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アムブロシアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アムブロシアー古代ギリシャ語: ἀμβροσία, ambrosia)は、ギリシア神話に登場する神々の食物である[1]古代ギリシア語で「不死の」の意(a〈否定辞〉+brot〈死すべき〉)[1]

毎日オーケアノスの西涯からによりゼウスの元へ運ばれる芳香高い神饌で、の9倍甘く、食べる者を不老不死にするといわれる[2]。傷に塗ればたちまち快癒し、香油として屍に塗れば腐らなくなるとされる[2]。神々の馬の飼料や、女神の化粧用の香料としても用いられ、これのおかげでトロイア王子ティートーノスは不死になったと伝えられる[2]

神々の飲み物はネクタル古代ギリシャ語: νέκταρ, nektar[注 1]と呼ばれ、アムブロシアーと同じく飲む者を不死にする[1]。そのため神々の体内には血の代わりにイーコール(Ikhor)と呼ばれる霊液が流れているとされる[2]。芳香を放つ甘美な赤い神酒で、青春の女神ヘーベー(彼女がヘーラクレースと結婚して以降はガニュメーデース)が神々に注いでまわったといわれる[2]

また、アムブロシアーはヒュアデスの一柱の名でもある[1]

脚注

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注釈

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  1. ^ nektar:nek(死)+tar(克服する)[3]

出典

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  1. ^ a b c d 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年、29,206頁。
  2. ^ a b c d e 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、228,883頁。
  3. ^ Nectar”. Online Etymology Dictionary, Douglas Harper (2018年). 2024年12月1日閲覧。

関連項目

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