する融資の担保物件となっている[注 157]
設定上は横浜中華街の路地裏に存在。異世界に迷い込んだような違和感とカンフー映画に登場するような空間をテーマに赤・銀の2色をコーディネートしたデザインが特徴のセット[40]は、3階建てで以下の設定がされる。
  • 1階:店舗で厨房・カウンター席・テーブル席のほか、フロア中心部は輪子のスペースとし副業の占いや趣味の麻雀が行われる[40]。またマ・シェリ・シュ・シュ従業員に賄いも提供する[注 67]。また厨房はグレー1色でコーディネートされるほか、実際に調理が可能である[40]
  • 2階:元々は4つの宴会場であったが、不況による客足低下からアパート4室へリフォームを実施[40]。マ・シェリ・シュ・シュ従業員に寮として格安で賃貸[注 67][57][注 158]することから深夜帰宅も考慮し、各部屋にミニキッチン・共用のシャワールーム・ロビーに洗濯機ならびに衣類乾燥機を完備する[40]
  • 3階:大輔を除いた池畑家が居住する[40]
料理の巨人(りょうりのきょじん)
大悟が西園寺と出演したMHKテレビ[注 139]が制作する架空の料理対決番組。1993年 - 1999年フジテレビジョン系列で放送されていた『料理の鉄人[注 159]』のオマージュパロディであり[58]類似点[注 160]も多数あるが、90分の生放送であること・巨人がレギュラー出演者でない・何品作ってもいいが制限時間内に調理が終了できなければ失格となるルール・勝者には賞金が支給されるなどの相違点がある。
番組セットは通常ドラマには使用しないCT-102スタジオに組んだほか[59]、大悟が計量秤を使用せず手で掴み測るシーンは製菓指導の辻口博啓が『料理の鉄人』出演時に実際行ったエピソードによるものである[59]
花鳥風月(かちょうふうげつ)
第68話で希が大輔に連れられ訪れた養鶏場。「マ・シェリ・シュ・シュ」で使用する鶏卵を卸しており、経営者の浜田によれば取引は大輔の幼少期からで大悟も気分転換によく訪れる。
素材にまで拘る大悟が指定する鶏卵は高品質かつ美味であるが1個100円[注 161]と高価格である。これは自然溢れる環境下でニワトリ放し飼いし自由に産卵させるためである。
わんこのスイーツ工房(わんこのスイーツこうぼう)
「マ・シェリ・シュ・シュ」のケーキを食し高額なことに疑問を抱いた一子が憂さ晴らしを兼ねて開設したブログ。コンビニ店頭の商品など手頃で美味しいスイーツを推奨し、高級スイーツを批判する論調が共感を呼び人気となる。安上がりで美味しいスイーツのレシピを自身の考案として掲載するが、ネタ元はキャバクラ店常連客の料理研究家から仕入れたものである。
ハンドルネームのワンコは本名の「一」を英訳(One)したもので、記事やコメント文末に「ワン」と入れるほか画面の所々に黒い犬のイラストを表示する。またプロフィール欄に血液型B型のOLと記載する。

作中に登場する主な菓子

本作では、週のサブタイトルはエピソードに関わると同時にテーマとなるお菓子の名前が付帯する[60]

魔女姫バースデーケーキ(第1週)
希が5歳時の誕生日に徹が仕事の出先の横浜で立ち寄った店で購入したバースデーケーキ。ネーミング同日に徹が魔女姫を購入しケーキの上に乗せたことに由来する。
希にとって「家族の幸せ」を象徴するケーキで後にパティシエを目指す原点ともなる。さらに徹と自身10歳の誕生日にはじめて自力で作ったケーキでもある。
シュークリーム(第2週)
当初作成された物は、焼き上がったシュー生地の底からカスタードクリームを入れる定番タイプ。低予算をモットーとする希は、無塩バターの代用にサラダ油を、カスタードクリームは全卵を使用する。
次に作成された物は、一子が「上が切れて帽子みたいになっている」と表現するシュー生地上部を切り分け間にカスタードクリームを挟み入れるタイプ。これは彼女が幼い頃に家族旅行で訪れた東京で食べた思い出の形を再現したもので、同時に東京が好きになった原点でもある。
幸せ貧乏家族(第3週)
希が「ロールケーキ甲子園」出場のため作成。自身の資金不足から「美味しさと節約」をテーマにし無料で手に入る能登産食材[注 162]をふんだんに使用する。
試作品は味覚面で好評であったものの見た目が地味だったことから、ケーキ外側にイチジクのジャムを塗り、揚げた素麺でデコレーションするもの「ロールケーキ甲子園」では落選。審査員だった大悟からは「貧乏くさい」と酷評された。
第16週で一子が作成するカップスイーツにコンセプトならびに名称を盗用される。
桜もち(第4週)
文が作る桶作家長男・哲也の好物。鮮やかなピンク色が特徴。皮をフライパンで焼き、皮・こしに隠し味として「元治の塩」を使用する。
ミルフィーユ(第5週)
移住体験ツアー客へのもてなしとして希が作成。亜美の輪島塗の層を重ねる意味への疑問を解く鍵にもなる。
キャロットケーキ(第6・15週)
幸枝がニンジン嫌いだった幼い藍子のために作ったケーキ。藍子にとって母との思い出の味である。後に徹と藍子の結婚20周年パーティーに出されるケーキとして、赤い花の大きな飴細工の土台部分として幸枝が作る予定であったものの当日姿を消したため急遽希が作成する。
さらに2006年、徹が藍子へ再プロポーズする際に希指導の下で徹が作成し持参する。
シャポー・アン・コトン(第7週)
マ・シェリ・シュ・シュで販売するケーキの一種。フランス語で「綿帽子」という意味。大悟がケーキ嫌いの子供のためにリサーチをし試行錯誤を重ね作成。
クリスマスケーキ(第8週)
当初大悟が考えていたルセットが漏洩したため閉店騒動が発生。さらに希の不用意な発言から従業員個々で新たなルセットを考案することになった結果、陶子による試作品と以下の2品が作成された。
浅井(希)作 試作品
希が考案したものの陶子からルセット作成禁止を言われたことから浅井名義として作成。「元治の塩」を隠し味に入れたクッキーを砕きチョコレートをからめた生地と能登大納言小豆とチョコレートのムースを合わせる。家族で祝うクリスマスをテーマとし、正統派フランス菓子では使わないマジパン製の家族人形をトッピングする。大悟から「幼稚園ケーキ」「素材のうまさを殺している」と酷評される。
大悟作 能登大納言小豆と塩田の塩を使ったクリスマスケーキ
大悟が上述試作品のコンセプトを継承し素材を活かした上でリメイクした一品。能登大納言小豆の入ったアーモンド風味生地に塩キャラメルのクリームとムースを合わせ全体をチョコレートムースでまとめる。表面は光沢のあるチョコレートソースで仕上げる。トップには予約者の家族構成に合わせた絵柄が型押しされたバニラとチョコのクッキーならびに金箔でくるんだ能登大納言小豆がデコレーションされる。
しかし高コストゆえに原価割れを起こしてしまい信用金庫からの融資打切り通告がされるなどマ・シェリ・シュ・シュを倒産の危機に導いた要因のひとつにもなり、このことが後の「料理の巨人」出演にもつながる。
エンゲージケーキ(第9週)
希がみのりと一徹の婚約パーティー用として作成した大きなウェディングケーキ風の一品。能登が好きで、一徹と子沢山で楽しい家族を作りたい夢を持つみのりの思いに合わせ、希がマジパン人形などをデコレーションした。
メレンゲパンケーキ(第10週)
大悟が「料理の巨人」出演時に予定されていなかった6品目として作成。大悟が幼かった美南に手伝わせ、美南と輪子のために初めて作った一品で、自身の菓子作りへの情熱を振るい起こさせた家族への感謝の思いを込めている。
製造過程で急遽希を手伝いに呼びメレンゲを作らせる[注 163]。希は何度もダメ出しされるものの最終的には合格となり、パティシエとしての弟子入りを許される。
塩チョコレート(第11週)
希が美南のために考えたバレンタインデー用チョコレート。甘いものが苦手な人に贈りたいという美南の要望からテンパリングしたチョコレートにナッツドライフルーツを乗せその上から「元治の塩」を振りかける。
ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(第12週)
「マ・シェリ・シュ・シュ」オリジナルの定番ケーキ。直訳すると『「愛してる」「俺も愛していない」』という意味のフレンチ・ポップスタイトルから引用された商品名と曲[注 164]のテーマでもある「大人の恋の駆け引き」をイメージした一品で、希が大悟から初めて一貫した作成を命じられたケーキ[注 165]
しかし希はテーマの理解ができない上にケーキの要となるカスタードクリーム(クレーム・パティシエール)の製造が上手く出来ず練習で手首を傷めるなど行き詰る。ようやく完成させるものの大悟からは「小学生の初恋」と評され半額のアウトレット品としての発売を許される[注 166]
価格は2003年時点では500円だが[注 15]、2006年時点では450円にダウンした[注 6]
レ・キャトル・サン・クー(第13・15週)
元は上述した希が作成するジュ・テーム・モワ・ノン・プリュのアウトレット品で、数か月後に商品名変更の上で正式販売へ移行[注 15]
商品名称の直訳は「400回の殴打・大騒ぎ」という意味で、1959年フランス映画大人は判ってくれない』の原題である。
価格はアウトレット時が250円、正式販売開始の2003年では300円[注 15]、2006年時点では400円へアップしマ・シェリ・シュ・シュで売上ナンバー1を記録する日もある[注 6]
ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュとの相違は以下の点にある。
  • 見た目上の特徴となる網タイツに見立てたトッピングのチョコレートをパステルカラーで刷毛模様の円形チョコ数枚へ変更。
  • 食材面では子どもでも食べやすいようにパスティス入りビターチョコムース→ミルクチョコムースへ、ジュレ素材をサクランボイチゴへ変更。
フィエルテ(第13週)
フランス語で「プライド」と言う意味。カカオ64%のチョコレートを使ったムースの中に濃厚なキャラメルを含むケーキである。
横浜で開催された紺谷弥太郎の輪島塗展示会に同行した圭太が持参した蒔地の皿に合うケーキとして選定され希が作成する設定がなされた。またコラボレーションでは蒔地にあわせるため側面には食用粉を使ったチョコレートパーツを附帯させたほか、蒔地も風合いを生かすために食用金粉で枯山水をイメージした渦巻きを描くなどのアレンジが加えられた。
展示会当日の準備搬入中に浅井が転倒し全壊[注 167]。作り直すにも食材となるカカオ64%のチョコレートの在庫が底をつく絶望的状況に陥る。しかし希はカカオ77%と48%のチョコレ-トを調合させ作り出すことを考案し陶子と試行錯誤を繰り返した末に成功。浅井・美南・圭太の助けも借り時間ギリギリに完成させた[注 113]
サプライズケーキ(第14週)
退職する陶子に大悟が贈ったケーキ。トップには大悟自らクリームで「お疲れさま」と書いたチョコレート製メッセージプレートがデコレーションされる。
週のサブタイトルでもあるメッセージプレートの文字入れはパティシエにとって練習を強いられる難しい作業であり、その後のエピソードで希は弥生への指導に苦労することになる。
豆大福(第14週)
弥太郎が悩みを抱えると大福を食する習性から妻・やす子が手作りしていた菓子。
圭太と希の遠距離結婚を頑として反対する弥太郎の下へ桶作夫妻が訪問し、文が生前やす子に作り方を教えてもらった大福を差し入れ元治が説得。弥太郎を黙認に導く[注 77]
ウェディングケーキ(第15週)
希と圭太の結婚祝ケーキ。ケーキ全体は一徹とみのりが作成したものだが、高志・洋一郎も作成に参加。前週のテーマとなったメッセージプレートがトップにデコレーションされるほか、能登名産の羊羹も食材に使用する[注 6]
駄菓子バースデーケーキ(第15週)
榊原が妻との離婚を回避したいために希へ作成を依頼したケーキ。妻の嗜好が「高級志向ではなく駄菓子が好き」なことから食材ならびにトッピングに駄菓子を多数使用する。幸枝の助けを借りて完成[注 27]
カップスイーツ(第16週)
大手コンビニチェーン「Cショップ」での販売権を賭けた対決用として以下のプラスチックカップ入りスイーツ2品が作成された。
希作 ちょっぴりハレの日
販売価格は350円。高級感と格調高く高貴なイメージをモチーフにショコラパーツをトッピング。紫をイメージカラーにしていることからカシスムースやブルーベリージュレなどを重ねる。
一子作 幸せ貧乏家族
販売価格は99円。商品名称ならびにコンセプトはかつて希が「ロールケーキ甲子園」へ出場した際に作成したものからの盗用。家庭でも手に入れやすい食材を使用し、醤油ブラン・マンジェをメインにみたらしタレ抹茶ジュレなどを合わせる。
パリ・ブレスト(第17週)
菓子としての詳細はパリ・ブレストも参照。アンドレが紺谷漆器を訪れ輪島塗とフランス陶器とのコラボレーション打ち切りを示唆した際に希がもてなし用として作成。
表面の粉砂糖は日仏の友好と融合をイメージする白・赤にするほか、レモンクリームを使用するなどのアレンジが加えられる[注 168]
横浜ロールケーキ(第17 - 18週)
「マ・シェリ・シュ・シュ」退職の条件として自身に「美味い」と言わせるロールケーキをテーマに大悟が命じ、希が同店で身に付けた技やコンセプトを反映させ作成した一品[注 168]
大悟が味に納得しなかったことから数種類が作成[注 18]されたが、最初に作成された仕上げにチョコレートを上掛けしたタイプ[注 168]が最後に再び作成された[注 127]
じゃがいもガレット(第19週)
菓子としての詳細はガレットも参照。希がホットプレートで焼いて作成したものは、生地をクレープにしたスイーツタイプと蕎麦粉を使用した食事タイプの2種類。生地の下味ならびにじゃがいものボイルに元治の塩を使用する。
ウィークエンド(第20週)
希が慎一郎と千佳子の見合いの席用として作成したパウンドケーキ。作り置きしても週末まで日持ちし大切な人と共に食べることができることが名称の由来である[61]
作成過程で希がスカイパウダーと称するレモンの皮を頭上からすり下ろす技を見せるが、これは「料理の巨人」で西園寺が実演した技の再現である[注 95]
マルジョレーヌ(第21週)
赤字続きのため他の生ケーキをわかりやすい名称と価格下げを行った中でも希が妥協せずに拘ったフランスのホテルが発祥となるケーキ[53]。食材に暖かいバターと冷たい生クリームを使用するため作成には高度なテクニックが必要とされる。
希は仕上げとなるココアパウダーの上に店のロゴマークとなる「魔女姫の帽子」を粉砂糖で描くアレンジを加える。

オープニング

オープニングのコンセプトは以下に示すイメージを縦横に織りなすことを目指した。

  1. 能登にある「まれびと信仰[注 169]」を基にした人や文化が海から訪れる考え方。
  2. 夢を叶えてパティシエとなった希が大きなケーキを全身で作る姿を表現した土屋太鳳によるダンス[注 170]
  3. そのケーキを求めて集まる人々[62]

この結果映像的には以下の形で構成される。

  1. ローアングルに設定されたカメラを白のノースリーブワンピースを着用した希役の土屋太鳳が飛び越えるとホワイトバックになりタイトルロゴが表示される。続いてタイトルロゴを同じ位置にしたクッキーアイシングであしらった辻口博啓製作のデコレーションケーキ[63]へ切り替わり「連続テレビ小説」のクレジットが消えると土屋がクリームを指ですくって口にする。
  2. 琴ヶ浜海岸での土屋のダンス・ドラマの舞台となる能登の空撮や伝統文化・様々なケーキの映像。
  3. 土屋と約200人のエキストラ[62]が能登の自然の中を走り、ケーキを中心に様々な能登の産物が添えられた大きなテーブルに集合する。

アバンタイトルの有無にかかわらずタイトルロゴの右上には連続テレビ小説のクレジットが入る。アバンタイトルがある回では連続テレビ小説クレジットを基本的に画面下部に表示し、タイトルに魔女姫のイラストを添付する。

さらに出演者テロップは以下の特徴がある。

  • 「出演」表記は省略。
  • 表記スタイルは役名+出演者名もしくは出演者名で画面下側となるが、津村(紺谷[注 4])希(土屋太鳳[注 171])・津村徹(大泉洋)・津村藍子(常盤貴子)・桶作元治(田中泯)・桶作文(田中裕子)は、任意の位置に表示され画面中央に向かってスライドする。

なお、再放送を含めた月曜日は『カーネーション』『純と愛』『あまちゃん』『マッサン』などと同様にスタッフがクレジットされるためオープニングテーマがハーフコーラス分追加されたロングバージョンとなるほか、5月12日放送の第38話[注 1]では「連続テレビ小説」「まれ」のタイトル表示後はそのまま本編に入り同時に出演者テロップを表示。オープニングテーマをエンディングで流すという異例の演出が採用された。

また第18週以降は以下のリニューアルを実施した[64]

画面右側へオープニングテーマ歌詞のテロップ表示
7月27日放送の第103話から8月1日放送の第108話まで実施。
オープニングテーマの歌唱者・歌詞変更[65][66]
7月29日放送の第105話以降は歌唱を楽曲クレジット実施の上で能登主要キャスト17名の合唱[64]へ変更。
歌詞を第105 - 108話まで2番に変更して放送。8月3日放送の第109話以降は奇数話()が1番、偶数話()が2番で交互に放送。
画像の一部差し替え[64][65]
7月29日放送の第105話から今まで希一人で走っていたカットなどの一部を能登で新たに撮影された4組の夫婦(圭太・希/徹・藍子/一徹・みのり/元治・文)によるものへ差し替え。

オープニングテーマ

希空〜まれぞら〜(主題歌
作曲:澤野弘之(本作音楽担当)
作詞:土屋太鳳[67](1番)/谷上碧・谷上雪[64](2番)
  • ヒロイン役の土屋が執筆した経緯は、本人のブログに「輪島塗を見ていたら能登の夕日が見えた」と書かれていた件をスタッフが発見し、センスを見込んで依頼したものである[62]
  • 2番の歌詞は一般公募[68]で寄せられた12,722作の中から選出。
  • ヒロインによる作詞[67]ならびに一般公募[68]はいずれも連続テレビ小説史上初である。
  • 楽曲スタイルはオリジナル合唱曲であるが、後述するサウンドトラックには小林未郁の歌唱によるそれぞれ異なる英語歌詞バージョンとして、M-10「Song of ..」・M-16「Because of you」・M-20「Gray to Blue」の3曲が収録された[69]

エンディング

日めくりカレンダー形式で市橋織江が撮影したヒロイン土屋太鳳の写真を掲出する。ただし日によっては魔女姫人形などヒロイン以外の場合もある。土曜日放送分のみ画面左下隅に市橋をクレジット表示。

劇中歌

喝采
第4話 - 歌唱:中川翔子(作詞吉田旺作曲中村泰士
能登半島
第5・48話 - 歌唱:中川翔子(作詞:阿久悠・作曲:三木たかし
また会おう
第18・26・54・66・72・123話 - 歌唱:渡辺大知ほか(作詞・作曲:渡辺大知[70]
I am here
第24話 - 歌唱:内田慈(作詞・作曲:minakumari[71]
時の流れに身をまかせ
第37話 - 歌唱:テレサ・テン(作詞:荒木とよひさ・作曲:三木たかし)
切手のないおくりもの
第38話 - 歌唱:うみねこ座(作詞・作曲:財津和夫
甘い運命
第42話 - 歌唱:清水富美加(作詞:UA・作曲:朝本浩文
島人ぬ宝
第50話 - 歌唱:BEGIN(作詞・作曲・編曲:BEGIN)
2002年大晦日のシーンで桶作家のテレビに第53回NHK紅白歌合戦での「島人ぬ宝」歌唱映像が流れる2次使用の形態で出演。
Je t'aime… moi non plus
第67話 - 72話 - 歌唱:春野寿美礼[72](作詞・作曲:Serge Gainsbourg
木綿のハンカチーフ
第70話 - 歌唱:中川翔子(作詞:松本隆・作曲:筒美京平・編曲:筒美京平・萩田光雄
オリジナルの太田裕美歌唱バージョンに合わせてマキ役の中川が歌うスタイルが採られた。
イージュー★ライダー
第70話 - 歌唱:柳楽優弥(作詞・作曲:奥田民生
涙のふたり
第78・95・113・119・126話 - 歌唱:little Voice(作詞・作曲:渡辺大知)
上を向いて歩こう
第119話 - 歌唱:田中泯・田中裕子ほか(作詞:永六輔・作曲:中村八大

放送日程

サブタイトルには、原則としてその週のエピソードに関わるお菓子の名称が付帯する。

放送日 サブタイトル 演出
1 1 - 6 3月30日 - 4月4日 能登編
(第1部)
魔女姫バースデーケーキ 渡辺一貴
2 7 - 12 4月6日 - 4月11日 告白シュークリーム
3 13 - 18 4月13日 - 4月18日 卒業ロールケーキ
4 19 - 24 4月20日 - 4月25日 さよなら桜もち 一木正恵
5 25 - 30 4月27日 - 5月2日 情熱ミルフィーユ
6 31 - 36 5月4日 - 5月9日 母娘キャロットケーキ
7 37 - 42 5月11日 - 5月16日 横浜編
[注 1][注 2]
横浜激辛プチガトー[注 172] 渡辺一貴
8 43 - 48 5月18日 - 5月23日 危機的クリスマスケーキ 西村武五郎
9 49 - 54 5月25日 - 5月31日 再出発エンゲージケーキ
10 55 - 60 6月1日 - 6月6日 逆転一発パンケーキ 一木正恵
11 61 - 66 6月8日 - 6月13日 泥沼恋愛チョコレート 渡辺一貴
12 67 - 72 6月15日 - 6月20日 官能カスタードクリーム 西村武五郎
13 73 - 78 6月22日 - 6月27日 運命カカオ64% 川上剛
14 79 - 84 6月29日 - 7月4日 絶体絶命メッセージプレート 一木正恵
15 85 - 90 7月6日 - 7月11日 下克上駄菓子ケーキ 渡辺一貴
16 91 - 96 7月13日 - 7月18日 絶縁コンビニスイーツ 西村武五郎
17 97 - 102 7月20日 - 7月25日 究極選択パリブレスト 一木正恵
18 103 - 108 7月27日 - 8月1日 能登編
(第2部)[注 3]
親心ロールケーキ 村橋直樹
19 109 - 114 8月3日 - 8月8日 潮時じゃがいもガレット 渡辺一貴
20 115 - 120 8月10日 - 8月15日 男たちのウィークエンド 西村武五郎
21 121 - 126 8月17日 - 8月22日 復活マルジョレーヌ 一木正恵

放送日程変更

  • 4月1日(第3話再放送) - 第87回選抜高等学校野球大会決勝戦中継生放送のため12:15開始予定とされていたが、降雨により試合開始が13:30となったことから通常通り12:45から放送。
  • 5月29日(第53話再放送) - 2015年の口永良部島噴火に関する報道特別番組のため九州・沖縄地方のみ翌30日12:30 - 12:45に放送。
  • 8月6日(第112話本放送) - 広島平和記念式典中継のため中国地方エリアは07:45 - 08:00、他エリアは当初08:35 - 08:50放送予定とされたが中継延長のため08:39 - 08:54に放送。

キャッチアップ放送

  • 4月19日 00:55 - 01:55 - 『NHKとっておきサンデー』内で放送中の20分ダイジェスト「まれ1週間」1 - 3週分を放送。第3週は先行放送となるためNHKとっておきサンデー枠では事実上再放送。

総集編

前編
2015年6月13日・総合16:30 - 17:59(再放送 同月15日・総合00:55 - 02:24) - 第1 - 11週のダイジェスト。

スタッフ

  • 脚本 - 篠﨑絵里子
  • 音楽 - 澤野弘之[73]
  • 語り - 戸田恵子
  • 副音声解説 - 松田佑貴
  • 「まれ1週間/5分でまれ」ナレーター - 守本奈実(NHKアナウンサー)
  • 制作統括 - 高橋練
  • プロデューサー - 長谷知
  • 演出 - 渡辺一貴・一木正恵・西村武五郎・川上剛・村橋直樹
  • 製菓指導 - 辻口博啓
  • 輪島ことば指導 - 塩山誠司
  • 塩田作業指導 - 角花豊
  • 輪島塗指導 - 稲木正伸・大崎庄右エ門
  • 理容指導 - 中川勝利
  • 合唱指導 - 河合夕子
  • 太極拳指導 - 内田愛
  • 占い指導 - 八木智美
  • フランス語指導 - 杉山利恵子
  • 裁縫指導 - 小林操子
  • 医事指導 - 内山真一郎
  • ポスター・エンド撮影 - 市橋織江
  • 衣装コーディネスト - 高山エリ・会田梨恵
  • 美術 - 西川彰一
  • 編集 - 佐藤秀城
  • 技術 - 大須賀弘之
  • 音響効果 - 佐々木敦生
  • 記録 - 岡崎正亮
  • 撮影 - 大和谷豪
  • 音声 - 井上裕一
  • 美術進行 - 佐藤綾子
  • 照明 - 木村中哉
  • 映像技術 - 吉永勇
  • 撮影協力 - 石川県・石川県輪島市・神奈川県横浜市

関連番組

以下には特に関連の深い番組のみを挙げる。

  • まれのレシピブック(2015年3月26日・総合)
  • もうすぐ連続テレビ小説「まれ」
  • NHKプレマップ
    • 以上2015年3月中随時[注 173](総合・BSP) ドラマの見どころ・メイキング映像・レシピブックのほか「もうすぐ…」ではヒロインオーディション映像を放送。
  • LIFE!〜人生に捧げるコント〜
    • 「LIFE!まれコラボSP」(2015年5月7日・総合) - ゲスト:土屋太鳳・大泉洋・田中泯・清水富美加 レギュラー:塚地武雅
  • まだ間に合う!まれ(2015年5月9日・総合10:55 - 11:20[注 174] / BSP・17:30 - 55)
    • 能登編まとめならびに横浜編の先出し。希の子供時代を演じた松本が横浜編収録中の土屋を訪問ならびにインタビューを放送。
  • 金とく
    • 「まれ旅! 能登はやさしや土までも[74]」(2015年5月24日・総合00:05 - 00:48[注 175]) - ゲスト:篠井英介・清水富美加・ガッツ石松・高畑裕太

イベント

反響・関連ニュース

視聴率など

  • ビデオリサーチ2015年3月31日調べによる初回の平均視聴率は関東地区で21.2%、関西地区で20.7%。関東地区では2013年度前期『あまちゃん』から5作連続初回視聴率20%超えを維持[79]。関西地区での初回視聴率20%越えは2003年度後期『てるてる家族』以来である[80]
  • 泉麻人水島宏明木村和久などが作風について『あまちゃん』との共通点を指摘した[81][82][83][84]

経済への影響

興能信用金庫による中小企業景況調査によれば、本作放送が開始された2015年4 - 6月期のデータでは能登地方の観光業における業況判断指数(DI)はプラス61.9となり、前期の同年1 - 3月期のマイナス30.4から大幅に改善。漆器業でもマイナス17.6からプラス20.0への躍進がみられた。北陸新幹線金沢延伸開業と本作の放送による効果と分析された[85]

コラボレーション

関連商品

映像商品

連続テレビ小説「まれ」完全版 BOX1
収録内容 DVD版 品番 Blu-ray版 品番 ディスク枚数
第1 - 6週 NSDX-20952 NSBX-20949 3
2015年8月21日発売 (NHKエンタープライズ

音楽商品

NHK連続テレビ小説「まれ」オリジナルサウンドトラック
タイトル タイトル読み 楽曲スタイル
1 希空〜まれぞら〜 マレゾラ ボーカル
2 MWp エム ダブリュー ピー インストルメンタル
3 THANKS サンクス
4 mio MARE ミオ マーレ ボーカル
5 BECAUSE ビコーズ
6 Mt氏 ヤマシ インストルメンタル
7 Blume im Meer ブルーメ イン メア ボーカル
8 AM8 エーエムエイト インストルメンタル
9 Otto64 オットロシ
10 Song of .. ソング オブ ボーカル
11 ERAM エラム インストルメンタル
12 FMD エフエムディー
13 The Best for You ザ ベスト フォーユー ボーカル
14 ROtu9中 ロックチュウ インストルメンタル
15 n48 ヌシヤ
16 Because of you ビコーズ オブ ユー ボーカル
17 PFsignal ピアノシグナル インストルメンタル
18 I II III IV イチニサンヨン
19 4D フォーディー
20 Gray to Blue グレイ トゥ ブルー ボーカル
2015年4月29日発売 (ソニーミュージックエンタテインメント・SRCL-8806)
※初回仕様限定版は以下の特典付
「『魔女姫』オリジナルステッカー」・「まれ」タイトルロゴステッカー・「魔女姫人形」
NHK連続テレビ小説「まれ」オリジナルサウンドトラック2
2015年7月15日発売 (ソニーミュージックエンタテインメント・SRCL-8867)
NHK連続テレビ小説「まれ」オリジナルサウンドトラック3〈完結編〉
2015年9月2日発売 (ソニーミュージックエンタテインメント・SRCL-8901)
涙のふたり/ここで会おう-バンドver.- little voice
タイトル 楽曲スタイル
1 涙のふたり ボーカル
2 ここで会おう-バンドver.-
3 涙のふたり インストルメンタル
4 ここで会おう-バンドver.-
2015年8月12日発売 (ソニーミュージックエンタテインメント・SRCL-8894)
※初回仕様のみlittle voiceワンマンライブフライヤー封入[46]
“まれ”のケーキ「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」春野寿美礼
タイトル 楽曲スタイル
1 Je t'aime... moi non plus ボーカル
2 行かないで
3 男と女 Un homme et une femme
4 Je t'aime... moi non plus インストルメンタル
5 行かないで
6 男と女 Un homme et une femme
2015年8月26日発売(ソニー・ミュージックダイレクト・MHCL-2554)
劇中ジャケット仕様・ドラマ関連写真入りブックレット[72]

書籍

NHKドラマガイド・連続テレビ小説 まれ
著者 発売日 発売元 ISBN
Part1 篠﨑絵里子
NHKドラマ制作班
2015.03.25 NHK出版 ISBN 978-4-14-923571-4
Part2 2015.07.25 ISBN 978-4-14-923572-1
NHK連続テレビ小説 まれ(ノベライズ
著者 発売日 発売元 ISBN
篠﨑絵里子
丸山智(上)
田渕高志(下)
2015.03.31 NHK出版 ISBN 978-4-14-005660-8
2015.08.25 ISBN 978-4-14-005661-5
オリジナル楽譜シリーズ NHK連続テレビ小説「まれ」希空〜まれぞら〜
作詞 作曲 発売日 発売元 ISBN
土屋太鳳 澤野弘之 2015.04.18 NHK出版 ISBN 978-4-14-055347-3
NHK連続テレビ小説 まれ お菓子レシピブック
著者 発売日 発売元 ISBN
辻口博啓・NHKドラマ制作班 2015.08.08 NHK出版 ISBN 978-4-14-199217-2
NHK連続テレビ小説 まれ 写真集
撮影 モデル 発売日 発売元 ISBN
市橋織江 土屋太鳳 2015.09.16 NHK出版 ISBN 978-4-14-407212-3

脚注

注釈

  1. ^ a b c 第7週のうち5月11日放送の第37話は「希の輪島市役所辞職」。翌12日放送の第38話は「横浜へ旅立つ希」が主内容でいずれも能登でのドラマ展開。このため実質的な横浜編のスタートは同月13日放送の第39話以降である。
  2. ^ a b 第9週(49 - 54話)は、2002 - 2003年の年末年始に希が帰省した能登での出来事を描いているため横浜での描写がまったくない。
  3. ^ a b 第18週のうち7月27日放送の第103話は「希のマ・シェリ・シュ・シュ退職」。翌28日放送の第104話は「能登への帰郷」が主内容でいずれも横浜でのドラマ展開。このため実質的な能登編(第2部)のスタートは同月29日放送の第105話以降である。
  4. ^ a b 第85話よりクレジット表記を変更。
  5. ^ データ放送では、初回放送から土屋の名前だけが表示され、子供時代を演じる渡邊及び松本への名前変更はない。
  6. ^ a b c d e f 第85話。
  7. ^ 市役所を辞めパティシエを目指した際(第38話)や一流パティシエならびに結婚への道(第63話)などチャート図式化する[27]
  8. ^ 陶子からは「正しすぎて気持ち悪い」と言われる(第58話)[29]。一子のキャバクラ勤めが借金によるものと思い込み貯金通帳を手渡そうとしてより反発される(第93話)[30]
  9. ^ ただし、二木高志の家族に関する描写はドラマ内で一切ない。
  10. ^ 第38話。
  11. ^ 第40話。
  12. ^ a b c 第48話。
  13. ^ a b c 第60話。
  14. ^ a b c d 第79話。
  15. ^ a b c d e 第73話。
  16. ^ 最初に指摘したのは浜田であるが[注 15]、エピソード的には5歳時に食べたバースデーケーキを製造した店で当初は修業しようとしたが味に違和感があったことから辞退(第39話)。食材候補として送られたサンプルのアーモンドで高価格かつ高品質を言い当てる(第67話)。高級フレンチレストランで供されたデザートのイチゴを能登産と断定する(第69話)・カカオ77%と48%のチョコレ-トを調合させ64%の味を作り出す際に試食し決定を下す(第84話)など事欠かない。また大悟も絶大的信頼をしており、新作ケーキの試食で酸味が足りないと指摘され作り直す(第98話)。
  17. ^ a b c 第97話[32]
  18. ^ a b c 第103話。
  19. ^ a b c d 第124話。
  20. ^ 第54話 徹が藍子へ渡した離婚届から確認。
  21. ^ 第75話 社名を確認。
  22. ^ a b c 第75話 ただし離婚届は役所に提出していないため実態は遠距離別居婚である。
  23. ^ a b c d e 第54話。
  24. ^ a b c d 第56話。
  25. ^ 第61話。
  26. ^ a b c 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「88th_story」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  27. ^ a b c d 第90話。
  28. ^ 第100話。
  29. ^ a b 第116話。
  30. ^ 第119話。
  31. ^ 第120話。
  32. ^ a b 第32話 藍子が母に宛てた招待状で確認。
  33. ^ 第75話 徹と藍子の離婚届から確認。
  34. ^ a b 第58話。
  35. ^ 第94話。
  36. ^ 3年後に上手くいかなかったら能登での就職が条件。
  37. ^ a b c 第51話。
  38. ^ a b c 第114話。
  39. ^ 第72話 クレジット表記を変更。ただし松田佑貴による副音声解説ならびに第73話のクレジット表記では旧姓とされた。
  40. ^ 第122話 みのりの名刺より確認。
  41. ^ a b 第122話。
  42. ^ a b c 第53話。
  43. ^ a b c d 第72話。
  44. ^ 第113話。
  45. ^ 第88話。
  46. ^ 俳優ではなく本職はパティシエである[23][35]
  47. ^ 第92話 スイーツ対決でわんこ(一子)と希のどちらが勝つかで秘密のキノコの場所を賭けるシーンなど。
  48. ^ 第53話 文自身が発言。
  49. ^ 第109話。
  50. ^ 哲也はこれ以前に桶作家へ電話をかける設定がある。
  51. ^ 第87話 「アパレルで働いとった」と一子自身が発言。しかし実態は小売店(ブティック)である。
  52. ^ a b 第70話。
  53. ^ 第87話 閉店後に「店長は大阪帰ってんけど」と一子が言及。
  54. ^ a b c d 第80話。
  55. ^ 1967年のフランス・イタリア合作映画『昼顔』の原題。
  56. ^ a b 第87話。
  57. ^ a b c 第96話。
  58. ^ a b 第76話。
  59. ^ 「嫌い」と直接言う[注 58]。希の一子への思いやりにも反発して攻撃する[30]など。
  60. ^ 第95・96話[36][37]
  61. ^ 第72話 夏の成人式で「なんで俺だけジュース?」に対して「11月生まれなんだから」とみのりが言及。
  62. ^ 第86話。
  63. ^ 第92話。
  64. ^ 第93話。
  65. ^ 第115話 手製のお守りから確認。
  66. ^ 戦後日本で標準語は定められてないことから、NHKでは原則「共通語」という表現が使用されるが、本劇中では「標準語」として表現された。
  67. ^ a b c d 第42話。
  68. ^ 第70話 「だから言ったでしょ。男と東京両方は無理だって」とマキ自身が言及。
  69. ^ 第93話 「あんたと一子は姉妹みたいに暮らしとった」と文が言及。
  70. ^ 第91話。
  71. ^ a b c 第83話。
  72. ^ a b c 第66話。
  73. ^ a b 第69話。
  74. ^ 職人として初めて作った輪島塗のを希に餞別として贈った反面(第38話)、一子へは二番目に作った箸を贈る(第48話)。さらに横浜で修業中の希へ応援電報を送る(第45話)などした。
  75. ^ 第78話。
  76. ^ 第83話 相手としてクレジットなしで比嘉愛未が写真のみで出演。なお比嘉はどんど晴れ2007年)でパティシエから女将に転進する夏美を演じた連続テレビ小説ヒロイン女優である[38]
  77. ^ a b c d 第84話。
  78. ^ a b 第81話 弥太郎自身が発言。
  79. ^ 第84話 「やす子や死んでもう何十年になるげ」と元治が言及。
  80. ^ 第8・14話。
  81. ^ 第30話。
  82. ^ 第8話。
  83. ^ 第99話。
  84. ^ a b 第105話。
  85. ^ 第85話 希と圭太の結婚届の証人欄で確認。
  86. ^ 第37話で初出。ただし第107話で激怒が演技で本心ではないと歩き回らないことを希に見抜かれる。
  87. ^ このため希との結婚で圭太に釘を刺すシーン(第83話)や年季明け式(第84話)で弥太郎の家(紺谷漆器)を訪れても敷居は決して跨がなかったが、自身が5代目紺谷弥太郎を襲名すると宣言した以降は敷居を跨いだ(第106話)。
  88. ^ 第106話。
  89. ^ 第107話。
  90. ^ 希と圭太の結婚のみならず、博之が式場探しの情報収集をしていたこと(第85話)。博之が5代目紺谷弥太郎を襲名宣言した本当の理由(第106話)などを把握。
  91. ^ 第19話 希に対して新谷が「この人裏市長だよ」ささやくシーンがある。
  92. ^ 第108話。
  93. ^ 第115話は見合い用写真としてのみ、第117話は回想シーンでの出演。
  94. ^ 第117話は回想シーンでの出演。
  95. ^ a b 第118話。
  96. ^ a b 第125話。
  97. ^ a b 第126話。
  98. ^ a b c d e f 第57話。
  99. ^ 第86話 輪子が言及。
  100. ^ a b 第59話 42歳の時点でパティシエだった先妻を亡くしていたことが明らかになる。また店名は先妻に由来する。
  101. ^ a b 第66話 先妻と死別し菓子を作れなくなった大悟の復帰トレーニングに徹夜で付き合ったものの途中で寝てしまう。翌朝目を覚ましたときに大悟から「おはよう」と言われ恋に落ち再婚に至ったという輪子のセリフがある。
  102. ^ a b c d 大悟と美南。輪子と大輔。大輔と美南の間には血縁関係がない。
  103. ^ 第57話 高校卒業後19歳で老舗ホテルに就職。22歳で渡仏し修業。32歳で帰国。46歳でパティシエ界のワールドカップ的存在となるクープデュモンドで優勝。
  104. ^ a b c 第40話 常連客が他店のケーキを持って店前を通っただけで閉店。常連客がいつも買うモンブランを偶々買わなかったけで小一時間問い詰める。常連客が来店しなくなると店頭で待ち伏せして理由を問い正そうとする。再開店したかと思ったら30分で閉店などと常連客が説明した。
  105. ^ 「料理の巨人」リハーサルで発覚し、輪子が言及(第58話)。また師匠である幸枝が帰国し来店するだけでも緊張し、新作ケーキのルセットで使用する食材量を間違える・普段は好物である珍が作る激辛料理を受けつけなくなる・ぎっくり腰を誘発するなどの描写がある(第86 - 88話) 。
  106. ^ 第43話 「28にもなってフラフラしてる」という美南のセリフがある。
  107. ^ 美南のセリフ(第64話)ならびに魔女姫のナレーション(第69話)。
  108. ^ 「上に家族住んどるがに…自分だけ別に暮らして自由に生活して」(第63話 希のセリフ)ならびに「お前が中学生の頃『そうかな』って思う事があって…だから家を出て一人で暮らした」(第65話 大輔のセリフ)ならびに[40]より。
  109. ^ a b c 第45話。
  110. ^ 第68話。
  111. ^ 第63話。
  112. ^ 第77話。
  113. ^ a b 第78話。
  114. ^ 圭太が結婚指輪を希に渡そうとした瞬間に取り上げ希の指にはめる(第85話)。希が圭太へ悩みの相談電話中に邪魔しアドバイスをする(第93話)。
  115. ^ 第62話 希が見せた人生計画書に27歳で結婚と書かれていたことに対し「とうの昔に通り過ぎた」と言及。
  116. ^ クリスマス時期のパティシエの多忙度について「陶子さんだって、もうずっとカレシいない」という美南のセリフならびに「キスしたの何年前だっけ」と悲嘆に暮れる(第43話) 。出会いの無さを希に問われ激怒し「どこで出会うのよ?朝から晩まで働いて」という陶子自身が言及(第62話)など多数の描写がある。
  117. ^ イケメンパテイシェである西園寺の名を聞きうっとりする(第57話)。担当の宅配便業者(演 - 康本将輝)にひと目ぼれするが左手薬指の指輪を発見し態度を急変(第61話)。マ・シェリ・シュ・シュに来店した圭太に夢中になる(第74話)などの描写がある。。
  118. ^ 過去には浅井の友人らとの(第61話)。希・美南に同行した珍がセッティングした大学生らとの(第62話)合コンへ参加するほか、合コン用に新たなドレスを購入したり19歳と年齢詐称することもある(第62話)。
  119. ^ 第80話 陶子自身が発言。
  120. ^ 第80話 「元区役所勤務」と弥生自身が発言。
  121. ^ 第80話 ボールに入っていたグラニュー糖をボールごと溢す。リンゴの皮も満足に剥けない。さらには大悟が作ったケーキに指で穴を開けて怒りを買う。
  122. ^ 第85話 天中殺でのシーンで演じる福田のレパートリーから滝川クリステルYOUボビー・オロゴンを実演。
  123. ^ 第104話 珍が自身で発言。
  124. ^ 担々麺(第39話)・麻婆豆腐(第41話)・酸辣湯麺(第42話)・回鍋肉(第43話)・青椒肉絲(第45話)・海老餃子ならびに五目炒飯(第55話)などを供するが、珍自身がセリフで「激辛+料理名」を言うのがお約束になっている。
  125. ^ 池田(秋元)・佐竹(大倉)・平井(磯村)と自己紹介する。
  126. ^ 第62話。
  127. ^ a b 第104話。
  128. ^ 第98話 粉飾決算事件で逮捕を報じるネットニュース記事の画面では2007年5月12日のタイプスタンプがある。
  129. ^ a b 第97話 逮捕を報じるモニター内画像のテロップで確認。
  130. ^ 第57話 徹の携帯電話には「マガジンホーム 坂本」と表示される。
  131. ^ 第57話 大悟の激怒で一旦はボツとなったマ・シェリ・シュ・シュの取材から趣旨を変更し、西園寺に同店のケーキを試食させることで坂本が記事化した。
  132. ^ a b 第15 - 16話は司会者、第60話では司会でクレジットされるほか、同一人物であるかは不明。
  133. ^ 製菓指導を担当するため「審査員(製菓指導)」とクレジット。
  134. ^ a b 第95話 なだぎ・中村とも「司会(アシスタント)+実名」を名乗るシーンがある
  135. ^ 第117話。
  136. ^ 第117 - 119話。
  137. ^ 2001年当時にブレイク。
  138. ^ 本放送時は役名のクレッジトはなかったが、「総集編 前編」ならびに『NHKウイークリーステラ』2015年7月10日号「プレーバック企画 こんなところにあの人が!?」で四谷とクレジットされた。
  139. ^ a b 第57話 坂本が徹に電話をかけるシーンで確認。
  140. ^ 第101話 アンドレ自身が趣を感じ、圭太から互いに引き立てあう作品を仕上げたい意気込み聞かされるなど複合要因もある。
  141. ^ 第34話 ヨーロッパでは家族の幸せや料理が美味しくなる願いを込めて台所にぶら下げる風習があると幸枝が説明する。
  142. ^ ゴン太役の犬はペットモデルのイチロー。「花子とアン」では村岡家で飼われていたテルを演じた実績がある[43][44]
  143. ^ 希以外にも徹・藍子・元治がこの呼称を使う。
  144. ^ 第43話。
  145. ^ 8月の夏祭り(第6話)・輪島大祭へのキリコ参加(第12話)・正月アマメハギ(第50 - 51話)など。
  146. ^ 「能登という土地は土までも優しいのだから、人はいかばかりか」という意味。
  147. ^ 第35話。
  148. ^ 第73 - 78・100 - 101・108話。
  149. ^ 第121話。
  150. ^ 第123話。
  151. ^ 第25話。
  152. ^ 第50話。
  153. ^ 藍子との離婚問題が浮上していた2002年の年末に徹は就職の誘いを受ける[注 152]。一旦は断ることにしたものの藍子の決意は固く離婚[注 22]に合意した上で就職する[注 23]
  154. ^ 第95・96話[14]
  155. ^ 第59話 徹のリサーチで判明。
  156. ^ 第45話 店を畳んでいる間は輪子から「働かざる者食うべからず」と言われ「天中殺」で給仕のアルバイトをする。
  157. ^ a b 第55話。
  158. ^ 第56話 「店員専用料金は30,000円だが、一度解雇された希には65,000円の通常料金を適用」と輪子が言及。
  159. ^ 「料理の巨人」審査員役のうち服部幸應は解説者で、辻口博啓は挑戦者で『料理の鉄人』の出演経歴がある。
  160. ^ 主催者(『料理の鉄人』では主宰)の「私の記憶が確かならば…」のセリフ・巨人(鉄人)と挑戦者の対決形式で双方にキャッチフレーズを付ける(大悟は「眠れる巨匠」、西園寺は「スイーツ界の貴公子」)・テーマ食材(「料理の巨人」では柚子)を使用し制限時間(60分)以内で調理を終える・審査員によって勝者を決定など。
  161. ^ 第69話 希がセリフで言及。
  162. ^ イチジク能登芋など。
  163. ^ 大悟は上述したクリスマスケーキのルセットを浅井に譲ったことを理由に希を試用期間終了後に一旦解雇しているが(第48話)、その後も横浜に戻りメレンゲ作りの練習を繰り返していたことを把握している(第58話)。
  164. ^ この週の劇中歌でもある。
  165. ^ 第67話。
  166. ^ 第71話。
  167. ^ 第77話。
  168. ^ a b c 第102話。
  169. ^ 外部から訪れる人を歓待する考え方。
  170. ^ 大学でダンスを専攻している土屋の身体能力を活かしたいと考えたスタッフが、土屋に1分半「全身でケーキを作るイメージを“即興”で踊ってください」と依頼したもので土屋はセッティング合間の30分でイメージを作りダンスシーンを撮影した[62]
  171. ^ ただし第1 - 5話は少女期のため松本来夢。
  172. ^ フランス語で「小さな菓子」。一般には一人用のケーキを意味する。
  173. ^ 5月に横浜編の予告も放送。
  174. ^ 再放送は10日00:55 - 01:20であるが、近畿・四国九州は本放送時が別番組のため再放送が初回扱いとなる。
  175. ^ 本番組は中部地区7県(静岡県愛知県岐阜県三重県福井県・石川県・富山県)限定の名古屋放送局制作ローカル番組。「まれ旅! 能登はやさしや土までも」はこの7県のみ2015年5月15日20:00 - 20:43に総合枠で放送されたことから全国放送では再放送となる。
  176. ^ 中川翔子オフィシャルブログ『しょこたん☆ぶろぐ』で当日のセットリスト[77]ならびにアンコールで観客とオープニングテーマ「希空〜まれぞら〜」合唱[78]についての記事で本作との関連を言及。

出典

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外部リンク

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
マッサン
(2014年度下半期)
まれ
(2015年度上半期)
あさが来た
(2015年度下半期)
NHK総合テレビジョン NHKとっておきサンデー』内コーナー
マッサン 一週間
まれ 一週間
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