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日本の環境と環境政策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京のスモッグ

日本の環境と環境政策(にほんのかんきょうとかんきょうせいさく)では、日本の自然環境に関する実績政策状況問題とその推移を扱う。

環境問題と環境政策の動向

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公害の発生とその対策

日本の環境政策の出発点は、国における施策よりも地域住民の生活に密着した問題として、特に大規模工業地域を有する地方自治体が率先して対策を行い、公害規制のための条例を制定してきた。1949年(昭和24年)の東京都工場公害防止条例をはじめとして、1950年(昭和25年)に大阪府、1951年(昭和26年)に神奈川県が独自の公害防止条例の制定を行っている。

国においては、1950年代水俣病等の公害の発生とその対策として、広範に生活の質を目標とするよりむしろ健康目標に重点を置いた施策を行ってきた。そのため、自主的取組規制的手法が多用される傾向にあり、当時発足した公害対策本部等の組織や、公害対策基本法等、初期の環境法もそれを目的としてきた。

環境庁の発足と自然環境保全法の制定

その後、環境庁(当時)が発足し、ほぼ同時に制定された自然保護の基本法としての役割を担った自然環境保全法1972年(昭和47年)6月22日公布)やその他法令により、生活環境施設の整備、自然環境や文化的遺産等の保全といった幅広い環境対策へと拡大してきた。

環境基本法の制定とその後の動き

現在、日本の環境政策の基本的方向を示す基本法は、環境基本法1993年(平成5年)11月19日公布)である。これにより公害対策基本法は廃止され、自然環境保全法は環境基本法に取り込まれる形で改正された。

環境基本法の制定後も、環境法制にはいくつかの大きな動きが見られる。

一つは、1997年(平成9年)の環境影響評価法の制定である。これによって、大規模開発事業等における環境アセスメントが制度化されたが、開発事業等を進めるために環境への影響が軽く見積もられる傾向があるなど、今後への課題が残されている。

同じく1997年(平成9年)12月には京都会議が開催し、京都議定書が採択された。これを契機に地球温暖化対策やリサイクル関連の法令が制定された。例えば、1998年(平成10年)には「地球温暖化対策の推進に関する法律」(地球温暖化対策推進法)の制定及び「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)の改正、2000年(平成12年)には「循環型社会形成推進基本法」の制定等があげられる(下記「日本の公害法」中「リサイクル等の推進」を参照)。

さらに自然保護活動の高まりなどを受けて、2002年(平成14年)の「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」の大幅な改正による「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」の制定や「自然公園法」の改正などの動きに加え、積極的な自然保護の手段として人の力での自然再生を推進する自然再生推進法が制定された。

2007年(平成19年)には北九州を中心とした広域で光化学スモッグが発生するなど、中国からの越境汚染が深刻化している。[1]

2008年5月には、野生生物保全の具体戦略や年次報告書の作成、戦略的環境アセスメントの実施を盛り込んだ生物多様性基本法が成立した。

環境問題と環境政策史

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母体となったのは、内閣公害対策本部(総理府公害対策室を含む)、厚生省(大臣官房国立公園部、環境衛生局公害部)、通商産業省(公害保安局公害部)、経済企画庁(国民生活局の一部)、林野庁(指導部造林保護課の一部)など。
厚生省より、廃棄物処理行政を移管

環境に関する条約・法令

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基本法

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  • 環境基本法(1993年(平成5年))
    環境政策を総合的に推進する/持続可能な社会の構築
    公平な役割分担の下、人々が自主的積極的に取り組めるようにする
    科学的知見の充実のもとでの環境保全上の支障の未然防止
    基礎となる基準環境基準)と計画環境基本計画)の策定
    国際的協調のもとに地球環境保全に取り組む
    公害防止計画の策定

公害対策

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公害対策の基本指針
公害防止の推進
被害者の救済
紛争の処理
処罰の規定
大気環境 - 大気汚染
大気環境 - 騒音
大気環境 - 振動
大気環境 - 悪臭
水環境 - 水質汚濁
土壌環境 - 土壌汚染
土壌環境 - 地盤沈下
化学物質
その他の公害
  • 公害紛争処理法/公害防止事業費事業者負担法・公害防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律

自然保護

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自然保護の基本指針
自然景観の保護
森林生態系の保護
河川生態系の保護
湖沼生態系の保護
海洋生態系の保護
海岸生態系の保護
都市緑地等の保存
野生生物保護
自然環境への影響の評価
自然再生事業の実施
自然保護法による規制の緩和
土地利用等の規制等

その他

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廃棄物対策・リサイクルの推進
化学物質対策
地球温暖化対策・省エネルギーの推進
オゾン層破壊対策
酸性雨対策
環境教育の推進
環境NGOの支援
  • 環境事業団地球環境基金
  • NGO助成金制度
  • 地球環境パートナーシッププラザの設置
環境に関する調査・研究
事業者に対する助成

関連項目

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参考文献

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環境法の選択、問題点に関しては下記の図書を参考とした。

  • 公務員研修双書 環境政策(橋本道夫
  • 環境政策学 環境問題と政策体系(石坂匡身
  • OECDレポート:日本の環境政策(OECD)

脚注

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外部リンク

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国際機関

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日本

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