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1998年の中日ドラゴンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1998年の中日ドラゴンズ
成績
セントラル・リーグ2位
75勝60敗1分 勝率.556
本拠地
都市 愛知県名古屋市東区
球場 ナゴヤドーム
球団組織
オーナー 大島宏彦
経営母体 中日新聞社
監督 星野仙一
選手会長 中村武志
スローガン
HARD PLAY HARD
« 1997
1999 »

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1998年の中日ドラゴンズ(1998ねんのちゅうにちドラゴンズ)では、1998年の中日ドラゴンズにおける動向をまとめる。

この年の中日ドラゴンズは、2回目の星野仙一監督体制の3年目のシーズンである。

概要

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ナゴヤドーム元年の1997年を最下位で終え、就任3年目に向けて巻き返しを図る星野監督は大豊泰昭と2番手捕手の矢野輝弘阪神へ放出して、俊足などを買って関川浩一久慈照嘉を獲得。また、宣銅烈の成功にあやかって「韓国のイチロー」と呼ばれた李鍾範を、さらに開幕後にはサムソン・リーを獲得するなど積極的な補強を行った。投手コーチに宮田征典、打撃コーチに水谷実雄、外野守備走塁コーチに二宮至を招聘した[1]。投手陣では山本昌野口茂樹門倉健の先発陣などに加えて、この年ドラフト1位で入団の川上憲伸がローテーション入り。前年の外野手レギュラーを総入れ替えして守備力・機動力重視の野球を開幕から展開したが、1番ショートの李は6月23日の阪神戦で川尻哲郎から右ひじに死球を受けて戦線離脱し、レフトに回っていた立浪和義がセカンドに復帰し、セカンドだった久慈がショートに入って穴を埋めた。打撃陣は主砲のレオ・ゴメスと一塁手に転向した山崎武司がまずまずの成績をあげ、この年からレギュラーに定着した井上一樹や外野手に転向した関川も安定した成績を残した。投手陣ではルーキーの川上をはじめ、山本・野口なども例年通りの活躍を見せ、リリーフでは落合英二が中継ぎの柱となり、先発から落合などの中継ぎ、抑えの宣につなぐ必勝リレーを確立しチーム防御率はリーグ1位の3.14を記録し、被本塁打もリーグ最少の84本に抑えた。チームはシーズン終盤まで首位に立っていた横浜をぴったりマークしたものの、9月以降は首位・横浜との直接対決で14勝14敗と五分の成績で終わった。特に横浜の優勝決定直前には直接対決で7連敗を喫し[2]、10年ぶりの優勝はならなかった。それでもこの年新人王の川上やチームトップの18盗塁をあげた李などの活躍で2位に浮上し、翌1999年の優勝につながった。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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開幕オーダー
選手名 年数 年齡
1 李鍾範 1年目 27歳
2 久慈照嘉 7年目 28歳
3 立浪和義 11年目 28歳
4 ゴメス 2年目 32歳
5 山崎武司 12年目 29歳
6 安田秀之 13年目 30歳
7 益田大介 3年目 24歳
8 中村武志 14年目 31歳
9 山本昌広 15年目 32歳
1998年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 広島 -- 広島 -- 横浜 -- 横浜 -- 横浜 -- 横浜 --
2位 中日 0.5 中日 1.0 巨人 2.0 中日 3.5 中日 2.0 中日 4.0
3位 横浜 3.0 横浜 1.5 中日 3.0 巨人 8.0 巨人 8.0 巨人 6.0
4位 巨人 3.5 巨人 1.5 広島 6.5 ヤクルト 10.5 ヤクルト 9.0 ヤクルト 13.0
5位 阪神 阪神 6.0 ヤクルト 8.5 広島 11.5 広島 15.5 広島 19.0
6位 ヤクルト 7.5 ヤクルト 8.0 阪神 10.0 阪神 17.5 阪神 22.5 阪神 27.0
期間
成績
14勝9敗
勝率.609
9勝10敗
勝率.474
10勝10敗
勝率.500
13勝7敗1分
勝率.650
15勝10敗
勝率.600
14勝14敗
勝率.500


1998年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 横浜ベイスターズ 79 56 1 .585 優勝
2位 中日ドラゴンズ 75 60 1 .556 4.0
3位 読売ジャイアンツ 73 62 0 .541 6.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 0 .489 13.0
5位 広島東洋カープ 60 75 0 .444 19.0
6位 阪神タイガース 52 83 0 .385 27.0

オールスターゲーム1998

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  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 川上憲伸
野口茂樹
捕手 中村武志 7
外野手 立浪和義 7
  • 太字はファン投票による選出。

個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(136イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/野口茂樹 27 27 6 1 0 14 9 0 802 192.0 174 10 63 5 134 8 0 59 50 2.34 1.23
/山本昌広 28 28 5 3 0 9 9 0 769 182.0 185 14 60 2 131 1 0 74 74 3.66 1.35
/川上憲伸 26 25 4 3 2 14 6 0 649 161.1 123 14 51 2 124 4 0 48 46 2.57 1.08
/門倉健 26 25 3 2 0 10 9 0 651 153.2 133 10 66 9 115 9 0 60 58 3.40 1.30
/正津英志 45 2 1 0 0 6 1 0 301 77.0 62 7 20 4 55 1 0 21 21 2.45 1.07
/落合英二 55 0 0 0 0 4 6 5 308 73.1 81 3 12 0 36 0 0 29 23 2.82 1.27
/今中慎二 14 14 0 0 0 2 8 0 276 62.1 64 4 28 1 50 1 0 41 37 5.34 1.48
/宣銅烈 42 0 0 0 0 3 0 29 187 48.2 31 4 11 0 58 1 0 8 8 1.48 0.86
/日笠雅人 46 0 0 0 0 0 1 0 181 43.1 34 2 20 2 35 2 0 9 9 1.87 1.25
/前田幸長 36 0 0 0 0 4 2 0 176 42.1 43 2 11 0 34 1 1 11 11 2.34 1.28
/山田洋 14 6 0 0 0 2 3 0 172 38.0 41 1 20 2 27 3 0 19 19 4.50 1.61
/サムソン・リー 11 5 0 0 0 1 0 0 143 32.2 32 6 12 1 33 0 1 22 17 4.68 1.35
/佐藤康幸 20 0 0 0 0 2 3 0 100 22.1 24 0 11 0 14 0 0 8 7 2.82 1.57
/大塔正明 21 0 0 0 0 1 0 0 90 21.1 22 0 6 1 14 1 0 7 7 2.95 1.31
/遠藤政隆 15 0 0 0 0 2 0 2 79 18.0 15 0 9 2 20 3 0 6 6 3.00 1.33
/ジャービス 4 3 0 0 0 1 2 0 70 16.1 18 0 5 0 7 0 0 8 8 4.41 1.41
/鶴田泰 3 1 0 0 0 0 1 0 33 8.0 4 0 5 0 4 0 0 2 2 2.25 1.13
/小島圭市 5 0 0 0 0 0 0 0 35 7.0 14 1 1 0 3 0 0 8 8 10.29 2.14
/中山裕章 4 0 0 0 0 0 0 0 27 7.0 4 0 2 0 2 0 0 0 0 0.00 0.86
/岸川登俊 3 0 0 0 0 0 0 0 24 5.0 6 0 3 1 5 1 0 5 3 5.40 1.80
/古池拓一 3 0 0 0 0 0 0 0 22 4.0 7 2 4 0 2 0 0 6 5 11.25 2.75
/山田貴志 2 0 0 0 0 0 0 0 21 3.1 9 4 2 0 1 0 0 7 7 18.90 3.30

主な打撃成績

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  • 色付き規定打席(421打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/立浪和義 134 589 504 60 137 24 1 8 187 43 6 6 3 4 74 4 4 60 8 .272 .367 .371 .738
/山崎武司 131 516 439 52 112 17 1 27 212 86 0 3 0 6 63 0 8 95 14 .255 .355 .483 .838
/ゴメス 116 488 420 57 115 14 0 26 207 76 1 1 1 5 57 7 5 66 10 .274 .363 .493 .856
/久慈照嘉 122 482 389 43 97 10 3 0 113 18 7 7 38 0 52 0 3 51 5 .249 .342 .290 .633
/中村武志 128 468 407 27 96 18 4 5 137 42 2 0 7 2 49 12 3 65 10 .236 .321 .337 .658
/関川浩一 125 449 382 62 109 13 2 1 129 36 15 3 13 3 47 2 4 57 5 .285 .367 .338 .705
/井上一樹 107 394 352 34 93 18 4 9 146 31 1 0 3 2 35 2 2 79 13 .264 .332 .415 .747
/李鍾範 67 290 244 38 69 11 3 10 116 29 18 8 3 1 36 2 6 33 4 .283 .387 .475 .862
/山口幸司 72 136 113 12 25 6 0 2 37 8 4 2 10 0 12 0 1 17 1 .221 .302 .327 .629
/益田大介 55 135 121 6 28 4 0 1 35 14 1 2 1 1 11 0 1 32 3 .231 .299 .289 .588
/神野純一 44 122 102 8 25 3 1 1 33 16 8 0 4 1 13 0 2 25 1 .245 .339 .324 .663
/種田仁 43 113 100 10 28 4 1 3 43 8 2 1 4 1 8 1 0 11 4 .280 .330 .430 .760
/大西崇之 95 111 94 20 25 5 0 1 33 8 16 6 5 0 11 0 1 22 1 .266 .349 .351 .700
/筒井壮 35 100 89 7 22 3 1 0 27 4 0 0 2 0 9 0 0 19 3 .247 .316 .303 .620
/南渕時高 66 97 87 1 23 6 0 0 29 13 0 0 0 0 9 1 1 9 2 .264 .340 .333 .674
/愛甲猛 78 78 62 9 14 2 0 2 22 13 0 0 1 1 13 1 1 13 1 .226 .364 .355 .718
/井端弘和 18 60 49 2 12 1 0 0 13 2 4 0 4 0 6 0 1 8 0 .245 .339 .265 .605
/安田秀之 20 43 38 7 7 1 0 0 8 0 1 0 0 0 5 0 0 13 0 .184 .279 .211 .490
/原田政彦 20 34 32 4 8 1 0 1 12 2 1 1 0 0 2 0 0 6 0 .250 .294 .375 .669
/中野栄一 16 30 29 4 6 2 0 2 14 3 0 0 0 0 0 0 1 6 1 .207 .233 .483 .716
/鳥越裕介 44 29 27 5 2 0 0 0 2 1 4 0 0 1 0 0 1 7 0 .074 .103 .074 .178
/音重鎮 11 21 20 0 2 1 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 1 6 0 .100 .143 .150 .293
/鈴木郁洋 4 9 8 2 5 1 0 0 6 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .625 .667 .750 1.417
/光山英和 15 7 7 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .143 .143 .143 .286
/彦野利勝 7 7 6 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 3 0 .000 .143 .000 .143
/藤井優志 3 5 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 0 .000 .400 .000 .400
/渡辺博幸 3 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .000 .000 .000 .000
/仁平馨 4 2 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/荒木雅博 7 1 1 2 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

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選手・スタッフ

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表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
川上憲伸 新人王
野口茂樹 最優秀防御率 2.34 初受賞
落合英二 最優秀中継ぎ投手 19.70RP 初受賞
ベストナイン
選出なし
ゴールデングラブ賞
選出なし

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 福留孝介 内野手 日本生命 入団
2位 岩瀬仁紀 投手 NTT東海 入団
3位 小笠原孝 投手 明治大学 入団
4位 蔵本英智 外野手 名城大学 入団
5位 川添將大 投手 享栄高 入団
6位 矢口哲朗 投手 大宮東高 入団
7位 新井峰秀 外野手 高麗大学中退 入団

出典

[編集]
  1. ^ 山崎武司vs.ナゴヤドーム 異種格闘3年間の記録”. 中日新聞 (2020年8月28日). 2024年12月9日閲覧。
  2. ^ 中日新聞』1998年10月3日朝刊第12版第二運動スポーツ面28頁「セ・リーグ第27節 2日 ナゴヤドーム 横浜5-2中日 横浜M3 あすにもV 首位決戦…竜、絶望の7連敗」(中日新聞社