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| 作品名 = ラ・ラ・ランド |
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| 原題 = La La Land |
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| 監督 = [[デミアン・チャゼル]] |
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| 原案 = |
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| 製作 = フレド・バーガー<br>ジョーダン・ホロウィッツ<br>[[マーク・E・プラット |
| 製作 = [[フレッド・バーガー (プロデューサー)|フレッド・バーガー]]<br>[[ジョーダン・ホロウィッツ]]<br>[[ゲイリー・ギルバート]]<br>[[マーク・E・プラット|マーク・プラット]] |
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| 製作総指揮 = |
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| ナレーター = |
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| 音楽 = [[ジャスティン・ハーウィッツ]] |
| 音楽 = [[ジャスティン・ハーウィッツ]] |
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| 主題歌 = |
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| 撮影 = リヌス・サンドグレン |
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| 編集 = [[トム・クロス]] |
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| 製作会社 = [[サミット・エンターテインメント]]<br />{{仮リンク|ブラック・レーベル・メディア|en|Thad Luckinbill}}<br />TIKフィルムズ<ref>{{cite web|title=Lionsgate Seals $1.5 Billion Deal With China’s Hunan TV|url=http://variety.com/2015/biz/asia/lionsgate-seals-co-finance-co-production-pact-with-chinas-hunan-tv-1201454954/|website=Variety|accessdate=1 March 2017}}</ref><ref>{{cite web|title=Will China Go Gaga for ‘La La Land’?|url=http://blogs.wsj.com/chinarealtime/2017/01/25/will-china-go-gaga-for-la-la-land/|website=Wall Street Journal|accessdate=1 March 2017}}</ref><br />インポスター・ピクチャーズ<br />[[ゲイリー・ギルバート|ギルバート・フィルムズ]]<br />[[マーク・E・プラット|マーク・プラット・プロダクションズ]] |
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| 製作会社 = ギルバート・フィルムズ<br />インポスター・ピクチャーズ<br />マーク・プラット・プロダクションズ |
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| 配給 = {{ |
| 配給 = {{flagicon|USA}} [[サミット・エンターテインメント]]<br />{{flagicon|JPN}} [[ギャガ]]/[[ポニーキャニオン]] |
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| 公開 = {{flagicon|ITA}} 2016年8月31日([[ヴェネツィア国際映画祭]])<br />{{flagicon|USA}} 2016年12月9日)<br />{{flagicon|JPN}} 2017年2月24日 |
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| 上映時間 = 128分<!--Theatrical runtime: 128:09--><ref>{{cite web|url=http://www.bbfc.co.uk/releases/la-la-land-film|title=''La La Land'' (12A)|work=[[British Board of Film Classification]]|date=October 14, 2016|accessdate=February 22, 2017}}</ref> |
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| 上映時間 = 128分 |
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| 製作国 = {{USA}} |
| 製作国 = {{USA}} |
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| 言語 = [[英語]] |
| 言語 = [[英語]] |
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| 製作費 = $30,000,000<ref>{{cite web|last1=Bart|first1=Peter|title=Peter Bart: ‘La La Land’ Adds Musical Backbeat To Wide-Open Awards Race|url=http://deadline.com/2016/11/la-la-land-oscar-chances-hollywood-indie-disconnect-1201856303/|publisher=Deadline.com|accessdate=December 2, 2016}}</ref> |
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| 製作費 = $30,000,000 |
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| 興行収入 =$443,902,182 <ref>{{cite web|url=http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=lalaland.htm|title=La La Land (2016)|publisher=[[Box Office Mojo]]|accessdate=March 3, 2017}}</ref> |
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| 次作 = |
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| video1 = [https://www.youtube.com/watch?v=tlyqz57sHgM 「ラ・ラ・ランド」本予告] |
| video1 = [https://www.youtube.com/watch?v=tlyqz57sHgM 「ラ・ラ・ランド」本予告] |
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『'''ラ・ラ・ランド'''』( |
『'''ラ・ラ・ランド'''』(英: '''''La La Land''''')は、[[2016年]]に公開された[[アメリカ合衆国]]の[[ミュージカル映画|ミュージカル]]・[[ロマンティック・コメディ]]・ドラマ映画。[[ピアニスト]]の恋愛を描いた映画で、脚本・監督は[[デミアン・チャゼル]]、主演は[[ライアン・ゴズリング]]と[[エマ・ストーン]]が務めた。この映画のタイトルは[[ロサンゼルス]]と「現実から遊離した精神状態」を意味する。 |
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[[第73回ヴェネツィア国際映画祭]]オープニング作品<ref>{{Cite web|url=http://www.cinemamente.com/la-la-land-venezia-72/|title=La La Land di Damien Chazelle apre Venezia 73|accessdate=2016-06-18}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/damien-chazelles-la-la-land-903896|title=Damien Chazelle's 'La La Land' To Open Venice Film Festival|accessdate=2016-06-18}}</ref> |
チャゼルは2010年に『ラ・ラ・ランド』の脚本を執筆したが、当時脚本に変更を加えずにプロジェクトに出資するスタジオを見つけることはできなかった。2014年のチャゼルの映画『[[セッション (映画)|セッション]]』の商業的成功を受け、[[サミット・エンターテインメント]]が『ラ・ラ・ランド』の製作に同意した。作品は2016年8月31日に[[第73回ヴェネツィア国際映画祭]]のオープニング作品としてワールド・プレミアを迎え<ref>{{Cite web|url=http://www.cinemamente.com/la-la-land-venezia-72/|title=La La Land di Damien Chazelle apre Venezia 73|accessdate=2016-06-18}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/damien-chazelles-la-la-land-903896|title=Damien Chazelle's 'La La Land' To Open Venice Film Festival|accessdate=2016-06-18}}</ref>、同年12月9日にはアメリカ合衆国で公開された。3,000万ドルの製作予算に対し、世界で3億7,000万ドルの[[興行収入]]を得ている。 |
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第74回[[ゴールデングローブ賞]]では |
『ラ・ラ・ランド』は2016年最高の映画のひとつとして大好評を得た。評論家はチャゼルの脚本・監督、ゴズリングとストーンの演技、[[ジャスティン・ハーウィッツ]]の映画音楽、ミュージカル・ナンバーを賞賛した。{{仮リンク|第74回ゴールデン・グローブ賞|label=第74回|en|74th Golden Globe Awards}}[[ゴールデン・グローブ賞]]ではノミネートされた7部門すべてを獲得し<ref name=eiga170109>{{cite news|url=http://eiga.com/news/20170109/6/|title=ゴールデングローブ賞発表 「ラ・ラ・ランド」が史上最多7部門を受賞|newspaper=映画.com|date=2017-01-09|accessdate=2017-02-16}}</ref>、{{仮リンク|第70回英国アカデミー賞|label=第70回|en|74th British Academy Awards}}[[英国アカデミー賞]]では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞した。[[第89回アカデミー賞]]では『[[タイタニック (1997年の映画)|タイタニック]]』(1997年)、『[[イヴの総て]]』(1950年)に並ぶ史上最多14ノミネート(13部門)を受け<ref>{{Cite web|publisher=T-SITEニュース|url=http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/34058182/|title=【第89回アカデミー賞】ライアン・ゴズリング主演『ラ・ラ・ランド』が本年度最多13部門14ノミネートを記録!『タイタニック』に並ぶ快挙!|accessdate=2017-02-16}}</ref>、[[アカデミー監督賞|監督賞]]、[[アカデミー主演女優賞|主演女優賞]](エマ・ストーン)、[[アカデミー撮影賞|撮影賞]]、[[アカデミー作曲賞|作曲賞]] 、[[アカデミー歌曲賞|歌曲賞]](『[[シティ・オブ・スターズ]]』''City Of Stars'')、[[アカデミー美術賞|美術賞]]の6部門を受賞した。 |
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== ストーリー == |
== ストーリー == |
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=== プロローグ・冬 === |
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{{不十分なあらすじ|date=2017年3月1日 (水) 16:57 (UTC)}} |
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舞台は[[ロサンゼルス]]。[[高速道路]]は朝の大渋滞となっており、多くのドライバーが苛つきから[[クラクション]]を鳴らしている。中からひとりの女性が降りたことをきっかけに、オープニング・ナンバー "''[[アナザー・デイ・オブ・サン|Another Day of Sun]]''" が始まる{{efn|作曲を担当した[[ジャスティン・ハーウィッツ]]は、当初オープニング・ナンバーに "''Traffic''" という題を付けていたが、後に "''Another Day of Sun''" に変更されたことを語っている<ref>{{cite web|url=https://genius.com/La-la-land-cast-another-day-of-sun-annotated|title=Another Day of Sun|publisher=Genius|accessdate=2017-03-03}}</ref>。2013年4月版と書かれた脚本にはこの曲が旧題で掲載されているが<ref name="script1304">{{cite web|url=http://www.la-screenwriter.com/wp-content/uploads/2017/02/LA-LA-Land.pdf|title=LA LA LAND - April 2013|date=2013-04|first=Damien|last=Chazelle|authorlink=デミアン・チャゼル|publisher=LA Entertainer|accessdate=2017-03-03|format=PDF|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170303114130/http://www.la-screenwriter.com/wp-content/uploads/2017/02/LA-LA-Land.pdf|archivedate=2017-03-03}}</ref>、日付の記載が無い最終版では新題が使われている<ref name="undated_script">{{cite web|url=http://www.lionsgateawards.com/#la-la-land/screenings|title=LA LA LAND|first=Damien|last=Chazelle|authorlink=デミアン・チャゼル|publisher=[[ライオンズゲート]]|accessdate=2017-03-03|format=PDF}}</ref>。|name="OPnumber"}}<ref>{{YouTube|dnne1XDWJvk|『ラ・ラ・ランド』Music PV "Another day of sun" - ギャガ公式チャンネル}}</ref>。 |
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舞台は"夢を追い求める人"が集まる現代の[[ロサンゼルス]]。 季節は冬。ワーナースタジオ内にあるカフェで働く主人公のミア(エマ・ストーン)は子供のころに女優として旅する叔母に感銘を受け、自身も映画俳優として成功をつかむことを夢見てオーディションを受け続ける日々を過ごす。 |
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そんなある日、渋滞で身動きできないハイウエイでふとしたことからオープンカーに乗った男性に中指を立てられる。 |
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その晩のパーティの帰り道にミアは何気なく寄ったレストランで、ピアノを弾くその朝の男 セバスチャン(ライアン・ゴズリング)出会う。セバスチャンは伝統的なジャズを愛し、いつか本当にジャズを愛する人のための自分のジャズクラブを持ちたいと夢見る男だった。 |
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同じ渋滞に巻き込まれている'''ミア'''(演:[[エマ・ストーン]])は[[女優]]の卵で、この間に台詞を覚えようとするが、後続車を運転していた'''セブ'''(演:[[ライアン・ゴズリング]])に煽られて悪態をつく。[[ハリウッド]]にある[[ワーナー・ブラザース]]の撮影所{{r|undated_script}}<ref name="tsite170303location">{{cite web|url=http://top.tsite.jp/news/cinema/i/34387631/|title=【もっと見たくなる!】『ラ・ラ・ランド』ロケ地の撮影秘話と場面写真が一挙解禁!|date=2017-02-14|publisher=[[TSUTAYA]]|work=T-SITE|accessdate=2017-03-03}}</ref>でカフェ店員として働きつつ夢を追うミアだが、[[オーディション]]の結果は散々で、一向に役はもらえない。一方のセブは[[ジャズ]][[ピアニスト]]で、歴史ある店が売れないジャズを諦める現状を嘆き、古き良きジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つが、実際には姉ローラ(演:[[ローズマリー・デウィット]])にも身を固めるよう諭される始末である。 |
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数ヵ月後、季節は春。ミアは訪れたパーティーで偶然にセバスチャンと再会する。 |
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そこから徐々に惹かれあい恋に落ちていった二人は、それぞれの夢を語り合いながらも、しかし、ミアの母親からの電話をきっかけに向き合わなければならない現実のことを考え始める。 |
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ある日オーディションに落ちたミアは、[[ルームシェア|ルームメイト]]のトレイシー(演:{{仮リンク|キャリー・ヘルナンデス|en|Callie Hernandez}})・アレクシス(演:ジェシカ・ロース{{efn|{{lang-en-short|Jessica Rothe|links=no}}}})・ケイトリン(演:[[ソノヤ・ミズノ]])に誘われ、[[クリスマス]]・パーティに参加することになる ("''Someone in the Crowd''") 。顔を売るための出席だったが思うようには行かず、挙げ句車が[[レッカー]]されてしまったミアは、偶然聞こえてきた音楽 ("''Mia & Sebastian’s Theme''") に惹かれてレストランへ入る。音の主は高速道路で煽ってきたセブで、ミアは曲に惚れ込んで声を掛けようとするが、契約通りの曲を弾かなかったことで解雇されたセブは、彼女を邪険に扱って店を出る。 |
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そんな中、二人が訪れたジャズクラブでセバスチャンは再開した旧友 キース(ジョン・レジェンド)から、安定した収入のかわりに全米を巡るツアーへの参加を打診される。 |
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=== 春 === |
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ミアは相変わらずオーディションを受け続けている。ある日パーティに参加した彼女は、バンドで[[a-ha]]の『[[テイク・オン・ミー]]』を演奏するセブを見つけ、[[フロック・オブ・シーガルズ]]の "{{仮リンク|アイ・ラン(ソー・ファー・アウェイ)|label=''I Ran (So Far Away)''|en|I Ran (So Far Away)}}"をリクエストするが<ref>{{cite web|url=http://www.vulture.com/2016/09/ryan-gosling-wears-a-keytar-in-la-la-land-fyi.html|title=Ryan Gosling Wears a Keytar in La La Land, Just FYI|publisher=Vulture.com|first=Kyle|last=Buchanan|date=2016-09-21|accessdate=2017-03-03}}</ref>、本物のアーティストと自負するセブはこの選曲に憤慨する。ミアは纏わり付く[[脚本家]]を振り切ろうと、セブと一緒にパーティ会場を離れるが、近くには自分と同じ[[プリウス]]が大量に駐車されていて自分の車を見つけられない。ミアの車を探して坂にさしかかったふたりは、夕焼けの美しさを前に、恋が始まりそうなふたりならどんなにロマンチックか語り合う ("''A Lovely Night''") {{efn|勿論この会話は[[反語]]であることが作曲者のハーウィッツによって語られている<ref>{{cite web|url=https://genius.com/Ryan-gosling-a-lovely-night-annotated|title=A Lovely Night|publisher=Genius|accessdate=2017-03-03}}</ref>。}}。 |
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数日後、セブは撮影所に忍び込み、仕事上がりのミアとふたりで中をうろつきながら、互いの身の上や夢を語り合う。その中でミアは「ジャズが嫌いだ」と話し、セブは本物のジャズを教えるとクラブへ連れて行く ("''Herman's Habit''") 。ふたりはミアの後学のため『[[理由なき反抗]]』のリバイバル上映を観に行く約束をして分かれ、その後セブは[[埠頭]]でひとり "''[[シティ・オブ・スターズ|City of Stars]]''" を歌う<ref name="cityofstars">{{YouTube|oGF0n9KdVP8|『セッション』監督のミュージカル!映画『ラ・ラ・ランド』より「City Of Stars」 - シネマトゥディ}}</ref>。 |
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ふたりの約束の日、ミアはボーイフレンドとの先約をすっかり忘れていた。ミアは仕方なく食事会に向かうが、浮かない彼女は途中でセブの待つ映画館へ向かう。トラブルから上映は途中で終わるが、その後ふたりは映画のロケ地にもなった[[グリフィス天文台]]を訪れて[[ワルツ]]を踊り、ふたりの交際が始まる ("''Planetarium''") 。 |
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=== 夏 === |
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ふたりはデートを重ね、同棲するアパートで互いに夢を追いながら "''City of Stars''" を[[デュエット]]する{{r|cityofstars}}。関係は良好だったが、セブは店の資金がなく、ミアは女優としてのチャンスを掴めずにいた。セブの助言を受けてミアは一人芝居の脚本を書き始める。また、ミアはセブの店のロゴを「Seb's」にしようと語るが、[[チャーリー・パーカー]]を敬愛するセブは「Chicken On A Stick」<ref>チャーリー・パーカーは「バード」という愛称で呼ばれるほど鶏肉が好きだったためとされている。</ref>がいいと譲らない。同時期、セブはジャズバーで旧友キース(演:[[ジョン・レジェンド]])と再会してバンド加入の誘いを受ける。しかし、二人の音楽には方針の不和があった。キースのバンドはジャズにロックやダンスミュージックなどを融合させた斬新な音楽だったため、古き良きジャズを好むセブは違和感を抱く。キースは「ジャズを守りたいのなら、まずは聞いてもらわなくてはいけない。セブが敬愛するチャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスはジャズに革命を起こし、過去を変えた人達ではないのか。それなのにセブは過去に囚われすぎている」と語る。キースの考えを否定できず、店の資金のためもあり、バンドへ加入する。ライブを訪れたミアは、バンドの曲 "''Start a Fire''"<ref>{{YouTube|76ULWmMfHcU|La La Land (2016 Movie) Official Trailer - 'Start A Fire’-Lionsgate Movies}}</ref>がセブの求めるジャズではないと気付くが、バンドは大成功し、ふたりの生活はすれ違うようになる。 |
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=== 秋 === |
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セブとキースのバンドはツアーに繰り出し全国を飛び回る生活だが、一方のミアは、アパートに残って一人芝居の準備に取り掛かっていた。ある日ミアがアパートに帰ると、彼女を驚かせようと帰ってきたセブがいる。ミアと共に過ごしたいセブはツアーに同行しないか聞くが、公演が目前に迫っているミアはこれを断る。ミアはさらに、自分の店を開く夢はどうなったのか問いただし、ふたりは口論になって彼女がアパートを出て行く。 |
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ミアの公演当日、セブは忘れていた雑誌撮影があることを知らされる。公演の客入りはまばらで、終演後 酷評を聞いたミアは故郷{{仮リンク|ボウルダー・シティ (ネバダ州)|label=ボウルダー・シティ|en|Boulder City, Nevada}}に帰ることを決意する。セブも撮影を途中で切り上げて劇場へ向かうが、終演には間に合わず、ミアには夢の終わりを告げられる。 |
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数日後、セブはキャスティング担当者からミアの舞台が目にとまったと知らせを受け、ミアの話を元に彼女の実家を訪れてオーディションに行くよう説得する。ミアはオーディションでおばの話を引きつつ、夢追い人の素晴らしさを語る ("''[[オーディション(ザ・フールズ・フー・ドリーム)|Audition (The Fools Who Dream)]]''") <ref>{{YouTube|XK3gq6GRQbQ|映画『ラ・ラ・ランド』エマ・ストーンが歌う「AUDITION」 -シネマトゥディ}}</ref>。オーディション後、かつて訪れた坂{{efn|"''A Lovely Night''" でふたりが踊ったグリフィス・パークの坂道。}}に辿り着いたふたりは、互いに愛し合っていることを確認し、夢に溢れた未来を語る。 |
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=== エピローグ・5年後の冬 === |
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ミアは大女優になり、娘もいる母親だが、その父親はセブではない。一方のセブは夢を叶えて、古き良きジャズを愛でる自分の店を開いていた。ある夜、夫と共に出かけたミアは、プロローグ同様に渋滞に巻き込まれ、高速道路を降りて偶然セブのバーに入る。ミアは店名とロゴがかつて自分が考えたものだと気付き、セブも客にミアがいると気付いて、ミアが最初に惚れ込んだ曲 ("''Mia & Sebastian's Theme''") を弾き始める。曲の始まりと共に、セブとミアが結ばれていた場合の5年間が、映画を振り返る[[走馬燈]]のように描かれる ("''Epilogue''") 。曲が終わったところでミア夫妻は店を出るが、最後にふたりは、互いの気持ちを理解するように見つめ合う。 |
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== キャスト == |
== キャスト == |
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※括弧内は日本語吹替 |
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* セバスチャン(セブ)・ワイルダー - [[ライアン・ゴズリング]]([[内田夕夜]]<ref name="日本語吹替">{{cite web|url=http://www.tvlife.jp/entame/132222|accessdate=2017-07-31|title=「ラ・ラ・ランド」日本語吹替キャストに内田夕夜、武田華ら BD&DVD 8・2発売|date=2017-07-31|publisher=TVLIFE|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170731133213/http://www.tvlife.jp/entame/132222|archivedate=2017-07-31}}</ref>) |
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* [[ライアン・ゴズリング]] - セバスチャン・ワイルダー、ジャズ・ピアニスト |
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* [[エマ・ストーン]] |
* ミア・ドーラン - [[エマ・ストーン]]([[武田華]]{{r|日本語吹替}}) |
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* キース - [[ジョン・レジェンド]]([[祐仙勇]]{{r|日本語吹替}}): セブの旧友 |
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* [[J・K・シモンズ]] - ビル、レストランの経営者 |
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* [[ |
* ローラ - [[ローズマリー・デウィット]]: セブの姉 |
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* トレイシー - {{仮リンク|キャリー・ヘルナンデス|en|Callie Hernandez}}: ミアのルームメイト |
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* [[ローズマリー・デウィット]] - セバスチャンの姉 |
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* アレクシス - ジェシカ・ロース([[熊谷海麗]]): ミアのルームメイト |
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* [[ミーガン・フェイ]] - ミアの母親 |
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* ケイトリン - [[ソノヤ・ミズノ]]([[石井未紗]]{{r|日本語吹替}}): ミアのルームメイト |
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* [[ジェイソン・フュークス]] - カルロ、ミアに執着する脚本家 |
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* ビル - [[J・K・シモンズ]]([[壤晴彦]]{{r|日本語吹替}}): セブが働くレストランのオーナー |
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* [[ジェシカ・ローゼンバーグ]] - アレクシス |
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* グレッグ - [[フィン・ウィットロック]]: ミアのボーイフレンド |
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* [[ソノヤ・ミズノ]] - ケイトリン |
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* デヴィッド - [[トム・エヴェレット・スコット]]: 5年後のミアの夫 |
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* [[カーリー・エルナンデス]] - トレイシー |
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* [[ |
* ミアの母親 - [[ミーガン・フェイ]] |
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* ハリー - {{仮リンク|デイモン・ガプトン|en|Damon Gupton}}: キースのバンドのメンバー |
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* [[ジョシュ・ペンス]] - ジョシュ |
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* カルロ - {{仮リンク|ジェイソン・フュークス|en|Jason Fuchs}}: パーティでミアに声をかける脚本家 |
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* [[アンナ・チャゼル]] - サラ |
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* ジョシュ - [[ジョシュ・ペンス]]: グレッグの兄 |
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* ヴァレット - {{仮リンク|トレヴァー・リサウアー|en|Trevor Lissauer}} |
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* アリステア - {{仮リンク|マイルズ・アンダーソン|en|Miles Anderson}}([[宮崎敦吉]]): [[モジョ (雑誌)|モジョ]]のカメラマン |
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== 製作 == |
== 製作 == |
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=== 企画 === |
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[[2014年]]6月5日、デミアン・チャゼルが自身の脚本を基にしたミュージカル映画の製作を企画しており、[[マイルズ・テラー]]と[[エマ・ワトソン]]を主演に迎える方向で調整がなされているとの報道があった。ジョーダン・ホロウィッツとフレド・バーガーがプロデューサーとして参加し、[[ライオンズゲート]]がアメリカでの配給権を保有するとも報じられていた<ref>{{Cite web|url=http://www.thewrap.com/miles-teller-emma-watson-circling-damien-chazelles-musical-la-la-land-exclusive/|title=Miles Teller, Emma Watson Circling Damien Chazelle’s Musical ‘La La Land’ (Exclusive)|accessdate=2016-05-19}}</ref>。 |
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=== プリプロダクション === |
=== プリプロダクション === |
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[[File:Damien Chazelle (cropped).jpg|thumb|left|upright|脚本・監督のデミアン・チャゼルは数々の賞にノミネートおよび受賞している。]] |
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[[2015年]]4月14日、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが主役候補として検討されていると報じられた<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/04/ryan-gosling-emma-stone-damien-chazelle-la-la-land-1201409697/|title=Ryan Gosling & Emma Stone Circling Damien Chazelle’s ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。30日には両名の出演が確定した<ref name="Wrap">{{Cite web|url=http://www.thewrap.com/power-rangers-kristen-stewarts-american-ultra-land-release-dates/|title=‘Power Rangers,’ Kristen Stewart’s ‘American Ultra’ Land Release Dates|accessdate=2016-05-19}}</ref>。7月8日、[[ジェシカ・ローゼンバーグ]]、[[ソノヤ・ミズノ]]、[[カーリー・エルナンデス]]ら3名がミアのルームメイトとして出演することが決まった<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/07/la-la-land-movie-sonoya-mizuno-jessica-rothe-callie-hernandez-damien-chazelle-1201472512/|title=Sonoya Mizuno, Jessica Rothe & Callie Hernandez Move Into ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。10日、[[J・K・シモンズ]]と[[フィン・ウィットロック]]が本作に出演すると報じられた<ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/jk-simmons-reunite-whiplash-director-807738|title=J.K. Simmons to Reunite With 'Whiplash' Director for 'La La Land' (Exclusive)|accessdate=2016-05-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://eiga.com/news/20150714/6/|title=「セッション」監督とJ・K・シモンズ、新作ミュージカル映画で再タッグ|accessdate=2016-05-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-adding-american-807898|title='La La Land' Adding 'American Horror Story' Actor Finn Wittrock (Exclusive)|accessdate=2016-05-19}}</ref>。8月4日、[[ローズマリー・デウィット]]と[[ジョン・レジェンド]]の出演が決まった<ref>{{Cite web|url=http://variety.com/2015/film/news/john-legend-la-la-land-musical-1201556225/|title=John Legend in Talks to Join Emma Stone and Ryan Gosling in Musical ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/08/rosemarie-dewitt-la-la-land-cast-ryan-gosling-emma-stone-1201491314/|title=Rosemarie DeWitt Chimes In For ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。10日、ミーガン・フェイが本作に出演すると報じられた<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/08/tony-sirico-joins-woody-allenmovie-meagen-fay-cast-in-la-la-land-1201496699/|title=Tony Sirico Joins Woody Allen’s Latest; Meagen Fay Tunes Up For ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。11日、[[ジェイソン・フュークス]]が本作に出演する契約を結んだとの報道があった<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/08/jon-magaro-war-machine-jason-fuchs-la-la-land-1201497399/|title=John Magaro Joins ‘War Machine’; Jason Fuchs Moves To ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。 |
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ドラム奏者でもあるデミアン・チャゼルは熱狂的なミュージカル映画ファンである<ref name="THR" />。2010年、チャゼルは『ラ・ラ・ランド』の脚本を書いたが、当時のチャゼルには映画界は手の届かない存在であった<ref name=prewhiplash>{{cite web|last1=Hipes|first1=Patrick|last2=Patten|first2=Dominic|title=Ryan Gosling & Emma Stone Circling Damien Chazelle's 'La La Land'|url=http://deadline.com/2015/04/ryan-gosling-emma-stone-damien-chazelle-la-la-land-1201409697/|accessdate=August 20, 2015|publisher=[[Deadline.com]]|date=April 14, 2015}}</ref>。この作品の案は、クラシックなミュージカルを踏襲するが、いつもうまくいく訳ではない日常生活に根差したものであり<ref name="THR" />、ロサンゼルスに夢を持ってやってくる人々へ敬意を表するものとなった<ref name="TG" />。[[ハーバード大学]]在学中、チャゼルは同級生の[[ジャスティン・ハーウィッツ]]と共にこの案の映画化を決心した。2人は[[ボストン]]のジャズ・ミュージシャンについての低予算ミュージカル映画『''[[::en:Guy and Madeline on a Park Bench|Guy and Madeline on a Park Bench]]'' 』を卒業制作として製作し、コンセプトを掘り下げた<ref name="TheHR">{{cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/features/la-la-land-unrealistic-hollywood-dream-critical-acclaim-942793|title=How 'La La Land' Went From First-Screening Stumbles to Hollywood Ending|author=Rebecca Ford|work=[[The Hollywood Reporter]]|date=November 3, 2016|accessdate=November 3, 2016}}</ref><ref name="Boston">{{cite web|last1=Goldstein|first1=Meredith|title='La La Land' could have been set in Boston|url=https://www.bostonglobe.com/lifestyle/names/2016/09/13/land-could-have-been-set-boston/4f5dyIclwCdujpRC059w6L/story.html|website=Boston Globe|accessdate=September 20, 2016}}</ref>。チャゼルは『[[マンハッタ]]』(1921年)や『[[これがロシヤだ]]』(1929年)など、ある1つの都市を称える1920年代のシティ・シンフォニー映画に感銘を受けていた<ref name="NYLA" />。卒業後の2010年、2人はロサンゼルスに転居して脚本を執筆し続けたが、舞台をボストンからロサンゼルスに移すなど若干の修正が加えられた<ref name="TheHR" />。 |
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{{quotation|「アメリカの他の都市と比較してロサンゼルスならなおさら地域の歴史に無頓着である。しかし不思議なことに、調べる気になればタマネギの皮を剥くように少しずつ本当の姿が見えてくる<ref name="NYLA" />。」}} |
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=== 撮影 === |
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ロサンゼルスをパリやサンフランシスコの魅力に合わせようとするのではなく、交通、[[スプロール現象]]、そして空など街の特徴に焦点を当てた<ref name="NYLA" />。この映画の様式は[[ジャック・ドゥミ]]の『[[シェルブールの雨傘]]』や『[[ロシュフォールの恋人たち]]』の影響を受けている。特に『ロシュフォール』ではダンスやジャズ関連、そしてそれ以外からも影響を受けている<ref name="PH">{{cite web|url=http://deadline.com/2016/08/damien-chazelle-la-la-land-venice-film-festival-1201810810/|title=Damien Chazelle's 'La La Land', An Ode To Musicals, Romance & L.A., Ready To Launch Venice And Oscar Season|author=Pete Hammond|publisher=[[Deadline.com]]|date=August 30, 2016|accessdate=October 9, 2016}}</ref>。また作中、『[[踊るニュウ・ヨーク]]』、『[[雨に唄えば]]』、『[[バンド・ワゴン]]』などのハリウッドのクラシック映画のオマージュ的映像が多数含まれている<ref name="CT">{{cite web|url=http://www.chicagotribune.com/entertainment/movies/ct-ryan-gosling-interview-la-la-land-toronto-film-fest-20160911-column.html|title=Ryan Gosling sings, dances, reads in margins of Gene Kelly's annotated script|author=Michael Phillips|work=[[Chicago Tribune]]|date=September 12, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。また前作『[[セッション (映画)|セッション]]』と登場人物やテーマが類似している。チャゼルは「どちらもアーティストとして、夢と現実の差に悩みを持っている。『ラ・ラ・ランド』はそれに関しての怒りはだいぶ抑えてある」と語った<ref name="EW">{{cite web|url=http://www.ew.com/article/2016/08/30/ryan-gosling-emma-stone-la-la-land|title=La La Land director on the 'timeless glamour' of Ryan Gosling & Emma Stone|author=Joe McGovern|work=[[Entertainment Weekly]]|date=August 30, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。またチャゼルはどちらの作品もハリウッドでの映画製作者としての経験を反映させていると語った<ref name="TG" />。特に『ラ・ラ・ランド』では、[[ショッピングセンター]]と高速道路だらけというロサンゼルスのイメージを膨らませながら西海岸に転居した自身の経験を織り込んでいる<ref name="NYLA">{{cite web|url=http://mobile.nytimes.com/2016/11/06/movies/la-la-land-stars-ryan-gosling-emma-stone-and-los-angeles.html?referer=https://www.google.co.in/|title=L.A. Transcendental: How ‘La La Land’ Chases the Sublime|author=Mekado Murphy|work=[[The New York Times]]|date=November 4, 2016|accessdate=November 5, 2016}}</ref>。 |
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2015年8月10日、本作の主要撮影が[[ロサンゼルス]]で始まった<ref>https://twitter.com/lionsgatemovies/status/630872652148703232</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.ssninsider.com/on-the-set-for-81415-marlon-wayans-starts-fifty-shades-of-black-bill-condon-wraps-up-beauty-and-the-beast/|title=On the Set for 8/14/15: Marlon Wayans Starts Fifty Shades of Black, Bill Condon Wraps Up Beauty and The Beast|accessdate=2016-05-19}}</ref>。高速道路上で「Another Day of Sun」を歌い踊る冒頭のシーンは、スタジオ撮影ではなく、実際にロサンゼルス南部のジャッジ・ハリー・プレガーソンICの一部を借り切って撮影されたものである<ref>{{Cite web|url=http://www.thedailybeast.com/articles/2016/12/16/how-la-la-land-staged-a-dance-number-on-an-l-a-freeway.html|title=How ‘La La Land’ Staged a Dance Number on an L.A. Freeway|accessdate=2017-02-03}}</ref>。 |
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誰も知らない曲を使用したオリジナルの現代ミュージカルに出資するスタジオはなかなかなく、何年も製作することができなかった。またジャズに関して『[[ハリウッド・リポーター]]』誌は「絶滅したジャンル」とまで言い切った。チャゼルはハーウィッツとのコンビが無名であるため出資されないのだと考えた<ref name="LATimes" /><ref name="TheHR" />。チャゼルはプロデューサーを探し、友人たちを介して知り合ったフレッド・バーガー、ジョーダン・ホロウィッツがプロデューサーとして参加した。[[フォーカス・フィーチャーズ]]に予算100万ドルとして脚本を送った。フォーカス社は男性主人公をジャズ・ピアニストではなくロック・ミュージシャンに替える、オープニング曲を別の曲に差し替える、最後のほろ苦いシーンをカットするなど、チャゼルが作品の特色であり重要事項と考えていた部分の多くの変更を要求した。チャゼルは大きな変更を望まなかったため、このプロジェクトを破棄して別の方法を探すことにした<ref name="TheHR" />。 |
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主演のジャズ・ピアニスト役を演じた[[ライアン・ゴズリング]]は、撮影までの3ヶ月間に渡りピアノ特訓を行い、全てのシーンを実際に弾いている<ref>{{Cite web|publisher=VOGUE JAPAN|url=https://www.vogue.co.jp/fashion/editors_picks/2017-02/11/mihoko-iida|title=これさえ知っておけばもっと楽しめる!映画『ラ・ラ・ランド』で見逃したくない4つのシーン。|accessdate=2017-02-16}}</ref>。 |
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その後チャゼルはより出資されやすくリスクの少ないコンセプトの『セッション』を執筆した<ref name="TomHanks">{{cite web|url=http://deadline.com/2016/09/telluride-film-festival-tom-hanks-praises-la-la-land-sully-q-a-1201813204/|title=Tom Hanks Interrupts His Own 'Sully' Q&A To Lavishly Praise 'La La Land' – Telluride|author=Pete Hammond|publisher=[[Deadline.com]]|date=September 3, 2016|accessdate=October 9, 2016}}</ref>。2014年1月の[[サンダンス映画祭]]で初上映され批評家からの高評価を受け、チャゼルは『ラ・ラ・ランド』製作への努力を続けた<ref name="TheHR" />。1年後、[[第87回アカデミー賞]]において『セッション』が[[アカデミー作品賞|作品賞]]を含む5部門にノミネートされ、330万ドルの製作費であったが世界中で5千万ドルの興行収入をあげ、映画製作会社からチャゼルの次の作品に注目されるようになった<ref name="LATimes" />。 |
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== 音楽 == |
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{{Infobox Album |
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| Name = ラ・ラ・ランド<br />オリジナル・サウンドトラック |
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| Type = [[サウンドトラック]] |
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| Artist = [[ジャスティン・ハーウィッツ]] |
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| Cover = |
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| Released = {{Flagicon|USA}} 2016年12月9日<br />{{Flagicon|Japan}} 2017年2月17日 |
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| Recorded = |
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| Genre = [[サウンドトラック]]、[[映画音楽]] |
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| Length = |
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| Label = [[インタースコープ・レコード]] |
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}} |
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音楽プロデュースは、[[デミアン・チャゼル]]監督の前作『[[セッション (映画)|セッション]]』に引き続き、[[ジャスティン・ハーウィッツ]]が担当<ref>{{Cite web|publisher=CDJournal|url=http://www.cdjournal.com/main/news/-/74739|title=映画「ラ・ラ・ランド」オリジナル・サウンドトラックの発売が決定|accessdate=2017-02-18}}</ref>。 |
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脚本を執筆してから5年後<ref name="YM" />、『セッション』の批評的、商業的成功に好印象を持った[[サミット・エンターテインメント]]とブラック・レーベル・メディアは[[マーク・E・プラット]]をプロデューサーに迎え『ラ・ラ・ランド』製作への出資および配給に同意した<ref name="TG" />。『[[ステップ・アップ]]』シリーズの製作に関わった[[ライオンズゲート]]のパトリック・ワックスバーガーは、低予算では高品質ミュージカル映画は製作できないと考えており、チャゼルに予算を上げるよう勧めた<ref>{{cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/patrick-wachsberger-lionsgate-twilight-divergent-932343|title=Zurich: Lionsgate's Patrick Wachsberger on His Journey From Jerry Lewis to 'Twilight,' 'La La Land'|author=Scott Roxborough|work=[[The Hollywood Reporter]]|date=September 25, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。 |
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2017年2月には、[[全英アルバムチャート|全英アルバム売上チャート]]の1位を獲得。ミュージカル映画がチャート1位を獲得したのは、2013年『[[レ・ミゼラブル (2012年の映画)|レ・ミゼラブル]]』以来となる<ref>{{Cite web|publisher=MTV JAPAN|url=http://www.mtvjapan.com/news/cinema/28320|title=『ラ・ラ・ランド』のサウンドトラック、全英アルバム・チャートの首位に|accessdate=2017-02-18}}</ref>。 |
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=== キャスティング === |
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{{Tracklist |
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[[File:Ryan Gosling (16869617648).jpg|thumb|right|upright|ライアン・ゴスリングはこの作品のためにタップダンスとピアノを練習した。]] |
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|extra_column = パフォーマー |
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[[2014年]]6月5日、デミアン・チャゼルが自身の脚本を基にしたミュージカル映画の製作を企画しており、[[マイルズ・テラー]]と[[エマ・ワトソン]]を主演に迎える方向で調整がなされているとの報道があった<ref>{{Cite web|url=http://www.thewrap.com/miles-teller-emma-watson-circling-damien-chazelles-musical-la-la-land-exclusive/|title=Miles Teller, Emma Watson Circling Damien Chazelle’s Musical ‘La La Land’ (Exclusive)|accessdate=2016-05-19}}</ref>。しかしワトソンは2017年の映画『[[美女と野獣 (2017年の映画)|美女と野獣]]』出演のため降板し、テラーは長期間に亘る交渉の結果降板した<ref name=prewhiplash />。チャゼルは登場人物の年齢を上げ、ロサンゼルスに来たばかりの若者ではなく、夢への挫折の経験を持つ役柄に変更した<ref name="TheHR" />。 |
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|title1 = アナザー・デイ・オブ・サン<br />Another Day Of Sun |
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|length1 = 3:48 |
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[[2015年]]4月14日、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが主役候補として検討されていると報じられた<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/04/ryan-gosling-emma-stone-damien-chazelle-la-la-land-1201409697/|title=Ryan Gosling & Emma Stone Circling Damien Chazelle’s ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。30日には両名の出演が確定した<ref name="Wrap">{{Cite web|url=http://www.thewrap.com/power-rangers-kristen-stewarts-american-ultra-land-release-dates/|title=‘Power Rangers,’ Kristen Stewart’s ‘American Ultra’ Land Release Dates|accessdate=2016-05-19}}</ref>。7月8日、ジェシカ・ロース、[[ソノヤ・ミズノ]]、{{仮リンク|キャリー・ヘルナンデス|en|Callie Hernandez}}ら3名がミアのルームメイトとして出演することが決まった<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/07/la-la-land-movie-sonoya-mizuno-jessica-rothe-callie-hernandez-damien-chazelle-1201472512/|title=Sonoya Mizuno, Jessica Rothe & Callie Hernandez Move Into ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。10日、[[J・K・シモンズ]]と[[フィン・ウィットロック]]が本作に出演すると報じられた<ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/jk-simmons-reunite-whiplash-director-807738|title=J.K. Simmons to Reunite With 'Whiplash' Director for 'La La Land' (Exclusive)|accessdate=2016-05-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://eiga.com/news/20150714/6/|title=「セッション」監督とJ・K・シモンズ、新作ミュージカル映画で再タッグ|accessdate=2016-05-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-adding-american-807898|title='La La Land' Adding 'American Horror Story' Actor Finn Wittrock (Exclusive)|accessdate=2016-05-19}}</ref>。8月4日、[[ローズマリー・デウィット]]と[[ジョン・レジェンド]]の出演が決まった<ref>{{Cite web|url=http://variety.com/2015/film/news/john-legend-la-la-land-musical-1201556225/|title=John Legend in Talks to Join Emma Stone and Ryan Gosling in Musical ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/08/rosemarie-dewitt-la-la-land-cast-ryan-gosling-emma-stone-1201491314/|title=Rosemarie DeWitt Chimes In For ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。10日、ミーガン・フェイが本作に出演すると報じられた<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/08/tony-sirico-joins-woody-allenmovie-meagen-fay-cast-in-la-la-land-1201496699/|title=Tony Sirico Joins Woody Allen’s Latest; Meagen Fay Tunes Up For ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。11日、{{仮リンク|ジェイソン・ヒュークス|en|Jason Fuchs}}が本作に出演する契約を結んだとの報道があった<ref>{{Cite web|url=http://deadline.com/2015/08/jon-magaro-war-machine-jason-fuchs-la-la-land-1201497399/|title=John Magaro Joins ‘War Machine’; Jason Fuchs Moves To ‘La La Land’|accessdate=2016-05-19}}</ref>。 |
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|extra1 = ラ・ラ・ランド・キャスト |
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|title2 = サムワン・イン・ザ・クラウド<br />Someone In The Crowd |
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エマ・ストーン演じるミアは、女優を目指すがなかなか叶わず、オーディションの合間にロサンゼルスにあるワーナー・ブラザースの喫茶店で[[バリスタ (コーヒー)|バリスタ]]として働く<ref name="LATimes" />。ストーンは8歳の時に『[[レ・ミゼラブル (ミュージカル)|レ・ミゼラブル]]』を鑑賞してからのミュージカル・ファンで、「突然歌いだすのがいつも夢だった」と語っており、好きな映画として1931年の[[チャーリー・チャップリン]]のロマンチック・コメディ『[[街の灯]]』を挙げている<ref name="LATimes" /><ref name="THR" />。子供の頃[[チアリーダー]]に所属し、バレエも1年間だけ習っていた<ref name="LATimes" />。15歳で女優を目指して母親と共にハリウッドに転居したが、最初の1年はオーディションに落ち続けて苦悩していた。たとえ役を得ても、台詞は1行だけであった<ref name="BBC" />。ミアの役は自身の経験を反映しており、映画にも活かされている<ref name="EW" />。 |
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|length2 = 4:19 |
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|extra2 = エマ・ストーン、カーリー・エルナンデス、ソノヤ・ミズノ、ジェシカ・ローテ |
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2014年、ストーンは[[ブロードウェイ・シアター|ブロードウェイ]]・デビュー作『[[キャバレー (ミュージカル)|キャバレー]]』出演時にチャゼルと出会った。チャゼルとハーウィッツは、ストーンが風邪をひきつつ出演していた公演を鑑賞した<ref name="LATimes" /><ref>{{cite web|url=http://deadline.com/2016/11/emma-stone-mel-gibson-la-la-land-hacksaw-ridge-lionsgate-contenders-1201847486/|title=Emma Stone Reveals Unorthodox 'La La Land' Audition; Mel Gibson On 'Hacksaw Ridge' Inspiration – The Contenders|author=Matthew Grobar|publisher=[[Deadline.com]]|date=November 5, 2016|accessdate=November 6, 2016}}</ref>。ストーンはニューヨークにあるブルックリン・ダイナーでチャゼルと会い、チャゼルは映画のビジョンを語った<ref name="VOGUE">{{cite web|url=http://www.vogue.com/13490922/emma-stone-november-cover-la-la-land-movie-ryan-gosling/|title=Emma Stone Takes the Biggest Leap of Her Career With La La Land|author=Jason Gay|work=[[Vogue (magazine)|Vogue]]|date=October 14, 2016|accessdate=October 16, 2016}}</ref>。チャゼルは『キャバレー』でのストーンを見て『ラ・ラ・ランド』での役を的確に演じることができると考えた<ref name="VOGUE" />。役を検討する上で、ストーンはチャゼルが影響を受けたとする『シェルブールの雨傘』や[[フレッド・アステア]]と[[ジンジャー・ロジャース]]のコラボレート作品を鑑賞した<ref name="YM">{{cite web|url=https://www.yahoo.com/movies/emma-stone-on-reteaming-with-ryan-gosling-in-la-la-land-and-her-new-appreciation-of-los-angeles-120240431.html|title=Emma Stone on Reteaming With Ryan Gosling in 'La La Land' and Her New Appreciation of Los Angeles|author=Ethan Alter|work=[[::en:Yahoo! Movies|Yahoo! Movies]]|date=September 16, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。ストーンはチャゼルが作品に大変情熱を持って取り組んでいることに感銘し、正式に役を受けた<ref name="VOGUE" />。 |
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|title3 = ミアとセバスチャンのテーマ<br />Mia & Sebastian’s Theme |
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|length3 = 1:37 |
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[[File:John Legend by Sachyn Mital.jpg|thumb|left|upright|シンガーソングライターのジョン・レジェンドは助演として出演しただけでなく、エグゼクティヴ・プロデューサーも務めた。]] |
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|extra3 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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ライアン・ゴスリングが、自分のクラブを持つことを夢見ながら、生活のためにバーでのカクテル・パーティで演奏するジャズ・ピアニストのセバスチャン役に配役された<ref name="LATimes">{{cite web|url=http://www.latimes.com/entertainment/movies/la-et-mn-la-la-land-emma-stone-damien-chazelle-20160907-snap-story.html|title=With 'La La Land,' Emma Stone and director Damien Chazelle aim to show that original musicals aren't all tapped out|author=Rebecca Reegan|work=[[Los Angeles Times]]|date=September 12, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。ストーンと同様、アーティストを目指した自身の経験を反映させた。ゴスリングがオーディションで泣く演技をしている最中、キャスティング担当者が電話に出てランチの相談をした経験がミアの役に織り込まれた<ref name="LATimes" /><ref name="BBC" /><ref>{{cite web|url=http://www.latimes.com/entertainment/la-et-this-painful-audition-scene-in-la-la-land-was-based-on-ryan-gosling-s-real-life-experience-20160913-premiumvideo.html|title=This painful audition scene in 'La La Land' was based on Ryan Gosling's real-life experience|work=[[Los Angeles Times]]|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。チャゼルは、『[[マネー・ショート 華麗なる大逆転]]』撮影開始頃のゴスリングとハリウッド・ヒルズのバーで会った<ref name="TheHR" />。 |
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|title4 = ア・ラヴリー・ナイト<br />A Lovely Night |
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|length4 = 3:56 |
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サミットが映画化権を購入した直後にチャゼルは2人と面会した<ref name="TG" />。チャゼルは2人について、[[スペンサー・トレイシー]]と[[キャサリン・ヘプバーン]]、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース、[[マーナ・ロイ]]と[[ウィリアム・パウエル]]のような往年のハリウッド・カップルのようにしっくり合っていると感じた<ref name="EW" />。ゴスリングとストーンにとって『[[ラブ・アゲイン (映画)|ラブ・アゲイン]]』(2011年)、『[[L.A. ギャング ストーリー]]』(2013年)に続く3作目の共演となった<ref name="3rd">{{cite web|url=http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-3264852/Emma-Stone-joins-Ryan-Gosling-set-La-La-Land.html|title=Lights, camera, action! Emma Stone looks every inch the girl next door in a blue shirt and A-line skirt as she joins Ryan Gosling on the set of La La Land|author=Kate Thomas And Jennifer Pearson|work=[[Daily Mail]]|date=October 8, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。チャゼルは2人にオーディションの失敗談を尋ねた<ref name="BBC">{{cite web|url=http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-37378289|title=La La Land: Gosling and Stone serenade Hollywood|author=Emma Jones|work=''[[BBC News]]|date=October 6, 2016|accessdate=October 10, 2016}}</ref>。2人はオリジナル曲6曲の歌およびダンスの稽古を受けた<ref name="TheHR" />。 |
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|extra4 = ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン |
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|title5 = ハーマンズ・ハビット<br />Herman’s Habit |
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ジョン・レジェンドは、のちにセバスチャンが加入することとなるバンド「メッセンジャーズ」のリーダーで、ヒットしているジャズ・パフォーマーのキース役を演じた<ref name="LATimes" />。 |
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|length5 = 1:51 |
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|extra5 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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{{仮リンク|マンディ・ムーア (振り付け師)|label=マンディ・ムーア|en|Mandy Moore (choreographer)}}が振付を担当した。2015年5月から3-4か月間、アトウォター・ヴィレッジにあるプロダクション・オフィスでリハーサルが行われた。施設の1室でゴスリングがピアノの練習をし、別室でストーンがムーアとダンスの稽古をし、衣裳デザイナーの[[メアリー・ゾフレス]]も施設の一角を使用していた<ref name="LATimes" /><ref name="TheHR" />。主演のジャズ・ピアニスト役を演じた[[ライアン・ゴズリング]]は、撮影までの3ヶ月間に渡りピアノ特訓を行い、全てのシーンを実際に弾いている<ref>{{Cite web|publisher=VOGUE JAPAN|url=https://www.vogue.co.jp/fashion/editors_picks/2017-02/11/mihoko-iida|title=これさえ知っておけばもっと楽しめる!映画『ラ・ラ・ランド』で見逃したくない4つのシーン。|accessdate=2017-02-16}}</ref>。ムーアはダンスの技術よりも感情を重要視しており、ストーンは[[プリウス]]のシーンでそれが鍵となったと語った<ref name="LATimes" />。役者およびスタッフのイメージを膨らませるため、毎週金曜夜にチャゼルは『シェルブールの雨傘』、『雨に唄えば』、『[[トップ・ハット]]』、『[[ブギーナイツ]]』など影響を受けたクラシック映画の上映会を行なった<ref name="TheHR" />。 |
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|title6 = シティ・オブ・スターズ<br />City of Stars |
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|length6 = 1:51 |
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=== 撮影 === |
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|extra6 = ライアン・ゴズリング |
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{{multiple image |
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|title7 = プラネタリウム<br />Planetarium |
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| footer = <center>オープニング・シーンのロケ地である{{仮リンク|ジャッジ・ハリー・プレガーソンIC|en|Judge Harry Pregerson Interchange}}(左)と星空に浮かぶシーンのロケ地である[[グリフィス天文台]](右)。</center> |
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|length7 = 4:17 |
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| image1 = Los Angeles - Echangeur autoroute 110 105.JPG |
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|extra7 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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| width1 = upright |
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|title8 = サマー・モンタージュ/マデリン<br />Summer Montage / Madeline |
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| alt1 = |
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|length8 = 2:04 |
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| image2 = Griffith Observatory, Los Angeles, California.jpg |
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|extra8 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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| width2 = upright |
|||
|title9 = シティ・オブ・スターズ<br />City of Stars |
|||
| alt2 = |
|||
|length9 = 2:29 |
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|extra9 = ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン |
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|title10 = スタート・ア・ファイア<br />Start A Fire |
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|length10 = 3:12 |
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|extra10 = ジョン・レジェンド |
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|title11 = エンゲージメント・パーティー<br />Engagement Party |
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|length11 = 1:27 |
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|extra11 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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|title12 = オーディション(ザ・フールズ・フー・ドリーム)<br />Audition (The Fools Who Dream) |
|||
|length12 = 3:48 |
|||
|extra12 = エマ・ストーン |
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|title13 = エピローグ<br />Epilogue |
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|length13 = 7:39 |
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|extra13 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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|title14 = ジ・エンド<br />The End |
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|length14 = 0:46 |
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|extra14 = ジャスティン・ハーウィッツ |
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|title15 = シティ・オブ・スターズ (ハミング)<br />City of Stars (Humming) |
|||
|length15 = 2:43 |
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|extra15 = ジャスティン・ハーウィッツ feat. エマ・ストーン |
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}} |
}} |
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チャゼルは1930年代のアステア&ロジャース作品のように、頭からつま先まで映し、カットなしのシングル・テイクで撮影することを望んでいた<ref name="VOGUE" />。また『[[いつも上天気]]』などの1950年代のミュージカル映画のようにワイドスクリーンのシネマスコープを望んでいた。そのためデジタルではなくワイドスクリーンのフォーマットで[[パナビジョン (会社)|パナビジョン]]の撮影機材を使用したフィルム撮影を行なった<ref>{{cite web|url=http://motion.kodak.com/kodakgcg/us/en/motion/blog/blog_post/?contentid=4295000679|title=Shot in CinemaScope, La La Land vibrantly romances the olden days of Hollywood|accessdate=January 10, 2017}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.thereelbits.com/2016/12/15/review-la-la-land/|title=Review: La La Land|first=Richard|last=Gray|accessdate=December 14, 2016}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.indiewire.com/2016/11/oscars-2017-cinematography-shooting-on-film-la-la-land-fences-silence-1201745115/|title=Oscars 2017: Shooting on Film Will Impact Cinematography Race – IndieWire|first=Bill|last=Desowitz|accessdate=December 14, 2016}}</ref><ref>{{cite web|url=http://cinema-scope.com/cinema-scope-online/la-la-land-damien-chazelle-us-special-presentations/|title=La La Land (Damien Chazelle, US) – Special Presentations – Cinema Scope|accessdate=September 5, 2016}}</ref>。 |
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チャゼルはロサンゼルスが非現実的な夢を持った人々によって作り上げられた詩的な街であるとして主な撮影をロサンゼルスで行なうことを望んだ<ref name="THR">{{cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-emma-stone-924617|title='La La Land': Emma Stone, Director Damien Chazelle Talk Bringing Back Hope in Films|author=Ariston Anderson|work=[[The Hollywood Reporter]]|date=August 31, 2016|accessdate=October 9, 2016}}</ref>。2015年8月10日、本作の主要撮影が[[ロサンゼルス]]で始まり<ref>https://twitter.com/lionsgatemovies/status/630872652148703232</ref><ref>{{cite web|title=On the Set for 8/14/15: Marlon Wayans Starts Fifty Shades of Black, Bill Condon Wraps Up Beauty and The Beast|url=http://www.ssninsider.com/on-the-set-for-81415-marlon-wayans-starts-fifty-shades-of-black-bill-condon-wraps-up-beauty-and-the-beast/|accessdate=August 20, 2015|work=SSN Insider|date=August 14, 2015}}</ref>、ダウンタウン・トロリー、ハリウッド・ヒルズの住宅街、エンジェルズ・フライト、コロラド・ストリート橋、サウス・パサデナ、グランド・セントラル・マーケット、ハモーサ・ビーチ、シャトー・マーモント・ホテル、ワッツ・タワーなどロサンゼルス市内60か所以上をワン・テイクで撮影した。40日間を撮影にかけ、2015年9月中旬に撮影が終了した<ref name="TheHR" /><ref>{{cite web|url=http://www.latimes.com/entertainment/envelope/91130420-132.html|title=Ryan Gosling sees 'La La Land' as an opportunity to show off Los Angeles|work=[[Los Angeles Times]]|accessdate=November 6, 2016}}</ref><ref name="HOLL">{{cite web|url=http://deadline.com/2016/12/emma-stone-la-la-land-damien-chazelle-justin-hurwitz-oscars-interview-1201866006/|title=How 'La La Land' Director Damien Chazelle, His Team & Lionsgate Faced The Music & Resurrected The Original Hollywood Musical|publisher=[[Deadline.com]]|author=Anthony D'Alessandro|date=December 10, 2016|accessdate=December 11, 2016}}</ref>。 |
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高速道路上で「Another Day of Sun」を歌い踊る冒頭のシーンが最初に撮影され<ref name="TheHR" />、スタジオ撮影ではなく、実際にロサンゼルス南部のジャッジ・ハリー・プレガーソンICの一部を借り切って撮影された<ref>{{Cite web|url=http://www.thedailybeast.com/articles/2016/12/16/how-la-la-land-staged-a-dance-number-on-an-l-a-freeway.html|title=How ‘La La Land’ Staged a Dance Number on an L.A. Freeway|accessdate=2017-02-03}}</ref>。2日間かけ、100名のダンサーが出演して撮影が行われた<ref name="TG">{{cite web|url=https://www.theguardian.com/film/2016/sep/08/damien-chazelle-la-la-land-interview-toronto-film-festival-tiff-venice-telluride|title=Damien Chazelle on La La Land: 'Los Angeles is full of people chasing dreams'|author=Nigel M Smith|work=[[The Guardian]]|date=September 8, 2016|accessdate=October 9, 2016}}</ref><ref>{{cite web|url=http://deadline.com/2016/09/ryan-gosling-emma-stone-damien-chazelle-la-land-video-highway-dance-scene-1201818389/|title=How Damien Chazelle Pulled Off That L.A. Freeway Musical Number In 'La La Land' – Toronto Studio|author=Anthony D'Alessandro|publisher=[[Deadline.com]]|date=September 12, 2016|accessdate=October 9, 2016}}</ref>。チャゼルはこの1シーンだけでロサンゼルスがいかに広大であるかを表現したかった<ref name="NYLA" />。当初地面の高さの高速道路での撮影が計画されていたが、100フィート(30m)の高さに弧を描く[[インターチェンジ]]での撮影に変更した。プロダクション・デザイナーのデヴィッド・ワスコは「誰か落ちて死ぬのではないかと心配した」と語った。チャゼルは『[[オズの魔法使]]』(1939年)でエメラルド・シティに向かう黄色のレンガ道をイメージしていた<ref name="TheHR" />。 |
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[[File:Angels Flights-13.jpg|thumb|left|upright=1.05|エンジェルズ・フライトは2013年に閉鎖されたが、撮影のために1日だけ再開された。]] |
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チャゼルは1901年創立のトロリーであるエンジェルス・フライトなど、まだ残る、あるいは失われゆく「古き良きロサンゼルス」を探した。この[[ケーブルカー]]は修復および再開を目指していたが叶わず、2013年に脱線後廃止された。しかし映画製作チームは1日だけの使用許可を得ることができ、撮影の計画を立てた<ref name="NYLA" />。 |
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ミアはチャゼルがハリウッドの記念碑と考える撮影所近くの喫茶店で働いている。ワスコは多くの作り物の映画ポスターを制作した。時折チャゼルはその映画の題名を考えており、1枚のポスターに1930年代のミュージカル映画として自身の第1作『''[[::en:Guy and Madeline on a Park Bench|Guy and Madeline on a Park Bench]]'' 』(2009年)の題名を使用している<ref name="NYLA" />。 |
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6分間に及ぶプリウスのシーンは日没の[[マジックアワー (写真)|マジックアワー]]の短時間に撮り終えねばならず、2日間かけ8テイク撮影した<ref name="LATimes" />{{r|tsite170303location}}。ストーンはこのシーンの撮影が成功した時について「皆とても盛り上がった」と語った<ref name="VOGUE" />。ゴスリングもストーンもミュージカル俳優ではなく、特にシングル・テイクの長い曲などで多くのNGを出した。しかしチャゼルは彼らに同情的で、経験が少ないことに理解があり、ミスを全く気にしなかった<ref name="YM" />。セバスチャンとミアの最初のダンス・シーンで、ストーンはベンチの後ろでつまづいたが、すぐに立ち上がってそのまま撮影を続けた<ref name="YM" />。 |
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約1年かけてチャゼルは[[映像編集|編集技師]]の[[トム・クロス]]と共に編集を行なった<ref name="TheHR" />。 |
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== 音楽 == |
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{{main|ラ・ラ・ランド (サウンドトラック)}} |
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映画音楽はチャゼルの[[ハーバード大学]]時代の同級生である[[ジャスティン・ハーウィッツ]]が『''[[::en:Guy and Madeline on a Park Bench|Guy and Madeline on a Park Bench]]'' 』、『[[セッション (映画)|セッション]]』に引き続いて担当した<ref>{{Cite web|publisher=CDJournal|url=http://www.cdjournal.com/main/news/-/74739|title=映画「ラ・ラ・ランド」オリジナル・サウンドトラックの発売が決定|accessdate=2017-02-18}}</ref>。 |
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[[ジョン・レジェンド|ジョン・スティーブンス]]、ハーウィッツ、{{仮リンク|マリウス・デ・ヴリーズ|en|Marius de Vries}}、アンジェリーク・シネルによって作詞された「Start a Fire」を除いて、{{仮リンク|パセク&ポール|en|Pasek and Paul|label=ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール}}が作詞を担当した。 |
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2016年12月9日に[[インタースコープ・レコード]]によってハーウィッツの映画音楽とキャストによってパフォーマンスされた歌が収録されたサウンドトラックのアルバムがリリースされた。 |
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== 公開 == |
== 公開 == |
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2015年4月、ライオンズゲートからアメリカ合衆国での配給権を獲得した[[サミット・エンターテインメント]]は本作の北米公開日を2016年7月15日とした<ref name="Wrap"></ref>。2016年3月、サミット・エンターテインメントは本作の北米での限定公開日を2016年12月2日に変更し、16日から拡大公開を開始すると発表した。これは[[第89回アカデミー賞]]をはじめとする賞レース参戦を念頭に置いての変更である<ref>{{Cite web|url=http://variety.com/2016/film/awards/la-la-land-release-date-ryan-gosling-emma-stone-1201724395/|title=Ryan Gosling, Emma Stone Musical ‘La La Land’ Grabs Oscar Season Debut|accessdate=2016-05-19}}</ref>。 |
2015年4月、[[ライオンズゲート]]からアメリカ合衆国での配給権を獲得した[[サミット・エンターテインメント]]は本作の北米公開日を2016年7月15日とした<ref name="Wrap"></ref>。2016年3月、サミット・エンターテインメントは本作の北米での限定公開日を2016年12月2日に変更し、16日から拡大公開を開始すると発表した。これは[[第89回アカデミー賞]]をはじめとする賞レース参戦を念頭に置いての変更である<ref>{{Cite web|url=http://variety.com/2016/film/awards/la-la-land-release-date-ryan-gosling-emma-stone-1201724395/|title=Ryan Gosling, Emma Stone Musical ‘La La Land’ Grabs Oscar Season Debut|accessdate=2016-05-19}}</ref>。 |
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アカデミー賞の前哨戦で善戦したことを受けて、ライオンズゲートは[[2017年]]1月13日から本作を[[IMAX]]シアターでも上映すると発表した<ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/emma-stone-ryan-goslings-la-la-land-headed-imax-north-america-961146|title=Emma Stone and Ryan Gosling's 'La La Land' Headed to Imax in North America|accessdate=2017-01-06}}</ref>。 |
アカデミー賞の前哨戦で善戦したことを受けて、ライオンズゲートは[[2017年]]1月13日から本作を[[IMAX]]シアターでも上映すると発表した<ref>{{Cite web|url=http://www.hollywoodreporter.com/news/emma-stone-ryan-goslings-la-la-land-headed-imax-north-america-961146|title=Emma Stone and Ryan Gosling's 'La La Land' Headed to Imax in North America|accessdate=2017-01-06}}</ref>。 |
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=== 受賞 === |
=== 受賞 === |
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{{main|{{仮リンク|ラ・ラ・ランドの受賞とノミネートの一覧|en|List of accolades received by La La Land (film)}}}} |
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{| class="wikitable" style="font-size:small" |
{| class="wikitable" style="font-size:small" |
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|- style="background:#ccc; text-align:center;" |
|- style="background:#ccc; text-align:center;" |
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|} |
|} |
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== |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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{{複数の問題 |
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=== 注釈 === |
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| section = 1 |
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{{notelist}} |
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| 出典の明記 = 2017年3月 |
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=== 出典 === |
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| 雑多な内容の箇条書き = 2017年3月 |
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}} |
|||
* 本作では劇中に様々な形でハリウッドの古典作品が引用されている。『[[カサブランカ (映画)|カサブランカ]]』のセットという建物や、『[[理由なき反抗]]』になぞらえて主人公たちが[[グリフィス天文台]]を訪れるシーンがある。 |
|||
* 本作では、アメリカのジャズミュージシャン [[セロニアス・モンク]]がアレンジした、日本の作曲家 [[瀧廉太郎]] による「[[荒城の月]]」が使用されており、劇中でセバスチャンがモンクのレコードをかけながらこの曲を練習しているシーンがある(なお、クレジット表記はモンクのバージョンにならい「Japanese Folk Song」となっている)。 |
|||
* 本作でレストランの経営者として出演しているJ・K・シモンズは、監督デミアン・チャゼルの前作『セッション』で指揮者役をやっていた役者である |
|||
* セバスチャンは、自身が夢見るジャズクラブでは鶏肉料理をメインにすると語るシーンがあるが、その時に言及した[[チャーリー・パーカー]]には実際に「バード」というあだ名があり、その由来の一説にはフライドチキンがある。 |
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==出典== |
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{{Reflist|3}} |
{{Reflist|3}} |
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==外部リンク== |
==外部リンク== |
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* {{Official website| |
* {{Official website|http://www.lalaland.movie}}{{en icon}} |
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* {{Official website|gaga.ne.jp/lalaland/}}{{jp icon}} |
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* {{Twitter|lalaland0224|ラ・ラ・ランド}} |
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* {{IMDb title|3783958}} |
|||
* [http://www.lalaland.movie/ La La Land - Official Movie Site] |
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* {{Mojo title|lalaland}} |
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* {{Rotten Tomatoes|la_la_land}} |
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* {{Metacritic film|la-la-land}} |
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* {{allcinema title|358727|ラ・ラ・ランド}} |
* {{allcinema title|358727|ラ・ラ・ランド}} |
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* {{Kinejun title|84681|ラ・ラ・ランド}} |
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* {{ |
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[[Category:2016年の映画]] |
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[[Category:ライオンズゲートの作品]] |
[[Category:ライオンズゲートの作品]] |
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[[Category:サミット・エンターテインメントの作品]] |
[[Category:サミット・エンターテインメントの作品]] |
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[[Category:ギャガ]] |
[[Category:ギャガの映画作品]] |
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[[Category:ポニーキャニオンの映画作品]] |
[[Category:ポニーキャニオンの映画作品]] |
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[[Category:ピアノ |
[[Category:ピアノやピアニストを題材とした映画作品]] |
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[[Category:ジャズを題材とした映画作品]] |
[[Category:ジャズを題材とした映画作品]] |
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[[Category:ロサンゼルスを舞台とした映画作品]] |
[[Category:ロサンゼルスを舞台とした映画作品]] |
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[[Category:音楽家を主人公とした映画作品]] |
2017年7月31日 (月) 13:34時点における版
ラ・ラ・ランド | |
---|---|
La La Land | |
監督 | デミアン・チャゼル |
脚本 | デミアン・チャゼル |
製作 |
フレッド・バーガー ジョーダン・ホロウィッツ ゲイリー・ギルバート マーク・プラット |
出演者 |
ライアン・ゴズリング エマ・ストーン ジョン・レジェンド ローズマリー・デウィット |
音楽 | ジャスティン・ハーウィッツ |
撮影 | リヌス・サンドグレン |
編集 | トム・クロス |
製作会社 |
サミット・エンターテインメント ブラック・レーベル・メディア TIKフィルムズ[1][2] インポスター・ピクチャーズ ギルバート・フィルムズ マーク・プラット・プロダクションズ |
配給 |
サミット・エンターテインメント ギャガ/ポニーキャニオン |
公開 |
2016年8月31日(ヴェネツィア国際映画祭) 2016年12月9日) 2017年2月24日 |
上映時間 | 128分[3] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $30,000,000[4] |
興行収入 | $443,902,182 [5] |
映像外部リンク | |
---|---|
「ラ・ラ・ランド」本予告 |
『ラ・ラ・ランド』(英: La La Land)は、2016年に公開されたアメリカ合衆国のミュージカル・ロマンティック・コメディ・ドラマ映画。ピアニストの恋愛を描いた映画で、脚本・監督はデミアン・チャゼル、主演はライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが務めた。この映画のタイトルはロサンゼルスと「現実から遊離した精神状態」を意味する。
チャゼルは2010年に『ラ・ラ・ランド』の脚本を執筆したが、当時脚本に変更を加えずにプロジェクトに出資するスタジオを見つけることはできなかった。2014年のチャゼルの映画『セッション』の商業的成功を受け、サミット・エンターテインメントが『ラ・ラ・ランド』の製作に同意した。作品は2016年8月31日に第73回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品としてワールド・プレミアを迎え[6][7]、同年12月9日にはアメリカ合衆国で公開された。3,000万ドルの製作予算に対し、世界で3億7,000万ドルの興行収入を得ている。
『ラ・ラ・ランド』は2016年最高の映画のひとつとして大好評を得た。評論家はチャゼルの脚本・監督、ゴズリングとストーンの演技、ジャスティン・ハーウィッツの映画音楽、ミュージカル・ナンバーを賞賛した。第74回ゴールデン・グローブ賞ではノミネートされた7部門すべてを獲得し[8]、第70回英国アカデミー賞では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞した。第89回アカデミー賞では『タイタニック』(1997年)、『イヴの総て』(1950年)に並ぶ史上最多14ノミネート(13部門)を受け[9]、監督賞、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、作曲賞 、歌曲賞(『シティ・オブ・スターズ』City Of Stars)、美術賞の6部門を受賞した。
ストーリー
プロローグ・冬
舞台はロサンゼルス。高速道路は朝の大渋滞となっており、多くのドライバーが苛つきからクラクションを鳴らしている。中からひとりの女性が降りたことをきっかけに、オープニング・ナンバー "Another Day of Sun" が始まる[注釈 1][13]。
同じ渋滞に巻き込まれているミア(演:エマ・ストーン)は女優の卵で、この間に台詞を覚えようとするが、後続車を運転していたセブ(演:ライアン・ゴズリング)に煽られて悪態をつく。ハリウッドにあるワーナー・ブラザースの撮影所[12][14]でカフェ店員として働きつつ夢を追うミアだが、オーディションの結果は散々で、一向に役はもらえない。一方のセブはジャズピアニストで、歴史ある店が売れないジャズを諦める現状を嘆き、古き良きジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つが、実際には姉ローラ(演:ローズマリー・デウィット)にも身を固めるよう諭される始末である。
ある日オーディションに落ちたミアは、ルームメイトのトレイシー(演:キャリー・ヘルナンデス)・アレクシス(演:ジェシカ・ロース[注釈 2])・ケイトリン(演:ソノヤ・ミズノ)に誘われ、クリスマス・パーティに参加することになる ("Someone in the Crowd") 。顔を売るための出席だったが思うようには行かず、挙げ句車がレッカーされてしまったミアは、偶然聞こえてきた音楽 ("Mia & Sebastian’s Theme") に惹かれてレストランへ入る。音の主は高速道路で煽ってきたセブで、ミアは曲に惚れ込んで声を掛けようとするが、契約通りの曲を弾かなかったことで解雇されたセブは、彼女を邪険に扱って店を出る。
春
ミアは相変わらずオーディションを受け続けている。ある日パーティに参加した彼女は、バンドでa-haの『テイク・オン・ミー』を演奏するセブを見つけ、フロック・オブ・シーガルズの "I Ran (So Far Away)"をリクエストするが[15]、本物のアーティストと自負するセブはこの選曲に憤慨する。ミアは纏わり付く脚本家を振り切ろうと、セブと一緒にパーティ会場を離れるが、近くには自分と同じプリウスが大量に駐車されていて自分の車を見つけられない。ミアの車を探して坂にさしかかったふたりは、夕焼けの美しさを前に、恋が始まりそうなふたりならどんなにロマンチックか語り合う ("A Lovely Night") [注釈 3]。
数日後、セブは撮影所に忍び込み、仕事上がりのミアとふたりで中をうろつきながら、互いの身の上や夢を語り合う。その中でミアは「ジャズが嫌いだ」と話し、セブは本物のジャズを教えるとクラブへ連れて行く ("Herman's Habit") 。ふたりはミアの後学のため『理由なき反抗』のリバイバル上映を観に行く約束をして分かれ、その後セブは埠頭でひとり "City of Stars" を歌う[17]。
ふたりの約束の日、ミアはボーイフレンドとの先約をすっかり忘れていた。ミアは仕方なく食事会に向かうが、浮かない彼女は途中でセブの待つ映画館へ向かう。トラブルから上映は途中で終わるが、その後ふたりは映画のロケ地にもなったグリフィス天文台を訪れてワルツを踊り、ふたりの交際が始まる ("Planetarium") 。
夏
ふたりはデートを重ね、同棲するアパートで互いに夢を追いながら "City of Stars" をデュエットする[17]。関係は良好だったが、セブは店の資金がなく、ミアは女優としてのチャンスを掴めずにいた。セブの助言を受けてミアは一人芝居の脚本を書き始める。また、ミアはセブの店のロゴを「Seb's」にしようと語るが、チャーリー・パーカーを敬愛するセブは「Chicken On A Stick」[18]がいいと譲らない。同時期、セブはジャズバーで旧友キース(演:ジョン・レジェンド)と再会してバンド加入の誘いを受ける。しかし、二人の音楽には方針の不和があった。キースのバンドはジャズにロックやダンスミュージックなどを融合させた斬新な音楽だったため、古き良きジャズを好むセブは違和感を抱く。キースは「ジャズを守りたいのなら、まずは聞いてもらわなくてはいけない。セブが敬愛するチャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスはジャズに革命を起こし、過去を変えた人達ではないのか。それなのにセブは過去に囚われすぎている」と語る。キースの考えを否定できず、店の資金のためもあり、バンドへ加入する。ライブを訪れたミアは、バンドの曲 "Start a Fire"[19]がセブの求めるジャズではないと気付くが、バンドは大成功し、ふたりの生活はすれ違うようになる。
秋
セブとキースのバンドはツアーに繰り出し全国を飛び回る生活だが、一方のミアは、アパートに残って一人芝居の準備に取り掛かっていた。ある日ミアがアパートに帰ると、彼女を驚かせようと帰ってきたセブがいる。ミアと共に過ごしたいセブはツアーに同行しないか聞くが、公演が目前に迫っているミアはこれを断る。ミアはさらに、自分の店を開く夢はどうなったのか問いただし、ふたりは口論になって彼女がアパートを出て行く。
ミアの公演当日、セブは忘れていた雑誌撮影があることを知らされる。公演の客入りはまばらで、終演後 酷評を聞いたミアは故郷ボウルダー・シティに帰ることを決意する。セブも撮影を途中で切り上げて劇場へ向かうが、終演には間に合わず、ミアには夢の終わりを告げられる。
数日後、セブはキャスティング担当者からミアの舞台が目にとまったと知らせを受け、ミアの話を元に彼女の実家を訪れてオーディションに行くよう説得する。ミアはオーディションでおばの話を引きつつ、夢追い人の素晴らしさを語る ("Audition (The Fools Who Dream)") [20]。オーディション後、かつて訪れた坂[注釈 4]に辿り着いたふたりは、互いに愛し合っていることを確認し、夢に溢れた未来を語る。
エピローグ・5年後の冬
ミアは大女優になり、娘もいる母親だが、その父親はセブではない。一方のセブは夢を叶えて、古き良きジャズを愛でる自分の店を開いていた。ある夜、夫と共に出かけたミアは、プロローグ同様に渋滞に巻き込まれ、高速道路を降りて偶然セブのバーに入る。ミアは店名とロゴがかつて自分が考えたものだと気付き、セブも客にミアがいると気付いて、ミアが最初に惚れ込んだ曲 ("Mia & Sebastian's Theme") を弾き始める。曲の始まりと共に、セブとミアが結ばれていた場合の5年間が、映画を振り返る走馬燈のように描かれる ("Epilogue") 。曲が終わったところでミア夫妻は店を出るが、最後にふたりは、互いの気持ちを理解するように見つめ合う。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
- セバスチャン(セブ)・ワイルダー - ライアン・ゴズリング(内田夕夜[21])
- ミア・ドーラン - エマ・ストーン(武田華[21])
- キース - ジョン・レジェンド(祐仙勇[21]): セブの旧友
- ローラ - ローズマリー・デウィット: セブの姉
- トレイシー - キャリー・ヘルナンデス: ミアのルームメイト
- アレクシス - ジェシカ・ロース(熊谷海麗): ミアのルームメイト
- ケイトリン - ソノヤ・ミズノ(石井未紗[21]): ミアのルームメイト
- ビル - J・K・シモンズ(壤晴彦[21]): セブが働くレストランのオーナー
- グレッグ - フィン・ウィットロック: ミアのボーイフレンド
- デヴィッド - トム・エヴェレット・スコット: 5年後のミアの夫
- ミアの母親 - ミーガン・フェイ
- ハリー - デイモン・ガプトン: キースのバンドのメンバー
- カルロ - ジェイソン・フュークス: パーティでミアに声をかける脚本家
- ジョシュ - ジョシュ・ペンス: グレッグの兄
- ヴァレット - トレヴァー・リサウアー
- アリステア - マイルズ・アンダーソン(宮崎敦吉): モジョのカメラマン
製作
プリプロダクション
ドラム奏者でもあるデミアン・チャゼルは熱狂的なミュージカル映画ファンである[22]。2010年、チャゼルは『ラ・ラ・ランド』の脚本を書いたが、当時のチャゼルには映画界は手の届かない存在であった[23]。この作品の案は、クラシックなミュージカルを踏襲するが、いつもうまくいく訳ではない日常生活に根差したものであり[22]、ロサンゼルスに夢を持ってやってくる人々へ敬意を表するものとなった[24]。ハーバード大学在学中、チャゼルは同級生のジャスティン・ハーウィッツと共にこの案の映画化を決心した。2人はボストンのジャズ・ミュージシャンについての低予算ミュージカル映画『[[::en:Guy and Madeline on a Park Bench|Guy and Madeline on a Park Bench]] 』を卒業制作として製作し、コンセプトを掘り下げた[25][26]。チャゼルは『マンハッタ』(1921年)や『これがロシヤだ』(1929年)など、ある1つの都市を称える1920年代のシティ・シンフォニー映画に感銘を受けていた[27]。卒業後の2010年、2人はロサンゼルスに転居して脚本を執筆し続けたが、舞台をボストンからロサンゼルスに移すなど若干の修正が加えられた[25]。
「アメリカの他の都市と比較してロサンゼルスならなおさら地域の歴史に無頓着である。しかし不思議なことに、調べる気になればタマネギの皮を剥くように少しずつ本当の姿が見えてくる[27]。」
ロサンゼルスをパリやサンフランシスコの魅力に合わせようとするのではなく、交通、スプロール現象、そして空など街の特徴に焦点を当てた[27]。この映画の様式はジャック・ドゥミの『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』の影響を受けている。特に『ロシュフォール』ではダンスやジャズ関連、そしてそれ以外からも影響を受けている[28]。また作中、『踊るニュウ・ヨーク』、『雨に唄えば』、『バンド・ワゴン』などのハリウッドのクラシック映画のオマージュ的映像が多数含まれている[29]。また前作『セッション』と登場人物やテーマが類似している。チャゼルは「どちらもアーティストとして、夢と現実の差に悩みを持っている。『ラ・ラ・ランド』はそれに関しての怒りはだいぶ抑えてある」と語った[30]。またチャゼルはどちらの作品もハリウッドでの映画製作者としての経験を反映させていると語った[24]。特に『ラ・ラ・ランド』では、ショッピングセンターと高速道路だらけというロサンゼルスのイメージを膨らませながら西海岸に転居した自身の経験を織り込んでいる[27]。
誰も知らない曲を使用したオリジナルの現代ミュージカルに出資するスタジオはなかなかなく、何年も製作することができなかった。またジャズに関して『ハリウッド・リポーター』誌は「絶滅したジャンル」とまで言い切った。チャゼルはハーウィッツとのコンビが無名であるため出資されないのだと考えた[31][25]。チャゼルはプロデューサーを探し、友人たちを介して知り合ったフレッド・バーガー、ジョーダン・ホロウィッツがプロデューサーとして参加した。フォーカス・フィーチャーズに予算100万ドルとして脚本を送った。フォーカス社は男性主人公をジャズ・ピアニストではなくロック・ミュージシャンに替える、オープニング曲を別の曲に差し替える、最後のほろ苦いシーンをカットするなど、チャゼルが作品の特色であり重要事項と考えていた部分の多くの変更を要求した。チャゼルは大きな変更を望まなかったため、このプロジェクトを破棄して別の方法を探すことにした[25]。
その後チャゼルはより出資されやすくリスクの少ないコンセプトの『セッション』を執筆した[32]。2014年1月のサンダンス映画祭で初上映され批評家からの高評価を受け、チャゼルは『ラ・ラ・ランド』製作への努力を続けた[25]。1年後、第87回アカデミー賞において『セッション』が作品賞を含む5部門にノミネートされ、330万ドルの製作費であったが世界中で5千万ドルの興行収入をあげ、映画製作会社からチャゼルの次の作品に注目されるようになった[31]。
脚本を執筆してから5年後[33]、『セッション』の批評的、商業的成功に好印象を持ったサミット・エンターテインメントとブラック・レーベル・メディアはマーク・E・プラットをプロデューサーに迎え『ラ・ラ・ランド』製作への出資および配給に同意した[24]。『ステップ・アップ』シリーズの製作に関わったライオンズゲートのパトリック・ワックスバーガーは、低予算では高品質ミュージカル映画は製作できないと考えており、チャゼルに予算を上げるよう勧めた[34]。
キャスティング
2014年6月5日、デミアン・チャゼルが自身の脚本を基にしたミュージカル映画の製作を企画しており、マイルズ・テラーとエマ・ワトソンを主演に迎える方向で調整がなされているとの報道があった[35]。しかしワトソンは2017年の映画『美女と野獣』出演のため降板し、テラーは長期間に亘る交渉の結果降板した[23]。チャゼルは登場人物の年齢を上げ、ロサンゼルスに来たばかりの若者ではなく、夢への挫折の経験を持つ役柄に変更した[25]。
2015年4月14日、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが主役候補として検討されていると報じられた[36]。30日には両名の出演が確定した[37]。7月8日、ジェシカ・ロース、ソノヤ・ミズノ、キャリー・ヘルナンデスら3名がミアのルームメイトとして出演することが決まった[38]。10日、J・K・シモンズとフィン・ウィットロックが本作に出演すると報じられた[39][40][41]。8月4日、ローズマリー・デウィットとジョン・レジェンドの出演が決まった[42][43]。10日、ミーガン・フェイが本作に出演すると報じられた[44]。11日、ジェイソン・ヒュークスが本作に出演する契約を結んだとの報道があった[45]。
エマ・ストーン演じるミアは、女優を目指すがなかなか叶わず、オーディションの合間にロサンゼルスにあるワーナー・ブラザースの喫茶店でバリスタとして働く[31]。ストーンは8歳の時に『レ・ミゼラブル』を鑑賞してからのミュージカル・ファンで、「突然歌いだすのがいつも夢だった」と語っており、好きな映画として1931年のチャーリー・チャップリンのロマンチック・コメディ『街の灯』を挙げている[31][22]。子供の頃チアリーダーに所属し、バレエも1年間だけ習っていた[31]。15歳で女優を目指して母親と共にハリウッドに転居したが、最初の1年はオーディションに落ち続けて苦悩していた。たとえ役を得ても、台詞は1行だけであった[46]。ミアの役は自身の経験を反映しており、映画にも活かされている[30]。
2014年、ストーンはブロードウェイ・デビュー作『キャバレー』出演時にチャゼルと出会った。チャゼルとハーウィッツは、ストーンが風邪をひきつつ出演していた公演を鑑賞した[31][47]。ストーンはニューヨークにあるブルックリン・ダイナーでチャゼルと会い、チャゼルは映画のビジョンを語った[48]。チャゼルは『キャバレー』でのストーンを見て『ラ・ラ・ランド』での役を的確に演じることができると考えた[48]。役を検討する上で、ストーンはチャゼルが影響を受けたとする『シェルブールの雨傘』やフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのコラボレート作品を鑑賞した[33]。ストーンはチャゼルが作品に大変情熱を持って取り組んでいることに感銘し、正式に役を受けた[48]。
ライアン・ゴスリングが、自分のクラブを持つことを夢見ながら、生活のためにバーでのカクテル・パーティで演奏するジャズ・ピアニストのセバスチャン役に配役された[31]。ストーンと同様、アーティストを目指した自身の経験を反映させた。ゴスリングがオーディションで泣く演技をしている最中、キャスティング担当者が電話に出てランチの相談をした経験がミアの役に織り込まれた[31][46][49]。チャゼルは、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』撮影開始頃のゴスリングとハリウッド・ヒルズのバーで会った[25]。
サミットが映画化権を購入した直後にチャゼルは2人と面会した[24]。チャゼルは2人について、スペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーン、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース、マーナ・ロイとウィリアム・パウエルのような往年のハリウッド・カップルのようにしっくり合っていると感じた[30]。ゴスリングとストーンにとって『ラブ・アゲイン』(2011年)、『L.A. ギャング ストーリー』(2013年)に続く3作目の共演となった[50]。チャゼルは2人にオーディションの失敗談を尋ねた[46]。2人はオリジナル曲6曲の歌およびダンスの稽古を受けた[25]。
ジョン・レジェンドは、のちにセバスチャンが加入することとなるバンド「メッセンジャーズ」のリーダーで、ヒットしているジャズ・パフォーマーのキース役を演じた[31]。
マンディ・ムーアが振付を担当した。2015年5月から3-4か月間、アトウォター・ヴィレッジにあるプロダクション・オフィスでリハーサルが行われた。施設の1室でゴスリングがピアノの練習をし、別室でストーンがムーアとダンスの稽古をし、衣裳デザイナーのメアリー・ゾフレスも施設の一角を使用していた[31][25]。主演のジャズ・ピアニスト役を演じたライアン・ゴズリングは、撮影までの3ヶ月間に渡りピアノ特訓を行い、全てのシーンを実際に弾いている[51]。ムーアはダンスの技術よりも感情を重要視しており、ストーンはプリウスのシーンでそれが鍵となったと語った[31]。役者およびスタッフのイメージを膨らませるため、毎週金曜夜にチャゼルは『シェルブールの雨傘』、『雨に唄えば』、『トップ・ハット』、『ブギーナイツ』など影響を受けたクラシック映画の上映会を行なった[25]。
撮影
チャゼルは1930年代のアステア&ロジャース作品のように、頭からつま先まで映し、カットなしのシングル・テイクで撮影することを望んでいた[48]。また『いつも上天気』などの1950年代のミュージカル映画のようにワイドスクリーンのシネマスコープを望んでいた。そのためデジタルではなくワイドスクリーンのフォーマットでパナビジョンの撮影機材を使用したフィルム撮影を行なった[52][53][54][55]。
チャゼルはロサンゼルスが非現実的な夢を持った人々によって作り上げられた詩的な街であるとして主な撮影をロサンゼルスで行なうことを望んだ[22]。2015年8月10日、本作の主要撮影がロサンゼルスで始まり[56][57]、ダウンタウン・トロリー、ハリウッド・ヒルズの住宅街、エンジェルズ・フライト、コロラド・ストリート橋、サウス・パサデナ、グランド・セントラル・マーケット、ハモーサ・ビーチ、シャトー・マーモント・ホテル、ワッツ・タワーなどロサンゼルス市内60か所以上をワン・テイクで撮影した。40日間を撮影にかけ、2015年9月中旬に撮影が終了した[25][58][59]。
高速道路上で「Another Day of Sun」を歌い踊る冒頭のシーンが最初に撮影され[25]、スタジオ撮影ではなく、実際にロサンゼルス南部のジャッジ・ハリー・プレガーソンICの一部を借り切って撮影された[60]。2日間かけ、100名のダンサーが出演して撮影が行われた[24][61]。チャゼルはこの1シーンだけでロサンゼルスがいかに広大であるかを表現したかった[27]。当初地面の高さの高速道路での撮影が計画されていたが、100フィート(30m)の高さに弧を描くインターチェンジでの撮影に変更した。プロダクション・デザイナーのデヴィッド・ワスコは「誰か落ちて死ぬのではないかと心配した」と語った。チャゼルは『オズの魔法使』(1939年)でエメラルド・シティに向かう黄色のレンガ道をイメージしていた[25]。
チャゼルは1901年創立のトロリーであるエンジェルス・フライトなど、まだ残る、あるいは失われゆく「古き良きロサンゼルス」を探した。このケーブルカーは修復および再開を目指していたが叶わず、2013年に脱線後廃止された。しかし映画製作チームは1日だけの使用許可を得ることができ、撮影の計画を立てた[27]。
ミアはチャゼルがハリウッドの記念碑と考える撮影所近くの喫茶店で働いている。ワスコは多くの作り物の映画ポスターを制作した。時折チャゼルはその映画の題名を考えており、1枚のポスターに1930年代のミュージカル映画として自身の第1作『[[::en:Guy and Madeline on a Park Bench|Guy and Madeline on a Park Bench]] 』(2009年)の題名を使用している[27]。
6分間に及ぶプリウスのシーンは日没のマジックアワーの短時間に撮り終えねばならず、2日間かけ8テイク撮影した[31][14]。ストーンはこのシーンの撮影が成功した時について「皆とても盛り上がった」と語った[48]。ゴスリングもストーンもミュージカル俳優ではなく、特にシングル・テイクの長い曲などで多くのNGを出した。しかしチャゼルは彼らに同情的で、経験が少ないことに理解があり、ミスを全く気にしなかった[33]。セバスチャンとミアの最初のダンス・シーンで、ストーンはベンチの後ろでつまづいたが、すぐに立ち上がってそのまま撮影を続けた[33]。
約1年かけてチャゼルは編集技師のトム・クロスと共に編集を行なった[25]。
音楽
映画音楽はチャゼルのハーバード大学時代の同級生であるジャスティン・ハーウィッツが『[[::en:Guy and Madeline on a Park Bench|Guy and Madeline on a Park Bench]] 』、『セッション』に引き続いて担当した[62]。 ジョン・スティーブンス、ハーウィッツ、マリウス・デ・ヴリーズ、アンジェリーク・シネルによって作詞された「Start a Fire」を除いて、ベンジ・パセック、ジャスティン・ポールが作詞を担当した。
2016年12月9日にインタースコープ・レコードによってハーウィッツの映画音楽とキャストによってパフォーマンスされた歌が収録されたサウンドトラックのアルバムがリリースされた。
公開
2015年4月、ライオンズゲートからアメリカ合衆国での配給権を獲得したサミット・エンターテインメントは本作の北米公開日を2016年7月15日とした[37]。2016年3月、サミット・エンターテインメントは本作の北米での限定公開日を2016年12月2日に変更し、16日から拡大公開を開始すると発表した。これは第89回アカデミー賞をはじめとする賞レース参戦を念頭に置いての変更である[63]。
アカデミー賞の前哨戦で善戦したことを受けて、ライオンズゲートは2017年1月13日から本作をIMAXシアターでも上映すると発表した[64]。
日本では2017年2月24日より全国ロードショー公開された。公開に先立って監督のデミアン・チャゼルと主演のライアン・ゴズリングが1月に来日して記者会見を開き、その席でチャゼルは「1965年の日本映画『東京流れ者』(製作:日活、監督:鈴木清順、主演:渡哲也)を隠れたオマージュにした」旨を語っている[65]。興行収入はおよそ1週間後の同年3月2日に10億円を突破し、この年の公開作品で最速記録となった[66]。
評価
第73回ヴェネツィア国際映画祭で上映された際には、極めて高い評価を受けた[67][68]。Deadline.comのピート・ハモンドは「我々は困難な時代に生きているが、この映画は鑑賞に値する作品だ。我々を楽しませてくれるし、人間の新しい一面を見せてくれる。観客は生きていることの喜びを味わえる。アメリカのミュージカルの将来を案じている人間は必ず見るべき映画だ。」と称賛している[69]。
英のBBCは、2016年の映画トップ10で本作を1位に選出している[70]。
俳優のトム・ハンクスは「我々は新しい何か、想像も出来ないものを目にしたとき、『こんな素晴らしいものを創造した神に感謝したい』と思うでしょう。『ラ・ラ・ランド』のような映画はスタジオにとって好ましいものではないのです。この作品はミュージカル映画であり、観客は登場人物と歌に関してよく知っているわけでは無いのですから。」と本作を高く評価しつつ、興行収入ばかりを気にして、新しい潮流を生み出すような映画を制作しようとしない映画会社を批判した[71]。
日本でも多数の著名人が観賞後絶賛のコメントを寄せている[72]。
- 新海誠 - 「大いに堪能しました。夢を追う過程にいる男女の、すがるような自信と傲慢と不安と。一度だけの恋と。音楽と映画の特別な瞬間が何度もありました」
- 上白石萌音 - 「夢も現実も、見える景色も聴こえる音も、全てが儚く美しく、鮮やかでした」
- 大根仁 - 「早くも2017年ナンバー1映画決定!!」
- 西川美和 - 「どうやったらこんなふうなシナリオを書けるのかなあ。巧みさに打ちのめされて、一人で泣きたくなりました。人生の美しさと喪失とをきちんと突き詰めているこの映画は、ほんとうに大人の恋愛歌劇だと思います」
受賞
受賞とノミネート | |||||
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賞・映画祭 | カテゴリ | 対象 | 結果 | ||
第74回ゴールデングローブ賞[8] | 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) |
ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) |
ライアン・ゴズリング | 受賞 | |||
主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) |
エマ・ストーン | 受賞 | |||
監督賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
脚本賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
主題歌賞 | "City of Stars" – ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul | 受賞 | |||
作曲賞 | ジャスティン・ハーウィッツ | 受賞 | |||
第70回英国アカデミー賞[73] | 作品賞 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
監督賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
撮影賞 | ライナス・サンドグレン | 受賞 | |||
作曲賞 | ジャスティン・ハーウィッツ | 受賞 | |||
主演女優賞 | エマ・ストーン | 受賞 | |||
第89回アカデミー賞[74] | 作品賞 | ラ・ラ・ランド | ノミネート | ||
監督賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | ノミネート | |||
主演女優賞 | エマ・ストーン | 受賞 | |||
脚本賞 | デミアン・チャゼル | ノミネート | |||
撮影賞 | ライナス・サンドグレン | 受賞 | |||
編集賞 | トム・クロス | ノミネート | |||
美術賞 | デヴィッド・ワスコ、サンディ・レイノルズ・ワスコ | 受賞 | |||
作曲賞 | ジャスティン・ハーウィッツ | 受賞 | |||
歌曲賞 | "Audition" (ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul) | ノミネート | |||
"City of Stars" (Justin Hurwitz, Pasek and Paul) | 受賞 | ||||
衣裳デザイン賞 | メアリー・ゾフレス | ノミネート | |||
音響編集賞 | ラ・ラ・ランド | ノミネート | |||
録音賞 | ラ・ラ・ランド | ノミネート | |||
第82回ニューヨーク映画批評家協会賞 | 作品賞 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
第41回トロント国際映画祭[75] | 観客賞 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
第73回ヴェネツィア国際映画祭[76] | 金獅子賞 | デミアン・チャゼル | ノミネート | ||
グリーン・ドロップ賞 | デミアン・チャゼル | ノミネート | |||
女優賞 | エマ・ストーン | 受賞 | |||
第22回放送映画批評家協会賞[77][78] | 作品賞 | フレド・バーガー ゲイリー・ギルバート ジョーダン・ホロウィッツ マーク・E・プラット |
受賞 | ||
監督賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | ノミネート | |||
主演女優賞 | エマ・ストーン | ノミネート | |||
脚本賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
撮影賞 | リヌス・サンドグレン | 受賞 | |||
衣裳デザイン賞 | メアリー・ゾフレス | ノミネート | |||
編集賞 | トム・クロス | 受賞 | |||
美術賞 | デヴィッド・ワスコ、サンディ・レイノルズ・ワスコ | 受賞 | |||
作曲賞 | ジャスティン・ハーウィッツ | 受賞 | |||
歌曲賞 | "Audition" (ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul) | ノミネート | |||
"City of Stars" (Justin Hurwitz, Pasek and Paul) | 受賞 | ||||
第64回ゴールデン・リール賞[79] | 長編映画・ミュージカル部門 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
第53回映画音響協会賞[80] | 実写映画部門 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
第21回全米美術監督組合賞[81] | 現代映画部門 | デヴィッド・ワスコ | 受賞 | ||
第24回ハンプトンズ国際映画祭[82] | 観客賞ナラティヴ部門 | デミアン・チャゼル | 受賞 | ||
第88回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞[83] | 作品賞トップ10 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
パームスプリングス国際映画祭2017[84] | ヴァンガード賞 | ラ・ラ・ランド | 受賞 | ||
第32回サンタバーバラ国際映画祭[85] | パフォーマー・オブ・ザ・イヤー | ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン | 受賞 | ||
ハリウッド映画賞2016[86] | プロデューサー賞 | マーク・E・プラット (ビリー・リンの永遠の1日とガール・オン・ザ・トレインを含む) |
受賞 | ||
撮影賞 | リヌス・サンドグレン | 受賞 | |||
ハリウッドメディア音楽賞2016[87][88] | 作曲賞 | ジャスティン・ハーウィッツ | ノミネート | ||
主題歌賞 | "Audition" – ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul | ノミネート | |||
"City of Stars" – ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul | 受賞 | ||||
最優秀音楽監督賞 | Steven Gizicki | ノミネート | |||
第21回サテライト賞[89] | 作品賞 | ラ・ラ・ランド | ノミネート | ||
監督賞 | デミアン・チャゼル | 受賞 | |||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | ノミネート | |||
主演女優賞 | エマ・ストーン | 受賞 | |||
オリジナル脚本賞 | デミアン・チャゼル | ノミネート | |||
撮影賞 | リヌス・サンドグレン | 受賞 | |||
作曲賞 | ジャスティン・ハーウィッツ | 受賞 | |||
主題歌賞 | "Audition" – ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul | ノミネート | |||
"City of Stars" – ジャスティン・ハーウィッツ、Pasek and Paul | 受賞 | ||||
美術賞 | デヴィッド・ワスコ | 受賞 | |||
編集賞 | トム・クロス | ノミネート | |||
衣裳デザイン賞 | メアリー・ゾフレス | ノミネート | |||
音響賞 | ラ・ラ・ランド | ノミネート |
脚注
注釈
出典
- ^ “Lionsgate Seals $1.5 Billion Deal With China’s Hunan TV”. Variety. 1 March 2017閲覧。
- ^ “Will China Go Gaga for ‘La La Land’?”. Wall Street Journal. 1 March 2017閲覧。
- ^ “La La Land (12A)”. British Board of Film Classification (October 14, 2016). February 22, 2017閲覧。
- ^ “Peter Bart: ‘La La Land’ Adds Musical Backbeat To Wide-Open Awards Race”. Deadline.com. December 2, 2016閲覧。
- ^ “La La Land (2016)”. Box Office Mojo. March 3, 2017閲覧。
- ^ “La La Land di Damien Chazelle apre Venezia 73”. 2016年6月18日閲覧。
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- ^ a b “ゴールデングローブ賞発表 「ラ・ラ・ランド」が史上最多7部門を受賞”. 映画.com. (2017年1月9日) 2017年2月16日閲覧。
- ^ “【第89回アカデミー賞】ライアン・ゴズリング主演『ラ・ラ・ランド』が本年度最多13部門14ノミネートを記録!『タイタニック』に並ぶ快挙!”. T-SITEニュース. 2017年2月16日閲覧。
- ^ “Another Day of Sun”. Genius. 2017年3月3日閲覧。
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- ^ 『ラ・ラ・ランド』Music PV "Another day of sun" - ギャガ公式チャンネル - YouTube
- ^ a b “【もっと見たくなる!】『ラ・ラ・ランド』ロケ地の撮影秘話と場面写真が一挙解禁!”. T-SITE. TSUTAYA (2017年2月14日). 2017年3月3日閲覧。
- ^ Buchanan, Kyle (2016年9月21日). “Ryan Gosling Wears a Keytar in La La Land, Just FYI”. Vulture.com. 2017年3月3日閲覧。
- ^ “A Lovely Night”. Genius. 2017年3月3日閲覧。
- ^ a b 『セッション』監督のミュージカル!映画『ラ・ラ・ランド』より「City Of Stars」 - シネマトゥディ - YouTube
- ^ チャーリー・パーカーは「バード」という愛称で呼ばれるほど鶏肉が好きだったためとされている。
- ^ La La Land (2016 Movie) Official Trailer - 'Start A Fire’-Lionsgate Movies - YouTube
- ^ 映画『ラ・ラ・ランド』エマ・ストーンが歌う「AUDITION」 -シネマトゥディ - YouTube
- ^ a b c d e “「ラ・ラ・ランド」日本語吹替キャストに内田夕夜、武田華ら BD&DVD 8・2発売”. TVLIFE (2017年7月31日). 2017年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月31日閲覧。
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外部リンク
- 公式ウェブサイト
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- ラ・ラ・ランド - IMDb
- ラ・ラ・ランド - Box Office Mojo
- ラ・ラ・ランド - Rotten Tomatoes
- ラ・ラ・ランド - Metacritic
- ラ・ラ・ランド - allcinema
- ラ・ラ・ランド - KINENOTE
- ラ・ラ・ランド - MOVIE WALKER PRESS