観光公害
観光公害(かんこうこうがい)とは、観光がもたらす弊害を公害に譬えた表現である。
具体的には、現地住民が文化的に受け入れがたい行為の横行、プライバシーの侵害、観光客受け入れのための開発に伴う環境破壊や景観破壊[* 1]、文化財や遺跡の想定を超えた傷み[* 2]などといったもののほか、車両の乗り入れによる震動・騒音・排気ガス・渋滞、ゴミのポイ捨て、その他様々なトラブルが考えられる。
日本語の「観光公害」を英語に翻訳すると"tourism pollution"[1](直訳で『観光汚染」)になるが、英語圏では「オーバーツーリズム」ほど一般的な言葉にはなっておらず、日本語でいう「観光公害」については「観光の影響」の範疇で語られている。
各国の事例
[編集]日本
[編集]日本においては、2010年代、ユネスコ世界遺産登録直後に見られる過度の訪問者数の増加が顕著化した。例えば白川郷・五箇山の合掌造り集落では前述のほぼ全ての事象が報告されている。富士山では登山者増加による環境負荷を危惧し、その抑制を講じることが登録条件の一つとされ、2016年2月までにイコモスへ対応策提出が求められていた[2]。最終的にユネスコ世界遺産への推薦を取り下げた鎌倉も、イコモスによる現地視察調査のレポートで、慢性的な交通混雑が及ぼす文化財への影響を指摘され、「不登録」を勧告された[3]。
韓国人や2010年代後期に急増した中国人観光客のマナーの悪さ(文化財・環境保護地区における立入禁止区域への侵入や喫煙とポイ捨て等)が問題になっている[4][5]。とりわけ、文化財への落書きや不適切な場所での排便などといった行為は、現地住民や報道でそれを知る日本人にとって許容しがたい蛮行であり、強い反感を生み出す原因になってしまっている[6][* 3]。ただし、反日を動機にそれらを行う者もいて、この場合はテロリズムの犯行であって観光とは関係ない[要出典]。このほか、需要が伸びつつある民泊での住民とのトラブルも懸念されている[7]。
北海道上川郡美瑛町の「哲学の木」は、美しい畑の景観の中に立つ見栄えのするセイヨウハコヤナギ(イタリアポプラ)の古木で[8][9][10]、美瑛町の観光地としての知名度を向上させる存在となったが[10]、その実態はいつ倒れてもおかしくない老木で[8][9]、耕作期に倒れた場合の経済的損害は、土地所有者にとって無視できないものであった[8][9]。しかしそれでも遠くから来た観光客が「この木を楽しんでくれている」ということで処分せずにいたところ[8]、勧告を無視したマナーの悪い観光客による畑への侵入と踏み荒らしが目に余るようになり[8][9][10]、いくら注意しても後を絶たない事態にまで陥ったことで[8][9]、2016年2月24日、土地所有者は悩んだ末にやむなく木を倒すに至った[8][9][10]。報道では伐採したことになっているが[9]、伐るまでもなく簡単に倒壊した[8][10]という。この件に関して観光公害に当たるのは、観光客が耕作地を踏み荒らし続けたことと、土地所有者の好意が踏みにじられたことに尽きる。そのほかには、当初の報道の誤りが正されないことによる齟齬が大きい。
京都市では、2015年の年間観光客数が過去最多の5,684万人に達したことを受け、翌2016年10月に宿泊施設の積極誘致の姿勢を示し、その後も訪日外国人の増加が続いたこともあって、客室数は当時の約3万室から、2019年3月現在で1.5倍以上に当たる約4万6,000室に増えたが、その反面、市中心部の急激な地価高騰や、観光客らによるゴミのポイ捨てや騒音などによる周辺住民とのトラブルも顕在化し(後述)、2019年11月には「市民の安心安全と地域文化の継承を重要視しない宿泊施設の参入」は望ましくないとして、事実上新規の宿泊施設の開業に歯止めを掛ける方針に転換するに至った[11]。しかし、宿所への変更のためマンションの立ち退きを迫り、供給されるマンションは希少で一般人が買える値段ではなくなり、若者の転出超過が止まらず税収が悪化し財政は苦境に陥っている[12]。ほかには、観光客の過度な集中を避けるように、観光場所の分散や時間・時期の分散などの取り組みもすでに実施している[13]。さらに、舞妓を無断に追いかけまわし撮影するパパラッチ行為なども問題視されている[14]。
奈良公園では2024年に天然記念物の鹿が3年連続増加し、5年ぶりに1300頭台となった[15]。一方、中国人観光客による、奈良公園の鹿に対して足で蹴ったり、頭を殴ったり、鹿の糞を塗りたくった「鹿せんべい」を餌やりしようとするなどの動物虐待行為が問題視されている。奈良公園では、中国語で「鹿さんを殴ったり、蹴ったりしないでください」というプラカードを掲げた日本人が巡回しており、迷惑行為をする中国人に注意するなどしている[16]。
問題が長期化する中で観光客に対して様々な手段での呼びかけが行われてきたが、解決には至っておらず、現在はスマートフォンを活用した「共存」と「通報」の2つの方法が試みられている[17]。
スペイン
[編集]スペインの一大観光都市であるバルセロナには、2010年代後期の時点で年間約3200万人の観光客が訪れる一方[18]、それを受け入れる約7000軒の違法民泊があるといわれており[18]、ホテルの経営に影響が出ているほか[18]、安価な違法民泊によってバルセロナの観光収入も少なくなってしまうことが問題になっている[18]。加えて、違法民泊への参入者によって地価や家賃などが上昇する事態となっている[18]。
イタリア
[編集]北イタリアのヴェネツィアでは、2010年代後期の時点で年間約2200万人の観光客が訪れ[19]、地価や家賃の高騰、ホテルの増加による住宅エリアの縮小化などが発生している[19]。また、ヴェネツィアでは巨大クルーズ客船が寄港して観光客が2〜3時間程度観光をするスタイルが多く、地元では混雑などの負担が生じる割に観光客の滞在時間は短く宿泊地にもなっていないため、稼げないとして住民の不満が出ており、巨大クルーズ客船の乗り入れの制限が議論されている[19]。2024年6月から、1団体当たり25人までとし、拡声器を「混乱を引き起こす可能性がある」として禁止とした[20][21]。また、繁忙期に日帰り観光客へ入場料5ユーロを徴収の試験的な運用が行われた[20][22]。
ポルトフィーノでは、2023年のイースターの時期から10月まで、正午から午後6時まで自撮りを行うために立ち止まった場合に渋滞になるため最高で280ユーロの罰金を徴収するようにした(特定の場所での自撮り制限は米国、フランス、イギリスでも行われている)[23]。
2024年11月15日からポンペイ考古学公園では、遺跡の保護と安全確保のため観光客の受け入れを1日2万人の制限とした[24]。
サウジアラビア
[編集]サウジアラビアがイスラム教の聖地(メッカとメディナ)を有することから、異教徒が大挙押しかけることで公序良俗が乱れることを嫌い、観光客の入国を制限している。
中南米
[編集]ペルーにあるインカ帝国の遺跡都市マチュ・ピチュでは、入域を2017年に午前と午後の二部制にしたが、観光客の増加に歯止めがかからず、2019年1月から時間帯をさらに細分化し、上限を4時間とした。
太平洋南東のイースター島は、2018年8月、滞在上限日数を30日間と従来の3分の1に短縮した。また、ガラパゴス諸島や大西洋の孤島フェルナンド・デ・ノローニャでも入域制限を求める議論が起きている[25]。
派生語
[編集]前述のようにユネスコ世界遺産登録地における観光公害を、登録を認定する"UNESCO"(ユネスコ)と「〜を殺すこと(killing)」「〜を殺す者(killer)」を意味する英語接尾辞(フランス語でもスペルは同じ)"-cide"を合成した"UNESCO-cide"、"Unesco-cide"、"Unescocide"という造語まで登場した[26]。この造語は「ユネスコによって殺される」という意味[26]だというのであるが、ここに示したように"-cide"には「〜によって殺される」「〜による殺し」という語意は無く、従来の語意の通りであれば「ユネスコを殺すこと」「ユネスコ殺し」の意になってしまうため、合成語として乱暴な造りではある。
オーバーツーリズム
[編集]過度な観光客の集中は「オーバーユース(cf.wikt)」ともいうが、これによって観光地への負荷が懸念される事態の生じることがあり、これを指して「オーバーツーリズム(英: overtourism)」ともいう[27]。
例えば21世紀初期、ユネスコの世界遺産に関して、ユネスコやイコモスは登録条件として、観光客抑制案の提示を対象物件の管理者に対して求めるようになった。
日本の登録物件の中から一つ例を挙げるなら、富士山の登山者数抑制とその実効性・監視体制が求められている。また、2018年度の京都市では、インバウンド消費の成果が上がりすぎて、街が訪日外国人旅行客で溢れかえる状況になり[28]、宿泊施設の予約を満足に取れなくなったり、京都に期待する“まったり”した雰囲気が失われてしまったため、従来の日本人観光客が敬遠して来なくなってしまった[28]。ほかにも、
- 狭い道で混雑しているなか、平気で食べ歩きをする[28]
- 日本の厳しいゴミ対策に馴染みのない観光客による、ゴミのポイ捨てや不分別が目に余る[28]
- 公共施設内の敷地や商店と、民家や私有地の区別がつかない観光客が、民家や私有地に不法侵入して勝手な振る舞いをする[28]
など、様々な問題が噴出している実態が明らかとなった[28]。
対策
[編集]対策として、入場料(入域料)を徴収する例がある[29][30][31]。
世界観光機関(UNWTO)は11の対策を提案しており、以下に引用する[32]。
- 都市内外での訪問客の分散を促進する
- 時間による訪問客の分散を促進する
- 訪問客の新たな旅行ルートと名所を活性化させる
- 規制を再検討し、調整する
- 訪問客のセグメンテーションを強化する
- 確実に地域のコミュニティが観光から利益を得られるようにする
- 住民と訪問客双方の利益になる都市体験を創出する
- 都市のインフラと設備を改善する
- 地域の利害関係者と意思の疎通を図り、関与してもらう
- 訪問客と意思の疎通を図り、関与してもらう
- モニタリングと対策の手段を定める
行くべきではない観光地
[編集]上掲の観光公害・オーバーツーリズムは新型コロナウイルス感染症の流行によって解消された。しかし、2022年になり各国で行動規制緩和が進み、一部の観光地では観光公害が再燃しつつある。特に日本では観光関連支援策としてGo Toキャンペーンや全国旅行支援の実施により特定地域に過度の過密集中が発生した。こうした状況を鑑み、第42回世界遺産委員会・第43回世界遺産委員会において持続可能な観光を協議する分科会に招聘されたイギリスのFodor'sがユネスコの意向を受けて「2023年に行くべきでない観光地」(英語原文表題は「No List」)を発表するに至った。そこでは第44回世界遺産委員会で危機遺産指定審査をうけたイタリアのヴェネツィアについて、危機遺産にしないために行くべきではないとした他、同じイタリアのアマルフィ海岸やイギリスのコーンウォールなどの人気がある定番観光地、さらに水不足が懸念されることから観光客に自粛を求めるべき場所としてアメリカのハワイ火山国立公園(マウイ島)やドイツのライン渓谷中流上部といった多くの世界遺産が含まれている[33]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 従来のものの破壊を伴わない開発はあり得ないが、その時代、その社会、その地域の、許容限度というものが自ずとあり、それを超えれば拒否反応が当然に起こる。その原因が観光の場合、その弊害は観光公害といえる。
- ^ 博物館学的観点からは、文化財を公開することは必ず経年劣化を伴うため、非公開が最良の保存法である。とは言えその選択肢が社会に支持されないのは自明で、だからこそある程度の傷みを覚悟の上で公開されるものは公開される。しかしながら、社会通念上許容されるであろう想定限度を超える傷みは問題視される。その原因が観光の場合、その弊害は観光公害といえる。
- ^ 富士山は以前より山頂トイレからの屎尿垂れ流しによる不衛生さと斜面に堆積したトイレットペーパーによる景観阻害が世界遺産登録への障害の一因とされていた。現在は環境配慮型トイレに変更されている。
出典
[編集]- ^ McCurry, Justin (2018年1月15日). “'Tourism pollution': Japanese crackdown costs Airbnb $10m” (英語). ガーディアン 2023年3月16日閲覧。
- ^ 「野口健 「世界遺産・富士山」に課せられた厳しい宿題」『PHPオンライン衆知』PHP研究所、2015年4月28日。2023年3月16日閲覧。
- ^ 「世界遺産「落選ショック」をまちづくりの力に」『タウンニュース』2013年5月17日号2013年5月17日、鎌倉版。2023年3月16日閲覧。
- ^ 新井克弥. “アジアのリゾート、プールに韓国人がやってくると”. Yahoo!ブログ. 勝手にメディア社会論. 2016年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月16日閲覧。
- ^ 東賢志「中国人観光客のマナーがヒドすぎる! トイレを流さない、どこでも唾吐く、飲食店で横暴…」『Business Journal』2015年6月7日。2023年3月16日閲覧。
- ^ 「富士山は登山者の「うんこ」がたくさん 外国人観光客の増加が原因なのか」『J-CASTニュース』2014年9月18日。2023年3月16日閲覧。
- ^ 青木康洋「中国人、京都を占拠! マンションに大型バスで乗りつけ問題多発、ごみ散乱、ロビーにたむろ」『Business Journal』2015年12月7日。2023年3月16日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 中西敏貴 (2016年2月24日). “さようなら哲学の木”. Pieces of time(公式ウェブサイト). 2019年5月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「北海道・美瑛の「哲学の木」 所有者、苦悩の伐採 観光客が農地侵入」『北海道新聞』2016年2月25日。オリジナルの2016年3月21日時点におけるアーカイブ。2016年2月26日閲覧。
- ^ a b c d e 「哲学の木」『知恵蔵mini』 。コトバンクより2019年5月5日閲覧。
- ^ 澤木政輝「京都市が宿泊施設の新規開業「お断り」宣言」『毎日新聞』2019年11月20日。2023年3月16日閲覧。
- ^ 村山, 祥栄「「20代30代が逃げていく」観光都市世界一・京都が陥った"破産危機"の真実」『プレジデント』2021年9月12日。2023年3月16日閲覧。
- ^ 京都市観光MICE推進室 (2017年12月26日). “京都市における朝観光の推進について”. 国土交通省. 2020年6月25日閲覧。
- ^ 「【特集】熱狂の『舞妓パパラッチ』問題...市長も憤り「京都は観光都市ではない!」とホテルお断り宣言..."観光公害"が深刻」『毎日放送』2019年12月2日。オリジナルの2019年12月22日時点におけるアーカイブ。2023年3月16日閲覧。
- ^ 『「逮捕しろ!」奈良公園の鹿を“観光客”が蹴り飛ばす暴行動画、文化財保護法違反で実刑判決も』週刊女性PRIME、2024年7月23日
- ^ 三立新聞網、2024年7月30日
- ^ 山田裕規「ビジネス特集 人口の220倍の人が来た! 丘のまちの“観光公害”とは?」『NHK旭川放送局』2019年6月26日。オリジナルの2019年7月21日時点におけるアーカイブ。2019年6月30日閲覧。
- ^ a b c d e デービッド・アトキンソン「欧州「怒りの反観光デモ」は京都でも起きるか バルセロナ・ベネチア住民が訴えたこと」『東洋経済オンライン』2017年8月18日、2面。2017年12月18日閲覧。
- ^ a b c デービッド・アトキンソン「欧州「怒りの反観光デモ」は京都でも起きるか バルセロナ・ベネチア住民が訴えたこと」『東洋経済オンライン』2017年8月18日、3面。2017年12月18日閲覧。
- ^ a b “「水の都」団体人数制限へ イタリア・ベネチア、観光過剰で”. 日本経済新聞 (2023年12月31日). 2024年11月10日閲覧。
- ^ “ベネチアが観光公害対策 団体旅行の人数制限、拡声器の使用禁止”. CNN.co.jp. 2024年11月10日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年4月25日). “「水の都」ベネチア 観光客数を抑えるため入場料徴収制度 開始”. NHKニュース. 2024年11月10日閲覧。
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- ^ 外信部, 時事通信 (2024年11月9日). “古代遺跡ポンペイ、入場者数制限へ 1日2万人、観光公害抑制―イタリア:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年11月10日閲覧。
- ^ 「南米で観光公害 名所に人殺到/マチュピチュ 入場制限厳しく/産業振興 ひずみ生む」『日経MJ』2019年2月15日(アジア・グローバル面)。
- ^ a b 『中央公論』2018年6月号(中央公論新社)
- ^ “オーバーツーリズム”. 公式ウェブサイト. ジャパン・ワールド・リンク. 2019年5月5日閲覧。
- ^ a b c d e f 「京都に異変!? 日本人観光客“激減”の背景に「訪日外国人客」」『夕刊フジ』2019年3月14日。2019年5月5日閲覧。
- ^ “「水の都」イタリア・ベネチア、入場料導入へ 観光客増加で”. 日本経済新聞 (2023年9月6日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “観光客に訪問税 「オーバーツーリズム」対策で 竹富町が導入へ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年10月6日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “世界遺産・西表島、広がる入域制限 「訪問税」も検討”. 日本経済新聞 (2023年3月7日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ https://unwto-ap.org/wp-content/uploads/2019/11/overtourism_Ex_Summary_low-2.pdf 「オーバーツーリズム(観光過剰)」?都市観光の予測を超える成長に対する認識と対応 (PDF) - 国連世界観光機関(UNWTO)
- ^ Cunningham, Ed (2022年11月9日). “These are the places not to visit in 2023, apparently” (英語). Timeout 2022年11月13日閲覧。
参考文献
[編集]ロン・オグレディ 著、中嶋正昭 訳『アジアの観光公害』教文館、1983年、137頁。ASIN B000J7BY0O。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 「オーバーツーリズム(観光過剰)」?都市観光の予測を超える成長に対する認識と対応 (PDF) - 国連世界観光機関(UNWTO)
- どうする“集まりすぎる”客 観光地とオーバーツーリズム - NHK クローズアップ現代