ほるす
ほるす | |
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青森港・2006年 | |
基本情報 | |
船種 | フェリー |
船籍 |
日本 (1994-2007・2010-2020) パナマ(2008) タイ(2020-) |
所有者 |
東日本フェリー(1994-2005・2007-2008) リベラ(2005-2006) 津軽海峡フェリー(2010-2020) |
運用者 |
東日本フェリー(1994-2007) サンスターライン(2008) 津軽海峡フェリー(2010-2020) |
建造所 | 三菱重工業下関造船所 |
母港 |
函館(1994-2007) パナマ(2008) 青森(2010-2020) バンコク(2020-) |
姉妹船 | びなす (2代) |
船級 | JG第2種船・NK・NS[1] |
信号符字 | JD3069 |
IMO番号 | 9100437 |
MMSI番号 | 431001544 |
改名 |
ほるす(1994-2007) パンスター・ハニー(2008-2010) ブルードルフィン(2010-2016) ブルードルフィン2(2016-2020)[2] ザ・ブルードルフィン(2020-) |
経歴 | |
起工 | 1993年12月21日[1] |
進水 | 1994年4月8日[1] |
竣工 | 1994年6月30日[1] |
就航 |
1994年7月4日(ほるす) 2008年4月2日(パンスター・ハニー) 2010年7月17日(ブルードルフィン) 2017年2月2日(ブルードルフィン2) 2021年4月14日(ザ・ブルードルフィン) |
運航終了 |
2007年8月(ほるす) 2008年10月29日(パンスター・ハニー)[3] 2016年10月28日[4](ブルードルフィン) 2020年5月22日(ブルードルフィン2)[2] |
要目 | |
総トン数 | 7,192トン(竣工時)[1] |
載貨重量 | 3,087トン(竣工時)[1] |
全長 | 136.6 m[1] |
型幅 | 21.0 m[1] |
型深さ | 12.0 m[1] |
満載喫水 | 5.7 m[1] |
主機関 | NKK-SEMT-Pielstick 14PC2-6V×2[1] |
最大出力 | 18,200馬力[1] |
定格出力 | 15,470馬力[1] |
最大速力 | 21.9ノット[1] |
航海速力 | 20ノット[1] |
航続距離 | 2,700海里[1] |
旅客定員 | 600名(竣工時)[1] |
乗組員 | 35名[1] |
車両搭載数 | 8トントラック87台・乗用車20台[1] |
ほるす (HORUS) は、東日本フェリーで運航されていたフェリー。
この記事では、名称変更のうえ他社で運航された「パンスター・ハニー」「ブルードルフィン」「ブルードルフィン2」とあわせて記述する。
概要
[編集]三菱重工業下関造船所で建造され、1994年7月、室蘭港と青森港を結ぶ航路に就航した。エジプト神話に登場する天空の神「ホルス」から命名された。船型は1991年就航の「びるたす」を元に船橋前に装飾板を置き煙突の形状を変更しスピード感のあるデザインとした[5]。
その後の1998年3月、苫小牧港と仙台港を結ぶ航路に就航した。同航路廃止後の2000年4月、青函航路に就航するも2007年9月1日のナッチャンRera就航に伴い運航を休止した。室蘭港にしばらく係船されたのち同年12月、パナマに売却された[6]。
2008年3月、パンスターライン(韓国)が傭船し「パンスター・ハニー」として釜山港を拠点としたクルーズ船として就航したのち、同年5月から釜山港と大阪港を結ぶ航路に、同年6月からは東日本フェリーとの協業で釜山港と金沢港を結ぶ航路に就航したが、同社のフェリー事業撤退に伴い同年10月、運航が休止された[7] 。
2010年に内海造船瀬戸田工場にて改装を受け、同年7月17日に東日本フェリーの後身である津軽海峡フェリーの「ブルードルフィン」としてふたたび青函航路に就航。「カジュアルクルーズ」をコンセプトとして多彩な客室や設備を備え、日本のフェリーでは初めてドッグバルコニーを設けた[2]。2016年度の2隻の新造船就航計画による2代目ブルードルフィンの就航により、2016年10月28日に運航を終了した。なお、同型船「びなす」の点検整備による運休のため10月11日から28日までは新旧のブルードルフィンが同時運航された[8][4]。
その後、ブルードルフィン2と船名を変更、函館フェリーターミナルで係船された後、えさん2000の代船として2017年2月2日より運航に復帰した[9]。新造船「ブルールミナス」の就航に伴い2020年5月22日の青森発函館行便を最後に引退、本船の引退をもって津軽海峡フェリーから旧東日本フェリー時代からの船舶が全廃された[2]。
引退後は長らく函館どつくに係船されていたが、THE BLUE DOLPHINとしてタイに売却されることとなり、2021年4月14日より、タイ北部のチョンブリーと、タイ南部のソンクラーを結ぶ航路に就航する。
要目
[編集]1994年6月、三菱重工業下関造船所で竣工。なお、「パンスター・ハニー」「ブルードルフィン/ブルードルフィン2」については「ほるす」と共通の要目は割愛した。
ほるす
[編集]- 総トン数 - 7,192国内トン
- 全長 - 136.6m
- 全幅 - 21m
- 馬力 - 18,200馬力
- 航海速力 - 20ノット(最大21.9ノット)
- 旅客定員 - 600人(室蘭 - 青森・函館 - 青森就航時)/386人(苫小牧 - 仙台就航時)
- 車両積載数:乗用車20台、トラック(8t換算)87台。
- 船歴 - 1994年7月から2007年12月まで在籍。
- 船内
- Aデッキ
- 展望室
- ゲームルーム
- ロビー
- プロムナード
- レストラン(後に多目的ホールに変更)
- 1等洋室(5室) - 2段ベッド・洗面台付き
- Bデッキ
- エントランスホール
- 売店案内所
- 喫煙室
- 浴室
- 特等洋室(3室) - ツインベッド・ユニットバス付き
- 特等和室(2室) - ユニットバス付き
- 1等室(洋室14室・和洋室10室)
- 2等室(2室) - 大部屋
- トラックドライバー室 - 2段ベッド
パンスター・ハニー
[編集]- 客室
- プレジデントスイート
- ロイヤルスイート
- ロイヤルスイートバルコニー
- バルコニースイート
- ヨットキャビン
- ファミリーキャビン
- プレミアムルーム
- スタンダードクラス(二段ベッド)
- パンスターキャンプ(テント室)
- 公室
- 7階
- キッズスペース
- 6階
- ジャグジー
- オープンバー
- カラオケルーム
- コンビニ「ハニーストア25」
- 免税店「ハニーハント」
- 美容室「ビューティーハニー」
- プロムナード「スターボード」
- レストラン「ムグンファ」
- サンライズデッキ
- 5階
- ロビー
- レセプション
- カフェ「パラダイス」
- インターネットコーナー「infob@r」
- ゴルフコース「インフィニティヤード」
- カジノ「ベガス7」
- マッサージルーム「HEALING+」
- ボードゲームゾーン
- ビジネススペース「シンポジウム」
- 浴場「ハニースパ」
- 4階
- ナイトクラブ「クラブマスカレード」
ブルードルフィン/ブルードルフィン2
[編集]- 総トン数 - 7,003国内トン
- 旅客定員 - 586名
- 車両積載数:乗用車200台またはトラック65台
- 船歴 - 2010年7月就航、2016年10月運航終了。2017年2月「ブルードルフィン2」として再就航、2020年5月22日引退[2]。
- 上層階
- オートレストラン
- ゲームコーナー
- キッズルーム
- オートレストラン
- マッサージコーナー
- ドッグルーム&ドッグバルコニー
- 2等室「スタンダード」(2室) - 大部屋
- 下層階
- エントランス
- レセプション
- 売店「ドルフィンショップ」
- オートショップ
- シャワールーム
- 2等室「スタンダード」(4室)
- 2等室「レディースルーム」(1室) - 女性専用大部屋
- 特2等室「コンフォート」(4室) - マットレス4名個室
- 1等室「ファースト」(8室) - ツインベッド洋室
- 特等室「スイート」(2室) - トイレ・シャワー付きツインベッド洋室
- 特別室「プレミア」(1室) - トイレ・ジャグジーバス・リビング付きツインベッド洋室
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 新造船写真集 カーフェリー ほるす HORUS 東日本フェリー株式会社 - 船の科学1994年12月号
- ^ a b c d e 東奥日報 思い出と感謝乗せ最終運航/青森-函館フェリー「ブルードルフィン2」/就航から26年、新造船と交代 - Yahoo!ニュース(2020年5月22日)
- ^ 国際フェリー航路の休止及び国内フェリー事業撤退について - 東日本フェリー
- ^ a b 函館~青森航路 運航船舶変更と運航スケジュールについて(ご案内)- 津軽海峡フェリー
- ^ 東日本フェリーのカーフェリー「ほるす」Horus - 世界の艦船1994年9月号
- ^ a b 日本のカーフェリー p.115,153
- ^ a b 日本のカーフェリー p,139
- ^ 津軽海峡フェリーが2隻新造へ 函館―青森、周遊客取り込み狙う - 北海道新聞(Archive.is)
- ^ 『「ブルードルフィン2」運航開始に伴う運航ダイヤ改定のご案内』(プレスリリース)津軽海峡フェリー株式会社、2016年12月8日。オリジナルの2016年12月9日時点におけるアーカイブ 。2016年12月9日閲覧。
- ^ “釜山-金沢、定期カーフェリーが新就航”. Joongang Ilbo 中央日報
- ^ “ブルードルフィン”. 津軽海峡フェリー. 2010年12月12日閲覧。
- ^ “ブルードルフィン2”. 津軽海峡フェリー. 2017年1月1日閲覧。
参考文献
[編集]- 日本のカーフェリー -その揺籃から今日まで-(世界の艦船 別冊) - 海人社(2009年3月発行) JANコード 4910056040393
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 東日本フェリーの船舶紹介 ほるす - 東日本フェリー(Internet Archive)
- ブルードルフィン2 - 津軽海峡フェリー
- 船舶の情報と現在位置 - MarineTraffic.com