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1963年フランスグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランス 1963年フランスグランプリ
レース詳細
1963年F1世界選手権全10戦の第4戦
ランス・サーキット(1954-1972)
ランス・サーキット(1954-1972)
日程 1963年6月30日
正式名称 XLIX Grand Prix de l'A.C.F.
開催地 ランス・サーキット
フランスの旗 フランス ランス
コース 恒久的レース施設
コース長 8.302 km (5.159 mi)
レース距離 53周 440.006 km (273.407 mi)
決勝日天候 晴のち雨 (ドライ)
ポールポジション
ドライバー ロータス-クライマックス
タイム 2:20.2
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス
タイム 2:21.6 (12周目)
決勝順位
優勝 ロータス-クライマックス
2位 クーパー-クライマックス
3位 BRM

1963年フランスグランプリ (1963 French Grand Prix) は、1963年のF1世界選手権第4戦として、1963年6月30日ランス・サーキットで開催された。

ロータス・25-クライマックス(1.5L V8)をドライブするジム・クラークがレースを制した[1]

レース概要

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BRMは、モノコックと鋼管サブフレームを組み合わせたセミモノコック仕様のP61を投入した[2]

スタートでジム・クラークリッチー・ギンサー(BRM)をリードする。新車P61を使用するグラハム・ヒルはグリッド上でエンジンがストールしてしまったため、マシンを押しがけスタートさせなければならず、レース後に1分加算のペナルティが科せられた。レースはクラークが支配し、ギンサーは石がラジエーターに突き刺さりリタイアに追い込まれた。ジャック・ブラバムはマシントラブルを抱えたトレバー・テイラーとの激しい2位争いに勝った。

首位のクラークは2位ブラバムとの差を大きく広げたが、クラークのクライマックスエンジンが咳き込み始めた。しかし、これは散発的な問題であることが判明し、彼はポジションを維持するのに十分なリードを持っていた。ブラバムはレース終盤にエンジントラブルでグレアム・ヒルとトニー・マグスに抜かれ4位に後退し、残り2周でマグスがヒルを抜いて2位に躍り出た。ヒルは3位でフィニッシュしたが、押しがけスタートにより後にポイントは無効となった[3]。クラークは2位のマグスに1分以上の差を付けてポール・トゥ・ウィンで3連勝、2戦連続でグランドスラム(ポールポジションファステストラップ、全周回1位、優勝)を達成した。

エントリーリスト

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チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン
イギリスの旗 オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 2 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM P61 BRM P60 1.5L V8
4 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー P57 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 ブラバム・レーシング・オーガニゼーション 6 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ブラバム BT7 クライマックス FWMV 1.5L V8
8 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー
イギリスの旗 クーパー・カー・カンパニー 10 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー T66 クライマックス FWMV 1.5L V8
12 南アフリカの旗 トニー・マグス
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC 14 イタリアの旗 ルドビコ・スカルフィオッティ フェラーリ 156/63 フェラーリ Tipo178 1.5L V6
16 イギリスの旗 ジョン・サーティース
イギリスの旗 チーム・ロータス 18 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス 25 クライマックス FWMV 1.5L V8
20 イギリスの旗 トレバー・テイラー
22 イギリスの旗 ピーター・アランデル
イタリアの旗 オートモビリ・ツーリズモ・エ・スポート 24 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル 1 ATS 100 ATS 100 1.5L V8
26 イタリアの旗 ジャンカルロ・バゲッティ 2
イギリスの旗 レグ・パーネル・レーシング 28 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
30 ニュージーランドの旗 クリス・エイモン ローラ Mk4A
イギリスの旗 ブリティッシュ・レーシング・パートナーシップ 32 イギリスの旗 イネス・アイルランド BRP Mk1 BRM P56 1.5L V8
34 アメリカ合衆国の旗 ジム・ホール ロータス 24
スイスの旗 シフェール・レーシングチーム 36 スイスの旗 ジョー・シフェール ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 シロッコ・レーシング・カーズ 38 アメリカ合衆国の旗 トニー・セッテンバー シロッコ SP BRM P56 1.5L V8
40 イギリスの旗 イアン・バージェス 2
スイスの旗 エキュリー・フィリピネッティ 42 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル 1 ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 R.R.C. ウォーカー・レーシングチーム 44 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ クーパー T60 クライマックス FWMV 1.5L V8
イタリアの旗 スクーデリア・セントロ・スッド 46 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ BRM P57 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 ティム・パーネル 48 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
イタリアの旗 スクーデリア・デ・トマソ 50 アルゼンチンの旗 ナシフ・エステファノ 2 デ・トマソ 801 デ・トマソ 1.5L F8
ソース:[4]
追記
  • タイヤは全車ダンロップ
  • ^1 - P.ヒルは当初No.24のATSをドライブする予定だったが、ATSがレースから撤退したため、No.42のロータス-BRMで出場した
  • ^2 - マシンが準備できず

結果

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予選

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順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 18 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 2:20.2 1
2 2 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM 2:20.9 +0.7 2
3 8 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ブラバム-クライマックス 2:21.7 +1.5 3
4 16 イギリスの旗 ジョン・サーティース フェラーリ 2:21.8 +1.6 4
5 6 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 2:21.9 +1.7 5
6 10 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 2:22.5 +2.3 6
7 20 イギリスの旗 トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 2:23.7 +3.5 7
8 12 南アフリカの旗 トニー・マグス クーパー-クライマックス 2:24.4 +4.2 8
9 32 イギリスの旗 イネス・アイルランド BRP-BRM 2:25.1 +4.9 9
10 36 スイスの旗 ジョー・シフェール ロータス-BRM 2:25.2 +5.0 10
11 44 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ クーパー-クライマックス 2:25.7 +5.5 11
12 4 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー BRM 2:25.9 +5.7 12
13 14 イタリアの旗 ルドビコ・スカルフィオッティ フェラーリ 2:27.0 +6.8 DNS 1
14 42 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル ロータス-BRM 2:27.7 +7.5 13
15 28 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 2:28.3 +8.1 14
16 22 イギリスの旗 ピーター・アランデル ロータス-クライマックス 2:28.5 +8.3 DNS 2
17 30 ニュージーランドの旗 クリス・エイモン ローラ-クライマックス 2:30.5 +10.3 15
18 34 アメリカ合衆国の旗 ジム・ホール ロータス-BRM 2:30.9 +10.7 16
19 48 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー ロータス-BRM 2:33.2 +13.0 17
20 38 アメリカ合衆国の旗 トニー・セッテンバー シロッコ-BRM 2:36.7 +16.5 18
21 46 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ BRM 2:37.8 +17.6 19
ソース:[5]
追記
  • ^1 - スカルフィオッティは予選でのアクシデントにより決勝を欠場
  • ^2 - アランデルはサポートレースに出場するため決勝を欠場

決勝

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順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 18 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 53 2:10:54.3 1 9
2 12 南アフリカの旗 トニー・マグス クーパー-クライマックス 53 +1:04.9 8 6
3 2 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM 53 +2:13.9 1 2 0 1
4 6 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 53 +2:15.2 5 3
5 8 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ブラバム-クライマックス 53 +2:33.4 3 2
6 36 スイスの旗 ジョー・シフェール ロータス-BRM 52 +1 Lap 10 1
7 30 ニュージーランドの旗 クリス・エイモン ローラ-クライマックス 51 +2 Laps 15
8 28 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 50 +3 Laps 14
9 32 イギリスの旗 イネス・アイルランド BRP-BRM 49 +4 Laps 9
10 46 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ BRM 45 +8 Laps 19
11 34 アメリカ合衆国の旗 ジム・ホール ロータス-BRM 45 +8 Laps 16
12 10 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 42 イグニッション 6
13 20 イギリスの旗 トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 41 サスペンション 7
NC 42 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル ロータス-BRM 34 周回数不足 1 13
NC 44 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ クーパー-クライマックス 32 周回数不足 11
Ret 48 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー ロータス-BRM 30 ギアボックス 1 17
Ret 16 イギリスの旗 ジョン・サーティース フェラーリ 12 燃料ポンプ 4
Ret 38 アメリカ合衆国の旗 トニー・セッテンバー シロッコ-BRM 5 ホイールベアリング 18
Ret 4 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー BRM 4 ラジエーター 12
DNS 14 イタリアの旗 ルドビコ・スカルフィオッティ フェラーリ 予選でアクシデント
DNS 22 イギリスの旗 ピーター・アランデル ロータス-クライマックス サポートレースに出場
ソース:[6]
ラップリーダー[7]
追記
  • ^1 - G.ヒル、P.ヒル、グレゴリーは押しがけスタートを受けたため本来は失格だが、レース主催者はそのままレース続行を認め、レース後に1分加算ペナルティを科すことで対処した。ただし、FIA-CSI(国際スポーツ委員会)は3位に入賞したG.ヒルを得点対象外とし、順位の繰り上げは行わなかった[8]

第4戦終了時点のランキング

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  • : トップ5のみ表示。ベスト6戦のみがカウントされる。

脚注

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  1. ^ Small, Steve (1994). The Guinness Complete Grand Prix Who's Who. Guinness. p. 109. ISBN 0851127029 
  2. ^ (林信次 1997, p. 59)
  3. ^ French GP, 1963”. grandprix.com. 2018年9月13日閲覧。
  4. ^ France 1963 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年9月12日閲覧。
  5. ^ France 1963 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年9月12日閲覧。
  6. ^ 1963 French Grand Prix”. formula1.com. 26 December 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。20 September 2015閲覧。
  7. ^ France 1963 - Laps led”. statsf1.com. 2018年9月11日閲覧。
  8. ^ (林信次 1997, p. 121)

参照文献

[編集]

外部リンク

[編集]
前戦
1963年オランダグランプリ
FIA F1世界選手権
1963年シーズン
次戦
1963年イギリスグランプリ
前回開催
1962年フランスグランプリ
フランスの旗 フランスグランプリ 次回開催
1964年フランスグランプリ