英利アルフィヤ
英利 アルフィヤ えり アルフィヤ (英利 アリフェヤー) | |
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英利 アルフィヤ (2018) | |
生年月日 | 1988年10月16日(36歳) |
出生地 | 日本 福岡県北九州市戸畑区 |
出身校 |
ジョージタウン大学外交政策学部国政政治学科卒業 ジョージタウン大学外交政策大学院修士課程修了 |
前職 |
日本銀行行員 国連職員 |
所属政党 | 自由民主党(麻生派) |
公式サイト | えりアルフィヤ公式ホームページ |
選挙区 |
(千葉5区→) 比例南関東ブロック |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2023年4月25日 - 現職 |
英利 アルフィヤ(えり あるふぃや、ウイグル語: ئارفىيە ئابلەت、中国語: 英利 阿丽菲亚、ウズベク語: Eri Alifiya / Эри Алифия、1988年〈昭和63年〉10月16日[1] - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(2期)。元国連・日銀職員。
なお、現在の戸籍上の氏名は英利アリフェヤーである(詳細は後述)[2][3]。
経歴
[編集]日銀入行前
[編集]1988年10月16日、福岡県北九州市戸畑区にて、新疆ウイグル自治区出身のウイグル人の父とウズベク人の母の子として生まれた。1995年3月に北九州市の小倉カトリック幼稚園を卒業し、同年4月に北九州市の明治学園小学校に入学した。4年後の1999年に家族で日本に帰化した。同年夏から、父親の転勤に伴い中国(上海・広州)に移り、2006年6月に広州アメリカンインターナショナルスクール高等学部を卒業した。なお在学中には生徒会長を務めた。2010年にジョージタウン大学外交政策学部国政政治学科を卒業し、2012年5月にジョージタウン大学(ロシア・東欧・中央ユーラシア研究科)外交政策大学院の修士課程を修了した[4]。
日銀・国連職員として
[編集]2012年7月に日本銀行に入行した。国際局、仙台支店、金融機構局での勤務を経て、2016年8月に外務省JPO試験の合格に伴い日銀を退職した。日銀退職後は国連に勤務し、国連事務次長・管理局長室の調整担当官補、政務局アジア太平洋部の政務官、国連事務次長・安全保安局長室の国連事務次長補付プログラム担当官・調整担当官・国連事務次長補付特別補佐官を歴任した。2022年5月に国連を退職した[5][6]。
政治家として
[編集]7月10日投開票の2022年参議院議員通常選挙に自民党公認で比例代表から立候補したが、54,646票(党内28/33位-特定枠2名を含む-)で落選した[7][8]。
2023年2月に自由民主党千葉県第5選挙区支部長に就任した。もともと千葉5区は薗浦健太郎の選挙区であったが、薗浦は前年12月に政治資金収支報告書の虚偽記載問題により辞職し、2025年12月までの3年間、公民権が停止されることとなっていた。そこで千葉県選出の石井準一参院議員は千葉県議を擁立しよう動いていたが、薗浦が所属していた派閥・志公会から「5区は麻生派の議席だ」との大反対があり、その結果として河野太郎が推したアルフィヤが支部長になった[9]。そして4月23日投開票で行われた千葉5区の衆議院議員補欠選挙にアルフィヤは自由民主党公認・公明党推薦[10]候補として出馬。立憲民主党の矢崎堅太郎らを抑えて初当選を果たした[11]。また同年9月、TIMEによるタイム100(次世代の100人)の2023年版に、五ノ井里奈と共に選ばれる[12]。
2024年9月12日、自民党総裁選挙が告示され、9人が立候補した。英利は同じ麻生派の河野太郎の推薦人に名を連ねた[13]。投票日前日の9月26日夜、麻生派幹部6人は都内のホテルに集まり、決選投票に高市早苗が残った場合は高市を支持する方針を決定した[14]。会長の麻生太郎はさらに踏み込み、河野などの陣営に入っていた派閥メンバーに対し、側近議員を通じて「1回目の投票から高市に入れろ」と指示を飛ばした[15]。同日22時半頃、産経新聞は、麻生が1回目の投票から高市を支援するよう自派閥の議員に指示を出したことをスクープした[16]。9月27日総裁選執行。高市は1回目の議員投票で、報道各社の事前調査での30~40票を大きく上回る72票を獲得した[14]。党員数と合わせた得票数は1位だったが、決選投票で石破茂に敗れた。英利は1回目は河野に投票し[17]、決選投票については、千葉日報の取材に対し、投票先を公表しなかった[17]。
2024年10月27日に行われた第50回衆議院議員総選挙では千葉5区から再選を目指して立候補するも、立憲民主党の矢崎に約6,300票差で敗れ、小選挙区では落選するも[18]、重複立候補していた比例南関東ブロックでは惜敗率90.32%で7議席中で3番手となり当選した[19]。
人物
[編集]- 好きな食べ物はドーナツである。趣味は、一人旅、映画・演劇鑑賞、読書、散歩、ピクニックである[20]。
- ウイグル人は子供は父親の下の名前を名字としている。そのため彼女の家族は全員名字が違った。日本に帰化する際に家族全員の同じ名字を作ることとなり、父方の曽祖父と、母方の曽祖父の名前が同じエリだったことから「えり」という読みの名字が決まった。漢字表記は「英利」である。中央アジア・シルクロードのルーツを持つ一家ということから、騎馬民族を象徴する「英雄」の「英」と、シルクロード時代からの国際的なビジネス文化を象徴する「利」で「英利」としたそうだと、本人は公式ブログで述べている[21]。
- 中国ではウイグル人であろうと、漢字で名前を登録しなければならず、生まれた時に「阿丽菲亚」と漢字で登録されたため、日本に帰化した時も、そのまま戸籍の名前はカタカナで「アリフェヤー」となった。本来のウイグル語での読みに即した名前の発音は「アルフィヤ」であるため、本人は違和感を抱いていたと公式ブログで述べている[3]。このため、パスポートでは戸籍名の「アリフェヤー」、通称として「アルフィヤ」を使用している。また、ウイグル人の名前を漢字で登録することは「人間としての尊厳を奪われること」などと主張している[3]。
- 父親はウイグル系日本人でニトリの執行役員英利アブライティ。母親はウズベク系の日本人。
政策・主張
[編集]憲法
[編集]- 憲法改正について、2023年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[22]。
- 9条改憲について、2023年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[22]。
- 憲法を改正し緊急事態条項を設けることについて、2023年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[22]。
外交・安全保障
[編集]- 防衛費増額について、2023年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[22]。
- 防衛費増額のための増税について、2023年のNHKのアンケートでは回答してない[22]。
- 反撃能力保有について、2023年のNHKのアンケートで「賛成」と回答した[22]。
- 非核三原則について、2023年のNHKのアンケートで「維持すべき」と回答した[22]。
ジェンダー
[編集]- 選択的夫婦別姓の導入に対して、2023年のNHKのアンケートで「賛成」と回答した[22]。
- 同性婚を法律で認めることに対して、2023年のNHKのアンケートで「どちらかといえば賛成」と回答した[22]。
- クオータ制の導入に対して、2023年のNHKのアンケートで「どちらかといえば賛成」と回答した[22]。
選挙
[編集]当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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落 | 第26回参議院議員通常選挙 | 2022年 7月10日 | 33 | 比例区 | 自由民主党 | 5万4645票 | 1.2% | 50 | / | 28/18 |
当 | 第49回衆議院議員補欠選挙 | 2023年4月11日 | 34 | 千葉県第5区 | 自由民主党 | 5万578票 | 30.58% | 1 | 1/7 | / |
比当 | 第50回衆議院議員総選挙 | 2024年10月27日 | 36 | 千葉県第5区 | 自由民主党 | 5万9636票 | 27.63% | 1 | 2/6 | 3/7 |
脚注
[編集]- ^ “えり アルフィヤ「決断と実行。暮らしを守る。」2022年 第26回参議院選挙”. 自由民主党 2023年4月25日閲覧。
- ^ 『官報』特第50号3頁 令和6年11月1日 中央選挙管理会告示第三六号「令和六年十月二十七日執行の衆議院比例代表選出議員の選挙における衆議院名簿届出政党等に係る得票数、当選人の数並びに当選人の住所及び氏名に関する件」
- ^ a b c “名前を失うということ”. 英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ. 2023年4月23日閲覧。
- ^ “英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ”. 英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ. 2023年4月23日閲覧。
- ^ “英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ”. 英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ. 2023年4月23日閲覧。
- ^ “小池絵未の国際機関探訪”. 外務省 国際機関人事センター (2018年11月26日). 2023年5月10日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “自由民主党 比例代表候補者 -参院選- NHK”. www.nhk.or.jp. 2023年4月24日閲覧。
- ^ “多様性に寄り添った優しい社会の実現を 衆院千葉5区補選・えりアルフィヤ候補 | お知らせ | ニュース”. 自由民主党. 2023年4月23日閲覧。
- ^ “河野太郎氏の将来をも決める? 自民党が驚愕した衆院補選千葉5区の党世論調査結果”. AERA dot. (アエラドット) (2023年4月10日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “多様性に寄り添った優しい社会の実現を 衆院千葉5区補選・えりアルフィヤ候補 | お知らせ | ニュース”. 自由民主党 (2023年4月14日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “衆院補選 千葉5区 統一地方選挙2023 | NHK選挙WEB”. www.nhk.or.jp. 2023年4月23日閲覧。
- ^ 元自衛官五ノ井さん選出 「次世代100人」に衆院議員も―米誌タイム時事通信
- ^ “河野太郎氏の推薦人一覧 自民党総裁選2024”. 日本経済新聞 (2024年9月12日). 2024年9月30日閲覧。
- ^ a b 遠藤修平、園部仁史、高橋祐貴 (2024年9月27日). “麻生、安倍派は「消極的支持」で広がり欠く 決選投票で敗れた高市氏”. 毎日新聞. 2024年10月1日閲覧。
- ^ 『週刊文春』2024年10月17日号、32頁、「『高市支持』で求心力が低下 麻生太郎が政治生命の危機」。
- ^ “<独自>自民・麻生副総裁が高市氏支持へ、麻生派議員にも指示 1回目から”. 産経新聞 (2024年9月26日). 2024年9月30日閲覧。
- ^ a b “自民総裁選 決選投票「非公表」15人 千葉県内議員 1回目も分散、乱戦を象徴”. 千葉日報 (2024年9月27日). 2024年9月30日閲覧。
- ^ “自民前職・英利アルフィヤ氏が千葉5区で敗戦の弁「私の至らぬところ」 衆院選(産経新聞)”. Yahoo!ニュース. 2024年11月2日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “自由民主党 南関東ブロック 比例代表候補者 衆議院選挙2024 -衆院選- NHK”. www.nhk.or.jp. 2024年11月2日閲覧。
- ^ “英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ”. 英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ. 2023年4月23日閲覧。
- ^ “名前を得るということ”. 英利アルフィヤ(えりアルフィヤ) 公式ホームページ. 2023年4月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “衆院補選 千葉5区 候補者アンケート 統一地方選挙2023”. NHK選挙WEB. 日本放送協会. 2023年4月23日閲覧。