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さんふらわあ だいせつ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さんふらわあ > さんふらわあ だいせつ
さんふらわあ だいせつ
東日本大震災による大洗港被災のため、東京港に暫定入港するさんふらわあ だいせつ(2011年5月撮影)
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本
所有者 運輸施設整備事業団
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
九越フェリー(2001年 - 2005年)
東日本フェリー(2005年 - 2006年)
商船三井フェリー/商船三井さんふらわあ(2006年12月 - )
津軽海峡フェリー[1]
運用者 九越フェリー(2001年 - 2006年)
東日本フェリー(2005年 - 2006年)
商船三井フェリー/商船三井さんふらわあ(2006年12月 - )
建造所 三菱重工業下関造船所
母港 福岡(2001-2007)
大洗(2007-)
姉妹船 さんふらわあ しれとこ
建造費 約50億円[2]
船級 JG[3]
信号符字 JM6684
IMO番号 9236705
MMSI番号 431602067
改名 ニューれいんぼうらぶ(2001年 - 2007年3月)
前級 れいんぼうべる型(九越フェリー)
次級 さんふらわあ かむい型(商船三井さんふらわあ)
経歴
起工 2000年10月6日[3]
進水 2001年3月14日[3]
竣工 2001年6月29日[3]
就航 2001年7月9日[3]
現況 就航中
要目
総トン数 11,401トン[3]
載貨重量 6,277トン[3]
全長 190.0 m[3]
垂線間長 175.0m[3]
全幅 26.4 m[3]
型深さ 20.5m(第4甲板)[3]
満載喫水 6.85m[3]
機関方式 ディーゼル
主機関 NKK Pielstick 12PC4-2V 2基[4]
推進器 2軸[3]
最大出力 29,160kw[3]
定格出力 24,786kw[3]
最大速力 27.9ノット[3]
航海速力 24.9ノット[3]
航続距離 3,000海里[4]
旅客定員 154名
乗組員 26名[3]
車両搭載数 12mトラック154台、8.5mトラック7台、乗用車62台[3]
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さんふらわあ だいせつ(SUNFLOWER DAISETSU)は、商船三井さんふらわあが運航するフェリー。当初は九越フェリーニューれいんぼうらぶとして就航した。

概要

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暫定運航で有明フェリーターミナルに接岸中の「さんふらわあ だいせつ」

れいんぼうらぶの代船として三菱重工業下関造船所で建造され、2001年7月、室蘭 - 直江津 - 博多航路に就航した[3]

安価・低金利な本船を建造し、船価の高騰した時期に建造され過剰な設備が問題となっていた既存のれいんぼうべる型船を売却し売却益の確保で経営改善を図るとしていた[5][6]

れいんぼうべる型の基本設計概念を踏襲し省エネ・省力化を取り入れ、主機馬力を10%以上削減し運輸施設整備事業団「環境負荷低減船」第一号認定を受けるほかエレベーターやバリアフリー客室といったバリアフリー化、1段ベッドのみのモノクラス化による居住性向上とサービスの省力化などを図った[3]

2006年12月、商船三井フェリーのさんふらわあ みとさんふらわあ つくばと等価交換され、苫小牧 - 大洗航路の深夜便に就航。2007年3月にさんふらわあ だいせつに改名。

航路

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九越フェリー

ニューれいんぼうべる(現・さんふらわあ しれとこ)とともに隔日運航された。

商船三井フェリー

「しれとこ」とともに深夜便に就航している。

設備

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Aデッキ[3]
  • 特別室:2名×2室・4名(2004年8月 - 2006年12月・2012年5月 - 2020年4月一般販売 商船三井時代は「デラックスルーム」
  • レストラン・軽食コーナー「レインボーホール」(商船三井時代は「ホール」として自販機供食のみ)
  • 展望ラウンジ
  • 展望浴場
  • ゲームコーナー
Bデッキ[3]
  • 2等寝台(商船三井時代は「カジュアルルーム」)
    • 一般区画:4名×20室
    • ドライバー区画:10名×1室・12名×5室
  • 案内所
  • ドライバー浴室
  • ドライバー娯楽室
  • ペットルーム(商船三井時代に新設)

事故

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灯浮標への衝突

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2009年1月31日、0時48分ごろ、大洗港へ入港する際、突風により圧流され、防波堤入口の西側に設置された灯浮標に衝突した。 衝突により本船は、船尾外板に擦過傷、プロペラの曲損を生じ、灯浮標も損傷した。事故発生当時、発達した低気圧の影響で、約18m/sの突風を伴う、約10m/sを超える風が吹いていた[7]

車両甲板での火災

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2015年7月31日、大洗から苫小牧へ向かう北行便での運航中、苫小牧港の沖合50キロメートルの海上で車両甲板から火災が発生した。乗客は全員避難したが、2等航海士の男性が行方不明となり[8]、同年8月3日に死亡が確認された[9]。同年8月5日には函館沖へ曳航され[10]8月10日には全面鎮火し[11]、室蘭港への曳航を開始した[12]。火元は第2甲板の右舷中央部に積載されていたトラックの保冷機の短絡及び断線であり、その直上に積まれていた貨物車に未申告で積まれていた大量の小型ガスボンベに引火したのが被害拡大の原因だった[13][14]

9月3日には、船体の損傷は火元周辺など限定的でエンジンも無事であったため、函館市の函館どつく函館造船所での修復を行い、2016年の早い段階で運航再開を行う方針が示された[15]

関東運輸局からの「運送の安全確保等に関する命令」に基づき消火プランの策定・訓練実施・消火設備増設といった改善を行い火災事故から約半年後の2016年2月3日の苫小牧発夕方便から航路に復帰。初日は旅客サービス設備調整のため無人車両のみを取り扱い、翌日の大洗発便から旅客扱いを再開[16][17]

脚注

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  1. ^ 室蘭港の積み荷処理、来月まで フェリー火災、船体の扱いは未定”. 北海道新聞 (2015年8月29日). 2015年9月4日閲覧。
  2. ^ 東日本フェリー倒産の真相と背景 - 内航近海海運2003年8月号(内航ジャーナル)
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 大型カーフェリー"ニュー れいんぼう らぶ"の概要(三菱重工業株式会社下関造船所船舶・海洋部) - 船の科学2001年10月号
  4. ^ a b 新造船写真集 ニューれいんぼうらぶ - 船の科学2001年10月号
  5. ^ 夏、紺碧の海に船出 新造船・ニューれいんぼうらぶ - ラメール2001年9・10月号(日本海事広報協会)
  6. ^ “九越フェリー/新造船投入で経営改善”. 日本海事新聞. (2000年8月31日). https://www.jmd.co.jp/article.php?no=19254 
  7. ^ 運輸安全委員会(海事専門部会) (26 November 2009). 船舶事故等調査報告書 (PDF) (Report). 運輸安全委員会. 2016年2月13日閲覧
  8. ^ カーフェリー「さんふらわあ だいせつ」 苫小牧沖での火災発生について(プレスリリース)” (PDF). 商船三井フェリー (2015年8月1日). 2015年8月9日閲覧。
  9. ^ カーフェリー「さんふらわあ だいせつ」 苫小牧沖での火災発生について(その 2)(プレスリリース)” (PDF). 商船三井フェリー (2015年8月3日). 2015年8月9日閲覧。
  10. ^ カーフェリー「さんふらわあ だいせつ」 苫小牧沖での火災発生について(その 5)(プレスリリース)” (PDF). 商船三井フェリー (2015年8月5日). 2015年9月3日閲覧。
  11. ^ カーフェリー「さんふらわあ だいせつ」 苫小牧沖での火災発生について(その 8)(プレスリリース)” (PDF). 商船三井フェリー (2015年8月10日). 2015年8月12日閲覧。
  12. ^ カーフェリー「さんふらわあ だいせつ」 苫小牧沖での火災発生について(その 9)(プレスリリース)” (PDF). 商船三井フェリー (2015年8月11日). 2015年8月12日閲覧。
  13. ^ 船舶事故調査の経過報告について” (PDF). 運輸安全委員会 (2016年9月29日). 2017年3月9日閲覧。
  14. ^ 2015年7月31日 北海道苫小牧市苫小牧港南方沖苫小牧港東外防波堤灯台から真方位177°47.7海里付近 旅客フェリーさんふらわあ だいせつ火災 - 運輸安全委員会(2018年9月27日)
  15. ^ 火災のフェリー、修復へ…費用は新造の1割以下”. 読売新聞(archive.is) (2015年9月3日). 2015年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月9日閲覧。
  16. ^ 「さんふらわあ だいせつ」航路復帰の件(プレスリリース)” (PDF). 商船三井フェリー (2016年2月2日). 2016年2月2日閲覧。
  17. ^ カーフェリー「だいせつ」半年ぶり運航再開”. 毎日新聞. 2016年3月11日閲覧。

外部リンク

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